JP2009175114A - 金属帯板の形状測定装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】単純な構造で精度が良く、その上安価な金属帯板の形状測定ロール及び金属帯板の形状測定装置を提供する。
【解決手段】金属の帯板が走行する設備に両端が回転自在に支持され前記帯板を巻き付けるように配置されるロールにおいて、該ロールの表面には少なくとも1本以上の周方向から傾斜した溝、又は、少なくとも2本以上の円周方向の溝を設けるとともに、前記ロールの軸方向位置には少なくとも1個以上の前記帯板の変位を測定する変位測定手段を備えた。
【選択図】図1

Description

本発明は、金属帯板の形状測定装置に関する。
従来、金属帯板の形状を測定する形状測定装置として、例えば、走行する金属帯板を電磁力で吸引する電磁力吸引装置と、電磁力で吸引したときの金属帯板の変位を測定する変位測定装置とを備え、変位測定装置で測定された金属帯板の変位分布から金属帯板の形状を演算するものが知られている。このような金属帯板の形状測定装置の一例が下記非特許文献1に開示される。
社団法人日本鉄鋼協会 共同研究会 圧延理論部会 編集、「特別報告書No.38 板圧延の理論と実際」、社団法人日本鉄鋼協会、昭和59年9月1日、p.266−267
しかしながら、上述した従来の金属帯板の形状測定装置では、走行する金属帯板を吸引するために電磁石を用いているが、金属帯板の板厚が厚い場合や張力が大きい場合には、金属帯板のたわみは極めて小さくなり、測定精度が低下するという問題がある。
また、非鉄金属や磁性のないステンレス鋼板等には適用できず、使用範囲が限定されるという問題がある。
さらに、金属帯板のたわみを正確に与えるために必ず電磁力吸引装置と変位測定装置の前後にデフレクタロールを設置しなければならず、設備長が長くなり、装置構成が複雑で高価になるという問題がある。
以上のことから、本発明は、単純な構造で精度が良く、その上安価な金属帯板の形状測定ロール及び金属帯板の形状測定装置を提供することを目的とする。
上記の課題を解決するための第1の発明に係る金属帯板の形状測定装置は、
金属の帯板が走行する設備に両端が回転自在に支持され前記帯板を巻き付けるように配置されるロールにおいて、該ロールの表面には少なくとも1本以上の周方向から傾斜した溝、又は、少なくとも2本以上の円周方向の溝を設けるとともに、前記ロールの軸方向位置には少なくとも1個以上の前記帯板の変位を測定する変位測定手段を備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するための第2の発明に係る金属帯板の形状測定装置は、第1の発明に係る金属帯板の形状測定装置において、前記ロールに嵌合する中空円筒を備えることを特徴とする。
上記の課題を解決するための第3の発明に係る金属帯板の形状測定装置は、第1の発明又は第2の発明に係る金属帯板の形状測定装置において、複数位置で測定された前記帯板の変位から該帯板の張力の板幅方向分布を演算する演算手段を備えることを特徴とする。
本発明によれば、金属帯板の変位測定手段は回転するロールに対し固定側にあるため、ロールの熱変形に対しほとんど影響を受けることがない。また、金属帯板の変位測定手段の数やロールの溝数は任意に設定することができるので、これらを多くするだけで張力の板幅方向分布を細かいピッチで求めることができる。また、ロールは単純な形状で加工も容易なため安価に製造することができる。
さらに、従来必要であった金属帯板の電磁力吸引装置が不要となるので複雑な構成で効果であった形状測定装置を安価に製造でき、非鉄金属や磁性のないステンレス鋼板等にも適用できるため、高品質な金属帯板の製造を容易にすることができる。
始めに、本発明に係る金属帯板の形状測定装置の実施の形態について説明する。
本発明に係る金属帯板の形状測定装置は、両端が回転自在に支持され、金属帯板を巻き付けるように配置されるロール(形状測定ロール)において、このロール表面には少なくとも1本以上の周方向から傾斜した溝を設けるとともに、金属帯板の変位を測定する変位測定手段を備えることを特徴とする。変位測定手段は、1個のセンサをロール軸方向に移動させて金属帯板の変位を測定すればよいが、ロール軸方向にセンサを固定する場合は2個以上のセンサを設置する。
