JP2009183598A - 空気清浄機用ケース及び空気清浄機 - Google Patents

空気清浄機用ケース及び空気清浄機 Download PDF

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Abstract

【課題】水分供給を必要とするフィルターを有効に用いるための空気清浄機用ケース、および水分供給を必要とするフィルターに簡便に水分を供給することができる手段を有する空気清浄機の提供。
【解決手段】吸気部、フィルター保持部1および排気部が、前記吸気部から前記排気部の間に形成される空気の流路上にこの順に配置された空気清浄機用ケースであって、
吸気部とフィルター保持部1との間に、熱電素子及び該熱電素子により得られた結露水を静電霧化する霧化部が配置された空気清浄機用ケース、並びに前記フィルター保持部にフィルター(好ましくは抗体フィルター)が取り付けられた空気清浄機。
【選択図】図3

Description

本発明は、空気清浄機用ケース及び空気清浄機に関する。より詳しくは、本発明は、水分供給を必要とするフィルターを有効に用いるための空気清浄機用ケース、及び水分供給を必要とするフィルターに簡便に水分を供給することができる手段を有する空気清浄機に関する。
空気浄化のためには、通常気相での反応、または固相が気相と接している表面または液相が気相と接している表面での反応が必要になる。フィルターを通過させることにより空気を清浄する機構を有する空気清浄機においては、フィルター表面とフィルターを通過する空気とが相互作用する。通常一定量以上の水分を含むと、フィルターは空気を透過させなくなるが、フィルターが有する空気浄化の機構が水分を必要とする反応による場合や、反応体の維持に水分は必要である場合は、必要な量の水分をフィルターに供給する必要が生じる。
特許文献1においては、担体に抗体を担持してなる有害物質除去材を用いて気相雰囲気下で有害物質を除去するのに際し、上記担体を、公定水分率が7%以上である繊維で形成されたものとし、従来水溶液の浄化にしか適用されていなかった抗原抗体反応を気相雰囲気下での有害物質の除去に適用している。しかし、特許文献1に記載の方法においては、実質的に公定水分率によって担体の材質が規定されるため、繊維径などが自由に選べず、捕捉率や圧力損失の最適化設計に制約が発生したり、強度的な問題により変形が生じ、結果的に空気の捕捉率や圧力損失に障害を生じたりするおそれがある。
特許文献には、水収容タンクと吸水体の霧化部間に、CaやMgを交換吸着させるイオン交換部を設けることによって付着物除去メンテナンスが不要となった静電霧化装置が開示されている。しかし、この装置は水収容タンクの水が無くなると機能しなくなる。そのため、適宜水を補給する作業が必要であり、連続運転を行う空気清浄機に適用する場合、水の補給作業が煩雑であり、また、水の補給を忘れてフィルターが機能しないままに放置されるおそれがある。
従って、担体の材質を自由に選べて、抗体に活性を与える水分を供給する簡便な方法が望まれる。
特許文献においては、水を静電霧化することによって帯電した微細な粒子にする静電霧化装置を車両用空調装置に設ける場合に、水の補給作業を不要にしながら静電霧化装置による効果が継続的に得られるようにして快適な空調空間を手軽に実現できるようにする技術が開示されている。この静電霧化装置では、ペルチェ素子により結露水が得られており、この結露水に高電圧を印加してナノメーターサイズの微細な水の帯電粒子を得て、この帯電した水の粒子を空調風に乗せて車室内に行き渡らせている。
静電霧化装置については、特許文献において、環境湿度に関係なく環境温度に対して予め定めた動作を冷却手段に行わせることで、放電電極への結露水の生成のための制御を簡便化した技術が開示されている。すなち、放電電極とこれに対向する対向電極及びこの両電極間に高圧を印加する高圧電源部、上記放電電極を冷却して放電電極部分に空気中の水分を基に静電霧化させるための水を生成させる冷却手段、環境温度を検出する環境温度検出手段、上記検出手段で検出された環境温度に対して予め定めた動作を上記冷却手段に行わせる制御回路を備えた静電霧化装置を用いることによって、低コストで水の補給の手間なくナノサイズミストを発生させることができる技術が開示されている。
特許第3642340号 特開2005-177678号公報 特開2007-137282号公報 特開2007-167717号公報
本発明の目的は、水分供給を必要とするフィルターを有効に用いるための空気清浄機用ケース、および水分供給を必要とするフィルターに簡便に水分を供給することができる手段を有する空気清浄機を提供することである。具体的には、本発明の目的は、空気清浄機に保持されるフィルターの担体につき選択の制約を増やさない空気清浄機用ケース、さらに、煩雑な水補給作業が不要でありながら保持されるフィルターの機能が継続的に得られる空気清浄機用ケースを提供することである。
本発明者らは上記課題の解決のために鋭意研究を行った結果、空気清浄機に電圧を印加することで低温部と高温部とを生じる熱電素子を適用することで、上記の課題が解決されることを見出し、この知見をもとに本発明を完成させた。
すなわち、本発明は下記[1]〜[7]を提供するものである。
[1]吸気部、フィルター保持部1および排気部が、前記吸気部から前記排気部の間に形成される空気の流路上にこの順に配置された空気清浄機用ケースであって、
前記吸気部とフィルター保持部1との間に、熱電素子及び該熱電素子により得られた結露水を噴霧する霧化部が配置された空気清浄機用ケース。
[2]前記熱電素子がペルチェ素子である[1]に記載の空気清浄機用ケース。
