JP2009183837A - 液状体配置方法、カラーフィルタの製造方法及び有機el装置の製造方法 - Google Patents

液状体配置方法、カラーフィルタの製造方法及び有機el装置の製造方法 Download PDF

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貞治 小森
Goji Ito
剛司 伊藤
Satoru Kataue
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Abstract

【課題】基板の端部の領域とそれ以外の領域との間で、ノズル使用率が異なる場合であっても、基板上における液状体の配置量のバラツキを低減することが可能な液状体配置方法を提供する。
【解決手段】複数のノズルを有する吐出ヘッドと基板とを相対的に走査させながら前記複数のノズルから液状体を吐出することにより、前記基板上に設定された複数の所定領域に対して前記液状体をそれぞれ配置する液状体配置方法であって、前記基板の端部の前記所定領域に前記液状体を配置する際の前記吐出ヘッドにおけるノズル使用率が、前記基板の端部以外の前記所定領域に前記液状体を配置する際のノズル使用率よりも低くなる場合に、前記端部の前記所定領域への前記液状体の配置量を、前記端部以外の前記所定領域への前記液状体の配置量より多くする液状体配置方法を採用する。
【選択図】なし

Description

本発明は、液状体配置方法、カラーフィルタの製造方法及び有機EL装置の製造方法に関するものである。
近年、液滴吐出法を用いた成膜技術が注目されている。例えば、特許文献1には、液滴吐出法を用いた液晶表示装置のカラーフィルタの製造方法が開示されている。この製造方法では、基板に対して走査する複数のノズルから色材を含む液状体(液滴)を吐出させて液状体を配置(描画)し、さらに配置された液状体を乾燥等により固化させて画素に対応した着色膜を形成するようにしている。
特開2003−159787号公報
しかしながら、前記したカラーフィルタの製造方法には以下の改善すべき課題がある。図19〜図21は、かかる課題についての説明図である。
図19には、カラーフィルタの製造に用いられる液状体の吐出装置(液滴吐出装置)に備えられた吐出ヘッド11と、吐出ヘッド11により液状体が配置される大型基板Pとが示されている。吐出ヘッド11には、一方向に配列された図示しない複数のノズルが形成されており、上位装置から入力される吐出制御データに従って各ノズルから液状体を吐出するように構成されている。
図19に示すように、大型の基板P上を吐出ヘッド11で複数回走査して液状体を配置する場合において、基板Pの端部の領域P27に液状体を配置する場合には、図示のように吐出ヘッド11の左側1/3程度の部分のみを使用して液状体の配置が行われる。一方、基板Pの端部以外の領域P21〜P26に液状体を配置する場合には、図示のように吐出ヘッド11のほぼ全部を使用して液状体の配置が行われる。
このように、液滴吐出装置により基板P上の所定位置に液状体を配置する場合、基板Pの端部の領域P27とそれ以外の領域P21〜P26とでは、吐出ヘッド11のノズル使用率(Duty)が異なることとなる。
ところで、吐出ヘッド11の吐出量(液状体の一滴あたりの液滴量)について詳細な調査を行ったところ、吐出ヘッド11のDutyと吐出量との間には明確な相関があり、Dutyが小さくなると、同一駆動信号を用いて吐出動作を行っても1ノズルあたりの吐出量が減少することが判明した。図20には、吐出ヘッド11におけるノズル1〜nのノズルデューティ毎の吐出量を示すグラフを示す。図20の横軸は、吐出ヘッド11に設けられた複数のノズル1〜nの位置を配列方向順に示す軸であり、縦軸は、各ノズルにおける吐出量を相対値で示している。図20に示すように、Dutyが高い場合よりも、Dutyが低い場合の方が、各ノズル1〜nにおける吐出量が2〜3%程度低下していることが明らかである。
図21は、Dutyが大きい(ノズル使用率が高い)ときと、Dutyが小さい(ノズル使用率が低い)ときの駆動信号の波形を示す説明図である。図21に破線の曲線で示す「Duty小」の波形は、ほぼ台形状であるが、実線の曲線で示す「Duty大」の波形では、駆動信号の最大電位が「Duty小」の波形より高くなっており(オーバーシュート)、最小電位は「Duty小」の波形より低くなっている(アンダーシュート)。
吐出ノズル11からの吐出量は、駆動信号の波形の積分値(面積)に依存するため、図21に示すような電位変動が生じると、その分だけ吐出量が多くなる。これが、ノズル使用率が高くなったときに液状体の吐出量が多くなってしまう原因であると考えられる。
このようにノズル使用率によって吐出量のバラツキが生じると、基板P上における液状体の配置量(吐出された液状体の全量(=吐出量×液滴数))のバラツキが生じてしまう。これにより、カラーフィルタの端部の領域P27における着色部の膜厚が、それ以外の領域P21〜26における着色部の膜厚よりも薄くなって、カラーフィルタに濃淡ムラが発生するおそれがあった。このような濃淡ムラは、カラーフィルタを介して表示される画像の画質を低下させてしまう。
本発明は上記事情に鑑みてなされたもので、基板の端部の領域とそれ以外の領域との間で、ノズル使用率が異なる場合であっても、基板上における液状体の配置量のバラツキを低減することが可能な液状体配置方法を提供することを目的とする。
また本発明は、ノズル使用率が異なる場合であっても、基板上における着色部の膜厚のバラツキを低減することが可能なカラーフィルタの製造方法を提供することを目的とする。
更に本発明は、ノズル使用率が異なる場合であっても、基板上における発光素子の膜厚のバラツキを低減することが可能な有機EL装置の製造方法を提供することを目的とする。
上記の目的を達成するために、本発明は以下の構成を採用した。
本発明の液状体配置方法は、複数のノズルを有する吐出ヘッドと基板とを相対的に走査させながら前記複数のノズルから液状体を吐出することにより、前記基板上に設定された複数の所定領域に対して前記液状体をそれぞれ配置する液状体配置方法であって、前記基板の端部の前記所定領域に前記液状体を配置する際の前記吐出ヘッドにおけるノズル使用率が、前記基板の端部以外の前記所定領域に前記液状体を配置する際のノズル使用率よりも低くなる場合に、前記端部の前記所定領域への前記液状体の配置量を、前記端部以外の前記所定領域への前記液状体の配置量より多くすることを特徴とする。
