JP2009181973A - プラズマ処理装置用ガス拡散板及びプラズマ処理装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】ガスを均一に拡散して放射することができるガス拡散板及びこのガス拡散板を用いたプラズマ処理装置を提供する。
【解決手段】プラズマ用ガスを通過可能なガス拡散板12であって、相互に連通状態の空孔部21によって三次元網目構造をなす骨格部22を有する多孔質焼結金属板によって構成され、プラズマ用ガスを通過可能な補強板11が積層されており、プラズマ発生用の電極部3に配置され、多孔質焼結金属板の表面が放電面とされている。
【選択図】図2

Description

本発明は、プラズマ用ガスを通過させるガス拡散板及びそのガス拡散板を用いたプラズマ処理装置に関する。
半導体デバイス製造プロセスに使用されるプラズマエッチング装置やプラズマCVD装置等のプラズマ処理装置は、チャンバー内に、高周波電源に接続される電極板と架台とを例えば上下に対向配置し、架台の上にシリコンウエハを載置した状態として、電極板に形成した貫通孔からガスをシリコンウエハに向かって流通させながら高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、シリコンウエハにエッチング等の処理を行う構成とされている。
このプラズマ処理装置に用いられる電極板は、材料としては例えば単結晶シリコンが用いられ、その大きさは例えば外径300mm、厚さ数mmの円板状とされる。また、この電極板に形成される貫通孔は、例えば内径約0.5mmのものが8mm程度のピッチで多数形成されたものとされ、例えば、特許文献1、2に記載のようにダイヤモンドドリルを用いたドリル加工によって形成されるのが一般的である。また、特許文献1には、ドリル加工以外にも、超音波加工、放電加工、レーザー加工等による孔開け方法が開示されている。
特開平11−104950号公報 特開平11−281307号公報
ところで、電極板に多数形成されている孔は、プラズマ用ガスを放電面からチャンバー内に一様に拡散させるために設けられているが、ドリル加工や超音波加工、放電加工、レーザー加工等によって形成されるため、電極板の厚さ方向に沿って直線状に形成される。そして、ガスは、電極板の背部に形成されるガス室に供給され、このガス室から電極板の直線状の孔を通ってチャンバー内に放射されるため、ガス室内での圧力変動等によって電極板の面方向に圧力分布が生じると、直線状の孔から放射されるガスの圧力が面内で不均一になり易い。また、複数のガスを用いる場合には、濃度分布が生じ易い。
この場合、チャンバー内は真空雰囲気とされており、電極板の孔を経由するガスは、孔の出口から高速でチャンバー内に放射されるため、わずかな圧力分布でも面内不均一となり易く、エッチング処理の場合にはウエハにエッチングむらが生じ易い。近年では、シリコンウエハが大径化してきたことから、均一性の要求が一層高まってきている。
本発明は、このような事情に鑑みて提案されたもので、ガスを均一に拡散して放射することができるガス拡散板及びこのガス拡散板を用いたプラズマ処理装置の提供を目的とする。
本発明に係るガス拡散板は、プラズマ用ガスを通過可能なガス拡散板であって、相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有する多孔質焼結金属板によって構成されていることを特徴とする。
すなわち、このガス拡散板は、三次元網目構造をなす骨格部の中に空孔部が相互に連通状態にひろがっているので、ガスが内部に侵入すると、そのガスは、ガス拡散板の厚さ方向に通過する間に、その空孔部を伝って面方向にもひろがっていく。したがって、このガス拡散板の一方の面側に供給されたガスの一部に面方向に圧力分布が生じていたとしても、ガス拡散板を通過することで面方向に拡散されることから、他方の面から放射されるときには面内のばらつきが少なくなり、ほぼ均一な圧力となるものである。
また、本発明に係るガス拡散板は、プラズマ用ガスを通過可能な補強板が積層されていることを特徴とする。