[3]前記霧化部が静電霧化装置である[1]または[2]に記載の空気清浄機用ケース。
[4]前記熱電素子及び霧化部とフィルター保持部1との間に、他のフィルター保持部が配置されない[1]〜[3]のいずれか一項に記載の空気清浄機用ケース。
[5]前記霧化部からフィルター保持部1に空気流路を形成する送風部、室温及び/又は湿度を検出するセンサ部、ならびに該センサ部の信号に基づいて該送風部を制御する駆動制御部を備えている[1]〜[4]のいずれか一項に記載の空気清浄機用ケース。
[6][1]〜[5]に記載の空気清浄機用ケースにおいて、フィルター保持部1にフィルターが取り付けられている空気清浄機。
[7][1]〜[5]に記載の空気清浄機用ケースにおいて、フィルター保持部1に抗体フィルターが取り付けられている空気清浄機。
本発明により、水分供給を必要とするフィルターを有効に用いるための空気清浄機用ケース、および水分供給を必要とするフィルターに簡便に水分を供給することができる手段を有する空気清浄機が提供される。本発明の空気清浄機ケースは水貯留部などを有さないが、水分供給を必要とするフィルターに十分な水分供給をすることが可能であって、空気清浄機として使用する際には、煩雑な水補給作業をしなくてもフィルターの機能が長持ちする。
本明細書において空気清浄機用ケースとは、空気清浄機として用いられる装置を意味し、通常、後述のフィルター保持部にフィルターを保持させることにより空気清浄機として機能する物品を意味する。
本発明の空気清浄機用ケースの形状は特に限定されず、略長方体形状、略立方体形状、略円柱形状などが挙げられる。空気清浄機用ケースは、内部に所定の空間を有し、該空間に後述の吸気部から排気部へと通過する空気の流路が形成される。
本発明の空気清浄機用ケースは吸気部及び排気部を備える。吸気部は空気清浄機用ケース内部に空気を取り込む部分であり、形状及び個数は特に限定されない。また、排気部は、空気清浄機用ケース外部に空気を送り出す部分であり、形状及び個数は特に限定されない。吸気部および排気部は、空気清浄機用ケースにおいて吸気部から排気部の間に形成される流路上に、吸気部、フィルター保持部および排気部が、この順に配置されるように設置される。例えば、略長方体形状または略立方体形状の空気清浄機用ケースである場合、相対する2つの側面にそれぞれ吸気部および排気部を設ければよい。同様に、略円柱形状の場合は、円形状の相対する側面にそれぞれ吸気部および排気部を設ければよい。さらに、同一の側面の上部(又は右端部など)と下部(又は左端部など)に、吸気部および排気部を別々に設けることもできる。
なお、本明細書において、流路に対して吸気部側を上流側、排気部側を下流側という場合がある。
空気清浄機用ケースが、吸気部において空気清浄機用ケース内部に空気を取り込み、および排気部において空気清浄機用ケース外部に空気を送り出すようにする機構は特に限定されない。例えば、一定の空気の流れがある場所に空気清浄機用ケースを設置したり、気圧が異なる2つの部屋の境界に空気清浄機用ケースを設置したりしてもよい。また、例えば、吸気部から排気部の間に空気の流路を形成する手段として、空気清浄機用ケースが送風部を備えていてもよい。送風部としては、軸流ファンやシロッコファン、クロスフローファンなどが挙げられる。送風部としては、給気機能を有する送風部を用いてもよく、排気機能を有する送風部を用いてもよく、両方を用いてもよい。通常、給気機能を有する送風部は上流側(例えば吸気部と熱電素子及び霧化部との間)、排気機能を有する送風部は下流側(例えばフィルター保持部と排気部との間)に設けられる。例えば排気機能を有する送風部を用いる場合、空気清浄機駆動時には、送風部が流路内部の空気を下流側の排気部から送り出すことで、上流側の吸気部から取り込んだ空気を下流側の排気部から送り出すといった空気の流路が形成される。排気機能を有する送風部の例としてはシロッコファンなどが挙げられる。シロッコファンは、円筒状の回転体の円周面に複数の小型の翼が設けられた構成を有し、小型化、軽量化に適し、静圧が大きくとれ、また、駆動時に発生する音が小さいという利点がある。
フィルター保持部は、これらの保持部に保持されるフィルターに、吸気部から取り込まれた空気の一部または全てが通過して排気部へと向かうように配置される。上記のフィルターには吸気部から取り込まれた空気の全てが通過することが好ましい。すなわち、フィルター保持部に保持されるフィルターは、吸気部と排気部との間に形成される空気の流路を密閉するように配置されることが好ましい。なお本明細書において密閉とは、吸気部から取り込まれた空気の全てが通過して排気部へと向かう状態を意味し、具体的にはフィルターと空気清浄機用ケース本体が密着して両者の間に視覚的に確認できるよう隙間を生じせしめないことを意味する。すなわち、本明細書において密閉とは、所謂、気密を意味するものではなく、フィルターには気体が通過しうるものとする。
フィルター保持部は、フィルターが空気清浄の機能を発揮するようにフィルターを保持する部分である。フィルター保持部において、フィルターは着脱可能であっても不可能であってもよいが、着脱可能に保持させることが、好ましい。空気清浄機の使用の目的、例えば、消臭などの対象となる有機物質の種類などに応じて所定のフィルターと交換することができるからである。フィルターの保持の形態は、特に限定はなく、例えば、フィルター保持部として固定させるための部材(パッキング(気密機構)を備えた枠や骨組みなど)を用いてケース本体の所定の位置に取り付ける形態であってもよい。その他、例えば、フィルターの上流側の平面と下流側の平面とをそれぞれリブ状の部材で挟み込んでもよい。リブ状の部材を用いることによって着脱可能とすることができる。また、フィルターをリブ状のフィルター保持部に挟み込むといった単純な構成であるため、固定させるための部材を必要せず、フィルターの交換や掃除などのメンテナンス作業を容易にすることができる。
