JP2009184395A - 空気入りタイヤ - Google Patents
空気入りタイヤ Download PDFInfo
- Publication number
- JP2009184395A JP2009184395A JP2008023454A JP2008023454A JP2009184395A JP 2009184395 A JP2009184395 A JP 2009184395A JP 2008023454 A JP2008023454 A JP 2008023454A JP 2008023454 A JP2008023454 A JP 2008023454A JP 2009184395 A JP2009184395 A JP 2009184395A
- Authority
- JP
- Japan
- Prior art keywords
- tire
- land portion
- rubber layer
- rubber
- land
- Prior art date
- Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
- Pending
Links
Images
Landscapes
- Tires In General (AREA)
Abstract
【課題】制動性能を維持しながら、タイヤ転動時の発熱を効率良く抑制することのできる空気入りタイヤを提供する。
【解決手段】トレッド14の表面にタイヤの周方向に沿って延びるように設けられた周方向溝15a〜15dにより区画された陸部16a〜16cのうち、当該陸部列も高速走行時に最も発熱する部位であるトレッド14の中央部に位置する中央側陸部16bの中央部に、タイヤの周方向に沿って延びる、当該中央側陸部16bを構成するゴムのtanδよりも低いtanδを有する低ロスゴムから成るスリット状の異種ゴム層17を配置するようにした。
【選択図】図1
【解決手段】トレッド14の表面にタイヤの周方向に沿って延びるように設けられた周方向溝15a〜15dにより区画された陸部16a〜16cのうち、当該陸部列も高速走行時に最も発熱する部位であるトレッド14の中央部に位置する中央側陸部16bの中央部に、タイヤの周方向に沿って延びる、当該中央側陸部16bを構成するゴムのtanδよりも低いtanδを有する低ロスゴムから成るスリット状の異種ゴム層17を配置するようにした。
【選択図】図1
Description
本発明は、空気入りタイヤに関するもので、特に、高速耐久性能と制動性能とに優れた空気入りタイヤに関する。
従来の空気入りタイヤでは、転がり抵抗を低減するため、トレッドゴムとして、例えば、損失係数が0.2以下の低ロスゴムが用いられている。タイヤ変形時のエネルギーロスが小さいので、転がり抵抗を小さくすることができる。また、低ロスゴムをトレッドゴムとして用いることにより、タイヤ転動時のゴムの発熱を抑制することができるので、高速耐久性能についても向上させることができる (例えば、特許文献1参照)。
特開2007−253816号公報
しかしながら、上記低ロスゴムをトレッドゴムとして使用した場合には、路面とタイヤとの間の摩擦係数が低下することから、主に、ドライ路面での制動性能(以下、Dryブレーキ性能という)に問題があった。
一方、トレッドゴムとして高ロスゴムを使用した場合には、路面とタイヤとの間の摩擦係数が高いため、Dryブレーキ性能には優れているものの、低ロスゴムに比較してゴムの発熱が大きいため、高速耐久性能の低下が見込まれる。特に、高速での走行が多い高性能タイヤにおいては、ブロック中央部からの発熱の増加により、高速耐久性能が低下してしまうといった問題点があった。
一方、トレッドゴムとして高ロスゴムを使用した場合には、路面とタイヤとの間の摩擦係数が高いため、Dryブレーキ性能には優れているものの、低ロスゴムに比較してゴムの発熱が大きいため、高速耐久性能の低下が見込まれる。特に、高速での走行が多い高性能タイヤにおいては、ブロック中央部からの発熱の増加により、高速耐久性能が低下してしまうといった問題点があった。
本発明は、従来の問題点に鑑みてなされたもので、制動性能を維持しながら、タイヤ転動時の発熱を効率良く抑制することのできる空気入りタイヤを提供することを目的とする。
本願の請求項1に記載の発明は、タイヤのトレッド表面にタイヤの周方向に沿って延びるように設けられた複数本の周方向溝と、上記周方向溝により区画された陸部とを備えた空気入りタイヤであって、上記陸部のタイヤ幅方向の中央部には、当該陸部の表面から当該陸部のタイヤ径方向内側に延長する異種ゴム層が設けられており、この異種ゴム層のゴムの損失正接(以下、tanδという)は、当該陸部を構成するゴムのtanδよりも小さいことを特徴とするものである。
