JP2009176837A - 半導体レーザ装置 - Google Patents

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正憲 福島
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Abstract

【課題】効率よく高次モード光を抑制し、活性層からの放射光の遠視野像に乱れがない半導体レーザ装置を提供する。
【解決手段】InGaN多重量子井戸層106と、InGaN多重量子井戸層106上方に位置し、表面に平坦部114およびリッジ111を有するp型AlGaNクラッド層109と、リッジ111の側面および平坦部114と接するように位置するSiO2絶縁膜112を備え、SiO2絶縁膜112は、InGaN多重量子井戸層106からの放射光を吸収する微粒子を含む。
【選択図】図1

Description

本発明は、半導体レーザ装置に関し、特に遠視野像の乱れが抑制されたリッジ導波路型半導体レーザ装置、及びその製造方法に関するものである。
従来の半導体レーザ装置として、短波長領域で用いられる窒化物半導体を用いた半導体レーザ装置の構成を説明する。図7は同半導体レーザ装置の断面図である。
この半導体レーザ装置では、GaN基板702上に、n型GaN層703、n型AlGaNクラッド層704、n型GaN光ガイド層705、InGaN多重量子井戸層706、p型AlGaN電子ブロック層707、p型GaN光ガイド層708、p型AlGaNクラッド層709、およびp型GaNコンタクト層710が順次積層されている。さらに、ドライエッチング法を用いてp型AlGaNクラッド層709およびp型GaNコンタクト層710に対してエッチングが行われ、幅2μmのストライプ状のリッジが形成されている。
リッジの側面およびリッジ脇のp型AlGaNクラッド層709上部は絶縁膜711で被覆されている。リッジの上方の絶縁膜711は除去され、リッジの上方にはp型GaNコンタクト層710とオーミック接触をとるためのp型電極712が形成されている。一方、GaN基板702のN面にはn型電極701が形成されている。
現在、半導体レーザ装置はその用途が広がり、それにつれて半導体レーザ装置に対して高出力化が要求されるようになっている。しかし、半導体レーザ装置を高出力で動作させた場合に発生する高次モードでの発振は遠視野像の乱れの原因となる。従って、高次モード光の放射を抑制するような構造を半導体レーザ装置に付加し、遠視野像の乱れを抑える必要がある。
これについて、例えば特許文献1には、スピンコート法により成膜した絶縁膜中に不純物が混合され、混合された不純物が高次モード光を吸収し、遠視野像の乱れを抑制することが示されている。
また、特許文献2には、絶縁膜上に積層したアモルファスSi層が光吸収層として働くことで、遠視野像の横方向への広がりを抑えることが示されている。
さらに、特許文献3には、p型クラッド層中に不純物であるCイオンをイオン注入することで光吸収機能を備えた電流狭窄層を形成し、高次モード光を抑制することが示されている。
特開2002−299763号公報 特許第3849758号公報 国際公開第2003/075425号パンフレット
しかしながら、特許文献1、2および3に記載の技術にはそれぞれ課題が存在する。
すなわち、絶縁膜上に光吸収層を形成した場合、絶縁膜を介する分だけ活性層から光吸収層までの距離が長くなり、光吸収の効果を十分に発揮することができないという問題点がある。また、p型クラッド層中に直接不純物をイオン注入した場合、p型クラッド層に欠陥が多数発生する等、半導体に大きなダメージが与えられ、それによりリーク電流が発生するという問題点がある。さらに、イオン注入層(p型クラッド層の不純物がイオン注入された部分)が電流狭窄層としての役割も果たすが、イオン注入エネルギーを高精度に制御しなければ不純物イオンのプロファイルが広がり、注入深さを制御できないという問題点がある。さらにまた、半導体への通電により不純物イオンが活性化され、イオン注入層への電流広がりにより遠視野像の水平広がり角の制御が弱くなるという問題点がある。
