JP2009183067A - 携帯電子機器 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】制御部17は、予め記憶部16に記憶された基準容量テーブルと、外部接続された測定器により計測されるスリープ区間電流値とに基づき、非スリープ時において実測される電流値と、スリープしていた時間、およびスリープ区間電流値の積算値とを合計し、当該合計値を基準容量テーブル160に記憶された基準容量値から減算して電池残量を算出する。
【選択図】図2
Description
このため、携帯電話は、電流を測定する必要があり、従来、電池と携帯電話本体との間に電流監視抵抗を直列に接続し、その両端の電圧降下を監視し、電流値に換算することが行われている。
なお、携帯電話機は、待ち受け時に一定の周期で機器を立ち上げ、その場合、比較的大きな電流が流れ、それ以外はスリープ状態となって微小な電流が流れている状態になる。すなわち、携帯電話機は、電圧や電流を機器が稼動している場合にのみ電流測定を行うことができ、スリープ区間中での測定は困難である。スリープ期間中に無理に電流測定を行うと、機器を動かす必要があるため省電力動作が損なわれてしまう。
仮に、電流測定回路を実装した場合でも、スリープ区間中は極微小な電流となるため、携帯電話機に実装されている8〜12ビット程度のADコンバータで測定しても、スリープ区間と機器の立ち上げ区間の電流レンジを再生するには困難であり(仮に、ADコンバータを12ビット、最大計測電流を1Aとした場合、1A/12ビット(4096)=0.000244Aまで測定は可能であるが、1mAの電流を正確に測定するには、0.01mA(10uA)程度の分解能が必要となる)、この測定を実現するには、計測器等、高分解能の精度が必要となる。
図1に示されるように、携帯電話機100は、上部筐体101と、下部筐体102と、ヒンジ部103とを有する。
図1(a)に示されるように、上部筐体101には、図1(b)に示す携帯電話機100の閉状態においては外部には露出しない一面に表示部14が配置されている。
また、図1(a)に示されるように、下部筐体102には、図1(b)に示す携帯電話機100の閉状態において外部には露出しない一面に操作部12が配置されている。
具体的には、例えば上部筐体101に配置した図示しない突起部により、下部筐体102の図示しない検出スイッチが押しているか否かを制御部17が監視することにより閉状態を検出している(すなわち検出スイッチが押下されていれば閉状態、そうでなければ開状態と判定)。なお、開閉検出は、スイッチに限らず、各種センサであってもよい。
図2に示されるように、携帯電話機100は、制御部17を制御中枢とし、電源制御部10と、無線通信部11と、操作部12と、音声入出力部13と、表示部14と、撮像部15と、記憶部16と、制御部17のそれぞれが、アドレス、データ、コントロールのためのラインが複数本からなるシステムバス18に共通に接続され、構成される。
また、電流監視抵抗(R)の両端に接続された電流アンプ32は、電流監視抵抗(R)による電圧降下を増幅して制御部17が内蔵するADコンバータ180に出力し、制御部17内において電流値に変換され消費電流測定が行われる。
操作部12は、例えば、電源キー、通話キー、数字キー、文字キー、方向キー、決定キー、発信キー、ファンクションキーなど、各種の機能が割り当てられたキーを有しており、これらのキーが操作者によって操作された場合に、その操作内容に対応する信号を発生し、これを操作者の指示として制御部17に出力する。
すなわち、音声入出力部13は、マイクロフォンから入力された音声を増幅し、アナログ/デジタル変換を行い、更に符号化等の信号処理を施し、デジタルの音声データに変換して制御部17に出力する。
また、音声入出力部13は、制御部17から供給される音声データに復号化、デジタル/アナログ変換、増幅等の信号処理を施し、アナログの音声信号に変換してスピーカに出力する。
表示部14は、例えば、無線通信部11による無線発信時における発信先の電話番号、着信時における発信元の電話番号、受信メールや送信メールの内容、日付、時刻、電池残量、発信成否、待ち受け画面等を表示する。
ここでは、更に、後述する制御部17で計測された電流に基づき定量的に求められる所定時間内に消費される基準容量値(基準容量テーブル160)と、外部接続された測定器により計測されるスリープ区間電流値b(161)と、使用する電池の温度特性データ161および劣化特性データ162がそれぞれ記憶されている。データ構造等、詳細はいずれも後述する。
すなわち、制御部17は、携帯電話機100の各種処理(回線交換網を介して行われる音声通話、電子メールの作成と送受信、インターネットのWeb(World Wide Web)サイトの閲覧など)が操作部12の操作に応じて適切な手順で実行されるように、上述した各ブロックの動作(無線通信部11における信号の送受信、表示部14における画像の表示、撮像部15における撮像処理等)を制御する。
さらに、制御部17は、記憶部16に格納されるプログラム(オペレーティングシステム、アプリケーションプログラム等)に基づいて処理を実行するコンピュータ(マイクロプロセッサ)を備えており、このプログラムにおいて指示された手順に従って上述した処理を実行する。
