JP2009178919A - 成形金型及び成形方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】位置決め部材の磨耗を防止して位置決め部材の寿命を長くすることができる成形金型を提供すること。
【解決手段】固定金型41側に設けた潤滑剤の供給部61が位置決め凹部52に潤滑剤を供給するので、位置決め凹部52,53や位置決めピン32,33からなる位置決め部材56,57の磨耗を防止して位置決め部材56,57の寿命を長くすることができる。よって、このような成形金型を用いて射出成形等を行えば、レンズ等の成形品の精度を長期間にわたって維持することができる。この際、潤滑剤の排出部62が位置決め部材56,57に供給された余剰の潤滑剤を排出するので、位置決め部材56,57に溜まった余剰の潤滑剤によって位置決め精度が下がることを防止できるとともに、潤滑剤が型面21a,41aや転写面31,51に広がって成形不良が発生することを防止できる。
【選択図】図1
【解決手段】固定金型41側に設けた潤滑剤の供給部61が位置決め凹部52に潤滑剤を供給するので、位置決め凹部52,53や位置決めピン32,33からなる位置決め部材56,57の磨耗を防止して位置決め部材56,57の寿命を長くすることができる。よって、このような成形金型を用いて射出成形等を行えば、レンズ等の成形品の精度を長期間にわたって維持することができる。この際、潤滑剤の排出部62が位置決め部材56,57に供給された余剰の潤滑剤を排出するので、位置決め部材56,57に溜まった余剰の潤滑剤によって位置決め精度が下がることを防止できるとともに、潤滑剤が型面21a,41aや転写面31,51に広がって成形不良が発生することを防止できる。
【選択図】図1
Description
本発明は、射出成形に用いられる成形金型及びかかる成形金型を用いた光学素子の成形方法に関し、特に一対の金型を型締めする際にこれらを位置決めするための位置決め部材を備える成形金型及びこれを用いた光学素子の成形方法に関する。
プレス用の金型であるが、一方の金型にテーパピンを凸設し、他方の金型にブッシュを穿設し、プレス成形時にテーパピンとブッシュとを嵌合させて金型同士の位置決めを行うものが開示されている(特許文献1参照)。
実開平7−9945号公報
射出成形用の金型においても、固定金型と可動金型とを位置決めすることが望ましく、上記のような位置決め部材を用いることが考えられるが、固定金型と可動金型との間には大きな力が加わるため、位置決め部材が磨耗してその寿命が短くなってしまう傾向があり、金型の交換等を含む頻繁なメンテナンスが必要となる。
そこで、本発明は、位置決め部材の磨耗を防止して位置決め部材の寿命を長くすることができる成形金型及びこれを用いた光学素子の成形方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するため、本発明に係る成形金型は、(a)第1金型と、(b)第2金型と、(c)第1金型と第2金型とを型締めする際に第1金型と第2金型との位置決めを行う位置決め部材と、(d)位置決め部材に潤滑剤を供給する供給部と、(e)位置決め部材に供給された余剰の潤滑剤を排出する排出部とを備える。
上記成形金型では、供給部が位置決め部材に潤滑剤を供給するので、位置決め部材の磨耗を防止して位置決め部材の寿命を長くすることができ、レンズ等の成形品の精度を長期間にわたって維持することができる。この際、排出部が位置決め部材に供給された余剰の潤滑剤を排出するので、位置決め部材に溜まった余剰の潤滑剤によって位置決め精度が下がることを防止できるとともに、潤滑剤が転写面等に広がって成形不良が発生することを防止できる。
本発明の具体的な態様又は観点では、上記成形金型において、位置決め部材が、第1及び第2金型の一方に固定される凸状部材と、第1及び第2金型の他方に固定される凹状部材とを有し、凸状部材と凹状部材とが、第1及び第2金型を型締めする際に互いに嵌合し、供給部が、凸状部材と凹状部材との当接面に潤滑剤を供給する。この場合、位置決め部材が凸状部材と凹状部材とを嵌合させる簡単な構造とすることができる。
本発明の別の態様では、排出部が、型締め時に凸状部材と凹状部材とに挟まれて潤滑剤が送り込まれる部分(例えば凸状部材と凹状部材と嵌合によって形成される空間)に配置される排出口を有する。この場合、型締め時に潤滑剤が送り込まれて溜まる部分から潤滑剤を逃がすことができ、溜まった潤滑剤によって凸状部材と凹状部材との密着が不十分になることを防止しつつ、潤滑剤の排出効率を高めることができる。
