JP2009179711A - タバコ臭気消臭剤 - Google Patents
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Abstract
【課題】タバコ臭気と混合しても、全体の臭いの強さを有意に増加させることなく、タバコ臭気を効果的に消臭し得るタバコ臭気消臭剤を提供する。
【解決手段】次の4つの成分群(I)〜(IV):(I)脂肪族エステル化合物;(II)(a)芳香族アルデヒド化合物、および/または(b)ラクトン化合物;(III)脂肪族ケトン化合物;並びに(IV)テルペンアルコールのうち、少なくとも2つの成分群の成分を含むタバコ臭気消臭用香料組成物と、担体および/または媒体とからなることを特徴とするタバコ臭気消臭剤。
【選択図】 なし
【解決手段】次の4つの成分群(I)〜(IV):(I)脂肪族エステル化合物;(II)(a)芳香族アルデヒド化合物、および/または(b)ラクトン化合物;(III)脂肪族ケトン化合物;並びに(IV)テルペンアルコールのうち、少なくとも2つの成分群の成分を含むタバコ臭気消臭用香料組成物と、担体および/または媒体とからなることを特徴とするタバコ臭気消臭剤。
【選択図】 なし
Description
本発明は、タバコ臭気を効果的に除去するタバコ臭気消臭剤に関する。
一般に、シガレット等のタバコ喫煙物品から放出される副流煙等のタバコ臭気は、特に非喫煙者にとって好ましいとはいえないものである。特に、喫煙中に周囲に放出される副流煙臭気の対策は大きな問題となっている。
このような悪臭や異臭を消す方法としては、非常に強い芳香を有する物質を消臭剤として用い、その強い芳香を悪臭に混合させることにより、悪臭を隠蔽する方法が主として採られてきている(非特許文献1)。
タバコ臭気消臭剤としては、(A)アルデヒド的な香気またはグリーン的な香気を有する脂肪族アルデヒド化合物、(B)果実的な香気またはグリーン的な香気を有するベンゼン環を含むアルデヒド化合物、(C)果実的な香気またはグリーン的な香気を有するケトン化合物、(D)果実的な香気またはグリーン的な香気を有する脂肪族エステル化合物、(E)グリーン的な香気、バルサミックな香気、果実的な香気、アンバー的な香気またはスパイシーな香気を有する精油類のうち、少なくとも3種以上の群の組合せからなるタバコ臭気消臭剤(特許文献1)、クラスIの香料アルデヒドおよびクラスIIの香料アルデヒドによる煙の悪臭を中和する方法(特許文献2)などが挙げられる。
しかしながら、このような従来の消臭剤は、通常、悪臭の強度より強い芳香を使用するものであるため、悪臭との混合後の全体としての臭いの強さが、混合前の悪臭の強さよりもかなり強くなり、結果的に不快に感じられることが多い。また、従来の消臭剤は悪臭との混合により悪臭を隠蔽できても、混合後の臭いが新たな別の不快な臭いを感じさせる場合も多い。このように、従来の消臭剤では臭いの不快さを根本的に改善するには十分には至っていない。
一方、本発明者らは、タバコ臭気消臭剤として、マンダリンオレンジ精油またはテルペン炭化水素を実質的に除去したマンダリン精油画分によるタバコ臭気消臭剤(特許文献3、特許文献4)、(I)オクタナール、ノナナールおよび/またはデカナール、(II)リナロール、(III)カルボン、(IV)アントラニル酸メチルおよび/またはN−メチルアントラニル酸メチル、(V)シネンサールおよび/またはオレンジピール精油シネンサール画分のうち、少なくとも2つの成分群の成分を含有するタバコ臭気消臭剤(特許文献5、特許文献6)により、上記問題であった混合後の臭いが新たな別の不快な臭いを感じさせることなく、柑橘系の爽やかな香気を有している消臭剤を提案した。
ただし、柑橘系の香気を好まない人からの別の香気の消臭剤への要望や、現在の生活様式の多様化にともない、さらなるバリエーションを求める要望があり、これらの要望に対しては、十分に満たすものには至っていなかった。
特開2002−143285号公報
特開2002−146385号公報
特開2002−143284号公報
特開2002−146386号公報
