JP2009156980A - 2次転写ユニット、画像形成装置 - Google Patents

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政志 平井
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久仁昭 仲野
Kazuaki Ishikawa
一暁 石川
Tsutomu Osada
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Abstract

【課題】低湿時における転写ムラを防止し、異常画像を発生させないカラー画像形成装置用の2次転写ユニット及びその2次転写ユニットを備える画像形成装置を提供する。
【解決手段】本発明の2次転写ユニット11は、2次転写ベルト11aと、2次転写ベルト11aの内側にそれぞれ配備されており、2次転写ベルト11aを張架し、2次転写ベルト11aを回転駆動させるローラ11b・11cと、記録シート60にトナー像を転写させるための転写電圧を印加する2次転写ローラ11eと、除電部材80とを備え、除電部材80は、2次転写ベルト11aを内側から除電することによって環境によらず、転写ムラを防止し、特に低湿時における転写ムラを防止し、高品質の画像を形成することができる。
【選択図】図1

Description

本発明は、複写機、プリンタ、ファクシミリ等の電子写真方式を用いた画像形成装置に関するものである。特に、中間転写ベルトを備え、多色画像形成を可能としたカラー画像形成装置用の2次転写ユニットに関するものである。
近年、オフィス文書のカラー化に伴い、カラー複写機、カラープリンター等、カラー画像形成を可能とした電子写真方式のカラー画像形成装置が開発されている。カラー画像形成装置は、例えば、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックの4色の画像形成ユニットでそれぞれトナー画像を形成し、各トナー画像を記録媒体(記録シートともいう)に重ね合わせて転写することによって、記録媒体上に未定着トナー画像を形成する。未定着トナー画像が形成されている記録媒体は、溶融・混合・圧接によるトナー画像を記録媒体に定着する定着装置に搬送されることによって、記録媒体上に堅牢な画像が形成される。
トナー画像を記録媒体に重ね合わせて転写する際またはトナー画像を記録媒体に重ね合わせて定着する際、記録媒体が帯電してしまうと、記録媒体上にトナー像が乱れることがおき、形成される画像の転写不良が生じてしまう。例えば、全面ハーフトーン画像またはベタ画像を印字した場合、放電によりトナーが飛び散り、記録媒体のべース部分が見えるような筋をランダムに発生する転写不良が生じてしまう。
この現象をなくすため、印加する転写電圧の制御や記録媒体の搬送形態などの検討が行われている。例えば、特許文献1においては、記録媒体上のトナー像が乱れないように、記録媒体を非接触で除電する除電部材を有し、転写ベルトを離れた記録媒体を均一かつ緩やかに除電する画像形成装置が開示されている。
特開2000−214689号公報(2000年8月4日)
しかしながら、特許文献1では、単色トナー画像を形成された記録媒体を定着装置に搬送される前に、転写ベルトを離れた記録媒体を均一かつ緩やかに除電を行う技術が示されているが、多色画像形成を可能としたカラー画像形成装置用の2次転写ユニットにおいては、記録媒体が定着装置に搬送される前に除電しても、記録媒体に2次転写を行う2次転写領域で異常画像を発生しまうため、2次転写領域での転写不良の現象を改善することは困難である。
なお、多色画像形成を可能としたカラー画像形成装置において、2次転写ユニットは、2次転写ベルトを用いることがある。この2次転写ベルト形状を用いた場合には、多色の画像を転写する際、上記現象が起こりにくいものの、ユーザ要望から記録媒体の仕様範囲が大きくなったこともあり、転写する際の環境にも影響がされることもあり、現時点では、この転写不良はまだ解決できていない。
このように、カラー画像形成装置においては、多種類の記録媒体上にトナー画像を転写する構造をとるために、場合によっては、中間転写ベルトに転写されたトナー画像を記録媒体に2次転写を行う2次転写領域において転写不良が発生することがある。特に、周囲環境が低湿時に起こりやすい場合には、2次転写領域において転写不良が発生するおそれがある。また、厚紙においてこの現象がおきやすい。この現象を厚紙の再転写(転写ムラ)ともいう。
本発明の目的は、上記問題点に鑑み、低湿時における転写不良を防止し、異常画像を発生させないカラー画像形成装置用の2次転写ユニット及びその2次転写ユニットを備える画像形成装置を提供することである。