また、ロールには、このロール表面に設ける少なくとも1本以上の周方向から傾斜した溝に替えて、周方向全周に亘る溝、又は、周方向全周には連続しない溝を少なくとも軸方向に2個以上設けてもよい。
また、変位測定手段としては、例えば、レーザ変位計、渦電流式変位計及び超音波変位計等の各種センサが挙げられるが、金属帯板と非接触で、金属帯板と各種センサとの距離を測定できるものであればどのような方式のものを用いてもよい。
また、金属帯板を巻き付けるロールは溝を有しない金属円筒の表面に樹脂をライニングし、その樹脂自体に溝を設けることにより、金属帯板の表面に傷がつくことを防止することもできる。
また、金属帯板を巻き付けるロール表面に溝を設けることにより、金属帯板の表面に傷がつく虞がある場合、金属帯板と接するロール表面を樹脂で被覆して金属帯板の表面に傷がつくことを防止することもできる。
また、金属帯板を巻き付けるロール表面に溝を設けることにより、金属帯板の表面に傷がつく虞がある場合、ロールに金属帯板の変位を測定することが可能な程度の厚さを有する中空円筒を嵌合することにより、金属帯板の表面に傷がつくことを防止することもできる。
また、ロール表面に設けた溝と、溝の外側のロール表面との境界部の直径の変化(段差)を、緩やかなテーパ又は滑らかな曲線もしくはこれらを組み合わせて漸減させるようにすることにより、金属帯板の表面に傷がつくことを防止することもできる。
また、本発明に係る金属帯板の形状測定装置は、複数のロール軸方向位置における金属帯板の変位の測定値から、金属帯板の張力の板幅方向分布を算出し、その張力分布を板形状に換算する演算手段を備えることを特徴とする。これにより、長くてもロール1回転中のロール軸方向位置の金属帯板の変位の測定値から金属帯板の形状(特に長手方向の形状)を瞬時に演算することができる。
なお、ロールに設ける溝の形状によっては、金属帯板の変位と張力の関係(比例定数)が変わることがある。これはそれぞれのロールに固有なものであり、設置前にその特性を調べ調整しておけばよいが、使用中にロールが摩耗したりするとその関係が変化し、精度が低下する可能性がある。また、ロールを研磨するたびに調整を行うのは著しく作業性を阻害する。
このため、測定した変位の板幅方向の積分平均値が平均張力と比例関係にあることに着目し、平均張力を測定する平均張力測定手段を用いて、事前に特性を調整することなく経時的に変化する比例定数を逐次決定することも可能である。この平均張力測定手段には、例えば、ロールの両端に金属帯板の巻き付け反力を測定する巻き付け反力測定装置を設置することで、平均張力を測定するような方式を適用することができる。また、平均張力として、金属帯板の巻取り装置等における測定値を用いてもよい。
以下、本発明の第1の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。
はじめに、本実施例に係る金属帯板の形状測定装置が配置される周辺装置の構成について説明する。
図9は、本発明の第1の実施例に係る形状測定ロールを金属帯板が走行するライン内に配置するためのロール配置例を示した図である。この場合、図9に示すように、形状測定ロール20の前後にデフレクタロール60,61を配置し金属帯板1が形状測定ロール20に巻き付くようにしている。
図10は、本発明の第1の実施例に係る形状測定ロールを圧延機の出側に配置した例を示した図である。この場合、図10に示すように、圧延機70の手前に形状測定ロール20を配置し、この手前に形状測定ロール20よりも低い位置に金属帯板1を巻き取っている巻き取り装置80を設置した。このように、巻き取り装置80は走行ラインよりも低い位置にあるので、デフレクタロール60,61(図9参照)を設置しなくても形状測定ロール20に金属帯板1は巻き付くことになる。
次に、本実施形態に係る金属帯板の形状測定装置の構成について説明する。
図1は、本発明の第1の実施例に係る形状測定ロールに設けられる溝の形状の例を示した図である。図1に示すように、軸受箱31,32及び支持架台33,34で支持した形状測定ロール20に、金属帯板1が巻き付くように配置されている。
さらに、形状測定ロール20の巻き付け面と接する金属帯板1の変位を測定するように変位測定センサ42を組み込んだ架台41が設けられている。形状測定ロール20には、円周方向から傾斜した方向に溝201が設けられている。言い換えれば、形状測定ロール20の表面には溝201が螺旋状に設けられている。
