JP2009177979A - 補償用変圧器 - Google Patents

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Abstract

【課題】電気鉄道用交流変電所に力率改善のために設けられ無効電力補償装置に適用され、補償容量の調節のためにタップ切替を行ったとしても補償用のコンデンサとの間に常に一定のリアクタンス比を確保できる補償用変圧器を提供する。
【解決手段】電気鉄道用交流変電所2の交流き電用変圧器5の二次側に設ける単相の内鉄型変圧器1であって、二次側にコンデンサ16が取り付けられる単一のタップ14aと、一次側に前記コンデンサ16による補償容量を調整可能である複数の無電圧切替タップ13b〜13fとを備え、そのパーセントインピーダンス%Zは、一次側電圧が40〜70kVの範囲内で前記無電圧切替タップ13b〜13fの何れの切り替え状態においても、16〜20%であることを特徴とする。
【選択図】図1

Description

本発明は補償用変圧器に関するものであり、詳細には、電気鉄道用交流変電所に設置される無効電力補償装置に適用される補償用変圧器に関する。
従来より、電気鉄道用交流変電所において、力率改善のための無効電力補償装置を設けることが行われている。図5は従来の電気鉄道用交流変電所90の構成を説明する図である。この電気鉄道用交流変電所90は、負荷91に交流電力を供給する電源(き電用変圧器の二次側)92と、この電源92に接続された無効電力補償回路93とを備える。このように、負荷91に無効電力補償回路93を並列に接続することにより、これが接続された系統の力率を改善することができる。
前記無効電力補償回路93はコイル93Lとコンデンサ93Cとを直列接続した進相設備であり、負荷91を含めた回路全体の無効電力を補償し、力率を改善するために一定の補償容量を供給すると共に、所定のリアクタンス比αを持つものである。ここで100分率で表されるリアクタンス比αは式(1)に示すように、コイル93Lの誘導性リアクタンスXLとコンデンサ93Cの容量性リアクタンスXCの比で表すことができる。
α=XL/XC×100 … 式(1)
また、特開2004−236494号公報(以下、特許文献1という)に示されるように、近年ではコイル93Lの代わりに変圧器の漏れインピーダンスを利用し、補償用変圧器とコンデンサで構成される無効電力補償装置(進相設備)が考えられている。補償用変圧器とコンデンサで構成される無効電力補償装置では、補償用変圧器のタップを切替えることにより、補償用変圧器の二次側の電圧を変えることが可能であるから固定的に設けたコンデンサによる補償容量を変化させられることが可能である。
特開2004−236494号公報
しかしながら、従来の一般的な内鉄型変圧器はそのパーセントインピーダンスが6〜8%程度であるから、この内鉄型変圧器を用いて前記無効電力補償装置を形成した場合には、無効電力補償装置が容量性のリアクタンスとなるので、3次高調波成分を極めて拡大することが懸念される。また、一般的な内鉄型変圧器を用いた無効電力補償装置では、補償容量を調整した場合にリアクタンス比α(%)を一定にすることが困難であるから、余分な高調波成分がコンデンサに流入することにより設備が過負荷になるという問題もある。
また、特許文献1のように無効電力補償装置として汎用の内鉄形変圧器を使用した場合には、変圧器のタップ切替えを行うと、各タップに接続される巻線が異なることにより、変圧器のパーセントインピーダンスが巻数の二乗に比例して大きく変化するので、補償用変圧器とコンデンサのリアクタンス比が変わり、進相設備に必要とされる一定のリアクタンス比の確保が困難となる欠点がある。
本発明は、上述の事柄を考慮に入れてなされたものであり、その目的は、電気鉄道用交流変電所に力率改善のために設けられ無効電力補償装置に適用され、補償容量の調節のためにタップ切替を行ったとしても補償用のコンデンサとの間に常に一定のリアクタンス比を確保できる補償用変圧器を提供することである。
