JP2009184603A - 衛星間基準信号同期システム、親衛星及び子衛星 - Google Patents

衛星間基準信号同期システム、親衛星及び子衛星 Download PDF

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Abstract

【課題】 子衛星の基準信号を親衛星の基準信号に同期するよう機能する衛星間基準信号同期システム、このシステムに用いる親衛星及び子衛星を得ることを目的とする。
【解決手段】 親衛星1からリファレンス信号送信アンテナ5により基準信号に基づくリファレンス信号を送信し、子衛星2で折り返したリターン信号をリターン信号受信アンテナ6により受信する。移相器9、位相比較器11及びLPF12によるループにより制御電圧Vcを定める。移相器9と逆特性を有する移相器10にVcの半値を制御電圧として入力し、基準信号を移相器10によって移相し、移相器10出力を基準信号送信アンテナ8から送信し、子衛星2は基準信号受信アンテナ17により補正された基準信号を受信することにより、親衛星1と子衛星2との間で基準信号の同期を図る。
【選択図】 図1

Description

この発明は、例えば、太陽光宇宙発電システムにおいて複数の発電用子衛星を親衛星により管理する場合のように、親衛星と子衛星間で基準信号の位相同期をとることができる衛星間基準信号同期システム、このシステムに用いる親衛星及び子衛星に関するものである。
例えば、特許文献1には、宇宙空間の軌道上に配置された発電用の衛星から、地上の受電設備へのマイクロ波による電力伝送に関する技術が記載されている。これらの文献に記載された技術は、地上の受電装置からパイロット信号を送信し、このパイロット信号の方向へ発電用の衛星からマイクロ波を送出する、いわゆるレトロディレクティブ方式の伝送方法に関するものであった。
特開平6−253477号公報
特許文献1に記載された従来の技術によれば、地上の受電装置から送信されたパイロット信号の到来方向へ発電用衛星からマイクロ波送電することができるものの、複数の発電用衛星を軌道上に配置してマイクロ波送電する場合には、各発電用衛星の相対位置の変動によって受電設備で受信する各発電用衛星からのマイクロ波の位相が異なり、合成して得られる電力が低下するという問題点があった。
この発明は、上記のような問題点を解決するためになされたもので、子衛星の基準信号を親衛星の基準信号に同期するよう機能する衛星間基準信号同期システム、このシステムに用いる親衛星及び子衛星を得ることを目的とする。
請求項1の発明に係る衛星間基準信号同期システムは、親衛星で生成する基準信号に子衛星での基準信号を同期させる衛星間基準信号同期システムにおいて、上記親衛星は、基準信号を生成する基準信号源と、この基準信号源により生成した基準信号に基づくリファレンス信号を上記子衛星へ送信するリファレンス信号送信アンテナと、このリファレンス信号を上記子衛星により折り返して送信されるリターン信号を受信するリターン信号受信アンテナと、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第1の移相器と、上記リターン信号受信アンテナにより受信したリターン信号の位相と、上記第1の移相器が出力する信号の位相とを比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、この位相比較器が出力する位相差信号の高周波成分を除去し、上記移相器へ出力する低域通過フィルタと、上記第1の移相器の逆特性を有し上記低域通過フィルタが出力する位相差信号の半値により移相量が設定され、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第2の移相器と、この第2の移相器が出力する信号を送信する基準信号送信アンテナとを具備し、上記子衛星は、上記親衛星から送信された上記リファレンス信号を受信するリファレンス信号受信アンテナと、このリファレンス信号受信アンテナにより受信した受信信号を折り返してリターン信号を送信するリターン信号送信アンテナと、上記親衛星において上記リターン信号に基づいて位相補正された基準信号を受信する基準信号受信アンテナとを具備したことをものである。