特開2002−275495号公報
特表平9−505500号公報
周知・慣用技術集(香料)第I部 香料一般 平成11年1月29日発行
従って、本発明は、喫煙中に周囲に放出される副流煙の臭気との混合後、全体の臭いを不快なレベルまで強くすることなく、更には、混合後の臭いが新たな別の不快臭となることなくタバコ臭気を隠蔽(マスク)することができるタバコ臭気消臭剤を提供することを目的とする。
そこで、本発明者らは、鋭意研究を行った結果、カモミールブルー精油がタバコ臭気の消臭に効果的であることを見いだし、その精油の構成成分のうちの特定の2以上の成分を含む混合物が、喫煙時に周囲に放出される副流煙の臭気との混合後、全体の臭いを不快なレベルまで強くすることなく、さらには、混合後の臭いが新たな別の不快臭となることなくタバコ臭を隠蔽(マスク)することができることを見いだした。本発明はこの知見に基づく。
すなわち、本発明の第1の側面によると、次の4つの成分群(I)〜(IV):
(I)脂肪族エステル化合物;
(II)(a)芳香族アルデヒド化合物、および/または(b)ラクトン化合物;
(III)脂肪族ケトン化合物;
(IV)テルペンアルコール
のうち、少なくとも2つの成分群の成分を含むタバコ臭気消臭用香料組成物と、担体および/または媒体とからなることを特徴とするタバコ臭気消臭剤が提供される。
(I)脂肪族エステル化合物;
(II)(a)芳香族アルデヒド化合物、および/または(b)ラクトン化合物;
(III)脂肪族ケトン化合物;
(IV)テルペンアルコール
のうち、少なくとも2つの成分群の成分を含むタバコ臭気消臭用香料組成物と、担体および/または媒体とからなることを特徴とするタバコ臭気消臭剤が提供される。
具体的には、上記4つの成分群はそれぞれ以下の香調を有する成分群である:
(I)果実的な香気またはグリーン的な香気を有する脂肪族エステル化合物:
(II)(a)花様の香気、グリーンな香気または果実的な香気を有する芳香族アルデヒド化合物:
(II)(b)花様の香気、ハーブ様の香気、スパイシーな香気または果実的な香気を有するラクトン化合物:
(III)果実様の香気、花様の香気またはスパイシーな香気を有する脂肪族ケトン化合物:
(IV)花様の香気、グリーンな香気またはスパイシーな香気を有するテルペンアルコール。
(I)果実的な香気またはグリーン的な香気を有する脂肪族エステル化合物:
(II)(a)花様の香気、グリーンな香気または果実的な香気を有する芳香族アルデヒド化合物:
(II)(b)花様の香気、ハーブ様の香気、スパイシーな香気または果実的な香気を有するラクトン化合物:
(III)果実様の香気、花様の香気またはスパイシーな香気を有する脂肪族ケトン化合物:
(IV)花様の香気、グリーンな香気またはスパイシーな香気を有するテルペンアルコール。
また、本発明の第2の側面によると、本発明のタバコ臭気消臭剤を0.0005〜20質量%の割合で含有することを特徴とする香粧品類、飲食品類、皮膚外用剤、口腔用組成物、医薬部外品、医薬品、または衛生材料が提供される。
本発明によれば、タバコ臭気と混合しても、全体の臭いの強さを有意に増加することなく、タバコ臭気を効果的に消臭し得るタバコ臭気消臭剤が提供される。
以下、本発明をより詳しく説明する。
本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物は、天然物から精製もしくは分取により獲得される精製もしくは分取香料に対して、いわゆる調合香料というべきものである。
本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物は、次の4つの成分群(I)〜(IV):(I)脂肪族エステル化合物;(II)(a)芳香族アルデヒド化合物、および/または(b)ラクトン化合物;(III)脂肪族ケトン化合物;および(IV)テルペンアルコールのうち、少なくとも2つの成分群の成分を含む。これら4つの成分群の成分のいずれも、カモミール精油のうちカモミールブルーの成分分析結果に基づき選択された成分である。