本発明のさらに別の態様では、排出口が、凹状部材の底部に形成される。凹状部材の底部は、凸状部材との干渉を避けつつ排出口を設ける箇所を確保しやすい部分である。
本発明のさらに別の態様では、凹状部材が、凸状部材と嵌合する内面に潤滑剤を案内する溝を有する。この場合、凹状部材のうち凸状部材と嵌合する内面から潤滑剤が外部に流出することを抑えることができる。
本発明のさらに別の態様では、溝が、型締め方向に垂直な面に沿って延びる。この場合、凹状部材の内面で潤滑剤をより広げることができ、潤滑剤のより均一な塗布が可能になる。
本発明のさらに別の態様では、溝が、型締め時に凸状部材の側面側の周囲を囲むように形成されている。この場合、凸状部材の側面側の周囲の各所に潤滑剤を広げることができる。
本発明のさらに別の態様では、前記供給部が、前記第1金型と前記第2金型とを開閉動作させる回数に応じて前記位置決め部材に潤滑剤を供給する。この場合、前記位置決め部材に使用頻度に応じて潤滑剤を供給することができる。
本発明のさらに別の態様では、供給部が、第1金型と第2金型とが離間する型開状態となった場合における所定のタイミングで、位置決め部材に潤滑剤を供給する。この場合、位置決め部材に潤滑剤を供給しやすく、その後の型締めの動作を利用して潤滑剤を各部に行き渡らせることができる。
本発明に係る光学素子の成形方法は、上述の成形金型を用いて射出成形を行うことを特徴とする。この光学素子の成形方法によれば、成形金型に設けた供給部が位置決め部材に潤滑剤を供給するので、位置決め部材の磨耗を防止して位置決め部材の寿命を長くすることができる。よって、レンズ等の光学素子を長期間にわたって高精度で製造することができる。
〔第1実施形態〕
図1(A)は、本実施形態の成形金型のうち可動金型の型面側を説明する図であり、図1(B)は、成形金型のうち固定金型の型面側を説明する図である。また、図2(A)は、可動金型21の側面図であり、図2(B)は、固定金型41の側方断面図であり、図2(C)は、可動金型21と固定金型41とを型締めした状態を示す側面図である。
図1(A)は、本実施形態の成形金型のうち可動金型の型面側を説明する図であり、図1(B)は、成形金型のうち固定金型の型面側を説明する図である。また、図2(A)は、可動金型21の側面図であり、図2(B)は、固定金型41の側方断面図であり、図2(C)は、可動金型21と固定金型41とを型締めした状態を示す側面図である。
図1(A)及び2(A)に示すように、可動金型21は、板状の部材であり、型面21a側に光学部品用の転写面31と2つの位置決めピン32,33とを備える。ここで、2つの位置決めピン32,33は、可動金型21の対角位置に配置されている。各位置決めピン32,33は、截頭円錐状の外形を有する凸状部材であり、略円筒状の側面である外周面32a,33aと、先端側の平坦な頂面32b,33bとを有する。外周面32a,33aは、後述する位置決め凹部52,53の内面と当接することによって位置決めを可能にする部分あり、高精度に加工されている。なお、各位置決めピン32,33は、可動金型21に対して着脱可能に固定されており、劣化した場合は交換することができる。
図1(B)及び2(B)に示すように、固定金型41は、板状の部材であり、型面41a側に光学部品用の転写面51と2つの位置決め凹部52,53とを備える。ここで、2つの位置決め凹部52,53は、可動金型21に設けた2つの位置決めピン32,33にそれぞれ対応して配置されている。各位置決め凹部52,53は、すり鉢型の凹状部材であり、筒状の内側面である内周面52a,53aと、平坦な底面52b,53bとを有する。内周面52a,53aは、位置決めピン32,33の外周面32a,33aとそれぞれ当接することによって位置決めを可能にする部分あり、外周面32a,33aと同じ傾斜角となるように高精度に加工されている。なお、各位置決め凹部52,53は、位置決め凹部52,53に対して着脱可能に固定されており、劣化した場合は交換することができる。
以上において、一方の位置決め凹部52は、型締め時に一方の位置決めピン32と嵌合し、当該位置決めピン32とともに位置決め部材56を構成し、他方の位置決め凹部53は、型締め時に他方の位置決めピン33と嵌合し、当該位置決めピン33とともに位置決め部材57を構成する。
図1(B)等に示すように、各位置決め凹部52,53には、潤滑剤を供給する供給部61と、余剰の潤滑剤を排出する排出部62とが連結されている。