本発明に係る2次転写ユニットは、上記課題を解決するために、中間転写ベルト上に転写されたカラーのトナー画像を、所定搬送方向に搬送されてきた記録媒体に転写するための2次転写ユニットであって、2次転写ベルトと、前記2次転写ベルトの内側にそれぞれ配備されており、前記2次転写ベルトを張架し、前記2次転写ベルトを回転駆動させるローラと、前記記録媒体にトナー像を転写させるための転写電圧を印加する2次転写ローラと、除電部材とを備え、前記除電部材は、前記2次転写ベルトを内側から除電することを特徴としている。
本発明者らの鋭意検討の結果、厚紙の再転写が生じる原因として、2次転写時の転写電流(2次転写電流)が2次転写ベルトに流れ込み、2次転写ベルトの電位が上昇することが判明した。その結果、記録媒体の導入される上流側にも2次転写電流が流れ込み、その電荷により記録媒体が帯電してしまい、2次転写領域付近、すなわち2次転写ベルトと記録媒体との2次転写ギャップで放電が起こり、異常画像が発生するものと考えられる。本発明は、この検討結果に基づいて行われたものである。
上記の構成によれば、前記除電部材は、前記2次転写ベルトを内側から除電することによって、2次転写電流が2次転写ベルト上に残ることがなくなるため、特に低湿においても転写不良を防止できるとともに、記録媒体を2次転写ベルトに沿って確実に搬送することができる。
また、本発明の2次転写ユニットにおいて、前記2次転写ベルトを駆動させるためのローラは、前記2次転写ベルトを駆動する駆動ローラ、前記駆動ローラに従動する従動ローラであり、前記記録媒体の搬送方向の搬送経路において、前記従動ローラが、前記記録媒体の搬送方向の上流側に配備され、前記駆動ローラが、前記記録媒体の搬送方向の下流側に配備され、前記2次転写ローラが、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に配備されており、前記除電部材は、前記従動ローラと前記2次転写ローラとの間に配備されることが好ましい。
上記の構成によれば、前記除電部材は、前記従動ローラと2次転写ローラとの間に配備されることによって、記録媒体に転写する前に、2次転写ベルトを除電することができ、転写不良を改善することができる。
また、本発明の2次転写ユニットにおいて、前記従動ローラの近傍、かつ、前記記録媒体の搬送方向において前記従動ローラより上流側に、前記記録媒体の搬送を2次転写ベルト上にガイドするペーパーガイドをさらに備えること好ましい。
上記の構成によれば、前記従動ローラの近傍にペーパーガイドがさらに備えられることによって、記録媒体の搬送ミスをなくし、2次転写における転写性を確保できる。
また、本発明の2次転写ユニットにおいて、前記駆動ローラと前記従動ローラとがアースされているが好ましい。
上記の構成によれば、前記駆動ローラと前記従動ローラとがアースされていることにより、各ローラからも除電が行われるため、より転写不良を抑えることができる。
また、本発明の2次転写ユニットにおいて、前記除電部材は、導電性ブラシであるが好ましい。
上記の構成によれば、前記除電部材は、導電性ブラシであることにより、2次転写ベルトを適度の接触圧で接することができ、耐久性にも優れているため、除電部材と2次転写ベルトとの使用寿命を延ばすことができる。
また、本発明の2次転写ユニットにおいて、前記2次転写ベルトの表面抵抗率が、1011Ω/□以上であることが好ましい。
上記の構成によれば、前記2次転写ベルトの表面抵抗率が1011Ω/□以上であるために、転写画像濃度などの2次転写性を確保することができる。
ここで、体積抵抗率を用いて2次転写ベルト間の優位差を評価するより、表面抵抗率を用いた評価は、より明確に見極めることができるので、2次転写ベルトを表面抵抗率で規定することにより、使用前の判定が確実になる。
また、本発明の画像形成装置は、上記2次転写ユニットを備えている。
上記の構成によれば、厚紙を用いた場合での低湿下においても、転写不良がなく、きれいな画質を得ることができる。
本発明に係る2次転写ユニットは、中間転写ベルト上に転写されたカラーのトナー画像を、所定搬送方向に搬送されてきた記録媒体に転写するための2次転写ユニットであって、2次転写ベルトと、前記2次転写ベルトの内側にそれぞれ配備されており、前記2次転写ベルトを張架し、前記2次転写ベルトを回転駆動させるローラと、前記記録媒体にトナー像を転写させるための転写電圧を印加する2次転写ローラと、除電部材とを備え、前記除電部材は、前記2次転写ベルトを内側から除電することを特徴としている。