(式中、R1は、炭素数1〜5個の直鎖または分枝のアルキル基であり、R2は、炭素数1〜4の直鎖または分枝のアルキル基である)。
このような脂肪族エステル化合物(I)の具体例としては、メタン酸メチル、メタン酸エチル、メタン酸n−プロピル、メタン酸イソプロピル、メタン酸n−ブチル、メタン酸イソブチル、メタン酸sec−ブチル、エタン酸メチル、エタン酸エチル、エタン酸n−プロピル、エタン酸イソプロピル、エタン酸n−ブチル、エタン酸イソブチル、エタン酸sec−ブチル、プロパン酸メチル、プロパン酸エチル、プロパン酸n−プロピル、プロパン酸イソプロピル、プロパン酸n−ブチル、プロパン酸イソブチル、プロパン酸sec−ブチル、プロパン酸tert−ブチル、ブタン酸メチル、ブタン酸エチル、ブタン酸n−プロピル、ブタン酸イソプロピル、ブタン酸n−ブチル、ブタン酸イソブチル、ブタン酸sec−ブチル、2−メチルプロパン酸メチル、2−メチルプロパン酸エチル、2−メチルプロパン酸n−プロピル、2−メチルプロパン酸イソプロピル、2−メチルプロパン酸n−ブチル、2−メチルプロパン酸イソブチル、2−メチルプロパン酸sec−ブチル、ペンタン酸メチル、ペンタン酸エチル、ペンタン酸n−プロピル、ペンタン酸イソプロピル、ペンタン酸n−ブチル、ペンタン酸イソブチル、ペンタン酸sec−ブチル、2−メチルブタン酸メチル、2−メチルブタン酸エチル、2−メチルブタン酸n−プロピル、2−メチルブタン酸イソプロピル、2−メチルブタン酸n−ブチル、2−メチルブタン酸イソブチル、2−メチルブタン酸sec−ブチル、3−メチルブタン酸メチル、3−メチルブタン酸エチル、3−メチルブタン酸n−プロピル、3−メチルブタン酸イソプロピル、3−メチルブタン酸n−ブチル、3−メチルブタン酸イソブチル、3−メチルブタン酸sec−ブチル等の炭素数1〜9アルキルエステルを挙げることができる。
これらは、R−体、S−体またはラセミ体のいずれでもよいが、好ましくはS−体である。
(式中、R3は、水素、炭素数1〜3個のアルキル基、水酸基、または鎖状若しくは環状のアルコキシ基であり、R4は、炭素数0〜9個の直鎖若しくは分枝状の飽和又は不飽和アルキル基である)。
このような芳香族アルデヒド化合物(II)(a)の具体例としては、α−アミルシンナムアルデヒド、アニスアルデヒド、ベンズアルデヒド、シンナムアルデヒド、クミンアルデヒド、シクラメンアルデヒド、ジヒドロシンナムアルデヒド、エチルバニリン、α−ヘキシルシンナムアルデヒド、ハイドラトロプアルデヒド、フェニルアセトアルデヒド、ピペロナール、バニリン等を挙げることができる。
(式中、R5、R6、R7は、水素、または置換または無置換の炭素数1〜6の直鎖状、分枝状若しくは脂環式の飽和若しくは不飽和炭化水素基であり、R5とR6、またはR6とR7は互いに結合して置換基を共有していてもよいし、または芳香族若しくは脂肪族の、飽和若しくは不飽和結合を含む環を形成していてもよく、nは1または2を示す)。ここで、一般式(III)で示すラクトン環は飽和又は不飽和結合により形成される。
このようなラクトン化合物(II)(b)の具体例としては、α−アンゲリカラクトン、3−ブチリデンフタリド、γ−ブチロラクトン、クマリン、δ−デカラクトン、γ−デカラクトン、δ−ドデカラクトン、γ−ドデカラクトン、δ−ヘプタラクトン、γ−ヘプタラクトン、δ−ヘキサラクトン、γ−ヘキサラクトン、ジャスモラクトン、β−メチル−γ−オクタラクトン、ミントラクトン、δ−ノナラクトン、γ−ノナラクトン、δ−オクタラクトン、γ−オクタラクトン、3−プロピリデンフタリド、δ−ウンデカラクトン、γ−ウンデカラクトン、δ−バレロラクトン、γ−バレロラクトン等を挙げることができる。ラクトン化合物(II)(b)については、R−体、S−体またはラセミ体のいずれでもよいが、好ましくはR−体である。
(式中、R8およびR9は、置換または無置換の炭素数1〜12個の直鎖状、分枝状若しくは脂環式の飽和または不飽和炭化水素基であり、R8およびR9は互いに結合して置換基を共有していてもよいし、または環を形成していてもよい)。
