JP2009176761A - めっき用導電性基材、その製造方法及びそれを用いた導体層パターン付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材、透光性電磁波遮蔽部材 - Google Patents
めっき用導電性基材、その製造方法及びそれを用いた導体層パターン付き基材の製造方法、導体層パターン付き基材、透光性電磁波遮蔽部材 Download PDFInfo
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Abstract
【解決手段】 導電性基材の表面に、絶縁層が形成されており、その絶縁層に開口方向に向かって幅広なめっきを形成するための凹部が形成されているめっき用導電性基材。絶縁層はダイヤモンドライクカーボン又は無機材料からなることが好ましい。これは、導電性基材の表面に、除去可能な凸状のパターンを形成する工程、除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、DLC又は無機材料からなる絶縁層を形成する工程及び絶縁層が付着している凸状のパターンを除去する工程を含む方法により製造できる。
部材を透明基板に貼りあわせてなる透光性電磁波遮蔽板。
【選択図】 図1
Description
特許文献1には、電着基板の作製に際し、絶縁層をフォトレジストによって、形成することが記載されているが、このような電着基板を用いた場合、数回〜数十回程度の繰り返し使用は可能であるが、数百回〜数千回繰り返し使用が出来ず量産レベルにはならないという問題がある。これは、電着基板上のメッシュパターンを形成する絶縁層が、接着転写により剥離応力を受け、少々の繰り返し使用で導電性基材から絶縁層が剥離してしまうためである。
また、SiO2を導電性基材上に作製し、これをフォトエッチングして絶縁層を形成した電着基板が開示されるが、フォトエッチングするので、その電着基板の作製の工程が増えるという問題がある。オーバーエッチングで凹部が開口方向に向かって狭くなるというという問題がある。
また、特許文献1には、金属基板面にフォトリソグラフィーや切削で必要な凹部を形成し、次いで、この凹部の中に強固な絶縁性樹脂を埋め込み、硬化させて、メッシュ状に金属電着が可能な電着部を有する電着基板を作製する方法が開示される。しかし、この方法で金属基板状に凹部を作製することは、パターンの精度、パターンの無欠陥、パターン作製の所要時間等に問題があり、生産性のよい方法とは言えない。また、絶縁層に絶縁性樹脂を使用すると、絶縁層の耐久性に問題がある。
また、特許文献1には、タンタルやチタン等の単体金属板、または、表面がこれらの金属面である場合には、電着部を構成する部分に相当する箇所にのみレジストを形成した後、陽極酸化して酸化チタン、酸化タンタル等の絶縁性酸化物層を形成し、次いでレジストを除去することにより、耐久性が極めて高く、かつ、反復使用性の極めて高い電着基板を作製することができること、陽極金属酸化層は、硬度が高く、傷がつきにくいこと、電着圧着に十分に耐えることができる絶縁性膜を持つことが開示される。
しかし、この場合、また、上記の場合も含めて、形成される凹状のメッシュパターン(電着部)においては、陽極酸化による絶縁性酸化物層は、極めて薄くその幅方向の断面が面一であり、形状的な凹凸を伴わないため、電着層を形状的に成形する作用はない。即ち、電着されるライン形状の制御が困難と言える。また、陽極酸化による絶縁性酸化物層のは耐久性が劣り、連続作業においては実用的に適さない。現に、Niの電鋳においては、毎回、転写前の陽極酸化を余儀なくされている。さらに、陽極酸化による絶縁性酸化物層は、絶縁性が低いため、高速電解めっきには適さない。ただし、アルミの陽極酸化による絶縁性酸化物層の場合は、比較的絶縁性が高いと言えるが、機械的耐久性に劣る。
また、特許文献1には、絶縁層支持体上に凸状の導電性メッシュ層を形成した電着基板を用いる方法が記載されているが、この方法によれば、実際は、導電性メッシュの側面にも金属が電着され、このことがメッシュ状電着金属層の接着転写に対する抵抗となり、剥離ができなかったり、剥離できたとしてもメッシュパターンに折れが発生し、電磁波シールド性が低下するといった不良が起こるという問題があることを、本発明者らは確認した。
また、特許文献2において、電解めっき金属層からなる凸状パターンの表面を電気絶縁層の表面よりも高く形成した金属層転写用ベースシートを用いて凸状パターン上に形成された転写金属層を粘着シートに転写する場合、凸状パターンの側面にも転写金属層がめっきされ、このことが転写金属層の接着転写に対する抵抗となり、転写金属層を凸状パターンから剥離できなかったり、剥離できたとしてもメッシュパターンに折れが発生し、電磁波シールド性が低下するといった不良が起こるという問題がある。
特許文献2において、金属層転写用ベースシートの製造法として、ベース金属層の表面上へのエッチングレジストの形成、エッチングレジストで覆われず露出しているベース金属層の表面のエッチングを含む場合には、その工程数が増え、生産性の良い方法とは言えない。
1. 導電性基材の表面に、絶縁層が形成されており、その絶縁層に開口方向に向かって幅広なめっきを形成するための凹部が形成されているめっき用導電性基材。
2. めっきを形成するための凹部が絶縁層に幾何学図形を描くように又はそれ自身幾何学図形を描くように形成されている項1記載のめっき用導電性基材。
3. 絶縁層が、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は無機材料からなる項1又は2記載のめっき用導電性基材。
4. 絶縁層が、DLC、Al2O3又はSiO2である項1〜3のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
5. 絶縁層が、硬度が10〜40GPaのDLCからなる項1〜4のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
6. 凹部の最小幅が1〜40μm、凹部の最大幅が2〜60μm及び凹部の間隔が50〜1000μmである項1〜5のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
7. 凹部側面の角度が絶縁層側で10度以上90度未満である項1〜6のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
8. 凹部側面の角度が絶縁層側で10度以上80度以下である項1〜7のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
9. 絶縁層の厚さが、0.5〜20μmである項1〜8のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
10. 導電性基材と絶縁層の間に、Ti、Cr、W、Siまたはそれらの窒化物又は炭化物のいずれか1以上を含む中間層を介在させている項1〜9のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
11. 導電性基材の表面が、鋼又はTiからなる項1〜10のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
12. 導電性のロール(ドラム)またはロールに巻き付けるものである項1〜11のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
13. (A)導電性基材の表面に、除去可能な凸状のパターンを形成する工程、
(B)除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、DLC又は無機材料からなる絶縁層を形成する工程
及び
(C)絶縁層が付着している凸状のパターンを除去する工程
を含むことを特徴とするめっき用導電性基材の製造方法。