前記課題を解決するため、本発明は、電気鉄道用交流変電所の交流き電用変圧器の二次側に設ける単相の内鉄型変圧器であって、二次側にコンデンサが取り付けられる単一のタップと、一次側に前記コンデンサによる補償容量を調整可能である複数の無電圧切替タップとを備え、そのパーセントインピーダンスは、一次側電圧が40〜70kVの範囲内で前記無電圧切替タップの何れの切り替え状態においても、16〜20%であることを特徴とする補償用変圧器を提供する。(請求項1)
前記構成の補償用変圧器によれば、その一次側に設けた無電圧切替タップを切替えることにより、その補償用変圧器の二次側の電圧を調整し、この補償用変圧器の二次側に取り付けられるコンデンサによる補償容量を調整することができる。また、無電圧切替タップの切り替えによって一次側の巻数が切替えられると、この巻数の2乗に比例して補償用変圧器の一次側のインピーダンスが大きくなるが、二次側の電圧が巻数分の1に比例して低くなり、二次側から見たインピーダンスはこの二次側電圧の2乗に比例するので、一次側巻数の2乗分の1になり、結果的に補償用変圧器のパーセントインピーダンス%Zは一定となり、二次側に接続されたコンデンサの容量性リアクタンスと漏れインピーダンスの誘導性リアクタンスの比率つまりリアクタンス比が一定となる。
ここで、補償用変圧器の漏れインピーダンス(誘導性リアクタンス)をXL、補償用変圧器の一次側のインピーダンス(誘導性リアクタンス)をXTとすると、この補償用変圧器のパーセントインピーダンス(ほぼリアクタンス分のみであるが)%Zは式(2)に示すように定義される。
%Z=(XL/XT)×100 … 式(2)
一方、前記進相装置のリアクタンス比αは、前述の式(1)に示すように、二次側に接続されるコンデンサの容量性リアクタンスXCと、補償用変圧器の誘導性リアクタンスXLの比で表すことができ、二次側においてはコンデンサが補償用変圧器を構成するコイルとループ状に接続されるので、各リアクタンスXC,XL,XTには式(3)に示す関係がある。
XC=XT+XL … 式(3)
したがって、式(2)に式(1)と式(3)を代入すると、補償用変圧器のパーセントインピーダンス%Zと、リアクタンス比αの関係は式(4)のようになる。
%Z=α/(1−α/100) … 式(4)
補償用変圧器の一次側電圧は鉄道用交流変電所がき電線に供給する40〜70kVの範囲内であるから、この電圧範囲内で補償用変圧器のパーセントインピーダンス%Zは、無電圧切替タップの何れの切り替え状態においても、16〜20%であることにより、前記リアクタンス比αを13.7〜16.8%の間に保つことができる。
前記補償用変圧器は、そのパーセントインピーダンス%Zが12.4%であるときに、前記リアクタンス比αは11.1%となり、3次高調波成分において共振するが、補償用変圧器のパーセントインピーダンス%Zが16%以上であればリアクタンス比αを13.7%以上に保つことができるので3次高調波成分においても共振することがないだけでなく、5次以上の高調波成分に対してはその共振を確実に避けることができる。また、変圧器のパーセントインピーダンス%Zが20%以下であることにより、余分な損失による発熱を抑えることができ、変圧器の小型化を図ることができる。
前記無電圧切替タップは一次側のコイルを電源から切り離した状態でタップの切り替えを行うように構成されたタップであり、一次側コイルの両端にき電線から切り離すための遮断器を備えるものであることが好ましい。あるいは、交流き電用変圧器の二次側に遮断器を設けてき電線に対する給電を停止した状態でタップ切り替えを行うものであってもよい。
なお、前記補償用変圧器の一次側と二次側の巻線間に静電結合による移行電圧の影響が大きい場合には一次巻線と二次巻線の間に静電シールドを設置することが好ましい。
一次側の巻線は、複数のタップ間巻線からなり、少なくとも一つのタップ間巻線を逆巻きとしてタップの間隔を調節し、パーセントインピーダンスの設計値に対してタップ切替えに伴うパーセントインピーダンスの変化率の裕度を−5〜+10%の範囲に抑えたものである場合(請求項2)には、一次側の巻線が、複数のタップ間巻線からなり、少なくとも一つのタップ間巻線を逆巻きとしているので、隣り合うタップ間における電位差を低く抑え短絡機械力を小さくすることができ、各タップ間巻線間の間隙の調整に自由度を設けてタップの間隔を短絡機械力に抵抗できる程度に可及的に小さく抑えることを可能としている。つまり、タップ切替に伴うパーセントインピーダンスの変化率を低く抑えるように各タップ間巻線を形成することができる。