すなわち、制御部17は、記憶部16に格納されるオペレーティングシステムやアプリケーションプログラム等のプログラムから命令コードを順次読み込んで処理を実行する。
また、制御部17は、電池残量算出の都度表示更新の有無を判定し、表示部14に表示させる電池残量の表示を変化させる機能を有する。また、制御部17は、記憶部16に記憶された基準容量値を温度係数もしくは電池の劣化係数に応じて変動させる機能を有する。
これら2つの区間の電流値を時間比率で平均化することで、より正確な待ち受け中の消費電流を認識することが可能になる。
これにより、従来携帯電話機100では困難であったスリープ区間の正確な時間予測が可能になり、更に、正確な電池の残量を出力(表示)でき、したがって、ビデオカメラやパソコンのように、きめ細かい電池残量の表示を行うことが可能になる。以下にその詳細を説明する。
このことにより、携帯電話機本体20の制御部17は、スリープ動作に入り、このタイミングで電流計42により測定された電流値(スリープ区間電流値b)は、制御用PC43により入出力コネクタ44(入出力ポート)を介して携帯電話機本体20に転送され、携帯電話機100本体20の記憶部16の所定の領域に記憶することができる。
図5にこの基準容量テーブル160のデータ構造の一例が示す。この例においては満充電時に800mAhの容量の電池の場合である。消費電力量Iが0mAhの場合には全く消費していない満充電状態であるため残量100%、消費電力量Iが8mAhの場合には残量99%という様に、テーブル化している。図5に示す値はあくまでも説明を簡略化するための例であり、もちろん実測値に基づく詳細な数値が容量に対応付けられることとなるのは言うまでも無い。
制御部17は、この基準容量テーブル160を用いることにより、消費電流量が分かれば満充電に比しての残量を特定することが出来る。
また、制御部17は、後述する処理によって消費電流量Iが特定されると、その値の最新のもののみを記憶部16の、電源OFFされても消去されない領域に記憶し、電源ON中においては最新の情報に更新を続ける。
なお、携帯電話機1は、その電源がON状態においては、この図6に示されるフローチャートの処理が実行される。
図6に示す処理は、電源がONされて以降、あるいは満充電となり充電器から外されたとき以降に繰り返される処理であり、ある程度使用された状態で電源OFFされた後に、再度電源ONされた場合も同様である。このように、「ある程度使用された状態で電源OFFされた後に、再度電源ONされた場合」においては、前回電源OFFされたときの消費電流量Iを記憶部16から抽出し、これを基準容量テーブル160と対比することで、基準とする電池残容量を特定する。
一方、携帯電話機100が稼動中(非スリープ時)であった場合(ステップS600“No”)、制御部17は、稼動区間における消費電流を電流監視抵抗Rの電圧降下に基づき実測する(ステップS603)。
続いて制御部17は、非スリープ時において実測された電流値と、スリープしていた時間と記憶部16に記憶されているスリープ区間電流値との電源がONされて以降の積算値の合計を算出する(ステップS604)。また、この合計から平均値を算出してもよい。そして、この時間と電流値(平均電流)から電源がONされて以降の消費電流量を算出する(ステップS605)。
図7において、稼動区間x(約0.05〜0.1s)において、制御部17は、無線通信部11の間欠受信のタイミング(数ミリ秒毎)で電源制御部10から出力される電流監視抵抗Rの両端の電圧降下をベースに制御部17で測定して消費電流aを求める(約80mA)。
また、スリープ区間yにおいて、制御部17は、スリープ状態に遷移する直前にカウンタを作動させ、非スリープ状態に遷移した直後にそのカウンタをリードすることにより、スリープ区間中の時間y(約2〜5s)を算出する。
続いて制御部17は、ここで算出した時間yと、記憶部16の所定の領域に記憶されているスリープ区間電流値b(約0.5〜2mA)から消費電流を求めることができる。制御部17は、上記のようにして求められる稼動区間とスリープ区間の消費電流値の合算から消費電流量を算出する。
なお、このとき制御部17は、記憶部16の基準容量テーブル160に記憶された値を、使用する電池30の温度係数と劣化係数に応じて変動させるものとする。
このとき使用する温度係数と劣化係数の具体例を、図8(a)(b)にそれぞれ示す。
また、図8(b)は、劣化特性データを示すグラフであり、劣化係数について、縦軸に電池容量を、横軸に充放電サイクルを目盛ったものである。この劣化特性データ162は、記憶部16の所定の領域に記憶されている。制御部17は、充電された回数と、使用(放電)された時間から、基本容量値を徐々に減らして変更するものとする。
また、仮に、約500回で60%程度まで容量が低下する電池30を使用した場合、電源OFFまで使用した際に60%の容量しか取れなくなったときに、電池寿命としてアラームを通知することも可能である。
ローバッテリとは、携帯電話機1が最低限動作可能な残量であり、それまでRAMに格納されていた情報をROMに移したり、OSを正常に終了させたりする電源OFF処理を行うために必要な電力等を確保した値を閾値としている。