また、特許文献1、2および3に記載の技術はいずれも不純物を原子、あるいはイオンの状態で混合している。原子状態またはイオン状態で存在している不純物の吸収波長は半値幅の狭いレーザ発振光に対して非常にブロードであり、光の吸収効率が低い。したがって、高次モード光を十分に抑制するためには吸収層を発光層にできるだけ近づけること、レーザ発振スペクトルと吸収スペクトルのチューニングすること、および吸収層の形成が半導体にダメージを与えないことが必要である。しかし、これらすべての要素を満たした技術は存在しない。
そこで、本発明は、かかる問題点に鑑み、効率よく高次モード光を抑制し、活性層からの放射光の遠視野像に乱れがない半導体レーザ装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の半導体レーザ装置は、絶縁膜中に微粒子を混合することで絶縁膜が光吸収機能を備えることを特徴とする。
具体的には、半導体レーザ装置は、活性層と、前記活性層上方に位置し、表面に平坦部およびリッジを有するp型クラッド層と、前記リッジの側面および前記平坦部と接する絶縁膜とを備え、前記絶縁膜は、前記活性層からの放射光を吸収する微粒子を含むことを特徴とする。
この構成によれば、活性層から放射される高次モード光が絶縁膜で吸収されることとなり、半導体レーザ装置から得られる遠視野像の乱れを抑制することができる。
ここで、前記微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲には、前記活性層からの放射光の波長が含まれることが望ましい。
この構成によると、活性層からの放射光を高効率に吸収することができる。
また、前記微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲には、当該半導体レーザ装置の発振波長が含まれることが望ましい。
この構成により、活性層からの放射光を最も効率的に吸収することができる。
また、前記微粒子は、Au、Ag、Ti、Cu、Al、Mg、C、およびSiのうち少なくとも1つからなってもよい。
これらの材料からなる微粒子は特定の波長領域に強い吸収ピークを有するため、対応する波長の光を効率的に吸収することができる。
また、前記絶縁膜は、SiO2、ZrO2、TiO2、Ta25、Al23、AlN、MgF、SiNx、およびCeOの少なくとも1つの化合物からなってもよい。
これらの化合物膜を使用することで不純物を混合したときに、絶縁膜としての機能も失わせずに光吸収層を構成することができる。
また、絶縁膜は、CVD法、電子線蒸着法、スパッタリング法、ディップコーティング法、および吹き付け法のいずれかで形成されてもよい。
これらの方法によると、絶縁膜を均一に成膜することができ、光吸収効果を安定させることができる。
また、前記絶縁膜は、前記リッジと接する部分において前記微粒子を含まなくてもよい。
この構成によれば、リッジ側面及びリッジ脇近傍に不純物を含まない領域を有する絶縁膜を形成することができ、リッジ中心で発生する基本モード光は吸収せずに、リッジ外側で発生する高次モード光を効率的に吸収させることができる。
また本発明は、p型クラッド層にストライプ状のリッジを形成する工程と、前記リッジ上部、リッジ側面、及びリッジ脇のp型クラッド層上部を絶縁膜で被覆する工程と、前記絶縁膜中にイオン注入法を用いて不純物イオンを注入する工程と、前記不純物イオンの注入後200〜700℃での加熱、又は前記不純物イオンが吸収できる光、電子線、X線あるいは放射線を前記絶縁膜に照射することにより前記不純物イオンを凝集させ、微粒子を析出させる半導体レーザの製造方法とすることもできる。
この方法により、微粒子を絶縁膜中に形成でき、光吸収膜としての機能を絶縁膜に付加することができる。
また本発明は、p型クラッド層にストライプ状のリッジを形成する工程と、前記リッジ上部、リッジ側面、及びリッジ脇のp型クラッド層上部にあらかじめ不純物イオンが混合された化合物の前駆体を成膜する工程と、200〜700℃での加熱、又は前記不純物イオンが吸収できる光、電子線、X線あるいは放射線を前記前駆体に照射することにより前記不純物イオンを凝集させ、微粒子を析出させる半導体レーザの製造方法とすることもできる。
この方法によっても、微粒子を絶縁膜中に形成することができ、絶縁体に光吸収機能を付加することができる。
本発明の半導体レーザ装置によると、活性層から発生する高次モード光を高効率に吸収することができるため、良好な遠視野像を有するレーザ発振光を得ることができる。