つまり、このガス拡散板を構成している多孔質焼結金属板は相互に連通状態の空孔部によって気孔率が大きく強度的に弱いので、補強板により補強し、プラズマ処理装置にも補強板を取り付けることにより、そのチャンバー内に懸架した状態に保持することが可能となる。
そして、このようなガス拡散板をプラズマ発生用の電極部又は該電極部から放出されるプラズマ領域内に配置したプラズマ処理装置とすることにより、プラズマガスの面内均一性を確保し得て、処理基板に対して面内均一なプラズマ処理を施すことができる。
この場合、前記ガス拡散板が前記電極部に設けられ、前記多孔質焼結金属板の表面が放電面とされていることにより、ガス拡散効果を有効に発揮し、面内均一なプラズマガスを生成させることができる。
本発明のプラズマ処理装置用ガス拡散板によれば、相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有する多孔質焼結金属板によって構成されているので、ガスが通過する間に空孔部を伝って面方向にもひろがり、面内で十分に拡散した状態で放射される。したがって、供給されるガスに若干の圧力分布が生じていたとしても、放射面においては面内均一にすることができる。そして、このガス拡散板を用いたプラズマ処理装置とすることにより、プラズマガスの面内均一性を確保し得て、処理基板に対して面内均一なプラズマ処理を施すことができ、その品質を高めることができるという効果を奏する。
以下、本発明の一実施形態について、図面に基づいて説明する。
まず、このガス拡散板が用いられるプラズマ処理装置の実施形態としてプラズマエッチング装置について説明する。
このプラズマエッチング装置1は、図1の断面概略図に示されるように、真空チャンバー2内に上部電極部3及び下部電極部4が上下に対向して設けられている。上部電極部3は、真空チャンバー2の壁を貫通状態に設けられたガス供給管5の先端に、該ガス供給管5の先端部を拡径するように形成されたカバー部6が設けられるとともに、該カバー部6の開口部を閉塞するように電極板7が設けられた構成とされ、これらカバー部6と電極板7とにより囲まれた空間が、ガス供給管5から供給されたガスを拡散するためのガス拡散室8とされている。一方、下部電極部4は、架台9の上にウエハSを載置して静電チャック(図示略)等によって固定するようになっている。
電極板7は、補強板11とガス拡散板12との二層構造とされている。補強板11は、金網、パンチングメタル、エキスパンドメタル等の金属板からなり、ガスを通過させるための多数の貫通孔13が形成される。これら補強板11及びガス拡散板12は、導電性を有する材料であるとともに、プラズマ中で生成するラジカルな反応性ガスに対して耐食性を有する材料であることが求められ、例えばチタン(Ti)が用いられる。また、ステンレス(SUS)やASTM(米国材料試験協会)の合金規格でUSN No.N06022あるいはN06210等のNi基合金も適用可能である。エッチングガスが酸素系ガスの場合はチタン金属が好適であり、塩素系ガスの場合はNi基合金が好適に用いられ、使用されるガスに応じて選択すればよい。
ガス拡散板12は、図2及び図3に示すように、相互に連通状態の空孔部21が複雑に入り組んで三次元網目構造をなす骨格部22を有する発泡金属製の多孔質焼結金属板によって構成されており、その表裏両面には、内部の空孔部21に連通する複数の開口部23が形成され、各開口部23の周囲がほぼ面一の平面状に広がる面状部24とされている。各開口部23は、ほぼ円形状に形成され、かつ内部の空孔部21の径より若干小径に形成されている。
この場合、ガス拡散板(多孔質焼結金属板)12は、表面の全面積に対する面状部24の面積の占める割合が30〜80%、逆に言えば表面の全面積に対する開口部23の面積の占める割合(表面開口率)が20〜70%になっている。また、空孔部21の平均孔径が20〜1000μmに形成され、気孔率が40〜99容量%に形成されている。