なお、本発明の空気清浄機用ケースは、フィルター保持部以外に、さらに1又は2以上のフィルター保持部を有していてもよい。例えば、後述の熱電素子及び霧化部の上流にさらにフィルター保持部2があってもよい。ただし、フィルター保持部1は後述の熱電素子及び静電霧化部に最も近いフィルター保持部であることが好ましい。
本発明の空気清浄機用ケースにおいて、上記のフィルター保持部2に光触媒型フィルターを設けることもできる。この場合は上記のフィルター保持部2の上流または下流に紫外線光源が配置されていることが好ましい。紫外線光源によって、フィルター殺菌とともに、フィルター保持部に光触媒フィルターが用いられる場合において光触媒フィルターの活性化が可能である。紫外線光源は、例えば光触媒が反応する波長である385nm以下であって、オゾンガスの発生を防止する観点から190nm程度以上の紫外線を発光するものであればよい。殺菌の観点からは、254nm程度の紫外線を発光するものも好ましい。紫外線光源としては、蛍光灯、LED(Light Emitting Diode)、水銀ランプまたはその他の紫外線照射装置を用いることができる。
熱電素子としては、空気清浄機用ケース内に形成される空気流路にある空気中から水(結露水)を与えることができる手段であればよく、特に限定されない。熱電素子の代表的な例としては、ペルチェ素子が挙げられる(図1参照)。ペルチェ素子は2種類の金属を接合してなる素子であって、この接合の部位に電流を流すことによって、片方の金属からもう片方の金属に熱が移動するというペルチェ効果を利用した素子である。すなわち、該素子においては、電圧を印加することによって、低温部と高温部とが生じる。この低温部を空気清浄機用ケース内に形成される空気流路内に配置することによって、流路内の空気が含む水分をこの低温部に結露させることができる
ペルチェ素子においては、上記高温部に放熱面を設け、この放熱面から熱を有効に取り去ることが好ましい。放熱面にヒートシンクなどを設けて、空冷による放熱を促進することができる。空冷手段としては、上記の吸気部から排気部の間に空気の流路を形成する手段としての送風部がこれを兼ねていてもよく、空冷用の吸排気機構が別に設けられていてもよい。
熱電素子は、上記の吸気部から排気部の間に形成される空気の流路中に配置されていればよく、配置方向は特に限定されない。ヒートシンクからの放熱を効率よく行うためには、熱電素子ヒートシンクを空気流と平行に配置することが好ましい。空冷用の吸排気機構を別途用意できる場合にはこの限りではない。
霧化部としては、熱電素子において生じた結露水を空気中に微粒子として噴霧させることができる手段であればよく、特に限定されない。例としては、加圧スプレー、超音波霧化装置、静電霧化装置、などが挙げられる。装置構成の簡便化のためには特に静電霧化装置が好ましい。通常、霧化部は熱電素子と隣接、または一体化していることが好ましい。
熱電素子と静電霧化部とが一体化した装置としては特開2007-137282号公報の図4〜7等で説明される装置が好ましく挙げられる。
熱電素子および霧化部は、本発明の空気清浄機用ケースに1個又は2個以上設けられていればよい。
熱電素子によって、熱電素子の低温部近傍を流れる空気清浄機内流路の空気に含まれている水分が低温部の表面に凝縮して結露水となる。空気清浄機駆動状態では通常、流路に次々と水分を十分に含んだ空気が通過することから、結露水は十分に得られることになる。その結果、霧化部に必要とされる水の量は、上記の低温部で得ることが可能になり、空気清浄機への水の補給作業が不要になる。
霧化された水分は、空気清浄機ケース内において、フィルター保持部1に保持されるフィルターに供給されることが好ましい。したがって、霧化部は霧化水を発生する部分がフィルター保持部1に向かうように配置されることが好ましい。または前記霧化部からフィルター保持部に空気流路を形成する送風部が設けられていてもよい。
前記霧化部からフィルター保持部に空気流路を形成する送風部は、上記の吸気部から排気部の間に空気の流路を形成する手段としての送風部がこれを兼ねていてもよく、別に設けられていてもよい。
また、本発明の空気清浄機用ケースには、紫外線光源や送風部に電気を供給する電源回路、モータ制御部、紫外線光源の電圧を変換可能な変圧器などが設けられていてもよい。また、ケース側面に、電源スイッチ、送風部から送風される空気の流量を調整する風量調節部などが設けられていてもよい。
また、本発明の空気清浄機用ケースは、雰囲気中の有機物質の量を検出するセンサ部を有していてもよい。該センサ部で検出する臭気としては、例えば、人体からの体臭や口臭、アルコール物質や、愛玩動物の糞尿から生じた有機物質などが上げられる。また、センサ部は、臭気に限定されず、例えば、ダニなどのハウスダスト、塵埃、花粉を検出することもできる。さらに紫外線光源と送風部との少なくとも一方に信号の入出力が可能な状態で接続された駆動制御部とを設け、センサ部での検出信号を駆動制御部に出力する。駆動制御部は、有機物質の検出信号に基づいて紫外線光源と送風部との少なくとも一方を制御することができる。紫外線光源を制御する場合には、照射する光の量や、光を照射する時間を制御することができる。また、紫外線光源の点灯を間欠運転に設定することや、紫外線光源からの照射を終了するタイマー機能を有していてもよい。送風部を制御する場合には、送風する空気の量や、送風する時間を制御することができる。また、本発明の空気清浄機用ケースは、送風部の駆動を間欠運転に設定することや、送風を終了するタイマー機能を有していてもよい。