請求項2の発明に係る親衛星は、基準信号を生成する基準信号源と、この基準信号源により生成した基準信号に基づくリファレンス信号を上記子衛星へ送信するリファレンス信号送信アンテナと、このリファレンス信号を上記子衛星により折り返して送信されるリターン信号を受信するリターン信号受信アンテナと、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第1の移相器と、上記リターン信号受信アンテナにより受信したリターン信号の位相と、上記第1の移相器が出力する信号の位相とを比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、この位相比較器が出力する位相差信号の高周波成分を除去し、上記移相器へ出力する低域通過フィルタと、上記第1の移相器の逆特性を有し上記低域通過フィルタが出力する位相差信号の半値により移相量が設定され、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第2の移相器と、この第2の移相器が出力する信号を送信する基準信号送信アンテナとを備えたものである。
請求項3の発明に係る子衛星は、親衛星から送信される基準信号に基づくリファレンス信号を受信するリファレンス信号受信アンテナと、このリファレンス信号受信アンテナにより受信した受信信号を折り返してリターン信号を送信するリターン信号送信アンテナと、上記親衛星において上記リターン信号に基づいて位相補正された上記基準信号を受信する基準信号受信アンテナとを備えたものである。
請求項4の発明に係る子衛星は、請求項3の発明に係る子衛星において、さらに、上記基準信号受信アンテナにより受信した上記基準信号に同期し、上記基準信号周波数を逓倍した周波数のローカル信号を生成するPLL周波数シンセサイザと、地上の受電装置から送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、上記PLL周波数シンセサイザが生成した上記ローカル信号と上記パイロット信号受信アンテナに受信したパイロット信号を混合するミキサと、このミキサが出力する信号の高周波成分を除去する低域通過フィルタと、この低域通過フィルタが出力する信号を増幅する増幅器と、この増幅器により増幅した信号を送信する送信アンテナとを具備したものである。
請求項5の発明に係る衛星間基準信号同期システムは、請求項1の発明に係る衛星間基準信号同期システムにおいて、上記親衛星は、上記基準信号源により生成した基準信号を上記子衛星の識別記号により変調して上記リファレンス信号を生成する第1の変復調回路を具備し、上記子衛星は受信した上記リファレンス信号から識別記号を復調し、保持している識別記号と比較して一致する場合に、上記リターン信号を送信する第2の変復調回路を具備したものである。
請求項6の発明に係る親衛星は、請求項2の発明に係る親衛星において、さらに、上記基準信号源により生成した基準信号を上記子衛星の識別記号により変調して上記リファレンス信号を生成する第1の変復調回路を具備したものである。
請求項7の発明に係る子衛星は、請求項3又は請求項4の発明に係る子衛星において、さらに、受信した上記リファレンス信号から識別記号を復調し、保持している識別記号と比較して一致するときに、上記リターン信号を送信する第2の変復調回路を具備したものである。
請求項1乃至請求項3に記載の発明によれば、親衛星から送信したリファレンス信号を子衛星により折り返してリターン信号を親衛星により受信し、受信したリターン信号により基準信号を位相補正して、親衛星から子衛星へ位相補正した基準信号を送信するので、親衛星で生成する基準信号に子衛星での基準信号を同期させることができる。また請求項4に記載の発明によれば、子衛星から地上受電装置へ送信するマイクロ波の地上受電装置での位相を揃えることができる。
請求項5乃至請求項7に記載の発明によれば、親衛星から送信するリファレンス信号は子衛星の識別記号により基準信号を変調して生成しており、子衛星は受信したリファレンス信号から復調した識別記号が保持している識別記号と一致する場合にリターン信号を送信するので、親衛星から位相同期の対象とする子衛星を指定することができる。
実施の形態1