なお、複数の圧延機70(図10参照)で金属帯板1を圧延する際に、圧延機70間に設置する形状測定装置は圧延の安定操業を目的として、金属帯板1の板幅方向の左右(両端部)の非対称を検出するだけでよい場合がある。この場合には、板幅方向の2点について張力を測定すれば非対称の度合を検出することができる。したがって、本実施例では、変位測定センサ42は2個あればよい。
また、変位測定センサ42には、変位測定センサ42で測定した金属帯板1の変位から金属帯板1の形状を演算する演算装置51が設置されている。演算装置51における金属帯板1の形状の測定原理については後ほど説明する。
図11は本発明の第1の実施例に係る金属帯板が形状測定ロールに巻き付く様子を示した図である。図11に示すように、金属帯板1は圧延機70(図10参照)内等を走行時に図11中にTで示す張力で引っ張られたときに、形状測定ロール20に設けられた溝201に食い込むため、金属帯板1の表面の基準位置に対して図11中にδで示す変位が生ずる。そして、この変位を変位測定センサ42で測定する。
次に、本実施例に係る金属帯板の形状測定装置の測定原理について説明する。
図12は本発明の第1の実施例に係る金属帯板の張力と変位との関係の例を示した図である。なお、ここでは溝幅は例として67.5mmと設定して算出した。図12に示すように、張力の増加に比例して変位が増加していることがわかる。
金属帯板1の張力と変位との関係(比例定数)については、有限要素法等を用いて求めるか、実際に金属板帯板1にかかる張力を測定し、そのときの変位を測定することにより求めることができる。このようにして、予め溝幅や金属帯板1の厚さ等の適用する金属帯板1の種類ごとに、張力と変位との関係(比例定数)を求めておくことで、溝がある部分の金属帯板1の変位を測定するだけで、金属帯板1に作用する張力を求めることができる。
図13は本発明の第1の実施例に係る板の単位幅当りの張力を演算する様子を示した図である。図13に示すように、演算装置51において、上述した方法により予め設定した金属帯板1の張力と変位の関係(比例定数)を利用して、変位測定センサ42で測定した溝201の位置の金属帯板1の変位から、該当する板幅方向の位置における金属帯板1の単位幅当りの張力を演算する。
ここで、金属帯板1の形状と金属帯板1の単位幅当たりの張力との関係について説明する。金属帯板1は圧延時に板幅方向の位置により長手方向の長さが変わってくる場合がある。そして、金属帯板1は板幅方向で長手方向の長さに違いがある場合、長さの短い部分の方が長さの長い部分よりもより強く引っ張られることになる。すなわち、長さの短い部分は張力が高く、長さの長い部分は張力が低くなる。このような関係から、金属帯板1の単位幅当りの張力を求めることで、金属帯板1の長手方向の形状を測定することができる。
ここで、本実施例に係る金属帯板の形状測定装置の変位測定センサによる測定の結果の例を示す。
図14は本発明の第1の実施例に係る金属帯板の形状測定の例を示した図である。また、図14(a)は本発明の第1の実施例に係る金属帯板の板幅方向の各部の変位の例を示した図である。なお、実際には図14(a)に示されるように金属帯板1の板幅方向の各部の変位のピークは同時に測定されるわけではないが、ここでは形状測定ロール20の回転位相をずらして金属帯板1の板幅方向の各部の変位がピークになるように表示している。また、溝の部分に位置する金属帯板1の変位を実線で表し、溝がない部分の金属帯板1の変位を破線で表している。また、金属帯板1の幅方向の中央部を0mmとして表示し、金属帯板1の板幅は、例として900mmとしている。
図14(a)に示すような変位が測定された場合、図11に示した金属帯板1の張力と変位との関係から、変位の大きい部分は長手方向の長さが長く、変位の小さい部分は長手方向の長さが短いということが分かる。このことから、図14(b)に示すように、金属帯板1は、aで示す端部側の方が、bで示す端部側よりも長手方向の長さが長い形状となっていることがわかる。
以下、本発明の第2の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。なお、形状測定装置以外の形状測定装置の周辺装置の構成については第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。