潤滑剤の供給部61は、潤滑剤供給装置61aを備え、潤滑剤供給装置61aは、図示を省略するが、グリス等の潤滑剤を保持する容器部分と容器部分から潤滑剤を必要な圧力で送り出す駆動部とを有する給脂部である。潤滑剤供給装置61aからは、配管61bが延びて固定金型41に接続されており、この配管61bは、固定金型41内に設けた管路61qを介して、位置決め凹部52,53の内面である内周面52a,53aに設けた吐出口61rに連通している。潤滑剤供給装置61aを適当なタイミングで動作させることにより、配管61b及び管路61qを介して潤滑剤が送り出され、吐出口61rから所望量の潤滑剤が吐出される。なお、潤滑剤の吐出口61rは、内周面52a,53aに形成された環状の誘導溝71の窪み位置に開口されている。
位置決め凹部52,53の内周面52a,53aに設けた誘導溝71は、型締め方向であるZ方向に垂直なXY面に平行な平面に沿って切れ目なく延びている。つまり、誘導溝71は、内周面52a,53aに沿って一定の深さ位置に環状に形成されている。この結果、位置決め凹部52,53の窪み形状は、中心軸AX1のまわりに回転対称となり、同様に中心軸AX2のまわりに回転対称な位置決めピン32,33との嵌合が安定し、位置決めが高精度となる。
潤滑剤の排出部62は、位置決め凹部52,53の内周面52a,53aのうち底面52b,53b側に形成された排出口62cと、固定金型41等の内部に設けた管路62dと、固定金型41に接続された配管62eとを備える。排出部62は、位置決め凹部52,53に位置決めピン32,33を所定圧力で嵌合させる型締めの際に、底面52b,53bと頂面32b,33bとの間に溜まる余剰の潤滑剤を、排出口62c、管路62d、及び配管62eを介して外部に排出するためのものである。なお、配管62eの先端は、余剰の潤滑剤を受け止めるだけであり大気に開放されているが、積極的に負圧を付与して位置決め凹部52,53の底部の潤滑剤を積極的に外部に吸引排出する構造とすることもできる。
図3(A)及び3(B)は、型締め時における位置決めピン32と位置決め凹部52との動作を説明する断面図である。図3(A)は、型締めが完了する前の状態を示し、位置決めピン32が位置決め凹部52内に部分的に入り込んでいる。図3(B)は、型締めが完了した後の状態を示し、位置決めピン32が位置決め凹部52内に完全に入り込んでいる。この際、位置決め凹部52の底面52bと位置決めピン32の頂面32bとの間には、遊びの空間SPが残っており、この空間SPには、空気や余剰の潤滑剤が溜まるが、余剰の潤滑剤は、位置決め凹部52の底部42fに設けた排出口62cを介して外部に排出される。これにより、余剰の潤滑剤が位置決め凹部52の底部42fに溜まって固定金型41の型面41a側に溢れ出すことを防止でき、余剰の潤滑剤が位置決め凹部52と位置決めピン32との精密な嵌合を妨げることを防止できる。
図1(B)等に戻って、潤滑剤の供給部61において、潤滑剤供給装置61aを動作させるタイミングは、可動金型21と固定金型41とを開閉動作させる回数に応じたものとすることができる。具体的には、グリス等の潤滑剤が枯渇しない程度の開閉動作回数(例えば数10回)の範囲内において1回以上のタイミングで潤滑剤供給装置61aを動作させ、吐出口61rから適量の潤滑剤を吐出させることができる。また、潤滑剤供給装置61aを動作させるタイミングは、図2(A)及び2(B)に示すように、可動金型21と固定金型41とが離間する型開状態となった場合とする。これにより、吐出口61rから吐出させる潤滑剤の量を簡易に調整することができ、吐出された潤滑剤を誘導溝71に沿って確実に流動させることができるので、位置決め凹部52,53の内周面52a,53aに沿って潤滑剤を一様に広げることができる。よって、位置決め凹部52,53に位置決めピン32,33を嵌合させた後は、内周面52a,53aと外周面32a,33aとの当接面間に潤滑剤を均一に広げることができ、潤滑剤を均一な厚さに塗布する効果を高めることができる。
以上の説明では各位置決め凹部52,53に1つの吐出口61rを設けているが、各位置決め凹部52,53に2つ以上の吐出口61r又は供給部61を設けることもできる。この場合、位置決め凹部52,53に平行に配置される複数の誘導溝71を設け、各誘導溝71に吐出口61rを設けることができる。
また、以上の説明では各位置決め凹部52,53に1つの排出口62cを設けているが、各位置決め凹部52,53に2つ以上の排出口62c又は排出部62を設けることもできる。また、排出口62cは、位置決め凹部52の底部42fすなわち空間SPに臨む位置に存在すればよく、内周面52a,53aに限らず、底面52b,53b側に形成されたものとできる。さらに、潤滑剤の排出口を位置決めピン32,33の頂面32b,33bに配置することもでき、この場合、当該排出口からの潤滑剤を可動金型21内に設けた管路に沿って外部に排出することになる。