14. 除去可能な凸状のパターンが、感光性レジストを用いるフォトリソグラフ法により形成されたものである項13記載のめっき用導電性基材の製造方法。
15. 導電性基材上と凸状のパターンの側面に性質又は特性の異なる絶縁層を形成する項13又は14記載のめっき用導電性基材の製造方法。
16. 導電性基材に形成される絶縁層と凸状パターンの側面に形成される絶縁層との境界面の凸状パターンの側面(基材に対して垂直面として)からの距離が、凸状パターンの立位方向に向かって小さくなっておらず、全体として大きくなっている項13〜15のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
17. 上記境界面の角度が、導電性基材に対して10度以上90度未満に形成されることを項16記載のめっき用導電性基材の製造方法。
18. 上記境界面の角度が、導電性基材に対して10度以上80度以下に形成されることを項16又は17記載のめっき用導電性基材の製造方法。
19. 除去可能な凸部のパターン形状が、幅1〜40μm、間隔が50〜1000μm及び高さ1〜30μmであり、それにより幾何学的図形が描かれるものである項13〜18記載のめっき用導電性基材の製造方法。
20. 絶縁層が、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は無機材料である項13〜19のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
21. 無機材料がAl2O3又はSiO2である項20のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
22. 絶縁層が、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)である項20記載のめっき用導電性基材の製造方法。
23. 導電性基材上に形成されるDLC膜の硬度が、凸状パターンの側面に形成されるDLC膜の硬度よりも大きい項22記載のめっき用導電性基材の製造方法。
24. 導電性基材上に形成されるDLC膜の硬度が、10〜40GPaであり、凸状パターンの側面に形成されるDLC膜の硬度が1〜15GPaである項23記載のめっき用導電性基材の製造方法。
25. DLC膜が真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、アーク放電法、イオン化蒸着法またはプラズマCVD法により形成される項22〜24のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
26. 除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、絶縁層を形成する工程を行う前に、除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、中間層を形成する工程を行う項13〜25のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
27. 中間層が、Ti、Cr、W、Siまたはそれらの窒化物又は炭化物のいずれか1以上を含む項26記載のめっき用導電性基材の製造法。
28. 絶縁層の厚さが、0.5〜10μmである項13〜27のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造法。
29. (イ)項1〜12のいずれかに記載のめっき用導電性基材の凹部にめっきにより金属を析出させる工程、
(ロ)上記導電性基材の凹部に析出させた金属を別の基材に転写する工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。
30. めっきにより析出した金属の厚さを凹部の深さの2倍以下とする項29記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
31. 別の基材が、表面に少なくとも接着性を有する接着層を有する項29又は30に記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
32. めっき用導電性基材の凹部に析出させた金属を黒化処理する工程を含む項29又は31のいずれかに記載の導体層パターン付基材の製造方法。
33. さらに、別の基材に転写された金属パターンを黒化処理する工程を含む項29〜32のいずれかに記載の導体層パターン付基材の製造方法。
34. 項29〜33のいずれかに記載の方法により製造された導体層パターン付き基材。
35. 項34に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆してなる透光性電磁波遮蔽部材。
36. 項34に記載の導体層パターン付き基材又は項35に記載の透光性電磁波遮蔽部材を透明基板に貼りあわせてなる透光性電磁波遮蔽板。
本発明の開口方向に向かって幅広の凹部を持つめっき用導電性基材は、導電性基材上に凸状のパターンを形成し、絶縁層を形成後に、絶縁層が付着している凸状のパターンを除去することにより凹部を作製することができるため、その製造が容易で、生産性に富む。
さらに、絶縁層をAl2O3、SiO2等の無機化合物のような無機材料で形成することもできる。
光透過性電磁波遮蔽部材の性能の観点からは溝状の凹部に囲まれる絶縁層を三角形とすることが最も有効であり、可視光透過性の点からは溝状の凹部が同一のライン幅なら、それにより囲まれる絶縁層が(正)n角形のとき、n数が大きいほど導体層パターンの開口率が上がる。
図1は、本発明のめっき用導電性基材の一例を示す一部斜視図である。図2は、図1のA−A断面図を示す。図2の(a)は凹部の側面が平面的であるが、(b)は凹部の側面になだらかな凹凸がある場合を示す。めっき用導電性基材1は、導電性基材2の上に絶縁層3が積層されており、絶縁層3に凹部4が形成されており、凹部4の底部は、導電性基材2が露出している。凹部4の底部は、導電性基材に導通している導体層であってもよい。
この例においては、絶縁層3は、幾何学図形としては正方形であり、この正方形の周りに凹部4が溝状に形成されている。
導電性基材2と絶縁層3の間には、絶縁層3の接着性の改善等を目的として、導電性又は絶縁性の中間層(図示せず)が積層されていてもよい。または、凹部4は、その幅が、開口方向に向かって全体として幅広になっている。図面のよう勾配αで一定に幅広になっている必要は必ずしもない。めっきにより形成される導体層パターンの剥離に問題がなければ、凹部は、開口方向に向かって幅が狭くなっている部分があってもよいが、このような部分がない方が良く、凹部は開口方向に向かって狭まっておらず全体として広がっていることが好ましい。特に、凹部の一側面がその対面と共に、底面に対して垂直となっている部分が高さ方向で1μm以上続く部分がないようにすることが好ましい。このようなめっき用導電性基材であれば、それを用いてめっきを行った後、析出した金属層をめっき用導電性基材から剥離するに際し、金属層と絶縁層との間の摩擦又は抵抗を小さくすることができ、その剥離がより容易になる。
αは、角度で10度以上90度未満が好ましく、10度以上80度以下がより好ましく、30度以上60度以下が特に好ましい。この角度が小さいと作製が困難となる傾向があり、30度以上がより好ましく、大きいと凹部にめっきにより形成し得た金属層(導体層パターン)を剥離する際、又は、別の基材に転写する際の抵抗が大きくなる傾向があり、80度以下がより好ましい。
上記めっき用導電性基材の凹部は、めっきにより生成するパターン化金属の形状に対応するが、同様に導体層パターン付き基材における導体層パターンに対応するものであり、その導体層パターンは、最終的に電磁波遮蔽部材を作製したときの電磁波シールド層に対応するものである。
