本発明の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態に係る組合せ秤10は、手動式と呼ばれるものであり、図1に示すように、1台の制御装置30と、この制御装置30に通信ライン50を介してバス接続されているN(N;2以上の整数)台の計量器70,70,…と、を備えている。なお、計量器70の台数Nの値は、N=8〜16程度が適当である。
このうち、制御装置30は、命令入力手段としての操作キー32と、表示手段としての液晶型のディスプレイ34と、を備えている。より具体的には、図2に示すように、制御装置30は、CPU(Central
Processing Unit)36を備えており、このCPU36に、入出力インタフェース回路38を介して、操作キー32とディスプレイ34とが接続されている。なお、ディスプレイ34としていわゆるタッチスクリーンを採用することによって、当該ディスプレイ34に操作キー32と同様の機能を担わせることもできる。
さらに、CPU36には、入出力インタフェース回路38を介して、上述の通信ライン50も接続されている。また、CPU36には、記憶手段としてのメモリ回路40も接続されており、このメモリ回路40には、CPU36の動作を制御するための制御プログラムが記憶されている。なお、メモリ回路40は、(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory),EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の半導体メモリによって構成されている。
一方、それぞれの計量器70は、図示しない被計量物としての物品が手動(作業者による手作業)で載置される計量台72を備えている。この計量台72は、図3に示すように、荷重センサ74に結合されており、荷重センサ74は、当該計量台72に載置された物品の重量値Wxに応じた電圧のアナログ計量信号を生成する。なお、荷重センサ74としては、例えば歪ゲージ式ロードセルが適当であるが、これに限定されない。
荷重センサ74によって生成されたアナログ計量信号は、増幅回路76によって増幅された後、A/D変換回路78に入力される。A/D変換回路78は、入力されたアナログ計量信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングして、ディジタル計量信号に変換する。なお、A/D変換回路78によるサンプリング周期は、例えば1[ms]程度が適当であるが、これに限定されない。また、A/D変換回路78にアナログ計量信号が入力される前の段階、例えば増幅回路76の入力側または出力側において、アナログ計量信号に含まれる比較的に高い周波数帯のノイズ成分、例えば100[Hz]以上の主に電気的要因によるノイズ成分、を除去すべく、適当なアナログフィルタ回路を設けてもよい。
A/D変換回路78によって変換されたディジタル計量信号は、入出力インタフェース回路80を介して、CPU82に入力される。CPU82は、入力されたディジタル計量信号に含まれる比較的に低い周波数帯のノイズ成分、例えば100[Hz]以下の主に機械的要因によるノイズ成分、を除去するべく、当該ディジタル計量信号に移動平均処理等の適当なディジタルフィルタリング処理を施す。そして、この処理後のディジタル計量信号に基づいて、物品の重量値Wxを算出する。なお、算出された重量値(重量測定値)Wxが例えば0(ゼロ)よりも少し大きい所定の重量閾値Wzに満たない(Wx<Wz)とき、CPU82は、物品が載置されていないものとみなして、当該重量値WxをWx=0とする。
CPU82によって算出された重量値Wxは、制御装置30(CPU36)に送られる。このため、CPU82は、入出力インタフェース回路80を介して、上述の通信ライン50に接続されている。また、CPU82には、入出力インタフェース回路80を介して、後述する多色ランプ84も接続されている。この多色ランプ84としては、例えば多色発光ダイオード(RGB−LED)が適当であるが、これに限定されない。さらに、CPU82には、半導体メモリによって構成されたメモリ回路86も接続されており、このメモリ回路86には、CPU82の動作を制御するための上述とは別の制御プログラムが記憶されている。
なお、図には示さないが、制御装置30,通信ライン50および各計量器70,70,…は、筺体によって一体に形成されている。また、各計量器70,70,…には、それぞれを識別するための個別の識別番号n(n=1〜N)が付与されている。
このように構成された組合せ秤10によれば、次のような手順で計量作業が行われる。
まず、全ての計量器70,70,…(計量台72,72,…)に手動で物品が載置される。なお、ここで言う物品は、例えばトマトやジャガイモ等の農産物であり、1台の計量器70につき1個載置される。
それぞれの計量器70(CPU82)は、自身に載置された物品の重量値Wxを上述した要領で算出する。算出された重量値Wxは、制御装置30からの送信要求に応答して、識別番号nと共に、通信ライン50を介して、制御装置30に送られる。
制御装置30(CPU36)は、各計量器70,70,…から送られてきたN個の重量値Wxを、当該各計量器70,70,…の各識別番号nと共に、ディスプレイ34に表示する。併せて、制御装置30は、これらN個の重量値Wxを、後述する要領で求められた組合せ個数M分ずつ種々に組み合わせて、その組合せ重量値Wyが、許容重量範囲内に入り、かつ目標重量値Wtに等しいか最も近い最適組合せを、選択する。なお、許容重量範囲は、目標重量値Wtに基づいて設定される。例えば、最適組合せのミニマム重量値を保証する必要があるときには、目標重量値Wtが、許容重量範囲の下限重量値Wminとされ、許容重量範囲の上限重量値Wmaxは、目標重量値Wt(=Wmin)よりも少し(数[%]程度)大きめの値に設定される。また、目標重量値Wtを挟むようにして、これら下限重量値Wminおよび上限重量値Wmaxが設定されることもある。
最適組合せが選択されると、制御装置30は、当該最適組合せを構成する物品が載置されている計量器70に対して、上述したランプ84を例えば緑色で点灯させるように、指示を送る。これによって、この指示を受けた計量器70のランプ84が緑色で点灯する。併せて、制御装置30は、いずれの計量器70に載置されている物品が最適組合せを構成するのかを表す最適組合せ情報を、ディスプレイ34に表示する。具体的には、最適組合せが選択されたことを表すメッセージをディスプレイ34に表示すると共に、当該ディスプレイ34に表示されている各計量器70,70,…の各識別番号nのうち、最適組合せを構成する物品が載置されている計量器70の識別番号nを、それ以外のものとは別の色または高輝度(ハイライト)で表示する。
このようにいずれかの計量器70のランプ84が緑色で点灯すると共に、その計量器70を表す最適組合せ情報がディスプレイ34に表示されることによって、作業者は、最適組合せが選択されたこと、およびいずれの計量器70に載置されている物品が当該最適組合せを構成するのかを、認識することができる。これを受けて、作業者は、最適組合せを構成する物品を、それが載置されている計量器70から手動で取り除く。取り除かれた物品は、例えば商品として1つに纏められ、次工程に送られる。
