JP2009177075A - 量子細線構造を作製する方法およびdfbレーザ素子を作製する方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】微細なレジストマスクを形成するための電子ビーム露光量の増大によるレジストマスク側面のラフネスを抑制することが可能な量子細線構造の作製方法を提供する。
【解決手段】本発明に係る量子細線構造の作製方法は、所望の量子細線構造の幅よりも太い幅を有するレジストマスクを用いて絶縁体マスク16を形成する工程と、この絶縁体マスク16を用いて多重量子井戸層12をエッチングし量子細線17を形成する工程とを備える。多重量子井戸層12のエッチング中に、絶縁体マスク16の幅がエッチングにより細くなるので、所望の幅を有する量子細線17が形成される。このため、絶縁体マスク16のためのレジストマスクの幅は、量子細線構造の細線幅より太くできる。従って、電子ビームの露光量を増加することなく、レジストマスクの形成が可能になる。
【選択図】 図3

Description

本発明は、量子細線構造を作製する方法およびDFBレーザ素子を作製する方法に関するものである。
非特許文献1には、多層量子細線レーザの作製方法及び作製した多層量子細線レーザの特性が記載されている。この多層量子細線レーザは、以下のように作製される。電子ビーム露光法により形成されたレジストパターンを用いて絶縁膜マスクを形成する。この絶縁膜マスクを用いて、CH/H反応性イオンエッチング法で半導体をエッチングして、多層量子細線構造を作製する。
特許文献1には、量子細線の製造方法が記載されている。この量子細線は以下のように製造される。まず、Si基板上に酸化膜を形成する。次に、レジストマスクを酸化膜上に形成する。このレジストマスクを用いて酸化膜をエッチングして、酸化膜にアンダーカットを生じさせる。続いて、この酸化膜をマスクとしてSi基板をエッチングすると、Si突起部が形成される。このSi突起部にSiをエピタキシャル成長してSi量子細線を形成する。
H. Yagi et al.: JJAP, 43 (2004) pp.3401-3409 特開2000−223691号公報
非特許文献1に記載される多層量子細線レーザの作製方法によれば、微細な量子細線を得るためには、絶縁膜マスクの形成に用いるレジストマスクの微細化も必要である。このレジストマスクは、電子ビーム露光法により形成される。微細なパターンを有するレジストマスクを形成するためには、電子ビームの露光量が増加する。しかしながら、露光量の増大に伴い、電子ビーム径が大きくなるので、レジストマスク側面のラフネスが大きくなる。このレジスト形状は絶縁膜マスクに転写され、この絶縁膜マスクにより量子細線が作製される。従って、量子細線の形状も、絶縁膜マスクの形状が転写されるので、量子細線側面のラフネスも大きくなる。このラフネスは、レーザ特性に悪影響を与え、しきい値電流の上昇等を生じさせる。
特許文献1に記載される量子細線の製造方法においては、アンダーカットにより生じた酸化膜の形状を利用している。即ち、アンダーカットにより酸化膜に突起を形成してマスクを作製する。このマスクを用いてSi基板の異方性エッチングを行なうことにより量子細線を形成している。マスクの形成に用いるレジストマスクの幅は、作製される量子細線幅と同程度に微細化することを必要とされない。この量子細線幅は、酸化膜に突起を生じさせるエッチングプロセスにより依存する。
本発明は、上記した問題点に鑑みてなされたものであり、電子ビーム露光によるレジストマスク側面におけるラフネスを低減することが可能な量子細線構造を作製する方法およびDFBレーザ素子を作製する方法を提供することを目的とする。
本発明に係る量子細線構造を作製する方法は、III−V族化合物半導体からなる量子細線構造を作製する方法であって、多重量子井戸層を半導体領域上に成長する工程と、絶縁膜を多重量子井戸層上に成膜する工程と、レジストマスクを絶縁膜上に電子ビーム露光法により形成する形成工程と、レジストマスクを用いて前記絶縁膜のエッチングを行なうことにより、絶縁体マスクを形成する工程と、レジストマスクを除去した後に、絶縁体マスクを用いて多重量子井戸層のエッチングを行うことにより、量子細線構造を形成する工程と、量子細線構造を半導体により埋め込む工程とを備え、量子細線構造は第1の幅を有し、レジストマスクは、第1の幅より太い第2の幅のパターンを有し、多重量子井戸層のエッチング中に絶縁体マスクのマスク幅がエッチングにより細くなることによって、量子細線構造の前記第1の幅が達成される。