なお、本発明において、凹部の中心間隔(ラインピッチ)は、凹部によって形成されている絶縁層の図形パターンが複雑な図形であったり、複数の図形の組み合わせであったりして簡単に決定できない場合は、パターンの繰り返し単位を基準としてその面積を正方形の面積に換算し、その一辺の長さであると定義する。
この工程は、(A)導電性基材の表面に、除去可能な凸状のパターンを形成する工程、
(B)除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、絶縁層を形成する工程
及び
(C)絶縁層が付着している凸状のパターンを除去する工程
を含む。
この方法は、
(a−1)導電性基材の上に感光性レジスト層を形成する工程、
(a−2)感光性レジスト層を導体層パターンに対応したマスクを通して露光する工程
及び
(a−3)露光後の感光性レジスト層を現像する工程
を含む。
(b−1)導電性基材の上に感光性レジスト層を形成する工程、
(b−2)感光性レジスト層に導体層パターンに対応した部分にマスクをせずレーザー光を照射する工程
及び
(b−3)レーザー光を照射後の感光性レジスト層を現像する工程
を含む。
導電性基材のサイズが大きい場合などはドライフィルムレジストを用いる方法が生産性の観点からは好ましく、導電性基材がめっきドラムなどの場合は、ドライフィルムレジストをラミネートし、又は液状レジストを塗布した後にマスクを介さずにレーザー光などで直接に露光する方法が好ましい。
図3は、めっき用導電性基材の製造方法を示す工程の一例を断面図で示したものである。
除去可能な凸部のパターンを形成する突起部6の形状は、凹部の形状に対応づけられるが、その作製の容易性から、最大幅1μm以上、間隔が1μm以上、高さが1〜50μmであることが好ましい。めっき用導電性基材を、光透過性電磁波遮蔽部材用の導体層パターンを作製するために使用するときは、突起部6は、最大幅1〜40μm、間隔が50〜1000μm及び高さ1〜30μmであることがそれぞれ好ましい。特に最大幅3〜10μm、間隔が100〜400μmであることが好ましい。また、めっき用導電性基材を、穴明き金属箔を作製するために使用するときは、前記したような絶縁層3が形成されるように、平面形状が適宜の大きさの円形又は矩形である突起部を適当な間隔に配置する。
突起部6からなる凸状パターンを有する導電性基材2の表面に絶縁層7を形成する(図3(c))。
上記SiまたはSiCの薄膜は、例えば、ステンレス鋼などの金属との密着性に優れる上、その上に積層する絶縁性のDLC薄膜との界面においてSiCを形成して、当該DLC薄膜の密着性を向上させる効果を有している。
中間層は、前記したようなドライコーティング法により形成させることができる。
中間層の厚みは、1μm以下であることが好ましく、生産性を考慮すると0.5μm以下であることが更に好ましい。1μm以上コーティングするには、コーティング時間が長くなると共に、コーティング膜の内部応力が大きくなるため適さない。
また、CVD法で成膜する場合には金属塩化物、金属水素化物、有機金属化合物などのような化合物ガスを原料とし、それらの化学反応を利用して成膜することでできる。酸化シリコンのCVDは、例えばTEOS、オゾンを用いたプラズマCVDで行える。窒化シリコンのCVDは、例えばアンモニアとシランを用いたプラズマCVDで行える。
絶縁層の付着しているレジストの除去には、市販のレジスト剥離液や無機、有機アルカリ、有機溶剤などを用いることができる。また、パターンを形成するのに使用したレジストに対応する専用の剥離液があれば、それを用いることもできる。
剥離の方法としては、例えば薬液に浸漬することでレジストを膨潤、破壊あるいは溶解させた後これを除去することが可能である。液をレジストに十分含浸させるために超音波、加熱、撹拌等の手法を併用しても良い。また、剥離を促進するためにシャワー、噴流等で液をあてることもできるし、柔らかい布や綿棒などでこすることもできる。
また、絶縁層の耐熱が十分高い場合には高温で焼成してレジストを炭化させて除去することもできるし、レーザーを照射して焼き飛ばす、といった方法も利用できる。
剥離液としては、例えば、3%NaOH溶液を用い、剥離法としてシャワーや浸漬が適用できる。
導電性基材に形成される絶縁層と凸状パターンの側面に形成される絶縁層との境界面の凸状パターンの側面(基材に対して垂直面として)からの距離が、凸状パターンの立位方向に向かって小さくなっておらず、全体として大きくなっていることが好ましい。
凸状パターンの側面(導電性基材に対して垂直面として)とは、凸状パターンの側面が基材に対して垂直面であれば、その面であるが、凸状パターンの側面が基材側に覆い被さるような場合は、凸状パターンの側面が導電性基材で終わる地点から垂直に立ち上げた垂直面である。
突起部6を除去するとき、絶縁層は、この境界で分離され、その結果、凹部の側面が、傾斜角αを有するようになる。傾斜角αは、角度で10度以上90度未満が好ましく、10度以上80度以下がより好ましく、30度以上60度以下がさらに好ましく、40度以上60度以下が特に好ましく、DLC膜をプラズマCVDで作製する場合、ほぼ40〜60度に制御することが容易になる。すなわち、凹部4は、開口方向に向かって幅広になるように形成される。傾斜角αの制御方法としては、突起部6の高さを調整する方法が好ましい。突起部6の高さが大きくなるほど、傾斜角αを大きく制御しやすくなる。
これに対して、凸部側面に形成される絶縁層の硬度は1〜15GPaであることが好ましい。凸部側面に形成される絶縁層は、少なくとも導電性基材上に形成される絶縁層の硬度よりも低くなるように形成しなければならない。そうすることにより両者間に境界面が形成され、後の絶縁層の付着した突起部からなる凸状パターンを剥離する工程を経た後に、幅広な凹部が形成されることになる。突起部側面に形成される絶縁層の硬度は1〜10GPaであることがより好ましい。
このようにして、めっき用導電性基材1を作製することができる。
突起部6からなる凸状パターンが形成された導電性基材2の表面に、絶縁層7を形成する前に、中間層8を形成することが好ましい(図4(c′))。中間層としては、前記したものが使用でき、その形成方法も前記したとおりである。中間層8を形成した場合、得られるめっき用導電性基材は、凹部4の底部は、導電性基材2が露出しており、それ以外では、中間層8の上に絶縁層7が形成されている(図4(d′))。また、中間層は、凸状パターン6の形成前に、導電性基材2の表面に形成しても良い。この後、その表面に、前記したように導電性基材を露出させている凹部によって幾何学図形が描かれるように絶縁層を形成する工程を行っても良い。この場合、中間層として、電界めっきが十分可能な程度に導電性のものを使用した場合、凹部の底部はその中間層のままでよいが、十分な導電性を有していない場合は、ドライエッチング等の方法により、凹部の底部の中間層を除去し、導電性基材2を露出させる。
(イ)前記のめっき用導電性基材の凹部にめっきにより金属を析出させる工程
及び
(ロ)上記導電性基材の凹部に析出させた金属を別の基材に転写する工程
を含む方法により製造される。
電解めっきについてさらに説明する。例えば、電解銅めっきであれば、めっき用の電解浴には硫酸銅浴、ほうふっ化銅浴、ピロリン酸銅浴、または、シアン化銅浴などを用いることができる。このときに、めっき浴中に有機物等による応力緩和剤(光沢剤としての効果も有する)を添加すれば、より電着応力のばらつきを低下させることができることが知られている。また、電解ニッケルめっきであれば、ワット浴、スルファミン酸浴などを使用することができる。これらの浴にニッケル箔の柔軟性を調整するため、必要に応じてサッカリン、パラトルエンスルホンアミド、ベンゼンスルホン酸ナトリウム、ナフタリントリスルホン酸ナトリウムのような添加剤、及びその調合剤である市販の添加剤を添加してもよい。さらに、電解金めっきの場合は、シアン化金カリウムを用いた合金めっきや、クエン酸アンモニウム浴やクエン酸カリウム浴を用いた純金めっきなどが用いられる。合金めっきの場合は、金−銅、金−銀、金−コバルトの2元合金や、金−銅−銀の3元合金が用いられる。他の金属に関しても同様に公知の方法を用いることができる。電界めっき法としては、例えば、「現場技術者のための実用めっき」(日本プレーティング協会編、1986年槇書店発行)第87〜504頁を参照することができる。