また、請求項2に記載の発明は、タイヤのトレッド表面にタイヤの周方向に沿って延びるように設けられた複数本の周方向溝とタイヤのトレッド表面にタイヤの幅方向に沿って延びるように設けられた複数本の横溝と、上記周方向溝と上記横溝により区画された複数の陸部がタイヤの周方向に沿って配列された陸部列とを備えた空気入りタイヤであって、上記陸部のタイヤ幅方向の中央部には、当該陸部の表面から当該陸部のタイヤ径方向内側に延長する異種ゴム層が設けられており、上記異種ゴム層のゴムのtanδは、当該陸部を構成するゴムのtanδよりも小さいことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、上記異種ゴム層がタイヤ周方向に沿って延長するように設けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りタイヤにおいて、上記異種ゴム層がトレッド表面からトレッド底面まで延在していることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りタイヤであって、上記異種ゴム層が、上記陸部もしくは上記陸部列のうちの、最も体積の大きい陸部もしくは最も体積の大きい陸部列に配置されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りタイヤであって、上記異種ゴム層が、上記陸部もしくは上記陸部列のうちの、タイヤ幅方向の中央部に位置する陸部もしくはタイヤ幅方向の中央部に位置する陸部列に設けられていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気入りタイヤにおいて、上記異種ゴム層は、タイヤ赤道面に垂直な面で切った断面での幅が、トレッド表面からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっていることを特徴とする。
また、請求項2に記載の発明は、タイヤのトレッド表面にタイヤの周方向に沿って延びるように設けられた複数本の周方向溝とタイヤのトレッド表面にタイヤの幅方向に沿って延びるように設けられた複数本の横溝と、上記周方向溝と上記横溝により区画された複数の陸部がタイヤの周方向に沿って配列された陸部列とを備えた空気入りタイヤであって、上記陸部のタイヤ幅方向の中央部には、当該陸部の表面から当該陸部のタイヤ径方向内側に延長する異種ゴム層が設けられており、上記異種ゴム層のゴムのtanδは、当該陸部を構成するゴムのtanδよりも小さいことを特徴とするものである。
請求項3に記載の発明は、請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤにおいて、上記異種ゴム層がタイヤ周方向に沿って延長するように設けられていることを特徴とするものである。
請求項4に記載の発明は、請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りタイヤにおいて、上記異種ゴム層がトレッド表面からトレッド底面まで延在していることを特徴とするものである。
請求項5に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りタイヤであって、上記異種ゴム層が、上記陸部もしくは上記陸部列のうちの、最も体積の大きい陸部もしくは最も体積の大きい陸部列に配置されていることを特徴とするものである。
請求項6に記載の発明は、請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りタイヤであって、上記異種ゴム層が、上記陸部もしくは上記陸部列のうちの、タイヤ幅方向の中央部に位置する陸部もしくはタイヤ幅方向の中央部に位置する陸部列に設けられていることを特徴とするものである。
請求項7に記載の発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気入りタイヤにおいて、上記異種ゴム層は、タイヤ赤道面に垂直な面で切った断面での幅が、トレッド表面からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっていることを特徴とする。
本発明によれば、タイヤトレッドに形成された陸部もしくは陸部列に、当該陸部もしくは当該陸部列の陸部を構成するゴムのtanδよりも小さいtanδを有するゴムから成る異種ゴム層を設けて、上記陸部もしくは上記陸部列の陸部発熱を効率良く抑制することができるようにしたので、ブレーキ性能を確保しながら高速耐久性能を向上させることができる。
このとき、上記異種ゴム層をタイヤ周方向に沿って延長するように設けるようにすれば、上記陸部もしくは上記陸部列の陸部発熱を均一に抑制することができる。