物品が取り除かれたことによって空になった計量器70に対して、制御装置30は、それまで緑色で点灯させていたランプ84を消灯させるように、指示を送る。これにより、この指示を受けた計量器70のランプ84が消灯する。併せて、制御装置30は、ディスプレイ34に表示されている最適組合せ情報を消去する。これをもって、一連(1回)の組合せ計量作業が完了する。そして、空になった計量器70に対して、新たな物品、詳しくは計量待ちの状態にある多数の計量待ち物品の中から適当に選ばれた物品、が載置され、改めて組合せ計量作業が開始される。
ところで、このような組合せ秤10においては、各計量器70,70,…に載置されている(言わば組合せの場に参加している)各物品の重量値Wxの取り合わせ次第では、最適組合せが選択されないこと、つまり組合せ重量値Wyが許容重量範囲(Wmin≦Wy≦Wmax)内に入る組合せが1つも存在しないこと、がある。この場合、組合せの場に参加しているいずれかの物品が新たな物品と置き換えられた上で、改めて最適組合せの選択が行われる。それでもなお、最適組合せが選択されないときは、最適組合せが選択されるまで同様の作業が繰り返される。しかし、このような作業が繰り返されることは、当然に非効率である。この非効率を解消するために、本実施形態においては、次のような工夫が成されている。
まず、前提として、物品が、図4に示すように、重量値Wxを変数として概ね正規分布する、とみなされる。即ち、物品は、平均重量値Waを中心として概略釣鐘状に分布し、その広がり度合は、標準偏差σによって決まる、とされる。そして、この分布は、計量待ち物品にも当てはまる、とされる。
この前提の下、組合せの場に員数分(N個)の物品が供給されると、制御装置30は、当該組合せの場における物品の平均重量値Wa’を、次の式1に基づいて求める。なお、この式1において、ΣWx[n]は、組合せの場に参加している全ての物品の合計重量値である。
《式1》
Wa’={ΣWx[n]}/N where n=1〜N
続いて、制御装置30は、最適組合せを構成する物品の個数、言わば組合せ個数Mと、当該最適組合せを構成するための物品1個当たりの基準となる重量値、言わば基準重量値Wbとを、次の式2に基づいて求める。
《式2》
Wb=Wt/M where Wb=Wa’ or Wb≒Wa’
なお、この式2において、組合せ個数Mは、自然数である。つまり、制御装置30は、この式2における組合せ個数Mに種々の自然数を代入して、これによって求められる基準重量値Wbが、組合せの場の平均重量値Wa’に等しい(Wb=Wa’)か、最も近い値(Wb≒Wa’)となるように、これら組合せ個数Mおよび基準重量値Wbを求める。そして、求めた組合せ個数Mおよび基準重量値Wbを、ディスプレイ34に表示する。
さらに、制御装置30は、組合せ個数Mを用いて、上述の如く最適組合せを選択するための組合せ演算を行う。そして、例えば、最適組合せが選択されたときには、その旨を作業者に認識させるべく特定の計量器70のランプ84を緑色で点灯させる等の上述した通りの一連の処理を行う。一方、最適組合せが不存在のときには、基準重量値Wbを含む次の式3に基づいて、組合せの場に参加している各物品の重量値Wxの当該基準重量値Wbに対する総合的な偏差Eを求める。
《式3》
E=Wa’−Wb
ここで、例えば、この式3に基づいて求められた偏差Eがプラス値(E≧0)である場合、制御装置30は、組合せの場に参加している各物品の重量値Wxが全体的に基準重量値Wbよりもプラス側に偏っており、このために最適組合せが不存在な状態にある、と判断する。そして、この最適組合せが不存在な状態を形成している最大の要因が、組合せの場に参加している各物品のうち基準重量値Wbに対して最も大きいプラス偏差の重量値Wxを持つ物品、つまり当該組合せの場において最も重量値Wxの大きい物品、にあるとして、これを新たな物品と置き換えられるべき除去物品として指定する。
これとは反対に、式3に基づいて求められた偏差Eがマイナス値(E<0)である場合、制御装置30は、組合せの場に参加している各物品の重量値Wxが全体的に基準重量値Wbよりもマイナス側に偏っており、このために最適組合せが不存在な状態にある、と判断する。そして、この最適組合せが不存在な状態を形成している最大要因が、組合せの場に参加している各物品のうち基準重量値Wbに対して最も大きいマイナス偏差の重量値Wxを持つ物品、つまり当該組合せの場において最も重量値Wxの小さい物品、にあるとして、これを除去物品として指定する。
この除去物品の指定後、制御装置30は、指定された除去物品が組合せの場から除去されたものと仮定して、組合せの場に残された各物品の重量値Wxを“M−k”個ずつ言わば仮に組み合わせる。そして、この仮の組合せ重量値Wy’の最小値Wymin’および最大値Wymax’を求める。なお、kは、今現在の除去物品の指定個数であり、この時点では、当該指定個数kに初期値としての“1”が設定される。
さらに、制御装置30は、除去物品に代えて組合せの場に供給されることによって確実に最適組合せが構成されると見込まれる新たな物品、要するに除去物品と置き換えられるのに好適な置換物品、の1個当たりの重量値Wcを、次の式4に基づいて求める。
《式4》
Wcmin≦Wc≦Wcmax
where Wcmin={Wmin−Wymax’}/k
Wcmax={Wmax−Wymin’}/k
即ち、この式4に基づいて求められた置換物品重量値Wcと等価な重量値Wxを持つ物品が置換物品として除去物品と置き換えられることで、確実に最適組合せが構成されるようになる。
ところが、置換物品重量値Wcの大きさによっては、これと等価な重量値Wxを持つ物品、つまり置換物品としての条件を満足する物品、が計量待ち物品の中に多く存在せず、ゆえに当該置換物品としての条件を満足する物品が容易に見つからないことがある。具体的には、置換物品重量値Wcが図4に示した分布上の平均重量値Waから大きくかけ離れているときが、これに当たる。そこで、制御装置30は、置換物品重量値Wcと図4の分布とから、置換物品としての条件を満足する物品が計量待ち物品の中にどれくらいの確率Pcで存在するのかを求め、さらに、この存在確率Pcから、当該置換物品の選定が容易であるか否かを判定する。
このために、制御装置30は、次の式5に基づいて、図4の分布上の平均重量値Waに対する置換物品重量値Wcの偏差(対平均重量値偏差)ΔWcを求める。なお、平均重量値Waは、後述するように、事前に行われる統計作業において求められる。
《式5》
ΔWcmin≦ΔWc≦ΔWcmax
where ΔWcmin=Wcmin−Wa
ΔWcmax=Wcmax−Wa
さらに、制御装置30は、この式5に基づいて求められた偏差ΔWc(ΔWcminおよびΔWcmax)を標準偏差σで除することによって、当該偏差ΔWcを基準化する。つまり、次の式6に基づいて、基準化偏差ΔWc’を求める。なお、この式6における標準偏差σもまた、平均重量値Waと同様に、事前の統計作業において求められる。
《式6》
ΔWcmin’≦ΔWc’≦ΔWcmax’
where ΔWcmin’=ΔWcmin/σ
ΔWcmax’=ΔWcmax/σ
制御装置30は、この式6に基づいて求められた基準化偏差ΔWc’(ΔWcmin’およびΔWcmax’)を図5に示す標準正規分布表の変数Zに代入することによって、置換物品の存在確率Pcを求める。この求め方については、後で具体例を挙げて詳しく説明する。なお、図5の標準正規分布表は、予めデータ化された状態でメモリ回路40に記憶されている。また、この標準正規分布表において、変数Zが3.5以上(Z≧3.5)の確率値は、一律に0.4999とされる。