本発明において、「所定領域への前記液状体の配置量」とは、所定領域に吐出した液状体の全量をいう。例えば、所定領域に対して一滴あたりn(リットルまたはグラム)の液滴をm回吐出したときの液状体の全量は、m・n(リットルまたはグラム)となる。
本発明によれば、基板の端部における液状体の配置量と端部以外における液状体の配置量とを、ほぼ同量にすることができ、これにより基板全体の各所定領域における液状体の配置量の均等化が図られる。
また、本発明の液状体配置方法においては、前記基板の端部が、吐出ヘッドの副走査方向に沿う端部であることが好ましい。
本発明においては、吐出ヘッドの副走査方向に沿う端部において吐出ヘッドのノズル使用率が小さくなる場合に、その端部に位置する所定領域への液状体の配置量を、端部以外の所定領域への液状体の配置量より多くすることで、基板全体の各所定領域における液状体の配置量の均等化が図られる。
また、本発明の液状体配置方法においては、前記端部に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出数を、前記端部以外に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出数よりも相対的に多くすることで、前記所定領域への前気液状体の配置量を調整することが好ましい。
本発明において、「所定領域への前記液状体の吐出数」とは、所定領域に液滴を吐出する際の吐出回数をいう(上記の例ではm回)。
本発明では、端部の所定領域への吐出数を相対的に多くすることで、基板全体の各所定領域における液状体の配置量の均等化が図られる。
また、本発明の液状体配置方法においては、前記端部に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出量を、前記端部以外に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出量よりも相対的に多くすることで、前記所定領域への前気液状体の配置量を調整することが好ましい。
本発明において、「所定領域への前記液状体の吐出量」とは、所定領域に対して液滴を吐出する際の一滴あたりの体積または質量をいう(上記の例ではn(リットルまたはグラム))。
本発明では、端部の所定領域への吐出量を相対的に多くすることで、基板全体の各所定領域における液状体の配置量の均等化が図られる。
更にまた、本発明の液状体配置方法においては、前記所定領域が、バンクにより区画されていることが好ましい。
この発明によれば、バンクによって所定領域外への液状体のはみ出しを好適に防止できる。
次に、本発明のカラーフィルタの製造方法は、先のいずれかに記載の液状体配置方法を用いて、前記複数の所定領域のそれぞれに、色材を含む前記液状体を配置するステップと、配置された前記液状体を固化して、前記複数の所定領域をそれぞれ画素の対応領域とする着色部を形成するステップと、を有することを特徴とする。
この発明のカラーフィルタの製造方法によれば、上記の液状体配置方法を用いて着色部を形成するので、高品質なカラーフィルタを製造することができる。
また、本発明の有機EL表示装置の製造方法は、先のいずれかに記載の液状体配置方法を用いて、前記複数の所定領域のそれぞれに、有機EL材料を含む前記液状体を配置するステップと、配置された前記液状体を固化して前記複数の所定領域をそれぞれ画素の対応領域とする発光素子を形成するステップと、を有することを特徴とする。
この発明の有機EL表示装置の製造方法によれば、上記の液状体配置方法を用いて発光素子を形成するので、高品質な有機EL表示装置を製造することができる。
以下、本発明の好適な実施の形態を添付図面に基づいて詳細に説明する。
なお、以下に述べる実施の形態は、本発明の好適な具体例であるから、技術的に好ましい種々の限定が付されているが、本発明の範囲は、以下の説明において特に本発明を限定する旨の記載がない限り、これらの形態に限られるものではない。また、以下の説明で参照する図では、図示の便宜上、部材ないし部分の縦横の縮尺を実際のものとは異なるように表す場合がある。
(第1実施形態)
(カラーフィルタの構成)
まずは、図1および図2を参照して、本発明に係るカラーフィルタの構成について説明する。図1はカラーフィルタの構成を示す平面図である。図2は、カラーフィルタの構造を示す断面図である。
図1、図2に示すカラーフィルタ1はカラー用表示パネルに用いられるものであり、表示パネルにおけるR(赤)、G(緑)、B(青)の各色の画素に対応して形成された着色部2と、着色部2の間の領域に形成された遮光部3とを有している。尚、本実施形態の着色部2は、いわゆるストライプ型の画素構造に対応する配列ないし形状を有しているが、このような画素構造以外のもの、例えば、R,G,B以外の色要素を含むものやデルタ型構造のものに対応した構成とすることもできる。
カラーフィルタ1は、ガラスの透光性の基板4を備えており、基板4上にはクロム等の遮光性材料で遮光部3がパターン形成され、さらに遮光部3上には感光性樹脂等を用いてバンク5がパターン形成されている。着色部2は、バンク5で区画された区画領域6内に形成されており、また着色部2の形成面側には、表面を平滑化するためのオーバーコート層7が樹脂等で形成されている。尚、複数の区画領域6は、全て同じ形状、大きさで形成されている。
(液状体吐出装置の機械的構成)
次に、図3〜図5を参照して、本発明の液状体配置方法に用いる液状体吐出装置の機械的構成について説明する。
図3は、液状体吐出装置の要部構成を示す斜視図である。また、図4は、ヘッドユニットにおける吐出ヘッドの配置構成を示す平面図である。更に、図5は、吐出ヘッドの構成を示す模式図である。
図3に示す液状体吐出装置200は、直線的に設けられた1対のガイドレール201と、ガイドレール201の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(図示せず)により主走査方向に移動する主走査移動台203を備えている。また、ガイドレール201の上方においてガイドレール201に直交するように直線的に設けられた1対のガイドレール202と、ガイドレール202の内部に設けられたエアスライダとリニアモータ(図示せず)により副走査方向に沿って移動する副走査移動台204を備えている。
主走査移動台203上には、吐出対象物となる基板Pを載置するためのステージ205が設けられている。ステージ205は基板Pを吸着固定できる構成となっており、また、回転機構207によって基板P内の基準軸を主走査方向、副走査方向に正確に合わせることができるようになっている。