さらに、還元剤の還元作用を得るためには、金属表面の触媒活性化が必要になることがある。素地が鉄、鋼、ニッケルなどの金属の場合には、それらの金属が触媒活性を持つため、無電解めっき液に浸漬するだけで析出するが、銅、銀あるいはそれらの合金、ステンレスが素地となる場合には、触媒活性化を付与するために、塩化パラジウムの塩酸酸性溶液中に被めっき物を浸漬し、イオン置換によって、表面にパラジウムを析出させる方法が用いられる。
無電解めっきでは、基材は必ずしも導電性である必要はない。しかし、基材を陽極酸化処理するような場合は、基材は導電性である必要がある。
特に、導電性基材の材質がNiである場合、無電解めっきするには、凹部を陽極酸化した後、無電解銅めっき液に浸漬して、銅を析出させる方法がある。
プラスチックとしては、ポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂、ポリ塩化ビニリデン樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリプロピレン樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、ポリエーテルイミド樹脂、ポリエーテルエーテルケトン樹脂、ポリアリレート樹脂、ポリアセタール樹脂、ポリブチレンテレフタレート樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂などの熱可塑性ポリエステル樹脂、酢酸セルロース樹脂、フッ素樹脂、ポリスルホン樹脂、ポリエーテルスルホン樹脂、ポリメチルペンテン樹脂、ポリウレタン樹脂、フタル酸ジアリル樹脂などの熱可塑性樹脂や熱硬化性樹脂が挙げられる。プラスチックの中では、透明性に優れるポリスチレン樹脂、アクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリ塩化ビニル樹脂が好適に用いられる。別の基材の厚みは、0.5mm〜5mmがディスプレイの保護や強度、取扱い性から好ましい。
上記プラスチックフィルムの厚さは特に制限はないが、1mm以下のものが好ましく、厚すぎると可視光透過率が低下しやすくなる傾向がある。また、薄く成りすぎると取扱い性が悪くなることを勘案すると、上記プラスチックフィルムの厚さは5〜500μmがより好ましく、50〜200μmとすることがさらに好ましい。
これらのプラスチックフィルム等の基材は、ディスプレイの前面からの電磁波の漏洩を防ぐための電磁波シールドフィルムとして使用するためには、透明であるもの(すなわち、透明基材)が好ましい。
上記の粘着層は、転写時に粘着性を有しているもの又は加熱若しくは加圧下に粘着性を示すものが好ましい。粘着性を有しているものとしては、ガラス転移温度が20℃以下の樹脂が好ましく、ガラス転移温度が0℃以下である樹脂を用いることが最も好ましい。粘着層に用いる材料としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線の照射で硬化する樹脂等を使用することができる。加熱時に粘着性を示す場合、そのときの温度が高すぎると、透明基材にうねりやたるみ、カール等の変形が起こることがあるので、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線の照射で硬化する樹脂のガラス転移点は80℃以下であることが好ましい。上記熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂、活性エネルギー線の照射で硬化する樹脂の重量平均分子量は、500以上のものを使用することが好ましい。分子量が500未満では樹脂の凝集力が低すぎるために金属との密着性が低下するおそれがある。
活性エネルギー線が紫外線の場合、紫外線硬化時に添加される光増感剤あるいは光開始剤としては、ベンゾフェノン系、アントラキノン系、ベンゾイン系、スルホニウム塩、ジアゾニウム塩、オニウム塩、ハロニウム塩等の公知の材料を使用することができる。また、上記の材料の他に汎用の熱可塑性樹脂をブレンドしても良い。
アクリル酸又はメタクリル酸の付加物としては、エポキシアクリレート(n=1.48〜1.60)、ウレタンアクリレート(n=1.5〜1.6)、ポリエーテルアクリレート(n=1.48〜1.49)、ポリエステルアクリレート(n=1.48〜1.54)なども使うこともできる。特に接着性の点から、ウレタンアクリレート、エポキシアクリレート、ポリエーテルアクリレートが優れており、エポキシアクリレートとしては、1、6−ヘキサンジオールジグリシジルエーテル、ネオペンチルグリコールジグリシジルエーテル、アリルアルコールジグリシジルエーテル、レゾルシノールジグリシジルエーテル、アジピン酸ジグリシジルエステル、フタル酸ジグリシジルエステル、ポリエチレングリコールジグリシジルエーテル、トリメチロールプロパントリグリシジルエーテル、グリセリントリグリシジルエーテル、ペンタエリスリトールテトラグリシジルエーテル、ソルビトールテトラグリシジルエーテル等の(メタ)アクリル酸付加物が挙げられる。エポキシアクリレートなどのように分子内に水酸基を有するポリマは接着性向上に有効である。これらの共重合樹脂は必要に応じて、2種以上併用することができる。
別の基材に粘着剤を塗布して形成した粘着層を有するフィルムを、金属層が形成されている面に貼り合わせる際には、粘着剤の特性に応じて、必要ならば加熱される。
めっきの程度を、析出する金属層が凹部内に存在する程度とすることができる。このような場合であっても、凹部形状が開口方向に幅広であるため、さらには、絶縁層により形成される凹部側面の表面を平滑にできるため、金属箔パターンの剥離時のアンカー効果を小さくできる。また、析出する金属層の幅に対する高さの割合を高くすることが可能となり、透過率をより向上させることができる。
図5は、導体層パターン付き基材の作製例の前半を示す断面図である。また、図6はその後半を示す断面図である。
上記のめっき用導電性基材1上に、前記しためっき工程により、凹部4内にめっきを施し、導体層パターン9を形成する(図5(e))。ついで、別個に準備された転写用基材10、これは、別の基材(透明基材)11に粘着剤層12が積層されている。導体層パターン8が形成されためっき用導電性基材1に転写用基材10を粘着剤層12を向けて圧着する準備を行う(図5(f))。
ついで、導体層パターンが形成されためっき用導電性基材1に転写用基材9を粘着剤層12を向けて圧着する(図6(g))。このとき、粘着剤層12が絶縁層7に接触してもよい。
ついで、転写用基材10を引きはがすと導体層パターン9は、その粘着剤層12に接着してめっき用導電性基材1の凹部4から剥離され、この結果、導体層パターン付き基材13が得られる(図6(h))。
めっき用導電性基材にめっきした際、めっきは等方的に生長するため、導電性基材の露出部分から始まっためっきの析出は、それが進むと凹部からあふれて絶縁層に覆い被さるように突出して析出する。転写用基材への貼着の観点から、突出するようにめっきを析出させることが好ましい。しかし、このとき、めっきの析出を凹部4内に収まる程度に施しても良い。この状態を図7に示す。この場合でも、図8に示すように、転写用基材を圧着することにより、導体層パターン9を粘着剤層12に転着して、めっき用導電性基材1から導体層パターン9を剥離して、導体層パターン付き基材13を作製することができる。
このように黒化処理された導体層パターンを有する導体層パターン付き基材を電磁波遮蔽部材としてディスプレイの前面において利用するときは、一般に、黒色層を設けた方の面がディスプレイの視聴者側に向くようにして用いられる。
