JP2009185866A - タンデム型複列アンギュラ玉軸受及びピニオン軸用軸受装置 - Google Patents

タンデム型複列アンギュラ玉軸受及びピニオン軸用軸受装置 Download PDF

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Abstract

【課題】クリープが発生し難く、ピニオン軸用軸受装置に用いた場合に安定してピニオン軸を支持できるタンデム型複列アンギュラ玉軸受を提供すること。
【解決手段】タンデム型複列アンギュラ玉軸受1を、大径外輪軌道面2a及び小径外輪軌道面2bを有する単一の外輪2と、大径外輪軌道面2aと径方向に対向する大径内輪軌道面3a及び小径外輪軌道面2bと径方向に対向する小径内輪軌道面3bを有する単一の内輪3と、大径外輪軌道面2aと大径内輪軌道面3aとの間に収容された大径側玉群と、小径外輪軌道面2bと小径内輪軌道面3bとの間に収容された小径側玉群と、各玉群を構成する玉5,6を円周方向等配位置に保持する保持器8,9とで構成する。外輪2の外周面に嵌合される筒状の回転部材を回転自在に支持するものであり、回転側部材である外輪2を、炭素含有量が0.5%以上1.2%以下の浸炭鋼で形成する。
【選択図】図1

Description

本発明は、例えば自動車のディファレンシャル装置やトランスファ装置等のピニオン軸の支持に好適なタンデム型複列アンギュラ玉軸受に関する。
従来より、自動車のトランスファ装置では、差動変速機構のリングギヤに噛合するピニオンギヤが一端に設けられたピニオン軸を、ピニオンギヤ側の軸受と反ピニオンギヤ側の軸受とで回転自在に支持している。この種のトランスファ装置に用いられるピニオン軸用軸受装置としては、従来、ピニオンギヤ側の軸受と反ピニオンギヤ側の軸受の両方を円錐ころ軸受で構成し、両軸受を互いに背面合わせに配置し、予圧を付加した状態でハウジング内に収容したものがある。ピニオンギヤ側の軸受には比較的大きなスラスト荷重が作用することから、反ピニオンギヤ側の軸受よりも大型の円錐ころ軸受を用いている。
上記従来のピニオン軸用軸受装置は、ピニオンギヤ側の円錐ころ軸受に大きな摩擦抵抗が作用するので回転トルクが大きく、したがって、トランスファ装置の効率の低下を招く不都合がある。そこで、従来、ピニオンギヤ側及び反ピニオンギヤ側の両方の軸受に、タンデム型複列アンギュラ玉軸受を用いたピニオン軸用軸受装置が提案されている(例えば、特許文献1参照)。
タンデム型複列アンギュラ玉軸受は、外輪と内輪に夫々2列の軌道面を有し、対向する各軌道面間に、各列で互いに異なるピッチ円直径をなす複数の玉を配列している。2列の軌道面と玉との間に形成される接触角は、いずれの列も同じ方向を向いている。ピニオンギヤ側のタンデム型複列アンギュラ玉軸受では、ピニオンギヤ側の軌道面を大径とし、反ピニオンギヤ側の軌道面を小径としている。一方、反ピニオンギヤ側のタンデム型複列アンギュラ玉軸受では、ピニオンギヤ側の軌道面を小径とし、反ピニオンギヤ側の軌道面を大径としている。
特表2002−523710号公報
タンデム型複列アンギュラ玉軸受は、2列の軌道面と玉との間の接触角の向きが同じであり、アキシアル荷重を2列の玉群で受けるため、単列玉軸受や、接触角の向きが互いに逆向きの複列玉軸受と比較して、回転トルクが大きい。このような比較的大きい回転トルクに起因して、軸受とピニオン軸との間にクリープが発生し易く、ピニオン軸用軸受装置、ひいてはトランスファ装置の故障につながる虞がある。
そこで、本発明の課題は、クリープが発生し難く、ピニオン軸用軸受装置に用いた場合に安定してピニオン軸を支持できるタンデム型複列アンギュラ玉軸受を提供することにある。
上記課題を解決するため、請求項1の発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受は、内周に複列の軌道面が形成された外輪と、上記複列の軌道面に対向する複列の軌道面が外周に形成された内輪と、上記内輪と外輪の対向する各軌道面間に、それぞれ異なるピッチ円直径をなして介在すると共に、各列の軌道面に接触する接触角が互いに同じ方向を向いた複列の玉群とを備えたタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、上記外輪及び内輪のうちの少なくとも回転側部材が浸炭鋼で形成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、外輪及び内輪のうちの少なくとも回転側部材が浸炭鋼で形成されるので、回転側部材が軸受鋼で形成された場合よりも、経年に伴う回転側部材の寸法の変化が少ない。したがって、回転側部材と、この回転側部材に嵌合により連結された回転部材との間の締代を安定して確保することができる。タンデム型複列アンギュラ玉軸受は、複列の軌道面と玉群との間の接触角の向きが同じであることや、アキシアル荷重を複列の玉群で受けることに起因して回転トルクが大きいにもかかわらず、本発明により回転側部材と回転部材との間の締代が確保されるので、この回転側部材と回転部材との間にクリープが発生する不都合を防止できる。
