実施の形態1.
図1は、本発明によるトナーカートリッジを採用した実施の形態1の画像形成装置の要部構成を説明するための概略構成図である。
同図において、画像形成装置100は、ブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)の4色を印刷可能なカラー用電子写真式プリンタとしての構成を備えている。ロワーフレーム28には、用紙搬送ローラ16〜19を有する概ねS字状の用紙搬送路15が形成されており、この用紙搬送路15の上流側端部には、記録用紙を収納する給紙カセット20が配置され、下流側端部にはスタッカ21が設けられている。
用紙搬送路15には、給紙カセット20から記録用紙を繰り出す用紙繰り出し部22、記録用紙の紙厚を検知する検知部26、繰り出された記録用紙を静電効果により転写ベルト11に付着させて搬送する搬送ベルトユニット24、及びトナー画像を記録用紙に定着させる定着部25が設けられている。
搬送ベルトユニット24とによって、転写ベルト11に付着して搬送される記録用紙を挟む位置に、記録用紙の搬送方向上流側より順にブラック(K)、イエロー(Y)、マゼンタ(M)、シアン(C)のトナーを収容する現像装置としての現像器23K,23Y,23M,23C(これらを総称する場合は現像器23と称す)が一列に、画像形成装置本体に対して着脱自在に配列されている。本実施の形態においては、これらの現像器23K,23Y,23M,23Cの構成は同一であり、収容されているトナーの色のみが異なるため、ここではブラック(K)の現像器23Kを例にとり、その内部構造を以下に説明する。
尚、図1中のXYZ座標は、記録用紙13(図2)が現像器23を通過する際の搬送方向にX軸をとり、後述する感光体1の回転軸方向にY軸をとり、これら両軸と直交する方向にZ軸をとっている。また、後述する他の図においてXYZ座標が示される場合、これらの座標の軸方向は、共通する方向を示すものとする。即ち、各図のXYZ軸は、各図の描写部分が、図1に示す画像形成装置100を構成する際の配置方向を示している。
図2は、ブラック(K)の現像器23K、転写部材、露光装置、及び印刷された記録用紙を模式的に示す概略構成図である。
同図に示すように、現像器23Kには、像担持体としての感光体1が矢印方向に回転可能に配置され、この感光体1の周囲には、その回転方向上流側から順に、感光体1の表面に一定の圧力で接触して電荷を供給して帯電させる帯電ローラ2、帯電された感光体1の表面に、例えばLEDヘッド等の光源による光を照射して静電潜像を形成する露光装置3が配設される。尚、この露光装置3は、画像形成装置100の本体側のアッパーカバー30(図1)に配設されている。
更に、静電潜像が形成された感光体1の表面に、所定色(ここではブラック)のトナーを付着させて現像を発生させる現像部110、感光体1上のトナー現像を記録用紙13に転写した際に残留した転写残トナーを除去して、廃トナー収集部111に落下させるクリーニングブレード9が配設されている。このためクリーニングブレード9は弾性体で形成され、そのエッジ部が感光体1の表面に一定の圧力で接触するように配置されている。尚、これら各装置に用いられている回転体は、図示しない駆動源からギアなどを経由して動力が伝達され回転する。
現像部110は、トナー4を収容し、その下部に形成されたトナー供給口41からトナー4を供給する粉体カートリッジとしてのトナーカートリッジ5、トナーカートリッジ5から供給されたトナー4を貯蔵するトナー貯蔵部112、現像ローラ6、この現像ローラ6にトナー4を供給するトナー供給ローラ8、現像ローラ6上のトナー4を薄層化する現像ブレード7を有し、感光体1の表面に形成された静電潜像をトナー4によって顕像化、即ち現像する。尚、現像器23Kは、後述するようにトナーカートリッジ5を、トナー供給ローラ8の上方において、着脱自在に配置するように構成されているものであり、以後、現像器23の、着脱自在なトナーカートリッジ5を除いた部分を現像器本体23a(例えば図5)と称す。現像器本体23aは、外側がモールド10で構成されている。
現像ローラ6とトナー供給ローラ8とは、一定の圧力で当接するように、互いに平行に配置され、それぞれ同図に示される矢印の方向(同方向)に回転する。また、現像ブレード7と現像ローラ6とは、同図に示すように、例えば現像ブレード7の折り曲げ部分が現像ローラ6の周面に一定の圧力で接触するように、互いに平行に配置される。尚、これら各装置に用いられている回転体は、図示しない駆動源からギアなどを経由して動力が伝達され回転する。
