JP5128230B2 - 組合せ秤 - Google Patents

組合せ秤 Download PDF

Info

Publication number
JP5128230B2
JP5128230B2 JP2007263003A JP2007263003A JP5128230B2 JP 5128230 B2 JP5128230 B2 JP 5128230B2 JP 2007263003 A JP2007263003 A JP 2007263003A JP 2007263003 A JP2007263003 A JP 2007263003A JP 5128230 B2 JP5128230 B2 JP 5128230B2
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
weight value
weight
value
combination
target weight
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Active
Application number
JP2007263003A
Other languages
English (en)
Other versions
JP2009092496A (ja
Inventor
孝橋  徹
久志 津川
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Yamato Scale Co Ltd
Original Assignee
Yamato Scale Co Ltd
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Yamato Scale Co Ltd filed Critical Yamato Scale Co Ltd
Priority to JP2007263003A priority Critical patent/JP5128230B2/ja
Publication of JP2009092496A publication Critical patent/JP2009092496A/ja
Application granted granted Critical
Publication of JP5128230B2 publication Critical patent/JP5128230B2/ja
Active legal-status Critical Current
Anticipated expiration legal-status Critical

Links

Images

Landscapes

  • Sorting Of Articles (AREA)

Description

本発明は、組合せ秤に関し、特に、上下の境界重量値によって区切られた重量領域に属する重量値を持つ物品の当該重量値を種々に組み合わせて、組合せ重量値が目標重量値に等しいか最も近い組合せを選択する、組合せ秤に関する。
この種の組合せ秤として、重量値にバラツキのある同種多数の物品を複数の重量ランク別に選別した上で、それぞれの重量ランクごとに組合せの選択を行うものがある。例えば、特許文献1に開示された従来技術によれば、まず、選別モードによって、個々に重量値の異なる同種多数の物品が複数の重量ランク別に選別される。そして、組合せモードによって、同一重量ランクに属する物品の重量値が組み合わされて、組合せの合計重量値が目標重量値に一致し或いはこれに最も近い最適組合せが選択される。これにより、全体としての重量値が一定しており、しかも個々の物品の重量値が揃った商品が得られる、とされている。
特許第2678169号公報
ところで、上述の従来技術においては、具体的実施例として、選別モードによって、各物品が重量値の大きいものから順にR1,R2およびR3という3つの重量ランク別に選別され、組合せモードによって、それぞれの重量ランクR1,R2およびR3ごとにW1,W2およびW3という互いに異なる目標重量値を目指して最適組合せを選択するための組合せ演算が行われる事例が、開示されている。そして、物品としては、農産物や水産物等のいわゆる一次産品が、想定されている。ここで、1次産品である物品は、その重量値を変数として概ね正規分布する、と考えられる。従って、この物品の重量分布と、各重量ランクR1,R2およびR3と、各目標重量値W1,W2およびW3と、の関係を図で表すと、例えば図9のようになる、と推察される。
即ち、物品全体の平均重量値をwmとすると、この物品全体の平均重量値wmが中央の第2重量ランクR2の略中心重量値に位置するように、当該第2重量ランクR2と下側の第3重量ランクR3との境界重量値r1、および第2重量ランクR2と上側の第1重量ランクR1との境界重量値r2(r2>r1)が、それぞれ設定される。つまり、各境界重量値r1およびr2は、物品全体の平均重量値wmに関して互いに略対称となるように設定される。そして、それぞれの重量ランクR1,R2およびR3における物品の組合せ個数をM1,M2およびM3とすると、それぞれの重量ランクR1,R2およびR3において最適組合せを構成する物品の平均重量値はW1/M1,W2/M2およびW3/M3となり、当然にW1/M1>r2,r1<W2/M2<r2およびW3/M3<r1という関係になる。
このうち中央の第2重量ランクR2に注目すると、当該第2重量ランクR2において最適組合せを構成する物品それぞれの重量値の平均重量値W2/M2からの偏差の総和は、略ゼロになる。言い換えれば、最適組合せを構成する物品のうち、平均重量値W2/M2よりも下側の言わばマイナス側領域に属する物品それぞれの重量値の当該平均重量値W2/M2からの偏差の総和の絶対値と、平均重量値W2/M2よりも上側の言わばプラス側領域に属する物品それぞれの重量値の当該平均重量値W2/M2からの偏差の総和の絶対値とは、互いに略等価になる。従って、第2重量ランクR2については、最適組合せを構成する物品の平均重量値W2/M2が物品全体の平均重量値wmと略等価(W2/M2≒wm)になるように、つまり当該平均重量値W2/M2を軸として物品の分布形状が上下略対称に二分されるように、目標重量値W2が設定されれば、当該平均重量値W2/M2を対称軸とするマイナス側領域とプラス側領域とのそれぞれから最適組合せを構成する物品がバランスよく(満遍なく)選択される。