上記の構成によれば、2次転写電流が2次転写ベルト上に残ることがなくなるため、特に低湿においても転写不良を防止できるとともに、記録媒体を2次転写ベルトに沿って確実に搬送することができる。また、低湿下において、記録媒体の種類によらず、記録媒体が中間転写ベルトに沿って一部吸着した状態で搬送され、記録媒体と中間転写ベルトとの接触が安定するため、2次転写領域における放電が起こりにくく、転写不良を防止できるとともに、記録媒体の搬送性に優れた2次転写ユニットを得ることができる。
本発明の一実施形態について図1ないし図4に基づいて説明すると以下の通りである。
(画像形成装置の概略構成)
まず、本発明に係る2次転写ユニット11を備える画像形成装置50の機構的な構成の概要を説明する。
図2は、本発明に係る画像形成装置50の概略構成を示す断面図である。画像形成装置50は、図2に示すように、露光ユニット1、現像器2、感光体ドラム3、帯電器5、クリーナユニット4、中間転写ベルトユニット8、定着ユニット12と、用紙搬送路S、給紙トレイ10および排紙トレイ15等より構成された電子写真方式の画像形成装置である。また、画像形成装置50は、外部から伝達された画像データに応じて、所定の記録媒体(記録シート)に対して多色および単色の画像を形成するものである。
なお、本画像形成装置50において扱われる画像データは、ブラック(KあるいはBK)、シアン(C)、マゼンタ(M)、イエロー(Y)を用いたカラー画像に応じたものである。従って、現像器2(2a・2b・2c・2d)、感光体ドラム3(3a・3b・3c・3d)、帯電器5(5a・5b・5c・5d)、クリーナユニット4(4a・4b・4c・4d)は、各色に応じてそれぞれ4個ずつ設けられている。それぞれ、符号末尾の英文字は、aがブラックに、bがシアンに、cがマゼンタに、dがイエローに対応する。各色に対応した4種類の潜像が各感光体ドラム3の周面に形成される。すなわち、各色に対応した4つの画像ステーション(画像形成ユニット)が構成されている。
以下、一つの画像ステーションについて、その構成を説明する。他の画像ステーションも同様の構成を有しているので、その説明を省略する。また、符号末尾の英文字は、説明の便宜のため省略されている。
感光体ドラム3は、所定の電位に帯電できる表面を有する。帯電器5は、感光体ドラム3の表面を所定の電位に均一に帯電させるための帯電手段である。帯電手段としては、図2に示すような接触型のローラ型のほかに、ブラシ型の帯電器やチャージャー型の帯電器が用いられてもよい。
露光ユニット1は、帯電した感光体ドラム3の表面を選択的に露光する露光手段である。露光手段としては、図2に示すレーザスキャニングユニット(LSU)のほかに、ELやLEDなどの発光素子をアレイ状に並べた書込みヘッドを用いてもよい。レーザスキャニングユニットは、レーザ照射部およびポリゴンミラーを有する。そして、レーザスキャニングユニットは、レーザ照射部からのレーザビームLを回転するポリゴンミラーに反射させて偏向し、感光体ドラム3の表面を走査させる。レーザビームLは、原稿を読み取って生成され、あるいは外部のコンピュータで生成された画像データに応じて変調されたものである。つまり、画像データで変調されたレーザビームLで、帯電器5で帯電した感光体ドラム3が走査、露光されることにより、感光体ドラム3の表面には、画像データに応じた電位の像(静電潜像)が形成される。
現像器2は、それぞれの感光体ドラム3上に形成された静電潜像を、それぞれK、C、M、Yのいずれかの色のトナーにより現像(顕像化)するものである。
クリーナユニット4は、後述するように、感光体ドラム3上に現像されたトナーを中間転写ベルト7に転写された後、感光体ドラム3上の表面に残留したトナーを、除去・回収するものである。
中間転写ベルトユニット8は、感光体ドラム3の上方に配置されている。また、中間転写ベルトユニット8は、中間転写ベルト7、中間転写ベルト用駆動ローラ8−1、中間転写ベルト用テンション機構8−3、中間転写ベルト用従動ローラ8−2、中間転写ローラ6(6a・6b・6c・6d)、および中間転写ベルト用クリーニングユニット9を備えている。
中間転写ベルト用駆動ローラ8−1、中間転写ベルト用テンション機構8−3、中間転写ローラ6、中間転写ベルト用従動ローラ8−2等は、中間転写ベルト7を張架し、中間転写ベルト7を矢印B方向に回転駆動させるものである。
中間転写ローラ6は、中間転写ベルトユニット8の中間転写ベルト用テンション機構8−3の中間転写ローラ取付部(図示せず)に回転可能に支持されている。中間転写ローラ6には、感光体ドラム3上に形成されたトナー像を、中間転写ベルト7上に転写するための転写バイアス電圧が印加される。