図1に示すように、上記した4つの現像器23の各感光体1に対向する位置には、それぞれ導電性のゴム等によって形成された転写ローラ12が、記録用紙13(図2)を静電吸収して搬送する転写ベルト11を介して圧接された状態で配設されている。これらの転写ローラ12は、感光体1上のトナー現像を記録用紙13(図2)に転写するが、この転写時に、各感光体1の表面電位とこれらの各感光体に対向して配置された各転写ローラ12の表面電位に電位差を持たせるための電位が印加される。
定着部25は、内部に加熱ローラとバックアップローラとを有し、記録用紙13(図2)上に転写された転写済みトナー14を加圧・加熱することによって定着する。ここで定着された記録用紙13は、後段の用紙搬送ローラ18,19によって、記録用紙のスタッカ21に搬送される。
次に、現像器において、現像器本体に対してトナーカートリッジを着脱するための機構について説明する。
図3、図4は、現像器23を異なる方向から見た外観斜視図であり、図5〜図7は、現像器本体23aを異なる方向から見た外観斜視図であり、図8〜図10は、トナーカートリッジ5を異なる方向から見た外観斜視図である。また図11(b)は、トナーカートリッジ5を同図(a)に示すA−A線で切る断面を示す断面図であり、図12(b)は、トナーカートリッジ5を同図(a)に示すB−B線で切る断面を示す断面図である。
図12(b)に示すように、トナーカートリッジ5は、第2粉体収容部としてのトナー収容部31、第1粉体収容部としての廃トナー収容部32、及び動力伝達部としてのギアボックス27から構成されている。トナー収容部31には、回転することでトナー供給口41を開閉するシャッター33(図19参照)、現像器本体23aの駆動ギア115(図6)と歯合して駆動力を受けて回転するギア34、このギア34と同軸で一体的に回転する攪拌部材35、及び攪拌部材35に取り付けられてトナー収容部31の内壁36に付着したトナーを掻き落とすシート部材37(図13)が備えられている。シャッター33は、後述するように、ギア34の外側のトナーカートリッジ5の端部に配置されたレバー51に連結され、このレバー51と一体的に回転する。
図13は、この攪拌部材35及びシート部材37の構造を示す図である。同図(b)は同図(a)に対してY軸プラス方向を向いて反時計回りに80度程度回転した状態を示している。同図に示すように、攪拌部材35は、回転軸部35a、シート部材保持部35b、これらを連結する連結攪拌部35c、及びギア34の回転軸に装着される装着部35dからなり、シート部材保持部35bにシート部材37が取り付けられている。
図13(b)に示すように、シート部材保持部35bは、回転軸方向において、装着部35d側から40%部分の辺りまで回転軸部35と平行に形成され、それより先の60%の部分が回転軸部35aから離間する方向に1〜15度(ここでは3.54度)傾斜して形成されている。このシート部材保持部35bは、シート部材37の一辺を、回転時の接線方向に保持している。以上のように構成することにより、トナー攪拌時に、攪拌したトナーをトナー供給口41(図9)へ導き易くしている。尚、ここでは、回転軸部35a、シート部材保持部35b、連結攪拌部35c、及び装着部35dは、例えばPOM(polyoxymethylene:ポリアセタール)で一体成形され、シート部材37は例えばPET(polyethyleneterephthalate:ポリエチレンテレフタレート)で形成されている。
ギアボックス27には、攪拌部材35の回転軸と同軸で一体的に固定された第1動力伝達部材としてのギア29が配設され、このギア29が、廃トナー収容部32内にあって廃トナー58(図21)を奥側へと搬送する第1粉体搬送部材としての廃トナー搬送用スパイラル38へと回転駆動を伝えている。このギアボックス27は、トナー4(図2)や廃トナー58が内部へ入り込まないよう、外面39a、39bがそれぞれシール40a、40bで覆われている。
廃トナー収容部32内には、前記廃トナー搬送用スパイラル38、第1の開口部としての廃トナー回収口50(図20,21)を有する受入部としての円筒形の廃トナー受入部42が配設され、更に廃トナー受入部42の内側には、廃トナー回収口46が形成されて回転によって廃トナー回収口50を開閉する第1の開閉部材43が配設されている。
図15(a),(b),(c)は、この第1の開閉部材43を異なる方向から見た外観図である。また図20は、後述するように開閉部材の動作説明図であるが、廃トナー受入部42の近傍の部分拡大図である。