これに対して、例えば上側の第1重量ランクR1に注目すると、この第1重量ランクR1においても、最適組合せを構成する物品それぞれの重量値の平均重量値W1/M1からの偏差の総和は、略ゼロになる。つまり、最適組合せを構成する物品のうち、平均重量値W1/M1よりも下側のマイナス側領域に属する物品それぞれの重量値の当該平均重量値W1/M1からの偏差の総和の絶対値と、平均重量値W1/M1よりも上側のプラス側領域に属する物品それぞれの重量値の当該平均重量値W1/M1からの偏差の総和の絶対値とは、互いに略等価になる。しかし、第1重量ランクR1においては、第2重量ランクR2とは異なり、物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸となる重量値が存在しない。従って、例えば平均重量値W1/M1が境界重量値r2の近くに位置するように目標重量値W1が設定された場合、言い換えればプラス側領域の方がマイナス側領域に比べて物品の分布数が多く、かつプラス側領域の方がマイナス側領域に比べて平均重量値W1/M1からの偏差の絶対値が大きい重量値を持つ物品の比率が大きくなるように、目標重量値W1が設定された場合は、プラス側領域に属する物品に比べてマイナス側領域に属する物品の方が最適組合せを構成するのに数多く必要とされる。そうすると、組合せ演算が繰り返し行われていくうちに、特にプラス側領域において、いつまで経っても選択されずに居残ってしまう物品、いわゆる滞留品、が生じる。この滞留品が生じると、組合せ演算の対象となる物品の実質数が減るため、作業効率が低下する。一方、平均重量値W1/M1が境界重量値r2から離れる方向に目標重量値W1が設定された場合には、マイナス側領域において、滞留品が生じ易くなる。そして、この場合も、作業効率が低下する。このことは、下側の第3重量ランクR3についても、同様である。
つまり、従来技術では、第1重量ランクR1および第3重量ランクR3のように物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸重量値が存在しない重量領域において、目標重量値の設定によっては、滞留品が生じ、作業効率の低下を招く恐れがある。
そこで、本発明は、物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸重量値が存在しない重量領域において、滞留品の発生を抑制するべく適切な目標重量値を求めることができる組合せ秤を提供することを、目的とする。
この目的を達成するために、本発明は、重量値を変数として概ね正規分布状に分布する物品のうち或る上下2つの境界重量値によって区切られた重量領域に属する当該物品の当該重量値を種々に組み合わせて、組合せ重量値が組合せ目標重量値に等しいか最も近い組合せを選択する組合せ秤を、前提とする。ここで言う重量領域においては、物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸となる軸重量が不存在である。この前提の下、上側の境界重量値と組合せ目標重量値を所定の組合せ個数で除した物品1個当たりの目標重量値である単体目標重量値との間の上側領域に属する物品の重量値の当該単体目標重量値からの偏差の和である上側偏差合計値の絶対値と、下側の境界重量値と単体目標重量値との間の下側領域に属する物品の重量値の当該単体目標重量値からの偏差の和である下側偏差合計値の絶対値と、が互いに等しくなるように、組合せ目標重量値を算出する目標重量値算出手段、を具備する。この目標重量値算出手段は、当該重量領域を複数の領域に細分化すると共に、細分化された複数の領域それぞれの重量値と当該複数の領域それぞれにおける物品の正規分布に従う存在確率とに基づいて単体目標重量値を求め、さらに、当該単体目標重量値に組合せ個数を乗ずることで組合せ目標重量値を算出する。
即ち、本発明では、重量値を変数として概ね正規分布状に分布する物品のうち或る上下2つの境界重量値によって区切られた重量領域に属する当該物品の当該重量値が種々に組み合わされて、その組合せ重量値が組合せ目標重量値に等しいか最も近い組合せが、選択される。ここで言う重量領域においては、物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸となる軸重量が不存在である。言い換えれば、上側の境界重量値と物品1個当たりの目標重量値である単体目標重量値との間の上側領域における物品の分布形状と、下側の境界重量値と当該単体目標重量値との間の下側領域における物品の分布形状と、は互いに非対称である。しかしながら、上側領域に属する物品の重量値の単体目標重量値からの偏差の和である上側偏差合計値の絶対値と、下側領域に属する物品の重量値の当該単体目標重量値からの偏差の和である下側偏差合計値の絶対値と、は互いに等しい。つまりは、そうなるように単体目標重量値が求められ、ひいては当該単体目標重量値に所定の組合せ個数が乗ぜられることによって組合せ目標重量値が求められる。従って、例えば、上側領域の方が下側領域に比べて物品の分布数が多い場合には、当該上側領域の方が下側領域に比べて単体目標重量値からの偏差の絶対値が大きい重量値を持つ物品の比率が小さくなる。ゆえに、この場合は、上側領域に属する物品の方が下側領域に属する物品に比べて最適組合せを構成するのに数多く必要とされるので、これら上側領域および下側領域のそれぞれにおいて物品の過不足は生じず、特に上側領域における滞留品の発生が抑制される。このことは、上側領域の方が下側領域に比べて物品の分布数が少ない場合も、同様である。勿論、上側領域および下側領域に両方における物品の分布数が互いに同じである場合も、同様である。ここで、目標重量値算出手段は、当該重量領域を複数の領域に細分化すると共に、細分化された各領域それぞれの重量値と当該各領域それぞれにおける物品の正規分布に従う存在確率とに基づいて単体目標重量値を求め、さらに、当該単体目標重量値に組合せ個数を乗ずることで組合せ目標重量値を算出する。