隣接する3つのタップ間巻線のうち中間のタップ間巻線が逆巻であり、巻数最大時には、逆巻のタップ間巻線の両端に設けたタップを、互いに反対側のタップに隣接するタップ間巻線の端部に設けたタップに接続可能に構成することが好ましい。この場合、タップ切り替えによって一次巻線の巻数を調整でき、かつ、逆巻のタップ間巻線と、これに隣接するタップ間巻線の間に生じる電位差を低く抑えて、各タップの隙間をより自由に設定して配置することができるのでタップ切り替えに伴う補償用変圧器のパーセントインピーダンスの変化を小さくすることができる。
加えて、パーセントインピーダンスの設計値に対してタップ切替に伴うパーセントインピーダンスの変化率の裕度を−5〜+10%の範囲に抑えたものであり、通常の裕度±7.5%と比較して高めに設定しているので、補償用変圧器とこれに接続されるコンデンサによるリアクタンス比αを誘導性に保つことができる。すなわち、補償用変圧器のパーセントインピーダンス%Zの設計値を最低の16%とした場合に、タップ切り替えによって補償用変圧器のパーセントインピーダンス%Zが最大変動(−5%)によって15.2%になったとしても、リアクタンス比αを13.1%以上にすることができ、3次高調波成分による共振点の11.1%より高く保つことができる。
定格電流300A以上の補償用変圧器において、その巻線は、漂遊負荷損を抑制する程度に細分化された複数の導体が、互いに絶縁された状態で束ねられたものであり、導体1本あたりの電流値を35A以下とする場合(請求項3)は、細分化された導体に流す電流が35A以下であることにより、渦電流の発生による影響が問題になりにくく、漂遊負荷損を低減することができ、かつ、巻線を細分化することに伴うコストアップを必要最小限に抑えることができる。したがって、定格電流300A以上の補償用変圧器であっても、漂遊負荷損を低減できるので、補償用変圧器の損失の低減を図ることにより、補償用変圧器の小型化を達成することができ、それだけ、補償用変圧器の製造コストを削減することができる。
つまり、補償用変圧器の定格電流が300Aの場合9本の導体を束ねることにより、各導体あたりの電流を35A以下とすることができ、渦電流による漂遊負荷損を効果的に小さくすることができる。また、例えば定格900Aの補償用変圧器において、巻線は導体を28本束ねて形成したものであれば、各導体に流れる電流を32.1A程度に抑えることにより、より小型で安価な補償用変圧器を得ることができる。前記導体の断面形状は厚さ2mm×幅8mmの扁平な断面形状であることにより、渦電流を効果的に防止することができる。
本発明の補償用変圧器を用い、その一次側を電気鉄道用交流変電所の交流き電用変圧器の二次側に接続し、二次側に補償用のコンデンサを接続することにより、無効電力補償に必要な進相設備を容易に形成することができる。また、負荷の力率の変化により無効電力補償に必要な進相容量が変化した場合には、無電圧切替タップを切り替えることにより、無効電力補償のための進相容量を調整することができる。これによって、無効電力補償が不足することも過剰補償となることもなく、適正に無効電力を補償することができる。
加えて、前記補償用変圧器は、その無電圧切替タップの何れの切替状態においてもパーセントインピーダンスの値が16〜20%であるから、進相設備として3次高調波成分に対して誘導性リアクタンスとなるので、き電回路に存在する3次高調波成分を拡大させることがなく、安全に無効電力補償を行うことができる。また、前記補償用変圧器は汎用性の高い内鉄型変圧器であるから、補償用変圧器を既存の製造技術によって比較的安価にて製造することができる。
一次側の巻線が漂遊負荷損を抑制する程度に細分化された複数のタップ間巻線からなり、少なくとも一つのタップ間巻線を逆巻きとしている場合には、タップ間の電位差を低く抑えることができるので、各タップの間隙を、タップ切替に伴うパーセントインピーダンスの変化率の裕度を−5〜+10%の範囲に抑えるように調節することができる。つまり、負荷の力率変化に伴って補償用変圧器の補償容量を変えた場合にも高調波成分による共振を確実に防ぐことができる。