図10に導体層パターン付き基材が保護樹脂で覆われた電磁波遮蔽部材の断面図を示す。基材(別の基材)11に積層されている粘着剤層12上に金属からなる導体層パターン9が貼り付けられており、これらは、透明な保護樹脂14によって被覆されている。
図12は、さらに、別の態様の電磁波遮蔽体の断面図を示す。図11において、基材(別の基材)11に粘着剤層12を介して金属からなる導体層パターン9が接着されており、その上を透明樹脂からなる接着剤又は粘着剤17により被覆され、さらにその上に保護フィルム18が積層されている。基材11のもう一方の面には接着剤層15を介してガラス板等の他の基材16が貼着されている。この電磁波遮蔽部材では、基材(別の基材)11に粘着剤12を介して接着されている導体層パターン9を有する導体層パターン付き基材の導体層パターン9が存在する面を、透明な接着剤または粘着材17によりコーティングし、さらに保護フィルム18を積層し、ついで、得られた積層物の基材11のもう一方の面(何も積層されていない面)に接着剤を塗布して接着剤層12を形成し、これを他の基材16に押しつけて接着することにより作製することができる。上記の透明樹脂17としては、熱可塑性樹脂、熱硬化性樹脂のほかに活性エネルギー線で硬化する樹脂をを主成分とする接着剤または粘着剤を用いることもできる。活性エネルギー線で硬化する樹脂を用いることは、それが瞬時に又は短時間に硬化することから、生産性が高くなるので好ましい。
フープ状の導電性基材に関しては、帯状の導電性基材の表面に絶縁層と凹部を形成した後、端部をつなぎ合わせるなどして作製できる。導電性基材の表面を形成する物質としては上述のようにステンレス鋼、クロムめっきされた鋳鉄、クロムめっきされた鋼、チタン、チタンをライニングした材料などのめっき付着性が比較的小さい材料を用いることが好ましい。フープ状の導電性基材を用いた場合には、黒化処理、防錆処理、転写等の工程を、1つの連続した工程で処理可能となるため導電性パターン付き基材の生産性が高く、また、導電性パターン付き基材を連続的に作製して巻物として製品とすることができる。フープ状の導電性基材の厚さは適宜決定すればよいが、100〜1000μmであることが好ましい。
領域Bにおいて、凹部のパターンによって描かれる幾何学図形状としては、
(1)メッシュ状幾何学的模様
(2)所定間隔で規則的に配列された方形状幾何学的模様
(3)所定間隔で規則的に配列された平行四辺形模様
(4)円模様又は楕円模様
(5)三角形模様
(6)五角形以上の多角形模様
(7)星形模様等がある。
また、領域Bにおける凹部の形成、絶縁層の形成等は、前記した領域Aと同様に行うことができる。さらに、凹部の深さ、凹部が開口方向に幅広であることも領域Aと同様にされることが好ましい。
転写に際し使用する別の基材を剥離用粘着フィルムとして使用して、上記導電性基材の凹部に析出させた金属を剥離するために利用し、転写された導体層パターンをこの別の基材からさらに剥離して使用しても良い。
(ロ)上記導電性基材の凹部に析出させた金属を別の基材に転写する工程の代わりに(ロ′)上記導電性基材の凹部に析出させた金属を粘着フィルムを使用せず、それ自体を剥離する工程とすることにより、パターン化された金属箔を製造することができる。
レジストフィルム(フォテックRY3315、10μm厚、日立化成工業株式会社製)を150mm角のステンレス板(SUS316L、鏡面研磨仕上げ、厚さ300μm、日新製鋼(株)製)の両面に貼り合わせた(図3(a)に対応する)。貼り合わせの条件は、ロール温度105℃、圧力0.5MPa、ラインスピード1m/minで行った。次いで、光透過部のライン幅が15μm、ラインピッチが300μm、バイアス角度が45°(正四角形のなかに、ラインが正四角形の辺に対して45度の角度になるように配されている)で、格子状にパターンが120m角のサイズで形成されているネガフィルムを、ステンレス板の片面に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下において、ネガフィルムを載置したステンレス板の上下から、紫外線を120mJ/cm2照射した。さらに、1%炭酸ナトリウム水溶液で現像することで、SUS板の上にライン幅16〜19μm、ラインピッチ300μm、バイアス角度45度の突起部レジスト膜(突起部;高さ10μm)からなる格子状パターンを形成した。なお、パターンが形成された面の反対面は、全面露光されているため、現像されず、全面にレジスト膜が形成されている(図3(b)に対応する)。上記のライン幅は、突起部の最大幅(d1)であり、突起部の上部における幅である。突起部の導電性基材との接触部の幅(d0)は、この最大幅より0〜約0.8μm小さかった。また、突起部の最小幅は、最大幅(d1)より0〜約1.5μm小さく、突起部の導電性基材との接触部からわずかに高い箇所の幅である。これらは、倍率3000倍で断面を走査型電子顕微鏡(SEM)観察することにより実測した。測定点は5点以上とした。
PBII/D装置(TypeIII、株式会社栗田製作所製)によりDLC膜を形成する。チャンバー内にレジスト膜が付いたままのステンレス基板を入れ、チャンバー内を真空状態にした後、アルゴンガスで基板表面のクリーニングを行った。次いで、チャンバー内にヘキサメチルジシロキサンを導入し、膜厚0.1μmとなるように中間層を成膜した。次いで、トルエン、メタン、アセチレンガスを導入し、膜厚が5〜6μmとなるように、中間層の上にDLC層を形成した(図3(c)に対応する)。そのときレジスト膜により形成された凸部両側のDLC膜の厚さは、4〜6μmであった。境界面の角度は45〜51度であった。なお、絶縁層の厚さ及び境界面の角度の測定は導電性基材の一部を切り取って樹脂で注型し、倍率は3000倍で断面をSEM観察することにより実測した。測定点は5点で、レジスト膜の両側を測定したので計10点の最大値と最小値を採用した。
絶縁層が付着したステンレス基板を水酸化ナトリウム水溶液(10%、50℃)に浸漬し、時々揺動を加えながら8時間放置した。凸状パターンを形成するレジスト膜とそれに付着したDLC膜が剥離してきた。一部剥がれにくい部分があったため、布で軽くこすることにより全面剥離し、めっき用導電性基材を得た(図3(d)に対応する)。
凹部の形状は、開口方向に向かって幅広になっており、その凹部側面の傾斜角は、前記境界面の角度と同じであった。凹部の深さは5〜6μmであった。また、凹部の底部での幅は、16〜19μm、開口部での幅(最大幅)は26〜31μmであった。凹部のピッチはピッチ300μmであった。
さらに、上記で得られためっき用導電性基材のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極として電解銅めっき用の電解浴(硫酸銅(5水塩)250g/L、硫酸70g/L、キューブライトAR(荏原ユージライト株式会社製、添加剤)4ml/Lの水溶液、30℃)中に浸し、両極に電圧をかけて電流密度を10A/dm2として、めっき用導電性基材の凹部に析出した金属の厚さがほぼ7μmになるまでめっきした。めっき用導電性基材の凹部の中とそれからあふれるようにめっきが形成された。
厚さ100μmのポリエチレンテレフタレート(PET)フィルム(A−4100、東洋紡績株式会社製)の表面にプライマー(HP―1、日立化成工業株式会社製)を厚さ1μm)に、粘着層としてアクリルポリマー(HTR−280、長瀬ケムテック(株)製)を厚さ10μmに順次塗布して転写用粘着フィルムを作製した。
上記転写用粘着フィルムの粘着層の面と、上記めっき用導電性基材の銅めっきを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度25℃、圧力0.1MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた粘着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材上に析出した銅が粘着フィルムに転写されていた。これにより、ライン幅20〜25μm、ラインピッチ300±2μm、導体層厚さ(最大)7〜8μmの格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。導体層の形状は、凹部の形状を反映して、図5(h)に示されるように下部から上部(粘着層)に向かって幅広になっており、さらに凹部からあふれた部分が傘のように広がっていた。