副走査移動台204は、回転機構208を介して吊り下げ式に取り付けられたキャリッジ209を備えている。また、キャリッジ209は、複数の吐出ヘッド11、12(以下、ヘッドという。図4参照。)を備えるヘッドユニット10と、ヘッド11、12に液状体を供給するための液状体供給機構(図示せず)と、ヘッド11、12の電気的な駆動制御を行うための制御回路基板211(図6参照)とを備えている。
図4に示すように、ヘッドユニット10は、R,G,Bに対応した液状体をノズル20から吐出するヘッド11、12を備えており、ヘッド11,12における複数のノズルNはノズル群21A,21Bを構成している。ノズル群21A,21Bは、それぞれ所定のピッチ(例えば180DPI)のライン配列をなしており、さらに合わせて千鳥配列をなす関係となっている。また、ノズル群21A,21Bの配列の方向は副走査方向に一致するようにされている。
図5にはヘッド11、12の概略構成図を示している。図5(a)はヘッド11、12の部分斜視図であり、図5(b)はヘッド11、12の1ノズル部分の部分断面図である。
図5(b)に示すように、ヘッド11、12は、液状体供給機構に連結される材料供給孔20aが設けられた振動板20と、各ノズルN(N、N、N…)が設けられたノズルプレート21と、振動板20とノズルプレート21との間に設けられた液溜まり22と、複数の隔壁23と、複数のキャビティ24とを備えている。振動板20上には、各ノズルN、N、N…に対応して圧電素子(駆動素子)PZ(PZ、PZ、PZ…)が配置されている。圧電素子PZ、PZ、PZ…は、例えばピエゾ素子である。
液溜まり22には、材料供給孔20aを介して供給される液状体が充填されるようになっている。液状体としては例えば、色材を含む液状のカラーフィルタ材料を例示できる。キャビティ24は、振動板20と、ノズルプレート21と、1対の隔壁23とによって囲まれるようにして形成されており、各ノズルN、N、N…に一対一に対応して設けられている。また、各キャビティ24には、一対の隔壁23の間に設けられた供給口24aを介して、液溜まり22から液状体が導入されるようになっている。
図5(b)に示すように、圧電素子PZは、圧電材料25を一対の電極26で挟持したものであり、一対の電極26に駆動信号を印加すると圧電材料25が収縮するよう構成されたものである。そして、このような圧電素子PZが配置されている振動板20は、圧電素子PZと一体になって同時に外側(キャビティ24の反対側)へ撓曲するようになっており、これによってキャビティ24の容積が増大するようになっている。従って、キャビティ24内に増大した容積分に相当する液状体が、液溜まり22から供給口24aを介して流入する。また、このような状態から圧電素子PZへの駆動信号の印加を停止すると、圧電素子PZと振動板20はともに元の形状に戻り、キャビティ24も元の容積に戻ることから、キャビティ24内の液状体の圧力が上昇し、ノズルNから基板Pに向けて液状体の液滴Lが吐出される。
このように、ヘッド11、12内におけるノズルN、N、N…に連通する液室(キャビティ)は、圧電素子PZ(PZ、PZ、PZ…)(図6参照)の駆動によって容量が可変するように構成されている。そして、圧電素子PZから電気信号(駆動信号)を供給してキャビティ内の液圧を制御することにより、ノズルN(N、N、N…)から液状体(液滴)を吐出させることが可能となっている。
かくして、主走査移動台203の移動によりノズル群21A,21Bを基板Pに対して主走査方向に走査させると共に、ノズルN毎の吐出のON/OFF制御(以下、吐出制御とする)を行うことにより、基板P上におけるノズルN、N、N…の走査軌跡に沿った位置に液状体を配置することができる。尚、ヘッド11とヘッド12とは互いに副走査方向に位置をずらして配置され、それぞれのノズル群21A,21Bが、互いに吐出可能範囲を補完して連続した定ピッチの走査軌跡を描くように構成されている。
尚、液状体吐出装置の構成は上述の態様に限定されるものではない。例えば、ノズル群21A,21Bの配列方向を副走査方向から傾けて、ノズルN、N、N…の走査軌跡のピッチがノズル群21A,21B内におけるノズルN、N、N…間のピッチに対して狭くなるように構成することもできる。また、ヘッドユニット10におけるヘッド11,12の数やその配置構成なども適宜変更することができる。また、ヘッド11,12の駆動方式として、例えば、キャビティに加熱素子を備えたいわゆるサーマル方式などを採用することもできる。
(吐出制御方法)
次に、図6、図7を参照して液状体吐出装置における吐出制御方法について説明する。
図6は、液状体吐出装置の電気的構成を示す図である。図7は、ドットパターンとノズルの位置との関係を示す図である。
図6において、液状体吐出装置200は、装置全体の統括制御を行う制御コンピュータ210と、ヘッド11,12の電気的な駆動制御を行うための制御回路基板211とを備えている。制御回路基板211は、フレキシブルケーブル212を介して各ヘッド11,12と電気的に接続されている。また、ヘッド11,12は、ノズルN(図5参照)毎に設けられた圧電素子PZに対応して、シフトレジスタ(SL)50、ラッチ回路(LAT)51、レベルシフタ(LS)52、スイッチ(SW)53を備えている。
液状体吐出装置200における吐出制御は次のように行われる。すなわち、まず制御コンピュータ210が基板P(図3参照)における液状体の配置パターンをデータ化したドットパターンデータ(詳しくは後述する)を制御回路基板211に伝送する。そして、制御回路基板211は、ドットパターンデータをデコードしてノズルN毎のON/OFF(吐出/非吐出)情報であるノズルデータを生成する。ノズルデータは、シリアル信号(SI)化されて、クロック信号(CK)に同期して各シフトレジスタ50に伝送される。
シフトレジスタ50に伝送されたノズルデータは、ラッチ信号(LAT)がラッチ回路51に入力されるタイミングでラッチされ、さらにレベルシフタ52でスイッチ53用のゲート信号に変換される。すなわち、ノズルデータが「ON」の場合にはスイッチ53が開いて圧電素子PZに駆動信号(COM)が供給され、ノズルデータが「OFF」の場合にはスイッチ53が閉じられて圧電素子PZに駆動信号(COM)は供給されないことになる。そして、「ON」に対応するノズルNからは液状体が液滴化されて吐出され、吐出された液状体が基板Pに配置される。