さらに本発明の空気清浄機用ケースには、結露水を効率よく得るために、室温及び/又は湿度を検出するセンサ部、ならびに該センサ部の信号に基づいて前記熱電素子の冷却温度を制御する駆動制御部を設けることも好ましい。ブロック図の一例を図2に示す。熱電冷却による霧化電極温度を制御する手段としては、各種センサを設けて使用環境の温湿度から露点温度を算出し、熱電素子に入力する電圧を制御する方式が考えられる。さらに、霧化装置を本信号に基づいて制御する事もできる。このような構成をとることによって、室温及び/又は湿度に応じて、フィルター保持部に供給される水分量を調節することもできる。
本発明の空気清浄機用ケースは、フィルター保持部においてフィルターを保持することによって、空気清浄機として機能する。本発明の空気清浄機の例を図3に示す。図3に示す空気清浄機においては排気部に軸流ファンが3個排気ファンとして設けられている構成を示す。
吸気部に最も近いフィルター保持部(例えばフィルター保持部の上流側に設置するフィルター保持部)に保持されるフィルターは比較的大きなごみ及び塵を除去するプレフィルター機能を有するフィルターが好ましい。このフィルターは例えば、不織布などであればよい。前記フィルター保持部に保持されるフィルターとしては不織布などに光触媒を担持した、光触媒フィルターを用いることが出来る。前記フィルター保持部に光触媒フィルターを保持させる場合、前記フィルター保持部の前方または後方、後方の場合は、前記熱冷却素子と霧化装置の上流に紫外線光源が配置されることが好ましく、また、前記フィルター保持部と前記紫外線光源との間には他のフィルター保持部が配置されないことが好ましい。
排気部に最も近いフィルター保持部に保持されるフィルターとしては水分供給を必要とするフィルターを用いることが好ましい。このようなフィルターとしては特に限定されないが、水分の存在下で作用を生じる抗菌剤を担持した抗菌フィルターや、抗体フィルターなどが挙げられる。また、光触媒フィルターを、水分供給を必要とするフィルターとして用いることによって、該フィルターに担持される光触媒の周囲でH22が生成し殺菌作用を発揮することも考えられる。
フィルター保持部に水分供給を必要とするフィルターが保持される場合、前記熱電素子及び霧化部と前記フィルター保持部との間に、他のフィルター保持部が配置されないことが好ましい。
光触媒フィルターは、例えば不織布等のような多孔質の繊維層と、不活性チタン層と、不活性チタン層上に活性チタン層とを有するものであればよい。
光触媒としては、主に、酸化チタン(TiO2)を主体として使用すればよい。この他光触媒としては、酸化亜鉛(ZnO)、酸化セリウム(Ce23)、酸化テルビウム(Tb23)、酸化マグネシウム(MgO)、酸化エルピウム(Er23)、タンタル酸カリウム(KTaO3)、硫化カドミウム(CdS)、セレン化カドミウム(CdSe)、および[Ru(bpy)3]2+やCo錯体等を使用することもできる。なお、活性酸化チタンとしては、アナターゼ結晶の微粒子を用いることが望ましい。
光触媒フィルターの繊維層としては、目付けが100g/m2〜300g/m2のものであって、圧力損失が標準風速2.5m/sでの初期圧力損失が、20〜90Paのものを用いることが好ましい。
抗体フィルターとしては、例えば抗体を担持した担体からなるフィルターが挙げられる。
抗体フィルターにおける担体としては、特に限定されないが、繊維が好ましい。繊維としては、セルロースエステル、ビニロン、アクリル系、ポリウレタンのうち少なくとも1種類を主成分とする繊維が好ましい。また、ポリアミドを主成分とする繊維も好ましい。主成分とは、全繊維中の質量分率にして25%以上を構成する成分であることを示す
セルロースエステルとは、セルロースの水酸基を有機酸でエステル化されているセルロース誘導体を指す。エステル化に用いる有機酸は、例えば酢酸・プロピオン酸・酪酸などの脂肪カルボン酸、安息香酸・サリチル酸などの芳香族カルボン酸などがある。単独もしくは併用したものであってもよい。セルロースの水酸基のエステル基置換率について特に制限はないが、60%以上であることが好ましい。
抗体フィルターにおいて担体として用いられる繊維の群のなかでは、セルロースアシレート繊維が望ましい。セルロースアシレートは、セルロースの水酸基を構成する水素原子の一部または全部がアシル基で置換されているセルロースエステルを指す。アシル基としては、アセチル基、プロピオニル基、およびブチリル基など挙げられる。これらの基は1種のみが置換されて構成されていてもよいし、2種以上のアシル基が混合置換されていてもよい。アシル基置換度の総和は、好ましくは2.2〜3.0であり、より好ましくは2.2〜2.8であり、特に好ましくは2.2〜2.7である。なかでも、この置換度を満たすセルロースアセテート、セルロースアセテートプロピオネート、又はセルロースアセテートブチレートのいずれかであることが好ましく、セルロースアセテートであることが最も好ましい。一般にセルロースアシレートは、エステル化度によって溶剤が異なることが知られているが、あらかじめエステル化率の高いセルロースアシレートで担体を作製したのちに、アルカリ加水分解処理等を行って表面を親水化してもよい。
セルロースアシレート繊維のみでも十分に実用的な有害物質除去材料を形成することが可能であるが、強度や寸度安定性をさらに向上させる等の目的で、ポリエステル系繊維・ポリオレフィン系繊維・ポリアミド系繊維・アクリル系繊維等との混紡繊維により担体を形成してもよい。混紡繊維を用いる場合には、セルロースアシレート繊維の質量分率は50%以上であることが望ましく、70%以上であることがさらに望ましい。