このような脂肪族ケトン化合物(III)の具体例としては、カンファー、カルボン、カルボンオキシド、α−ダマセノン、β−ダマセノン、α−ダマスコン、β−ダマスコン、δ−ダマスコン、デヒドロヌートカトン、ジヒドロ−α−ヨノン、ジヒドロ−β−ヨノン、ジヒドロカルボン、ジヒドロジャスモン、1,10−ジヒドロヌートカトン、エチルアミルケトン、エチルマルトール、フラネオール、α−ヨノン、β−ヨノン、α−イロン、イソジャスモン、α−イソメチルヨノン、cis−ジャスモン、trans−ジャスモン、マルトール、メチルアミルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルノニルケトン、メチル−α−ヨノン、ピペリトン、プレゴン、ベルベノン等の化合物が挙げられる。
テルペンアルコール(IV)の具体例としては、リナロール、ゲラニオール、ネロール、シトロネロール、ジメチルオクタノール、ヒドロキシシトロネロール、テトラヒドロリナロール、ラバンデュロール、ミルセノール、テルピネオール、アルテミシアアルコール、ヨモギアルコール、ボルネオール、イソプレゴール、ノポール、メントール、ビサボロール、ファルネソール、ネロリドール、ジヒドロファルネソール、セドロール、パチュリアルコール、ベチベロール、サンタロール、ビサボロールオキシドA、ビサボロールオキシドB、カジノール、スパチュレノール、グロブロール等を挙げることができる。
成分群(I)〜(IV)を構成する成分を、以下、特定成分ということがある。
本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物は、(I)〜(IV)の成分群の少なくとも2以上の組み合わせからなるのが通常である。
成分群(I)〜(IV)における成分が混合物の形態でタバコ臭気消臭用香料組成物に含まれる場合、その混合物を1成分とみなすとき、タバコ臭気消臭用香料組成物は、以下の2特定成分系〜4特定成分系を含む。
<2特定成分系>
(I)と、(II)、(III)または(IV)との組み合わせ;
(II)と、(III)または(IV)との組み合わせ;
(III)と、(IV)との組み合わせ。
(I)と、(II)、(III)または(IV)との組み合わせ;
(II)と、(III)または(IV)との組み合わせ;
(III)と、(IV)との組み合わせ。
<3特定成分系>
(I)と、(II)と、(III)または(IV)との組み合わせ;
(I)と、(III)と、(IV)との組み合わせ;
(II)と、(III)と、(IV)との組み合わせ。
(I)と、(II)と、(III)または(IV)との組み合わせ;
(I)と、(III)と、(IV)との組み合わせ;
(II)と、(III)と、(IV)との組み合わせ。
<4特定成分系>
(I)と、(II)と、(III)と、(IV)との組み合わせ。
(I)と、(II)と、(III)と、(IV)との組み合わせ。
本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物は、その特定成分数が多くなるほど、所期の効果がより一層顕著なものとなる。すなわち、2特定成分系の香料組成物よりも3特定成分系の香料組成物の方が好ましく、3特定成分系の香料組成物よりも4特定成分系の香料組成物の方が好ましい。
本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物を構成する4特定成分は、好ましくは、(I):(II):(III):(IV)=0.5〜8:0.1〜3:0.01〜0.3:1〜30の質量比で配合される。ここで、2特定成分系における2つの特定成分の質量比、3特定成分系における3つの特定成分の質量比、4特定成分系における4つの特定成分の質量比は、ここで述べた質量比における数値がそのまま適用される(以下、特定成分の比について同じ)。すなわち、今、(I):(II):(III):(IV)の上記質量比を、簡便のために、A:B:C:Dで表すと、例えば、(II)と(III)の2成分系における(II)と(III)の比は、B:Cが好ましく、(I)と(IV)との2成分系における(I)と(IV)の比は、A:Dが好ましい。同様に、例えば、(I)と(II)と(III)の3成分系における(I)と(II)と(III)の比は、A:B:Cが好ましい。また、例えば、(I)と(II)と(III)と(IV)の4成分系における(I)と(II)と(III)と(IV)の比は、A:B:C:Dが好ましい。