以下、本発明の実施の形態における半導体レーザ装置について、図面を参照しながら説明する。
(第1の実施の形態)
図1は本実施の形態における窒化物半導体レーザ装置の断面図である。
この窒化物半導体レーザ装置では、GaN基板102上に、n型GaN層103、n型AlGaNクラッド層104、n型GaN光ガイド層105、活性層であるInGaN多重量子井戸層106、p型AlGaN電子ブロック層107、p型GaN光ガイド層108、p型AlGaNクラッド層109、およびp型GaNコンタクト層110が順次積層されている。さらに、InGaN多重量子井戸層106上方に位置するp型AlGaNクラッド層109およびp型GaNコンタクト層110に対してドライエッチングが行われ、ストライプ状のリッジ111および平坦部114が形成されている。リッジ111の高さは1μmであり、リッジ111の幅は2μmである。p型GaNコンタクト層110上にはp型GaNコンタクト層110とオーミック接触をとるためのp型電極113が形成され、GaN基板102のN面にはn型電極101が形成されている。
リッジ111が形成されたウェハ上面、具体的にp型AlGaNクラッド層109表面のリッジ111側面および平坦部114上には、該リッジ111側面および平坦部114と接するSiO2膜が500nmの厚さで成膜され、SiO2絶縁膜112が形成されている。SiO2絶縁膜112は、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法、電子線蒸着法、スパッタリング法、ディップコーティング法、および吹き付け法などを用いて成膜される。
SiO2絶縁膜112は、粒径が1nm〜100nm程度の粒子つまり微粒子を不純物として含む。この微粒子は、InGaN多重量子井戸層106からの放射光を吸収する。ここで、微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲に半導体レーザ装置の発振波長が含まれるべく微粒子のサイズを調整するためには、微粒子の粒径は3nm〜30nmが好ましい。この微粒子は、イオン注入法を用いてSiO2絶縁膜112に不純物イオンを注入した後、不純物イオンが注入されたSiO2絶縁膜112に対してアニール処理を行うことでSiO2絶縁膜112中に形成される。微粒子としては、Au、Ag、Ti、Cu、Al、Mg、C、およびSiのうち少なくとも1つからなる微粒子が選択される。このとき、微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲に窒化物半導体レーザ装置(InGaN多重量子井戸層106)からの放射光波長が含まれるような微粒子を選択することが好ましい。注入する不純物イオンの量は1.0×1014〜1.0×1018/cm2が好ましい。
本実施の形態の窒化物半導体レーザ装置ではAgイオンがSiO2絶縁膜112に注入され、Agイオンが注入されたSiO2絶縁膜112に対してアニール処理が行われる。このアニール処理によって、Agイオンが凝集し、Ag微粒子がSiO2絶縁膜112中に形成される。アニール温度は200℃〜850℃が好ましい。
図2は、Ag微粒子のプラズモン共鳴による光吸収スペクトルを示す図である。
この光吸収スペクトルにおいて波長400nm付近にピークがあるため、Ag微粒子は、窒化物半導体レーザ装置からの波長405nmの発振光を吸収する吸収体として機能する。
Ag微粒子の粒子径は、SiO2絶縁膜112へのAgイオンの混合量、およびSiO2絶縁膜112に対するアニール処理のアニール温度を制御することにより制御される。金属微粒子は粒子径が大きくなると吸収ピークが長波長側へシフトし、微粒子径が小さくなると吸収ピークが短波長側にシフトする性質を持っている。このことを利用し、窒化物半導体レーザ装置からの放射光波長に合わせてAg微粒子の粒子径を制御する、つまりAg微粒子の吸収ピークを制御することで、高効率な高次モード光の吸収効果が得られる。
ここで、図3に示すようにアニール処理によって析出したAg微粒子301はSiO2絶縁膜112の底部に移動する。これにより、高次モード光の吸収体であるAg微粒子301はp型AlGaNクラッド層109の直上に局在することになり、SiO2絶縁膜112を活性層(InGaN多重量子井戸層106)から発生する高次モード光を高効率に吸収する吸収膜とすることができる。