図15に示すように、第1の開閉部材43は、第2の開口部としての廃トナー回収口46とシャフト部44を有し、シャフト部44の先端部がシャッター33の開閉動作と連動してギアボックス27内で回転する第2の動力伝達部材としてのリンク45に嵌入して回転力を得ることにより、同じくシャッター33の開閉動作と連動して回転する。また第1の開閉部材43は、その外周面の所定部と廃トナー回収口46とを囲んだシール材54と、その内周面の所定部と廃トナー回収口46を囲んだシール材55を有している。
図20に示すように、第1の開閉部材43の内側には、付勢部材としてのバネ57で付勢され直線運動により廃トナー回収口46を開閉する第2の開閉部材56が配設されている。図14は、トナーカートリッジ5における第1の開閉部材43と第2の開閉部材56の取付け部分を示す部分分解斜視図であり、図16(a),(b)は、この第2の開閉部材56を異なる方向から見た外観図である。
図15に示すように、廃トナー受入部42(図11)の回収口50(図21)を開閉する第1の開閉部材43の内周には、第1の被係合部としてのガイド用溝部67a、67bと後述するように回転駆動を伝えるための第2の被係合部としての溝部70とが、シャフト部44の軸方向に形成されている。ガイド用溝部67の入口側は若干広がっており、また、駆動伝達溝部70の入口部は大きく広がり且つ傾斜が設けられている。一方、図16に示すように、第2の開閉部材56の外側には第1の係合部としてのリブ68a、68bが形成され、外周端部にはC面形状の面取り部69を有している。
このリブ68a、68bが第1の開閉部材43のガイド用溝部67a、67bに嵌入してガイドされることにより、第2の開閉部材56は、第1の開閉部材43の内部で円滑の直線移動し、バネ57でY軸のプラス方向に付勢された状態で、図20(a)に示す位置、即ちその外部面56aがトナーカートリッジ5の側面と略面一となる閉成位置で移動が規制されている。このとき、第2の開閉部材56の外周面がシール材55と当接しながら、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46を塞いでいる。
図17は、現像器本体23aの第1粉体排出部としての廃トナー排出部49の部分拡大斜視図である。同図に示すように、廃トナー排出部49には第3の開口部としての廃トナー排出口59が形成され、排出部外周を覆うように、回転動作によって排出口59を開閉する排出口開閉部材61が配設されている。但し図17では、構成を明確にするため、排出口開閉部材61が廃トナー排出部49から外れた状態を示している。
排出口開閉部材61は、第4の開口部としての廃トナー排出口62を有し、バネ63によってY軸回りの矢印B方向に付勢され、後述するように、廃トナー排出口59を丁度塞ぐ回転位置で同方向の回転が規制されている。排出口開閉部材61の下面には回転時に力を受ける下面リブ64が形成され、また、排出口開閉部材61の左右には、トナーカートリッジ5が装着される際に、第1の開閉部材43のガイド用溝部67a、67bが係合して、装着をガイドするガイドリブ65a,65bを有する。下面リブ64は先端が細くなっており、ガイドリブ65は先端が細く且つ傾斜部66を有する。尚、これらの下面リブ64、ガイドリブ65が第2の係合部に相当する。
以上の構成において、先ず画像形成装置100の動作について図1を参照しながら説明する。
印刷が起動されると、画像形成装置100は、図1に示す用紙繰り出し部22によって、給紙カセット20から記録用紙を繰り出し、この記録用紙を用紙搬送路15に沿って下流側に搬送する。そして用紙搬送路の途中にあって、紙の厚さを検知する検知部26にてこの記録用紙の紙厚を検知し、搬送ベルトユニット24で搬送する。この搬送過程で、現像器23K,23Y,23M,23Cによって個々に形成したトナー画像を、転写ローラ12により順次記録用紙記録面上に転写し、更に定着部25によって記録面上へのトナー画像の定着を行った後、印刷済みの記録用紙をスタッカ21へ搬送する。
次に、この時の現像器23の動作について、図2及び図7を参照しながら以下に説明する。尚、図7の現像器本体23aの外観斜視図では、後述する搬送ベルト60の配置を示すため、この部分を覆うカバーが外されている。
現像器23では、トナーカートリッジ5から供給されたトナー4をトナー供給ローラ8により現像ローラ6に供給し、現像ローラ6に供給したトナー4を現像ブレード7により均一な厚さに均す。そして、感光体1上に露光装置3によって形成さられた静電潜像を均一化されたトナー4によって顕像化、即ち現像する。現像されたトナー4は、転写ローラ12によって記録媒体13に電気的に転写される。