そして、このガス拡散板12と補強板11とは拡散接合により一体化され、補強板11がガス拡散室8に面するように向けられ、ガス拡散板12が下部電極部4の架台9に対向するように配置されている。また、補強板11はガス拡散板12よりも大きい外径に形成され、ガス拡散板12からはみ出す外周部がカバー部6への取り付け部とされている。
なお、真空チャンバー2には、ガスの排出口25が形成されている。また、ガス供給管5は真空チャンバー2に対して絶縁状態に取り付けられているとともに、上部電極部3の電極板7と、下部電極部4の架台9との間には、高周波電源26により高周波電圧が印加されるようになっている。
次に、電極板7の製造方法について説明する。
まず、ガス拡散板12となる多孔質焼結金属板については、前述したように、空孔部21が入り組んで三次元網目構造をなす骨格部22を有する発泡金属によって製造されており、金属粉末を含むスラリーを薄く成形して乾燥させたグリーンシートを焼成することにより製造される。
このスラリーは、金属粉末、発泡剤(例えば炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤であり、例えばネオベンタン、ヘキサン、ヘプタン)、樹脂バインダ(例えばメチルセルロースやヒドロキシプロピルメチルセルロース)、溶媒(水)等を混合したものである。例えば、原料粉末としてチタン(Ti)の粉末を40〜60重量%、水溶性樹脂バインダーとしてのメチルセルロースを5〜15重量%、界面活性剤としてのアルキルベンゼンスルホン酸塩を1〜3重量%、発泡剤(例えば炭素数5〜8の非水溶性炭化水素系有機溶剤)としてのヘキサンを0.5〜3重量%、残部を水および不可避不純物とするものを混練機で混合して製造される。原料粉末は、平均粒径が約10μmのもので構成されている。
この発泡性スラリーをドクターブレード法により薄く成形するグリーンシート製造装置31を図4に示す。
このグリーンシート製造装置31において、まず、スラリー32が貯蔵されたホッパー33から、キャリアシート34上にスラリー32が供給される。キャリアシート34はローラ35によって搬送されており、キャリアシート34上のスラリー32は、移動するキャリアシート34とドクターブレード36との間で延され、シート状に成形される。そのブレードギャップ(キャリアシート34とブレード36との間隔)Gを適宜に設定することにより、所要の厚さのスラリーシート37を得ることができる。
このスラリーシート37は、さらにキャリアシート34によって搬送され、加熱処理を行う発泡槽38および加熱炉39を順次通過する。発泡槽38では高湿度雰囲気下で加熱処理を行うので、スラリーシート37にひび割れを生じさせずに発泡剤を発泡させて発泡孔を形成することができる。この際、厚さ方向に隣り合う発泡孔がつながって、スラリーシート37の表裏面に達して該表裏面に開口するとともに、面方向で隣り合う発泡孔も連通状態となる。そして、このスラリーシート37が加熱炉39で乾燥されると、金属粉末が有機バインダによって接合された状態のグリーンシート40が形成される。
このグリーンシート40をキャリアシート34から取り外した後、図示しない真空炉で脱脂、焼成することにより、樹脂バインダが取り除かれて金属粉末同士が焼結し、発泡孔による空孔部21が入り組んで三次元網目構造をなす骨格部22を有する発泡金属製の多孔質焼結金属板(ガス拡散板)12が得られる。
このようにして製造された多孔質焼結金属板(ガス拡散板)12は、図2及び図3に示すように、その表裏両面には、内部の空孔部21に連通する複数の開口部23が形成され、各開口部23の周囲が面一の平面状に広がる面状部24とされている。多孔質焼結金属板(ガス拡散板)12全体の気孔率は40%以上99%以下のものとされる。この場合、必要に応じて厚さ方向に若干圧縮することにより、気孔率を調整するようにしてもよいし、多数枚を積層することにより多孔質焼結金属板(ガス拡散板)12全体の体積を増大させるようにしてもよい。
この気孔率は、多孔質焼結金属板(ガス拡散板)12全体の体積から金属分の体積を引くことにより気孔部分の容積を求め、これを多孔質焼結金属板(ガス拡散板)12全体の体積で割った値である。金属分の体積は、多孔質焼結金属板(ガス拡散板)12全体の重量を測定して、その重量を素材金属の真密度によって割ることにより求められる。