図2は、本発明の第2の実施例に係る金属帯板の形状測定装置の構成例を示した図である。図2に示すように、軸受箱31,32及び支持架台33,34で支持した形状測定ロール21に、金属帯板1が巻き付くように配置されている。さらに、巻き付け面の金属帯板1の変位を測定するように変位測定センサ42を組み込んだ架台41が設けられている。形状測定ロール21には、複数の円周方向全周に亘る溝211が設けられている。
なお、複数の圧延機70(図10参照)で金属帯板1を圧延する際に、圧延機70間に設置する形状測定装置は圧延の安定操業を目的として、金属帯板1の板幅方向の左右(両端部)の非対称を検出するだけでよい場合がある。この場合には板幅方向の2点について張力を測定すれば非対称の度合を検出することができる。したがって、本実施例に係る形状測定ロール21の場合は、少なくとも2本以上の溝211が必要となる。
また、変位測定センサ42には、変位測定センサ42で測定した金属帯板1の変位から金属帯板1の形状を演算する演算装置51が設置されている。なお、演算装置51における演算内容は第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。また、本実施例に係る形状測定ロール21の配置位置については第1の実施例と同様のためここでの説明は省略する。
以下、本発明の第3の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。なお、形状測定装置以外の形状測定装置の周辺装置の構成については第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。
図3は、本発明の第3の実施例に係る金属帯板の形状測定装置の構成例を示した図である。図3に示すように、軸受箱31,32及び支持架台33,34で支持した形状測定ロール22に、金属帯板1が巻き付くように配置されている。さらに、巻き付け面の金属帯板1の変位を測定するように変位測定センサ42を組み込んだ架台41が設けられている。形状測定ロール22には、円周方向に連続しない複数の溝221が設けられている。
なお、複数の圧延機70(図10参照)で金属帯板1を圧延する際に、圧延機70間に設置する形状測定装置は圧延の安定操業を目的として、金属帯板1の板幅方向の左右(両端部)の非対称を検出するだけでよい場合がある。この場合には板幅方向の2点について張力を測定すれば非対称の度合を検出することができる。したがって、本実施例に係る形状測定ロール22の場合は、少なくとも2本以上の溝221が必要となる。
変位測定センサ42には、変位測定センサ42で測定した金属帯板1の変位から金属帯板1の形状を演算する演算装置51が設置されている。なお、演算装置51における演算内容は第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。また、本実施例に係る形状測定ロール22の配置位置については第1の実施例と同様のためここでの説明は省略する。
以下、本発明の第4の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。なお、形状測定ロール以外の形状測定装置の構造及び周辺装置の構成については第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。
図4は、本発明の第4の実施例に係る形状測定ロールの構成例を示した図である。図4に示すように、表面に溝を有さない金属ロール23に樹脂でライニング231を施した上で、このライニング231自体に円周方向から傾斜した溝232が設けられている。言い換えれば、ライニング231には溝232が螺旋状に設けられている。なお、ライニング231自体に設けられる溝232は、第2,3の実施例の溝211,221のように、全周に亘るものや円周方向に連続しないものとしてもよい。
以下、本発明の第5の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。なお、形状測定ロール以外の形状測定装置の構造及び周辺装置の構成については第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。
図5は、本発明の第5の実施例に係る形状測定ロールの構成例を示した図である。図5に示すように、第1の実施例に係る形状測定ロール20の金属帯板1と接触する面に、樹脂コーティング241を施している。なお、形状測定ロール20に設けられる溝201は、第2,3の実施例の溝211,221のように、全周に亘るものや円周方向に連続しないものとしてもよい。