SiO2絶縁膜112の厚さが400nm程度の場合、Ag微粒子301は、SiO2絶縁膜112においてSiO2絶縁膜112とp型AlGaNクラッド層109との界面から50nm〜100nmの位置に分布のピークを有し、その界面から10nm〜300nmぐらいの範囲に分布する。また、SiO2絶縁膜112の膜厚がその他の膜厚であっても、Ag微粒子301は、SiO2絶縁膜112においてSiO2絶縁膜112とp型AlGaNクラッド層109との界面から、SiO2絶縁膜112の膜厚の10〜25%程度の位置に分布のピークを有し、その界面からSiO2絶縁膜112の膜厚の2.5%〜75%程度の位置に分布する。本実施の形態の窒化物半導体レーザ装置では、SiO2絶縁膜112の膜厚は、上記(400nm、500nm)以外にも、50nm〜800nmの範囲内にあれば100nm、200nmであっても良い。これにより、活性層から発生する高次モード光を高効率に吸収させることができる。
図4は活性層401からの高次モード光の光強度分布(活性層401と垂直方向の光強度分布)を示す図である。なお、図4(a)は従来のSiO2のみからなるSiO2絶縁膜402における光強度分布を示し、図4(b)は本実施の形態に係る金属微粒子を含むSiO2絶縁膜112における光強度分布を示している。
SiO2絶縁膜中に不純物としてAg微粒子等の金属微粒子もしくは不純物イオンを混合することによって、SiO2絶縁膜の実効屈折率を上昇させることができる。この性質を利用することでSiO2絶縁膜と窒化物半導体との屈折率差を減少させることができる。そうすると、従来のSiO2のみからなるSiO2絶縁膜402への光の染み出し長a1よりも金属微粒子を混合したSiO2絶縁膜112への光の染み出し長a2が長くなる。この効果により、金属微粒子を混合したSiO2絶縁膜112の高次モード光の吸収効率を上げることができる。
図5は、本実施の形態における窒化物半導体レーザ装置の製造方法(SiO2絶縁膜112の形成方法)を示す断面図である。
まず、p型GaNコンタクト層110およびリッジ111が形成されたp型AlGaNクラッド層109上に、SiO2絶縁膜112を形成する。その後、SiO2絶縁膜112にAgイオンを注入する(図5(a))。
次に、p型GaNコンタクト層110上方のSiO2絶縁膜112を例えばウェットエッチング法を用いて除去し、p型GaNコンタクト層110表面を露出させる。その後、p型GaNコンタクト層110上にp型電極113を形成する(図5(b))。
最後に、GaN基板102のN面側にn型電極101を形成することで窒化物半導体レーザ装置が完成する。
このように、Agイオンをイオン注入した後にリッジ111上方のSiO2絶縁膜112を取り除くことで、リッジ111側面と接するリッジ111脇部分のSiO2絶縁膜112中にはAg微粒子を含まない領域504が形成される。この技術を用いるとリッジ111周辺にはAg微粒子を含まない領域504が形成され、リッジ111脇から離れて位置するSiO2絶縁膜112中にのみ光吸収体であるAg微粒子を含む領域505が形成される。これにより、リッジ111中心に分布している基本モード光は吸収せずに、リッジ111外側に分布する高次モード光を選択的に吸収する機能を有するSiO2絶縁膜112を形成することができる。
なお、本実施の形態において、微粒子はアニール処理によって析出させるとしたが、光照射、電子線照射、および放射線照射等の方法を用いて析出させてもよい。この場合、照射する光としては、あらかじめ注入混合された不純物イオンが吸収できる波長およびエネルギーの光等を選択することが望ましい。例えばAgイオンに対しては355nmの紫外線を照射することでAg微粒子を析出させることができる。また、光等を部分的に照射することで、Ag微粒子をp型AlGaNクラッド層109上の領域505にのみ析出させることもでき、高次モード光のみを選択的に吸収する機能を有するSiO2絶縁膜112を形成することができる。
以上のように本実施の形態の窒化物半導体レーザ装置は、活性層からの放射光を吸収する微粒子を含む絶縁膜を備える。従って、活性層から発生する高次モード光を効率的に吸収し、良好な遠視野像を実現することができる。
(第2の実施の形態)
図6は本実施の形態の窒化物半導体レーザ装置の断面図である。