以上の説明では、位置決めピン32,33や位置決め凹部52,53を回転対称な形状としたが、その他の形状とすることもできる。例えば、位置決めピン32,33と位置決め凹部52,53とを円錐側面で嵌合させる代わりに、角錐側面で嵌合させることもできる。
また、位置決め部材56,57の設置数も、2つに限らず、位置決め精度、強度等の要求に応じて適宜増減することができる。
以上の説明から明らかなように、本実施形態の成形金型では、固定金型41側に設けた潤滑剤の供給部61が位置決め凹部52,53に潤滑剤を供給するので、位置決め凹部52,53や位置決めピン32,33からなる位置決め部材56,57の磨耗を防止して位置決め部材56,57の寿命を長くすることができる。よって、このような成形金型を用いて射出成形等を行えば、レンズ等の成形品の精度を長期間にわたって維持することができる。この際、潤滑剤の排出部62が位置決め部材56,57に供給された余剰の潤滑剤を排出するので、位置決め部材56,57に溜まった余剰の潤滑剤によって位置決め精度が下がることを防止できるとともに、潤滑剤が型面21a,41aや転写面31,51に広がって成形不良が発生することを防止できる。
なお、以上のような成形金型を用いることにより、かかる成形金型によって得られる成形品が例えばNA0.65以上の光ピックアップ用の対物レンズ(具体例として、NA0.65のHD DVD用対物レンズを含む)であって、特にNA0.75以上の用対物レンズ(具体例として、NA0.85のBD用対物レンズ等を含む)である場合に、両金型21,41の位置ずれを低減でき、コマ収差等に関する製品仕様を満たす対物レンズを少ないメンテナンスで長期間にわたって連続的に生産することができる。
〔第2実施形態〕
以下、第2実施形態に係る成形金型及び成形方法について説明する。なお、第2実施形態に係る成形金型及び成形方法は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
以下、第2実施形態に係る成形金型及び成形方法について説明する。なお、第2実施形態に係る成形金型及び成形方法は、第1実施形態を変形したものであり、特に説明しない部分については、第1実施形態と同様であるものとする。
図4(A)は、本実施形態の成形金型のうち可動金型21の側面図であり、図4(B)は、固定金型41の側方断面図であり、図5は、固定金型41の型面側を説明する図である。
図4(A)に示すように、可動金型21は、複数組の位置決めブロック132,133を備える。このうち、上下一対の位置決めブロック132は、これらを一組として上下方向に関する位置決め機能を発揮する。各位置決めブロック132は、凸状部材として、可動金型21の外周に向かう外側面132aと、その他の外側面132bと、平坦な頂面132cとを有する。このうち、僅かに傾斜した外向きの外側面132aは、後述する上下の位置決め凹部152の内面と当接することによって位置決めを可能にする部分ある。一方、左右一対の位置決めブロック133も、これらを一組として左右方向に関する位置決め機能を発揮する。位置決めブロック133は、凸状部材として、外向きの外側面133aと、その他の外側面133bと、平坦な頂面133cとを有する。このうち、僅かに傾斜した外側面133aは、後述する左右の位置決め凹部153の内面と当接することによって位置決めを可能にする部分ある。なお、以上の位置決めブロック132,133は、可動金型21に対して着脱可能に固定されており、劣化した場合は交換することができる。
図4(B)に示すように、固定金型41は、複数組の位置決め凹部152,153を備える。このうち、上下一対の位置決め凹部152は、可動金型21に設けられた上下一対の位置決めブロック132と協働して上下方向用の位置決め部材を構成する。各位置決め凹部152は、凹状部材として、固定金型41の中心に向かう内側面152aと、その他の内側面152bと、平坦な底面152cとを有する。このうち、僅かに傾斜した内向きの内側面152aは、位置決めブロック132の外側面132aと当接することによって位置決めを可能にする部分ある。この際、+Y側の位置決め凹部152は、これと嵌合する+Y側の位置決めブロック132に−Y方向の力を与え、−Y側の位置決め凹部152は、これと嵌合する−Y側の位置決めブロック132に+Y方向の力を与える。一方、左右一対の位置決め凹部153も、可動金型21に設けられた左右一対の位置決めブロック133と協働して左右方向用の位置決め部材を構成する。各位置決め凹部153は、凸状部材として、内向きの内側面153aと、その他の内側面153bと、平坦な底面153cとを有する。このうち、僅かに傾斜した内向きの内側面153aは、位置決めブロック133の外側面133aと当接することによって位置決めを可能にする部分ある。この際、+X側の位置決め凹部153は、これと嵌合する+X側の位置決めブロック133に−X方向の力を与え、−X側の位置決め凹部153は、これと嵌合する−X側の位置決めブロック133に+X方向の力を与える。なお、以上の位置決め凹部152,153は、固定金型41に対して着脱可能に固定されており、劣化した場合は交換することができる。
