JP2009183206A - ウコン色素含有チョコレート - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、チョコレートとウコン色素のみの組み合わせにより、摂取し易く、かつ、チョコレートの食感を損ねることのない、酒酔い防止、酒酔い解消、さらに肝機能向上するウコン色素含有チョコレートを提供することを目的とする。
【解決手段】上記課題を解決するために、本発明は、ウコン色素の粉末をチョコレートの油性原料に予め混合・溶解させ、チョコレート組成中にウコン色素が0.1重量%〜10重量%となるよう添加されていることを特徴とするウコン色素含有チョコレートの構成とした。
【選択図】なし

Description

本発明は、ウコン色素をチョコレートに添加した機能性チョコレートに関する。
嗜好品であるチョコレートに特定の機能を付与したチョコレートの提供を検討した。例えば、飲酒による二日酔い防止、二日酔い解消物質として、ウコンが知られている。ウコンには、クルクミン(クルクミン類縁体を含む)(以下、ウコン色素という。)と呼ばれる色素が含まれ、当該色素がその効果を発揮すると言われる。
例えば、ウコンを用いた飲酒に関し、特許文献1のアルコールを急速分解する添加剤を混合した 健康食品と健康飲料が公開されている。特許文献1の発明は、アルコール急速分解剤を添加した飲酒運転者用の健康食品または健康飲料を提供するため、健康食品の加工に於いて、チョコレートや砂糖飴やチューインガムやウーロン茶に柿渋、ウコン、タンニン、田七粉、日々草等をアルコールの急速分解剤として混合すると共に、アロエベラや螺旋水藻の栄養源を添加し甘味料、香料、塩分を適当に添加する事を特徴とするアルコール急速分解健康食品と健康飲料の構成とする。
特開2000−83620号公報
また、特許文献2の酒酔い防止剤が公開されている。特許文献2の発明は、酔いざまし効果を有し、副作用なしに悪酔、二日酔いなどのアルコールによる副作用を予防または処置改善するための薬剤として、ホウトウクウ(ヤマブシタケ)由来の成分を含む、飲酒による作用を予防または処置するための組成物、また前記組成に、米胚芽発酵エキス末、秋ウコン末、ヨーグルトパウダー、牡蠣エキス末、亜鉛酵母、ビタミンCおよびクエン酸からなる群より選択されるさらなる成分を含む構成(請求項17)とする。
特開2006−22056号公報
しかしながら、特許文献1に記載のアルコール急速分解健康食品と健康飲料は、柿渋を基本に、ウコン粉、タンニン、田七粉、日々草、アロエベラ、ウーロン茶などとともにチョコレートに混合或いはチョコレートで被覆したものである。従って、チョコレートに求められる食感の1つである滑らかさを損なうこととなる。さらに、効果があるとされる複数の素材を混合しており、果たして、ウコンの効果が発揮されているか定かではない。さらに課題を解決する手段には、「特に、田七粉の添加は即効性がある。」とあるが、他の添加物についてアルコール分解作用に効果的であるか明確でない。
また、特許文献2に記載の酒酔い防止剤は、ホウトウクウ(ヤマブシタケ)を基本に、複数の添加物が挙げられている。特に請求項17に「秋ウコン末」が挙げられている。また明細書段落0065には、「「秋ウコン」は、学名をウコン(クルクマ・ロンガ/Curcuma
longa)といい、クルクミンを含み、根の部分を用いる。クルクミンを含めば、市販品を含めどのようなものでも使用することができる。」とある。
また明細書段落0077に、「本発明の組成物において、上記植物成分の乾燥物は、ホウトウクウ乾燥物100重量部に対してそれぞれ200重量部以下、好ましくは1〜100重量部、さらに好ましくは2〜200重量部の割合で含有される。例えば、植物成分としてハトムギ、ハブ茶、およびウコンの混合物を用いる場合には、ホウトウクウ乾燥物100重量部に対して、ハトムギ10〜50重量部、ハブ茶10〜50重量部、およびウコン1〜10重量部が適切である。」とある。
やはり、ホウトウクウ(ヤマブシタケ)を基本に、他の成分とウコン末を組み合わせてなる組成物であり、ウコン成分とチョコレートのみの組み合わせによって、酒酔い防止、改善について、示唆すらされていない。