抗体フィルターにおいて担体として用いられる繊維の群のなかでは、ポリアミド繊維であることも望ましい。
本明細書においてポリアミドとは、化学構造単位が主としてアミド結合で結合されている線状高分子からなる繊維を指す。
ポリアミドの中でも、エチレンジアミン、1−メチルエチレンジアミン、1,3−プロピレンジアミン、ヘキサメチレンジアミンなどの脂肪族ジアミンと、マロン酸、コハク酸、アジピン酸などの脂肪族ジカルボン酸との結合体である直鎖型脂肪族ポリアミドが好ましい。特に、ナイロン66が好ましい。
前記のジアミンおよびジカルボン酸以外にも、ε−カプロラクタムやラウロラクタム等のラクタム類、アミノカプロン酸、アミノウンデカン酸等のアミノカルボン酸類、パラ−アミノメチル安息香酸等を単独または共重合成分として用いた脂肪族ポリアミドを用いることもできる。特に、ε−カプロラクタムの単独使用で製造されるナイロン6が好ましい。
これらの他に、原料の脂肪族ジアミンとして一部または全部をシクロヘキサンジアミン、1,3−ビス(アミノメチル)シクロヘキサン、1、4−ビス(アミノメチル)シクロヘキサンなどの脂環族ジアミンを用いた脂肪族ポリアミド、および/または、ジカルボン酸として一部または全部を1,4−シクロヘキサンジカルボン酸、ヘキサヒドロテレフタル酸、ヘキサヒドロイソフタル酸などの脂環式ジカルボン酸を用いた脂肪族ポリアミドであってもよい。
更に、脂肪族パラキシリレンジアミン(PXDA)やメタキシリレンジアミン(MXDA)などの芳香族ジアミン、テレフタル酸などの芳香族ジカルボン酸を部分的な原料として用いて、吸水性の低減や弾性率向上を実現したポリアミドも含まれる。また、ポリアクリル酸アミド、ポリ(N−メチルアクリル酸アミド)、ポリ(N,N−ジメチルアクリル酸アミド)などのような側鎖にアミド結合を有するポリマーであってもよい。
ポリアミドの中で最も望ましいのは、ナイロン66またはナイロン6である。アミド結合に由来する適度な吸湿性、適度な長さの長鎖脂肪酸からなる分子鎖を繊維軸配向させやすく比較的延伸性が高いこと、融解熱が高く熱容量が大きいことから動力学的にも速度論的にも溶融しにくい(耐溶融性)、長鎖脂肪鎖からなる分子鎖の可とう性や、アミド結合間の水素結合形成のためにフィブリル化やキンクバンドが生じにくい性質、すなわち繰返し屈伸性など、本発明の担体として好ましい性能を活用することができるためである。
同様に強度や寸度安定性を向上させる目的で、担体を金属・高分子材料・セラミックス等の他の適切な構造材料により補強してもよい。これらの補強材は、有害物質除去材料を供給する側面の実質的な最表面以外の部分(例えば、該側面の反対面や芯材に用いる等)に用いることが望ましい。
本明細書において、ビニロンとは、ビニルアルコール単位を65質量%以上含む線状高分子からなり、温度20℃湿度65%の環境に1週間以上放置した後の水分率が7%以下である繊維を指す。ビニルアルコールの水酸基をホルマール化したものであってもよいが、水酸基をホウ酸架橋したポリマーや、公知のアルカリ紡糸法や冷却ゲル紡糸法などの方法により耐水化処理が施された非ホルマール化繊維であってもよい。ビニルアルコール単位以外の成分としてはエチレン鎖、酢酸ビニル鎖などが含まれていてもよいが、ビニルアルコール担体から形成される繊維であることが好ましい。さらに、均質で高配向度・高結晶化度であるために、優れた機械的特性と信頼性が得られるという点で、冷却ゲル紡糸による非ホルマール化繊維であることが最も望ましい。
ビニロンは一般に、他の繊維に対して、高強度、高弾性率、適度な親水性、耐候性、耐薬品性、接着性などに優れており、本発明の担体としてこれらの好ましい性能を活用することができる。
本明細書において、アクリル系とは、アクリロニトリル基の繰返し単位が質量比で40%以上含む繊維を指し、例えば、アクリロニトリルのホモポリマーや、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステル、酢酸ビニルなどの非イオン性モノマーとアクリルニトリルのコポリマー、ビニルベンゼンするスルホン酸、アリルスルホン酸などのアニオン性モノマーとアクリロニトリルのコポリマー、あるいは、ビニルピリジン、メチルビニルピリジンなどのカチオン性モノマーとアクリロニトリルのコポリマーなどの例がある。アクリロニトリルとミルクカゼインのから形成されるいわゆるプロミックス繊維も本カテゴリーに包含される。
アクリル系の繊維は一般に、有機系湿式紡糸法で製造することが多い。この方法では、紡糸原液が凝固浴中で凝固糸を形成するときに、凝固剤である水がノズルより紡出される紡糸原液中に浸入する一方で、紡糸溶剤が紡出した原液から外部に拡散し、このとき、水と有機溶剤(DMF、DMAcなど)が相互拡散することで重合体が析出して無数の空洞が網目状につながった構造をもつ凝固糸条が形成される。また、凝固過程で溶剤が凝固浴中に拡散することによる体積収縮により形成される繊維断面の変形や表面のマクロフィブリル構造形成による凹凸形成が特徴である。これらの微細構造は本発明で使用する担体の構造としては、非表面積向上や抗体担持のし易さの点で好ましい。
本発明で用いるアクリル系繊維は、原料ポリマーの組成や紡糸法、製造工程内の後処理条件などにより変動するが、一般に、適度な親水性、耐候性が高い、かさ高い繊維が得られやすいという利点がある。