この量子細線構造の作製方法においては、多重量子井戸層のエッチング中に絶縁体マスクもエッチングされて、絶縁体マスクの幅及び厚さが徐々に小さくなる。この絶縁体マスクの形状の変化を利用して、所望の細線幅を有する量子細線構造を多重量子井戸層に形成することが可能となる。また、絶縁体マスクの幅をエッチング中に細らせるので、絶縁体マスクのマスク幅は所望の量子細線構造の細線幅より大きくできる。このため、絶縁体マスクのためのレジストマスクの幅も、量子細線構造の細線幅より太くできる。故に、電子ビームの露光量を増加することなく、レジストマスクの形成が可能になる。従って、レジストマスク側面のラフネスの増大を抑制できる。
本発明に係る量子細線構造を作製する方法では、絶縁膜は、シラン系ガス及び酸化窒素系ガスをプロセスガスとして用いてプラズマCVD法により成膜することができる。この量子細線構造を作製する方法によれば、多重量子井戸層のエッチングに用いるガスに対するエッチング耐性が弱い絶縁膜を形成できるので、多重量子井戸層のエッチング中に絶縁体マスクのマスク幅及び厚さを小さくすることに好適である。
本発明に係る量子細線構造を作製する方法では、絶縁膜は、シリコン酸化膜であることを特徴とする。
本発明に係る量子細線構造を作製する方法では、多重量子井戸層のエッチングは、CHガス及びHガスを用いた反応性イオンエッチング法により行われることを特徴とする。この量子細線構造を作製する方法によれば、多重量子井戸層の異方性エッチング中に、絶縁体マスクの幅及び厚さを小さくすることができる。従って、この絶縁体マスクの幅及び厚さの変化を利用して、所望の細線幅を有する量子細線を多重量子井戸層に形成することが可能となる。
本発明に係る量子細線構造を作製する方法は、絶縁膜の成膜では、絶縁膜の厚さは、第1の幅に合わせて調整されていることを特徴とする。この量子細線構造の作製方法によれば、絶縁膜の厚さに対応した第1の幅が得られるので、絶縁膜の厚さを調整することにより、量子細線構造の所望の幅を得ることができる。
本発明に係るDFBレーザ素子を作製する方法は、クラッド層及び多重量子井戸層を半導体基板上に順に成長する工程と、絶縁膜を多重量子井戸層上に成膜する工程と、周期的に配列された複数の量子細線のためのパターンを有するレジストマスクを絶縁膜上に電子ビーム露光法により形成する工程と、レジストマスクを用いて絶縁膜のエッチングを行なうことにより、絶縁体マスクを形成する工程と、レジストマスクを除去した後に、絶縁体マスクを用いて多重量子井戸層のエッチングを行なうことにより、周期的に配列された複数の量子細線構造を形成する工程と、複数の量子細線構造を半導体により埋め込む工程とを備え、量子細線構造は第1の幅を有し、レジストマスクは、第1の幅より太い第2の幅のパターンを有し、多重量子井戸層のエッチング中に絶縁体マスクのマスク幅がエッチングにより細くなることによって、量子細線構造の前記第1の幅が達成されることを特徴とする。
このDFBレーザ素子の作製する方法においては、多重量子井戸層のエッチング中に絶縁体マスクもエッチングされて、絶縁体マスクの幅及び厚さが徐々に小さくなる。この絶縁体マスクの形状の変化を利用して、所望の細線幅を有する量子細線構造を多重量子井戸層に形成することが可能となる。また、絶縁体マスクの幅をエッチング中に細らせるので、絶縁体マスクのマスク幅は所望の量子細線構造の細線幅より大きくできる。このため、絶縁体マスクのためのレジストマスクの幅も、量子細線構造の細線幅より太くできる。故に、電子ビームの露光量を増加することなく、レジストマスクの形成が可能になる。従って、レジストマスク側面のラフネスの増大を抑制できる。
本発明によれば、電子ビーム露光によるレジストマスク側面におけるラフネスを低減することが可能な量子細線構造を作製する方法およびDFBレーザ素子を作製する方法が提供される。
本発明の知見は、例示として示された添付図面を参照して以下の詳細な記述を考慮することによって容易に理解できる。引き続いて、添付図面を参照しながら、本発明の量子細線構造を作製する方法及びDFBレーザ素子を作製する方法に係る実施の形態を説明する。可能な場合には、同一の部分には同一の符号を付する。