また、上記異種ゴム層をトレッド表面からトレッド底面まで延在させるようにすれば、ベルト層に近い部分の発熱を効果的に抑制することができるので、ブレーキ性能をさらに向上させることができる。
また、上記異種ゴム層を、最も体積の大きい陸部列もしくはブロックに少なくとも1列配置すれば、上記陸部列もしくは上記ブロック内の発熱を更に効率良く抑制できる。
また、上記スリット状の異種ゴム層を、高速走行時に最も発熱する部位である、陸部列の中央部に設けるようにすれば、上記陸部列もしくは上記ブロック内の発熱を更に効率良く抑制できる。
また、上記異種ゴム層を、タイヤ赤道面方向に垂直な面で切った断面での幅が、トレッド表面からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっているように形成しておけば、新品/摩耗時ともに低ロスゴムの接地面積を抑えることができ、高レベルでブレーキ性能と高速耐久性能の両立を図ることができる。
このとき、上記異種ゴム層をタイヤ周方向に沿って延長するように設けるようにすれば、上記陸部もしくは上記陸部列の陸部発熱を均一に抑制することができる。
また、上記異種ゴム層をトレッド表面からトレッド底面まで延在させるようにすれば、ベルト層に近い部分の発熱を効果的に抑制することができるので、ブレーキ性能をさらに向上させることができる。
また、上記異種ゴム層を、最も体積の大きい陸部列もしくはブロックに少なくとも1列配置すれば、上記陸部列もしくは上記ブロック内の発熱を更に効率良く抑制できる。
また、上記スリット状の異種ゴム層を、高速走行時に最も発熱する部位である、陸部列の中央部に設けるようにすれば、上記陸部列もしくは上記ブロック内の発熱を更に効率良く抑制できる。
また、上記異種ゴム層を、タイヤ赤道面方向に垂直な面で切った断面での幅が、トレッド表面からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっているように形成しておけば、新品/摩耗時ともに低ロスゴムの接地面積を抑えることができ、高レベルでブレーキ性能と高速耐久性能の両立を図ることができる。
以下、本発明の最良の形態について、図面に基づき説明する。
なお、本例では、リブ状のトレッドパターンを有する空気入りタイヤについて説明する。
図1は本発明の最良の形態に係る空気入りタイヤ10の径方向断面図で、図2はトレッドパターンの展開図である。この空気入りタイヤ10は、ビード部11に配置された1対のビードコア11Cにトロイド状をなして跨るボディプライ12と、このボディプライ12のタイヤ径方向外側に配置された複数のベルトプライから成るベルト層13と、このベルト層13のタイヤ径方向外側に配置されたゴム部材(トレッドゴム)から成るトレッド14とを備えている。なお、同図の一点鎖線で示すCLは車輪中心線である。
上記トレッド14には、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝15a〜15dが形成されている。16a〜16cは上記周方向溝15a〜15dにより区画された、タイヤの周方向に沿って延びる陸部で、以下、トレッド14の中央側に形成された2本の周方向溝15b,15cにより区画された陸部16bを中央側陸部、トレッド14の一端側に形成された周方向溝15aと上記周方向溝15bとにより区画された陸部16aと、トレッド14の他端側に形成された周方向溝15dと上記周方向溝15cとにより区画された陸部16cとをそれぞれサイド側陸部という。上記中央側陸部16bの幅は、サイド側陸部16a,16cの幅よりも広い。
なお、本例では、リブ状のトレッドパターンを有する空気入りタイヤについて説明する。
図1は本発明の最良の形態に係る空気入りタイヤ10の径方向断面図で、図2はトレッドパターンの展開図である。この空気入りタイヤ10は、ビード部11に配置された1対のビードコア11Cにトロイド状をなして跨るボディプライ12と、このボディプライ12のタイヤ径方向外側に配置された複数のベルトプライから成るベルト層13と、このベルト層13のタイヤ径方向外側に配置されたゴム部材(トレッドゴム)から成るトレッド14とを備えている。なお、同図の一点鎖線で示すCLは車輪中心線である。
上記トレッド14には、タイヤ周方向に沿って延びる複数本の周方向溝15a〜15dが形成されている。16a〜16cは上記周方向溝15a〜15dにより区画された、タイヤの周方向に沿って延びる陸部で、以下、トレッド14の中央側に形成された2本の周方向溝15b,15cにより区画された陸部16bを中央側陸部、トレッド14の一端側に形成された周方向溝15aと上記周方向溝15bとにより区画された陸部16aと、トレッド14の他端側に形成された周方向溝15dと上記周方向溝15cとにより区画された陸部16cとをそれぞれサイド側陸部という。上記中央側陸部16bの幅は、サイド側陸部16a,16cの幅よりも広い。