請求項2の発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受は、請求項1に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、上記外輪が回転側部材であり、少なくとも上記外輪が浸炭鋼で形成されている。
上記実施形態によれば、回転側部材である外輪が浸炭鋼で形成されるので、外輪が軸受鋼で形成された場合よりも経年に伴う寸法の変化率が小さい。したがって、外輪と、この外輪と嵌合により連結された回転部材との間の締代を安定して確保でき、その結果、外輪と回転部材との間にクリープが発生する不都合を防止できる。
請求項3の発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受は、請求項1に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、上記内輪が回転側部材であり、少なくとも上記内輪が浸炭鋼で形成されている。
上記実施形態によれば、回転側部材である内輪が浸炭鋼で形成されるので、内輪が軸受鋼で形成された場合よりも経年に伴う寸法の変化率が小さい。したがって、内輪と、この内輪と嵌合により連結された回転部材との間の締代を安定して確保でき、その結果、内輪と回転部材との間にクリープが発生する不都合を防止できる。
請求項4の発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受は、請求項1に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、上記外輪と内輪の両方が浸炭鋼で形成されている。
上記実施形態によれば、内輪及び外輪の変形率を揃えて軌道面の変形モードを揃えることができて、軌道面及び玉の損傷を低減することができる。
請求項5の発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受は、請求項1に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、上記浸炭鋼は、好ましくは炭素含有量の下限が0.5%、上限が1.2%である。
上記実施形態によれば、経年に伴う回転側部材の寸法の変化率を所定の範囲内に抑えることができて、回転側部材と回転部材との間の締代を安定して確保することができ、回転側部材と回転部材との間にクリープが発生する不都合を防止できる。ここで、浸炭鋼の炭素含有量が0.5%よりも少ないと、回転側部材と回転部材との間の締代を十分に確保できず、クリープの発生を招く虞がある。一方、浸炭鋼の炭素含有量が1.2%よりも多いと、硬度が過剰に増大し、回転側部材の製造の際に加工性を悪化させる虞がある。
請求項6の発明のピニオン軸用軸受装置は、ピニオンギヤが一端に設けられたピニオン軸を、上記ピニオンギヤに近いピニオン側と、上記ピニオンギヤから遠い反ピニオン側とで回転自在に支持する一対の軸受を備えたピニオン軸用軸受装置であって、上記ピニオン側の軸受が、内周に複列の軌道面が形成された外輪と、上記複列の軌道面に対向する複列の軌道面が外周に形成された内輪と、上記内輪と外輪の対向する各軌道面間に、それぞれ異なるピッチ円直径をなして介在すると共に、各列の軌道面に接触する接触角が互いに同じ方向を向いた複列の玉群とを備えたタンデム型複列アンギュラ玉軸受であり、上記タンデム型複列アンギュラ玉軸受は、回転側部材である内輪が浸炭鋼で形成されていることを特徴としている。
上記構成によれば、ピニオン軸用軸受装置のピニオン側の軸受は、ピニオンギヤの回転によって反ピニオン側の軸受よりも大きい荷重を受けるが、回転側部材である内輪が浸炭鋼で形成されたタンデム型複列アンギュラ玉軸受で形成されているので、内輪とピニオン軸との間の締代が安定して確保され、この内輪とピニオン軸との間にクリープが発生する不都合を防止できる。その結果、耐久性の高いピニオン軸用軸受装置が得られる。