この発明の実施の形態1に係る衛星間基準信号同期システム、このシステムに用いる親衛星及び子衛星について図1乃至図3を用いて説明する。図1はこの発明の実施の形態1に係る衛星間基準信号同期システムを含む太陽光宇宙発電システムの構成図である。図1において、1は親衛星、2は子衛星、3は地上受電装置であり、親衛星1によって複数の子衛星2が管理され、子衛星2は宇宙空間の軌道上に配置されて、太陽光エネルギーを電気エネルギーに変換し、この電気エネルギーからマイクロ波を生成して地上へ向けて放出し、地上受電装置3で受信して電力を生成する。まず、親衛星1の構成について説明する。親衛星1において、4は親衛星1に搭載される基準信号源であり、5は子衛星での位相差を検出するために基準信号をリファレンス信号として子衛星2へ向けて送信するリファレンス信号送信アンテナ、6はリファレンス信号送信アンテナ5から送信したリファレンス信号が子衛星2により受信され折り返し送信されたリターン信号を受信するリターン信号受信アンテナ、7はリターン信号受信アンテナ6により受信したリターン信号に基づいて基準信号の補正を行う位相補正部、8は位相補正部により補正された基準信号を送信する基準信号送信アンテナである。位相補正部7において、9は制御電圧の増加に伴い,例えば位相量が増加する特性を有する移相器であり、10は移相器9の逆特性を有し,制御電圧の増加に伴い,例えば位相量が減少する特性を有する移相器である。11は子衛星2から送信されリターン信号受信アンテナ6により受信したリターン信号の位相と、移相器9を介した基準信号源4からの基準信号の位相とを比較し、位相差信号を出力する位相比較器であり、12は位相差信号のDC成分のみを取り出す低域通過フィルタである。13は移相器10の逆移相量を調整する電圧調整回路である。
次に子衛星2及び地上受電装置3の構成について説明する。子衛星2において、14は親衛星1のリファレンス信号送信アンテナ5から送信されたリファレンス信号を受信するリファレンス信号受信アンテナ、15はリファレンス信号受信アンテナ14により受信した信号を伝送する線路、16は線路15に接続され、リファレンス信号受信アンテナ14により受信した信号を折り返してリターン信号として送信するリターン信号送信アンテナ、17は親衛星1の基準信号送信アンテナ8から送信された位相補正された基準信号を受信する基準信号受信アンテナである。18は基準信号受信アンテナ17により受信した基準信号を基準信号受信期間内では保存しつつ出力し、基準信号受信期間以外では保存していた基準信号に基づいて基準信号の出力を維持して、子衛星2内の基準信号を持続させる基準信号維持回路であり,19は基準信号に位相同期するとともに基準信号を周波数逓倍してローカル信号を生成するPLL周波数シンセサイザ(PLLは位相同期ループの意味であり、以下、PLL19と記載する。)である。20は地上受電装置3からのパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナ、21はPLL19が出力するローカル信号とパイロット信号とを混合するミキサ、22はミキサ21が出力する信号の高周波成分を除去する低域通過フィルタである。23は低域通過フィルタ22を通過した信号を高出力増幅する高出力増幅器、24は太陽光による光エネルギーを電気エネルギーに変換し、高出力増幅器23へ電力供給する光電変換部、25は地上受電装置3へマイクロ波を送信する送信アンテナである。地上受電装置3において、26はパイロット信号を生成するパイロット信号生成部、27はパイロット信号を高出力増幅する高出力増幅器、28はパイロット信号を送信するパイロット信号送信アンテナである。29は子衛星2から送信されたマイクロ波を受信する受信アンテナ(一般にレクテナとも呼ばれる。)、30は受信アンテナ29により受信したマイクロ波を整流し合成することにより電力を生成する整流合成部である。
次に、図1に示した構成による衛星間基準信号同期の動作について説明する。親衛星1に搭載した基準信号源4は複数の子衛星2にとって共通の基準信号を提供する。基準信号源4が生成する基準信号の周波数をf、位相をφとし、この基準信号をリファレンス信号としてリファレンス信号送信アンテナ5から送信する。子衛星2ではリファレンス信号受信アンテナ14によりリファレンス信号を受信し、その受信信号の位相をφとすると、親衛星1と子衛星2との間の空間位相はφ−φとなる。子衛星2内部の線路15での位相差が無視できるものとし、子衛星2からそのまま親衛星1へ受信したリファレンス信号をリターン信号として折り返すと、親衛星2のリターン信号受信アンテナ6で受信するリターン信号の位相は2φ−φとなる。一方、移相器9での移相量をφとすると、移相器9を通した基準信号の位相はφ+φとなる。この移相器9の出力信号の位相と、リターン信号受信アンテナ6により受信したリターン信号の位相とを位相比較器11により比較し、これらの信号の位相が同値になるように低域通過フィルタ12を介してループバックする。