本発明で用いるポリウレタンは、単量体相互の結合部分または基本となる基材重合体相互の結合部分が主としてウレタン結合による線状合成高分子からなる繊維を指す。ポリウレタンセグメントを質量比で85%以上含むことが望ましい。低融点で柔らかい分子量数千までのソフトセグメントと、剛直性で凝集力の高い高融点のハードセグメントからなるセグメント化ポリウレタンのブロック共重合であることが望ましい。ソフトセグメントとしては、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコールなどのポリエーテル、ハードセグメントとしては、4,4’−ジフェニルメタンジイソシアネート、m-キシレンジイソシアネートなどで形成されるウレタン基を用いることができる。ポリウレタンは一般に高い弾性を示すのが特徴で、両セグメントの化学構造や分布など高分子鎖の一時構造の違いや、製糸条件の違いなどからくる二次構造の違いによって異なるが、よく伸びる、伸縮回復力が高い、ゴム材料に比べて老化しにくい・細い繊維が得られるなどの特徴があり、本発明の担体として用いた場合にもこれらの性質を活用することができる。
また、本発明で用いる担体を構成する繊維の20℃の水に対する体積膨潤度は1.1%以上10%未満であり、好ましくは1.1%以上8%未満であり、特に好ましくは1.1%以上6%未満であり、最も好ましくは1.1%以上5%未満である。なお、本発明における20℃の水に対する繊維の体積膨潤度とは、乾燥繊維を20℃の純水に1時間浸漬する前後の繊維の密度を密度勾配管法(JIS−K7112)にて求めた体積膨潤度をさす。
担体を構成する繊維の機械的物性ならびに寸法安定性については、乾燥時伸度が25%以上であることが望ましい。ここで乾燥時伸度とは、十分に長い時間かけて乾燥した繊維の20℃における引張試験における破断伸度をさす。一般に乾燥時伸度が10%以上で製布等の加工に適することが、フィルター加工及び実用時の破壊(ろ過効率の低下につながる)を防止するには25%以上であることが好ましく、30%以上であることがより好ましく、35%以上であることが最も好ましい。
なお、ここで言う水分率とは公定水分率のことであり、公定水分率とは繊維を20℃、相対湿度65%の環境下に長時間放置したときに繊維に含まれる水分率のことを指す。また、他の繊維との混紡繊維の場合にはその混紡繊維全体の公定水分率を指すものとする。
前項と同様。
担体を構成する繊維の表面は、数十ナノメートルから数マイクロメートルスケールの微細な凹凸構造を有することが好ましい。凹凸の形状は、繊維方向と平行方向に形成された溝状あるいは筋状の立体形状であってもよいし、繊維方向と垂直すなわち軸に対して同心円状に形成された溝状あるいは筋状の立体形状であってもよく、これらの立体形状は繊維方向と平行方向から垂直方向迄の任意の角度で形成されたものが任意の比率、密度で存在してもよい。公知のセルロースアセテート繊維の紡糸法で得られる試料には、表層のスキン層形成と溶剤乾燥に伴うスキン層の陥没により、繊維断面が不定形の菊型を形成することが知られているが、この凹凸は本発明においても好ましい形態である。
ナノメートルからマイクロメートルスケールの微細な凹凸構造は、空孔状および/または突起状であってもよい。平均径にして1nmから1μmの空孔または突起であることが望ましい。これらの空孔や突起は、例えば溶液のキャビテーションや微細分散質を分散させた溶液(例えば硫酸バリウム粒子を分散させたスラリーとの混合)を利用するなどの方法により紡糸工程で形成させたり、アシル基の加水分解や表面酸化処理など方法(例えばアルカリ水溶液により繊維表面をセルロース化したのち、酵素処理により繊維表面にミクロクレーターを発現させたりするなど)により後工程によって形成させたりすることができる。
抗体フィルターにおいて担体として用いられる繊維の平均繊維径は、50μm以下であることが望ましく、10μm以下であることがより好ましく、1μm以下であることが特に好ましく、100nm以下であることが最も好ましい。なお、本発明の平均繊維径は走査型電子顕微鏡(SEM)の観察画像から任意の300箇所における繊維中の直径を測定し、それを算術平均することによって求めた数値である。
抗体フィルターにおいて担体として用いられる繊維の作製法としては、溶融紡糸、湿式紡糸、乾式紡糸、湿乾式紡糸など一般的な製造法や、物理的処理(例えば超高圧ホモジナイザーによる強力な機械的せん断処理)によって繊維を微細化する方法などが挙げられるが、安定な品質を確保するためには、乾式紡糸もしくは湿乾式紡糸法を用いることが好ましい。平均繊維径が100nm以下で均一な繊維を作製するためには、さらに加工技術、2005年、40巻、No.2、101頁、および167頁;Polymer International誌、1995年、36巻、195〜201頁;Polymer Preprints誌、2000年、41(2)号、1193頁;Journal of Macromolecular Science : Physics誌、1997年、B36、169頁などに開示されている電界紡糸法を採用することが好ましい。
紡糸に用いる溶媒としては、塩化メチレン、クロロホルム、ジクロロエタンなどの塩素系溶媒、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、N−メチルピロリドンなどのアミド系溶媒、アセトン、エチルメチルケトン、メチルイソプロピルケトン、シクロヘキサノンなどのケトン系溶媒、THF、ジエチルエーテルなどのエーテル系溶媒、メタノール、エタノール、イソプロパノールなどのアルコール系溶媒、水など、合成樹脂繊維に用いられる樹脂を溶解するものであれば何でも用いることができる。これらの溶媒は単独で用いてもよいし、複数種混合して用いてもよい。