本例では、上記陸部16a〜16cのうち、最も幅の広い、すなわち、最も体積の大きな陸部である中央側陸部16bのタイヤ幅方向の中央部に、タイヤの周方向に沿って延びる、スリット状の異種ゴム層17が設けられている。この異種ゴム層17は、上記中央側陸部16bを構成するゴム、すなわち、トレッド14を構成するゴムのtanδよりも小さなtanδを有するゴムから構成されている。以下、異種ゴム層17を構成するゴムを低ロスゴム、トレッド14を構成するゴムを高ロスゴムと呼ぶ。なお、高ロスゴムのtanδと低ロスゴムのtanδは、通常、トレッドパターン、異種ゴム層17の幅、異種ゴム層17を何列配置するかなどにより適宜決定される。ここでは、高ロスゴムのtanδを0.35とし、低ロスゴムのtanδを0.2とした。
図2に示すように、上記異種ゴム層17のタイヤ幅方向の長さである幅wは、中央側陸部16bの幅Wの約30%である。また、上記異種ゴム層17の厚さhとしては、当該中央側陸部16bの厚み(周方向溝15b,15cの底部からの高さ)Hよりも大きいことが好ましい。本例では、上記異種ゴム層17をトレッド14の表面からトレッド14の底面、すなわち、ベルト層13まで延在させている。
図2に示すように、上記異種ゴム層17のタイヤ幅方向の長さである幅wは、中央側陸部16bの幅Wの約30%である。また、上記異種ゴム層17の厚さhとしては、当該中央側陸部16bの厚み(周方向溝15b,15cの底部からの高さ)Hよりも大きいことが好ましい。本例では、上記異種ゴム層17をトレッド14の表面からトレッド14の底面、すなわち、ベルト層13まで延在させている。
上記中央側陸部16bは、直進時におけるタイヤ接地面の中心に位置するので、高速走行時に最も発熱する部位である。このような中央側陸部16bの中央部に、当該中央側陸部16bを構成するゴムのtanδよりも低いtanδを有する低ロスゴムから成る異種ゴム層17を配置すれば、上記中央側陸部16b内の発熱を最も効率良く抑制することができる。したがって、空気入りタイヤ10の高速耐久性能を向上させることができる。
また、上記中央側陸部16bの上記異種ゴム層17の外側のゴムは高ロスゴムであり、路面とタイヤとの間の摩擦係数が高いので、優れたDryブレーキ性能を保持することができる。
上記異種ゴム層17の幅wとしては、中央側陸部16bの幅Wの10%〜70%の範囲とすることが好ましい。すなわち、上記幅wが上記幅Wの10%に満たないと十分な発熱抑制効果が得られない。逆に、上記幅wが上記幅Wの70%を超えると、発熱抑制効果は更に向上するが、当該中央側陸部16bのトータルでの摩擦係数が低くなってしまい、Dryブレーキ性能を損ねる恐れがある。
また、上記中央側陸部16bの上記異種ゴム層17の外側のゴムは高ロスゴムであり、路面とタイヤとの間の摩擦係数が高いので、優れたDryブレーキ性能を保持することができる。
上記異種ゴム層17の幅wとしては、中央側陸部16bの幅Wの10%〜70%の範囲とすることが好ましい。すなわち、上記幅wが上記幅Wの10%に満たないと十分な発熱抑制効果が得られない。逆に、上記幅wが上記幅Wの70%を超えると、発熱抑制効果は更に向上するが、当該中央側陸部16bのトータルでの摩擦係数が低くなってしまい、Dryブレーキ性能を損ねる恐れがある。
なお、上記最良の形態では、中央側陸部16bのみに異種ゴム層17を設けたが、サイド側陸部16aもしくはサイド側陸部16cに異種ゴム層17を設けるようにしてもよい。
また、中央側陸部16bだけでなく、サイド側陸部16a,16cに異種ゴム層17を設けるようにしてもよい。なお、この場合には、異種ゴム層17の幅wを上記例と同じにすると異種ゴム層17の体積が増加してしまいDryブレーキ性能を損ねる恐れがあるので、異種ゴム層17の幅wを適宜変更する必要がある。
また、異種ゴム層17はタイヤの周方向に連続して設ける必要はなく、所定間隔をおいて複数個所設けてもよい。
また、上記例では、異種ゴム層17の幅wを厚さ方向で同じにしたが、図3に示すように、上記幅wを、中央側陸部16bの表面側ではw1とし、周方向溝15b,15cの底部側では、上記w1よりも広いw2として、その幅wがタイヤ表面側からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっているように形成するようにしてもよい。これにより、発熱の大きなベルト層に近い部分に低ロスゴムが多く配置されることになるので、効果的に抑制することができ、ブレーキ性能をさらに向上させることができる。
また、中央側陸部16bだけでなく、サイド側陸部16a,16cに異種ゴム層17を設けるようにしてもよい。なお、この場合には、異種ゴム層17の幅wを上記例と同じにすると異種ゴム層17の体積が増加してしまいDryブレーキ性能を損ねる恐れがあるので、異種ゴム層17の幅wを適宜変更する必要がある。
