従来の上記特許文献1に開示されている空気調和装置の室内ユニットは、塵埃捕集容器内に貯留された塵埃が所定量貯留されると、該塵埃捕集容器をケーシング内から取り外す必要がある。また、室内ユニットの内部のメンテナンスを行う際も、塵埃捕集容器を取り外す必要がある。ところが、上記室内ユニットは、天井に設けられているため、塵埃捕集容器を取り外す際、誤って落下させてしまうという問題があった。
本発明は、斯かる点に鑑みてなされたものであり、塵埃捕集容器の落下を防止することを目的とする。
第1の発明は、天井に設けられるケーシング(10)と、該ケーシング(10)内に収容される室内ファン(21)と、該室内ファン(21)によってケーシング(10)内に吸い込まれた室内空気を通過させるエアフィルタ(30)と、該エアフィルタ(30)を介してケーシング(10)内に吸い込まれる室内空気を調和する空気調和装置の室内ユニットであって、上記エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する塵埃除去手段(50)と、該塵埃除去手段(50)で除去された塵埃を貯留する塵埃捕集容器(90)と、該塵埃捕集容器(90)に一端が結合され、他端がケーシング(10)に結合された連結部材(96)とを備えている。
上記第1の発明では、室内ファン(21)によってケーシング(10)内に室外空気を吸い込む。このとき、エアフィルタ(30)が室外空気に含まれる塵埃を捕捉する。次に、エアフィルタ(30)の清掃動作時には、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃は、塵埃除去手段(50)に除去されて塵埃捕集容器(90)に貯留する。ここで、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れると、塵埃捕集容器(90)は、連結部材(96)を介してケーシングと繋がっているので、落下しない。
第2の発明は、上記第1の発明において、上記連結部材(96)の一端は、上記塵埃捕集容器(90)において、開口が形成される側部に結合されている。
上記第2の発明では、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れると、塵埃捕集容器(90)は連結部材(96)を介してケーシング(10)と繋がる一方、塵埃捕集容器(90)に形成される開口は上側を向く。このため、塵埃捕集容器(90)内の塵埃が開口からこぼれない。
第3の発明は、上記第2の発明において、上記塵埃除去手段(50)で除去された塵埃を搬送する塵埃搬送手段(80)と、上記塵埃捕集容器(90)に接続され、且つ塵埃搬送手段(80)で搬送される塵埃が通過する搬送通路(88)とを備え、上記塵埃捕集容器(90)の一側部には、該塵埃捕集容器(90)内の空気を外部に排出する排気口(91)が形成される一方、他側部には、上記搬送通路(88)が接続される塵埃流入口(94)が形成され、上記連結部材(96)の一端は、上記塵埃捕集容器(90)において排気口(91)が形成される一側部に結合されている。
上記第3の発明では、エアフィルタ(30)に捕捉した塵埃を塵埃除去手段(50)によって除去する。塵埃搬送手段(80)は、除去した塵埃を搬送通路(88)を介して塵埃捕集容器(90)に搬送する。搬送された塵埃は、塵埃流入口(94)から空気と共に塵埃捕集容器(90)内に流入する。ここで、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れると、塵埃捕集容器(90)は、連結部材(96)を介してケーシング(10)と繋がる一方、塵埃捕集容器(90)の一側部に形成される排気口(91)は、上側を向く。このため、塵埃捕集容器(90)内の塵埃が排気口(91)からこぼれない。
第4の発明は、上記第2の発明において、上記塵埃除去手段(50)で除去された塵埃を搬送する塵埃搬送手段(80)と、上記塵埃捕集容器(90)に接続され、且つ塵埃搬送手段(80)で搬送される塵埃が通過する搬送通路(88)とを備え、上記塵埃捕集容器(90)の一側部には、該塵埃捕集容器(90)内の空気を外部に排出する排気口(91)が形成される一方、他側部には、上記搬送通路(88)が接続される塵埃流入口(94)が形成され、上記連結部材(96)の一端は、上記塵埃捕集容器(90)において塵埃流入口(94)が形成される他側部に結合されている。
上記第4の発明では、エアフィルタ(30)に捕捉した塵埃を塵埃除去手段(50)によって除去する。塵埃搬送手段(80)は、除去した塵埃を搬送通路(88)を介して塵埃捕集容器(90)に搬送する。搬送された塵埃は、塵埃流入口(94)から空気と共に塵埃捕集容器(90)内に流入する。ここで、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れると、塵埃捕集容器(90)は、連結部材(96)を介してケーシング(10)と繋がる一方、塵埃捕集容器(90)の他側部に形成される塵埃流入口(94)は、上側を向く。このため、塵埃捕集容器(90)内の塵埃が塵埃流入口(94)からこぼれない。
第5の発明は、上記第1〜4の発明の何れか1つにおいて、上記ケーシング(10)は、エアフィルタ(30)を取り付ける通気口(26)が形成されて、上記ケーシング(10)内をエアフィルタ(30)の空気の上流側と下流側とに仕切る仕切部材(25)を備え、上記連結部材(96)の他端が上記仕切部材(25)に結合されている。