図1〜図5を参照しながら、本発明の実施の形態に係る量子細線構造の作製方法の工程を説明する。
図1(a)に示されるように、p型InP基板9といった半導体基板上にクラッド層(例えばp型InPクラッド層10)及び光閉じ込め層(例えばp型GaInAsP光閉じ込め層11)を成長する。これらの成長は、例えば有機金属気相成長炉を用いて成長される。次いで、p型GaInAsP光閉じ込め層11上に、多重量子井戸層12を形成する。多重量子井戸層12は、例えばアンドープGaInAsPからなる。多重量子井戸層12は、複数の井戸層12a及び障壁層12bを有する。クラッド層の厚さは、例えば2.0μmとすることができる。光閉じ込め層11の厚さは、例えば150nmとすることができる。多重量子井戸層12の厚さは、例えば84nmとすることができる。
図1(b)に示されるように、多重量子井戸層12上に絶縁膜13を形成する。この形成は、例えば、シラン系ガス及び酸化窒素系ガスをプロセスガスとして用いて、プラズマCVD法で行われる。シラン系ガスとしては、モノシラン、ジシランが用いられる。酸化窒素系ガスとしては、NOガス、Nガスが用いられる。一実施例では、SiHとNOが用いられる。このプラズマCVD法による絶縁膜13の形成は、例えば以下の条件で行うことができる。
SiHの流量:100cm/min
Oの流量:100cm/min
温度:230℃
プラズマのパワー:RFpower=20W
圧力:120Pa
以上の条件により、例えばSiO膜といったシリコン酸化膜が形成される。
次いで、絶縁膜13上にレジスト膜14を形成する。このレジスト膜14は、電子ビーム露光用レジストである。このレジスト膜14の厚さは、例えば60nmとすることができる。
図1(c)に示されるように、絶縁膜13上にレジストマスク15を形成する。この形成は、レジスト膜14を電子ビーム露光法により露光した後、この露光後のレジスト膜14を現像することで行なわれる。レジストマスク15は、周期的に配列された複数の細線パターンを有しており、周期的に配列された複数の細線パターンを絶縁膜13に形成するために用いられる。DFBレーザ素子を作製するので、細線パターンの周期Λは、レーザ発振の波長に対応したブラッグ周期である。例えば発振波長1550nmを得るためには、周期Λは240nmである。例えば発振波長1300nmを得るためには、周期Λは200nmである。
図1(d)に示されるように、レジストマスク15を用いて絶縁膜13をエッチングし、絶縁体マスク16を多重量子井戸層12上に形成する。このエッチングは、例えば、反応性イオンエッチングを用いることができる。例えば、エッチングガスとしてCFガスを用いる。このレジストマスク15の形状は、絶縁体マスク16に転写される。エッチングの後にレジストマスク15を除去して、所定の軸の方向に周期的に配列された複数の量子細線構造を形成するための絶縁体マスク16が形成される。このレジストマスク15の除去は、Oアッシングにより行なわれる。
図2(a)に示されるように、絶縁体マスク16を用いて多重量子井戸層12をエッチングして、周期的に配列された複数の量子細線17を形成する。このエッチングの一例では、CH/Hを用いた反応性イオンエッチング(RIE)が用いられる。ここで、図3を参照しながら、量子細線17を形成するRIE中における絶縁体マスク16の形状の変化及び多重量子井戸層12の形状の変化を説明する。
図3(a)に示されるように、RIEを行なう前の絶縁体マスク16aは、幅W2A及び厚さT2Aを有している。幅W2Aは、上記の所定の軸の方向に規定されている。この絶縁体マスク16aの、RIEに用いるCH/Hに対するエッチング耐性は弱いので、この絶縁体マスク16aを用いて多重量子井戸層12をエッチングする際に、多重量子井戸層12がエッチングされると共に絶縁体マスク16aもエッチングされる。エッチングが進行すると、図3(b)に示されるように、絶縁体マスク16aはエッチングにより変形して、絶縁体マスク16bになる。絶縁体マスク16bは、幅W2B(<W2A)及び厚さT2B(<T2A)を有する。また、多重量子井戸層12がエッチングにより、絶縁体マスク16b直下に形成された多重量子井戸層12bに変わる。多重量子井戸層12bは、細線構造17bを有する。このエッチングは異方性を有するので、大きなアンダーカットは生じない。