特に好ましいタバコ臭気消臭用香料組成物における特定成分の質量比(I):(II):(III):(IV)は、1.0〜3.0:0.1〜0.5:0.02〜0.05:1〜20である。
本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物は、上記特定成分以外に他の成分を含むことができる。そのような他の成分としては、上記特定成分以外のカモミールブルー精油成分を好ましく例示することができる。本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物に含有され得る他のカモミールブルー精油成分の例を挙げると、α−ピネン、β−ピネン、カンフェン、サビネン、ミルセン、p−サイメン、カリオフィレン、カジネン、イソアミルアルコール、オイゲノール、シネオール、テーピネン、酢酸ヘキシル、ミルテナール等である。本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物は、特定成分を合計で、0.1質量%以上の割合で含有することが好ましく、5質量%以上の割合で含有することがより好ましく、30質量%以上の割合で含有することがさらに好ましい。
本発明のタバコ臭気消臭剤の剤形としては、液体状、固体状、粉末状、ゲル状、ミルト状、またはエアゾール状等を例示することができる。
また、担体も、これに応じて、例えば、液体状基剤、固体状基剤、粉末状基剤、ゲル状基剤、ミルト状基剤、またはエアゾール状基剤を使用することができる。
本発明において、タバコ臭気消臭用消臭組成物を担体に担持する方法には、例えば、液体状基剤、ゲル状基剤、ミルト状基剤にあっては、界面活性剤、ゲル剤、水溶性高分子等を担体として用い、それらから形成されるミセルまたはゲルの内部に消臭組成物を保持することを、また固体状基剤、粉末状基剤、エアゾール状基剤にあっては、シリカゲル等の粉末または粒状成形物の表面に消臭組成物を保持することを含む。
本発明において、液体状基剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性剤;ポリオキシラウリルエーテルリン酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤等を例示することができる。
ゲル状基剤としては、カラギーナン、ジュランガム、トラガントガム、寒天、ゼラチン、ペクチン等の各種植物、動物、藻類、微生物等から抽出されるゲル剤;ステアリン酸ナトリウム、12−ヒドロキシステアリン酸ナトリウム等のゲル剤として使用される金属石鹸;ポリビニルアルコール、セルロース誘導体、澱粉、澱粉誘導体等の水溶性有機高分子から形成されたもの等を例示することができる。
固体基剤としては、シリカゲル、アルミナ、ゼオライト、けい藻土、ケイ酸カルシウム、パルプ、セルロース等の粉末または粒状成型物等を例示することができる。
ミスト状基剤としては、ポリオキシエチレンソルビタンモノオレエート、ポリオキシエチレンソルビタンモノステアレート、ポリオキシエチレン硬化ヒマシ油等の非イオン性界面活性剤;ポリオキシラウリルエーテルリン酸ナトリウム等の陰イオン性界面活性剤等を例示することができる。
エアゾール状基剤としては、球状シリカゲル等の球状成形物を例示することができる。
本発明の液体状消臭剤、固体状消臭剤、粉末状消臭剤、ゲル状消臭剤、ミスト状消臭剤、エアゾール状消臭剤等のタバコ臭気消臭剤は、それぞれ期待される効果・作用に応じて任意に加減されるが、タバコ臭気消臭用香料組成物を一般的には約0.005〜50質量%の割合で含有することが望ましい。
本発明のタバコ臭気消臭剤を実用に供するに当たっては香粧品類、飲食品類、皮膚外用剤、口腔用組成物または衛生材料に添加した形態とすることができる。