置換物品の存在確率Pcが求められると、制御装置30は、この存在確率Pcと所定の確率閾値Ptとを比較して、当該置換物品の選定が容易であるか否かを判定する。詳しくは、存在確率Pcが確率閾値Pt以上(Pc≧Pt)であるときに、置換物品の選定が比較的に容易である、と判定し、存在確率Pcが確率閾値Pt未満(Pc<Pt)であるときには、置換物品の選定が容易ではない、と判定する。このため、確率閾値Ptは、存在確率Pcから置換物品の選定が比較的に容易であるとみなすことのできる当該存在確率Pcの下限値、またはこれに近い値、とされ、例えばPt=0.2(=20[%])とされる。
ここで、例えば、存在確率Pcが確率閾値Pt以上であるとき、つまり置換物品の選定が比較的に容易であるとき、制御装置30は、除去物品が載置されている計量器70に対して、上述のランプ84を例えば白色で点滅させるように、指示を送る。これにより、この指示を受けた計量器70のランプ84が白色で点滅する。併せて、制御装置30は、いずれの計量器70に除去物品が載置されているのかを表す除去物品情報を、ディスプレイ34に表示する。具体的には、最適組合せが不存在であることを表すメッセージをディスプレイ34に表示すると共に、当該ディスプレイ34に表示されている各計量器70,70,…の各識別番号nのうち、除去物品が載置されている計量器70の識別番号nを、それ以外のものとは別の色または高輝度で表示する。
さらに、制御装置30は、上述の式4に基づいて求められた置換物品重量値Wcの基準重量値Wbに対する偏差(対基準重量値偏差)Weを、次の式7に基づいて求める。
《式7》
Wemin≦We≦Wemax
where Wemin=Wcmin−Wb
Wemax=Wcmax−Wb
そして、この式7に基づいて求められた偏差Weのランク付けを行う。具体的には、図6に示すようなランクテーブルが、メモリ回路40に記憶されている。このランクテーブルによれば、“0”を含む5つの境界値“W2”,“W1”,“0”,“−W1”および“−W2”(W2>W1>0>−W1>−W2)によって、“+3”,“+2”,“+1”,“−1”,“−2”および“−3”という6つのランクReが規定されている。制御装置30は、このランクテーブルを参照して、偏差We(厳密には偏差Weの中間値(=(Wemax−Wemin)/2))がこれら6つのランクReのいずれに属するのかを、判定する。例えば、偏差Weが“We>W2”であるとき、制御装置30は、当該偏差WeのランクReを“+3”とする。そして、偏差Weが“W1<We≦W2”のとき、ランクReを“+2”とし、偏差Weが“0≦We≦W1”のとき、ランクReを“+1”とする。さらに、偏差Weが“−W1≦We<0”のとき、ランクReを“−1”とし、偏差Weが“−W2≦We<−W1”のとき、ランクReを“−2”とする。そして、偏差Weが“We<−W2”のとき、ランクReを“−3”とする。
さて、上述の如くいずれかの計量器70のランプ84が白色で点滅すると共に、その計量器70を表す除去物品情報がディスプレイ34に表示されることによって、作業者は、最適組合せが不存在であること、およびいずれの計量器70に除去物品が載置されているのかを、認識することができる。これを受けて、作業者は、除去物品を計量器70から除去する。除去された物品は、例えば計量待ち物品として戻され、改めて組合せの場に供給される機会を待つ。
このように除去物品が除去されることによって空になった計量器70に対して、制御装置30は、それまで白色で点滅させていたランプ84を上述のランクReに応じた発光色で点灯させるように、指示を送る。これにより、この指示を受けた計量器70のランプ84が当該ランクReに応じた発光色で点灯する。なお、このランクReに応じたランプ84の発光色についても、図6に示したランクテーブルによって予め定められている。例えば、ランクReが“+3”のときの発光色は、赤色とされている。そして、ランクReが“+2”のときは、橙色とされており、ランクReが“+1”のときは、黄色とされている。さらに、ランクReが“−1”のときは、水色とされており、ランクReが“−2”のときは、青色とされている。そして、ランクReが“−3”のときは、紫色とされている。
併せて、制御装置30は、それまでディスプレイ34に表示されていた上述の除去物品情報に代えて、置換物品重量値Wc,偏差WeおよびランクReを含む置換物品情報を、当該ディスプレイ34に表示する。具体的には、これら置換物品重量値Wc,偏差WeおよびランクReの他に、置換物品の選定を促すメッセージをディスプレイ34に表示する。さらに、ディスプレイ34に表示されている各計量器70,70,…の各識別番号nのうち、置換物品の載置先となる(つまり空の状態にある)計量器70の識別番号nを、それ以外のものとは別の色または高輝度で表示する。
このように空の状態にある計量器70のランプ84がランクReに応じた発光色で点灯すると共に、当該ランクReを含む置換物品情報がディスプレイ34に表示されることによって、作業者は、空の状態にある計量器70に載置されるべき置換物品の重量値Wxを、ランクReという大まかな尺度で認識することができる。また、置換物品情報には、置換物品重量値Wcも含まれているので、この置換物品重量値Wcから、置換物品の重量値Wxそのものを認識することもできる。さらに、置換物品情報には、偏差Weも含まれているので、この偏差Weから、置換物品の重量値Wxが基準重量値Wbと比較してどれくらいの大きさであるのかをも認識することができる。
この認識に基づいて、作業者は、置換物品としての条件を満足する物品を計量待ち物品の中から選定し、これを空の計量器70に載置すれば、最適組合せを積極的に構成することができる。しかも、置換物品としての条件を満足する物品は、計量待ち物品の中に上述した確率閾値Pt(=20[%])以上の確率Pcで存在するので、このような確率Pcで存在する物品を計量待ち物品の中から選定することは、比較的に容易である。
選定された物品が置換物品として空の計量器70に載置されると、制御装置30は、当該計量器70に対して、それまで点灯させていたランプ84を消灯させるように、指示を送る。併せて、制御装置30は、ディスプレイ34に表示されている置換物品情報を消去する。これにより、組合せの場に員数分の物品が供給された当初の状態に戻る。これを受けて、制御装置30は、改めて上述の式1および式2に基づく演算を行った後、最適組合せを選択するための組合せ演算を行う。
一方、上述した存在確率Pcが確率閾値Pt未満のとき、つまり置換物品の選定が容易でないとき、制御装置30は、既に指定済み除去物品の他に、もう1個、除去物品を指定する。このように除去物品の個数を増やすことによって、置換物品の個数も増えるため、その分、置換物品の選定の幅が広がり、当該置換物品の選定が容易になるからである。
このために、制御装置30は、既に指定済みの除去物品が組合せの場から除去されたものと仮定して、当該組合せの場に残された各物品の平均重量値Wa’を、次の式8に基づいて求める。なお、この式8において、ΣWx[n’]は、組合せの場に残された各物品の合計重量値である。
《式8》
Wa’={ΣWx[n’]}/{N−k}
そして、制御装置30は、この式8に基づく演算結果Wa’を上述の式3に代入することで、改めて組合せの場の偏差Eを求める。ここで、例えば、この偏差Eがプラス値であるとき、制御装置30は、組合せの場に残された各物品のうち最も重量値Wxの大きいものを除去物品として追加指定する。これとは反対に、偏差Eがマイナス値であるときは、組合せの場に残された各物品のうち最も重量値Wxの小さいものを除去物品として追加指定する。