上述したように、液状体の吐出制御はドットパターン(データ)に基づいて行われる。このドットパターンは、図7に示すように、主走査方向、副走査方向の成分を有するマトリクスMTにおいて、液状体の吐出位置となる区画にドットDを配したものとして表すことができる。ドットDは、単に吐出の有無を示すだけでなく、階調性を有するものとすることも可能であり、例えば、ノズル使用率の変化に応じて液状体の吐出量を変化させることもできる。
ここで、マトリクスMTの主走査方向のピッチ:p1は、液状体の吐出制御周期(ラッチ周期)と走査速度によって決められるようになっている。また、マトリクスMTの副走査方向のピッチ:p2は、1走査におけるノズルNの走査軌跡のピッチ:p0の自然数分の1倍に設定することが可能である。本実施形態では、例えば、p2がp0の3分の1に設定されており、3回に分けられた各走査間で、ノズルNの副走査方向における位置を互いにずらすことで、マトリクスMTの全てのドットDをノズルNに対応させて液状体を吐出するようになっている。
尚、図中において互いに隣接するドットd1,d2,d3は、それぞれ第1走査、第2走査、第3走査に係るものである。これらは互いに同じノズルに対応させることも可能であるが、ノズル間における特性(例えば吐出量)のばらつきを空間的に分散させるため、走査間でヘッドを大きく副走査方向に移動させて、互いに異なるノズルNに対応させるようにすることが好ましい。複数の走査間におけるノズルN(ヘッド)の位置のずらし方には多様な方法があり、ノズル間やヘッド間の特性ばらつきの分散やサイクルタイムなどに鑑みて適切なものを採用することができる。また、本実施形態では採用していないが、複数の走査間でノズルNの副走査方向における位置を互いに重ねるような方法とすることで、一の列(主走査方向の並び)内におけるドットDを複数のノズルNに分けて対応させることも可能である。
(カラーフィルタの製造方法(液状体配置方法))
次に、図8〜図10を参照して、本発明に係るカラーフィルタの製造方法について説明する。図8は、液状体配置を行う際の基板の状態を示す平面図である。図9は、基板に対するヘッドの走査方法を説明する模式図である。なお、図9には、後述するテンプレートの段階値「0」「1」が示されている。
カラーフィルタ1(図1,2参照)の着色部2(図1,2参照)の形成は、R,G,Bにそれぞれ対応するカラーフィルタ材料を含む液状体を用意し、液状体吐出装置200(図3〜図5参照)を用いて液状体を基板P上に配置することで行われる。図8に示すように、液状体を配置するための基板Pには、それぞれカラーフィルタ1の個体に対応した領域である4つの個体領域8が設定されており、バンク5によって個体領域8毎に区画領域6の群が形成されている。本実施形態では、区画領域6の長辺方向を副走査方向、短辺方向を主走査方向として基板Pをステージ205(図3参照)上に載置する。
ここで、液状体はバンク5で区画された所定領域としての区画領域6に対して配置されるが、液状体が区画領域6に合わせて正確にパターニングされるように、区画領域6内における基板Pの露出面に親液化処理を、バンク5の表面に撥液化処理をあらかじめ施しておくことが好ましい。このような処理は、例えば、酸素やフッ化炭素のプラズマ処理により行うことができる。尚、バンク5の形成は、液状体のパターニングを高精度に行うための好ましい実施形態であり、所定領域を設定するためにこのような物理的な区画が必ずしも必要というわけではない。
次に、図9に示すように、基板Pに対してヘッド11、12を走査し、ヘッド11、12に備えられたノズルNから液状体を吐出する。このときのヘッド11、12の動作は、先ず、基板の端部の領域P1及びその隣の領域P2に対してヘッドを主走査方向に走査し、液状体を吐出させる。次いで、ヘッド11、12を図中右方向(副走査方向)に移動させ、領域P2の隣に位置する領域P3及びP4に対してヘッド11,12を主走査方向に走査し、液状体を吐出させる。このような動作を繰り返し行って、基板Pの各区画領域6に液状体を配置する。
このとき、ヘッド11,12には、一方向に配列された図示しない複数のノズルNが形成されており、上位装置から入力される吐出制御データに従って各ノズルNから液状体を吐出するように構成されている。図9に示すように、大型の基板P上をヘッド11,12で複数回走査して液状体を配置する場合において、基板Pの端部の領域P1に液状体を配置する場合には、図示のようにヘッドの右側L/n程度(Lはノズル列の長さ)の部分のみを使用して液状体の配置が行われる。同様に、基板Pの別の端部の領域P11に液状体を配置する場合には、図示のようにヘッドの左側L/n程度(Lはノズル列の長さ)の部分のみを使用して液状体の配置が行われる。一方、基板Pの端部P1、P11以外の領域P2〜P10に液状体を配置する場合には、図示のようにヘッドのほぼ全部を使用して液状体の配置が行われる。
このように、液滴吐出装置により基板P上の所定位置に液状体を配置する場合、基板Pの端部の領域P1、P11とそれ以外の領域P2〜P10とでは、ヘッド11、12のノズル使用率(Duty)が異なることとなる。すなわち、図20において既に説明したように、ヘッドのDutyと吐出量との間には明確な相関があり、Dutyが小さくなると、同一駆動信号を用いて吐出動作を行っても1ノズルあたりの吐出量が減少する。
従って、基板P全体の区画領域6に液状体を均等に配置するには、基板Pの端部の領域P1、P11に位置する区画領域6への液状体の配置量を、端部以外の領域P2〜P10に位置する区画領域6への液状体の配置量より多くすればよい。配置量を制御する方法としては、以下に説明するように、区画領域6への液状体の吐出数を調整する場合と、液状体の吐出量を調整する場合とがある。
なお、基板Pが平面視略矩形状とされ、この基板Pの一辺に沿ってヘッド11、12の主走査方向が設定され、一辺と交差する方向に延びる他辺に沿ってヘッド11、12の副走査方向が設定される場合の基板Pの端部は、副走査方向に沿う両端部P1,P11となる。また、ノズル使用率とは、ヘッド11、12に設けられた全ノズル数に対する、実際に液滴の吐出に使用されるノズル数の比率である。
<区画領域6への液状体の吐出数を調整する場合>