香粧品類としては、柔軟化粧水、収れん化粧水、ふきとり用化粧水、乳液、全身用ローション、アフターシェービングローションおよびジェル、マッサージクリーム、クレンジングクリームおよびジェル、制汗剤、アイパック剤、シャンプー類、ヘヤークリーム類、ヘヤートニック類、ポマード類、リンス類、コンディショナー類、育毛ローションその他の毛髪用化粧品基剤;オシロイ、口紅、その他化粧料基材や化粧料洗剤等を挙げることができる。
飲食品類としては、例えば、果汁飲料類、果実酒類、乳飲料類、炭酸飲料、ドリンク剤類の如き飲料類;アイスクリーム類、シャーベット類、アイスキャンディー類の如き冷菓;和・洋菓子類、ジャム類、キャンディー類、ゼリー類、ガム類、パン類、コーヒー類、ココア類、紅茶類、ウーロン茶類、緑茶類の如き嗜好飲料類;和風スープ、洋風スープ、中華スープの如きスープ類、風味調味料、各種インスタント飲料乃至食品類、各種スナック食品類等を挙げることができる。
皮膚外用剤としては、例えば、エアゾール製剤、ハップ剤、軟膏剤、入浴剤等を挙げることができる。
口腔用組成物としては、例えば、歯磨き、口腔洗浄料、マウスウォッシュ、チューインガム類等を挙げることができる。
衛生材料としては、例えば、洗濯用洗剤類、消毒用洗剤類、防臭洗剤類、室内芳香剤、(室内消臭剤)、石鹸、皿洗い洗剤、ソフトナー類、ファーニチアケアー、その他保健衛生用洗剤類;ティッシュペーパー、トイレットペッパー等の各種保健衛生材料類;医薬品の服用を容易にするための矯味、賦香剤など保健・衛生・医薬品類等を挙げることができる。
本発明のタバコ臭気消臭剤は、必須成分として上記特定成分の2種以上、好ましくは3種以上とこれを担持する担体とを含有していればよいが、これらを香粧品、飲食品、皮膚外用剤、口腔用組成物、衛生材料等に使用する場合、そのままの状態、あるいはこれらを例えば、アルコール類、プロピレングリコール、グリセリン等の多価アルコール類に溶解した液体形態;グリセリン脂肪酸エステル、ショ糖脂肪酸エステル等の乳化剤で乳化した乳化形態;アラビアガム、トラガントガム等の天然ガム質類、ゼラチン、デキストリン等の賦形剤を用いて被膜させた粉末形態;界面活性剤、例えば非イオン界面活性剤、アニオン界面活性剤、ノニオン界面活性剤、カチオン界面活性剤、両性界面活性剤等を用いて可溶化または分散化した可溶化状または分散化形態;またはカプセル化剤で処理して得られるマイクロカプセル形態等その目的に応じてその形態を選択して用いることができる。
さらに、シクロデキストリン等の包接剤に包接して、本発明のタバコ臭気消臭剤を安定化するとともに徐放性にして用いることもある。これらは、最終製品の形態、例えば液体状、固体状、粉末状、ゲル状、ミスト状、エアゾール状等の形態に適するように適宜選択して用いられる。
また、本発明のタバコ臭気消臭剤は、他の防臭・消臭剤、例えば、香料、酸化剤、還元剤、中和剤、無機系消臭剤(無機塩基、無機酸、金属酸化物、塩素化合物、オゾン、多孔物質等)、界面活性剤(非イオン系、アニオン系、カチオン系、ノニオン系、両性系等)等としばしば併用される。
なお、香粧品、飲食品、皮膚外用剤、口腔用組成物、衛生材料等の最終製品へのタバコ臭気消臭剤の添加量は、それぞれ場合によって期待される効果・作用に応じて任意に加減されるが、一般的には、最終製品の総質量に対し約0.0005〜20質量%程度である。
以下に実施例を挙げ、本発明を詳細に説明するが、本発明はこれらによってなんら限定されるものではなく、また本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
<消臭効果試験>
調製例1〜7で調製したタバコ臭気消臭用香料組成物のタバコ臭気消臭効果を以下の官能評価方法(部屋法)により評価した。
調製例1〜7で調製したタバコ臭気消臭用香料組成物のタバコ臭気消臭効果を以下の官能評価方法(部屋法)により評価した。
(部屋法)