移相器9、位相比較器11、低域通過フィルタ12によるループ回路により、φ+φ=2φ−φとなり、φ=2(φ−φ)となる。低域通過フィルタ12で取り出された直流成分(制御電圧Vc)は、電圧調整回路13へ入力される。電圧調整回路13は電圧を例えば半値化し、移相器10へ出力する。図2は移相器9と移相器10の移相特性を示しており、移相器9に対して、移相器10は逆特性のものであるので、移相器10での符号反転した移相量は−φ/2=φ−φとなる。したがって、移相器10を通過した後の基準信号の位相は2φ−φとなり、これを子衛星2との空間位相に基づき位相補正した基準信号として、基準信号送信アンテナ8から送信する。親衛星1と子衛星1との間の空間位相は上述のとおりφ−φであるので、子衛星2における基準信号受信アンテナ17により受信する基準信号の位相はφとなり、衛星間の空間を経て,基準信号源4が生成する基準信号の位相と一致する。
このような衛星間基準信号同期システムにより、基準信号源を有する親衛星1と親衛星1からの基準信号を受信する子衛星2との間での基準信号の位相同期を図ることができる。子衛星2が複数配置されて、各子衛星2で太陽光発電し、各子衛星2から地上へマイクロ波により送電するような太陽光宇宙発電システムにおいても、上記の衛星間基準信号同期システムを用いれば、親衛星1の基準信号源が生成する基準信号に、各子衛星2の基準信号を同期させることができる。
次に子衛星2において基準信号を再生成する動作について説明する。複数の子衛星2が存在している場合に、各子衛星2の基準信号の位相を親衛星1の基準信号源4が生成する位相に同期させるためには、親衛星1から子衛星2へリファレンス信号を送信し、子衛星2で折り返してリターン信号を親衛星1で受信し、補正した基準信号を基準信号送信アンテナ8から送信して、子衛星2の基準信号受信アンテナ17により基準信号を受信するという基準信号受信期間を各子衛星2ごとに時分割で順々に行っていく必要がある。このため、各子衛星2では基準信号を受信している基準信号受信期間とそうでない期間とがあり、基準信号受信期間以外においても、基準信号受信期間に受信した基準信号に基づいて、子衛星2内の基準信号を維持する必要がある。そこで、図1に示す子衛星2には基準信号維持回路18が設けられている。図3は基準信号維持回路18の構成の一例を示す機能ブロック図である。図3において、31は基準信号受信アンテナ17により受信した基準信号をデジタル変換するA/D変換器、32はA/D変換器31からの基準信号のデジタル波形からその波形の各点の位相を検出し、DDS33の位相設定をする位相設定部であり、33は位相設定部32からの位相データに基づき子衛星2で使用する基準信号を再生成するDDS(ダイレクトデジタルシンセサイザ)である。34は発振器、35は位相比較器、36は電圧制御発振器、37は分周器であり、発振器34からのクロック信号と、電圧制御発振器36の出力からのフィードバック信号を分周器37により分周した信号との位相を位相比較器37により位相比較して位相差信号を電圧制御発振器36へ入力することによりクロック信号を逓倍する。図3には、発振器34のクロック信号周波数が10MHz、分周器の分周数を100とした場合に電圧制御発振器36からは1GHzの信号が出力され、DDS33の基準クロック信号として入力される例を示す。位相設定部32は、基準信号受信期間中には、リアルタイムで基準信号のデジタル波形から位相を検出してDDS33へ位相データを出力するとともに、位相データをメモリ38へ書き込む。また、基準信号受信期間以外では位相設定部32はメモリ38に書き込まれた、基準信号の位相データ(例えば、基準信号1周期分の位相データ)を読み出し、DDS33へ出力する。DDS33は入力された位相データを電圧制御発振器36から出力される信号(基準クロック信号)に基づき出力する。図3には、DDS33の出力周波数が基準信号周波数と同じ10MHzである例を示す。なお、基準信号受信期間が終了した時点において、位相設定部32は、DDS33へ設定する位相をA/D変換器31からのデジタル波形に基づく位相データから、メモリ38に書き込んだ位相データに切替えるが、この切替前後の位相がずれないようにするために、切替え前の例えば1周期分の位相データを正確にメモリ29から読み出すものとする。