本発明によれば、経年に伴う回転側部材の寸法の変化を少なくできるので、回転側部材と回転部材との間の締代を安定して確保でき、回転側部材と回転部材との間のクリープを長期にわたって防止可能なタンデム型複列アンギュラ玉軸受が得られる。
以下、本発明の実施形態を、図面を参照しながら説明する。図1は本発明の実施形態のタンデム型複列アンギュラ玉軸受を示す断面図である。
本実施形態のタンデム型複列アンギュラ玉軸受1は、大径外輪軌道面2a及び小径外輪軌道面2bを有する単一の外輪2と、大径外輪軌道面2aと径方向に対向する大径内輪軌道面3a及び小径外輪軌道面2bと径方向に対向する小径内輪軌道面3bを有する単一の内輪3と、大径外輪軌道面2aと大径内輪軌道面3aとの間に収容された大径側玉群と、小径外輪軌道面2bと小径内輪軌道面3bとの間に収容された小径側玉群と、大径側玉群を構成する玉5と小径側玉群を構成する玉6とを円周方向等配位置に夫々保持する保持器8,9とで構成されている。
大径側玉群の玉5の径と、小径側玉群の玉6の径は互いに同じである。一方、各玉群のピッチ円直径は互いに異なる。すなわち、大径側玉群のピッチ円直径は、小径側玉群のピッチ円直径よりも大きく設定されている。
このタンデム型複列アンギュラ玉軸受1は、外輪2の外周面に嵌合する筒状の回転部材を回転自在に支持するものであり、外輪2が回転側部材である。この外輪2は、炭素含有量が0.5%以上1.2%以下の浸炭鋼で形成されている。外輪2の軌道面2a、2bの表面は、高周波焼入れ等によって硬化層を設けるか、またはずぶ焼入れを施すことにより、表面硬さを58〜64HRCとしている。
一方、内輪3は内周面が支持軸等に嵌合されて支持される静止部材であり、高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)で形成されている。内輪3の軌道面3a,3bの表面は、高周波焼入れ等によって硬化層を設けるか、またはずぶ焼入れを施すことにより、表面硬さを58〜64HRCとしている。なお、外輪2と同様に、内輪3もまた浸炭鋼で形成してもよい。
このタンデム型複列アンギュラ玉軸受1は、次のように動作する。すなわち、回転部材の回転に伴って外輪2が回転し、回転部材から外輪2にスラスト荷重及びラジアル荷重が作用する。荷重は、大径内輪軌道面3aから玉5を介して大径外輪軌道面2aに作用すると共に、小径内輪軌道面3bから玉6を介して小径外輪軌道面2bに作用する。こうして、外輪2に作用した荷重が、内輪3の両軌道面3a,3bで支持される。
このタンデム型複列アンギュラ玉軸受1は、大径側の玉5と小径側の玉6の接触角がいずれも同じ方向を向いているので、単列玉軸受や、接触角の向きを互いに逆向きとした複列玉軸受と比較して回転トルクが大きい。この回転トルクの反作用により、外輪2と内輪3との間に逆向きのトルクが作用する。このような荷重条件においては、回転側部材を軸受鋼で形成した従来のタンデム型複列アンギュラ玉軸受では、経年に伴って外輪2と回転部材との間にクリープが生じる虞がある。これに対して、本実施形態のタンデム型複列アンギュラ玉軸受1は、外輪2を浸炭鋼で形成したことによりクリープを効果的に防止できる。
図2は、本発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受と、比較例のタンデム型複列アンギュラ玉軸受とについて、長時間運転の実験を行った結果を図に示したものである。本発明及び比較例のタンデム型複列アンギュラ玉軸受のいずれも、図1に示したものと同様の形状の構成部品を有する。ただし、本発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受では、内輪を浸炭鋼で形成する一方、比較例のタンデム型複列アンギュラ玉軸受では、内輪及び外輪のいずれも高炭素クロム軸受鋼(SUJ2)で形成する。本発明及び比較例のタンデム型複列アンギュラ玉軸受について、内輪の内周面に回転部材を嵌合させ、この回転部材から内輪にスラスト荷重が作用する状態で運転を行う。両タンデム型複列アンギュラ玉軸受は、内輪の内径が84mmであり、内輪と回転部材との初期の締代を10μmとして実験を行う。実験条件は、運転環境温度が室温(RT)、60℃、100℃及び130℃の夫々について、いずれも10000時間の運転を行う。実験の途中、所定時間毎に内輪の内径寸法を測定し、当初の内径に対する寸法変化率を算出する。図2(a)が本発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受の実験結果であり、図2(b)が比較例のタンデム型複列アンギュラ玉軸受の実験結果である。図2(a)及び(b)において、横軸が時間(hour)であり、縦軸が寸法変化率(×10-5)である。