吐出数を調整する場合には、端部の領域P1、1P11に位置する区画領域6への液状体の吐出数を、端部以外の領域P2〜P10に位置する区画領域6への液状体の吐出数より相対的に多くすることが好ましい。より具体的には、端部以外の領域P2〜P10の各区画領域6に対する吐出回数をm回とした場合に、端部の領域P1〜P11の各区画領域6に対する吐出回数を(m+p)回とすればよい。増やすべき吐出回数pは、例えば、ノズル使用率と吐出量の相関から求めればよい。例えば、端部におけるノズル使用率が1/3であり、端部以外のノズル使用率が3/3であり、ノズル使用率1/3のときの吐出量がノズル使用率3/3のときの吐出量より2〜3%低下する場合には、端部以外の領域P2〜P10の各区画領域6に対する吐出回数を100回とし、端部の領域P1、P11の各区画領域6に対する吐出回数を102〜103回程度とすればよい。
液状体の吐出方法について、より具体的に説明する。図10は、カラーフィルタにおける着色部の形成工程を示すフローチャートである。図11は、第1のドットパターンを示す図である。
液状体の配置に先立ち、まずは第1のドットパターンを生成する(図10のステップS1)。この第1のドットパターンは、吐出制御のためのドットパターン(第2のドットパターン)を生成するための基礎となるものであり、図11に示すような構成となっている。図において、白抜きの丸は1つ1つのドットを表しており、仮想線で示す仮想区画領域A、BはマトリクスMTを基板P上に重ねた場合における区画領域6の対応領域を表している。なお、仮想区画領域Aは、端部以外の領域P2〜P10に対応する区画領域6であり、仮想区画領域Bは、端部の領域P1、P11に対応する区画領域6である。また、図中のL1〜L10およびR1〜R9は、説明の便宜のために付したマトリクスMTの行および列を表す記号である。
この吐出方法では、マトリクスMTの各列の区画に対し、3回の走査に分けて複数のノズルが割り当てられるようになっている。図示の例では、R1,R4,R7列のドットが第1の走査に係るノズルn11,n12,n13に、R2,R5,R8列のドットが第2の走査に係るノズルn21,n22,n23に、R3,R6,R9列のドットが第3の走査に係るノズルn31,n32,n33にそれぞれ対応する。尚、ノズルn11〜n33は、それぞれ互いに異なるノズルである。
第1のドットパターンでは、1つの仮想区画領域A、Bに対して、そのほぼ中央に24個(所定数a)のドットが4行×6列の配列で設定されている。ここで、24個というドットの数は、1つの区画領域6に対する液状体の適正配置量の相当数よりも多めに設定された数であり、この24個のドットのうちいくつかのドットを消去して生成されたものが、吐出制御のための第2のドットパターンとなる。なお、24個という数は、説明の便宜上設定した数であり、実際には50個でも100個でも何個でもよい。
この吐出方法においては、詳しくは後述するが、吐出異常等の発生を想定して、第2のドットパターンの生成の際にノズルの吐出情報に基づいた禁則ドットの判定処理を行う。このため第2のドットパターンの生成に先立ち、ノズルの吐出情報を取得するためのノズル検査が行われる(図10のステップS2)。ここで、ノズルの吐出情報には、大きく吐出異常の有無と液状体の配置位置(着弾位置)精度に関するものがある。吐出異常としては、例えば、吐出不能、吐出量の著しい多寡、ミストの飛散を伴うなどの液滴形成の異常などの現象が挙げられる。
この吐出方法におけるノズル検査は、ノズルから用紙に対して液滴を吐出させ、用紙上に形成された着弾痕を撮像、画像解析することにより行われる。すなわち、吐出異常の有無の判断情報として当該着弾痕の形状、大きさ(面積)が、配置位置精度として当該着弾痕の理想位置からのズレ量が取得されるようになっている。
ノズル検査(ステップS2)が終了したら、取得されたノズルの吐出情報に基づいて第1のドットパターンに対して処理を行い、第2のドットパターンを生成する(図10のステップS3)。この処理は、各仮想区画領域A、Bに対応して設定された24個のドット単位毎に行われるものであり、これにより、24個(所定数a)のドットから4ないし6個(所定数b)のドットが消去され、一仮想区画領域あたり18ないし19個のドットを有する第2のドットパターンが生成される(図13(a),(b)参照)。
次に、第2のドットパターンに基づいて区画領域6に対して液状体を吐出し(図10のステップS4)、これにより各区画領域6には、18ないし19個のドット(液滴)に相当する量の液状体がそれぞれ配置されることになる。そして配置された液状体を乾燥させることにより、着色部2(図1,2参照)を形成する(図10のステップS5)。
このとき、仮想区画領域Bに対応する区画領域6への液状体の吐出数を、仮想区画領域Aに対応する区画領域6への液状体の吐出数より増やす。図13(a)において仮想区画領域Aに対する吐出数(白丸の数)が「18」であるところ、図13(b)に示すように仮想区画領域Bおいては吐出数(白丸の数)を「19」とする。
詳しくは後述するが、第2のドットパターンはノズルの吐出情報に基づいて適性化された構成となっているため、各区画領域6に対応する着色部2は精度良く形成される。
尚、ノズル検査(ステップS2)とその結果に基づく第2のドットパターンの生成(ステップS3)は、基板Pの個体を入れ替えるタイミングなどにおいて、定期的に行うようにすることが望ましい。ノズルの吐出情報は、後天的な事情、例えば流路内への気泡の混入やノズルメンテナンスの実行履歴等によっても変化し得るものであり、このような変化に迅速に対応するためである。
(第2のドットパターンの生成について)
次に、図11、図12及び図13を参照して、第2のドットパターンの生成についての詳細な説明を行う。また、図9には、テンプレートの段階値を示している。図12は、生成された第2のドットパターンの例を示す図である。
第2のドットパターンの生成の処理は、図11に示す第1のドットパターンを基礎として、各仮想区画領域A、B毎に設定された24個のドット単位毎に、図12のフローチャートに沿って行われる。この処理は、実際にはコンピュータを用いて自動的に行われるものであり、コンピュータは、あらかじめ入力されていた第1のドットパターンやノズルの吐出情報等を読み出して図12に示す処理を実行する。
着目する仮想区画領域A、Bについて、まず最初のステップS11では、その仮想区画領域A、Bに対応する所定数bの設定を行う。例えば本実施形態では、あらかじめ用意されたテンプレート(図9)から、仮想区画領域A、B(区画領域6)毎に割り当てられた段階値を参照することにより、所定値bの設定を行う。図9に示すテンプレートでは、仮想区画領域Aの配列について、一仮想区画領域Aを一ブロックとして0の段階値が設定されており、「0」の段階値に対応する仮想区画領域Aの処理において所定値bが「6」に設定されており、一方、仮想区画領域Bの配列については、一仮想区画領域Bを一ブロックとして1の段階値が設定されており、「1」の段階値に対応する仮想区画領域Bの処理において所定値bが「5」に設定される。