また、中間転写ローラ6は、中間転写ベルト7の裏側に接触しており、感光体ドラム3から中間転写ベルト7へトナー像を転写させる転写手段である。中間転写ローラ6には、トナー像を転写するために数百ボルト程度の電圧の転写バイアス電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の電圧)が印加される。
中間転写ローラ6は、直径8〜10mmの金属(例えばステンレス)軸をベースとし、その表面に、導電性の弾性材(例えばEPDM,発泡ウレタン等)が被覆されたローラである。この導電性の弾性材により、中間転写ベルト7に対して略均一な電圧を印加することができる。本実施形態では、転写手段として転写ローラを使用しているが、それ以外にブラシ状の転写電極(転写ブラシ)を中間転写ベルト7の裏側に接触させて転写手段とすることもできる。
中間転写ベルト7は、各色用の感光体ドラム3にそれぞれ接触するように設けられている。感光体ドラム3の表面に形成された各色のトナー像は、中間転写ローラ6に印加された転写バイアス電圧によって、中間転写ベルト7に順次転写される。これによって、中間転写ベルト7上にカラーのトナー像(多色トナー像)が多層状に転写される。なお、本実施形態に用いた中間転写ベルト7は、厚さ60μm〜150μm程度のフィルムが無端状に形成されたものである。
中間転写ベルト7に転写されたトナー像は、中間転写ベルト7の回転に伴って、2次転写ローラ11eが配置されている2次転写ユニット11に移動する。
中間転写ベルト7と2次転写ローラ11eは、所定のニップ幅を持つように圧接されている。また、2次転写ローラ11eには、後述する記録シートにトナー像を転写させるためのバイアス電圧(2次転写電圧)が印加されている(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)。2次転写ローラ11eと中間転写ベルト用駆動ローラ8−1は、その何れか一方が硬質材料(金属等)からなり、他方が芯金の表面に軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が被覆された弾性ローラである。これにより、2次転写ローラ11eと前記中間転写ベルト用駆動ローラ8−1は、所定幅のニップが定常的に得られる。
中間転写ベルト用クリーニングユニット9は、中間転写ベルト7上のトナーが除去・回収されるものである。上記のように、中間転写ベルト7が感光体ドラム3の表面へ接触することにより、記録シートに画像を転写する領域以外においても、中間転写ベルト7にトナーが付着されることもある。また、2次転写ローラ11eによって記録シートへの転写が行われずに中間転写ベルト7上に残存するトナーが存在する。これらのトナーは、次工程でトナーの混色が発生する原因となり得る。このため、中間転写ベルト用クリーニングユニット9により、中間転写ベルト7上のトナーが除去・回収される。中間転写ベルト用クリーニングユニット9には、クリーニング部材としてクリーニングブレードが備えられており、クリーニングブレードの端部が、中間転写ベルト7に接触してトナーを除去する。中間転写ベルト用クリーニングユニット9が接触する部分において、中間転写ベルト7は、裏側から中間転写ベルト用従動ローラ8−2で支持されている。
給紙トレイ10は、画像形成に使用する記録シートを蓄積しておくためのトレイである。給紙トレイ10は、画像形成装置50の露光ユニット1の下方に設けられている。また、本画像形成装置50の上部には、排紙トレイ15が設けられている。排紙トレイ15には、印刷済みの記録シートがフェイスダウンで排出されて堆積する。
また、本画像形成装置50には、給紙トレイ10の記録シートを2次転写ユニット11や定着ユニット12を経由させて排紙トレイ15に送るための、略垂直形状の用紙搬送路Sが設けられている。さらに、給紙トレイ10から排紙トレイ15までの用紙搬送路Sの近傍には、ピックアップローラ16、レジストローラ14、2次転写ユニット11、定着ユニット12、記録シートを搬送する搬送ローラ25(25−1〜25−8)等が配されている。
搬送ローラ25−1〜25−4は、記録シートの搬送を促進・補助するための、小型のローラであり、用紙搬送路Sに沿って複数設けられている。ピックアップローラ16は、給紙トレイ10の端部に備えられ、給紙トレイ10から、記録シートを1枚ずつ用紙搬送路Sに供給する。
また、レジストローラ14は、用紙搬送路Sを搬送されてくる記録シートを、一旦所定位置に停止させるものである。そして、中間転写ベルト7上のトナー像の先端と記録シートの先端を同期させるタイミングで記録シートを2次転写ユニット11へ搬送する機能を有している。