電界紡糸法を採用する場合には樹脂溶液に、さらに塩化リチウム、臭化リチウム、塩化カリウム、塩化ナトリウムなどの塩を添加してもよい。
抗体フィルターの担体を構成する繊維同士は部分的に接着することにより三次元ネットワークを形成している構造をもつことが望ましい。かような構造をとることにより、加工ならびに実用上の機械的耐性の向上、ひいては有害物質除去材の信頼性をあげることができる。また本発明の抗体の保持特性を上げることができる。繊維同士の接着はSEM等の方法で観察することができる。繊維同士の接着点の密度は、該有害物質除去材の投影表面積に対して1mm角辺り10箇所以上存在することが好ましく、100箇所以上であることがより好ましい。
接着点を形成する方法としては、乾式紡糸法で形成される癒着や溶融紡糸法で形成される融着点で形成してもよいし、紡糸後に加熱や、接着剤・可塑化溶剤等の添加による接着点形成処理を行ってもよい。製造コストの観点では適切な溶液処方により乾式紡糸法で癒着点を形成させることが好ましい。
抗体フィルターに用いられる抗体は、特定の有害物質(抗原)に対して特異的に反応(抗原抗体反応)するタンパク質であり、分子サイズが7〜8nmであって、Y字状の分子形態を有する。抗体のY字状分子構造のうち、一対の枝部分をFab、幹部分をFcといい、これらのうち、Fabの部分で有害物質を捕捉する。
前記抗体の種類は、捕捉しうる有害物質の種類に対応する。抗体により捕捉される有害物質としては、例えば、細菌、カビ、ウイルス、アレルゲン及びマイコプラズマを挙げることができる。具体的には、細菌としては、例えば、グラム陽性菌であるブドウ球菌属(黄色ブドウ球菌や表皮ブドウ球菌)、ミクロコッカス菌、炭疽菌、セレウス菌、枯草菌、アクネ菌などや、グラム陰性菌である緑膿菌、セラチア菌、セパシア菌、肺炎球菌、レジオネラ菌、結核菌などを挙げることができる。カビとしては、例えば、アスペルギルス、ペニシリウス、クラドスポリウムなどを挙げることができる。ウイルスとしては、インフルエンザウイルス、コロナウイスル(SARSウイルス)、アデノウイルス、ライノウイルスなどを挙げることができる。アレルゲンとしては、花粉、ダニアレルゲン、ネコアレルゲンなどを挙げることができる。
前記抗体の製造方法としては、例えば、ヤギ、ウマ、ヒツジ、ウサギ等の動物に抗原を投与し、その血液からポリクローナル抗体を精製する方法、抗原を投与した動物の脾臓細胞と培養癌細胞とを細胞融合し、その培養液または融合細胞を植え込んだ動物の体液(腹水等)からモノクローナル抗体を精製する方法、抗体産生遺伝子を導入した遺伝子組み換え細菌、植物細胞、動物細胞の培養液から抗体を精製する方法、ニワトリに抗原を投与して免疫卵を産ませ、卵黄液を殺菌及び噴霧乾燥して得た卵黄粉末から鶏卵抗体を精製する方法を挙げることができる。これらのうちでも、鶏卵から抗体を得る方法は、容易にかつ大量に抗体が得られ、有害物質除去材の低コスト化を図ることができる。
抗体フィルターに用いられる抗体は鶏卵抗体であることが好ましい。
前記担体に抗体を担持する(固定化する)方法としては、担体をγ−アミノプロピルトリエトキシシランなどを用いてシラン化した後、グルタールアルデヒドなどで担体表面にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と抗体とを共有結合させる方法、未処理の担体を抗体の水溶液中に浸漬してイオン結合により抗体を担体に固定化する方法、特定の官能基を有する担体にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と抗体とを共有結合させる方法、特定の官能基を有する担体に抗体をイオン結合させる方法、特定の官能基を有するポリマーで担体をコーティングした後にアルデヒド基を導入し、アルデヒド基と抗体とを共有結合させる方法をあげることができる。
ここで、前記の特定の官能基としては、NHR基(RはH以外のメチル、エチル、プロピル、ブチルのうちいずれかのアルキル基)、NH2基、C65NH2基、CHO基、COOH基、OH基を挙げることができる。
また、前記担体表面の官能基を、BMPA(N-β-Maleimidopropionic acid)などを用いて他の官能基に変換した後、その官能基と抗体とを共有結合させる方法もある(BMPAではSH基がCOOH基に変換される)。
更に、前記抗体のFcの部分に選択的に結合する分子(Fcレセプター、プロテインA/Gなど)を担体表面に導入し、それに抗体のFcを結合させる方法もある。この場合、有害物質を捕捉するFabが担体に対して外向きになり、Fabへの有害物質の接触確率が高くなるので、効率よく有害物質を捕捉することができる。
前記抗体は、リンカーを介して担体に担持されていてもよい。この場合、担体上での抗体の自由度が高くなり、有害物質への接近が容易となるので、高い除去性能を得ることができる。リンカーとしては、二価以上のクロスリンク試薬を挙げることができ、具体的にはマレイミド、NHS(N-Hydroxysuccinimidyl)エステル、イミドエステル、EDC(1-Ethyl-3-[3-dimethylaminopropyl]carbodiimido)、PMPI(N-[p-Maleimidophenyl]isocyanate)があり、標的官能基(SH基、NH2基、COOH基、OH基)に選択的なものと非選択的なものとがある。また、クロスリンク間の距離(スペースアーム)もクロスリンク試薬ごとに異なっており、目的の抗体に応じて0.1nm〜3.5nm程度の範囲で選択することができる。有害物質を効率的に捕捉するという観点からは、リンカーとして抗体のFcに結合するものが好ましい。