この除去物品の追加指定後、制御装置30は、上述した指定個数kを“1”増やし、つまりk=k+1とする。そして、この追加指定された除去物品についても組合せの場から除去されたものと仮定して、組合せの場に残された各物品の重量値Wxを“M−k”個ずつ仮に組み合わせて、仮の組合せ重量値Wy’の最小値Wymin’および最大値Wymax’を求める。これ以降、上述と同じ要領で、式4に基づいて置換物品重量値Wcを求め、さらに式5および式6に基づく演算を経て、置換物品の存在確率Pcを求め直す。そして、求め直した存在確率Pcが確率閾値Pt以上であるときには、除去物品と置換物品との置き換えを作業者に促すべく、特定の計量器70のランプ84を白色で点滅させる等の上述した通りの処理を行う。一方、依然として存在確率Pcが確率閾値Pt未満であるときには、式8に基づく演算から繰り返す。
この一連の処理によって、置換物品の存在確率Pcが確率閾値Pt以上となるのに、つまり当該置換物品の選定が比較的に容易となるのに、最小限必要(必要かつ十分)な除去物品の個数が決定される。この結果、置換物品の選定が比較的に容易となることが保証され、併せて除去物品の個数が最小限に抑えられるので、最適組合せが不存在の状態を効率よく解消することができる。これについて、次の3つの具体例を挙げて詳しく説明する。
《事例1》
例えば、今、計量器70の台数Nの値が、N=8であり、このN=8という組合せの場に員数分(8個)の物品が供給され、これらの物品の重量値Wxが、それぞれWx=19.9[g],19.8[g],19.8[g],19.7[g],19.6[g],19.6[g],19.6[g]および19.5[g]である、とする。そして、目標重量値Wtが、Wt=100[g]であり、許容重量範囲の下限重量値Wminが、当該目標重量値Wtと同じWmin=100[g]であり、上限重量値Wmaxが、Wmax=102[g]である、とする。
この場合、組合せの場に参加している全ての物品の平均重量値Wa’は、上述の式1から、Wa’≒{19.9[g]+19.8[g]+19.8[g]+19.7[g]+19.6[g]+19.6[g]+19.6[g]+19.5[g]}/8≒19.69[g]となる。そして、式2から、組合せ個数Mは、M=5となり、基準重量値Wbは、Wb=20[g]となる。ここで、組合せの場に参加している各物品の重量値Wxを組合せ個数M分ずつ組み合わせると、組合せ重量値Wyは、最大でもWy=19.9[g]+19.8[g]+19.8[g]+19.7[g]+19.6[g]=98.8[g]となり、許容重量範囲の下限重量値Wminに満たない。つまり、最適組合せが存在しない。
そこで、制御装置30は、上述の式3に基づいて、組合せの場の偏差Eを求める。ここでは、偏差Eは、E=19.69[g]−20[g]=−0.31[g]というマイナス値になる。従って、制御装置30は、組合せの場において最も重量値Wxの小さい物品、つまりWx=19.5[g]の物品を、除去物品として指定する。併せて、除去物品の指定個数kを、初期値である“1”とする。
続いて、制御装置30は、指定された除去物品が組合せの場から除去されたものと仮定して、組合せの場に残された各物品の重量値Wxを“M−k”個ずつ、つまり4個ずつ、仮に組み合わせる。そして、この仮の組合せ重量値Wy’の最小値Wymin’および最大値Wymax’を求める。ここでは、最小値Wymin’が、Wymin’
=19.6[g]+19.6[g]+19.6[g]+19.7[g]=78.5[g]となり、最大値Wymax’が、Wymax’ =19.9[g]+19.8[g]+19.8[g]+19.7[g]=79.2[g]となる。
さらに、制御装置30は、これら最小値Wymin’および最大値Wymax’を上述の式4に代入することによって、置換物品重量値Wcを求める。即ち、式4によれば、置換物品重量値Wcの最小値Wcminは、Wcmin={100[g]−79.2[g]}/1=20.8[g]となり、最大値Wcmaxは、Wcmax={102[g]−78.5[g]}/1=23.5[g]となる。従って、置換物品重量値Wcは、20.8[g]≦Wc≦23.5[g]となる。
ここで、例えば、図4に示した分布上の平均重量値Waが、Wa=19.8[g]であり、標準偏差σが、σ=0.6[g]である、とする。なお、この平均重量値Waおよび標準偏差σは、上述したように事前の統計作業において求められる。制御装置30は、このうちの平均重量値Waを式5に代入することで、当該平均重量値Waに対する置換物品重量値Wcの偏差ΔWcを求める。ここでは、偏差ΔWcの最小値ΔWcminは、ΔWcmin=20.8[g]−19.8[g]=1.0[g]となり、最大値ΔWcmaxは、ΔWcmax=23.5[g]−19.8[g]=3.7[g]となる。従って、偏差ΔWcは、1.0[g]≦ΔWc≦3.7[g]となる。
さらに、制御装置30は、この偏差ΔWcを標準偏差σで除することによって、つまり上述の式6にこれら偏差ΔWcおよび標準偏差σを代入することによって、基準化偏差ΔWc’を求める。ここでは、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’は、ΔWcmin’=1.0[g]/0.6[g]≒1.67となり、最大値ΔWcmax’は、ΔWcmax’=3.7[g]/0.6[g]≒6.17となる。従って、基準化偏差ΔWc’は、1.67≦ΔWc’≦6.17となる。
そして、制御装置30は、基準化偏差ΔWc’を図5に示した標準正規分布表の変数Zに代入することで、置換物品の存在確率Pcを求める。即ち、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’≒1.67を変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pminとして、Pmin=0.4525という値が導き出される。この確率値Pminは、平均重量値Wa(=19.8[g])から置換物品重量値Wcの最小値Wcmin(=20.8[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が計量待ち物品中に存在する確率を表す。そして、基準化偏差ΔWc’の最大値ΔWcmax’≒6.17を変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pmaxとして、Pmax=0.4999という値が導き出される。この確率値Pmaxは、平均重量値Waから置換物品重量値Wcの最大値Wcmax(=23.5[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が存在する確率を表す。従って、制御装置30は、前者の確率値Pminを後者の確率値Pmaxから差し引くことで、置換物品重量値Wcと等価な重量値Wxを持つ物品、つまり置換物品としての条件を満足する物品、の存在確率Pcを求める。即ち、存在確率Pcは、Pc=0.4999−0.4525=0.0474(=4.74[%])となる。
要するに、この事例1においては、組合せの場から1個の除去物品が除去されるだけでは、置換物品としての条件を満足する物品は、計量待ち物品中に僅か4.74[%]という確率Pcでしか存在しないことになる。このような確率Pcでしか存在しない物品を計量待ち物品中から選定するのは、極めて困難である、と言える。また、この存在確率Pcは、上述の確率閾値Pt(=20[%])よりも小さい。そこで、制御装置30は、既に指定済みの除去物品の他に、もう1個、除去物品を追加指定する。