定着ユニット12は、ヒートローラ31、加圧ローラ32等を備えており、ヒートローラ31および加圧ローラ32は、記録シートを挟んで回転するようになっている。
また、ヒートローラ31は、図示しない温度検出器からの信号に基づき、制御基板40の制御部によって所定の定着温度となるようにその内部に配置された図示しないヒーターが制御される。ヒートローラ31は、加圧ローラ32との間を通過搬送される記録シートを熱圧着する。これによって、記録シートに転写された多色トナー像が溶融・混合・圧接し、記録シートに対して熱定着する。
なお、多色トナー像の定着後の記録シートは、搬送ローラ25−5、25−6によって用紙搬送路Sの反転排紙経路に搬送され、反転された状態で(多色トナー像を下側に向けて)、排紙トレイ15上に排出されるようになっている。
次に、記録シート搬送経路を詳細に説明する。本画像形成装置には予め記録シートを収納する給紙トレイ10が配置されている。
給紙トレイ10の端部には、各々のピックアップローラ16が配置され、記録シートを1枚ずつ搬送路に導くようになっている。
給紙トレイ10から搬送される記録シートは搬送路中の搬送ローラ25−1〜25−4によってレジストローラ14まで搬送されて停止する。レジストローラ14は、停止した記録シートの先端と中間転写ベルト7上のトナー像の先端を整合させるタイミングで停止した記録シートを2次転写ユニット11へ送りだす。送り出された記録シートは、2次転写ユニット11で中間転写ベルト7上のトナー像が転写される。その後、記録シートは定着ユニット12を通過する。このとき、記録シート上の未定着トナーは熱で溶融し、定着ユニット12を通過後は、自然に冷却されて記録シート上に固着する。その後、記録シートは搬送ローラ25−5を経て排紙ローラ25−6から排紙トレイ15上に排出される。
排紙トレイ15の下方には、制御基板40が配置されている。制御基板40は、画像形成装置50の各部の動作を制御するためのマイクロコンピュータ、マイクロコンピュータが実行する制御プログラムを格納するROM、マイクロコンピュータの処理のためのワークエリアおよび画像データの記憶領域を提供するRAMを有する。前記マイクロコンピュータは、制御プログラムを実行することによって制御部として機能する。前述した画像形成、トナー像の転写、記録シートの搬送や定着部の温度制御などは、制御部の機能によって実現される。
また、制御基板40は、入力回路と出力回路を有している。入力回路には、画像形成装置50内の各部に配置されたセンサからの信号が入力され、マイクロコンピュータが入力された信号を用いて処理を行えるように構成されている。出力回路は、各部に配置された負荷を駆動するための信号を出力する回路である。
(2次転写ユニットの概略構成)
次に、図1を用いて2次転写ユニット11の概略構成について説明する。
2次転写ユニット11は、中間転写ベルト用駆動ローラ8−1と対向しており、2次転写ベルト(無端ベルト)11aと、2次転写ベルト11aの中に配置され、2次転写ベルト11aを張架し、2次転写ベルト11aを回転駆動するための駆動ローラ11b、従動ローラ11c、テンションローラ11dと、記録媒体60にトナー像を転写させるためのバイアス電圧(2次転写電圧)を印加する2次転写ローラ11eとを含み、さらに前記2次転写ベルトを内側から除電する除電部材80を備える。そして、2次転写ベルト11aは、図1に示す矢印の搬送方向Rにて示す方向に回転する。
具体的には、駆動ローラ11bは、記録シート60の搬送方向Rの下流側に配備されており、図示しない機構により回転力が与えられ、2次転写ベルト11aを回転駆動する。従動ローラ11cは、記録シート60の搬送方向Rの上流側に配備されており、張架される2次転写ベルト11aのテンションにより従動する。テンションローラ11dは、張架される2次転写ベルト11aに対してテンションを与えるものである。2次転写ローラ11eは、駆動ローラ11bと従動ローラ11cとの間に配備されており、中間転写ベルト用駆動ローラ8−1と対向するようになっている。ここで、2次転写ローラ11eと中間転写ベルト用駆動ローラ8−1は、上記のように、その何れか一方が硬質材料(金属等)からなり、他方が芯金の表面に軟質材料(弾性ゴムローラ、または発泡性樹脂ローラ等々)が被覆された弾性ローラである。これにより、2次転写ローラ11eと前記中間転写ベルト用駆動ローラ8−1は、所定幅のニップが定常的に得られる。