上記第5の発明では、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れると、塵埃捕集容器(90)は、連結部材(96)を介して仕切部材(25)と繋がっているので、落下しない。
第6の発明は、上記第1〜4の発明の何れか1つにおいて、上記ケーシング(10)は、ケーシング本体(10a,10b)と、該ケーシング本体(10a,10b)の下面に設けられて天井から室内に露出したパネル部(10c)とを備え、上記連結部材(96)の他端が上記パネル部(10c)に結合されている。
上記第6発明では、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れると、塵埃捕集容器(90)は、連結部材(96)を介してパネル部(10c)と繋がっているので、落下しない。
第7の発明は、上記第1〜4の発明の何れか1つにおいて、上記連結部材(96)は、塵埃捕集容器(90)または、ケーシング(10)に対して着脱自在に取り付けられている。
上記第7の発明では、塵埃捕集容器(90)またはケーシング(10)から連結部材(96)を外して、塵埃捕集容器(90)をケーシング(10)から取り外す。
第1の発明によれば、連結部材(96)によってケーシング(10)と塵埃捕集容器(90)とを繋いだため、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れても、塵埃捕集容器(90)が落下するのを確実に防止することができる。また、ケーシング(10)内をメンテナンスする際、ケーシング(10)から取り外した塵埃捕集容器(90)を、別途仮置き等する必要がないため、メンテナンス作業を継続して行うことができる。これにより、メンテナンス作業の作業効率を向上させることができる。
第2の発明によれば、連結部材(96)の一端を、塵埃捕集容器(90)において開口が形成された側部に結合させたため、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れても、塵埃捕集容器(90)が落下するのを確実に防止することができる一方、塵埃捕集容器(90)に形成される開口を上側に向けることができる。これにより、塵埃捕集容器(90)の内部に貯留された塵埃が、開口からこぼれ落ちるのを確実に防止することができる。
第3の発明によれば、連結部材(96)の一端を、塵埃捕集容器(90)において排気口(91)が形成された一側部に結合させたため、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れても、塵埃捕集容器(90)が落下するのを確実に防止することができる一方、塵埃捕集容器(90)に形成される排気口(91)を上側に向けることができる。これにより、塵埃捕集容器(90)の内部に貯留された塵埃が、排気口(91)からこぼれ落ちるのを確実に防止することができる。
第4の発明によれば、連結部材(96)の一端を、塵埃捕集容器(90)において塵埃流入口(94)が形成された他側部に結合させたため、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れても、塵埃捕集容器(90)が落下するのを確実に防止することができる一方、塵埃捕集容器(90)に形成される塵埃流入口(94)を上側に向けることができる。これにより、塵埃捕集容器(90)の内部に貯留された塵埃が、塵埃流入口(94)からこぼれ落ちるのを確実に防止することができる。
第5の発明によれば、連結部材(96)によって仕切部材(25)と塵埃捕集容器(90)とを繋いだため、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れても、塵埃捕集容器(90)が落下するのを確実に防止することができる。また、ケーシング(10)内をメンテナンスする際、ケーシング(10)から取り外した塵埃捕集容器(90)を、別途仮置き等する必要がないため、メンテナンス作業を継続して行うことができる。これにより、メンテナンス作業の作業効率を向上させることができる。
第6の発明によれば、連結部材(96)によってパネル部(10c)と塵埃捕集容器(90)とを繋いだため、塵埃捕集容器(90)がケーシング(10)から外れても、塵埃捕集容器(90)が落下するのを確実に防止することができる。また、ケーシング(10)内をメンテナンスする際、ケーシング(10)から取り外した塵埃捕集容器(90)を、別途仮置き等する必要がないため、メンテナンス作業を継続して行うことができる。これにより、メンテナンス作業の作業効率を向上させることができる。
上記第7の発明によれば、連結部材(96)は、塵埃捕集容器(90)またはケーシング(10)に対して着脱することができるようにしたため、必要なときには、ケーシング(10)から塵埃捕集容器(90)を完全に取り外すことができる。
以下、本発明の実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。
図1および図2に示すように、本実施形態の室内ユニット(1)は、空気調和装置の一部を構成し、室内空間の天井に設置される。空気調和装置は、室外ユニットに設けられる圧縮機、室外熱交換器および膨張弁と、上記室内ユニット(1)に設けられる室内熱交換器(22)とが配管接続されて成る冷媒回路を備えている。冷媒回路は、冷媒が可逆に循環して、蒸気圧縮式冷凍サイクルを行う。空気調和装置では、冷媒回路において室内熱交換器(22)が蒸発器として機能する冷房運転と、冷媒回路において室内熱交換器(22)が凝縮器として機能する暖房運転とが行われる。