このために、制御装置30は、既に指定済みの除去物品が組合せの場から除去されたものと仮定して、組合せの場に残された各物品の平均重量値Wa’を、上述の式8に基づいて求める。ここでは、Wa’≒{19.9[g]+19.8[g]+19.8[g]+19.7[g]+19.6[g]+19.6[g]+19.6[g]}/7≒19.71[g]となる。
そして、制御装置30は、上述の式3に基づいて、組合せの場の偏差Eを改めて求める。ここでは、E=19.71[g]−20[g]=−0.29[g]というマイナス値になる。従って、制御装置30は、組合せの場に残された各物品のうち最も重量値Wxの小さい物品、つまりWx=19.6[g]の物品を、除去物品として追加指定する。なお、このWx=19.6[g]という重量値Wxを持つ物品は、組合せの場に複数個(3個)あるが、このような場合、制御装置30は、これらのうちの1個のみ、例えば識別番号nの値が最も小さい計量器70に載置されている物品のみを、除去物品として指定する。
この除去物品の追加指定後、制御装置30は、当該除去物品の指定個数kを“1”増やす。ここでは、k=2となる。そして、制御装置30は、この追加指定された除去物品についても組合せの場から除去されたものとして仮定して、組合せの場に残された各物品の重量値Wxを“M−k”個ずつ、つまり3個ずつ、仮に組み合わせて、この仮の組合せ重量値Wy’の最小値Wymin’および最大値Wymax’を求める。ここでは、最小値Wymin’が、Wymin’
=19.6[g]+19.6[g]+19.7[g]=58.9[g]となり、最大値Wymax’が、Wymax’ =19.9[g]+19.8[g]+19.8[g]=59.5[g]となる。
さらに、制御装置30は、これら最小値Wymin’および最大値Wymax’を式4に代入することで、置換物品重量値Wcを求める。即ち、式4によれば、置換物品重量値Wcの最小値Wcminは、Wcmin={100[g]−59.5[g]}/2≒20.3[g]となり、最大値Wcmaxは、Wcmax={102[g]−58.9[g]}/2≒21.6[g]となる。つまり、置換物品重量値Wcは、20.3[g]≦Wc≦21.6[g]となる。
そして、制御装置30は、式5から、平均重量値Waに対する置換物品重量値Wcの偏差ΔWcを求める。ここでは、偏差ΔWcの最小値ΔWcminは、ΔWcmin=20.3[g]−19.8[g]=0.5[g]となり、最大値ΔWcmaxは、ΔWcmax=21.6[g]−19.8[g]=1.8[g]となる。従って、偏差ΔWcは、0.5[g]≦ΔWc≦1.8[g]となる。
さらに、制御装置30は、式6から、基準化偏差ΔWc’を求める。ここでは、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’は、ΔWcmin’=0.5[g]/0.6[g]≒0.83となり、最大値ΔWcmax’は、ΔWcmax’=1.8[g]/0.6[g]=3.0となる。つまり、基準化偏差ΔWc’は、0.83≦ΔWc’≦3.0となる。
そして、制御装置30は、基準化偏差ΔWc’を図5に示した標準正規分布表の変数Zに代入することで、置換物品の存在確率Pcを改めて求める。即ち、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’≒0.83を変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pminは、Pmin=0.2967となる。この確率値Pminは、平均重量値Wa(=19.8[g])から置換物品重量値Wcの最小値Wcmin(=20.3[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が計量待ち物品中に存在する確率を表す。そして、基準化偏差ΔWc’の最大値ΔWcmax’=3.0を変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pmaxは、Pmax=0.0.4987となる。この確率値Pmaxは、平均重量値Waから置換物品重量値Wcの最大値Wcmax(=21.6[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が存在する確率を表す。従って、制御装置30は、前者の確率値Pminを後者の確率値Pmaxから差し引くことで、置換物品の存在確率Pcを求める。即ち、存在確率Pcは、Pc=0.4987−0.2967=0.2020(=20.20[%])となる。つまり、Pc≧Ptとなる。
このように除去物品が1個増えたことで、置換物品の存在確率Pcが確率閾値Pt以上となって、当該置換物品の選定が容易になる。しかも、この事例1では、除去物品の個数は2個に抑えられる。これを受けて、制御装置30は、除去物品と置換物品との置き換えを作業者に促すべく、特定の計量器70のランプ84を白色で点滅させる等の上述した通りの処理を行う。
《事例2》
事例1と同じN=8という組合せの場に、それぞれの重量値Wxが、Wx=20.5[g],19.8[g],19.7[g],19.7[g],19.6[g],19.6[g],19.6[g]および19.6[g]という員数分の物品が参加している、とする。これ以外は、事例1と同じである。
この場合、組合せの場に参加している全ての物品の平均重量値Wa’は、式1から、Wa’={20.5[g]+19.8[g]+19.7[g]+19.7[g]+19.6[g]+19.6[g]+19.6[g]+19.6[g]}/8≒19.76[g]となる。そして、式2から、組合せ個数Mは、M=5となり、基準重量値Wbは、Wb=20[g]となる。ここで、組合せの場に参加している各物品の重量値Wxを組合せ個数M分ずつ組み合わせると、組合せ重量値Wyは、最大でもWy=20.5[g]+19.8[g]+19.7[g]+19.7[g]+19.6[g]=99.3[g]となり、許容重量範囲の下限重量値Wminに満たない。つまり、事例1と同様、最適組合せが存在しない。
そこで、制御装置30は、式3に基づいて、組合せの場の偏差Eを求める。ここでは、偏差Eは、E=19.76[g]−20[g]=−0.24[g]というマイナス値になる。従って、制御装置30は、組合せの場において最も重量値Wxの小さい物品、つまりWx=19.6[g]の物品を、除去物品として指定する。なお、このWx=19.6[g]という重量値Wxを持つ物品は、組合せの場に複数個(4個)あるが、このような場合には、このうちの1個のみが除去物品として指定されることは、上述した通りである。併せて、制御装置30は、除去物品の指定個数kを、初期値である“1”とする。
続いて、制御装置30は、指定された除去物品が組合せの場から除去されたものと仮定して、組合せの場に残された各物品の重量値Wxを“M−k”個ずつ、つまり4個ずつ、仮に組み合わせる。そして、この仮の組合せ重量値Wy’の最小値Wymin’および最大値Wymax’を求める。ここでは、最小値Wymin’が、Wymin’
=19.6[g]+19.6[g]+19.6[g]+19.7[g]=78.5[g]となり、最大値Wymax’が、Wymax’ =20.5[g]+19.8[g]+19.7[g]+19.7[g]=79.7[g]となる。