記録媒体13上に転写されず、感光体1表面に残った残留トナー4は、クリーニングブレード9により掻き取られ、廃トナー収集部111内に廃トナー58として蓄積する。廃トナー収集部111内に蓄積した廃トナー58は、廃トナー収集部111内に配設された搬送スパイラル111aによって、トナーカートリッジ5の、搬送ベルト60(図7)が配設された側の端部(Y軸プラス側の端部)に搬送され、更にキャタピラ状の搬送ベルト60によって、廃トナー排出部49(図17)へと搬送される。
次に、トナーカートリッジ5の動作について説明する。
前記したように、トナーカートリッジ5(図10)は、現像器本体23a(図7)に装着され、トナー収容部33(図11)のトナー供給口41(図9)からトナー4を現像器本体23aのトナー貯蔵部112(図2)に供給するものである。先ず現像器本体23aに対してトナーカートリッジ5を着脱する際のトナー供給口41の開閉動作について説明する。
図18は、現像器本体23aに対してトナーカートリッジ5を着脱する際の動作の説明に供する図である。トナーカートリッジ5を現像器本体23aに装着する際には、図18に示すように、トナーカートリッジ5の位置決め孔48(図14)が、現像器本体23aの位置決めポスト47(図17参照)と係合するように傾斜させ、先ず位置決め孔48に位置決めポスト47を嵌入させて横方向(Y軸方向)の取り付け位置を決める。
そして、トナーカートリッジ5を水平にする過程で、トナーカートリッジ5のレバー51の溝部52(図8,9)に現像器本体23aの抜け止めポスト53(図6参照)を嵌入させて装着する。その後、抜け止めポスト53の下部が、レバー51の外縁116(図8)と係合する位置までレバー51をY軸回りの矢印A(図8)方向に回転する。この回転動作によって、トナーカートリッジ5は、抜け止めポスト53によって上下方向移動が規制され、現像器本体23aに固定される。
この時のレバー51の回転により、このレバー51と連結するシャッター33(図11)が同方向に回転してトナー供給ロ41(図9)が開口し、トナー収容部31(図11)のトナーを供給することが可能となる。トナーカートリッジ5を現像装置本体23aから外す場合には、上記した装着工程と全く逆の手順で行われる。従って、レバー51を矢印Aと逆方向に回転して固定状態を解除し、トナーカートリッジ5を上方に持上げる段階では、トナー供給口41がシャッター33によって既に閉じられているため、この時内部のトナーが外部に漏れることはない。
図19は、レバー51の回転に連動して回転するトナーカートリッジ5内部の機構を説明するための図であり、このため、内部の機構が確認できるように一部(例えば、トナー収容部31及び廃トナー収容部32のカバー部分、廃トナー受入部42の外周部等)を切り欠いた状態で示している。同図(a)は、レバー51が矢印A方向に回転される前の状態、即ちシャッター33によってトナー供給口41(図9)が閉じているときの状態を示し、同図(b)は、レバー51が矢印A方向に回転された後の状態、即ちシャッター33の回転によりトナー供給口41が開いているときの状態を示している。シャッター33には、この時トナー供給口41と重なる開口33aが形成されている。尚、トナーカートリッジ5のギア34(図11(b))は、トナーカートリッジ5が現像器本体23aに装着された段階で現像器本体23aの駆動ギア115(図6)と噛合する。
また、トナーカートリッジ5(図10)は、現像器本体23a(図7)に装着され、現像器23aから排出される廃トナー58(図2)を収容するものである。次に、現像器本体23aに対してトナーカートリッジ5を着脱する際の廃トナー回収口46,50(図20)の開閉動作について説明する。
トナーカートリッジ5を現像器本体23aに装着する際には、図18に示すように斜めに傾斜した状態で、トナーカートリッジ5の位置決め孔48(図14)を、現像器本体23aの位置決めポスト47(図5,17)に係合させるが、この時斜めに傾いた状態で、第1の開閉部材43(例えば図14,15)と廃トナー排出部49に設けられた排出口開閉部材61(図17)とが係合し始める。即ち第1の開閉部材43のガイド溝部67a,67b(図15)と排出口開閉部材61のガイドリブ65a,65b(図17)とが係合し、また第1の開閉部材43の駆動伝達溝部70(図15)と排出口開閉部材61の下面リブ64(図17)とが係合する。
下面リブ64、ガイドリブ65a,65bの各先端は細く且つくさび状に傾斜し、溝部67、70は入口部が広く且つ溝が深くなる傾斜を設けているため、係合する際に、排出口開閉部材61の各リブは、第1の開閉部材43の対向する各溝部に、周囲に干渉されず且つスムーズに入り込むことができる。また、トナーカートリッジ5を現像器本体23aから取外す際も、これらの各形状により、同様にスムーズに取り外すことが可能となる。