上記室内ユニット(1)は、ケーシング(10)を備えている。このケーシング(10)は、本発明に係るケーシングを構成している。ケーシング(10)は、図3(A)〜(C)に示すように、上側ケーシング(10a)と下側ケーシング(10b)と化粧パネル(10c)とで構成されている。上側ケーシング(10a)の下面には、下側ケーシング(10b)が一体に取り付けられてケーシング本体(10a,10d)が構成される一方、下側ケーシング(10b)の下面には、化粧パネル(10c)が取り付けられている。尚、上側ケーシング(10a)及び下側ケーシング(10b)は本発明に係るケーシング本体を構成し、化粧パネル(10c)は本発明に係るパネル部を構成している。
上記化粧パネル(10c)は、図1、図2および図3(C)に示すように、矩形の板状に形成されている。化粧パネル(10c)の平面視形状は、ケーシング(10)の平面視形状よりも一回り大きくなっている。化粧パネル(10c)は、シール部材(16)を間に挟んだ状態でケーシング(10)の下側を覆うように取り付けられる。化粧パネル(10c)が下側ケーシング(10b)に取り付けられた状態では、化粧パネル(10c)は室内に露出している。
上記化粧パネル(10c)には、1つの吸込口(13)と4つの吹出口(14)と、掃除機挿入口(18)が形成されている。吸込口(13)は、矩形状に形成され、化粧パネル(10c)の中央部に形成されている。吸込口(13)には、スリット状に形成された吸込グリル(12)が嵌め込まれている。各吹出口(14)は、細長い矩形状に形成されている。各吹出口(14)は、化粧パネル(10c)の各辺に沿うように形成されている。そして、各吹出口(14)には、風向調整板(15)が設けられている。この風向調整板(15)は、回動して風向(吹出方向)を調整するものである。掃除機挿入口(18)は、矩形状に形成され、吸込口(13)の側部に形成されている。
上記上側ケーシング(10a)は、略直方体の箱状に形成されている。上側ケーシング(10a)の内面には、断熱材(17)が積層されている。上側ケーシング(10a)の下端面には、ベルマウス(24)が形成され、後述する下側ケーシング(10b)の通気口(26)に連通している。また、上側ケーシング(10a)は、その内部に、図1に示すように、室内熱交換器(22)、ドレンパン(23)および室内ファン(21)を備えている。
上記室内ファン(21)は、いわゆるターボファンである。室内ファン(21)は、上側ケーシング(10a)の中央付近に配置され、ベルマウス(24)の直上に位置している。室内ファン(21)は、本発明に係る室内ファンを構成している。室内ファン(21)は、ファンモータ(21a)と羽根車(21b)とを備えている。ファンモータ(21a)は、上側ケーシング(10a)の天板に固定されている。羽根車(21b)は、ファンモータ(21a)の回転軸に連結されている。室内ファン(21)の下側には、ベルマウス(24)が形成され、ケーシング(10)内において、室内熱交換器(22)の上流側の空間を室内ファン(21)側と吸込グリル(12)側とに区画している。そして、上記室内ファン(21)は、ベルマウス(24)を介して下側から吸い込んだ空気を該室内ファン(21)の回転の周方向へ吹き出すように構成されている。
上記室内熱交換器(22)は、クロスフィン式のフィン・アンド・チューブ型熱交換器で構成されている。室内熱交換器(22)は、平面視で矩形状に形成され、室内ファン(21)の周囲を囲むように配置されている。室内熱交換器(22)では、冷媒と室内ファン(21)によって送られる室内空気(吹出空気)との間で熱交換が行われる。
上記ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)の下側に設けられている。ドレンパン(23)は、室内熱交換器(22)において空気中の水分が凝縮して生じるドレン水を受けるためのものである。ドレンパン(23)には、ドレン水を排水するためのドレンポンプが設けられている(図示省略)。ドレンパン(23)は、ドレンポンプを設置した箇所にドレン水が集まるように勾配がつけられている。
上記下側ケーシング(10b)は、下側が開放された略直方体の箱状に形成され、上記上側ケーシング(10a)の下部に取り付けられている。下側ケーシング(10b)の上端面は、後述する仕切板(25)を構成している。また、下側ケーシング(10b)は、その内部に、図4〜6に示すように、エアフィルタ(30)、フィルタ駆動手段(40)、塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)、塵埃搬送手段(80)および塵埃捕集容器である塵埃捕集箱(90)を備えている。
上記仕切板(25)は、図4〜6に示すように、平面視で略矩形の板状に形成され、下側ケーシング(10b)の上端面を構成し、ベルマウス(24)と吸込グリル(12)との間の空間を上下に仕切っている。つまり、仕切板(25)は、室内熱交換器(22)の上流側空間をベルマウス(24)を含む室内熱交換器(22)側と吸込グリル(12)側とに区画している。尚、仕切板(25)は本発明に係る仕切部材を構成している。また、仕切板(25)には、室外空気を上側ケーシング(10a)内に導入させる通気口(26)と、該上側ケーシング(10a)内に配設された電装品箱(72)を点検するための点検用開口部(70)と、後述する塵埃捕集箱(90)を仕切板(25)に保持する保持部(図示せず)と、仕切板(25)と塵埃捕集箱(90)とを繋ぐための連結紐(96)が取り付けられる取付部(97a)とが形成されると共に、該点検用開口部(70)を塞ぐ点検用蓋(71)が設けられている。