さらに、制御装置30は、これら最小値Wymin’および最大値Wymax’を式4に代入することで、置換物品重量値Wcを求める。即ち、式4によれば、置換物品重量値Wcの最小値Wcminは、Wcmin={100[g]−79.7[g]}/1=20.3[g]となり、最大値Wcmaxは、Wcmax={102[g]−78.5[g]}/1=23.5[g]となる。従って、置換物品重量値Wcは、20.3[g]≦Wc≦23.5[g]となる。
そして、制御装置30は、式5から、平均重量値Waに対する置換物品重量値Wcの偏差ΔWcを求める。ここでは、偏差ΔWcの最小値ΔWcminは、ΔWcmin=20.3[g]−19.8[g]=0.5[g]となり、最大値ΔWcmaxは、ΔWcmax=23.5[g]−19.8[g]=3.7[g]となる。従って、偏差ΔWcは、0.5[g]≦ΔWc≦3.7[g]となる。
さらに、制御装置30は、式6から、基準化偏差ΔWc’を求める。ここでは、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’は、ΔWcmin’=0.5[g]/0.6[g]≒0.83となり、最大値ΔWcmax’は、ΔWcmax’=3.7[g]/0.6[g]≒6.17となる。従って、基準化偏差ΔWc’は、0.83≦ΔWc’≦6.17となる。
そして、制御装置30は、基準化偏差ΔWc’を図5に示した標準正規分布表の変数Zに代入することで、置換物品の存在確率Pcを求める。即ち、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’≒0.83を変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pminは、Pmin=0.2967となる。この確率値Pminは、平均重量値Wa(=19.8[g])から置換物品重量値Wcの最小値Wcmin(=20.3[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が計量待ち物品中に存在する確率を表す。そして、基準化偏差ΔWc’の最大値ΔWcmax’≒6.17を変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pmaxは、Pmax=0.4999となる。この確率値Pmaxは、平均重量値Waから置換物品重量値Wcの最大値Wcmax(=23.5[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が存在する確率を表す。従って、制御装置30は、前者の確率値Pminを後者の確率値Pmaxから差し引くことで、置換物品重量値Wcと等価な重量値Wxを持つ物品、つまり置換物品としての条件を満足する物品、の存在確率Pcを求める。即ち、存在確率Pcは、Pc=0.4999−0.2967=0.2032(=20.32[%])となる。
このPc=0.2032という存在確率Pcは、上述した確率閾値Pt(=0.2)以上である。つまり、この事例2においては、除去物品が1個だけでも、置換物品の選定が比較的に容易である。従って、制御装置30は、除去物品と置換物品との置き換えを作業者に促すべく、特定の計量器70のランプ84を白色で点滅させる等の上述した通りの処理を行う。
《事例3》
この事例3においても、計量器70の台数Nの値が、N=8であり、このN=8という組合せの場に、それぞれの重量値Wxが、Wx=20.5[g],20.5[g],20.6[g],20.7[g],20.8[g],20.8[g],20.9[g]および21.0[g]という員数分の物品が参加している、とする。ただし、図4に示した分布上の平均重量値Waは、Wa=20.5[g]であり、標準偏差σは、σ=0.6[g]である、とする。これ以外は、事例1および事例2と同じである。
この場合、組合せの場に参加している全ての物品の平均重量値Wa’は、式1から、Wa’≒{20.5[g]+20.5[g]+20.6[g]+20.7[g]+20.8[g]+20.8[g]+20.9[g]+21.0[g]}/8≒20.73[g]となる。そして、式2から、組合せ個数Mは、M=5となり、基準重量値Wbは、Wb=20[g]となる。ここで、組合せの場に参加している各物品の重量値Wxを組合せ個数M分ずつ組み合わせると、組合せ重量値Wyは、最小でもWy=20.5[g]+20.5[g]+20.6[g]+20.7[g]+20.8[g]=103.1[g]となり、許容重量範囲の上限重量値Wmaxを超える。つまり、最適組合せが存在しない。
そこで、制御装置30は、式3に基づいて、組合せの場の偏差Eを求める。ここでは、偏差Eは、E=20.73[g]−20[g]=0.73[g]というプラス値になる。従って、制御装置30は、組合せの場において最も重量値Wxの大きい物品、つまりWx=21.0[g]の物品を、除去物品として指定する。併せて、除去物品の指定個数kを、初期値である“1”とする。
続いて、制御装置30は、指定された除去物品が組合せの場から除去されたものと仮定して、組合せの場に残された各物品の重量値Wxを“M−k”個ずつ、つまり4個ずつ、仮に組み合わせる。そして、この仮の組合せ重量値Wy’の最小値Wymin’および最大値Wymax’を求める。ここでは、最小値Wymin’が、Wymin’
=20.5[g]+20.5[g]+20.6[g]+20.7[g]=82.3[g]となり、最大値Wymax’が、Wymax’ =20.9[g]+20.8[g]+20.8[g]+20.7[g]=83.2[g]となる。
さらに、制御装置30は、これら最小値Wymin’および最大値Wymax’を式4に代入することで、置換物品重量値Wcを求める。即ち、式4によれば、置換物品重量値Wcの最小値Wcminは、Wcmin={100[g]−83.2[g]}/1=16.8[g]となり、最大値Wcmaxは、Wcmax={102[g]−82.3[g]}/1=19.7[g]となる。従って、置換物品重量値Wcは、16.8[g]≦Wc≦19.7[g]となる。
そして、制御装置30は、式5から、平均重量値Waに対する置換物品重量値Wcの偏差ΔWcを求める。ここでは、偏差ΔWcの最小値ΔWcminは、ΔWcmin=16.8[g]−20.5[g]=−3.7[g]となり、最大値ΔWcmaxは、ΔWcmax=19.7[g]−20.5[g]=0.8[g]となる。従って、偏差ΔWcは、−3.7[g]≦ΔWc≦0.8[g]となる。
さらに、制御装置30は、式6から、基準化偏差ΔWc’を求める。ここでは、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’は、ΔWcmin’=−3.7[g]/0.6[g]≒−6.17となり、最大値ΔWcmax’は、ΔWcmax’=−0.8[g]/0.6[g]≒−1.33となる。従って、基準化偏差ΔWc’は、−6.17≦ΔWc’≦−1.33となる。