人の出入りのためのドアを1つ有する以外は、密閉された部屋(容量80m3)を2つ(A室、B室とする)準備する。ドアを閉めた状態で、AおよびB室内で通常のシガレット7本を自然燃焼させ、副流煙で充満させる。B室内には、副流煙で充満させた後、各香料のエタノール溶液を空気スプレーにより噴霧した。パネルを2グループに分け、一方のグループは全員が同時にA室から入り、A室を出た後、B室に入り、B室を出て、再びA室に入り、A室を出て、以下の項目について結果を報告する。他方のグループは、全員が同時にB室から入り、B室を出た後、A室に入り、A室を出て、再びB室に入り、B室を出て、以下の評価項目について結果を報告する。部屋の移動に際しては、次の部屋に入るまでに、それぞれ30秒のインターバルをとる。なお、初期の過敏な感覚を排除するために、最初の入室時の感覚は評価対象とせず、2回目と3回目の入室時の感覚を比較することで評価を行う。
人の出入りのためのドアを1つ有する以外は、密閉された部屋(容量80m3)を2つ(A室、B室とする)準備する。ドアを閉めた状態で、AおよびB室内で通常のシガレット7本を自然燃焼させ、副流煙で充満させる。B室内には、副流煙で充満させた後、各香料のエタノール溶液を空気スプレーにより噴霧した。パネルを2グループに分け、一方のグループは全員が同時にA室から入り、A室を出た後、B室に入り、B室を出て、再びA室に入り、A室を出て、以下の項目について結果を報告する。他方のグループは、全員が同時にB室から入り、B室を出た後、A室に入り、A室を出て、再びB室に入り、B室を出て、以下の評価項目について結果を報告する。部屋の移動に際しては、次の部屋に入るまでに、それぞれ30秒のインターバルをとる。なお、初期の過敏な感覚を排除するために、最初の入室時の感覚は評価対象とせず、2回目と3回目の入室時の感覚を比較することで評価を行う。
1.臭い全体の強さが強い部屋はどちらの部屋か
2.臭いのよい部屋はどちらの部屋か
3.タバコ臭の強い部屋はどちらの部屋か。
2.臭いのよい部屋はどちらの部屋か
3.タバコ臭の強い部屋はどちらの部屋か。
その結果、評価項目1〜3それぞれにおいて、B室(香料組成物を噴霧した部屋)と答えたパネルの数のパネルの総数に対するパーセンテージを求め、評価結果とする。従って、臭気全体の強さ(全体強度)とタバコ臭(タバコ臭強度)については、数値が小さいほど好ましく、臭いの良さについては、数値が大きいほど好ましい。パネルは、任意に抽出した成人(25〜50歳、男女、喫煙者であるか否かの区別なし)であり、タバコ臭についての専門の訓練を受けていない普通人であった。
表2からわかるよう、本発明のタバコ臭気消臭剤に用いられるタバコ臭気消臭用香料組成物は、タバコ臭気と混合しても、全体の臭いの強さを有意に増加することなく、タバコ臭気を効果的に消臭し得る。
(II)下記表4に示す(C)のシリカゲルに(B)のプロピレングリコールを加えゆっくり撹拌し、プロピレングリコールがシリカゲルに吸収されてシリカゲル表面が乾いた後、(A)の消臭組成物を加え、ゆっくり撹拌しながらシリカゲルに吸収させて粒状消臭剤を得た。
実施例2:粒状消臭剤
下記表5に示す(C)のシリカゲルに(B)のプロピレングリコールを加えゆっくり撹拌し、プロピレングリコールがシリカゲルに吸収されてシリカゲル表面が乾いた後、(A)の消臭組成物を加え、ゆっくり撹拌しながらシリカゲルに吸収させて粒状消臭剤を得た。
下記表5に示す(C)のシリカゲルに(B)のプロピレングリコールを加えゆっくり撹拌し、プロピレングリコールがシリカゲルに吸収されてシリカゲル表面が乾いた後、(A)の消臭組成物を加え、ゆっくり撹拌しながらシリカゲルに吸収させて粒状消臭剤を得た。
(II)下記表10に示す精製水とプロピレングリコールと塩化カルシウムを均一になるまで撹拌した。その後、カラギーナンとローストビーンガムおよびメチルパラベンを少量ずつ撹拌しながら加えた。ついで、撹拌しながら80℃まで加温し、混合液が懸濁液となった後、加温を停止し放冷した。約65℃まで冷却後、実施例5(I)の水ベース系消臭剤用消臭組成物とモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンを加え、撹拌した。その後、55℃で、この混合物が懸濁液になるまで撹拌し、下記表10に示す組成の水ベース系ゲル状消臭剤を得た。