転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁層が剥離している箇所はなかった。ライン幅、導体層厚さの測定は、得られた導体層パターン付き基材を一部切り取って樹脂で注型し、倍率は3000倍で断面をSEM観察することにより実測した。測定点は5点で、凹部の両側を測定したので計10点の値の最大値と最小値を採用した(以下も同様)。ラインピッチの測定は、顕微鏡(デジタルマイクロスコープVHX−500、キーエンス(株)製)を用いて、倍率200倍で観察して測定し、測定は、無作為の5点で行った(以下も同様)。
上記で得られた導体層パターン付き基材の導体層パターンが存在する面に、UV硬化型樹脂ヒタロイド7983AA3(日立化成工業(株)製)をコーティングし、ポリカーボネートフィルム(マクロホールDE、バイエル株式会社製、75μm)でラミネートして導体層パターンをUV硬化型樹脂中に埋没させた後、紫外線ランプを用いて1J/cm2の紫外線を照射してUV硬化型樹脂を硬化させて、保護膜を有する導体層パターン付き基材を得た。
次いで、上記のめっき用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして500回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁層の剥離箇所も観測されなかった。
液状レジスト(ZPN−2000、日本ゼオン株式会社製)を150mm角のチタン板(純チタン、鏡面研磨仕上げ、厚さ400μm、日本金属株式会社製)に両面塗布した。三回塗布することで厚み6μmのレジスト膜を得た。110℃で1分プリベークした後、光透過部のライン幅が5μm、ラインピッチが300μm、バイアス角度が45°(正四角形のなかに、ラインが正四角形の辺に対して45度の角度になるように配されている)で、格子状のパターンが110mm角のサイズで形成されているネガのクロムマスクを、チタン板の片面に静置した。紫外線照射装置を用いて、600mmHg以下の真空下で基板を吸着し、クロムマスクを載置したチタン板の上から、紫外線を200mJ/cm2照射した。また、裏面はマスクを載せずに200mJ/cm2照射した。115℃で1分間加熱した後、2.38%のテトラメチルアンモニウムヒドロキシド(TMAH)で現像することで、チタン板の上にライン幅5〜7μm、ラインピッチ300μm、バイアス角度45°のレジスト膜からなる格子状パターンを形成した。上記のライン幅は、突起部の最大幅(d1)であり、突起部の上部における幅である。突起部の導電性基材との接触部の幅(d0)は、この最大幅より0〜約0.5μm小さかった。また、突起部の最小幅は、最大幅(d1)より0〜約1μm小さく、突起部の導電性基材との接触部からわずかに高い箇所の幅である。これらは、倍率3000倍で断面を走査型電子顕微鏡(SEM)観察することにより実測した。測定点は5点以上とした。
実施例1と同様に中間層までコーティングした後、DLCを膜厚が2〜2.5μmになるようにコーティングした。そのときレジスト膜により形成された凸部両側のDLC膜の厚さは、1.8〜2.5μmであった。境界面の角度は45〜48度であった。膜厚及び境界面の角度は実施例1と同様に測定した。
(凹部の形成;絶縁層の付着した凸状パターンの除去)
絶縁層が付着したチタン基板を水酸化ナトリウム水溶液(10%、50℃)に浸せきし、50kHzで超音波をかけながら2時間放置した。凸状パターンを形成するレジスト膜とそれに付着したDLC膜が剥離してきた。一部剥がれにくい部分があったため、布で軽くこすることにより全面剥離し、めっき用導電性基材を得た。
凹部の形状は、開口方向に向かって幅広になっており、その凹部側面の傾斜角は、前記境界面の角度と同じであった。凹部の深さは2〜2.5μmであった。また、凹部の底部での幅5〜7μmは、開口部での幅(最大幅)は9〜12μmであった。凹部のピッチはピッチ300μmであった。
さらに、上記で得られためっき用導電性基材のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として、また、銅板を陽極として電解銅めっき用の電解浴(ピロリン酸銅:100g/L、ピロリン酸カリウム:250g/L、アンモニア水(30%):2mL/L、pH:8〜9、浴温:30℃)中に浸し、両極に電圧をかけて陰極電流密度を5A/dm2として、めっき用導電性基材の凹部に析出した金属の厚さがほぼ3.5μmになるまでめっきした。めっき用導電性基材の凹部の中とそれからあふれるようにめっきが形成された。
めっき用導電性基材上に形成された銅のパターンを、実施例1と同様に粘着フィルムに転写した。ライン幅11〜14μm、ラインピッチ300±2μm、導体層厚さ3〜4μmの格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。導体層の形状は、凹部の形状を反映して、図5(h)に示されるように下部から上部(粘着層)に向かって幅広になっており、さらに凹部からあふれた部分が傘のように広がっていた。
転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁層が剥離している箇所はなかった。
さらに実施例1と同様にして保護膜の形成を行い、保護膜を有する導体層パターン付き基材を得た。
次いで、上記のめっき用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして700回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁層の剥離箇所も観測されなかった。
実施例2と同様にDLCを膜厚が3〜4μmになるようにコーティングした。そのときレジスト膜により形成された凸部両側のDLC膜の厚さは、3〜4μmであった。境界面の角度は45〜47度であった。
絶縁層が付着したステンレス基板をレジスト剥離液(RemoverPG、日本化薬(株)製、70℃)に浸せきし、時々揺動を加えながら8時間放置した。凸状パターンを形成するレジスト膜とそれに付着したDLC膜が剥離してきた。一部剥がれにくい部分があったため、布で軽くこすることにより全面剥離し、めっき用導電性基材を得た。
凹部の形状は、開口方向に向かって幅広になっており、その凹部側面の傾斜角は、前記境界面の角度と同じであった。凹部の深さは3〜4μmであった。また、凹部の底部での幅は5〜7μm、開口部での幅(最大幅)は11〜15μmであった。凹部のピッチはピッチ300μmであった。
φ100mm、幅200mmのステンレスロールに、前記で作製しためっき用導電性基材の背面とロールが接触するように、巻きつけて、つなぎ目を絶縁テープで貼り合わせた。さらに、側部からめっき液が染み込まないように、導電性基材の両端5mmを全周にわたって、絶縁テープで覆うように、ロールと導電性基材を貼り合わせ、一つの回転体とした。
次いで、図13に示すような装置構成で回転体103に電界銅めっきした。陽極102には白金でコーティングしたチタン製の不溶性電極を用いた。陰極には上記ステンレス製のロールをドラム電極とした。電解銅めっき用の電解浴100には、ピロリン酸銅:100g/L、ピロリン酸カリウム:250g/L、アンモニア水(30%):2mL/L、pH:8〜9の水溶液で40℃の電荷液101が収容され配管104を通じてポンプ105により、陽極102と回転体103の間に送られ、満たされている。回転体103の約半分がこの電解液に浸漬している。電流密度を15A/dm2となるように、両極に電圧をかけて上記導電性基材に析出する金属の厚みが5μm厚になるまでめっきした。このとき、上記のステンレスロールを0.1m/分の速度で回転させるようにした。めっき用導電性基材の凹部の中とそれからあふれるようにめっきが形成された。