以下、本発明の第6の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。なお、形状測定ロール以外の形状測定装置の構造及び周辺装置の構成については第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。
図6は、本発明の第6の実施例に係る形状測定ロールの構成例を示した図である。図6に示すように、第1の実施例に係る形状測定ロール20の金属帯板1と接触する面に、金属帯板1の変位を測定することが可能な程度の厚さを有する中空円筒242を嵌合している。なお、形状測定ロール20に設けられる溝201は、第2,3の実施例の溝211,221のように、全周に亘るものや円周方向に連続しないものとしてもよい。
このように、本実施例によれば、溝201の端部による金属帯板1の傷付きを防止することができ、さらに、溝201に油や鉄粉等が入ることにより金属帯板1の表面に悪影響を及ぼすことを防止することができる。
以下、本発明の第7の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。
加減速がしばしば行われるライン内に形状測定ロールを設置する場合、回転慣性が小さいロールでないと加減速中に帯板とロールが滑り、帯板に傷がつく虞がある。このため、本実施例では、加減速がしばしば行われるライン内に形状測定ロールを設置する場合、この形状測定ロールの形状を中空の円筒とした。なお、形状測定装置以外の形状測定装置の周辺装置の構成については第1の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。
図7は、本発明の第7の実施例に係る金属帯板の形状測定装置の構成例を示した図である。図7に示すように、形状測定ロール25は中空の円筒となっている。この形状測定ロール25の表面には、円周方向に傾斜した溝251が形成されている。また、形状測定ロール25は軸受311,321により軸300に保持されている。軸300は架台331,341により保持されている。
このように、本実施例によれば、形状測定ロール25を中空の円筒としたことにより、形状測定ロール25を軽量化することができるため、加減速中に帯板とロールが滑り、帯板に傷がつくことを防止することができる。
以下、本発明の第8の実施例に係る金属帯板の形状測定装置について説明する。なお、形状測定ロールの溝以外の形状測定装置の構造及び周辺装置の構成については第1〜第6の実施例と同様であるためここでの説明は省略する。
図8は、本発明の第8の実施例に係る形状測定ロールに設けられる溝の断面形状の例を示した図である。図8に示すように、第1〜第6の実施例に係る溝201,211,221,232,251の形状を、金属帯板1と接触する形状測定ロール20,21,22,23及び樹脂231,241の表面と溝201,211,221,232,251の直径差に伴う段差が漸減するような曲線で滑らかに結ぶように、溝201´のような形状とした。
これは、形状測定ロール20,21,22,25及び樹脂231,241の表面に設けた溝201,211,221,232,251と形状測定ロール20,21,22,25及び樹脂231,241の表面との直径差(段差)が形状測定ロール20,21,22,25及び樹脂231,241の軸方向に急変すると、溝201,211,221,232,251の縁に近い形状測定ロール20,21,22,25及び樹脂231,241の表面で金属帯板1の巻き付け圧力が急激に上昇し、金属帯板1に傷がつく虞があるためである。
このように、形状測定ロール20,21,22,25及び樹脂231,241の表面から溝201´に移る部分を緩やかな直線又は滑らかな曲線で直径が緩やかに減少するようにすることで、巻き付け圧力は溝底に向かって減少するようになるため、金属帯板1に傷が入ることを防止することができる。
本発明は、例えば、金属帯板が走行するライン内に設置する金属帯板の形状測定装置に利用することが可能である。