そして、制御装置30は、基準化偏差ΔWc’を図5に示した標準正規分布表の変数Zに代入することで、置換物品の存在確率Pcを求める。詳しくは、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’≒−6.17を絶対値に変換した上で変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pminは、Pmin=0.4999となる。この確率値Pminは、置換物品重量値Wcの最小値Wcmin(=16.8[g])から平均重量値Wa(=20.5[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が計量待ち物品中に存在する確率を表す。そして、基準化偏差ΔWc’の最大値ΔWcmax’≒−1.33を絶対値に変換した上で変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pmaxは、Pmax=0.4082となる。この確率値Pmaxは、置換物品重量値Wcの最大値Wcmax(=19.7[g])から平均重量値Waまでの範囲内の重量値Wxを持つ物品が存在する確率を表す。従って、制御装置30は、前者の確率値Pminから後者の確率値Pmaxを差し引くことで、置換物品重量値Wcと等価な重量値Wxを持つ物品、つまり置換物品としての条件を満足する物品、の存在確率Pcを求める。即ち、存在確率Pcは、Pc=0.4999−0.4082=0.0917(=9.17[%])となる。
このPc=0.0917という存在確率Pcは、上述した確率閾値Pt(=0.2)未満である。従って、制御装置30は、既に指定済みの除去物品の他に、もう1個、除去物品を追加指定する。
このために、制御装置30は、既に指定済みの除去物品が組合せの場から除去されたものと仮定して、組合せの場に残された各物品の平均重量値Wa’を、式8に基づいて求める。ここでは、Wa’≒{20.5[g]+20.5[g]+20.6[g]+20.7[g]+20.8[g]+20.8[g]+20.9[g]}/7≒20.69[g]となる。
そして、制御装置30は、式3に基づいて、組合せの場の偏差Eを改めて求める。ここでは、E=20.69[g]−20[g]=0.69[g]というプラス値になる。従って、制御装置30は、組合せの場に残された各物品のうち最も重量値Wxの大きい物品、つまりWx=20.9[g]の物品を、除去物品として追加指定する。
この除去物品の追加指定後、制御装置30は、当該除去物品の指定個数kを“1”増やす。ここでは、k=2となる。そして、制御装置30は、この追加指定された除去物品についても組合せの場から除去されたものとして仮定して、組合せの場に残された各物品の重量値Wxを“M−k”個ずつ、つまり3個ずつ、仮に組み合わせて、この仮の組合せ重量値Wy’の最小値Wymin’および最大値Wymax’を求める。ここでは、最小値Wymin’が、Wymin’
=20.5[g]+20.5[g]+20.6[g]=61.6[g]となり、最大値Wymax’が、Wymax’ =20.8[g]+20.8[g]+20.7[g]=62.3[g]となる。
さらに、制御装置30は、これら最小値Wymin’および最大値Wymax’を式4に代入することで、置換物品重量値Wcを求める。即ち、式4によれば、置換物品重量値Wcの最小値Wcminは、Wcmin={100[g]−62.3[g]}/2≒18.9[g]となり、最大値Wcmaxは、Wcmax={102[g]−61.6[g]}/2≒20.2[g]となる。つまり、置換物品重量値Wcは、18.9[g]≦Wc≦20.2[g]となる。
そして、制御装置30は、式5から、平均重量値Waに対する置換物品重量値Wcの偏差ΔWcを求める。ここでは、偏差ΔWcの最小値ΔWcminは、ΔWcmin=18.9[g]−20.5[g]=−1.6[g]となり、最大値ΔWcmaxは、ΔWcmax=20.2[g]−20.5[g]=−0.3[g]となる。従って、偏差ΔWcは、−1.6[g]≦ΔWc≦−0.3[g]となる。
さらに、制御装置30は、式6から、基準化偏差ΔWc’を求める。ここでは、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’は、ΔWcmin’=−1.6[g]/0.6[g]≒−2.67となり、最大値ΔWcmax’は、ΔWcmax’=−0.3[g]/0.6[g]=−0.5となる。つまり、基準化偏差ΔWc’は、0.−2.67≦ΔWc’≦−0.5となる。
そして、制御装置30は、基準化偏差ΔWc’を図5に示した標準正規分布表の変数Zに代入することで、置換物品の存在確率Pcを改めて求める。詳しくは、基準化偏差ΔWc’の最小値ΔWcmin’≒−2.67を絶対値に変換した上で変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pminは、Pmin=0.4962となる。この確率値Pminは、置換物品重量値Wcの最小値Wcmin(=18.9[g])から平均重量値Wa(=20.5[g])までの範囲内の重量値Wxを持つ物品が計量待ち物品中に存在する確率を表す。そして、基準化偏差ΔWc’の最大値ΔWcmax’=−0.3を絶対値に変換した上で変数Zに代入すると、これに対応する確率値Pmaxは、Pmax=0.1179となる。この確率値Pmaxは、置換物品重量値Wcの最大値Wcmax(=20.2[g])から平均重量値Waまでの範囲内の重量値Wxを持つ物品が存在する確率を表す。従って、制御装置30は、前者の確率値Pminから後者の確率値Pmaxを差し引くことで、置換物品の存在確率Pcを求める。即ち、存在確率Pcは、Pc=0.4962−0.1179=0.3783(=37.83[%])となる。つまり、Pc≧Ptとなる。
このように除去物品が1個増えたことで、置換物品の存在確率Pcが確率閾値Pt以上となって、当該置換物品の選定が容易になる。しかも、この事例3では、除去物品の個数は2個に抑えられる。これを受けて、制御装置30は、除去物品と置換物品との置き換えを作業者に促すべく、特定の計量器70のランプ84を白色で点滅させる等の上述した通りの処理を行う。
ここで、図7を参照して、本実施形態の組合せ秤10を用いた全体の作業手順を改めて説明する。
まず、図示しない電源スイッチがONされて、組合せ秤10が起動すると、ステップS1として、操作キー32の操作により初期設定モードが選択される。そして、この初期設定モードにおいて、初期設定作業が行われる。詳しくは、操作キー32の操作により上述した目標重量値Wt,下限重量値Wmin,上限重量値Wmax,重量閾値Wzおよび確率閾値Ptが設定される。
続いて、ステップS3として、操作キー32の操作により統計モードが選択され、上述した統計作業が行われる。この統計作業においては、各計量器70,70,…の一部または全部に物品が1個ずつ載置される。すると、制御装置30が、これらの計量器70,70,…によって測定された物品の重量値Wx、厳密には重量閾値Wz以上の重量値Wx(≧Wz)を、順次合計して、合計重量値ΣWxを求める。併せて、制御装置30は、合計された重量値Wxの数、つまり各計量器70,70,…によって重量測定が行われた物品の数C、を順次カウントする。さらに、制御装置30は、それぞれの物品の重量値Wxを2乗すると共に、この2乗重量値Wx2をも順次合計して、2乗合計値ΣWx2を求める。そして、相当数(例えば十数個〜数十個)の物品について、これら合計重量値ΣWx,カウント値Cおよび2乗合計値ΣWx2が得られると、制御装置30は、次の式9に基づいて、図4に示した分布上の平均重量値Waを求める。
《式9》
Wa={ΣWx}/C
さらに、制御装置30は、次の式10に基づいて、標準偏差σを求める。
《式10》
σ=[{ΣWx2−2・ΣWx・Wa+Wa2}/C]1/2
求められた平均重量値Waおよび標準偏差σは、メモリ回路40に記憶され、これをもって、統計作業が終了する。