また、異種ゴム層17はタイヤの周方向に連続して設ける必要はなく、所定間隔をおいて複数個所設けてもよい。
また、上記例では、異種ゴム層17の幅wを厚さ方向で同じにしたが、図3に示すように、上記幅wを、中央側陸部16bの表面側ではw1とし、周方向溝15b,15cの底部側では、上記w1よりも広いw2として、その幅wがタイヤ表面側からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっているように形成するようにしてもよい。これにより、発熱の大きなベルト層に近い部分に低ロスゴムが多く配置されることになるので、効果的に抑制することができ、ブレーキ性能をさらに向上させることができる。
また、上記例では、リブ状の陸部が設けられたトレッドパターンを有する空気入りタイヤ10について説明したが、本発明は、他のトレッドパターンを有する空気入りタイヤにも適用可能である。図4は、本発明を、ブロックパターンを有する空気入りタイヤ10Bに適用したときの一例を示す図で、同図において、15a〜15dはタイヤ周方向に沿って延びる周方向溝、18はタイヤの幅方向に沿って延びる横溝、19a〜19dは上記周方向溝15a〜15dと横溝とにより区画された陸部(以下、ブロックという)で、17Bは異種ゴム層である。上記中央部のブロック19a〜19c、及びショルダーブロック19dは、タイヤ周方向に沿ってほぼ等間隔で配置されて陸部列(ブロック列)を構成している。
上記異種ゴム層17Bは中央部の各ブロック19a〜19cの中央部のそれぞれに、タイヤの周方向に沿って延長するように設けられる。これにより、路面とタイヤとの間の摩擦係数を低下させることなく、タイヤ転動時における上記ブロックの発熱を抑制することができる。なお、上記ブロック19a〜19cは、上記最良の形態に示した陸部16a〜16cよりもタイヤ転動時における変形が大きいので、異種ゴム層17Bの総体積を上記最良の形態に示した異種ゴム層17の総体積よりも大きくすることが好ましい。これにより、ブロックパターンを有する空気入りタイヤ10Bにおいても、Dryブレーキ性能を確保しつつ高速耐久性能を向上させることができる。
上記異種ゴム層17Bは中央部の各ブロック19a〜19cの中央部のそれぞれに、タイヤの周方向に沿って延長するように設けられる。これにより、路面とタイヤとの間の摩擦係数を低下させることなく、タイヤ転動時における上記ブロックの発熱を抑制することができる。なお、上記ブロック19a〜19cは、上記最良の形態に示した陸部16a〜16cよりもタイヤ転動時における変形が大きいので、異種ゴム層17Bの総体積を上記最良の形態に示した異種ゴム層17の総体積よりも大きくすることが好ましい。これにより、ブロックパターンを有する空気入りタイヤ10Bにおいても、Dryブレーキ性能を確保しつつ高速耐久性能を向上させることができる。
トレッドの陸部列の中央部に低ロスゴムから成るスリット状の異種ゴム層を備えた本発明によるタイヤ(実施例1,2)と、トレッドの陸部列に異種ゴム層を有しない従来のタイヤ(従来例)とを準備し、上記各タイヤについて、高速耐久性能とDryブレーキ性能の評価試験を行った結果を以下の表1に示す。
実施例1は、図2に示した異種ゴム層の断面形状がトレッド深さ方向に一様なもの。
実施例2は、図3に示した異種ゴム層の断面形状がトレッド深さ方向に行くに従って広くなっているもの。
なお、従来例のタイヤとしては、Dryブレーキ性能に優れた、トレッド全体が高ロスゴムから成るタイヤを用いた。
タイヤは乗用車用のタイヤで、タイヤサイズは235/40R18である。
高速耐久性能は、ホイールに組込んだタイヤを、直径3mのスチール製のドラムに押付けて、時速300kmで回転させ、タイヤが故障するまでの時間を測定した。なお、上記タイヤの内圧は240kPaである。
また、Dryブレーキ性能は、ドライアスファルト路で、時速100kmで車両を直進走行させた状態でブレーキをかけ、停止するまでの走行距離(制動距離)を測定した。なお、測定結果は、従来例を100とした指数で表した。指数が大きい方が制動距離が短かく、Dryブレーキ性能が高い。
表1から明らかなように、トレッドの陸部列の中央部に低ロスゴムから成るスリット状の異種ゴム層を備えた本発明によるタイヤでは、従来のトレッド全体が高ロスゴムから成るタイヤよりも高速耐久性能が格段向上しており、しかも、Dryブレーキ性能は、従来のトレッド全体が高ロスゴムから成るタイヤとほぼ同等であることがわかった。これにより、異種ゴム層を設けることで、Dryブレーキ性能を確保しつつ、高速耐久性能を向上させることができることが確認された。特に、低ロスゴムから成る異種ゴム層の断面形状がトレッド深さ方向に行くに従って広くなっている本発明2のタイヤは、従来例とDryブレーキ性能がほとんど同じであり、低ロスゴムをベルトに近い部分に多く配置するようにすれば、Dryブレーキ性能を維持しつつ高速耐久性能を向上させることができることが確認された。