第1の開閉部材43と排出口開閉部材61が係合し始めると、図20に示すように、第1の開閉部材43の内側で直線移動可能に保持されて、同図(a)に示す閉成位置にある第2の開閉部材56が、内側に嵌入する廃トナー排出部49(排出口開閉部材61によってカバーされている)に押し込まれ、トナーカートリッジ5が水平になって装着された段階で、同図(b)に示す開放位置まで移動する。この移動によって、第2の開閉部材56で塞がれていた第1の開閉部材43の廃トナー回収口46が開口する。
第2の開閉部材56は、バネ57によってY軸のプラス方向に付勢されているため、現像器本体23aからトナーカートリッジ50を取外す際には、廃トナー排出部49が第1の開閉部材43の円筒内から抜けるのに追従してY軸のプラス方向に移動し、再び第1の開閉部材43の廃トナー回収口46を外部から閉ざす図20(a)に示す閉成位置に至る。このとき、第2の開閉部材56の両脇に設けられたリブ68a、68b(図16)が、第1の開閉部材43のガイド溝部67a,67b(図15)によってガイドされるため、円滑な直線運動が可能となる。
更に図16及び図20に示すように、第2の開閉部材56の外面部56aの外周部に形成されたC面形状の面取り部69により、組立時及び移動時に、第1の開閉部材43の内周に設けられたシール材55との干渉によって、動作が悪化するのを防止している。尚、前記した図11(b)は、第2の開閉部材56が開放位置にあるときのトナーカートリッジ50の断面図であり、図12(b)は、第2の開閉部材56が閉成位置にあるときのトナーカートリッジ50の断面図である。
図11(b)、図19に示すように、廃トナー収容室32の廃トナー受入部42に存在する回転式の第1の開閉部材43は、レバー51が矢印A方向に回転することにより、シャッター33、リンク45を介して駆動力を得て同方向に回転し、トナー供給ロ41(図9)が開口するのと同時に、その廃トナー回収口46を、図19(a)に示す閉回転位置から図19(b)に示す開回転位置まで回転する。廃トナー回収口46は、この開回転位置にあるとき、廃トナー受入部42に形成された廃トナー回収口50(図20,21)と重なって、廃トナー回収口46が廃トナー収容部32内とつながるように構成されている。
更に、レバー51の矢印A方向への回転は、第1の開閉部材43内に嵌入している廃トナー排出部49をカバーする排出口開閉部材61に伝達される。図20(b)に示すように、トナーカートリッジ50が現像器本体23aに装着された状態では、前記したように第1の開閉部材43の駆動伝達溝部70(図15)と排出口開閉部材61の下面リブ64(図17)がお互いに噛み合っているため、第1の開閉部材43が回転すると、排出口開閉部材61も連動する。
第1の開閉部材43内に嵌入している廃トナー排出部49の廃トナー排出口59(図17、図20(b))は、廃トナー受入部42に形成された廃トナー回収口50(図21)と対向する位置に形成され、排出口開閉部材61の廃トナー排出口62と第1の開閉部材43の廃トナー回収口46とは対向する位置に形成さている。従って、レバー51が矢印A方向に回転すると、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46と共に排出口開閉部材61の廃トナー排出口62が、図19(a)に示す閉回転位置から図19(b)に示す開回転位置まで回転することとなり、このとき、排出部49の排出口59と受入部42の回収口50とが繋がる。
逆に、レバー51が元に戻されると、トナー供給ロ41(図9)が閉口すると同時に、第1の開閉部材43が逆方向に回転し、廃トナー受入部42の廃トナー回収口50を第1の開閉部材43が塞ぐ。このときの動作については、後で詳しく説明する。
以上のようにして、トナーカートリッジ5が現像器本体23aに装着され、更にレバー51によってロックされた状態で現像器23が駆動すると、現像器本体33aの駆動ギア115(図6)と噛合するギア34(図9,11)が回転し、同時にトナー収容部31の攪拌部材35(図11,12)が回転する。この攪拌部材35の回転により、トナー収容部31内のトナー4が、攪拌されて開口状態のトナー供給口41(図9)に導かれて現像器本体23aのトナー貯蔵部112(図2)に供給される。またこの時に、図13に示すように攪拌部材35に取り付けられたシート部材37がトナー収容部31の内壁36(図11)を擦ることで、内壁36に付着したトナーを掻き取り、同様にトナー供給口41へ搬送する。