この窒化物半導体レーザ装置は、SiO2絶縁膜に含まれる、InGaN多重量子井戸層からの放射光を吸収する微粒子がSi微粒子であるという点で第1の実施の形態の窒化物半導体レーザ装置と異なる。
リッジ111が形成されたp型AlGaNクラッド層109のリッジ111側面および平坦部114上には、熱CVD(Chemical Vapor Deposition)法、電子線蒸着法、スパッタリング法、ディップコーティング法、および吹き付け法などを用いてリッジ111側面および平坦部114と接するSiO2絶縁膜605が成膜されている。リッジ111の形状及びSiO2絶縁膜605の膜厚は第1の実施の形態に挙げた窒化物半導体レーザ装置と同様である。
SiO2絶縁膜605は、粒径が1nm〜100nm程度のSi粒子つまりSi微粒子を不純物として含む。このSi微粒子は、InGaN多重量子井戸層106からの放射光を吸収する。ここで、Si微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲に半導体レーザ装置の発振波長が含まれるべくSi微粒子のサイズを調整するためには、Si微粒子の粒径は3nm〜30nmが好ましい。また、Si微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲に窒化物半導体レーザ装置(InGaN多重量子井戸層106)からの放射光波長が含まれるようなSi微粒子を選択することが好ましい。
本実施の形態の窒化物半導体レーザ装置ではSiイオンがイオン注入法によってSiO2絶縁膜605中に注入される。このとき、注入深さを制御することでSiイオンをSiO2絶縁膜605の底部604に局在させる。ここで、Si微粒子はSiO2絶縁膜605の下半分に局在していることが好ましい。SiO2絶縁膜605の厚さが400nm程度の場合、Si微粒子は、SiO2絶縁膜605においてSiO2絶縁膜605とp型AlGaNクラッド層109との界面から50nm〜100nmの位置に分布のピークを有し、その界面から10nm〜300nmぐらいの範囲に分布する。また、SiO2絶縁膜605の膜厚がその他の膜厚であっても、Si微粒子は、SiO2絶縁膜605においてSiO2絶縁膜605とp型AlGaNクラッド層109との界面から、SiO2絶縁膜605の膜厚の10〜25%程度の位置に分布のピークを有し、その界面からSiO2絶縁膜605の膜厚の2.5%〜75%程度の位置に分布する。このように不純物をSiO2絶縁膜605底部に局在させることで、活性層であるInGaN多重量子井戸層106に近い位置で高次モード光を吸収させることができ、高次モード光の放射を効率的に抑制することができる。
上記構造を有する窒化物半導体レーザ装置は、第1の実施の形態の窒化物半導体レーザ装置と同様に、Siイオンをイオン注入した後にリッジ111上方のSiO2絶縁膜605が取り除かれるため、リッジ111側面と接するリッジ111脇部分のSiO2絶縁膜605中にはSi微粒子を含まない領域504が形成される。この技術を用いるとリッジ111周辺にはSi微粒子を含まない領域504が形成され、リッジ111脇から離れて位置するSiO2絶縁膜605中にのみ光吸収体であるAg微粒子を含む領域505が形成される。これにより、リッジ111中心に分布している基本モード光は吸収せずに、リッジ111外側に分布する高次モード光を選択的に吸収する機能を有するSiO2絶縁膜605を形成することができる。
以上のように本実施の形態の窒化物半導体レーザ装置は、活性層からの放射光を吸収する微粒子を含む絶縁膜を備える。従って、活性層から発生する高次モード光を効率的に吸収し、良好な遠視野像を実現することができる。
以上、本発明の半導体レーザ装置について、実施の形態に基づいて説明したが、本発明は、この実施の形態に限定されるものではない。本発明の要旨を逸脱しない範囲内で当業者が思いつく各種変形を施したものも本発明の範囲内に含まれる。
例えば、上記実施の形態において、微粒子を含む絶縁膜としてSiO2絶縁膜を例示したが、ZrO2、TiO2、Ta25、Al23、AlN、MgF、SiNx、およびCeOの少なくとも1つの化合物からなる絶縁膜であってもよい。
本発明は、半導体レーザ装置に利用でき、特に高い信頼性を求められる光記録装置または高速高密度光記録装置に利用することができる。