補償用変圧器の巻線の導体は、漂遊負荷損を抑制する程度に細分化された複数の導体からなり互いに絶縁された状態で束ねられる導体からなる場合には、各導体に流す電流を少なくしてき電線に潜在する高調波による補償用変圧器の漂遊負荷損の増加を抑制することができ、この漂遊負荷損による生じる熱を放熱するための大掛かりな構成を不要とするので、変圧器の小型化を達成すると共にその製造コストの削減を図ることができる。
次に、本発明の補償用変圧器の具体的な構成を示す実施形態について図面を参照しつつ詳細に説明する。
図1〜図3は本発明の実施形態に係る内鉄型変圧器1の簡易回路図を説明する図である。図1に示すように、本発明の補償用変圧器1は、電気鉄道用交流変電所2の無効電力補償装置3に適用されるものである。
鉄道用交流変電所2は例えば154kVの特別高圧の三相交流を単相交流に変換してき電線4に供給する交流き電用変圧器からなる電源5と前記無効電力補償装置3とを備え、負荷(電車など)6に電力を供給するものである。
前記補償用変圧器1は、一次巻線10と二次巻線11を鉄心12に巻き付けてなり定格電流300A以上(例えば450A)の内鉄型変圧器であり、その一次巻線10はその長さを変更可能とする複数の無電圧切替タップ13a,13b…を備える一方、二次巻線11は単一(一対)のタップ14aを備える。この補償用変圧器1はその一次側電圧が40〜70kVの範囲内で前記無電圧切替タップ13a〜13fの何れの切り替え状態においても、そのパーセントインピーダンスが16〜20%となるように設計されている。また、15は一次巻線10を前記き電用変圧器5の二次側に断続可能に接続する遮断器、16は二次巻線11に取り付けられる補償用のコンデンサである。
図2は前記補償用変圧器1の一次巻線10の構成を概略的に説明する図である。電気鉄道用交流変電所2は前記き電線4を介して負荷6に電力を供給するために各所に配置したものである。
前記無効電力補償装置3は補償用変圧器1と、遮断器15と、コンデンサ16とを備え、負荷6に並列に接続されることにより、負荷6を含む系統の力率を改善するものである。また、負荷6を含む系統の無効電力に合わせて前記タップ13a〜13fを切替えることにより、補償容量を変更可能に構成している。
前記電源5はスコット結線や変形ウッドブリッジ結線された変圧器を用いて3相交流を単相に変換する交流き電用変圧器であり、例えば154kVの特別高圧を60kV(日本では他にも44kVである場合もある)に変圧するものである。電源5は3相交流を単相に変換する交流き電用変圧器であるから、その二次側に生じる電圧には3次高調波成分が含まれることは避けられない。
前記負荷6はその大部分が電車であるから、ほとんどは誘導性負荷であるが、近年の電車にはインバータなどのスイッチング素子よって生じる高次の高周波成分も大きくならざるをえない。
図2において、10A,10B,10Cは前記タップ13a〜13c、13d〜13e、13f〜10g間に接続されるタップ間巻線であり、これら隣接する3つのタップ間巻線10A〜10Cのうち、中間のタップ間巻線10Bを逆巻としている。また、この逆巻のタップ間巻線10Bの両端に設けたタップ13d,13eを、互いに反対側のタップ13e,13dに隣接するタップ間巻線10C,10Aの端部に設けたタップ13f,13cに接続可能に構成している。
また、巻線10は一点鎖線で囲んだ拡大図に示すように、漂遊負荷損を抑制する程度に細分化された14本の導体20が、絶縁被覆21によって互いに絶縁された状態で束ねられたものであり、各導体20に流れる電流は、定格電流を流した状態で35A以下になるように、細分化の数を定める。例えば、補償用変圧器1の定格電流が450Aである場合には、巻線10を14本の導体20に細分化することにより、各導体20の一本あたりの電流値を32.1A程度に抑えることができる。また、本実施形態の巻線10は図示縦方向に7本の導体20を並べて配置したコイルを図示横方向に2個並列に接続している。
各導体20の断面形状は例えば厚さ2mm、幅8mmの矩形である。つまり、巻線10は断面形状の扁平率が高い帯状の導体20を複数本束ねたものであるから、導体20内で渦電流が発生しにくいように構成されている。