細線構造17bの幅W3Bは絶縁体マスク16bの幅W2Bの細りに合わせて細くなる。さらにエッチングが進行したとき、図3(c)に示されるように、絶縁体マスク16bは、エッチングにより絶縁体マスク16cに変化する。絶縁体マスク16cは、幅W2C(<W2B)及び厚さT2C(<T2B)を有する。また、多重量子井戸層12bがエッチングにより、絶縁体マスク16c直下に細線状に形成された多重量子井戸層を有する半導体層12cに変わる。細線構造となった多重量子井戸層17cの幅W3Cは、絶縁体マスク16cの幅W2Cの細りに合わせて細くなる。このように、エッチングの進行に伴い絶縁体マスク16の幅は徐々に細るので、細線構造17b、17c及び量子細線17の幅も、エッチングの進行に伴い絶縁体マスクの幅に依存して徐々に細くなる。従って、最初の絶縁体マスク16のマスク幅Wは、所望の量子細線構造の細線幅より大きくできる(図1(d)参照)。このため、絶縁体マスク16を形成するためのレジストマスクの幅Wは、量子細線構造の細線幅より太くできる(図1(c)参照)。このように、絶縁体マスクの長辺がエッチングにより細っていく。
なお、この絶縁体マスク16の厚さTは、15nm以上とすることが好ましい。厚さTが15nmより小さい場合には、形成される量子細線17の垂直性が悪化するからである。また、この絶縁体マスク16の厚さTは、45nm以下とすることが好ましい。厚さTが45nmより大きい場合には、絶縁膜13のエッチング中にレジストマスク15がエッチングされ、所望の形状の絶縁体マスク16が形成されないからである。作製する量子細線17の幅は、尖鋭な光学利得スペクトルを得るために、30nm以下であることが好ましい。作製する量子細線17の深さは、キャリヤの横方向閉じ込めの観点から多重量子井戸層を貫通する深さである必要がある。
次に、図4及び図5を対比参照して、絶縁体マスク16の厚さと量子細線17の幅との関係について説明する。
量子細線17の幅は、絶縁体マスク16の厚さに依存して決定される。図4は、厚さTの絶縁体マスク16dを用いた量子細線17の形成を示す。図5は、厚さT(>T)の絶縁体マスク16gを用いた量子細線17の形成を示す。
図4(a)に示されるように、厚さTの絶縁体マスク16dを用いて多重量子井戸層12をエッチングする。マスク16dの断面はほぼ四辺形である。エッチングを開始すると、マスク16dの上面の両端がエッチングにより削られて丸まる。この丸まりによる変形がマスク16dの下面に及ぶと、図4(b)に示されるようにマスク幅が細る。また、両端からの丸まりによる変形が、マスク16dの中央に及ぶと、図4(b)に示されるようにマスクの厚みが減少する。このようにエッチングが進行すると、絶縁体マスク16dは変形して絶縁体マスク16eになる。絶縁体マスク16eは、幅W及び厚さT(<T)を有する。また、絶縁体マスク16e直下に細線構造17eが形成される。さらにエッチングが進行すると、絶縁体マスク16eは変形して絶縁体マスク16fになる。絶縁体マスク16fは、幅W(<W)及び厚さT(<T)を有する。また、絶縁体マスク16f直下に細線構造17fが形成される。細線構造17fの幅Wは、絶縁体マスク16dの厚さTに依存して決定される。
図5(a)に示されるように、厚さTの絶縁体マスク16gを用いて多重量子井戸層12をエッチングする。マスク16gの断面はほぼ四辺形である。エッチングを開始すると、マスク16gの上面の両端がエッチングにより削られて丸まる。この丸まりによる変形がマスク16gの下面に及ぶと、図5(b)に示されるようにマスク幅が細る。また、両端からの丸まりによる変形が、マスク16gの中央に及ぶと、図5(b)に示されるようにマスクの厚みが減少する。このようにエッチングが進行すると、絶縁体マスク16gは変形して絶縁体マスク16hになる。絶縁体マスク16hは、幅W及び厚さT(<T)を有する。また、絶縁体マスク16h直下に細線構造17hが形成される。さらにエッチングが進行すると、絶縁体マスク16hは変形して絶縁体マスク16jになる。絶縁体マスク16jは、幅W(<W)及び厚さT(<T)を有する。また、絶縁体マスク16j直下に細線構造17jが形成される。細線構造17jの幅Wは、絶縁体マスク16gの厚さTに依存して決定される。