除電部材80は、例えば導電性ブラシであり、2次転写ベルトを適度の接触圧で接している。除電部材80は、導電性ブラシであることにより、2次転写ベルト11aを適度の接触圧で接することができ、耐久性にも優れているため、除電部材80と2次転写ベルト11aとの使用寿命を延ばすことができる効果を奏する。ただし、除電部材80は導電性ブラシに限定されるものではなく、2次転写ベルト11aから除電可能な部材であればよい。
2次転写ベルト11aは、例えばポリイミドやポリカーボネイト、フッ素コートされたNBR等にカーボンブラックなどの導電材を適当量含有させたものが使用できる。
ペーパーガイド70は、例えば、金属や樹脂のような汎用材料からなるものであり、記録シート60の搬送方向Rにおいて、従動ローラ11cの近傍かつ、従動ローラ11cの上流側に、2次転写ベルト11aと従動ローラ11cと接触しないように設置されており、記録シート60の搬送方向Rに平行する平面部分を備えている。ペーパーガイド70は、2次転写ローラ11eと中間転写ベルト用駆動ローラ8−1との2次転写ポイントに記録シート60をガイドするものであり、2次転写を行う2次転写領域への記録シート60の搬送ミスを無くすためのものである。
記録シート60は、レジストローラ14から搬送され、ペーパーガイド70に接した後、2次転写ベルト11aに吸着され、図1に示す矢印の搬送方向Rに搬送される。中間転写ベルト7上に感光体ドラム3による転写されたカラートナー画像は、2次転写ローラ11eに印加される2次転写電圧によって、搬送されてくる記録シート60上に転写される。
2次転写ベルト11aの記録シート60の搬送方向Rの下流側には、記録シート60に転写されたカラー画像を記録シート60上に定着するための定着ユニット12が設けられている。
(2次転写ユニットの転写性に関する実験)
(転写性確認実験1)
本実験において、低温低湿環境(10℃、10%RH)における2次転写性の確認テストを行った。なお、下記の各実験2・3においても、低温低湿環境(10℃、10%RH)における測定を行った。この確認実験において、除電部材80の有無、除電部材80の配置位置、ペーパーガイド70の有無について、記録シート60に転写された記録シート後端のべた画像のむら発生状況に基づいて判断を行った。
なお、本実験は、250g/cmの記録シートを用い、導電性ブラシ(商品名:サンダーロン、日本蚕毛染色製)の除電部材80を用いた。
除電部材80の配置については、2次転写ローラ11eと中間転写ベルト用駆動ローラ8−1との2次転写ポイントAを0mmにし、接点Aにより入紙側をマイナス(−)に、接点Aにより出紙側をプラス(+)にする。また、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラは全てフロート(接地しないこと)とし、表面抵抗率が10の8乗(Ω/□)である2次転写ベルト11aを用いて転写されたべた画像のむら発生状況について調べた。
なお、判定基準としては、記録シート後端20mm付近の転写画像のむら発生状況を目視にて判断した。転写画像の状態について、それぞれ、“転写不良なし”は、“◎”を、“転写不良が若干見られるが、実使用上問題なし”は、“○”を、“転写不良が大、実使用上問題あり”は、“×”を用いて表示する。ここで、転写不良とは、放電による画像不良である。具体的に言えば、ベタ画像を印字した場合、2次転写ローラ11eの回転軸に平行する方向において、放電によりトナーが飛び散ってしまい、記録シート60のべース部分が見えるような筋がランダムに発生する状態である。
測定の結果を表1に示す。
Figure 2009156980
表1に示すよう、除電部材80(除電ブラシ)を用いると転写不良が改善されることが分かった。また、除電部材80は、2次転写ローラの接点Aから入紙側へ20mmの場所において、ペーパーガイド70がある場合は、ペーパーガイド70がない場合より、転写不良が改善されることが分かった。つまり、記録シート60の搬送方向Rの上流側において、従動ローラの近傍にペーパーガイド70がさらに備えられるため、記録シート60を最大限2次転写ローラ11eと中間転写ベルト用駆動ローラ8−1との2次転写ポイントAの近傍まで導き、転写前に記録シート60を中間転写ベルト7及び2次転写転写ベルト11aに可能な限り接触させにくくすることにより、2次転写ローラ11eの放電による記録シート60への影響が抑えられ、転写性を向上することができる。
(実験2)