本発明の第1の実施の形態に係る窒化物半導体レーザ装置の断面図である。 SiO2絶縁膜中に混合されたAg微粒子の吸収スペクトルを示すグラフである。 SiO2絶縁膜及びp型AlGaNクラッド層の断面図である。 高次モード光が絶縁膜中へ染み出す様子を示した窒化物半導体レーザ装置の断面図である。 同実施の形態に係る窒化物半導体レーザ装置の製造方法を示す断面図である。 本発明の第2の実施の形態に係る窒化物半導体レーザ装置の断面図である。 従来の半導体レーザ装置の構造を示す断面図である。
符号の説明
101、701 n型電極
102、702 GaN基板
103、703 n型GaN層
104、704 n型AlGaNクラッド層
105、705 n型GaN光ガイド層
106、706 InGaN多重量子井戸層
107、707 p型AlGaN電子ブロック層
108、708 p型GaN光ガイド層
109、709 p型AlGaNクラッド層
110、710 p型GaNコンタクト層
111 リッジ
112、402、605 SiO2絶縁膜
113、712 p型電極
114 平坦部
301 Ag微粒子
401 活性層
504、505 領域
711 絶縁膜

Claims (9)

  1. 活性層と、
    前記活性層上方に位置し、表面に平坦部およびリッジを有するp型クラッド層と、
    前記リッジの側面および前記平坦部と接する絶縁膜とを備え、
    前記絶縁膜は、前記活性層からの放射光を吸収する微粒子を含む
    ことを特徴とする半導体レーザ装置。
  2. 前記微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲には、前記活性層からの放射光の波長が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  3. 前記微粒子の吸収スペクトルピークの短波長側の裾から長波長側の裾までの波長範囲には、当該半導体レーザ装置の発振波長が含まれる
    ことを特徴とする請求項1に記載の半導体レーザ装置。
  4. 前記微粒子は、Au、Ag、Ti、Cu、Al、Mg、C、およびSiのうち少なくとも1つからなる
    ことを特徴とする請求項1〜3のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  5. 前記微粒子は、前記絶縁膜において前記p型クラッド層と前記絶縁膜との界面から50nm〜100nmの位置に分布のピークを有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  6. 前記微粒子は、前記絶縁膜において前記p型クラッド層と前記絶縁膜との界面から前記絶縁膜の膜厚の10〜25%の位置に分布のピークを有する
    ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  7. 前記絶縁膜は、SiO2、ZrO2、TiO2、Ta25、Al23、AlN、MgF、SiNx、およびCeOの少なくとも1つの化合物からなる
    ことを特徴とする請求項1〜6のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  8. 前記絶縁膜は、前記リッジと接する部分において前記微粒子を含まない
    ことを特徴とする請求項1〜7のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
  9. 前記微粒子の粒径は、3nm〜30nmである
    ことを特徴とする請求項1〜8のいずれか1項に記載の半導体レーザ装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2013089032A1 (ja) 2011-12-15 2013-06-20 ソニー株式会社 半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法

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WO2013089032A1 (ja) 2011-12-15 2013-06-20 ソニー株式会社 半導体レーザ素子及び半導体レーザ素子の製造方法

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