次に子衛星2から地上受電装置3へマイクロ波により送電する動作について説明する。再生成された基準信号をPLL19により周波数逓倍し、PLL19からローカル信号を出力する。ミキサ21によりパイロット信号受信アンテナ20で受信したパイロット信号とローカル信号とが混合される。PLL19が出力するローカル信号の周波数を2fp、パイロット信号周波数をfpとし、LPF22通過後の信号周波数はfpとする。また各信号の位相は、PLL19出力信号の位相をφ とし、地上受電装置3から送信するパイロット信号の位相をφとし、子衛星2で受信されるパイロット信号の位相をφとすれば、子衛星2と地上受電装置3との間の空間位相はφ−φとなり、子衛星2の送信アンテナ25から送信する信号の位相はφ −φであり、地上受電装置3の受信アンテナ29で受信するマイクロ波の位相はφ −φとなる。位相φ はPLL19が出力するローカル信号の位相であるが、基準信号維持回路18により再生成された基準信号に同期していることから、各子衛星2での位相φ は一致しており、その結果、各子衛星2から送信され、地上受電装置3の受信アンテナ29で受信したマイクロ波の位相φ −φを一致させることができる。
実施の形態2
この発明の実施の形態2に係る衛星間基準信号同期システム、このシステムに用いる親衛星及び子衛星について図4を用いて説明する。図4はこの発明の実施の形態2に係る衛星間基準信号同期システムを含む太陽光宇宙発電システムの構成図であり、地上受電装置3については図1と同様の構成を有しており記載を省略したものである。図4において、39は親衛星1内部に設けた送受信アンテナの干渉防止のための変復調回路であり、変復調回路39は、子衛星2ごとに付した識別記号により基準信号源4が生成する基準信号を変調しリファレンス信号として時間分割で送信する。40は子衛星2内部に設けた変復調回路であり、変復調回路40は,受信したリファレンス信号を復調して得られる識別記号が保持している識別符号と一致する場合にリファレンス信号を折り返してリターン信号送信アンテナ16から送信する。なお、図4において、図1と同一の符号を付した回路及び部品は、図1におけるそれらの回路及び部品と同一又は相当する回路及び部品である。
親衛星1は複数の子衛星2に対して,各子衛星2固有の識別記号により変調を行ったリファレンス信号を送信する。例えば、親衛星1は1の子衛星2に対して基準を合わせるためにΔt1=T/nの時間だけ、当該1の子衛星2に向けてリファレンス信号を送信する。このとき、衛星の位置、指向性の精度等により、例えば当該1の子衛星2および他の子衛星2が親衛星1からの基準信号を受信したとする。当該1の子衛星2は受信したリファレンス信号を折り返してリターン信号として送信し、親衛星1はリターン信号を受信して位相補正を行い、子衛星2に向けて補正した基準信号を送信する。同時に、他の子衛星2が衛星内部で復調を行い、保存している識別記号と異なるものであると判断し,親衛星1への送信を中断する。この判定期間は数百マイクロ秒から数ミリ秒以内であると推算されるものであり、Δt1(数十〜数百ミリ秒)よりも十分短い。したがって、リファレンス信号に基づく基準信号の位相補正をΔt1の間で十分に実行することが可能である。以上のように、親衛星1はリターン信号を返信させる対象の子衛星を指定することができ、この指定は時間分割で複数の子衛星を順々に指定するものとすることができ、各子衛星2は保持している識別記号によってリファレンス信号を判別し、親衛星2の指定どおり、リターン信号を送信することができる。
この発明の実施の形態1に係る衛星間基準信号同期システムを含む太陽光宇宙発電システムの構成図である。 親衛星の2つの移相器の移相特性を示す特性図である。 子衛星の基準信号維持回路の構成の一例を示す機能ブロック図である。 この発明の実施の形態2に係る衛星間基準信号同期システムを含む太陽光宇宙発電システムの構成図である。
符号の説明
1 親衛星
2 子衛星
3 地上受電装置
4 基準信号源
5 リファレンス信号送信アンテナ
6 リターン信号受信アンテナ
8 基準信号送信アンテナ
9 第1の移相器
10 第2の移相器
11 位相比較器
12 低域通過フィルタ
14 リファレンス信号受信アンテナ
16 リターン信号送信アンテナ
17 基準信号受信アンテナ
19 PLL周波数シンセサイザ
20 パイロット信号受信アンテナ
21 ミキサ
22 低域通過フィルタ
23 高出力増幅器
25 送信アンテナ

Claims (7)