即ち、絶縁体マスク16dの厚さTは、絶縁体マスク16gの厚さTより小さいので、細線構造17fの幅Wは、細線構造17jの幅Wより小さい。例えば、量子細線17の所望の幅が20nmであれば、絶縁体マスク16の厚さは35nmとするのが望ましい。この絶縁体マスク16を形成するためのレジストマスク15の幅Wは、40nmとするのが望ましい(図1(c)、(d)及び図2(a)参照)。この絶縁体マスクの幅を得るためには、電子ビーム露光量の著しい増大は必要なく、このため、レジストマスク側面のラフネスが低減される。
図2を参照する半導体レーザの作製のための工程の説明に戻る。多重量子井戸層12をエッチングする工程において、例えば、CH/Hを用いたRIE中に半導体表面に堆積する炭素重合物を除去するためのOアッシングを行うことが好ましい。また、RIEとOアッシングとを交互に繰り返すことが好ましい。垂直性に優れた量子細線構造が得られるからである。
次いで、図2(b)に示されるように、ドライエッチングによる損傷層を除去するために、硫酸系の溶液を用いて、ウエットエッチングを行った後、絶縁体マスク16をBHF(バッファードフッ酸)により除去する。その後、周期的に配列された複数の量子細線17の間に、半導体の埋め込み再成長を行い、埋め込み半導体層18を形成する。埋め込み再成長には、例えばアンドープInP半導体が用いられる。
図2(c)に示されるように、量子細線17上及び埋め込み半導体層18上にn型GaInAsP光閉じ込め層19を成長する。この成長は、例えば有機金属気相成長法が用いられる。n型GaInAsP光閉じ込め層19の厚さは、例えば150nmとすることができる。この後に、BH型ストライプ構造といった屈折率導波構造を形成する。
次いで、図2(d)に示されるように、n型GaInAsP光閉じ込め層19上に、n型InPクラッド層20といったクラッド層及びn型GaInAsコンタクト層21といったコンタクト層を成長する。これらの成長は、例えば有機金属気相成長法が用いられる。n型InPクラッド層20の厚さは、例えば2.0μmとすることができる。また、n型GaInAsコンタクト層21の厚さは、例えば500nmとすることができる。
以上に述べた各工程において形成する各層のドーパント元素、ドーパント濃度及び厚さの一例は、以下に示される。
p型InPクラッド層10:Zn,1×1018cm−3,厚さ 2.0μm
p型GaInAsP光閉じ込め層11:Zn,5×1017cm−3,厚さ 150nm
多重量子井戸層12:アンドープ,厚さ 84nm(井戸層:6nm×5、障壁層:9nm×6)
n型GaInAsP光閉じ込め層19:Si,5×1017cm−3,厚さ 150nm
n型InPクラッド層20:Si,1×1018cm−3,厚さ 2.0μm
n型GaInAsコンタクト層21:Si,1×1019cm−3,厚さ 500nm
以上のように作製したDFBレーザ素子の一例を図6に示す。
図6は、本実施の形態に係るDFBレーザ素子の作製方法により作製されるDFBレーザ素子50の構造を示す斜視図である。図6を参照すると、DFBレーザ素子50は、主面29aを有するp型InP基板29を備えている。
また、DFBレーザ素子50は、第1クラッド層30、第1光閉じ込め層31、複数の量子細線37、埋め込み半導体層38、第2光閉じ込め層39、コンタクト層41及び第2クラッド層40を備えている。第1クラッド層30は、p型InP基板29の主面29a上に設けられている。第1光閉じ込め層31は、第1クラッド層30上に設けられている。第1光閉じ込め層31上には、周期的に配列された複数の量子細線37及び埋め込み半導体層38が設けられている。複数の量子細線37は、第1光閉じ込め層31上においてレーザ発振方向Aに周期的に配列されている。埋め込み半導体層38は、周期的に配列された複数の量子細線37の間に設けられている。第2光閉じ込め層39は、量子細線37上及び埋め込み半導体層38上に設けられている。
図7は、図6に示すA部分を拡大して示す断面を示す模式図である。周期的に配列された複数の量子細線37は、所定の幅Wを有し、所定の軸方向に周期Λで配置されている。埋め込み半導体層38は、周期的に配列された複数の量子細線37の間に設けられている。量子細線37の幅Wは、例えば20nmとするのが望ましい。また、量子細線37の周期Λは、出力しようとするレーザ光の波長に応じて設定され、例えばレーザ光の波長が1550nmである場合には240nmに設定され、レーザ光の波長が1300nmである場合には200nmに設定される。量子細線37は量子井戸構造を有しており、量子井戸構造は井戸層37a及び障壁層37bを含む。