なお、本発明において、正規分布に従う物品の分布形状は、例えば当該物品の平均重量値と、標準偏差や分散等の当該物品の重量値のバラツキ度合を表すデータと、によって決まる。これらのデータは、例えば組合せ秤の稼働運転前に、組合せ演算の対象となる物品それぞれの重量値を測定することによって得ることができる。また、組合せ秤の稼働運転中に得られた物品それぞれの重量測定値からも、当該データを得ることができる。
さらに、本発明においては、複数の重量領域が設定されるものとしてもよい。この場合、目標重量値算出手段は、それぞれの重量領域ごとに組合せ目標重量値を算出するものとする。
また、本発明では、目標重量値算出手段によって算出された組合せ目標重量値を設定する目標重量値設定手段を、さらに備えてもよい。
上述したように、本発明によれば、物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸重量値が存在しない重量領域においても、この重量領域全体からバランスよく最適組合せを構成する物品が選択されるようにするための適切な組合せ目標重量値が求められる。これにより、滞留品の発生が抑制され、作業効率が向上する。
本発明の一実施形態について、図1〜図8を参照して説明する。
本実施形態に係る組合せ秤10は、手動式と呼ばれるものであり、図1に示すように、1台の制御装置30と、この制御装置30に通信ライン50を介してバス接続されたN(N;2以上の整数)台の計量器70,70,…と、を備えている。なお、計量器70の台数Nの値は、N=10〜20程度が適当である。
このうち、制御装置30は、命令入力手段としての操作キー32と、表示手段としての液晶型のディスプレイ34と、を備えている。より具体的には、制御装置30は、図2に示すように、CPU(Central
Processing Unit)36を備えており、このCPU36に、入出力インタフェース回路38を介して、操作キー32およびディスプレイ34が接続されている。なお、ディスプレイ34としていわゆるタッチスクリーンを採用することによって、当該ディスプレイ34に操作キー32と同様の機能を担わせてもよい。
さらに、CPU36には、入出力インタフェース38を介して、上述の通信ライン50も接続されている。また、CPU36には、記憶手段としてのメモリ回路40も接続されている。このメモリ回路40は、ROM(Read Only Memory)やRAM(Random Access Memory),EEPROM(Electronically Erasable and Programmable Read Only Memory)等の半導体メモリによって構成されており、このメモリ回路40には、CPU36の動作を制御するための制御プログラム(メインプログラム)が記憶されている。
一方、それぞれの計量器70は、図示しない被計量物としての物品が手動(オペレータによる手作業)で載置される計量台72を備えている。この計量台72は、図3に示すように、荷重センサ74に結合されており、荷重センサ74は、当該計量台72に載置された物品の重量値wxに応じた電圧のアナログ計量信号を生成する。なお、荷重センサ74としては、例えば歪ゲージ式ロードセルが適当であるが、これに限定されない。
荷重センサ74によって生成されたアナログ計量信号は、増幅回路76によって増幅された後、A/D変換回路78に入力される。A/D変換回路78は、入力されたアナログ計量信号を、所定のサンプリング周期でサンプリングして、ディジタル計量信号に変換する。なお、A/D変換回路78によるサンプリング周期は、例えば1[ms]程度が適当であるが、これに限定されない。また、A/D変換回路78にアナログ計量信号が入力される前の段階、例えば増幅回路76の入力側または出力側において、アナログ計量信号に含まれる比較的に高い周波数帯のノイズ成分、例えば100[Hz]以上の主に電気的要因によるノイズ成分、を除去すべく、適当なアナログフィルタ回路を設けてもよい。
A/D変換回路78によって変換されたディジタル計量信号は、入出力インタフェース回路80を介して、CPU82に入力される。CPU82は、入力されたディジタル計量信号に含まれる比較的に低い周波数帯のノイズ成分、例えば100[Hz]以下の主に機械的要因によるノイズ成分、を除去するべく、当該ディジタル計量信号に移動平均処理等の適当なディジタルフィルタリング処理を施す。そして、処理後のディジタル計量信号に基づいて、物品の重量値wxを算出する。
CPU82によって算出された物品の重量値wxは、制御装置30(CPU36)に伝えられる。このため、CPU82は、入出力インタフェース回路80を介して、上述の通信ライン50に接続されている。また、CPU82には、入出力インタフェース回路80を介して、後述する“R1”,“R2”および“R3”という互いに異なる発光色の3種類のランプ84,86および88も接続されている。さらに、CPU82には、半導体メモリによって構成されたメモリ回路90も接続されており、このメモリ回路90には、CPU82の動作を制御するための上述とは別の制御プログラム(サブプログラム)が記憶されている。
なお、各計量器70,70,…には、それぞれを識別するための個別の計量器番号n(n=1〜N)が付されている。また、図には示さないが、制御装置30,通信ライン50および各計量器70,70,…は、1つの筺体に収容されることで一体化されている。