実施例6:水ベース系ゲル状消臭剤
下記表11に示す精製水とプロピレングリコールと塩化カルシウムを均一になるまで撹拌した。その後、カラギーナンとローストビーンガムおよびメチルパラベンを少量ずつ撹拌しながら加えた。ついで、撹拌しながら80℃まで加温し、混合液が懸濁液となった後、加温を停止し放冷した。約65℃まで冷却後、調製例6で調製したタバコ臭気消臭用香料組成物とモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンを加え撹拌した。その後、55℃で、この混合物が懸濁液になるまで撹拌し、下記表11に示す組成の水ベース系ゲル状消臭剤を得た。
下記表11に示す精製水とプロピレングリコールと塩化カルシウムを均一になるまで撹拌した。その後、カラギーナンとローストビーンガムおよびメチルパラベンを少量ずつ撹拌しながら加えた。ついで、撹拌しながら80℃まで加温し、混合液が懸濁液となった後、加温を停止し放冷した。約65℃まで冷却後、調製例6で調製したタバコ臭気消臭用香料組成物とモノオレイン酸ポリオキシエチレンソルビタンを加え撹拌した。その後、55℃で、この混合物が懸濁液になるまで撹拌し、下記表11に示す組成の水ベース系ゲル状消臭剤を得た。
(II)下記表16に示す(A)を撹拌溶解し、エアゾール缶に充填し、密封した後、(B)を注入してエアゾール状消臭剤を得た、噴射剤には一般的にエアゾール状消臭剤に使用されている液化プロパンガスを使用した。
実施例10:エアゾール状消臭剤
下記表17に示す(A)を撹拌溶解し、エアゾール缶に充填し、密封した後、(B)を注入してエアゾール状消臭剤を得た、噴射剤には一般的にエアゾール状消臭剤に使用されている液化プロパンガスを使用した。
下記表17に示す(A)を撹拌溶解し、エアゾール缶に充填し、密封した後、(B)を注入してエアゾール状消臭剤を得た、噴射剤には一般的にエアゾール状消臭剤に使用されている液化プロパンガスを使用した。
上記実施例で調製した粒状消臭剤(実施例1〜2)、ミスト状消臭剤(実施例3〜4)、水ベース系ゲル状消臭剤(実施例5〜6)、油性ゲル状消臭剤(実施例7〜8)、エアゾール状消臭剤(実施例9〜10)、シャンプー(実施例11〜12)、ボディシャンプー(実施例13〜14)、リンス(実施例15〜16)、ヨーグルトキャンディー(実施例17)、洗口剤(実施例18)、歯磨剤(実施例19)、口中剤(実施例20)、チューインガム(実施例21)、錠菓(実施例22)、およびゼラチンカプセル基剤(実施例23)は、それらのタバコ副流煙に対する消臭効果と使用感を評価したところ、いずれも、消臭効果に優れ、使用感も良好であった。
Claims (5)
- 次の4つの成分群(I)〜(IV):
(I)脂肪族エステル化合物;
(II)(a)芳香族アルデヒド化合物、および/または(b)ラクトン化合物;
(III)脂肪族ケトン化合物;
(IV)テルペンアルコール
のうち、少なくとも2つの成分群の成分を含むタバコ臭気消臭用香料組成物と、担体および/または媒体とからなることを特徴とするタバコ臭気消臭剤。 - 前記タバコ臭気消臭用香料組成物が、前記成分群(I):(II):(III):(IV)の成分を、質量比で、0.5〜8:0.1〜3:0.01〜0.3:1〜30の割合で含有する特徴とする請求項1に記載のタバコ臭気消臭剤。
- 液体状、固体状、粉末状、ゲル状、ミスト状またはエアゾール状の形態にある請求項1または2に記載のタバコ臭気消臭剤。
- 前記タバコ臭気消臭用香料組成物を、0.005〜50質量%の割合で含有することを特徴とする請求項3に記載のタバコ臭気消臭剤。
- 請求項1〜4のいずれか1項に記載のタバコ臭気消臭剤を0.0005〜20質量%の割合で含有することを特徴とする香粧品類、飲食品類、皮膚外用剤、口腔用組成物、医薬部外品、医薬品、または衛生材料。
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