第1クラッド層30、第1光閉じ込め層31、複数の量子細線37、埋め込み半導体層38及び第2光閉じ込め層39は、所定の軸に沿って延びる半導体メサを構成する。また、半導体メサは、埋め込み領域42によってその側面が埋め込まれている。
埋め込み領域42は、例えば第1のp型電流狭窄層42a、n型電流狭窄層42b、及び第2のp型電流狭窄層42cによって構成される。第1のp型電流狭窄層42aは、半導体メサが設けられた領域を除く第1クラッド層30上の領域に設けられ、第1クラッド層30の該領域及び半導体メサの側面を覆っている。n型電流狭窄層42bは、第1のp型電流狭窄層42a上に設けられている。第2のp型電流狭窄層42cは、n型電流狭窄層42bと、第2クラッド層40との間に設けられている。これらの電流狭窄層42a〜42cは、例えばn型(またはp型)InPからなる。
半導体メサ及び埋め込み領域42上には、第2クラッド層40が設けられている。また、第2クラッド層40上には、コンタクト層41が設けられている。コンタクト層41上には、絶縁膜43及び第1の電極膜44が形成されている。絶縁膜43は半導体メサに対応する開口を有しており、コンタクト層41と電極膜43とが該開口を介してオーミック接触を成している。p型InP基板29の主面29aとは反対側の裏面には第2の電極膜28が設けられており、第2の電極膜28とp型InP基板29とがオーミック接触を成している。
以上に述べたように本実施形態においては、多重量子井戸層12の異方性エッチングに用いるCH/Hガスに対する絶縁体マスク16のエッチング耐性は弱いので、多重量子井戸層12の異方性エッチング中に、絶縁体マスク16の幅及び厚さは、徐々に小さくなる。この絶縁体マスク16の細りと薄層化を利用して、所望の細線幅を有する量子細線17を多重量子井戸層に形成することが可能となる。また、絶縁体マスク16の幅及び厚さを異方性エッチング中に変えるので、絶縁体マスク16のマスク幅は所望の量子細線17の細線幅より大きい。このため、絶縁体マスク16のためのレジストマスク15の幅は、量子細線17の細線幅より太くできる。従って、電子ビームの露光量を増加することなく、レジストマスクの形成が可能になる。よって、レジストマスク側面のラフネスの増大を抑制できる。
また、電子ビームの露光量を増加させる必要がないので、露光時間の増加も抑制できる。従って、レジストマスク15を形成するためのリードタイムの増加を抑制できる。
さらに、本実施形態においては、絶縁体マスク16の厚さに対応する量子細線17の幅が形成される。従って、絶縁体マスク16の厚さを調整することにより、所望の幅を有する量子細線17が得られる。
従って、本実施の形態に係るDFBレーザ素子の作製方法によれば、側面のラフネスが小さい量子細線37を備えたDFBレーザ素子50が作製される。
以上説明したように、本発明では以下の目的が達成される。従来の技術において、エッチングされる半導体に対するエッチングマスクのエッチング選択比を大きくする必要があるので、エッチングマスクには、エッチング耐性の強い材料が用いられる。本発明では、SiHとNOとをプロセスガスとして用いてプラズマCVD法により成膜されるSiO膜といったシリコン酸化膜を、エッチングマスクとして用いている。このように成膜したシリコン酸化膜のエッチング耐性は小さい。従来の技術において、エッチング耐性の大きいシリコン酸化膜をエッチングマスクとして用いる例はあるが、エッチング耐性の小さいシリコン酸化膜は、エッチングマスクとして採用されない。本発明は、上記の方法で成膜したシリコン酸化膜のエッチング耐性の小さいことを利用している。多重量子井戸層のエッチング中にエッチングマスクも徐々にエッチングされて、そのマスク幅は細くなる。このため、微細な量子細線構造が形成される。