実施例1は、図2に示した異種ゴム層の断面形状がトレッド深さ方向に一様なもの。
実施例2は、図3に示した異種ゴム層の断面形状がトレッド深さ方向に行くに従って広くなっているもの。
なお、従来例のタイヤとしては、Dryブレーキ性能に優れた、トレッド全体が高ロスゴムから成るタイヤを用いた。
タイヤは乗用車用のタイヤで、タイヤサイズは235/40R18である。
高速耐久性能は、ホイールに組込んだタイヤを、直径3mのスチール製のドラムに押付けて、時速300kmで回転させ、タイヤが故障するまでの時間を測定した。なお、上記タイヤの内圧は240kPaである。
また、Dryブレーキ性能は、ドライアスファルト路で、時速100kmで車両を直進走行させた状態でブレーキをかけ、停止するまでの走行距離(制動距離)を測定した。なお、測定結果は、従来例を100とした指数で表した。指数が大きい方が制動距離が短かく、Dryブレーキ性能が高い。
このように、本発明によれば、路面とタイヤとの間の摩擦係数を低下させることなく、トレッドの発熱を抑制することができるので、ブレーキ性能と高速耐久性能とに優れた空気入りタイヤを提供することができる。
10 空気入りタイヤ、11 ビード部、11C ビードコア、12 ボディプライ、13 ベルト層、14 トレッド、15a〜15d 周方向溝、
16a,16c サイド側陸部、16b 中央側陸部、17 異種ゴム層。
16a,16c サイド側陸部、16b 中央側陸部、17 異種ゴム層。
Claims (7)
- タイヤのトレッド表面にタイヤの周方向に沿って延びるように設けられた複数本の周方向溝と、上記周方向溝により区画された陸部とを備えた空気入りタイヤであって、上記陸部のタイヤ幅方向の中央部には、当該陸部の表面から当該陸部のタイヤ径方向内側に延長する異種ゴム層が設けられており、この異種ゴム層のゴムの損失正接は、当該陸部を構成するゴムの損失正接よりも小さいことを特徴とする空気入りタイヤ。
- タイヤのトレッド表面にタイヤの周方向に沿って延びるように設けられた複数本の周方向溝とタイヤのトレッド表面にタイヤの幅方向に沿って延びるように設けられた複数本の横溝と、上記周方向溝と上記横溝により区画された複数の陸部がタイヤの周方向に沿って配列された陸部列とを備えた空気入りタイヤであって、上記陸部のタイヤ幅方向の中央部には、当該陸部の表面から当該陸部のタイヤ径方向内側に延長する異種ゴム層が設けられており、上記異種ゴム層のゴムの損失正接は、当該陸部を構成するゴムの損失正接よりも小さいことを特徴とする空気入りタイヤ。
- 上記異種ゴム層はタイヤ周方向に沿って延長するように設けられていることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の空気入りタイヤ。
- 上記異種ゴム層はトレッド表面からトレッド底面まで延在していることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 上記異種ゴム層は、上記陸部もしくは上記陸部列のうちの、最も体積の大きい陸部もしくは最も体積の大きい陸部列に配置されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 上記異種ゴム層は、上記陸部もしくは上記陸部列のうちの、タイヤ幅方向の中央部に位置する陸部もしくはタイヤ幅方向の中央部に位置する陸部列に設けられていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
- 上記異種ゴム層は、タイヤ赤道面に垂直な面で切った断面での幅が、トレッド表面からタイヤ径方向内側に向かって徐々に広くなっていることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の空気入りタイヤ。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008023454A JP2009184395A (ja) | 2008-02-04 | 2008-02-04 | 空気入りタイヤ |
Applications Claiming Priority (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2008023454A JP2009184395A (ja) | 2008-02-04 | 2008-02-04 | 空気入りタイヤ |
Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
---|---|