また、表面開口率は、光学的なデジタルマイクロスコープで表面画像を撮影して、これを画像処理によって2値化して測定した。デジタルマイクロスコープとしては、例えば、株式会社キーエンス製デジタルマイクロスコープVHX(登録商標)−200を用い、倍率100倍で画像を撮影した。撮影の際の焦点は多孔質焼結金属板(ガス拡散板)の表面に合わせる。撮影視野としては2×3mmとし、任意の10箇所について撮影した。
次いで、三谷商事株式会社製画像処理ソフトWinROOf(登録商標)を用い、撮影した画像それぞれに対し、表面の孔の部分と孔でない金属部分とを2値化処理する。この際、原料粉末の凹凸に起因する輝度の小さい部分、あるいは原料粉末どうしの小さな隙間も孔として認識するため、面積が130μm以下の孔として認識された部分は孔でない金属部分(面状部)として計算することにより、開口部23と面状部24とを抽出する。10箇所それぞれでの開口部23の面積の総和を撮影視野面積で割った値の平均値を表面開口率とした。
そして、このガス拡散板(多孔質焼結金属板)12に、予め用意した補強板11を積層して密着させ、真空あるいは不活性ガス中で加圧、加熱することにより、拡散接合によって固着して、電極板7を構成する。この場合、ガス拡散板12をドクターブレード法によって製造したときにキャリアシート34に接していた方の表面は、その面状部24が他方の面よりも平坦に形成され易いので、このキャリアシート34に接していた表面を補強板11に接合するとよい。
そして、これらガス拡散板12と補強板11とを接合してなる電極板7をプラズマエッチング装置1の上部電極部3におけるカバー部6の開口部を閉塞するように取り付ける。このとき、ガス拡散板12を下方に向けた状態として、補強板11の外周部をカバー部6にねじ止め等によって固定する。
このように構成されたプラズマエッチング装置1において、上部電極部3と下部電極部4との間に高周波電圧を印加した状態でガス供給管5からエッチングガスを供給すると、このエッチングガスは、ガス供給管5の先端に形成されているガス拡散室8内に送られ、電極板7を通過して電極板7と架台9との間の空間に放出され、この空間内でプラズマとなってウエハSに当り、このプラズマによるスパッタリングすなわち物理反応と、エッチングガスの化学反応とにより、ウエハSの表面がエッチングされる。図1中、符号Pがプラズマ領域を示している。
この場合、エッチングガスは、ガス拡散室8において横方向に拡散させられ、電極板7における補強板11の各貫通孔13を経由してガス拡散板12内に侵入し、その内部の空孔部21によって四方に拡散されながらガス拡散板12内を通過して、その下面の全面から放射させられる。このガス拡散板12内の空孔部21は、複雑に入り組んだ状態で相互に連通している。このため、ガス拡散室8内において面方向に若干の圧力分布が生じていたとしても、そのガスがガス拡散板12を厚さ方向に通過する間に、図2に矢印で示したように、その複雑に入り組んだ空孔部21内を伝って面方向にひろがるため、ガス拡散板12の下面から放射される際には、面方向にほぼ均一な圧力となるものである。したがって、ウエハSに対して面内均一なプラズマ処理を施すことができ、その品質を高めることができる。
ここで、ガス拡散板12は、その表面の全面積に対する面状部24の面積の占める割合が30〜80%になっているので、流体の流通性を良好な状態に維持しつつ、接触面積の十分大きな多孔質焼結金属板を得ることができる。表面の全面積に対する面状部24の面積の占める割合を30〜80%としたのは、30%未満では面状部24の面積が小さくなるため、補強板11との接触面積が十分得られなくなるからであり、80%超では、表面における開口部23の開口面積が小さくなり過ぎて、ガス透過性が低下するからである。