また、図11(b)に示すように、攪拌部材35が回転すると、攪拌部材35に連結しているギアボックス27内のギア29が回転し、廃トナー収容部32内の廃トナー搬送用スパイラル38へ駆動が伝わって、廃トナー搬送用スパイラル38が回転する。この廃トナー搬送用スパイラル38は、廃トナー受入部42に形成された廃トナー回収口50(図20,21)より廃トナー収容部32内へ受入れた廃トナー58を奥の方向(Y軸マイナス方向)に搬送する。
図21は、現像器本体23aの俳トナー排出部49とトナーカートリッジ5の廃トナー収容部32との間で移動する廃トナー58の動きを説明するための説明図である。図21及び図20を参照しながら廃トナー58の動きについて説明する。
上記したように、現像器本体23aにトナーカートリッジ5を装着してレバー51を矢印A方向に回転して固定することにより、図21(a)に示すように、現像器本体23aの廃トナー排出部49の排出口59とトナーカートリッジ5の廃トナー受入部42の廃トナー回収口50とが繋がる。この時、廃トナー58が廃トナー排出部49の廃トナー排出口59から排出され、排出口開閉部材61の廃トナー排出口62、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46、及び廃トナー受入部42の廃トナー回収口50を介してトナーカートリッジ5の廃トナー収容部32内に放出されるが、廃トナー58の一部は、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46及び排出口開閉部材61の廃トナー排出口62の縁付近に残ってしまう。
この状態で、現像器本体23aからトナーカートリッジ5を取り外すために、レバー51を図19(b)に示す状態から矢印Aと反対方向に回転してロックを解除し、図19(a)に示す状態にすると、この回転に伴って第1の開閉部材41及び排出口開閉部材61が回転して図21(b)に示すように、廃トナー排出口59と廃トナー回収口50を閉口する。この時、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46及び排出口開閉部材61の廃トナー排出口62の縁付近に残っていた廃トナー58は、同図(b)に示すように廃トナー回収口46及び廃トナー排出口62の移動に伴って上側にすくい上げられる。
この図20(b)に示す状態から、トナーカートリッジ5を現像器本体23aから取り外すと、廃トナー排出部49に追随して第2の開閉部材56が直線移動し、図20(a)に示すように第1の開閉部材43の廃トナー回収口46を閉口するため、すくい上げられた廃トナー58が図21(c)に示すように第2の開閉部材56上に残留し、これが外部へ飛散することを防止することができる。
この過程において、第1の開閉部材43の内周に設けられたシール材55(図20参照)は、廃トナー回収ロ46の周囲に設けられ、排出口開閉部材61の外周面と当接しているため、すくい上げられた廃トナー58のうち、廃トナー排出口62の深さ(厚み)分の凹部にある僅かな廃トナー58を除く殆どが、排出口開閉部材61に伴う移動が阻止されて第2の開閉部材56上に残留する。更に、シール材55は、第2の開閉部材56が閉成位置にある時、第2の開閉部材56の周面を圧接しているため、第2の開閉部材56上に残留する廃トナー58の外部への漏れを防止することが出来る。
一方、トナーカートリッジ5が取り外された後の現像器本体23aにおいて、排出口開閉部材61は、廃トナー排出部49の廃トナー排出口59を閉じてその廃トナー排出口62が上側を向いているため、廃トナー排出口59から廃トナー58が漏れることはなく、更に廃トナー排出口62に僅かに残る廃トナー58も下へ落ちることはない。
ここで、仮に第2の開閉部材56が備えられていない場合について考察してみる。この構成において、トナーカートリッジ5を現像器本体23aから取り外すと、廃トナー受入部42内で上側に位置する廃トナー回収口46に残留する上記すくい上げられた廃トナー58は、図21(d)に示すように、着脱時の振動等によって第1の開閉部材43内で落下し、更に取り外し時の傾き動作や振動によって外部へ飛散してしまう。
尚、本実施の形態では、第2の開閉部材56を設けた構成をトナーカートリッジの廃トナー受入部に採用した例を示したが、これに限定されるものではなく、トナー供給部に同構成を設けても同様の動作が可能である。
以上のように、本実施の形態の現像器によれば、現像器本体からトナーカートリッジを取り外す際に、トナーカートリッジ内の廃トナーを外部に漏らすことなく取り外すことができる。更に、現像器本体においても、廃トナー排出部に付着する廃トナーが器内に落下するのを防ぐことができる。
実施の形態2.