次のステップS12では、図11に示す24個のドット全てを対象として禁則ドットであるか否かの判定が行われ、禁則ドットに該当する場合はそのドットが消去される。ここで、禁則ドットとは、そのドットについて液状体の吐出駆動がなされた場合に不具合を生じる虞がある不適切なドットのことであり、例えば次に示すような条件でその判定が行われる。
まず、吐出異常のノズルに対応するドットは、全て禁則ドットと判定される。このようなドットに基づいて吐出駆動が行われると、区画領域6に対する液状体の配置量の精度が低下することになるからである。例えば、図13(a)に示す例では、ノズルn12に吐出異常があるため、ノズルn12に対応するR4列のドットが禁則ドットとして消去されている(黒く塗り潰された丸印が消去されたドットを示す)。
また、仮想区画領域Aの境界に近接する最外郭のドットのうち、そのドットに係るノズルの配置位置精度が当該境界の方向に大きくズレているものは、禁則ドットと判定される。このようなドットに基づいて吐出駆動が行われると、吐出された液状体が区画領域外にはみ出し、パターニングの不良を招く虞があるからである。例えば、ノズルn23が配置位置精度について大きく右寄りの特性を有する場合、R8列のドットは全て禁則ドットと判定されることになる。但し、吐出異常の場合と異なり、ドットと仮想区画領域Aの境界との位置関係やズレの方向が考慮されて禁則ドットか否かの判定がなされるので、ズレの方向が逆の場合には禁則ドットとは判定されない。また、他の走査において、他の仮想区画領域Aの中央寄りの区画にこのノズルn23が割り当てられるような場合にも、対応するドットが禁則ドットと判定されることはない。
このように、第2のドットパターンの生成の際には、消去対象のドットとして禁則ドットが優先的に選択されることになるため、区画領域に対する液状体の配置量やパターニングの精度などに関する不具合の発生を好適に抑えることができる。これにより、高精度な液状体配置が可能となっている。
次のステップS13では、消去されたドットの総数:Ndが所定数bよりも大きいか否かの判定を行う。例えば、ノズルn31,n12が吐出異常だとすると、ステップS12ではR3列、R4列に係るドットが禁則ドットと判定されてNd=8となるが、このようにNdが所定数b(6)より大きくなる場合(Yes)には、ステップS14において警告の表示と共に処理が中断される。すなわち、この警告は、禁則ドットを消去した場合に規定どおりに第2のドットパターンを生成することができないというエラーメッセージに対応するものである。
ステップS13においてNdが所定数b以下であると判定された場合(No)、次のステップS15においてNdが所定数bに達しているか否かの判定を行う。ここで、Ndが所定数bに達していない場合(No)には、次のステップS16においてさらにドットの消去を行う。このステップS16において消去されるドット(消去ドット)は、例えば、残されているドットの中からランダムに選択されるようになっている。あるいは、仮想区画領域A内における相対的な位置関係や吐出に係る走査順序などに鑑みた優先条件に基づいて、消去ドットの選択を行うようにすることも可能である。
ステップS16でドットを消去したら、再びステップS15においてNdが所定数bに達しているか否かの判定を行う。これにより、Ndが所定数bに達するまでドットの消去(ステップS16)が連続して行われることになり、Ndが所定数bに達したところで(Yes)、一連の処理が終了する。
例えば、図13(a)は、図9に示すテンプレートに基づいて、24個のドットのうち、ノズルn12に対応する4つの禁則ドットとランダムに選択された2つのドットとの合計6つのドットが消去され、仮想区画領域A内に18個のドットが設定された例を示している。また、13(b)は、24個のドットのうち、ノズルn12に対応する4つの禁則ドットとランダムに選択された1つのドットとの合計5つのドットが消去され、仮想区画領域B内に19個のドットが設定された例を示している。図13(b)では図13(a)に比べて、1個のドットが増やされている。
このように、増やすべきドット数は、予め設定したテンプレートに基づいて設定すればよい。
また、仮想区画領域Aについてのみテンプレートを使用し、仮想区画領域Bについては、仮想区画領域Aを基準として、増やすべきドット数をノズル使用率と吐出量の相関から求めてもよい。
上述したステップS11〜S16の処理は、複数ある仮想区画領域A、Bのそれぞれについて実行され、これにより第2のドットパターンが完成する。ここで、所定数bを設定する際(ステップS11)に参照されるテンプレート(図9)は、一つの個体領域8(図8参照)内における区画領域6の配列単位で構成されており、複数ある個体領域8について同一のテンプレートを用いて所定数bの設定が行われる。これは、個体領域8毎に液状体の配置量の設定条件に差が生じないように配慮したものである。
尚、第2のドットパターンは、R,G,Bの色毎に生成されるが、この際に参照されるテンプレートは、色毎に同じものとすることも異なるものとすることも可能である。
<区画領域6への液状体の吐出量を調整する場合>
次に、端部の領域P1、P11に位置する区画領域6への液状体の吐出量を、端部以外の領域P2〜P10に位置する区画領域6への液状体の吐出量よりも相対的に多くしてもよい。より具体的には、端部以外の領域P2〜P10の各区画領域6に対する一滴当たりの吐出量をnリットルとした場合に、端部の領域P1〜P11の各区画領域6に対する一滴当たりの吐出量を(n+q)リットルとすればよい。また、各区画領域6の対する液滴の吐出数をm回とした場合、すべての吐出数において一滴当たりの吐出量を(n+q)リットルにする必要はなく、ヘッドのDutyと吐出量との相関関係に基づいて、一部の吐出回においては(n+q)リットルとし、残りの吐出回においてはnリットルとしてもよい。
一滴当たりの吐出量の調整は、ノズルによる吐出動作を制御する駆動信号を調整すればよい。例えば、駆動信号の電圧と吐出量とは相関関係にあるので、吐出量を増やすには駆動信号の電圧を高めればよい。