また、空孔部21の平均孔径が20〜1000μm、気孔率が40〜99容量%に形成されているので、ガスの流通性を良好な状態に維持することができるとともに、強度的にも優れたものを得ることができる。空孔部21の平均孔径を20〜1000μmとしたのは、20μm未満では空孔部21が小さ過ぎるために三次元網目構造の骨格部22としての形成が困難であるからであり、1000μm超にすると、空孔部21が大きくなり過ぎることにより拡散効果が損なわれるおそれがあるからである。また、気孔率を40〜99容量%としたのは、40容量%未満にすると、強度的には向上するものの、ガスの流通性が損なわれるからであり、99容量%超にすると、強度不足になるおそれがあるからである。
一方、ガス拡散板12の厚さは、0.2〜10mmとされる。0.2mm未満にすると、ガスの拡散性が低下するとともに、強度不足になるおそれがあるからである。一方、厚さの上限は、圧損を大きくしないように考慮すると例えば10mmとされるが、前述したドクターブレード法により量産製造する場合は、1枚の厚さは2mm以下が生産性の観点から適しており、それ以上に厚くする場合は、複数層を積層して使用する。
なお、ガス拡散板12を補強板11の片面に接合して電極板7を構成することとしているが、補強板も、金網、パンチングメタル、エキスパンドメタル等からなり、ガスを通過させるための多数の貫通孔が形成されているので、その両面にガス拡散板を接合するようにしてもよいし、さらに必要に応じて積層数を増やしてもよい。
原料粉末として、平均粒径10μmの純チタン粉末を用いた。さらに水溶性樹脂結合剤としてメチルセルロース、有機溶剤としてネオペンタン、可塑剤としてエチレングリコール、溶媒として水を用意し、さらに界面活性剤としてアルキルベンゼンスルホン酸塩を用意し、純チタン粉を60質量%、メチルセルロースを3質量%、アルキルベンゼンスルホン酸塩を4質量%、残部が水となるように配合し、15分間混練して発泡性スラリーを作製した。
得られた発泡性スラリーをドクターブレード法によりブレードギャップ1mmで樹脂フィルムからなるキャリアシート上に成形し、恒温、高湿度槽に供給して、温度40℃、湿度90%に30分間保持することにより発泡させた後、温度80℃で30分間加熱して乾燥し、スポンジ状成形体(グリーンシート)を作製した。
このスポンジ状成形体をキャリアシートから剥離し、200mm×200mmに切断した後、ジルコニア製板の上に載せた。そして、このスポンジ状成形体を載せたジルコニア製板を脱脂装置にセットし、真空雰囲気中、温度500℃、5時間保持の条件で脱脂した。得られた脱脂体をジルコニア製板に載せたまま焼結装置に投入し、真空雰囲気中、温度1200℃、5時間保持の条件で焼結することにより、180mm×180mm、厚さ2〜2.2mm、気孔率85%のスポンジ状チタン焼結体を得た。
このスポンジ状チタン焼結体の厚さを統一するため、圧延機を用いて厚さ1.8mmに圧延して多孔質焼結金属板とした。
また、補強板としては、チタン製パンチングメタルを用いた。このパンチングメタルは、厚さ1.5mmのチタン製板を直径400mmに切断し、その直径350mmよりも内側に、レーザー加工機を用いて、孔径5mmの孔を千鳥状に加工して製作した。直径350mmの範囲における孔の開口率は30%とした。
そして、このパンチングメタル(補強板)の上に、チタン製の多孔質焼結金属板を複数枚隙間なく並べて敷き詰めてガス拡散板とし、さらにその上にジルコニア製板を載せ、さらに0.5kPaの荷重が加わるように鋼材製の錘を載せた状態とし、真空炉で1000℃、保持時間30分の条件で接合した。
一方、材料としてステンレスを用いたものも製作した。
ステンレス製のガス拡散板としては、原料粉末としてSUS316ステンレスのガスアトマイズ粉末として、平均粒径15μmのものを用意し、チタン製ガス拡散板の場合と同じ方法でステンレス製多孔質焼結金属板を製作した。
補強板としては、市販のSUS316ステンレス製で、線径0.14mm、60メッシュの金網を準備し、直径400mmに切断加工したものを用いた。
そして、この金網の両面に多孔質焼結金属板を重ねてガス拡散板とし、さらにその上にジルコニア製板を載せ、さらに0.5kPaの荷重が加わるように鋼材製の錘を載せた状態とし、真空炉で1000℃、保持時間30分の条件で接合した。