図1(a)、図1(b)、図1(c)及び図1(d)は、量子細線構造の作製方法における量子細線構造の作製工程を示す図である。 図2(a)、図2(b)、図2(c)及び図2(d)は、量子細線構造の作製方法における量子細線構造の作製工程を示す図である。 図3(a)、図3(b)及び図3(c)は、エッチング中の絶縁体マスクの形状の変化及び量子細線が形成される経過を示した図である。 図4(a)、図4(b)及び図4(c)は、絶縁体マスクの厚さと量子細線の幅との関係を示した図である。 図5(a)、図5(b)及び図5(c)は、絶縁体マスクの厚さと量子細線の幅との関係を示した図である。 図6は、本発明の実施の形態にかかるDFBレーザ素子の作製方法により作製されたDFBレーザ素子の構造を示す斜視図である。 図7は、図6の一部を拡大して示す断面図である。
符号の説明
9…基板、10,20…クラッド層、11,19…光閉じ込め層、12…多重量子井戸層、13…絶縁膜、14…レジスト膜、15…レジストマスク、16…絶縁体マスク、17…量子細線、18…埋め込み半導体、21…コンタクト層、30…第1クラッド層、31…第1光閉じ込め層、37…量子細線、38…埋め込み半導体層、39…第2光閉じ込め層、40…第2クラッド層、41…コンタクト層、50…DFBレーザ素子。

Claims (6)

  1. III−V族化合物半導体からなる量子細線構造を作製する方法であって、
    多重量子井戸層を半導体領域上に成長する工程と、
    絶縁膜を前記多重量子井戸層上に成膜する工程と、
    レジストマスクを前記絶縁膜上に電子ビーム露光法により形成する工程と、
    前記レジストマスクを用いて前記絶縁膜のエッチングを行なうことにより、絶縁体マスクを形成する工程と、
    前記レジストマスクを除去した後に、前記絶縁体マスクを用いて前記多重量子井戸層のエッチングを行うことにより、前記量子細線構造を形成する工程と、
    前記量子細線構造を半導体により埋め込む工程とを備え、
    前記量子細線構造は第1の幅を有し、
    前記レジストマスクは、前記第1の幅より太い第2の幅のパターンを有し、
    前記多重量子井戸層のエッチング中に前記絶縁体マスクのマスク幅がエッチングにより細くなることによって、前記量子細線構造の前記第1の幅が達成されることを特徴とする方法。
  2. 前記絶縁膜は、シラン系ガス及び酸化窒素系ガスをプロセスガスとして用いてプラズマCVD法により成膜されることを特徴とする請求項1に記載の方法。
  3. 前記絶縁膜は、シリコン酸化膜であることを特徴とする請求項2に記載の方法。
  4. 前記多重量子井戸層のエッチングは、CHガス及びHガスを用いた反応性イオンエッチング法により行われることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか一項に記載された方法。
  5. 前記絶縁膜の成膜では、前記絶縁膜の厚さは、前記第1の幅に合わせて調整されていることを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれか一項に記載された方法。
  6. DFBレーザ素子を作製する方法であって、
    クラッド層及び多重量子井戸層を半導体基板上に順に成長する工程と、
    絶縁膜を前記多重量子井戸層上に成膜する工程と、
    周期的に配列された複数の量子細線のためのパターンを有するレジストマスクを前記絶縁膜上に電子ビーム露光法により形成する工程と、
    前記レジストマスクを用いて前記絶縁膜のエッチングを行なうことにより、絶縁体マスクを形成する工程と、
    前記レジストマスクを除去した後に、前記絶縁体マスクを用いて前記多重量子井戸層のエッチングを行なうことにより、周期的に配列された複数の量子細線構造を形成する工程と、
    前記複数の量子細線構造を半導体により埋め込む工程とを備え、
    前記量子細線構造は第1の幅を有し、
    前記レジストマスクは、前記第1の幅より太い第2の幅のパターンを有し、
    前記多重量子井戸層のエッチング中に前記絶縁体マスクのマスク幅がエッチングにより細くなることによって、前記量子細線構造の前記第1の幅が達成されることを特徴とする方法。
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WO2022015085A1 (ko) * 2020-07-15 2022-01-20 고려대학교 산학협력단 광 집적회로 결합을 위한 전사인쇄된 마이크로 패치 레이저

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