このように構成された本実施形態の組合せ秤10によれば、次のような手順で組合せ計量作業が行われる。
即ち、まず、全ての計量器70,70,…(計量台72,72,…)に手動で物品が載置される。なお、ここで言う物品は、例えばリンゴやタマネギ等の比較的に大形の農産物であり、1台の計量器70につき1個ずつ載置される。
それぞれの計量器70(CPU82)は、自身に載置された物品の重量値wxを上述した要領で算出する。算出された重量値wxは、通信ライン50を介して、制御装置30に伝えられる。
制御装置30(CPU36)は、各計量器70,70,…から伝えられたN個の重量値wxを、当該各計量器70,70,…の各識別番号nと共に、ディスプレイ34に表示する。併せて、制御装置30は、それぞれの重量値wxを、R1,R2およびR3という3つの重量ランク別に振り分けて、その結果をも、ディスプレイ34に表示する。さらに、制御装置30は、それぞれの重量ランクR1,R2およびR3ごとに最適組合せを選択するための組合せ演算を行う。
具体的には、例えば第1の重量ランクR1については、これに属する重量値wxを所定の組合せ個数M1ずつ組み合わせる。そして、組合せ重量値Wy1が、この第1重量ランクR1用に設定された目標重量値Wt1を下限とする許容重量範囲内にあり、かつ当該目標重量値Wt1に等しいか最も近い組合せを、最適組合せとして選択する。なお、許容重量範囲の幅ΔW1は、目標重量値Wt1の数[%]程度とされる。
第2の重量ランクR2についても、同様に、これに属する重量値wxを所定の組合せ個数M2ずつ組み合わせる。そして、組合せ重量値Wy2が、この第2重量ランクR2用に設定された目標重量値Wt2を下限とする許容重量範囲内にあり、かつ当該目標重量値Wt2に等しいか最も近い組合せを、最適組合せとして選択する。なお、この第2重量ランクR2についての許容重量範囲の幅ΔW2もまた、目標重量値Wt2の数[%]程度とされる。また、この第2重量ランクR2における組合せ個数M2は、第1重量ランクR1おける組合せ個数M1と同数であっても、そうでなくてもよい、
さらに、第3の重量ランクR3についても、これに属する重量値wxを所定の組合せ個数M3ずつ組み合わせる。そして、組合せ重量値Wy3が、この第3重量ランクR3用の目標重量値Wt3を下限とする許容重量範囲内にあり、かつ当該目標重量値Wt3に等しいか最も近い組合せを、最適組合せとして選択する。なお、許容重量範囲の幅ΔW3もまた、目標重量値Wt3の数[%]程度とされる。また、この第3重量ランクR3における組合せ個数M3は、第1重量ランクR1における組合せ個数M1および第2重量ランクR2における組合せ個数M2の少なくともいずれかと同数でも、そうでなくてもよい。
このような組合せ演算によって、例えば第1重量ランクR1について最適組合せが選択されると、制御装置30は、当該最適組合せを構成する物品が載置されているそれぞれの計量器70に対して、上述の“R1”という例えば黄色のランプ84を点灯させるように指示を送る。すると、この指示を受けた計量器70の“R1”ランプ84が点灯する。この“R1”ランプ84が点灯することによって、オペレータは、第1重量ランクR1について最適組合せが選択されたこと、および当該“R1”ランプ84が点灯している計量器70に載置されている物品が第1ランクR1の最適組合せを構成すること、を認識する。そして、オペレータは、この最適組合せを構成する物品を、それが載置されている計量器70から手動で取り除く。取り除かれた物品は、第1重量ランクR1の組合せ商品として1つに纏められ、例えば出荷のための次工程に送られる。
これと同様に、例えば第2重量ランクR2について最適組合せが選択されると、制御装置30は、当該最適組合せを構成する物品が載置されているそれぞれの計量器70に対して、“R2”という例えば赤色のランプ86を点灯させるように指示を送る。これにより、この指示を受けた計量器70の“R2”ランプ86が点灯し、これをもって、オペレータは、重量ランクR2について最適組合せが選択されたこと、および当該“R2”ランプ86が点灯している計量器70に載置されている物品が第2ランクR2の最適組合せを構成すること、を認識する。そして、オペレータは、この最適組合せを構成する物品を、それが載置されている計量器70から手動で取り除き、重量ランクR2の組合せ商品として、次工程に送る。
さらに、第3重量ランクR3について最適組合せが選択されると、制御装置30は、当該最適組合せを構成する物品が載置されているそれぞれの計量器70に対して、“R3”という例えば青色のランプ88を点灯させるように指示を送る。これにより、この指示を受けた計量器70の“R3”ランプ88が点灯する。オペレータは、このR3”ランプ88が点灯している計量器70から物品を取り除き、取り除いた物品を、第3ランクR3の組合せ商品として、次工程に送る。
物品が取り除かれたことによって空になった計量器70には、制御装置30から、点灯中のランプ84,86または88を消灯させるための指示が送られる。これにより、この指示を受けた計量器70のランプ84,86または88が消灯する。そして、空になった計量器70に新たな物品が載置されると、制御装置30は、上述と同じ要領で、改めて組合せ演算を行う。
ところで、本実施形態における物品は、農産物という一次産品であることから、図4に示すように、重量値wxを変数として概ね正規分布する、とみなすことができる。この物品の重量分布は、例えば当該物品の平均重量値wmおよび標準偏差σによって決まり、これら平均重量値wmおよび標準偏差σは、例えば組合せ計量作業に先立って、本実施形態における計量器70または別の計量装置によりそれぞれの物品の重量値wxを実際に測定することによって取得することができる。そして、このような物品の重量分布に対して、重量値wxの大きい側から小さい側に向かって(図4において上側から下側に向かって)第1重量ランクR1,第2重量ランクR2および第3重量ランクR3がこの順番で設定される。