ここで、ローバッテリでないと判定された場合(ステップS607“No”)、制御部17は更に、表示部14に電池残量の目安として表示する電池ピクトを更新する必要性が有るか否かを判断する(ステップS608)。電池ピクトとは、電池残量に応じて段階的に表示コマ数を増減させることにより残量の目安を表示するアイコンの一種であり、表示段数ごとに異なる残量閾値が設定されている。制御部17は、この段階的な閾値と、求められた電池残量とを比較する。例えばそれまで3コマの電池ピクト表示を行っていたが、今回算出された残量が3コマ分の閾値を超えなくなった場合には、2コマに更新する必要が有る。このように、前回特定した電池ピクトのコマ数に相応する閾値を、今回の算出によっても超えているかどうかを判定することにより、電池ピクトの表示更新の有無を判定する。そして、制御部17は、表示更新必要有りと判定した場合(ステップS608“Yes”)、表示部14に表示される電池残量表示を変更する(ステップS609)。また、制御部17は、表示更新必要なしと判定した場合(ステップS608“No”)、ステップS601の動作モードの判定処理に戻る。
なお、ステップS607のローバッテリ判定処理において、ローバッテリと判定された場合(ステップS607“Yes”)、制御部17は、電源OFF処理を実行し(ステップS610)、上記した一連の処理を終了する。
また、制御部17は、図6のフローチャートにおいて、ステップS605において算出した消費電流の平均値(すなわち電源ONの間における平均電流値)を、表示部14に表示させる。
このように、本実施の形態によれば、大きな幅でしか表示されず、あくまで目安にしか使えなかった電池残量表示を、より一層現実に近い値として表示させることが可能になる。
さらに、制御部17は、電源がONになってからの消費電流の平均値を表示部14に表示させるよう構成しているため、ユーザは自らの使用状態を認識でき、日々の使用における電池消費の目安を得ることが出来るため、電池消費量を減らして充電回数を少なくするなど、使い方に幅を持たせることもできる。
更に、電池の温度係数や劣化係数も反映させた残容量監視が可能になるため、初期状態からの変化分も正確に認識でき、例えば、電池寿命の判断や、前回容量との急激な変化が発生した場合、電池異常として電池交換の意識付け、あるいは修理への誘導が可能になる。
例えば、非スリープ時において計測される電流値と、スリープしていた時間および記憶部16に記憶されているスリープ区間電流値の積算値とを合計し、当該合計値を記憶部16に記憶された基準容量値から減算して電池残量を算出する制御部17におけるデータ処理は、1または複数のプログラムによりコンピュータ上で実現してもよく、また、その少なくとも一部をハードウェアで実現してもよい。
Claims (6)
- 充放電可能な電池と、
前記電池に接続されて当該電池から出力される電流を監視する電流計測部と、
動作制限を行うことにより省電力とするスリープモードを有する制御部と、
予め前記制御部がスリープ状態のときに消費される電流値をスリープ区間電流値として記憶する記憶部とを備え、
前記制御部は、
非スリープモード時における前記電流計測部より計測される電流値に基づく消費電流量と、スリープモードになっていた時間およびスリープ区間電流値の積算値とを合計し、当該合計値を前記電池の所定の基準容量値から減算することにより現在の電池残量を取得する
ことを特徴とする携帯電子機器。 - 前記記憶部は、予め消費電流量ごとの前記電池の容量値を対応付けたテーブルを記憶しており、
前記制御部は、前回算出時の合計値を消費電流量として前記テーブルを参照することにより特定される容量値を、前記所定の基準容量値として用いる
ことを特徴とする請求項1に記載の携帯電子機器。 - 前記電池残量に関する表示を行う表示部を更に備え、
前記制御部は、
前記電池残量算出の都度、予め定められた段階的な閾値と、算出された電池残量とを比較し、当該閾値を超えなくなるごとに前記電池残量に関して表示を更新する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の携帯電子機器。 - 前記制御部は、
前記記憶部に記憶された前記所定の基準容量値を前記電池の温度係数もしくは劣化係数に応じて変動させる
ことを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の携帯電子機器。 - 無線通信部を更に備え、
前記制御部は、
少なくとも前記無線通信部の間欠受信のタイミングで前記スリープモードの制御を行うことを特徴とする請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の携帯電子機器。 - 前記制御部は、
非スリープ時において前記電流計測部により計測される電流値と、スリープしていた時間と前期記憶部に記憶されているスリープ区間電流値との積算値の合計から平均値を算出し、当該平均電流値を前記表示部に表示する
ことを特徴とする請求項2に記載の携帯電子機器。
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