そこで、本発明は、チョコレートとウコン色素のみの組み合わせにより、摂取し易く、かつ、チョコレートの食感を損ねることのない、酒酔い防止、酒酔い解消、さらに肝機能向上するウコン色素含有チョコレートを提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、本願発明は、チョコレート組成中に、ウコン色素が0.1重量%〜10重量%添加されていることを特徴とするウコン色素含有チョコレートの構成、
前記ウコン色素の粉末をチョコレート原料の油性原料に予め混合・溶解させ、チョコレート原料に添加することを特徴とする前記ウコン色素含有チョコレートの構成、
前記油性原料が、レシチンであることを特徴とする前記ウコン色素含有チョコレートの構成、
前記ウコン色素含有チョコレートが、ウコン色素の効果を発揮する量単位で包装されていることを特徴とする前記ウコン色素含有チョコレートの構成とした。
本発明であるウコン色素含有チョコレートによれば、飲酒による弊害(悪酔い、二日酔いなど)を解消でき、肝機能を向上させることができる。ウコン色素の粉末をチョコレートの添加物であるレシチンに予め混合、溶解させるためママコの発生を抑制することができる。また、上記添加量であれば、チョコレートの持つ風味、滑らかな食感を損なうことがない。
ウコン色素は、油溶性であるため、チョコレートに溶解し、チョコレートの物性に悪影響を及ぼすことがない。さらに、ウコン色素の効果を発揮する量単位、例えば一口サイズで個別に包装されていることにより、携帯性に優れ、適量を摂取することができる。
本発明は、チョコレートとウコン色素のみの組み合わせにより、摂取し易く、かつ、チョコレートの食感を損ねることのない、酒酔い防止、酒酔い解消、さらに肝機能向上するウコン色素含有チョコレートを提供する目的を、ウコン色素の粉末をチョコレート原料の油性原料に、例えばレシチンに予め溶解させ、チョコレート組成中にウコン色素が0.1重量%〜10重量%となるよう添加し、ウコン色素の効果を発揮する量単位、例えば一口サイズで成型し、冷却・固化、個別に包装されてなることを特徴とするウコン色素含有チョコレートの構成とすることによって実現した。
前記油性原料には、レシチンの他、チョコレート原料の油脂、ウコン以外の油性色素、チョコレートそのものなどがある。その中でも、特に粘性のある原料が好ましい。粘性があっても、ミキサー等の撹拌力のある混合機で容易に均一分散することができ、製造中のチョコレート原料にウコン分散油性原料を添加しても、容易に均一に分散する。一方、粘性が低いと、ウコン色素粉末がママコになりやすく、均一に分散されないことがある。
以下、添付図面に基づいて、本発明であるウコン色素含有チョコレートについて、詳細に説明する。
図1は、本発明であるウコン色素含有チョコレートの配合組成の一例である。ウコン色素は、ウコンから抽出したクルクミノイド(クルクミン、その類縁体を含む色素群)の粉末、三栄源エフエフアイ(株)製、商品名「粉末クルクミンNO3705」/クルクミノイド99.9%含有を使用した。
チョコレートは、糖、カカオ由来原料、乳原料、香料などを加温、混合し、ロール掛けし、必要に応じて、テンパリングし、冷却、固化してなる一般的なチョコレートである。
また、図1の実施例1〜3、比較例1,2は、ウコン色素の含有量を除き、製造工程、原料比は同一とした。なお、表の数値は、重量%である。表の最下段は、5g(1口サイズ)中のウコン色素の含有量(mg)を示した。
実施例1のウコン色素含有チョコレートは、ウコン色素換算で、1.0重量%を、通常チョコレートに添加する量のレシチンに予め混合・溶解し、チョコレートの加温、混合工程で、チョコレート原料に添加し、定法のチョコレート製造方法によって製造したものである。成型された実施例1のチョコレートの大きさは、25mm×35mm×7mm、5g(以下、同じ。)である。