実験結果から分かるように、特に環境温度が100℃及び130℃の場合において、寸法変化率は、本発明よりも比較例の方が増大し、この寸法変化率の増大の割合は、運転時間が1000時間を経過すると比較例が本発明を大きく上回る。具体的には、100℃の環境温度で運転時間が1000時間を経過すると、本実施形態では内輪の寸法変化率が7×10-5である一方、比較例では内輪の寸法変化率が12×10-5である。したがって、本実施形態では内輪の内径が5.8μm増大し、回転部材との締代の半分以上が残存する。これに対して、比較例では内輪の内径が10.08μm増大し、回転部材との締代が消失してしまう。したがって、内輪と回転部材との間にクリープが発生する。このように、本発明によれば、回転側部材である内輪を浸炭鋼で形成したことにより、内輪を軸受鋼で形成した比較例よりも、経年に伴う内輪の寸法変化を少なくして内輪と回転部材との締代を十分に確保できて、内輪と回転部材との間のクリープを効果的に防止できる。
図3は本発明の実施形態のピニオン軸用軸受装置を示す断面図である。このピニオン軸用軸受装置は、自動車のトランスファ装置に用いられるものである。すなわち、図3に示すように、ディファレンシャルケースを構成するフロントケース10内に、先端にピニオンギヤ12を有するピニオン軸13が収容されている。このピニオン軸13のピニオン側を回転自在に支持するタンデム型複列アンギュラ玉軸受1と、ピニオン軸13の反ピニオン側を回転自在に支持する単列アンギュラ玉軸受15とで、ピニオン軸用軸受装置が形成されている。ピニオンギヤ12は、図示しない差動変速機構のリングギヤに噛合されている。ピニオン軸13は、ピニオンギヤ側ほど大径となるように段状に形成されている。
フロントケース10の内側面には軸受装着用の2つの環状壁10a,10bが形成されており、ピニオンギヤ側の環状壁10a内にタンデム型複列アンギュラ玉軸受1が収容されている一方、反ピニオンギヤ側の環状壁10b内に単列アンギュラ玉軸受15が収容されている。タンデム型複列アンギュラ玉軸受1の内輪3の内周面と、単列アンギュラ玉軸受15の内輪53の内周面に、ピニオン軸13が嵌合している。タンデム型複列アンギュラ玉軸受1の内輪3は、炭素含有量が0.5%以上1.2%以下の浸炭鋼で形成されている。
タンデム型複列アンギュラ玉軸受1の内輪3の正面側端面と、単列アンギュラ玉軸受15の正面側端面との間には、筒状のスペーサ16が介設されている。単列アンギュラ玉軸受15の背面側には、ピニオン軸13に外嵌する筒状のコンパニオンスリーブ17が配置されている。このコンパニオンスリーブ17の端面とピニオンギヤ12の肩部の端面12aとの間に、単列アンギュラ玉軸受15、スペーサ16及びタンデム型複列アンギュラ玉軸受1が挟持されている。コンパニオンスリーブ17から導入された予圧が、スペーサ16を介して単列アンギュラ玉軸受15とタンデム型複列アンギュラ玉軸受1とに付与されている。
上記構成のピニオン軸用軸受装置は、反ピニオンギヤ側に比べて大きな荷重が働くピニオンギヤ側の軸受として、摩擦抵抗の小さいタンデム型複列アンギュラ玉軸受1を用いている。これにより、従来用いていた円錐ころ軸受に比べて回転トルクが小さくなり、トランスファ装置の効率を向上することができる。また、複列の玉軸受を用いたことにより、単列の玉軸受に比べて負荷容量を大きくすることができ、十分な支持剛性が得られる。
また、タンデム型複列アンギュラ玉軸受1として、ピニオンギヤ側の大径側玉群のピッチ円直径を、小径側玉群のピッチ円直径に比べて大きくしたことにより、より大きな荷重が作用するピニオンギヤ側の大径側の玉5の数を増加させることができ、大きな負荷に耐えることができる。
また、タンデム型複列アンギュラ玉軸受1は、回転側部材である内輪3が浸炭鋼で形成されているので、内輪3が経年に伴って寸法が変化しても、内輪3とピニオン軸13との間の締代が安定して保持される。したがって、内輪3を軸受鋼で形成した場合と比較して、内輪3とピニオン軸13との間にクリープが生じる不都合を防止できる。これにより、タンデム型複列アンギュラ玉軸受1の性能を安定して保持でき、安定して高効率に動作するトランスファ装置が得られる。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上述の実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で、種々の変更を加え得ることは勿論である。例えば、上記実施形態では内輪及び外輪のうち、回転側部品を浸炭鋼で形成したが、回転側部品を含む両部材を浸炭鋼で形成してもよい。これにより、内輪及び外輪の変形率を揃えて軌道面の変形モードを揃えることができて、軌道面及び玉の損傷を低減することができる。