図22(a)、(b)は、本発明による実施の形態2のトナーカートリッジに採用される第2の開閉部材76を異なる方向からみた外観図である。
この第2の開閉部材76を採用するトナーカートリッジが、前記した図8〜図10に示す実施の形態1のトナーカートリッジ5と異なる点は、図16に示す第2の開閉部材56に代えて図22に示す第2の開閉部材76を採用した点である。従って、この第2の開閉部材76を採用するトナーカートリッジが、前記した実施の形態1のトナーカートリッジ5と共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いてここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図22に示すように、第1の開閉部材43(図15)によってスライド可能に保持される第2の開閉部材76は、その外周面の上側に第5の開口部としての廃トナー回収口71を有する内部収容部72を備えた構成となっている。
図23は開閉部材の動作説明図であり、図24は、現像器本体23aの俳トナー排出部49(図17)とトナーカートリッジ5の廃トナー収容部32(図19)との間で移動する廃トナー58の動きを説明するための説明図である。これらの図23及びこの図24を参照しながら廃トナー58の動きについて説明する。
前記した実施の形態1で説明したように、現像器本体23a(例えば図6)にトナーカートリッジ5(例えば図8)を装着してレバー51を矢印A方向に回転して固定することにより、図24(a)に示すように、現像器本体23aの廃トナー排出部49の排出口59とトナーカートリッジ5の廃トナー受入部42の廃トナー回収口50とが繋がる。この時、廃トナー58が廃トナー排出部49の廃トナー排出口59から排出され、排出口開閉部材61の廃トナー排出口62、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46、及び廃トナー受入部42の廃トナー回収口50を介してトナーカートリッジ5の廃トナー収容部32内に放出されるが、廃トナー58の一部は、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46及び排出口開閉部材61の廃トナー排出口62の縁付近に残ってしまう。
この状態で、現像器本体23aからトナーカートリッジ5を取り外すために、レバー51を図19(a)に示す状態から矢印Aと反対方向に回転してロックを解除し、図19(a)に示す状態にすると、この回転に伴って第1の開閉部材41及び排出口開閉部材61が回転して図24(b)に示すように、廃トナー排出口59と廃トナー回収口50を閉口する。この時、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46及び排出口開閉部材61の廃トナー排出口62の縁付近に残った廃トナー58は、同図(b)に示すように廃トナー回収口46及び廃トナー排出口62の移動に伴って上側にすくい上げられる。
この図23(b)に示す状態から、トナーカートリッジ5を現像器本体23aから取り外すと、廃トナー排出部49に追随して第2の開閉部材76が直線移動し、図23(a)に示すように第1の開閉部材43の廃トナー回収口46を閉口する。この時、第2の開閉部材76に設けられた廃トナー回収口71が第1の開閉部材43の廃トナー回収口46の真下に来るため、すくい上げられた廃トナー58が図24(c)に示すように第2の開閉部材76の内部収容部72に落下して格納され、これが外部へ飛散することを防止することができる。
この過程において、第1の開閉部材43の内周に設けられたシール材55(図20参照)は、廃トナー回収ロ46の周囲に設けられ、排出口開閉部材61の外周面と当接しているため、すくい上げられた廃トナー58のうち、廃トナー排出口62の深さ(厚み)分の凹部にある僅かな廃トナー58を除く殆どが、排出口開閉部材61に伴う移動が阻止されて第2の開閉部材76の内部収容部72に格納される。
また、廃トナー回収口71が、第1の開閉部材43の廃トナー回収ロ46よりも大きく形成されることにより、開閉部材76の位置のバラツキや、バネ57の付勢力のばらつきがあった場合でも、安定して廃トナーを回収することが可能になる。
以上のように、本実施の形態の現像器によれば、現像器本体からトナーカートリッジを取り外す際に、トナーカートリッジ内の廃トナーを外部に漏らすことなく取り外すことができる。更に、トナーカートリッジを外した後、手などで第2の開閉部材を押したりした場合にも、上記すくい上げられた廃トナーが第2の開閉部材の内部収容部に収容されているため、トナーカートリッジの外部に漏れて飛散することがない。
実施の形態3.