上記通気口(26)は、図7に示すように、円形の孔状に形成され、仕切板(25)の中央部に設けられると共に、その円形孔がその径方向に延びる4つの径方向部材(27)によって扇形に仕切られている。尚、通気口(26)は本発明に係る通気口を構成している。
上記点検用開口部(70)は、図5および図6に示すように、上記塵埃捕集箱(90)の上端面と略同外形の略長方形状に形成され、仕切板(25)において、該塵埃捕集箱(90)に対応する位置に形成されている。また、平面視において点検用開口部(70)の内側辺は、通気口(26)の外周縁に沿って円弧状に形成され、上記扇形に仕切られた通気口(26)に繋がって1つの開口面を形成している。なお、図3(A)および(B)に示すように、上側ケーシング(10a)の内部において点検用開口部(70)の上側(空気の下流側)に対応する位置には、点検・修理・交換の対象となる室内ユニット(1)の電装品が収納された電装品箱(72)が配設されている。この電装品箱(72)は、平面視で縦長の直方体状の箱状に形成され、上側ケーシング(10a)の下端面に取り付けられている。
上記取付部(97a)は、図5に示すように、仕切板(25)に形成される通気口(26)の側部に設けられ、連結紐(96)の他端が結合されている。
上記点検用蓋(71)は、図5に示すように、点検用開口部(70)と同外形の板状で、且つ該点検用開口部(70)よりも一回り大きく形成され、該点検用開口部(70)を塞いで密閉している。点検用蓋(71)は、その周縁部にボルト孔(73)が複数個形成され、該ボルト孔(73)をボルト(74)によって仕切板(25)に固定されている。また、平面視において点検用蓋(71)の内側辺は、通気口(26)の外周縁に沿って円弧状に形成され、仕切板(25)と共に、通気口(26)の周縁の一部を構成している。
上記エアフィルタ(30)は、図7に示すように、仕切板(25)の下方中央に配置され、該仕切板(25)に形成される通気口(26)を覆う大きさの円形に形成されている。具体的に、上記エアフィルタ(30)は、環状のフィルタ本体(31)とメッシュ部材(37)とを備えている。上記フィルタ本体(31)の外周面には、ギア部(32)が形成され、環状中心部には、6つの径方向リブ(34)によって支持される円筒状の軸挿通部(33)が設けられている。つまり、各径方向リブ(34)は、軸挿通部(33)から放射状に延びている。また、フィルタ本体(31)の内円部には、該フィルタ本体(31)と同心の環状に形成された内側周方向リブ(35)および外側周方向リブ(36)が設けられている。外側周方向リブ(36)は、内側周方向リブ(35)よりも大径に形成されている。上記メッシュ部材(37)は、フィルタ本体(31)の内円部全体に亘って張られ、吸込口(13)から吸い込まれた空気は、上記メッシュ部材(37)を通過してベルマウス(24)へ流入する。その際、空気中の塵埃は、メッシュ部材(37)に捕捉される。また、上記エアフィルタ(30)は、上述したフィルタ押さえ(29)が各周方向リブ(35,36)に当接することによって下方へ付勢される。これにより、エアフィルタ(30)が後述する塵埃除去手段(50)の回転ブラシ(51)に押さえ付けられる。したがって、塵埃除去手段(50)による塵埃の除去量が向上する。
上記エアフィルタ(30)は、図8に示すように、軸挿通部(33)が仕切板(25)のフィルタ回転軸(28)に嵌め込まれて取り付けられる。エアフィルタ(30)は、フィルタ回転軸(28)を中心として回転自在になっている。エアフィルタ(30)の下方には、上記塵埃貯留容器(60)が配置されている。そして、エアフィルタ(30)が軸挿通部(33)に嵌め込まれた状態で、上記塵埃貯留容器(60)のフィルタ取付部(68)が仕切板(25)の軸挿通部(33)に止めネジ(28a)によって固定される。これにより、仕切板(25)と塵埃貯留容器(60)との間にエアフィルタ(30)が保持される。尚、このエアフィルタ(30)は、本発明に係るエアフィルタを構成するものである。
上記エアフィルタ(30)の近傍には、エアフィルタ(30)を回転駆動するためのフィルタ駆動手段(40)が設けられている(図2参照)。フィルタ駆動手段(40)は、図9に示すように、フィルタ駆動モータ(41)とリミットスイッチ(44)を備えている。フィルタ駆動モータ(41)の駆動軸には、駆動ギア(42)が設けられ、該駆動ギア(42)がフィルタ本体(31)のギア部(32)と噛み合っている。駆動ギア(42)の一端面には、突片であるスイッチ作動部(43)が設けられている。このスイッチ作動部(43)は、駆動ギア(42)の回転によりリミットスイッチ(44)のレバー(44a)に作用するようになっている。スイッチ作動部(43)がレバー(44a)に作用すると、リミットスイッチ(44)が検知する。つまり、スイッチ作動部(43)およびリミットスイッチ(44)は、駆動ギア(42)の回転位置を検出するものである。
次に、上記塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)および塵埃搬送手段(80)について、図7〜図10を参照しながら説明する。塵埃除去手段(50)、塵埃貯留容器(60)および塵埃搬送手段(80)は、仕切板(25)及びエアフィルタ(30)の下方に配置されている(図1および図2を参照)。