本実験例は、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラがフロートかアースかに接続される状態での転写性を調べたものである。なお、本実験は、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラがアースに接続されることによる転写性の有効性をより判断しやすくするため、除電部材80が2次転写ローラの接点Aから入紙側へ30mmの場所に配置される条件、すなわち、全てのローラがフロートに接続されたときに“転写不良が若干見られるが、実使用上問題なし”となる条件で転写性の変化を調べた。また、本実験は、ペーパーガイド70があり、そして、表面抵抗率は10の8乗(Ω/□)である2次転写ベルト11aを用いた。
その結果を表2に示す。表2において、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラは、フロートに接続される場合を“F”で表記し、アースに接続される場合を“G”で表記する。判定基準としては、実験1と同様に記録シート後端20mm付近の転写画像のむら発生状況を目視にて判断を行った。また、転写画像の状態について、それぞれ、“転写不良なし”は、“◎”を、“転写不良が若干見られるが、実使用上問題なし”は、“○”を、“転写不良が大、実使用上問題あり”は、“×”を用いて表示する。ここで、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラは、駆動ローラ11b、従動ローラ11c、テンションローラ11dである。
Figure 2009156980
表2に示すように、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラをフロートする場合、“転写不良が若干見られるが、実使用上問題なし”の転写性に対し、駆動ローラ11bと従動ローラ11cとがアースされていることにより転写性が改善されることが分かった。すなわち、駆動ローラ11bと従動ローラ11cとがアースされていることにより、各ローラからも除電が行われるため、より転写不良を抑えることができたことが分かった。また、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラともをアースする場合も、良い転写性が得られることが分かった。
(実験3)
本実験は、上記実験のように転写不良を解決できている状態で、さらに印字濃度不足を解消し、画質を向上させる条件を見つけるものである。印字濃度不足とは、転写する際、トナー移動が不完全であり、印字濃度が薄い状態である。
具体的に言えば、本実験は、上記実験1、2において、表面抵抗率が10の8乗(Ω/□)である2次転写ベルト11aを用いて転写性を調べたことに対し、2次転写ベルト11aの表面抵抗率が異なる場合において2次転写ユニット11の印字濃度(転写画像濃度)の転写性への影響について検討を行った。
まず、体積抵抗率ではなく表面抵抗率を用いる理由について説明する。
図3(a)は、ユニットA・Bの体積抵抗率の、トナー像を記録シート60に転写させるため2次転写ローラ11eに印加される印加電圧に対する依存性を示す図である。図3(b)は、ユニットA・Bの表面抵抗率の、トナー像を記録シート60に転写させるため2次転写ローラ11eに印加される印加電圧に対する依存性を示す図である。
図3(a)、図3(b)に示すように、2次転写ベルト11aの体積抵抗率(Ωcm)より表面抵抗率(Ω/□)を用いて判断することによって、ユニットA・B間の差をより明確に見極めることができる。
次に、2次転写ベルト11aの表面抵抗率が、トナー像を記録シート60に転写させるため2次転写ローラ11eに印加される印加電圧(トナーの帯電極性(−)とは逆極性(+)の高電圧)に対する依存性について確認を行った。なお、ハイレスター(商品名:ダイアインスツルメンツ製)の測定器を用い、2次転写ベルト11aの表面抵抗率を測定した。その結果が図4に示される。
図4に示すように、印加電圧が1000Vである時の表面抵抗率が10の8乗(Ω/□)である場合、印加電圧によって表面抵抗率が大きく変動し、表面抵抗率が10の11乗(Ω/□)以上である場合、印加電圧の依存性が殆どないことがわかった。また、実使用上でも表面抵抗率が10の11乗(Ω/□)である場合、変動が少ないことが示されている。一般に、表面抵抗率は、印加電圧の依存性が大きいほど、印加電圧による印加電流の制御が困難になるため、表面抵抗率は、印加電圧の依存性が小さいことが好ましい。
次に、2次転写ベルト11aの表面抵抗率による2次転写ユニット11の印字濃度の転写性への影響について説明する。
本実験は、2次転写ベルト11aを保持する3つのローラを全てアースに接続し、除電部材80を−30mmの位置に配置し、ペーパーガイドを設置している測定条件において、2次転写ベルト11aの表面抵抗率を変更させ、記録シート60に転写されたべた画像の印字濃度を判断した。なお、本実験は、上記実験1、2と異なり、べた画像全体の印字濃度測定まで行って印字濃度について判定したものである。その結果を表3に示す。