図2に示す接続状態では、タップ間巻線10Bの一端に設けたタップ13dをタップ間巻線10Cの一端に設けたタップ13fに接続するジャンパー線22と、タップ間巻線10Aの中間部分に設けたタップ13bをタップ間巻線10Bの一端に設けたタップ13dに接続するジャンパー線23とを備える。
各タップ間巻線10A〜10Cは、前記ジャンパー線22,23を用いたタップ切替えに伴う補償用変圧器1のパーセントインピーダンスの変化率の裕度を−5〜+10%の範囲に抑えることができるように、タップ13c,13dの間隔(ギャップ)d1とタップ13e,13fの間隔(ギャップ)d2とを調節して配置している。
以下、前記構成の補償用変圧器1の動作を説明する。
前記電源5からき電線4を介して電車6に60kVの交流電圧が供給されるとすると、補償用変圧器1の一次巻線10に60kVの交流電圧が印加され、補償用変圧器1の二次巻線11の両端には2000〜7000Vの通常の交流電圧に変換されて、コンデンサ16に印加される。
また、補償用変圧器1は通常の並列コンデンサ設備における直列リアクトルの代わりとなり、無効電力補償装置3は補償用変圧器1の漏れインピーダンス(誘導性リアクタンス)XLとコンデンサ16の容量性リアクタンスXCの値によって定まる進相設備となる。そして、前記コンデンサ16の容量性リアクタンスXCと、補償用変圧器1の漏れインピーダンス(誘導性リアクタンス)XLの比が前記式(1)に示す大きさのリアクタンス比αとなる。
本発明の補償用変圧器1を用いた無効電力補償装置3は負荷6を含む系統の無効電力に合わせてタップ13b〜13fを切替えることにより、その補償容量を調整することができるように構成されている。すなわち、遮断器15を用いて補償用変圧器1を電源5から切り離した状態で、前記タップ13b〜13fに対するジャンパー線22,23の接続状態を変更することにより、タップ13b〜13fの切替えを行って一次巻線10の巻数を変更することができ、二次巻線11の両端に変換される電圧の大きさを調節可能とし、これによって1次側から見たコンデンサ16の補償容量を変化させることにより、無効電力補償装置の補償容量を調節することができる。なお、前記遮断器15は電源5側に設けて、き電線4に対する給電を停止した状態でタップ切替を行ってもよい。
本発明の補償用変圧器1はタップ13b〜13fの切替え状態に関係なく、商用電源の50〜60Hzにおける前記リアクタンス比αを少なくとも3次高調波成分における共振点となる11.1%よりも大きくなるように、補償用変圧器1のパーセントインピーダンス%Zがほぼ一定となるように調整するものである。
すなわち、補償用変圧器1に供給される一次側電圧の大きさが日本の電気鉄道用き電線4に供給される40〜70kVの電圧範囲において、補償用変圧器1のパーセントインピーダンス%Zは、無電圧切替タップ13b〜13fの何れの切り替え状態においても、16〜20%を保つことができるように調節されているので、補償用変圧器1とコンデンサ16によって形成される無効電力補償装置3のリアクタンス比αを13.7〜16.7%の間に調節することができる。ゆえに、負荷6から発生する高調波に対して、負荷6に接続されている系統と無効電力補償装置3とが共振し、高調波が拡大することを防ぐことができる。
既に言及したとおり、パーセントインピーダンスの大きさはタップ13b〜13f間のギャップd1,d2を小さく抑えることにより、タップ13a〜13fの切替え状態にほぼ関係なくほぼ一定を保つことができる。さらに、本実施形態のように構成された補償用変圧器1は一次巻線10を複数のタップ間巻線10A〜10Cに分けると共に、真ん中のタップ間巻線10Bを逆巻にしているので、各タップ13c,13d間のギャップd1およびタップ13e,13f間のギャップd2を必要最小限に小さくすることができる。
図3は図2に示す構成の補償用変圧器1にインパルス電圧(サージ電圧)がかかった場合における電位と位置の関係(電位分布)を示す図であり、図4は一般的なタップ切替え可能に構成された変圧器の電位分布を示す図である。
図3に示すように、タップ13gを基準にタップ13aにインパルス電圧を印可した場合の電位分布は、ジャンパー線22,23によって接続されるタップ13b,13d,13fは同電位となり、タップ13cの電位はタップ13dの電位よりタップ13b,13c間のタップ間巻線10Aの巻数にほぼ比例する電位差ΔV2だけ低くなり、タップ13eの電位はタップ13d,13e間の巻線10Bの巻数にほぼ比例する電位差ΔV1だけ高くなる。このとき、タップ巻線10Bが逆巻であるからタップ間巻線10Bの部分における電位分布の傾きはタップ間巻線10A,10Cの部分における電位分布と正負逆の傾きとなる。