上記塵埃除去手段(50)は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去するためのものであって、本発明に係る塵埃除去手段を構成している。塵埃除去手段(50)は、ブラシ部材である回転ブラシ(51)と、該回転ブラシ(51)を回転させるブラシ駆動手段(53)とを備えている。図7に示すように、上記回転ブラシ(51)は、後述する塵埃貯留容器(60)のブラシ用開口に設けられている。回転ブラシ(51)は、細長い円柱状のシャフト部と、該シャフト部の外周面に取り付けられたブラシ部とを備え、該ブラシ部は、シャフト部の周方向且つ長手方向に亘って形成されている。
上記回転ブラシ(51)は、その長手方向の長さが、エアフィルタ(30)の半径と同等以上の長さに形成されている。また、回転ブラシ(51)は、エアフィルタ(30)の円中心から外縁方向に向かって延びるように配置されている。回転ブラシ(51)は、回転するエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)にブラシ部が接触することでメッシュ部材(37)から塵埃が除去されるように構成されている。また、回転ブラシ(51)は、上記ブラシ駆動手段(53)によって可逆に回転駆動される。上記ブラシ駆動手段(53)は、ブラシ駆動モータ(54)と、互いに噛み合う駆動ギア(55)及び従動ギア(56)とを備えている。駆動ギア(55)はブラシ駆動モータ(54)の駆動軸に取り付けられ、従動ギア(56)は回転ブラシ(51)のシャフト部の端部に取り付けられ、互いに噛み合って回転することで、上記回転ブラシ(51)が回転駆動される。また、上記回転ブラシ(51)のブラシ部は、いわゆるパイル織物で構成されている。このパイル織物は、基布に毛(パイル糸)が織り込まれて成る有毛繊維であり、毛足が比較的短い。そして、このパイル織物は、毛並みが一定方向に傾斜する傾斜パイルである。
上記塵埃貯留容器(60)は、図示はしないが、清掃用ブラシによって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が一旦貯留されるものである。塵埃貯留容器(60)は柱状に形成された容器である。塵埃貯留容器(60)は、上側部分がエアフィルタ(30)の塵埃が除去される除去部(61)であり、下側部分がエアフィルタ(30)から除去された塵埃が貯留される貯留部(62)となっている。
上記除去部(61)の上面には、塵埃貯留容器(60)の長手方向に延びるブラシ用開口が形成され、上述したようにそのブラシ用開口に回転ブラシ(51)が設けられている。なお、除去部(61)の一側端には、上述したフィルタ取付部(68)が形成されている。貯留部(62)は、下端側(底部側)が円弧状に膨出している。そして、その貯留部(62)の円弧部には、清掃用ブラシによって回転ブラシ(51)から除去された塵埃が落下して貯留される。貯留部(62)は、長手方向における両端部(66,67)が開口している。その貯留部(62)の第1端部(66)には、後述する塵埃搬送手段(80)のダンパボックス(81)が接続され、第2端部(67)には、後述する塵埃搬送手段(80)の搬送用ダクト(88)が接続されている。また、図示はしないが、上記塵埃貯留容器(60)には、貯留部(62)の塵埃量を検出するための貯留量検出手段が設けられている。
上記塵埃搬送手段(80)は、図2、図7および図10に示すように、上述した室内ファン(21)と、ダンパボックス(81)と、導入用ダクト(86)とで構成されている。塵埃搬送手段(80)で搬送された塵埃は搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)に送られる。この塵埃搬送手段(80)は、本発明に係る塵埃搬送手段を構成している。
上記ダンパボックス(81)は、図10に示すように、塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)の長手方向に沿って延びる直方体状に形成されている。ダンパボックス(81)の長手方向における一端には、貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。ダンパボックス(81)内には、開閉部材であるダンパ(82)が1つ設けられている。このダンパ(82)が閉まると、ダンパボックス(81)の内部空間がその長手方向に仕切られる。つまり、ダンパボックス(81)の内部空間が第1室(81a)と第2室(81b)とに仕切られる。第2室(81b)には、上述したように貯留部(62)の第1端部(66)が接続されている。また、ダンパボックス(81)の下部には吸引用ダクト(87)が接続されている。
上記導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)の上面に接続されて第1室(81a)に連通している。図10に示すように、導入用ダクト(86)は、ダンパボックス(81)から鉛直上方に延びており、仕切板(25)を貫通している。導入用ダクト(86)は、横断面が円形の上流側ダクト(86a)および下流側ダクト(86b)を備え、その2つの部材が止めネジ(86c)によって仕切板(25)に取り付けられている。上流側ダクト(86a)の横断面積(流路面積)は、下流側ダクト(86b)の横断面積(流路面積)よりも大きく形成されている。下流側ダクト(86b)の下端(図10における下側)は、ダンパボックス(81)に接続され、該ダンパボックスの内部に連通している。上流側ダクト(86a)の上端(図10における上側)は、ベルマウス(24)の形成される上側ケーシング(10a)の下端面にシール部材(86e)を介して当接している。