位置決め凹部152,153に形成された位置決め用の内側面152a,153aには、直線状に延びる誘導溝71が形成されている。各誘導溝71の中央には、潤滑剤の供給部61を構成する吐出口61rが形成されている。なお、誘導溝71は、内側面152a,153aに限らず、位置決め凹部152,153の内面全周にわたって例えば同じ深さ位置に環状に形成することができ、吐出口61rは、誘導溝71に沿った複数箇所に形成することができる。
位置決め凹部152,153の底面152c,153c近傍の底部には、潤滑剤の排出部62を構成する排出口62cが形成されている。なお、この排出口62cは、一箇所に限らず複数箇所に形成することができ、例えば底面152c,153c等の別の位置に形成することもできる。
なお、以上の第2実施形態では、位置決めブロック132,133の外側と、位置決め凹部152,153の外側とで位置決めを行っているが、位置決めブロック132,133の内側と、位置決め凹部152,153の内側とで位置決めを行うこともできる。
以上実施形態に即して本発明を説明したが、本発明は、上記実施形態に限定されるものではなく、様々な変形が可能である。例えば、可動金型21と固定金型41とは、入れ替え可能であり、固定金型41に位置決めピン32,33や位置決めブロック132,133を設けることができ、可動金型21に位置決め凹部52,53,152,153を設けることもできる。
また、可動金型21と固定金型41とは、横置きの成形装置に限らず竪型の成形装置に組み込むことができる。
21…可動金型、 31,51…転写面、 32,33…位置決めピン、 32a,33a…外周面、 41…固定金型、 42f…底部、 52,53…位置決め凹部、 52a,53a…内周面、 56,57…位置決め部材、 61…供給部、 61a…潤滑剤供給装置、 61r…吐出口、 62…排出部、 62c…排出口、 71…誘導溝、 AX1…中心軸、 AX2…中心軸、 SP…空間
Claims (10)
- 第1金型と、
第2金型と、
前記第1金型と前記第2金型とを型締めする際に前記第1金型と前記第2金型との位置決めを行う位置決め部材と、
前記位置決め部材に潤滑剤を供給する供給部と、
前記位置決め部材に供給された余剰の潤滑剤を排出する排出部と、
を備える成形金型。 - 前記位置決め部材は、前記第1及び第2金型の一方に固定される凸状部材と、前記第1及び第2金型の他方に固定される凹状部材とを有し、前記凸状部材と前記凹状部材とは、前記第1及び第2金型を型締めする際に互いに嵌合し、前記供給部は、前記凸状部材と前記凹状部材との当接面に潤滑剤を供給することを特徴とする請求項1記載の成形金型。
- 前記排出部は、型締め時に前記凸状部材と前記凹状部材とに挟まれて潤滑剤が送り込まれる部分に配置される排出口を有することを特徴とする請求項2記載の成形金型。
- 前記排出口は、前記凹状部材の底部に形成されることを特徴とする請求項3記載の成形金型。
- 前記凹状部材は、前記凸状部材と嵌合する内面に潤滑剤を案内する溝を有することを特徴とする請求項2から請求項4までのいずれか一項に記載の成形金型。
- 前記溝は、型締め方向に垂直な面に沿って延びることを特徴とする請求項5記載の成形金型。
- 前記溝は、型締め時に前記凸状部材の側面側の周囲を囲むように形成されていることを特徴とする請求項6記載の成形金型。
- 前記供給部は、前記第1金型と前記第2金型とを開閉動作させる回数に応じて前記位置決め部材に潤滑剤を供給する請求項1から請求項7までのいずれか一項に記載の成形金型。
- 前記供給部は、前記第1金型と前記第2金型とが離間する型開状態となった場合における所定のタイミングで、前記位置決め部材に潤滑剤を供給する請求項8に記載の成形金型。
- 請求項1から請求項9までのいずれか一項に記載の成形金型を用いて、射出成形を行うことを特徴とする光学素子の成形方法。
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