より具体的に説明すると、図14〜図15には、圧電素子PZに印加する駆動信号のプロファイルとノズルNから吐出される液状体の吐出量との関係を示している。図14(a)は待機状態(中間電位V)、図14(b)は充電状態(高電位V)、図14(c)は放電状態(低電位V)のキャビティ24の様子をそれぞれ示している。また、図14(d)は圧電素子PZに印加する駆動信号の波形を示している。図15は、駆動波形と液滴吐出量との関係を示している。更に、図16及び図17には、待機状態の電位VMを変えたときのメニスカスの挙動を示す模式図を示している。
なお、図14〜図17において、符号Vは待機状態の電位(中間電位)、Vは充電状態の電位、Vは放電状態の電位をそれぞれ示している。駆動電圧は、高電位Vと低電位Vとの電位差によって規定される。また、符号tは待機状態から充電状態までの時間(駆動電圧の立ち上がり時間)、符号tは充電状態を保持する時間(駆動電圧の保持時間)、符号tは充電状態から放電状態までの時間(駆動電圧の立ち下がり時間)をそれぞれ示している。
液状体の吐出量は、駆動波形によって変化する。駆動波形による吐出量の変化は、ノズルN近傍のメニスカス(液状体の液面)の挙動に起因している。例えば、図14に示すように、ヘッド11、12の吐出動作を、待機状態、充電状態、放電状態の3つの状態で説明する。この場合、待機状態から充電状態までの期間tは、ノズルNに隣接するキャビティ24の容積が増大し、液状体がキャビティ24内に供給される。充電状態から放電状態までの期間tは、キャビティ24の容積が減少し、液状体がノズルNを介して外部に吐出される。
待機状態から充電状態までの期間tでは、キャビティ24の容積の増大によって、メニスカスの位置もキャビティ24側に移動するが、その移動量は、立ち上がり時間tが短いほど大きい。立ち上がり時間tが短いほど、勢い良くメニスカスが引き込まれるからである。そのため、メニスカスをキャビティ24側に大きく移動させ、そのまま素早く吐出動作に移れば、液状体の吐出量はメニスカスが引き込まれた分だけ少なくなる。逆に、立ち上がり時間tを長くし、キャビティ24側へのメニスカスの移動量小さくした場合には、メニスカスの引き込み量が少ない分だけ液状体の吐出量は多くなる。図14(a)は、このような立ち上がり時間tと吐出量Iとの関係を示している。
待機状態の電位V(中間電位)は、メニスカスの移動量に影響する。例えば、図16に示すように、待機状態の電位Vを充電状態の電位Vに近づけ、待機状態と充填状態との電位差VHMを小さくした場合には、立ち上がり時間tを短くしてもメニスカスの移動は殆ど生じない。そのため、素早く吐出動作に移っても、液状体Lの吐出量は殆ど変化しない。一方、図17に示すように、待機状態の電位Vを放電状態の電位Vに近づけ、待機状態と充電状態との電位差VHMを大きくした場合には、メニスカスの移動量が大きくなるため、素早く吐出動作に移ると、メニスカスが引き込まれた分だけ吐出量は少なくなる。図15(b)は、このような中間電位Vと吐出量Iとの関係を示している。
キャビティ24側に引き込まれたメニスカスは、キャビティ24の容量変動が終了すると、元の位置(待機状態の位置)に戻ろうとする。そのため、充電状態においては、メニスカスは元の位置を基準として振動する。そのため、メニスカスがキャビティ24側に振動したタイミングで吐出動作に移ると、メニスカスが引き込まれている分だけ吐出量は少なくなる。逆に、メニスカスがキャビティ24とは反対側に振動しているタイミングで吐出動作に移ると、メニスカスが外部に大きく張り出している分だけ吐出量は多くなる。どのタイミングで吐出が行われるかは、充電状態の保持時間tによって変化する。図15(c)に示すように、保持時間tを横軸にとり、吐出量Iを縦軸にとると、吐出量Iは保持時間tの増大に伴って増減を繰り返す周期的な変動を示す。したがって、この変動曲線に基づいて保持時間tを制御することで、液状体の吐出量Iを調節することができる。
一方、立ち下がり期間tは、液状体をノズルNから外部に押し出すときの加圧力に影響する。立ち下がり時間tが短い場合には、加圧力は大きくなり、立ち下がり時間tが長い場合には、加圧力は小さくなる。加圧力が大きい場合には、液状体は勢い良くノズルNから飛び出すため、その分吐出量は多くなる。逆に加圧力が小さい場合には、液状体はゆっくり押し出されるため、その分吐出量は少なくなる。図15(d)は、このような立ち下がり時間tと吐出量Iとの関係を示している。
以上のように、メニスカスの挙動による吐出量の変動を積極的に利用し、駆動信号を制御することで液状体の吐出量を調節できる。例えば、液滴の吐出量が適正量よりも少ない場合には、駆動電圧の立ち上がり時間t、保持時間t、立ち下がり時間t、又は中間電位Vのいずれかを制御して、吐出量を増大させる。逆に、液滴の吐出量が適正量よりも多い場合には、駆動電圧の立ち上がり時間t、保持時間t、立ち下がり時間t、又は中間電位Vのいずれかを制御して、吐出量を減少させる。これにより、ノズルNの吐出量を調整することができる。
以上のように、本実施形態によれば、ノズル使用率に応じて液状体の配置量を調整することで、基板Pの端部P1、P11における液状体の配置量と端部以外P2〜P10における液状体の配置量とを、ほぼ同量にすることができ、これにより基板P全体の各所定領域における液状体の配置量の均等化が図られる。これにより、カラーフィルタの着色部の膜厚をカラーフィルタ全体において均等にすることができ、色ムラのないカラーフィルタを製造できる。
また、本実施形態では、ヘッドの副走査方向に沿う端部P1、P11においてヘッドのノズル使用率が小さくなる場合に、その端部P11、P12に位置する区画領域6への液状体の配置量を、端部以外P2〜P10に位置する区画領域6への液状体の配置量より多くすることで、基板全体の各所定領域における液状体の配置量の均等化が図られる。これにより、カラーフィルタの着色部の膜厚をカラーフィルタ全体において均等にすることができ、色ムラのないカラーフィルタを製造できる。
更にまた、本実施形態では、区画領域6がバンクにより区画されているので、バンクによって区画領域6外への液状体のはみ出しを好適に防ぐことができる。
(第2実施形態)
次に、図18を参照して、本発明の第2実施形態について、先の実施形態との相違点を中心に説明する。
図18は、有機EL表示装置の要部構成を示す断面図である。
図18に示すように、有機EL表示装置100は、素子基板111と、素子基板111上に形成された駆動回路部112と、駆動回路部112上に形成された発光素子部113と、駆動回路部112および発光素子部113を封止するための封止基板114と、を備えている。封止基板114によって封止された封止空間115には、不活性ガスが充填されている。