Figure 2009156980
表3に示すように、表面抵抗率が10の8乗(Ω/□)または10の10乗(Ω/□)である場合、印字濃度の結果として、それぞれ印字濃度不足と印字濃度やや不足になっていることがわかった。表面抵抗率が10の11乗(Ω/□)または10の12乗(Ω/□)である場合、印字濃度の結果として、べた画像全体の印字濃度の不足が見られないことがわかった。また、2次転写ベルト11aの表面抵抗率が高いほど、印字濃度の値は、大きくなっていることも分かった。これは、印加電圧によって生じる転写電流が、2次転写ベルト11aを通じて流れにくくなり、2次転写に寄与する対向電極(中間転写ベルト用駆動ローラ8−1)への電流を多くすることができ、全体印字濃度を高めたと考えられる。
上記の構成によれば、2次転写ベルトの表面抵抗率が10の11乗(Ω/□)以上である場合、より安定な転写性を保持することができる。従って、本発明の2次転写ユニット11において、表面抵抗率が10の11乗(Ω/□)以上の2次転写ベルト11aを用いることが好ましい。
本発明は上述した実施形態に限定されるものではなく、請求項に示した範囲で種々の変更が可能である。すなわち、請求項に示した範囲で適宜変更した技術的手段を組み合わせて得られる実施形態についても本発明の技術的範囲に含まれる。
本発明は、2次転写ユニットを備える画像形成装置に適用できる。
本発明にかかる画像形成装置の2次転写ユニット付近の拡大図である。 本発明の実施形態の一例として示すカラー画像形成装置を模式的に示す断面図である。 (a)は、異なるユニットの体積抵抗率の、トナー像を記録シートに転写させるため2次転写ローラに印加される印加電圧に対する依存性を示す図であり、(b)は、異なるユニットの表面抵抗率の、トナー像を記録シートに転写させるため2次転写ローラに印加される印加電圧に対する依存性を示す図である。 本発明の実験3にかかるものであり、表面抵抗率が、トナー像を記録シートに転写させるため2次転写ローラに印加される印加電圧への依存性を示す図である。
符号の説明
7 中間転写ベルト
8−1 中間転写ベルト用駆動ローラ
11 2次転写ユニット
11a 2次転写ベルト
11b 駆動ローラ
11c 従動ローラ
11d テンションローラ
11e 2次転写ローラ
50 画像形成装置
60 記録媒体(記録シート)
70 ペーパーガイド
R 記録シートの搬送方向

Claims (7)

  1. 中間転写ベルト上に転写されたカラーのトナー画像を、所定搬送方向に搬送されてきた記録媒体に転写するための2次転写ユニットであって、
    2次転写ベルトと、前記2次転写ベルトの内側にそれぞれ配備されており、前記2次転写ベルトを張架し、前記2次転写ベルトを回転駆動させるローラと、前記記録媒体にトナー画像を転写させるための転写電圧を印加する2次転写ローラと、除電部材とを備え、
    前記除電部材は、前記2次転写ベルトを内側から除電することを特徴とする2次転写ユニット。
  2. 前記2次転写ベルトを回転駆動させるためのローラは、前記2次転写ベルトを駆動する駆動ローラと前記駆動ローラに従動する従動ローラとを含み、
    前記記録媒体の搬送方向の搬送経路において、前記従動ローラが、前記記録媒体の搬送方向の上流側に配備され、前記駆動ローラが、前記記録媒体の搬送方向の下流側に配備され、前記2次転写ローラが、前記駆動ローラと前記従動ローラとの間に配備されており、
    前記除電部材は、前記従動ローラと前記2次転写ローラとの間に配備されることを特徴とする請求項1に記載の2次転写ユニット。
  3. 前記従動ローラの近傍、かつ、前記記録媒体の搬送方向において前記従動ローラより上流側に、前記記録媒体の搬送を2次転写ベルト上にガイドするペーパーガイドをさらに備えることを特徴とする請求項1または2に記載の2次転写ユニット。
  4. 前記駆動ローラと前記従動ローラとがアースされていることを特徴とする請求項2または3に記載の2次転写ユニット。
  5. 前記除電部材は、導電性ブラシであることを特徴とする請求項1から4のいずれか1項に記載の2次転写ユニット。
  6. 前記2次転写ベルトの表面抵抗率が、1011Ω/□以上であることを特徴とする請求項1から5のいずれか1項に記載の2次転写ユニット。
  7. 請求項1から6のいずれか1項に記載の2次転写ユニットを備えることを特徴とする画像形成装置。
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