また、上記実施形態のピニオン軸用軸受装置では、反ピニオンギヤ側の軸受として単列アンギュラ玉軸受を用いたが、反ピニオンギヤ側の玉群のピッチ円直径がピニオンギヤ側の玉群のピッチ円直径より大きく設定されたタンデム型の複列アンギュラ玉軸受や、あるいは、ピニオンギヤ側の複列玉軸受とで背面組合せ軸受を構成する円すいころ軸受を用いてもよい。
また、本発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受及びピニオン軸用軸受装置は、自動車のトランスファ装置に限られず、各種産業機械の動力伝達装置に適用することができる。
本発明の実施形態のタンデム型複列アンギュラ玉軸受を示す断面図である。 図2(a)は本発明のタンデム型複列アンギュラ玉軸受の長時間運転の実験結果を示す図であり、図2(b)は比較例のタンデム型複列アンギュラ玉軸受の長時間運転の実験結果を示す図である。 本発明の実施形態のピニオン軸用軸受装置を示す断面図である。
符号の説明
1 タンデム型複列アンギュラ玉軸受
2 外輪
2a 大径外輪軌道面
2b 小径外輪軌道面
3 内輪
3a 大径内輪軌道面
3b 小径内輪軌道面
5 大径側の玉
6 小径側の玉

Claims (6)

  1. 内周に複列の軌道面が形成された外輪と、上記複列の軌道面に対向する複列の軌道面が外周に形成された内輪と、上記内輪と外輪の対向する各軌道面間に、それぞれ異なるピッチ円直径をなして介在すると共に、各列の軌道面に接触する接触角が互いに同じ方向を向いた複列の玉群とを備えたタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、
    上記外輪及び内輪のうちの少なくとも回転側部材が浸炭鋼で形成されていることを特徴とするタンデム型複列アンギュラ玉軸受。
  2. 請求項1に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、
    上記外輪が回転側部材であり、少なくとも上記外輪が浸炭鋼で形成されていることを特徴とするタンデム型複列アンギュラ玉軸受。
  3. 請求項1に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、
    上記内輪が回転側部材であり、少なくとも上記内輪が浸炭鋼で形成されていることを特徴とするタンデム型複列アンギュラ玉軸受。
  4. 請求項1に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、
    上記外輪と内輪の両方が浸炭鋼で形成されていることを特徴とするタンデム型複列アンギュラ玉軸受。
  5. 請求項1から4のいずれか1項に記載のタンデム型複列アンギュラ玉軸受において、
    上記浸炭鋼は、炭素含有量が0.5%以上1.2%以下であることを特徴とするタンデム型複列アンギュラ玉軸受。
  6. ピニオンギヤが一端に設けられたピニオン軸を、上記ピニオンギヤに近いピニオン側と、上記ピニオンギヤから遠い反ピニオン側とで回転自在に支持する一対の軸受を備えたピニオン軸用軸受装置であって、
    上記ピニオン側の軸受が、内周に複列の軌道面が形成された外輪と、上記複列の軌道面に対向する複列の軌道面が外周に形成された内輪と、上記内輪と外輪の対向する各軌道面間に、それぞれ異なるピッチ円直径をなして介在すると共に、各列の軌道面に接触する接触角が互いに同じ方向を向いた複列の玉群とを備えたタンデム型複列アンギュラ玉軸受であり、
    上記タンデム型複列アンギュラ玉軸受は、上記外輪及び内輪のうちの少なくとも回転側部材が浸炭鋼で形成されていることを特徴とするピニオン軸用軸受装置。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2016011673A (ja) * 2014-06-27 2016-01-21 株式会社不二越 軸受機構
CN109654120A (zh) * 2019-01-10 2019-04-19 大连特雷西转盘轴承有限公司 一种组合式双外齿双列偏心推力角接触球回转支承

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