発光素子部113は、バンク120で区画された複数の区画領域119を有しており、この区画領域119内には発光素子125が形成されている。発光素子125は、駆動回路部112の出力端子であるセグメント電極(陽極)121と、共通電極(陰極)124との間に、正孔輸送層122、有機EL材料層123が積層されて構成されている。また、バンク120と駆動回路部112との間には、階調要素間の干渉を防ぐための遮光膜126が、金属クロムやクロム酸化物等で形成されている。
正孔輸送層122は、有機EL材料層123に正孔を注入するための機能層であり、ポリチオフェン誘導体のドーピング体(PEDOT)などの高分子導電体で形成されている。有機EL材料層123は、蛍光あるいは燐光を発光することが可能な公知の有機EL材料、例えば、ポリフルオレン誘導体、(ポリ)パラフェニレンビニレン誘導体、ポリフェニレン誘導体などで形成されている。正孔輸送層122、有機EL材料層123は、第1実施形態で説明した液状体配置方法を用い、所定領域としての区画領域119に対応する機能性材料(PEDOT/有機EL材料)を含む液状体を配置して製造されたものである。
本発明は上述の実施形態に限定されない。
例えば、上述の液状体配置方法を用いた別の例として、例えば、プラズマディスプレイ装置における蛍光膜の形成、あるいは、電気回路における導電配線や抵抗素子の形成などが挙げられる。
また、実施形態の各構成はこれらを適宜組み合わせたり、省略したり、図示しない他の構成と組み合わせたりすることができる。
カラーフィルタの構成を示す平面図である。 カラーフィルタの構造を示す断面図である。 液状体吐出装置の要部構成を示す斜視図である。 ヘッドユニットにおけるヘッドの配置構成を示す平面図である。 吐出ヘッドの構成を示す模式図であって、(a)は吐出ヘッドの部分斜視図であり、(b)は吐出ヘッドの1ノズル部分の部分断面図である。 液状体吐出装置の電気的構成を示す図である。 ドットパターンとノズルの位置との関係を示す図である。 液状体配置を行う際の基板の状態を示す平面図である。 本発明の液状体配置方法を説明する説明図であって、基板と吐出ヘッドとの関係を示す平面模式図である。 カラーフィルタにおける着色部の形成工程を示すフローチャートである。 仮想区画領域に対する第1のドットパターンの配置状態を示す平面模式図である。 第2のドットパターン生成に係る処理を示すフローチャートである。 第2のドットパターンの配置状態を示す図であって、(a)は基板の端部の所定領域に対応する仮想区画領域への第2のドットパターンの配置状態を示す平面模式図であり、(b)は基板の端部以外の所定領域に対応する仮想区画領域への第2のドットパターンの配置状態を示す平面模式図である。 駆動波形と液滴吐出量との関係を説明する説明図である。 駆動波形と液滴吐出量との関係を説明する説明図である。 中間電位と液滴吐出量との関係を説明する説明図である。 中間電位と液滴吐出量との関係を説明する説明図である。 有機EL表示装置の要部構成を示す断面模式図である。 従来の液状体配置方法を説明する説明図である。 吐出ヘッドにおける各ノズルのノズルデューティ毎の吐出量を示すグラフである。 ノズルデューティ毎の駆動信号の波形を示すグラフである。
符号の説明
1…カラーフィルタ、2…着色部、4,P…基板、5…バンク、6,119…区画領域(所定領域)、11,12…ヘッド(吐出ヘッド)、125…発光素子、N…ノズル、P1,P11…基板の端部の領域(基板の端部)、P2〜P10…基板の端部以外の領域(基板の端部以外)

Claims (7)

  1. 複数のノズルを有する吐出ヘッドと基板とを相対的に走査させながら前記複数のノズルから液状体を吐出することにより、前記基板上に設定された複数の所定領域に対して前記液状体をそれぞれ配置する液状体配置方法であって、
    前記基板の端部の前記所定領域に前記液状体を配置する際の前記吐出ヘッドにおけるノズル使用率が、前記基板の端部以外の前記所定領域に前記液状体を配置する際のノズル使用率よりも低くなる場合に、前記端部の前記所定領域への前記液状体の配置量を、前記端部以外の前記所定領域への前記液状体の配置量より多くすることを特徴とする液状体配置方法。
  2. 前記基板の端部が、吐出ヘッドの副走査方向に沿う端部であることを特徴とする請求項1に記載の液状体配置方法。
  3. 前記端部に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出数を、前記端部以外に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出数よりも相対的に多くすることで、前記所定領域への前気液状体の配置量を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液状体配置方法。
  4. 前記端部に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出量を、前記端部以外に位置する前記所定領域への前記液状体の吐出量よりも相対的に多くすることで、前記所定領域への前気液状体の配置量を調整することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の液状体配置方法。
  5. 前記所定領域が、バンクにより区画されていることを特徴とする請求項1乃至請求項4のいずれか一項に記載の液状体配置方法。
  6. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液状体配置方法を用いて、前記複数の所定領域のそれぞれに、色材を含む前記液状体を配置するステップと、
    配置された前記液状体を固化して、前記複数の所定領域をそれぞれ画素の対応領域とする着色部を形成するステップと、を有するカラーフィルタの製造方法。
  7. 請求項1乃至請求項5のいずれか一項に記載の液状体配置方法を用いて、前記複数の所定領域のそれぞれに、有機EL材料を含む前記液状体を配置するステップと、
    配置された前記液状体を固化して前記複数の所定領域をそれぞれ画素の対応領域とする発光素子を形成するステップと、を有する有機EL表示装置の製造方法。
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