具体的には、物品全体の平均重量値wmが中央の第2重量ランクR2の略中心重量値に位置するように、当該第2重量ランクR2と上側の第1重量ランクR1との境界重量値r12、および第2重量ランクR2と下側の第2重量ランクR2との境界重量値r23(r23<r12)が、それぞれ設定される。つまり、これらの境界重量値r12およびr23は、物品全体の平均重量値wmに関して互いに略対称となるように設定される。さらに、第1重量ランクR1については、その下限重量値である境界重量値r12よりも大きい上限重量値ru(ru>r12)が設定される。そして、第3重量ランクR3については、その上限重量値である境界重量値r23よりも小さい下限重量値rsが設定される。
即ち、重量値wxが、第1重量ランクR1と第2重量ランクR2との境界重量値r12以上であり、かつ上限重量値ru以下である(r12≦wx≦ru)、という条件を満たす物品は、第1重量ランクR1に選別され、この第1重量ランクR1に属する物品同士で組合せ演算が行われる。そして、重量値wxが、第2重量ランクR2と第3重量ランクR3との境界重量値r23よりも大きく、かつ第1重量ランクR1と第2重量ランクR2との境界重量値r12よりも小さい(r23<wx<r12)、という条件を満たす物品は、第2重量ランクR2に選別され、この第2重量ランクR2に属する物品同士で組合せ演算が行われる。さらに、重量値wxが、下限重量値rs以上であり、かつ第2重量ランクR2と第3重量ランクR3との境界重量値r23以下である(rs≦wx≦r23)という条件を満たす物品は、第3重量ランクR3に選別され、この第3重量ランクR3に属する物品同士で組合せ演算が行われる。そして、これらの条件のいずれをも満たさない物品、つまり重量値wxが上限重量値ruよりも大きい(wx>ru)物品、または重量値wxが下限重量値rsよりも小さい(wx<rs)物品は、商品として出荷するのに不適当な不良品であるとして、組合せ演算の対象から除外される。なお、上限重量値ruは、例えばru=wm+3・σに設定され、下限重量値rsは、例えばrs=wm−3・σに設定される。これによって、全物品のうちの約99.7[%]が、組合せ演算の対象とされる。
ここで、中央の第2重量ランクR2に注目すると、当該第2重量ランクR2において最適組合せを構成する物品の平均重量値wt2は、wt2=Wt2/M2となる。そして、この平均重量値wt2から最適組合せを構成する物品それぞれの重量値wxまでの偏差(=wx−wt2)の総和は、略ゼロになる。言い換えれば、最適組合せを構成する物品のうち、平均重量値wt2から第2重量ランクR2の上限重量値である境界重量値r12までの間の言わばプラス側領域Cに属する物品それぞれの重量値wxの当該平均重量値wt2からの偏差の総和の絶対値と、第2重量ランクR2の下限重量値である境界重量値r23から平均重量値wt2までの間の言わばマイナス側領域Dに属する物品それぞれの重量値wxの当該平均重量値wt2からの偏差の総和の絶対値とは、互いに略等価になる。従って、第2重量ランクR2については、最適組合せを構成する物品の平均重量値wt2が物品全体の平均重量値wmと略等価(wt2≒wm)になるように、つまり平均重量値wt2を軸として物品の分布形状が上下略対称に二分されるように、目標重量値Wt2が設定されれば、プラス側領域Cとマイナス側領域Dとのそれぞれから最適組合せを構成する物品がバランスよく選択される。
このことを踏まえて、制御装置30(CPU36)は、第2重量ランクR2についての目標重量値Wt2をWt2=wm・M2に設定する。これにより、当該第2重量ランクR2において最適組合せを構成する物品の平均重量値wt2が物品全体の平均重量値wmと略等価になり、プラス側領域Cとマイナス側領域Dとのそれぞれから最適組合せを構成する物品がバランスよく選択されるようになる。
続いて、上側の第1重量ランクR1に注目すると、この第1重量ランクR1において最適組合せを構成する物品の平均重量値wt1は、wt1=Wt1/M1となる。そして、この第1重量ランクR1においても、最適組合せを構成する物品それぞれの重量値wxの当該平均重量値wt1からの偏差(=wx−wt1)の総和は、略ゼロになる。つまり、最適組合せを構成する物品のうち、平均重量値wt1から上限重量値ruまでの間のプラス領域Aに属する物品それぞれの重量値wxの当該平均重量値wt1からの偏差の総和の絶対値と、第1重量ランクR1の下限重量値である境界重量値r12から平均重量値wt1までの間のマイナス側領域Bに属する物品それぞれの重量値wxの当該平均重量値wt1からの偏差の総和の絶対値とは、互いに略等価になる。しかし、第1重量ランクR1においては、第2重量ランクR2とは異なり、物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸となる軸重量値が存在しない。従って、第2重量ランクR2と同じ要領で、当該第1重量ランクR1についての組合せの目標重量値Wt1を設定することはできない。また、不用意に目標重量値Wt1が設定されると、上述の従来技術と同様に、プラス側領域Aおよびマイナス側領域Bのいずれかにおいて滞留品が生じ、作業効率が低下する。このことは、第3重量ランクR3についても、同様である。
そこで、第1重量ランクR1および第3重量ランクR3については、制御装置30は、第2重量ランクR2とは異なる要領で、それぞれの目標重量値Wt1およびWt3を設定する。例えば、第1重量ランクR1については、次の通りである。
即ち、第1重量ランクR1において最適組合せを構成する物品の平均重量値wt1は、当該最適組合せを構成する物品1個当たりの目標重量値である、とみなすことができるので、制御装置30は、第1重量ランクR1のプラス側領域Aに属する全ての物品の重量値wxの当該目標重量値wt1からの偏差の総和の絶対値と、マイナス側領域Bに属する全ての物品の重量値wxの目標重量値wt1からの偏差の総和の絶対値と、が互いに等価になるような当該目標重量値wt1を求める。このために、まず、第1重量ランクR1における物品の重量分布を規準化する。具体的には、物品の重量値wxを、変数zxを用いて、次の式1のように表す。