リンカーを導入する方法としては、抗体にリンカーを結合させておき、それを更に抗体に結合する方法、担体にリンカーを結合させておき、担体上のリンカーに抗体を結合させる方法のいずれも可能である。
本発明にかかる空気清浄機は、病院、学校、幼稚園、公共施設、待合室、飛行機、電車などの室内に設置することができる。例えば、病院の床頭台に設置することができる。また、空調システムに取り付けて使用することも可能である。
また、空気清浄機は、有機物質の消臭などの機能とともに、マイナスイオンや除菌イオン、オゾンを発生、供給する機能を兼ね備えていてもよい。
以下に実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。以下の実施例は本発明の趣旨から逸脱しない限り適宜変更することができる。従って、本発明の範囲は以下の具体例に制限されるものではない。
<抗体フィルター作製>
セルロースアセテート(アルドリッチ製、全置換度2.4、数平均分子量3万)のアセトン:水(97:3)溶液(25質量%)を60℃に加温し、直径0.1mmのノズルから、紡速500m/mの速度で空気中に噴出させ、公定水分率が6.4%、繊維径200nm、膜厚4mmの抗体フィルター作製用不織布(N−1)を作製した
抗原を投与したニワトリが産んだ免疫卵を精製して作製したインフルエンザウイルス抗体(IgY抗体)をリン酸緩衝生理食塩水(PBS)に溶解させ、抗体濃度100ppmになるように調製した。調製した液に上記不織布N−1を室温で16〜24時間浸漬させ、繊維表面に抗体を付与させた。得られた試料を25℃20%RHの環境下で24時間静置し、次に25℃90%RHの環境下で24時間静置した。この操作を交互に3回ずつ、合計6条件の間で繰返した。
<光触媒フィルターの作製>
ポリエステル/アクリル系からなる線径20μm、膜厚7mmの不織布に光触媒コーティング剤(TKC−304:テイカ製)を1m2あたり7.5gとなるよう担持させ、100℃で3分乾燥させ光触媒フィルターを作製した。
<空気清浄機用ケースへのフィルター配置>
上記の光触媒フィルターをフィルター保持部2、上記の抗体フィルターをフィルター保持部1に用いて、空気清浄機を作製した。空気清浄機用ケースとしてはいずれもフィルター保持部2およびフィルター保持部1のみを有し、フィルター保持部には着脱可能にフィルターを取り付け可能であるケースを作製した。さらに紫外線光源としてフィルター保持部2およびフィルター保持部1の間に245nm付近の紫外線を効率よく放射するPHILIPS製の光源TUV6Wを配置し、送風部としてはフィルター保持部1の下流に軸流ファン(山洋電機製9A0812S402)を配置した。
上記の空気清浄機用ケースの紫外線光源とフィルター保持部1との間に図2に示す熱電素子と霧化部とを設けた空気清浄機を作製した。熱電素子としてはペルチェ素子(フェローテック製サーモモジュール9501/031/030B)を使用した。霧化部としては、榎本ポンプ製モーター式エアポンプCM-50-12を噴霧用送風空気源として、株式会社共立合金製作所製エバーロイ二流体ノズル ミニミストノズルをアトマイザーノズルとして使用した静電霧化装置を使用した。
なお、上記の光触媒フィルターおよび抗体フィルターは樹脂成形枠を設けて、吸気部と排気部との間に形成される空気の流路を密閉するように取り付けた。
ペルチェ素子の機構概念図(左)、及び構造(右)を示す図である。 空気清浄機の制御系を示すブロック図である。 本発明の空気清浄機の例を示す概略図である。 実施例で用いられたペルチェ素子と得られた結露水を霧化する噴霧部とを示す図である。
符号の説明
1.フィルター保持部2に取り付けられているフィルター
2.フィルター保持部1に取り付けられているフィルター
3.紫外線光源
4.熱電素子及び霧化部
5.吸気部
6.排気部
7.送風部
11. ペルチェ素子
12. 冷却面(結露水を得る面:低温部)
13. 過熱面(高温部)
14. ヒートシンク
15. 結露水貯蔵タンク
17. ミストアトマイザー
18. エアポンプ
19. 制御部
21.温湿度センサ
22.制御部
23.霧化装置
24.噴霧部
25.熱電素子
26.電源部
27.電源
31.セラミック(低温部、冷却面)
32.セラミック(高温部、放熱面)
33.被冷却物
34.リード線

Claims (7)

  1. 吸気部、フィルター保持部1および排気部が、前記吸気部から前記排気部の間に形成される空気の流路上にこの順に配置された空気清浄機用ケースであって、
    前記吸気部とフィルター保持部1との間に、熱電素子及び該熱電素子により得られた結露水を噴霧する霧化部が配置された空気清浄機用ケース。
  2. 前記熱電素子がペルチェ素子である請求項1に記載の空気清浄機用ケース。
  3. 前記霧化部が静電霧化装置である請求項1または2に記載の空気清浄機用ケース。
  4. 前記熱電素子及び霧化部とフィルター保持部1との間に、他のフィルター保持部が配置されない請求項1〜3のいずれか一項に記載の空気清浄機用ケース。
  5. 前記霧化部からフィルター保持部1に空気流路を形成する送風部、室温及び/又は湿度を検出するセンサ部、ならびに該センサ部の信号に基づいて該送風部を制御する駆動制御部を備えている請求項1〜4のいずれか一項に記載の空気清浄機用ケース。
  6. 請求項1〜5に記載の空気清浄機用ケースにおいて、フィルター保持部1にフィルターが取り付けられている空気清浄機。
  7. 請求項1〜5に記載の空気清浄機用ケースにおいて、フィルター保持部1に抗体フィルターが取り付けられている空気清浄機。
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