図4は最大巻数が図3に示すものと同等の一次巻線を備え、かつ、2つに分離されると共にそれぞれのタップ間巻線10Dと10Eの両端及び中間点にタップ13h,13j,13iと、13k,13m,13lを設ける例を示している。また、タップ13i,13l間をジャンパー線24によって接続した場合における電位分布を示す物である。
ここで、比較のために図4の構成におけるタップ13i,13j間の巻線の巻数は、図3に示すタップ13b,13c間の巻線の巻数と同じであり、タップ13k、13l間の巻線の巻数と同じであるとすると、ジャンパー線24によって巻数を最少に切替えた状態で、タップ13j,13k間の電位差ΔVは前記電位差ΔV1+ΔV2の大きさとなり、タップ13J,13k間で巻線間の機械力が強くなるので、巻線10D,10Eを自由に配置することができない。
一方、本実施形態に示すように、分断したタップ間巻線10A〜10Cを形成し、そのうちの一つのタップ間巻線10Cを逆巻としてるので、タップ13c,13d間の電位差ΔV1、およびタップ13e,13f間の電位差ΔV2を小さくすることができるので、巻線に短絡機械力が作用しにくくなり、ギャップd1,d2の幅をより自由に設定することができ、補償用変圧器1のパーセントインピーダンスをより正確に一定に合わせることができる。また、本発明の補償用変圧器1を用いることにより3次高調波成分および5次以上の高調波成分についても、無効電力補償装置3がその影響を受けることが少ない。
また、本実施形態の巻線10,11は一本あたり35A以下の電流を流すように、複数に分けられた導体20を束ねたものであるから、各導体20内で渦電流が発生しにくく、それだけ漂遊負荷損を低減できるので、無駄な損失による発熱を抑えることができる。つまり、補償用変圧器1の冷却のための構成が簡略なものを使うことができるので、その製造コストを削減することができ、かつ、小型化も達成することができる。
なお、補償用変圧器1の一次側巻線10と二次側巻線11の間に移行電圧の影響が大きい場合には、一次側巻線10と二次側巻線11の間に静電シールドを設置することが好ましい。
本発明の補償用変圧器を用いた電気鉄道交流変電所の全体構成を示す図である。 補償用変圧器の要部を示す図である。 前記補償用変圧器の動作を説明する図である。 一般的な変圧器の動作を説明する図である。 従来の無効電力補償装置の構成を示す図である。
符号の説明
1 補償用変圧器
2 電気鉄道用交流変電所
3 無効電力補償装置
5 交流き電用変圧器
6 負荷
10 一次巻線
10A〜10C タップ間巻線
11 二次巻線
13a,13b… 無電圧切替タップ
14a 単一のタップ
16 コンデンサ
d1,d2 ギャップ

Claims (3)

  1. 電気鉄道用交流変電所の交流き電用変圧器の二次側に設ける単相の内鉄型変圧器であって、
    二次側にコンデンサが取り付けられる単一のタップと、
    一次側に前記コンデンサによる補償容量を調整可能である複数の無電圧切替タップとを備え、
    そのパーセントインピーダンスは、一次側電圧が40〜70kVの範囲内で前記無電圧切替タップの何れの切り替え状態においても、16〜20%であることを特徴とする補償用変圧器。
  2. 一次側の巻線は、複数のタップ間巻線からなり、少なくとも一つのタップ間巻線を逆巻きとしてタップの間隔を調節し、パーセントインピーダンスの設計値に対してタップ切替えに伴うパーセントインピーダンスの変化率の裕度を−5〜+10%の範囲に抑えたものである請求項1に記載の補償用変圧器。
  3. 定格電流300A以上の補償用変圧器において、その巻線は、漂遊負荷損を抑制する程度に細分化された複数の導体が、互いに絶縁された状態で束ねられたものであり、導体1本あたりの電流値を35A以下とする請求項1または請求項2に記載の補償用変圧器。
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