《式1》
zx={wx−wm}/σ
そして、制御装置30は、第1重量ランクR1の下限重量値である境界重量値r12、および上限重量値ruについても、それぞれ変数z12およびzuを用いて、次の式2および式3のように表す。
《式2》
z12={r12−wm}/σ
《式3》
zu={ru−wm}/σ
さらに、制御装置30は、この規準化された重量分布上で、図5に示すように、下限重量値z12から上限重量値zuまでの間を所定の重量値幅Δz単位で細分化する。つまり、任意の重量値zxを、次の式4によって表す。
《式4》
z[k]=z[0]+k・Δz
ここで、kは、細分化の序列を表す変数(k=0,1,2,…,K)であり、z[0]は、下限重量値z12に相当する。そして、変数kの最大値Kは、z[K−1]<zu≦z[K]を満足するように設定される。なお、図5は、説明の便宜上、z[K]=zuの状態を示す。また、重量値幅Δzとしては、例えば計量器70の最小目盛値Δwを規準化した値(=Δw/σ)が用いられる。
このように下限重量値z12から上限重量値zuまでの間を細分化した後、制御装置30は、細分化されたそれぞれの領域において物品が存在する確率(累積確率)Δp[k]を求める。具体的には、互いに隣り合う2つの重量値z[k−1]およびz[k]で挟まれた領域における確率Δp[k]を、次の式5によって求める。
《式5》
Δp[k]=p[k]−p[k−1]
この式5において、p[k]は、zx=0〜z[k]の領域における物品の存在確率であり、図6に示す標準正規分布表から導き出される。つまり、同標準正規分布表においてzx=z[k](またはこれに最も近い条件)に対応する確率値が、p[k]の値として導き出される。そして、式5において、p[k−1]は、zx=0〜z[k−1]の領域における物品の存在確率であり、これもまた、図6の標準正規分布表から導き出される。つまり、同標準正規分布表においてzx=z[k−1](またはこれに最も近い条件)に対応する確率値が、p[k−1]の値として導き出される。なお、図6の標準正規分布表は、予めデータ化された状態でメモリ回路40に記憶されている。また、この標準正規分布表において、変数zxが3.5以上(zx≧3.5)の確率値は、一律に0.4999とされる。
このようにして全ての細分化領域における物品の存在確率Δp[k](ただし、Δp[0]はない。)を求めた後、制御装置30は、物品1個当たりの規準化された目標重量値zt1を求める。つまり、プラス側領域Aに属する全ての物品の重量値zxの目標重量値zt1からの偏差(=zx−zt1)の総和の絶対値εaと、マイナス側領域Bに属する全ての物品の重量値zxの目標重量値zt1からの偏差の総和の絶対値εbと、が互いに等価になるような当該目標重量値zt1を求める。なお、この規準化された目標重量値zt1は、次の式6によって表される。
《式6》
zt1={wt1−wm}/σ
具体的には、まず、制御装置30は、図7に示すように、仮の目標重量値zt1’をzt1’=z[1]に設定する。そして、下限重量値z[0]からこの仮の目標重量値z[1]までの間の仮のマイナス側領域B’における偏差合計値εb’を求める。このとき、仮のマイナス側領域B’を構成するz[0]〜z[1]の間の細分化領域においては、重量値zxに拘らず物品の相対度数が一定であるとみなし、この細分化領域z[0]〜z[1]における偏差の絶対値の平均値em[1,1]を、次の式7によって求める。なお、この偏差平均値em[1,1]のカッコ内に示されている2つの数値のうち、前者の“1”という数値は、仮の目標重量値z[1]のカッコ内の数値を表し、後者の“1”という数値は、当該細分化領域z[0]〜z[1]の上限重量値z[1]のカッコ内の数値を表す。
《式7》
em[1,1]={1/2}・Δz
そして、制御装置30は、この式7によって求められた偏差平均値em[1,1]に、当該細分化領域z[0]〜z[1]における物品の存在確率Δp[1]を乗ずることによって、つまり次の式8によって、当該細分化領域z[0]〜z[1]に属する物品全体の偏差e[1,1]を求める。
《式8》
e[1,1]=em[1,1]・Δp[1]
なお、この時点での仮のマイナス側領域B’は、1つの細分化領域z[0]〜z[1]のみによって構成されているので、この式8により求められる偏差e[1,1]が、そのまま当該仮のマイナス側領域B’における偏差合計値εb’となる。つまり、仮の偏差合計値εb’は、次の式9によって求められる。
《式9》
εb’=e[1,1]=em[1,1]・Δp[1]
次に、制御装置30は、仮の目標重量値z[1]から上限重量値z[K]までの間の仮のプラス側領域A’における偏差合計値εa’を求める。即ち、まず、仮のプラス側領域A’を構成する全ての細分化領域z[1]〜z[2],z[2]〜z[3],…,z[K−1]〜z[K]のそれぞれにおける偏差平均値em[1,2],em[1,3],…,em[1,K]を求める。例えば、em[1,2]については、次の式10によって求め、em[1,3]については、式11によって求め、em[1,K]については、式12によって求める。
《式10》
em[1,2]={1/2}・Δz
《式11》
em[1,3]={1/2}・Δz+Δz
《式12》
em[1,K]={1/2}・Δz+{K−2}・Δz
そして、制御装置30は、各偏差平均値em[1,2],em[1,3],…,em[1,K]に対して、それぞれに対応する細分化領域z[1]〜z[2],z[2]〜z[3],…,z[K−1]〜z[K]における物品の存在確率Δp[2],Δp[3],…,Δp[K]を乗ずることで、それぞれの細分化領域z[1]〜z[2],z[2]〜z[3],…,z[K−1]〜z[K]における偏差e[1,2],e[1,3],…,e[1,K]を求める。例えば、e[1,2]については、次の式13によって求め、e[1,3]については、式14によって求め、e[1,K]については、式15によって求める。