実施例1で作製した粘着フィルムを一旦ロール状で巻き取り、ロール状の粘着フィルムとした。このロール状の粘着フィルムから粘着フィルム107を巻き出し、その粘着剤層の面を上記回転体(ステンレスロール)に析出した金属(銅)106に圧着ロール108により実施例1と同様のラミネート条件で、連続的に貼り合わせるとともに剥離することにより、金属106を粘着フィルムの粘着剤層に転写して、導体層パターン付き基材109を連続的に作製した。導体層パターン付き基材109はロール状に巻き取られた(図示せず)。また、このとき、粘着フィルムの導体層パターンが転写された面に離型PET(S−32、帝人デュポン株式会社製)をラミネートしながら巻き取ることにより、巻取り時のブロッキングを防止した。導体層パターンは、ライン幅14〜18μm、ラインピッチ300±2μm、導体層厚4.5〜6.5μmであった。銅めっきが転写された粘着フィルムを50m巻き取った後も、ステンレスロール上への銅めっきとその転写性に変化が無く、絶縁層の剥離箇所も観測されなかった。導体層の形状は、凹部の形状を反映して、図5(h)に示されるように下部から上部(粘着層)に向かって幅広になっており、さらに凹部からあふれた部分が傘のように広がっていた。
得られた導体層パターン付き基材の一部を切り取り、導体層パターンが形成されている面に、UV硬化型樹脂(アロニックスUV−3701、東亞合成株式会社製)をアプリケータ(ヨシミツ精機株式会社製、YBA型)を用いて15μm厚でコーティングし、PETフィルム(マイラーD、帝人デュポンフィルム株式会社製、75μm)をハンドロールを用いて気泡が入らないように静かにラミネートした後、紫外線ランプを用いて1J/cm2の紫外線を照射して、保護膜を形成した。
上記で得られためっき転写用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして5000回繰り返した(回転体を5000回転させた)結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁層の剥離箇所も観測されなかった。
実施例1と同様にして凸状パターンを形成し、絶縁層を5〜6μm形成し、絶縁層が付着した凸状パターンを除去し、めっき用導電性基材を作製した。
上記で得られためっき用導電性基材のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極として電解銅めっき用の電解浴(硫酸銅(5水塩)255g/L、硫酸55g/L、キューブライト#1A(荏原ユージライト株式会社製、添加剤)4ml/Lの水溶液、20℃)中に浸し、両極に電圧をかけて陰極電流密度を7A/dm2として、めっき用導電性基材の凹部に析出した金属の厚さがほぼ4μmになるまでめっきした。銅めっきはライン開口部まで到達しておらず、めっきされた状態は図6に示される状態になっていた。
実施例1で作製した転写用粘着フィルムの粘着層の面と、上記めっき用導電性基材の銅めっきを施した面を、ロールラミネータを用いて貼り合わせた。ラミネート条件は、ロール温度25℃、圧力0.1MPa、ラインスピード1m/minとした。次いで、めっき転写用版に貼り合わせた粘着フィルムを剥離したところ、上記めっき用導電性基材の凹部に析出した銅が粘着フィルムに転写されていた。これにより、ライン幅22〜27μm、ラインピッチ300±2μm、導体層厚さ3〜4μmの格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。導体層の形状は、凹部の形状を反映して、図7に示されるように下部から上部(粘着層)に向かって幅広になっていた。
次いで、上記のめっき用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして700回繰り返した結果、銅めっきの転写性に変化が無く、絶縁層の剥離箇所も観測されなかった。
(凸状パターンの形成)
実施例1と同様にして凸状パターンを形成し、厚み10μm、ライン幅16〜19μm、ラインピッチ300μmの凸状パターンを得た。その際、導電性基材の表面の一端を未露光のままにしておき、現像後に下地金属が露出するようにした。
次いで、上記の凸状パターンが形成された導電性基材を陰極にして先述の下地金属が露出した部分をクリップで電極と接続し、陽極をステンレス(SUS304)板として、カチオン系電着塗料(Insuleed3020、日本ペイント(株)製)中で、15V10秒の条件で、上記導電性基材に電着塗装した。水洗後110℃10分間乾燥した後、230℃40分の条件で窒素気流下で焼付けて絶縁層を形成した。炉内の酸素濃度は0.1%であった。平面部に形成された絶縁層の厚さは、ほぼ2.5μmであった。電着塗料は本来通電しない部分には成膜されないので凸部の周辺には成膜されないが、レジスト膜に付着した電着塗料が洗浄しきれなかったため、レジスト膜により形成された凸部両側にも電着塗料膜が付着しており、その厚みは0.2〜0.7μmであった。電着塗料の場合、凸状パターン側部と平面部に形成された膜との境界面は形成されなかった。
電着塗料をコーティングしたステンレス基板を水酸化ナトリウム水溶液(10%、50℃)に浸せきし、時々揺動を加えながら15分放置した。凸状パターンを形成するレジスト膜とそれに付着した電着塗料が剥離してきた。ラインの側部はいろいろな形状をしていたが、開口方向に向かって幅広な凹部が形成されていない箇所が多数見られ、絶縁層の境界面は平滑ではなく破断面の箇所が多く見られた。また、ラインも多少がたつきが見られた。
上記で得られためっき用導電性基材の凹凸のパターンが形成されていない面(裏面)に粘着フィルム(ヒタレックスK−3940B、日立化成工業(株)製)を貼り付けた。この粘着フィルムを貼り付けためっき用導電性基材を陰極として、また、含燐銅を陽極として電解銅めっき用の電解浴(硫酸銅(5水塩)70g/L、硫酸180g/L、カパラシドHL(アトテックジャパン株式会社製、添加剤)、20℃)中に浸し、両極に電圧をかけて電流密度を8A/dm2として、めっき用導電性基材の凹部に析出した金属の厚さがほぼ5μmになるまでめっきした。
めっき用導電性基材上に形成された銅のパターンを、実施例1と同様に粘着フィルムに転写した。ライン幅20〜33μm、ラインピッチ300±2μm、導体層の厚さ4.7〜6μmの格子状金属パターンからなる導体層パターン付き基材が得られた。転写後のラインには、導電性基材のラインのがたつきを反映して、がたつきが見られた。転写後のめっき用導電性基材の表面を観察した結果、絶縁層が剥離している箇所はなかった。
さらに実施例1と同様にして保護膜の形成を行い、保護膜を有する導体層パターン付き基材を得た。
次いで、上記のめっき用導電性基材を用いて、銅めっき−転写の工程を上記と同様にして繰り返した結果、銅めっきの転写性はだんだん悪化し、5回目で絶縁層の剥離箇所を視認できた。
2:導電性基材
3:絶縁層
4:凹部
5:感光性レジスト層(感光性樹脂層)
6:突起部
7:DLC膜
8:中間層
9:導体層パターン
10:転写用基材
11:別の基材
12:粘着剤層
13:他の基材
14:保護樹脂
15:接着剤
16:他の基材
17:接着剤又は粘着剤
18:保護フィルム
100:電解浴
101:電解液
102:陽極
103:回転体
104:配管
105:ポンプ
106:金属
107:フィルム
108:圧着ロール
109:導体層パターン付き基材
110:フープ状の導電性基材
111〜128:搬送ロール
129:前処理槽
130:めっき槽(電解浴槽)
131:水洗槽
132:黒化処理槽
133:水洗槽
134:防錆処理槽
135:水洗槽