この上側ケーシング(10a)の下端面には、貫通孔である導入口(86d)が形成されている。そして、この導入口(86d)を通じて、上流側ダクト(86a)が室内ファン(21)側の空間と連通している。つまり、この導入用ダクト(86)は、室内ファン(21)の吹出空気をダンパボックス(81)内へ導入するためのものである。また、上記導入用ダクト(86)は、上流側ダクト(86a)と下流側ダクト(86b)との連結部分が仕切板(25)の貫通部に位置している。具体的に、上流側ダクト(86a)の底板と下流側ダクト(86b)の上端フランジとで仕切板(25)の貫通孔周縁を挟み込むように、両ダクト(86a,86b)が連結されている。そして、この連結部分およびシール部材(86e)の部分は、図5に示すように、導入用ダクト(86)とダンパボックス(81)と塵埃貯留容器(60)とが一体で導入用ダクト(86)の軸心を中心にして回動するように構成されている。
上記吸引用ダクト(87)は、流入側である一端がダンパボックス(81)の下面に接続されて第2室(81b)に連通している。吸引用ダクト(87)の流出側である他端は、化粧パネル(10c)に形成された掃除機挿入口(18)に接続されている。この掃除機挿入口(18)は、掃除機のホース等が接続されて上記塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)に貯留された塵埃を吸引するための開口である。なお、吸引用ダクト(87)はフレキシブルチューブで構成されている。
上記搬送用ダクト(88)は、図1や図2に示すように、一端が塵埃貯留容器(60)における貯留部(62)の第2端部(67)に接続され、他端が後述する塵埃捕集箱(90)に接続されている。この搬送用ダクト(88)はフレキシブルチューブで構成されている。搬送用ダクト(88)は、本発明に係る搬送通路を構成している。
上記塵埃搬送手段(80)では、冷暖房を行う通常運転の場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる。これにより、室内ファン(21)の吹出空気は塵埃貯留容器(60)へ導入されない。また、塵埃搬送手段(80)では、塵埃貯留容器(60)内の塵埃を塵埃捕集箱(90)に搬送する場合、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開く。これにより、室内ファン(21)の吹出空気が導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入される。その結果、塵埃貯留容器(60)内の塵埃は、空気と共に搬送用ダクト(88)を通じて塵埃捕集箱(90)へ搬送される。つまり、この塵埃搬送手段(80)は、室内ファン(21)の吹出空気を利用して塵埃貯留容器(60)の塵埃を所定位置まで搬送するように構成されている。さらに、塵埃搬送手段(80)では、塵埃捕集箱(90)の塵埃をケーシング(10)外へ排出する場合も、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられる。この場合、掃除機によって掃除機挿入口(18)から吸引することで、塵埃捕集箱(90)内の塵埃が搬送用ダクト(88)、ダンパボックス(81)および吸引用ダクト(87)を通じて掃除機に吸引される。
上記塵埃捕集箱(90)は、図1、図2および図5に示すように、塵埃貯留容器(60)内の塵埃が搬送されて貯留されるものであって、本発明に係る塵埃捕集容器を構成している。塵埃捕集箱(90)は、仕切板(25)に対して容易に着脱できるよう保持されると共に、連結紐(96)を介して仕切板(25)と繋がっている。尚、この連結紐(96)は本発明に係る連結部材を構成している。塵埃捕集箱(90)は、やや細長い略直方体状に形成されると共に、後述する排気口(91)の形成される一側面の断面積が、後述する塵埃流出入口(94)の形成される反対側の他側面の断面積よりも小さく形成されている。そして、塵埃捕集箱(90)は、仕切板(25)の下側で、且つその一端辺に沿って配置され、該塵埃捕集箱(90)の内側面は、平面視においてエアフィルタ(30)に被らないように通気口(26)に沿って円弧状の凹部(95)に形成されている。つまり、塵埃捕集箱(90)は、上記下側ケーシング(10b)の内部で、且つ上記吸込口(13)から吸い込まれ、室内熱交換器(22)に向かって吹き出される室内ファン(21)による空気の流れの外側に配設されている。また、塵埃捕集箱(90)には、搬送用ダクト(88)が接続される塵埃流出入口(94)と、塵埃捕集箱(90)内の空気を外部に排出させるための排気口(91)と、連結紐(96)を取り付けるための取付部(97b)とが形成されている。
上記塵埃流出入口(94)は、搬送用ダクト(88)が接続され、塵埃捕集箱(90)内に
塵埃を流入させる一方、塵埃捕集箱(90)内の塵埃を流出させるものである。塵埃流出入口(94)は、略円形の開口を有し、該塵埃捕集箱(90)の一端面の下部に設けられている。この塵埃流出入口(94)には、上記搬送用ダクト(88)の一端が接続されている。尚、塵埃流出入口(94)は、本発明に係る塵埃流入口を構成している。