JP2009184395A true JP2009184395A (ja) | 2009-08-20 |
Family
ID=41068127
Family Applications (1)
Application Number | Title | Priority Date | Filing Date |
---|---|---|---|
JP2008023454A Pending JP2009184395A (ja) | 2008-02-04 | 2008-02-04 | 空気入りタイヤ |
Country Status (1)
Country | Link |
---|---|
JP (1) | JP2009184395A (ja) |
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014525369A (ja) * | 2011-08-31 | 2014-09-29 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | スノー/ドライトラクションが改善されたタイヤトレッド |
-
2008
- 2008-02-04 JP JP2008023454A patent/JP2009184395A/ja active Pending
Cited By (1)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2014525369A (ja) * | 2011-08-31 | 2014-09-29 | コンパニー ゼネラール デ エタブリッスマン ミシュラン | スノー/ドライトラクションが改善されたタイヤトレッド |
Similar Documents
Publication | Publication Date | Title |
---|---|---|
JP5957405B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5238050B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6186147B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5846227B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5073568B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6164209B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
WO2011099515A1 (ja) | タイヤ | |
JP2009298315A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6300691B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6599218B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009143450A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP6088336B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2006273240A (ja) | 自動二輪車用空気入りタイヤ | |
JP2010116112A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5462762B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2020142586A (ja) | タイヤ | |
JP6646407B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP5841558B2 (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2009161001A (ja) | 空気入りラジアルタイヤ | |
JP2007076594A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP4894831B2 (ja) | レーシングカート用空気入りタイヤ | |
JP2007069665A (ja) | 空気入りタイヤ | |
JP2016159694A (ja) | 空気入りタイヤ | |
WO2017022206A1 (ja) | 自動二輪車用空気入りタイヤ | |
JP6411007B2 (ja) | 空気入りタイヤ |