《式13》
e[1,2]=em[1,2]・Δp[2]
《式14》
e[1,3]=em[1,3]・Δp[3]
《式15》
e[1,K]=em[1,K]・Δp[K]
さらに、制御装置30は、これらの偏差e[1,2],e[1,3],…,e[1,K]を互いに足し合わせることによって、つまり次の式16によって、仮のプラス側領域A’における偏差合計値εa’を求める。
《式16》
εa’=e[1,2]+e[1,3]+…+e[1,K]
このようにして仮のプラス側領域A’における偏差合計値εa’と仮のマイナス側領域B’における偏差合計値εb’とが求められると、制御装置30は、これら両者を互いに比較する。そして、次の式17が成立するか否かを判定する。
《式17》
εa’≦εb’
ここで、この式17が成立する場合、つまり仮のマイナス側領域B’における偏差合計値εb’が仮のプラス側領域A’における偏差合計値εa’以上となった場合、制御装置30は、その時点での仮の目標重量値zt1’=z[1]を適切な目標重量値zt1として特定する。一方、そうでない場合は、仮の目標重量値zt1’を1段階引き上げる。つまり、現時点での仮の目標重量値zt1’がzt1’=z[k]であるならば、zt1’=z[k+1]とする。そして、改めて、それぞれの仮の領域A’およびB’における偏差合計値εa’およびεb’を求める。
即ち、1段階引き上げられた後の仮の目標重量値zt1’が、例えば図8に示すようにzt1’=z[k]であるとすると、制御装置30は、仮のマイナス側領域B’を構成するそれぞれの細分化領域z[k’]〜z[k’+1](k’=0,1,2,…,k−1)における偏差平均値em[k,k’+1]を、次の式18によって求める。
《式18》
em[k,k’+1]={1/2}・Δz+[k−{k’+1}]・Δz
なお、この式18において、k=1、k’=0の場合が、上述の式7に対応する。
そして、制御装置30は、この式18によって求められたそれぞれの細分化領域z[k’]〜z[k’+1]における偏差平均値em[k,k’+1]に対して、当該細分化領域z[k’]〜z[k’+1]における物品の存在確率Δp[k’+1]を乗ずることによって、つまり次の式19によって、当該細分化領域z[k’]〜z[k’+1]における物品全体の偏差e[k,k’+1]を求める。
《式19》
e[k,k’+1]=em[k,k’+1]・Δp[k’+1]
なお、この式19において、k=1、k’=0の場合が、上述の式8に対応する。
さらに、制御装置30は、式19によって求められたそれぞれの細分化領域z[k’]〜z[k’+1]における偏差e[k,k’+1]を総和することによって、つまり次の式20によって、仮のマイナス側領域B’における偏差合計値εb’を求める。
《式20》
εb’=Σe[k,k’+1]
なお、この式20において、変数k’の範囲は、上述の如くk’=0,1,2,…,k−1である。また、この式20において、k=1、k’=0の場合が、上述の式9に対応する。
併せて、制御装置30は、仮のプラス側領域A’を構成するそれぞれの細分化領域z[k”]〜z[k”+1](k”=k,k+1,k+2,…,K−1)における偏差平均値em[k,k”+1]を、次の式21によって求める。
《式21》
em[k,k”+1]={1/2}・Δz+{k”−k}・Δz
なお、この式21において、k=1、k”=1の場合が、上述の式10に対応する。そして、この式21において、k=1、k”=2の場合が、上述の式11に対応する。さらに、この式21において、k=1、k”=K−1の場合が、上述の式12に対応する。
制御装置30は、式21によって求められたそれぞれの細分化領域z[k”]〜z[k”+1]における偏差平均値em[k,k”+1]に対して、当該細分化領域z[k”]〜z[k”+1]における物品の存在確率Δp[k”+1]を乗ずることによって、つまり次の式22によって、当該細分化領域z[k”]〜z[k”+1]における物品全体の偏差e[k,k”+1]を求める。
《式22》
e[k,k”+1]=em[k,k”+1]・Δp[k”+1]
なお、この式22において、k=1、k”=1の場合が、上述の式13に対応する。そして、この式22において、k=1、k”=2の場合が、上述の式14に対応し、同式22において、k=1、k”=K−1の場合が、上述の式15に対応する。
さらに、制御装置30は、式22によって求められたそれぞれの細分化領域z[k”]〜z[k”+1]における偏差e[k,k”+1]を総和することによって、つまり次の式23によって、仮のプラス側領域A’における偏差合計値εa’を求める。
《式23》
εa’=Σe[k,k”+1]
なお、この式23において、変数k”の範囲は、上述したようにk”=k,k+1,k+2,…,K−1である。また、この式23において、k=1の場合が、上述の式16に対応する。
このようにして仮のプラス側領域A’における偏差合計値εa’と仮のマイナス側領域B’における偏差合計値εb’とが求められると、制御装置30は、これら両者を互いに比較して、上述の式17が成立するか否かを判定する。そして、式17が成立する場合には、その時点での仮の目標重量値zt1’=z[k]を適切な目標重量値zt1として特定する。一方、そうでない場合は、式17が成立するまで、同様の動作を繰り返す。
適切な目標重量値zt1が特定されると、制御装置30は、これを図4に示した現実の分布上における目標重量値wt1に変換する。つまり、上述の式6の変形式である次の式24によって、当該現実の目標重量値wt1を求める。
《式24》
wt1=zt1・σ+wm
そして、制御装置30は、この式24によって求められた物品1個当たりの目標重量値wt1に対して、第1ランクR1における組合せ個数M1を乗ずることで、つまり次の式25によって、当該第1ランクR1における組合せの目標重量値Wt1を求める。