そして、ステップS3として、操作キー32の操作により稼動モードが選択され、計量作業が行われる。具体的には、図8に示すように、ステップS11として、全ての計量器70,70,…に物品が載置される。すると、制御装置30は、上述した要領で最適組合せを選択するための組合せ演算を行う。この組合せ演算の結果、上述したように特定の計量器70のランプ84が緑色で点灯し、または白色で点滅する。併せて、ディスプレイ34に最適組合せ情報または除去物品情報が表示される。これを受けて、作業者は、最適組合せが存在するか否かを、次のステップS13で判定する。
このステップS13において、例えば最適組合せが存在するとき、つまり特定の計量器70のランプ84が緑色で点灯しているとき、作業者は、ステップS15として、当該ランプ84が点灯している計量器70から物品を取り除く。すると、この物品が取り除かれたことによって空になった計量器70のランプ84が消灯する。そして、次のステップS17として、作業者は、当該空の計量器70に適当な物品を載置する。これを受けて、制御装置30は、改めて組合せ演算を行う。この組合せ演算の結果を判定するべく、作業者は、ステップS13に戻る。
一方、ステップS13において、最適組合せが不存在のとき、つまり特定の計量器70のランプ84が白色で点滅しているとき、作業者は、ステップS19として、当該ランプ84が点滅している計量器70から物品を取り除く。すると、この物品が取り除かれたことによって空になった計量器70のランプ84が、当該計量器70に載置されるべき置換物品の上述したランクReに応じた発光色で点灯する。併せて、ディスプレイ34に置換物品情報が表示される。これを受けて、作業者は、ステップS21で、当該ランクReに応じた重量値Wxを持つ物品を選定して、これを置換物品として空の計量器70に載置する。そして、ステップS13に戻る。
以上のように、本実施形態によれば、最適組合せが不存在のとき、その最大要因となっている物品が除去物品として組合せの場から除去される。そして、この除去物品に代えて、最適組合せが構成されるのに必要な重量値Wxを持つ物品が置換物品として組合せの場に供給される。このとき、置換物品の選定が容易となるのに最小限必要な除去物品の個数が、指定される。これにより、置換物品の選定が容易となることが保証され、併せて除去物品の個数が最小限に抑えられるので、最適組合せが不存在の状態を効率よく解消することができ、ひいては計量作業全体の効率化が図られる。
また、置換物品としてどのような重量値Wxを持つ物品が必要であるのかが、計量器70のランプ84の発光色およびディスプレイ34に表示される置換物品情報によって呈示される。従って、置換物品の選定がさらに容易になる。
なお、本実施形態においては、最適組合せが不存在のとき、組合せの場の偏差Eに応じて、当該組合せの場に参加している各物品のうち、重量値Wxの大きいものから、または重量値Wxの小さいものから、除去物品として指定されるようにしたが、これに限らない。例えば、上述した従来技術のように、組合せの場の偏差Eとは全く無関係に、当該組合せの場において最も重量値Wxの大きいものから順に、除去物品として指定してもよい。これとは反対に、組合せの場において最も重量値Wxの小さい物から順に、除去物品として指定してもよい。
また、組合せ秤においては、組合せの場に長期間にわたって残留している物品、言わば滞留品、を当該組合せの場から強制的に排除する方式のものがある。このような方式の組合せ秤にも、本発明を適用することができる。即ち、或る物品が組合せの場に供給されてから一定期間が経過し、または一定回数の組合せ演算が行われても、当該或る物品が組合せの場から除去されないときは、これを滞留品とみなす。そして、この滞留品を、1個目の除去物品として優先的に指定すると共に、これと置き換えられるのに適した置換物品の存在確率Pcを求める。そして、この存在確率Pcが上述の確率閾値Pt未満であるときに、上述と同じ要領で除去物品を追加指定する。このようにすれば、滞留品を排除しつつ、最適組合せが不存在の状態を効率よく解消することができる。
さらに、極端に言えば、除去物品は、指定されなくてもよい。例えば、組合せの場に参加している任意の物品が、除去物品として順次1個ずつ除去されてもよい。そして、除去物品が1個ずつ除去されるたびに、置換物品の存在確率Pcが求められ、この存在確率Pcが確率閾値Pt以上となった時点で、作業者に対し、除去物品の除去を停止するよう命ずると共に、置換物品との置き換えを促すための何らかの情報が、呈示されるようにしてもよい。
そして、本実施形態においては、除去物品の指定個数kの初期値を“1”とし、存在確率Pcが確率閾値Pt以上となるまでこの指定個数kを増やすこととしたが、これに限らない。例えば、指定個数kの初期値を十分に大きい複数とし、存在確率Pcが確率閾値Pt以下となるまでこの指定個数kを徐々に減らし、当該存在確率Pcが確率閾値Pt以下となる直前の指定個数kを最終的に設定してもよい。
加えて、本実施形態では、上述の式2に基づいて組合せ個数Mおよび基準重量値Wbを求めることとしたが、これに限らない。例えば、当該式2における組合せの場の平均重量値Wa’に代えて、図4に示した分布上の平均重量値Waを採用してもよい。つまり、式2における組合せ個数Mに種々の自然数を代入して、これによって求められる基準重量値Wbが図4の分布上の平均重量値Waに等しい(Wb=Wa)か、最も近い値(Wb≒Wa)となるように、これら組合せ個数Mおよび基準重量値Wbを求めてもよい。また、任意の自然数(固定値)を組合せ個数Mとして設定し、この任意の組合せ個数Mを式2に代入することによって、基準重量値Wbを求めてもよい。さらに、基準重量値Wbは、図4の分布上の平均重量値Waと等価であってもよい。
また、図7に示したステップS5の計量作業において、図4の分布上の平均重量値Waおよび標準偏差σを適宜に更新してもよい。即ち、計量作業においては多数の物品の重量値Wxが得られるが、この重量値Wxが所定数、例えば図7に示したステップS3の統計作業におけるのと同程度の相当数、得られるたびに、上述の式9に基づいて平均重量値Waを求めると共に、式10に基づいて標準偏差σを求めてもよい。なお、標準偏差σに代えて、分散σ2を求めてもよい。
そして、上述の式7に基づいて偏差Weを求めたが、これに限らない。例えば、基準重量値Wbに代えて、除去物品の重量値Wxを採用し、この除去物品の重量値Wxに対する置換物品重量値Wcの偏差Weを求めてもよい。このようにすれば、置換物品重量値Wcが除去物品の重量値Wxと比較してどれくらいの大きさであるのかを、認識することができる。
さらに、図6に示したように、“+3”〜“−3”の6つのランクReを設けたが、これ以外のランク数としてもよい。また、これらのランクReを規定する各境界値“W2”〜“−W2”について、等間隔に設けられても、そうでなくてもよい。勿論、各ランクReに対応するランプ84の発光色も、図6に示した態様に限定されない。
また、本実施形態では、物品としてトマトやジャガイモ等の農産物を例に挙げたが、これに限らない。例えば、鱈子や数の子等の水産物を物品として採用することもできるし、これら農産物や水産物等の1次産品に限らず、ブロイラ(加工食肉)やかまぼこ等のような2次産品を物品として採用することもできる。
そして、本実施形態では、手動式の組合せ秤10を例に挙げて説明したが、半自動式の組合せ秤にも、本発明を適用することができる。なお、参考までに、半自動式の組合せ秤とは、それぞれの計量器に個別品が供給されるときは手動で行われ、当該計量器から個別品が取り除かれるときは自動で行われる方式のものである。