136:プラスチックフィルム基材(接着フィルム)
137:圧着ロール
138:導体層パターン付き基材
Claims (36)
- 導電性基材の表面に、絶縁層が形成されており、その絶縁層に開口方向に向かって幅広なめっきを形成するための凹部が形成されているめっき用導電性基材。
- めっきを形成するための凹部が絶縁層に幾何学図形を描くように又はそれ自身幾何学図形を描くように形成されている請求項1記載のめっき用導電性基材。
- 絶縁層が、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は無機材料からなる請求項1又は2記載のめっき用導電性基材。
- 絶縁層が、DLC、Al2O3又はSiO2である請求項1〜3のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 絶縁層が、硬度が10〜40GPaのDLCからなる請求項1〜4のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 凹部の最小幅が1〜40μm、凹部の最大幅が2〜60μm及び凹部の間隔が50〜1000μmである請求項1〜5のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 凹部側面の角度が絶縁層側で10度以上90度未満である請求項1〜6のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 凹部側面の角度が絶縁層側で10度以上80度以下である請求項1〜7のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 絶縁層の厚さが、0.5〜20μmである請求項1〜8のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 導電性基材と絶縁層の間に、Ti、Cr、W、Siまたはそれらの窒化物又は炭化物のいずれか1以上を含む中間層を介在させている請求項1〜9のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 導電性基材の表面が、鋼又はTiからなる請求項1〜10のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- 導電性のロール(ドラム)またはロールに巻き付けるものである請求項1〜11のいずれかに記載のめっき用導電性基材。
- (A)導電性基材の表面に、除去可能な凸状のパターンを形成する工程、
(B)除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、DLC又は無機材料からなる絶縁層を形成する工程
及び
(C)絶縁層が付着している凸状のパターンを除去する工程
を含むことを特徴とするめっき用導電性基材の製造方法。 - 除去可能な凸状のパターンが、感光性レジストを用いるフォトリソグラフ法により形成されたものである請求項13記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 導電性基材上と凸状のパターンの側面に性質又は特性の異なる絶縁膜を形成する項13又は14記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 導電性基材に形成される絶縁層と凸状パターンの側面に形成される絶縁層との境界面の凸状パターンの側面(基材に対して垂直面として)からの距離が、凸状パターンの立位方向に向かって小さくなっておらず、全体として大きくなっている請求項13〜15のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 上記境界面の角度が導電性基材に対して10度以上90度未満に形成されることを請求項16記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 上記境界面の角度が導電性基材に対して10度以上80度以下に形成されることを請求項16又は17記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 除去可能な凸部のパターン形状が、幅1〜40μm、間隔が50〜1000μm及び高さ1〜30μmであり、それにより幾何学的図形が描かれるものである請求項13〜18記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 絶縁層が、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)又は無機材料である請求項13〜19のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 無機材料がAl2O3又はSiO2である請求項20のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 絶縁層が、ダイヤモンドライクカーボン(DLC)である請求項20記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 導電性基材上に形成されるDLC膜の硬度が、凸状パターンの側面に形成されるDLC膜の硬度よりも大きい請求項22記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 導電性基材上に形成されるDLC膜の硬度が、10〜40GPaであり、凸状パターンの側面に形成されるDLC膜の硬度が1〜15GPaである請求項23記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- DLC膜が真空蒸着法、スパッタリング法、イオンプレーティング法、アーク放電法、イオン化蒸着法またはプラズマCVD法により形成される項22〜24のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、絶縁層を形成する工程を行う前に、除去可能な凸状のパターンが形成されている導電性基材の表面に、中間層を形成する工程を行う請求項13〜25のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造方法。
- 中間層が、Ti、Cr、W、Siまたはそれらの窒化物又は炭化物のいずれか1以上を含む請求項26記載のめっき用導電性基材の製造法。
- 絶縁層の厚さが、0.5〜10μmである請求項13〜27のいずれかに記載のめっき用導電性基材の製造法。
- (イ)項1〜12のいずれかに記載のめっき用導電性基材の凹部にめっきにより金属を析出させる工程、
(ロ)上記導電性基材の凹部に析出させた金属を別の基材に転写する工程を含むことを特徴とする導体層パターン付き基材の製造方法。 - めっきにより析出させる金属の厚さを凹部の深さの2倍以下とする請求項29記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- 別の基材が、表面に少なくとも接着性を有する接着層を有する請求項29又は30に記載の導体層パターン付き基材の製造方法。
- めっき用導電性基材の凹部に析出させた金属を黒化処理する工程を含む請求項29又は31のいずれかに記載の導体層パターン付基材の製造方法。
- さらに、別の基材に転写された金属パターンを黒化処理する工程を含む請求項29〜32のいずれかに記載の導体層パターン付基材の製造方法。
- 請求項29〜33のいずれかに記載の方法により製造された導体層パターン付き基材。
- 請求項34に記載の導体層パターン付き基材の導体層パターンを樹脂で被覆してなる透光性電磁波遮蔽部材。
- 請求項34に記載の導体層パターン付き基材又は請求項35に記載の透光性電磁波遮蔽部材を透明基板に貼りあわせてなる透光性電磁波遮蔽板。
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