  1. 親衛星で生成する基準信号に子衛星での基準信号を同期させる衛星間基準信号同期システムにおいて、上記親衛星は、基準信号を生成する基準信号源と、この基準信号源により生成した基準信号に基づくリファレンス信号を上記子衛星へ送信するリファレンス信号送信アンテナと、このリファレンス信号を上記子衛星により折り返して送信されるリターン信号を受信するリターン信号受信アンテナと、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第1の移相器と、上記リターン信号受信アンテナにより受信したリターン信号の位相と、上記第1の移相器が出力する信号の位相とを比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、この位相比較器が出力する位相差信号の高周波成分を除去し、上記移相器へ出力する低域通過フィルタと、上記第1の移相器の逆特性を有し上記低域通過フィルタが出力する位相差信号の半値により移相量が設定され、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第2の移相器と、この第2の移相器が出力する信号を送信する基準信号送信アンテナとを具備し、上記子衛星は、上記親衛星から送信された上記リファレンス信号を受信するリファレンス信号受信アンテナと、このリファレンス信号受信アンテナにより受信した受信信号を折り返してリターン信号を送信するリターン信号送信アンテナと、上記親衛星において上記リターン信号に基づいて位相補正された基準信号を受信する基準信号受信アンテナとを具備したことを衛星間基準信号同期システム。
  2. 基準信号を生成する基準信号源と、この基準信号源により生成した基準信号に基づくリファレンス信号を上記子衛星へ送信するリファレンス信号送信アンテナと、このリファレンス信号を上記子衛星により折り返して送信されるリターン信号を受信するリターン信号受信アンテナと、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第1の移相器と、上記リターン信号受信アンテナにより受信したリターン信号の位相と、上記第1の移相器が出力する信号の位相とを比較し、位相差信号を出力する位相比較器と、この位相比較器が出力する位相差信号の高周波成分を除去し、上記移相器へ出力する低域通過フィルタと、上記第1の移相器の逆特性を有し上記低域通過フィルタが出力する位相差信号の半値により移相量が設定され、上記基準信号源が生成する基準信号を移相する第2の移相器と、この第2の移相器が出力する信号を送信する基準信号送信アンテナとを備えたことを特徴とする親衛星。
  3. 親衛星から送信される基準信号に基づくリファレンス信号を受信するリファレンス信号受信アンテナと、このリファレンス信号受信アンテナにより受信した受信信号を折り返してリターン信号を送信するリターン信号送信アンテナと、上記親衛星において上記リターン信号に基づいて位相補正された上記基準信号を受信する基準信号受信アンテナとを備えたことを特徴とする子衛星。
  4. 請求項3に記載の子衛星において、さらに、上記基準信号受信アンテナにより受信した上記基準信号に同期し、上記基準信号周波数を逓倍した周波数のローカル信号を生成するPLL周波数シンセサイザと、地上の受電装置から送信されるパイロット信号を受信するパイロット信号受信アンテナと、上記PLL周波数シンセサイザが生成した上記ローカル信号と上記パイロット信号受信アンテナに受信したパイロット信号を混合するミキサと、このミキサが出力する信号の高周波成分を除去する低域通過フィルタと、この低域通過フィルタが出力する信号を増幅する増幅器と、この増幅器により増幅した信号を送信する送信アンテナとを具備したことを特徴とする子衛星。
  5. 上記親衛星は、上記基準信号源により生成した基準信号を上記子衛星の識別記号により変調して上記リファレンス信号を生成する第1の変復調回路を具備し、上記子衛星は受信した上記リファレンス信号から識別記号を復調し、保持している識別記号と比較して一致する場合に、上記リターン信号を送信する第2の変復調回路を具備したことを特徴とする請求項1に記載の衛星間基準信号同期システム。
  6. 請求項2に記載の親衛星において、さらに、上記基準信号源により生成した基準信号を上記子衛星の識別記号により変調して上記リファレンス信号を生成する第1の変復調回路を具備したことを特徴とする親衛星。
  7. 請求項3又は請求項4に記載の子衛星において、さらに、受信した上記リファレンス信号から識別記号を復調し、保持している識別記号と比較して一致する場合に、上記リターン信号を送信する第2の変復調回路を具備したことを特徴とする子衛星。
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