上記排気口(91)は、室内空気を塵埃捕集箱(90)内に流入させる一方、塵埃捕集箱(90)内の空気を外部に排気させるものであって、本発明に係る排気口を構成している。排気口(91)は略長方形状の開口を有し、塵埃捕集箱(90)の搬送用ダクト(88)が接続される一側面と反対側の他側面に形成されている。また、この排気口(91)は、下側ケーシング(10b)に形成された排気通路(19)と接続されてケーシング(10)の外部に連通している。さらに、排気口(91)には、フィルタ(92)が取り付けられている。尚、この排気口(91)と排気通路(19)との接続部分にはシール部材(93)が設けられている。そして、塵埃捕集箱(90)では、上記塵埃貯留容器(60)から空気によって塵埃が搬送されると、その内部の空気が排気口(91)を介して排気通路(19)から排出される。その際、上記フィルタ(92)が設けられているので、搬送された塵埃が排気口(91)からケーシング(10)の外部に流出することはない。また、掃除機による吸引によって塵埃捕集箱(90)から塵埃が排出されると、塵埃捕集箱(90)内の空気圧が低くなるため、外部の空気が排気口(91)を介して排気通路(19)から塵埃捕集箱(90)内に流入する。その際、流入した空気中に含まれる塵埃が上記フィルタ(92)によって捕捉される。このように、排気口(91)による給排気によって塵埃捕集箱(90)内の空気圧のバランスが適切になるので、塵埃捕集箱(90)に対する塵埃の搬送動作および排出動作が適切に行われる。
上記取付部(97b)は、図5に示すように、連結紐(96)を取り付けるためのものである。取付部(97b)は、塵埃捕集箱(90)において、排気口(91)が形成された側面と連続する側面で、排気口(91)の側部に設けられ、連結紐(96)の一端を引っ掛けて結合させている。一方で、連結紐(96)の他端を仕切板(25)に形成される取付部(97a)に引っ掛けて結合させている。上記連結紐(96)は、仕切板(25)に対して取り外しできるようにしている。尚、連結紐(96)は、塵埃捕集箱(90)に対して取り外しできるようにしてもよい。
−運転動作−
次に、室内ユニット(1)の運転動作について冷暖房を行う通常運転と、エアフィルタ(30)の清掃を行うフィルタ清掃運転とを分けて説明する。なお、上記室内ユニット(1)は、通常運転とフィルタ清掃運転とが切換可能に構成されている。
まず、通常運転では、室内ファン(21)が駆動され、室内ユニット(1)では、吸込口(13)から吸い込まれた室内空気がエアフィルタ(30)を通過してベルマウス(24)へ流入する。ここで、室内空気がエアフィルタ(30)を通過する際、室内空気中の塵埃がエアフィルタ(30)のメッシュ部材(37)に捕捉される。ベルマウス(24)に流入した室内空気は室内ファン(21)から吹き出される。この吹出空気は、室内熱交換器(22)の冷媒と熱交換して冷却または加熱された後、各吹出口(14)から室内へ供給される。これにより、室内の冷房または暖房が行われる。この運転では、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が閉じられているため、室内ファン(21)の吹出空気がダンパボックス(81)を通じて塵埃貯留容器(60)へ導入されることはない。
次に、フィルタ清掃運転について説明する。このフィルタ清掃運転では、冷媒回路において圧縮機が停止されて冷媒が循環しない状態となる一方、塵埃除去動作と塵埃搬送動作と塵埃排出動作とが切換可能に構成されている。
上記塵埃除去動作は、エアフィルタ(30)に捕捉された塵埃を除去する動作である。塵埃除去動作では、室内ファン(21)が停止され、回転ブラシ(51)を回転させてそのブラシ部をエアフィルタ(30)に接触させる。この状態において、エアフィルタ(30)が回転させられると、エアフィルタ(30)の塵埃が回転ブラシ(51)のブラシ部に捕捉される。そして、フィルタ駆動手段(40)のリミットスイッチ(44)のレバー(44a)が作動すると、フィルタ駆動モータ(41)が停止されてエアフィルタ(30)が停止する。つまり、エアフィルタ(30)は所定角度だけ回転して停止する。このようにして、エアフィルタ(30)において回転ブラシ(51)のブラシ部を通過した領域の塵埃が除去される。
上記塵埃搬送動作は、塵埃貯留容器(60)から塵埃捕集箱(90)に塵埃を搬送する動作である。塵埃搬送動作では、回転ブラシ(51)が停止されると共に、エアフィルタ(30)が停止状態になる。また、ダンパボックス(81)のダンパ(82)が開状態になる。この状態において、室内ファン(21)が駆動され、該室内ファン(21)の吹出空気は、導入用ダクト(86)およびダンパボックス(81)を順に介して塵埃貯留容器(60)へ導入される。これにより、塵埃貯留容器(60)の塵埃が空気と共に搬送用ダクト(88)を介して塵埃捕集箱(90)へ搬送される。
上記塵埃排出動作は、塵埃捕集箱(90)からケーシング(10)の外部へ塵埃を排出する動作である。塵埃排出動作は、例えば、塵埃搬送動作が所定回数(所定時間)行われることで塵埃排出動作を行うようになっている。または、ユーザーによるリモコン操作によって行うようにしてもよい。塵埃排出動作では、図3(C)に示すように、化粧パネル(10c)の掃除機挿入口(18)にユーザーが掃除機を取り付けることで行われる。この掃除機挿入口(18)は、ダンパボックス(81)の吸引用ダクト(87)と連通している。このため、ユーザーが掃除機を掃除機挿入口(18)に接続させた状態で掃除機を動作させると、塵埃捕集箱(90)内に貯留された塵埃が、搬送用ダクト(88)および塵埃貯留容器(60)を通ってダンパボックス(81)内に流入された後、掃除機に吸引される。
次に、作業者による室内ユニット(1)のメンテナンス作業について説明する。室内ユニット(1)のメンテナンスを行う際には、室内ユニット(1)を構成する各機器が停止した状態となる。