図25は、本発明による実施の形態3のトナーカートリッジ及び現像器本体23aの開閉部材の動作説明図である。
このトナーカートリッジが、前記した図8〜図10に示す実施の形態1のトナーカートリッジ5と異なる点は、実施の形態2と同様に図16に示す第2の開閉部材56に代えて図22に示す第2の開閉部材76を採用した点と、第1の開閉部材56において、その内周面の所定部と廃トナー回収口46を囲んだシール材75(実施の形態1ではシール材55)の形状が異なっている点である。従って、このトナーカートリッジが、前記した実施の形態1及び2のトナーカートリッジと共通する部分には同符号を付して、或いは図面を省いてここでの説明を省略し、異なる点を重点的に説明する。
図25に示すように、第1の開閉部材43(図15)によってスライド可能に保持される第2の開閉部材76は、その外周面の上側に第5の開口部としての廃トナー回収口71を有する内部収容部72を備えた構成となっている。更にこの廃トナー回収口71は、回転式の第1の開閉部材43の廃トナー回収口46よりも大きく設けられている。
一方、第1の開閉部材43の内側のシール材75a,75bにおいて、外側のシール材75aは、図20に示す前記した実施の形態1のシール材55と同形状であるが、内側のシール材75bは、スライド可能の保持された第2の開閉部材76が奥へと直線移動した時の廃トナー回収口71の位置よりも更に奥行きがあり、且つ第1の開閉部材43の内周方向において、廃トナー回収口71の円周方向の回転移動領域をカバーする領域に設けられている。即ち、シール材75bは、廃トナー回収口71の移動領域をカバーする範囲にわたって設けられている。
以上の構成において、現像器本体23aからトナーカートリッジ5を取り外すために、レバー51を図19(a)に示す状態から矢印Aと反対方向に回転してロックを解除し、トナーカートリッジ5を取り外す際の、現像器本体23aの俳トナー排出部49とトナーカートリッジ5の廃トナー収容部32との間で移動する廃トナー58の動きは、実施の形態2で、図24を参照して説明したのと全く同じなので、ここでの説明は省略する。
一方、トナーカートリッジ5を現像器本体23aに再度装着すると、第2の開閉部材76は、廃トナー排出部49の動きに追随して、図25(a)に示す閉成位置から図25(b)に示す開放位置まで、奥へと直線移動する。この状態で、排出部49の廃トナー排出口59と受入部42の廃トナー受入ロ50とを開口して繋げるために、前記したレバー51の操作によって第1の開閉部材43が排出口開閉部材61と共に回転すると、第2の開閉部材76の上面にある廃トナー回収口71も回転する。この時の廃トナー回収口71は、第1の開閉部材43の廃トナー回収口46及び排出口開閉部材61の廃トナー排出口62と共に、例えば図24(a)に示すように横方向となる。
このため、第2の開閉部材76の内部収容部72に、前記したすくい上げた廃トナー58が所定量以上に存在すると、横方向に向けられた廃トナー回収口71から、廃トナー58がこぼれ出ようとする。しかしながら、第1の回転開閉部材43の内側にあるシール材75bが、前記したように廃トナー回収口71の移動領域をカバーする範囲にわたって設けられているため、内部収容部72内の廃トナー58はこのシール材75bによってこぼれ出ようとするのを阻止され、内部収容部72に留まる。
尚、第2の開閉部材76は、開閉動作でシール材75a,75bと接触しているため、その作用で発生する力に対して十分な大きさの付勢力をもったバネ57によって、開閉動作している。このため、第2の開閉部材76はシール材75a,75bとの接触移動範囲が大きくなったとしても、その直線動作には影響がない。
以上のように、本実施の形態の現像器によれば、現像器本体からトナーカートリッジを取り外す際に、トナーカートリッジ内の廃トナーを外部に漏らすことなく取り外すことができ、手などで第2の開閉部材を押したりした場合にも、上記すくい上げられた廃トナーが第2の開閉部材内に収容されているため、トナーカートリッジの外部に漏れて飛散することがない。更に、トナーカートリッジの着脱動作が繰り返されたとしても、収容した廃トナーが外部に出るのを阻止できるため、廃トナーが外部へ飛散するのを防止できる。