また、補強板としてエキスパンドメタルを用いたものも製作した。この補強板は、市販のSUS316ステンレス鋼エキスパンドメタルで、厚さ1.5mm、ひし形の短目方向の中心距離が12mm、ひし形の長目方向の中心距離が30.5mmのものを準備し、直径400mmにレーザー加工機で切断して製作した。
そして、このエキスパンドメタルにステンレス製の多孔質焼結金属板を複数枚隙間なく敷き詰め、さらにその上に同じくステンレス製の多孔質焼結金属板を敷き詰めることにより、多層状のガス拡散板とした。その際、1層目の継ぎ目と2層目の継ぎ目とが重ならないように敷き詰めた。さらにその上にジルコニア製板を載せ、さらに0.5kPaの荷重が加わるように鋼材製の錘を載せた状態とし、真空炉で1000℃、保持時間30分の条件で接合した。
以上のいずれの実施例の場合も、ガス拡散板としては、表面開口率が20〜70%、空孔部の平均孔径が20〜1000μmに形成され、気孔率が40〜99容量%に形成され、そのガス拡散板と補強板とを積層した電極板をプラズマエッチング装置に取り付けて、プラズマエッチング処理を行ったところ、300mmウエハの全面でエッチングむらがなく、ほぼ均一にエッチングされることが確認された。
なお、本発明においては、上記実施形態に限定されるものではなく、発明の趣旨を逸脱しない範囲において、種々の変更をすることが可能である。例えば、実施形態では多孔質焼結金属板からなるガス拡散板を電極板として適用しているが、電極板としてでなく、上部電極部と下部電極部との間のプラズマ領域P内に配置するようにしてもよい。また、このガス拡散板となる多孔質焼結金属板をドクターブレード法を用いて成形したが、スリップキャスト法によって成形してもよい。さらに、発泡金属製の多孔質焼結金属板の周縁部に発泡剤を含まない非発泡性スラリーを塗布して焼結させることにより、空孔部を有しない多孔質焼結部を環状に形成し、これを補強部としてカバー部に取り付けるようにしてもよく、その場合は補強板を省略してもよい。また、このようなガス拡散板が用いられるプラズマ処理装置としては、実施形態のプラズマエッチング装置以外にも、プラズマCVD装置やプラズマ洗浄装置等にも用いることができる。
本発明に係るプラズマ処理装置の一実施形態を示す概略断面図である。 図1のプラズマ処理装置に用いられている電極板の一部を拡大した断面図である。 図1のプラズマ処理装置に用いられている電極板のガス拡散板の要部を示す斜視拡大図である。 図3の多孔質焼結金属板の製造過程で使用されるグリーンシート製造装置の例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 プラズマエッチング装置
2 真空チャンバー
3 上部電極部
4 下部電極部
5 ガス供給管
6 カバー部
7 電極板
8 ガス拡散室
9 架台
11 補強板
12 ガス拡散板(多孔質焼結金属板)
13 貫通孔
21 空孔部
22 骨格部
23 開口部
24 面状部
31 グリーンシート製造装置
32 スラリー
33 ホッパー
34 キャリアシート
35 ローラ
36 ドクターブレード
37 スラリーシート
38 発泡槽
39 加熱炉
40 グリーンシート
S ウエハ
G ブレードギャップ
P プラズマ領域

Claims (4)

  1. プラズマ用ガスを通過可能なガス拡散板であって、
    相互に連通状態の空孔部によって三次元網目構造をなす骨格部を有する多孔質焼結金属板によって構成されていることを特徴とするプラズマ処理装置用ガス拡散板。
  2. プラズマ用ガスを通過可能な補強板が積層されていることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置用ガス拡散板。
  3. 請求項1又は2記載のガス拡散板がプラズマ発生用の電極部又は該電極部から放出されるプラズマ領域内に配置されたプラズマ処理装置。
  4. 前記ガス拡散板が前記電極部に設けられ、前記多孔質焼結金属板の表面が放電面とされていることを特徴とする請求項3記載のプラズマ処理装置。
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