同様に、実施例2、3につてもウコン色素(換算)が、0.5、10重量%となるようレシチンに予め混合・溶解し、加温、混合工程で添加し、冷却、固化して製造した。比較例1は、ウコン色素が添加されていない通常のチョコレートである。比較例2は、ウコン色素(換算)0.1重量%とした。
図2は、本発明と比較例との風味、効果の比較結果である。「風味」は、熟練したパネラー5人の評価であり、○はチョコレートとして遜色ない風味であることを意味する。なお、ウコン色素10重量%が、風味においも上限であった。データーは示さないが、ウコン色素15、20重量%ではウコン色素独特の風味が強く感じられ、チョコレートとしては問題があった。
「酔い防止」は、全くアルコールを飲めない人及びアルコールに強いと言われる人を除き、被験者10人に、飲酒30分前に、実施例、比較例のチョコレート1個(25mm×35mm×7mm)を摂取(1日1種類とし、5日間に渡り試験した。)した後、アルコールとして、日本酒(アルコール15.5%)を1合摂取して、1時間後の酔いの程度を通常の同量の飲酒時と比較して、酔いがない、酔いが軽い、変わらない、いつもよりやや酔いを感じる、一層の酔いを感じる、の5段階評価を行った結果である。なお、試験に供したウコン色素含量については、知らせずに試験を行っている。
試験の結果、通常の同量の飲酒時に比べ、酔いがない、酔いが軽い、と答えた人が、7人以上いた場合を○とし、6人以下の場合を×とした。1口サイズ(25mm×35mm×7mm)の実施例、比較例の組成のチョコレートを摂取した結果、ウコン色素0重量%(比較例1)、ウコン色素0.1重量%(比較例2)では、酔い防止に改善は見られなかった。一方、ウコン色素1.0重量%(実施例1)、0.5重量%(実施例2)、10重量%(実施例3)では、酔い防止に効果が見られた。
「二日酔い改善」は、全くアルコールを飲めない人及びアルコールに強いと言われる人を除き、被験者10人に、飲酒30分前に、実施例、比較例のチョコレート1個を摂取(1日1種類とし、5日間に渡り試験した。)した後、アルコールとして、日本酒(アルコール15.5%)を3合摂取して、9時間後(翌朝)の酔いの程度を通常の同量の飲酒時と比較して、二日酔いを感じない、軽い、変わらない、いつもよりやや二日酔いを感じる、一層の二日酔いを感じる、の5段階評価を行った結果である。なお、試験に供したウコン色素含量については、知らせずに試験を行っている。
試験の結果、通常の同量の飲酒時に比べ、二日酔いを感じない、二日酔いが軽い、と答えた人が、7人以上いた場合を○とし、6人以下の場合を×とした。1口サイズ(25mm×35mm×7mm)の実施例、比較例の組成のチョコレートを摂取した結果、ウコン色素0重量%(比較例1)、ウコン色素0.1重量%(比較例2)では、二日酔い改善は見られなかった。一方、ウコン色素1.0重量%(実施例1)、0.5重量%(実施例2)、10重量%(実施例3)では、二日酔い改善が見られた。
なお、ウコン色素含量が0.1重量%であっても、1食辺りのチョコレート量が多い場合、例えば、50g(ウコン色素含有量50mg)摂取する場合には、酔い防止、二日酔い改善効果が発揮されることは当然である。従って、ウコン色素の含有量は、一度に摂取するチョコレート量を考慮し、0.1重量%〜10重量%の範囲から適宜選択すればよい。
本発明であるウコン色素含有チョコレートの配合組成の一例である。 本発明と比較例との風味、効果の比較結果である。

Claims (4)

  1. チョコレート組成中に、ウコン色素が0.1重量%〜10重量%添加されていることを特徴とするウコン色素含有チョコレート。
  2. 前記ウコン色素の粉末をチョコレート原料の油性原料に予め混合・溶解させ、チョコレート原料に添加することを特徴とする請求項1に記載のウコン色素含有チョコレート。
  3. 前記油性原料が、レシチンであることを特徴とする請求項2に記載のウコン色素含有チョコレート。
  4. 前記ウコン色素含有チョコレートが、ウコン色素の効果を発揮する量単位で包装されていることを特徴とする請求項1〜請求項3の何れかに記載のウコン色素含有チョコレート。
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