まず、メンテナンスを行う際は、化粧パネル(10c)に形成される吸込グリル(12)を取り外す。次に、図5に示すように、下側ケーシング(10b)に配設されている塵埃捕集箱(90)および搬送用ダクト(88)を取り外す。このとき、塵埃捕集箱(90)は、連結紐(96)を介して仕切板(25)と繋がっている。このため、作業者が塵埃捕集箱(90)を落とした場合でも塵埃捕集箱(90)が落下することはない。また、連結紐(96)の一端が塵埃捕集箱(90)の排気口(91)の側部に取り付けられているため、塵埃捕集箱(90)が仕切板(25)から外れても、排気口(91)を上側に向けることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)の内部に貯留された塵埃が、排気口(91)からこぼれ落ちない。そして、導入用ダクト(86)、ダンパボックス(81)および塵埃貯留容器(60)を一体で導入用ダクト(86)の軸心を中心にして回動させる。次に、図6に示すように、エアフィルタ(30)および点検用蓋(71)を取り外す。その後、点検用開口部(70)を介して上側ケーシング(10a)に配設された電装品箱(72)に収納される電装品の点検・修理・交換等のメンテナンス作業を行う。メンテナンス作業が終了すると、点検用蓋(71)で点検用開口部(70)を塞いでボルト(74)で固定した後、エアフィルタ(30)および塵埃捕集箱(90)を順に取り付ける。その後、導入用ダクト(86)、ダンパボックス(81)および塵埃貯留容器(60)を一体で導入用ダクト(86)の軸心を中心にして元の位置まで回動させ、搬送用ダクト(88)を塵埃捕集箱(90)および塵埃貯留容器(60)に取り付ける。最後に、吸込グリル(12)を化粧パネル(10c)に取り付けてメンテナンス作業を終了する。
−実施形態の効果−
本実施形態によれば、連結紐(96)によって仕切板(25)と塵埃捕集箱(90)とを繋いだため、室内ユニット(1)のメンテナンス作業において、塵埃捕集箱(90)を仕切板(25)から外した時に、誤って塵埃捕集箱(90)を落としても塵埃捕集箱(90)が落下することがない。また、仕切板(25)から外した塵埃捕集箱(90)を作業が終わるまで別の場所に仮置きしておく必要がないため、メンテナンス作業を継続して行うことができる。これにより、メンテナンス作業の作業効率を向上させることができる。
また、連結紐(96)の一端を、塵埃捕集箱(90)の排気口(91)の側部に取り付けたため、塵埃捕集箱(90)を仕切板(25)から外した時に、排気口(91)を上側に向けることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)の内部に貯留された塵埃が、排気口(91)からこぼれ落ちるのを確実に防止することができる。
また、連結紐(96)は、仕切板(25)に対して着脱可能であるため、塵埃捕集箱(90)を仕切板(25)から完全に取り外すことができる。
〈実施形態の変形例〉
次に本実施形態の変形例について説明する。
本変形例は、上記実施形態において、連結紐(96)の一端を、塵埃捕集箱(90)の排気口(91)の側部に取り付けたのに代えて、図11に示すように、連結紐(96)の一端を、塵埃捕集箱(90)の塵埃流出入口(94)の形成された側面に取り付けたものである。
具体的に、上記取付部(97b)は、塵埃捕集箱(90)において、塵埃流出入口(94)が形成されている側面に設けられ、連結紐(96)の一端を引っ掛けて結合するようにしている。一方で、連結紐(96)の他端を仕切板(25)に形成される取付部(97a)に引っ掛けて結合するようにしている。したがって、作業者が塵埃捕集箱(90)を落とした場合でも塵埃捕集箱(90)が落下することはない。また、連結紐(96)の一端が塵埃捕集箱(90)の塵埃流出入口(94)の形成される側面に取り付けられているため、塵埃捕集箱(90)が仕切板(25)から外れても、塵埃流出入口(94)を上側に向けることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)の内部に貯留された塵埃が、塵埃流出入口(94)からこぼれ落ちない。
このように、本変形例によれば、上記連結紐(96)の一端を、塵埃捕集箱(90)の塵埃流出入口(94)の形成される側面に取り付けたため、塵埃捕集箱(90)を仕切板(25)から外した時に、塵埃流出入口(94)を上側に向けることができる。これにより、塵埃捕集箱(90)の内部に貯留された塵埃が、塵埃流出入口(94)からこぼれ落ちるのを確実に防止することができる。その他の構成および動作は本実施形態と同様である。
〈その他の実施形態〉
本発明は、上記実施形態について、以下のような構成としてもよい。
本実施形態は、連結紐(96)の他端を仕切板(25)に取り付けるようにしたが、本発明は、連結紐(96)の他端を化粧パネル(10c)に取り付けるよう構成してもよい。具体的には、上記取付部(97a)を化粧パネル(10c)に設け、連結紐(96)の他端を取付部(97a)に引っ掛けて結合する。
本実施形態では、本発明に係る連結部材として連結紐を用いるようにしたが、本発明に係る連結部材は連結紐に限定されるものではなく、紐状のチェーン部材等も含まれる。また、本実施形態では、ケーシング(10)内に収納された塵埃捕集箱(90)を備えた室内ユニット(1)に本発明を適用したが、本発明は、その他の様々な塵埃捕集箱を備えた室内ユニットについて適用することができる。
尚、以上の実施形態は、本質的に好ましい例示であって、本発明、その適用物、あるいはその用途の範囲を制限することを意図するものではない。