本発明の第1の実施例に係る形状測定ロールに設けられる溝の形状の例を示した図である。 本発明の第2の実施例に係る金属帯板の形状測定装置の構成例を示した図である。 本発明の第3の実施例に係る金属帯板の形状測定装置の構成例を示した図である。 本発明の第4の実施例に係る形状測定ロールの構成例を示した図である。 本発明の第5の実施例に係る形状測定ロールの構成例を示した図である。 本発明の第6の実施例に係る形状測定ロールの構成例を示した図である。 本発明の第7の実施例に係る金属帯板の形状測定装置の構成例を示した図である。 本発明の第8の実施例に係る形状測定ロールに設けられる溝の断面形状の例を示した図である。 本発明の第1の実施例に係る形状測定ロールを金属帯板が走行するライン内に配置するためのロール配置例を示した図である。 本発明の第1の実施例に係る形状測定ロールを圧延機の出側に配置した例を示した図である。 本発明の第1の実施例に係る金属帯板が形状測定ロールに巻き付く様子を示した図である。 本発明の第1の実施例に係る金属帯板の張力と変位との関係の例を示した図である。 本発明の第1の実施例に係る板の単位幅当りの張力を演算する様子を示した図である。 本発明の第1の実施例に係る金属帯板の形状測定の例を示した図である。
符号の説明
1 金属帯板
20 円周方向から傾斜した方向の溝を設けた形状測定ロール
201 形状測定ロールに設けた円周方向から傾斜した方向の溝
201´ 金属帯板と接する表面と溝の段差を滑らかな曲線で結んだ溝断面
31,32 軸受を内蔵した軸受箱
33,34 軸受箱を保持する架台
41 金属帯板の変位測定センサを取付けた架台
42 金属帯板の変位測定センサ
21 円周方向全周に亘る溝を設けた形状測定ロール
211 形状測定ロールに設けた円周方向全周に亘る溝
51 測定された金属帯板の変位を用いた形状の演算装置
23 溝を持たない金属ロール
231 溝を持たない金属ロールにライニングした樹脂
232 溝を持たない金属ロールにライニングした樹脂に設けた溝
241 形状測定ロールの金属帯板と接する表面にコーティングした樹脂
242 形状測定ロールに嵌合した中空円筒
25 円周方向から傾斜した溝を設けた中空の形状測定ロール
251 中空の形状測定ロールに設けた円周方向から傾斜した方向の溝
300 中空の形状測定ロールを保持する軸受を保持する軸
311,321 中空の形状測定ロールを保持する軸受
331,341 軸を保持する架台
60,61 走行する金属帯板を形状測定ロールに巻き付かせるためのデフレクタロール
70 圧延機
80 圧延された金属帯板の巻き取り装置

Claims (3)

  1. 金属の帯板が走行する設備に両端が回転自在に支持され前記帯板を巻き付けるように配置されるロールにおいて、
    該ロールの表面には少なくとも1本以上の周方向から傾斜した溝、又は、少なくとも2本以上の円周方向の溝を設けるとともに、
    前記ロールの軸方向位置には少なくとも1個以上の前記帯板の変位を測定する変位測定手段を備える
    ことを特徴とする金属帯板の形状測定装置。
  2. 請求項1に記載の金属帯板の形状測定装置において、
    前記ロールに嵌合する中空円筒を備える
    ことを特徴とする金属帯板の形状測定装置。
  3. 請求項1又は請求項2に記載の金属帯板の形状測定装置において、
    複数位置で測定された前記帯板の変位から該帯板の張力の板幅方向分布を演算する演算手段を備える
    ことを特徴とする金属帯板の形状測定装置。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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JP2016080704A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 ベーヴエーゲー・ベルクウエルク− ウント・ヴアルツウエルク・マシイネンバウ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング ストリップ走行方向における測定バーを有する平坦度測定ローラ

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JP2016080704A (ja) * 2014-10-16 2016-05-16 ベーヴエーゲー・ベルクウエルク− ウント・ヴアルツウエルク・マシイネンバウ・ゲゼルシヤフト・ミト・ベシユレンクテル・ハフツング ストリップ走行方向における測定バーを有する平坦度測定ローラ

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