《式25》
Wt1=wt1・M1
制御装置30は、この式25によって求められた目標重量値Wt1を設定する。これにより、第1重量ランクR1においても、プラス側領域Aおよびマイナス側領域Bのそれぞれから最適組合せを構成する物品がバランスよく選択されるようになる。
これと同様の要領で、制御装置30は、第3重量ランクR3についても、目標重量値Wt1を設定する。これにより、第3重量ランクR3においても、プラス側領域Eおよびマイナス側領域Fのそれぞれから最適組合せを構成する物品がバランスよく選択されるようになる。
以上のように、本実施形態によれば、第1重量ランクR1および第3重量ランクR3のように物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸重量値が存在しない領域においても、これらの領域全体からバランスよく最適組合せを構成する物品が選択されるようにするための適切な目標重量値Wt1およびWt2が求められる。これにより、滞留品の発生が抑制され、作業効率が向上する。
なお、本実施形態においては、中央の第2重量ランクR2についての目標重量値Wt2をWt2=wm・M2に設定したが、この第2重量ランクR2についても、第1重量ランクR1および第3重量ランクR3と同じ要領で、当該目標重量値Wt2を求めてもよい。ただし、この場合も、結果的には、概ねWt2=wm・Mとなる。
また、本実施形態では、それぞれの重量ランクR1,R2およびR3において、商品のミニマム重量値を保証するべく、目標重量値Wt1,Wt2およびWt3を下限として許容重量範囲を設定したが、これに限らない。例えば、それぞれの許容重量範囲の中心に目標重量値Wt1,Wt2およびWt3を設定したり、或いは許容重量範囲を設けずに単に目標重量値Wt1,Wt2およびWt3のみを設定したりする等、個々の用途に応じた態様とすればよい。
さらに、それぞれの計量器70に各重量ランクR1,R2およびR3に対応する3つのランプ84,86および88を設けたが、これに限らない。例えば、一般に知られているRGB−LED(発光ダイオード)のように任意の発光色に変更可能な発光素子を用いることで、これらのランプ84,86および88を1つに纏めてもよい。また、単色発光の素子であっても、その点灯態様を変える(点滅させたり当該点滅の周期を変えたりする)ことで、これら複数のランプ84,86および88を設けるのと同様の作用を奏するようにしてもよい。
そして、本実施形態では、組合せ計量作業と並行して、各物品を各重量ランクR1,R2およびR3別に選別することとしたが、これに限らない。例えば、上述の従来技術と同様に、組合せ計量作業に先立って、まず各物品を各重量ランクR1,R2およびR3別に選別するための選別作業を行い、この選別作業の後に、それぞれの重量ランクR1,R2およびR3ごとに組合せ計量作業を行うようにしてもよい。
この場合、選別作業時に得られた各物品の重量値wxをメモリ回路40等に記憶させておけば、各重量値wx別(または上述した重量値幅Δzごとに細分化される領域のような小領域別)の物品の分布数を得ることができる。そして、上述した式5等における存在確率Δp[k]に代えて、この各重量値wx別の分布数を用いることによっても、第1重量ランクR1における目標重量値Wt1を求めることができる。このことは、第3重量ランクR3における目標重量値Wt1を求める場合も、同様である。
また、本実施形態においては、図7および図8に示したような規準化された分布上で目標重量値zt1を求め、ひいては現実の分布上での目標重量値Wt1を求めることとしたが、これに限らない。つまり、規準化された分布ではなく、現実の分布上で(言わば直接的に)当該目標重量値Wt1を求めてもよい。
さらに、本実施形態においては、3つの重量ランクR1,R2およびR3を設定したが、これ以外の数の重量ランクを設定してもよい。
また、複数の重量ランクに分けなくとも、物品の重量分布がそれ自体を上下略対称に二分し得る軸重量値を持たない場合には、本発明を適用することができる。
そして、物品として、リンゴやタマネギ等の比較的に大形の農産物を例に挙げたが、これに限らない。例えば、他の野菜や果物等の農産物であってもよいし、魚介類や海藻類等の水産物であってもよい。また、これら農産物や水産物等の1次産品に限らず、ブロイラ(加工食肉)やかまぼこ等の加工品、いわゆる2次産品、であってもよい。
さらに、本実施形態では、手動式の組合せ秤10を例に挙げて説明したが、半自動式や自動式の組合せ秤にも、本発明を適用することができる。なお、参考までに、半自動式の組合せ秤とは、それぞれの計量器に個別品が供給されるときは手動で行われ、当該計量器から個別品が取り除かれるときは自動で行われる方式のものである。そして、自動式とは、個別品の供給および除去がいずれも自動で行われる方式のものである。
本発明の一実施形態の概略構成を示すブロック図である。 同実施形態における制御装置の詳細を示すブロック図である。 同実施形態におけるそれぞれの計量器の詳細を示すブロック図である。 同実施形態における物品の重量分布とこれに設定される重量ランクとの関係を示す図解図である。 同実施形態における目標重量値の算出手順の一例を説明するための図解図である。 図5に続く手順を示す図解図である。 図5に続く手順を示す図解図である。 同実施形態における制御装置側のメモリ回路に記憶されている標準正規分布表を示す図解図である。 従来技術における物品の重量分布とこれに設定される重量ランクとの関係を示す図解図である。
符号の説明
10 組合せ秤
30 制御装置
32 操作キー
34 ディスプレイ
36 CPU
40 メモリ回路
70 計量器

Claims (3)

  1. 重量値を変数として概ね正規分布状に分布する物品のうち或る上下2つの境界重量値によって区切られた重量領域に属する該物品の該重量値を種々に組み合わせて、組合せ重量値が組合せ目標重量値に等しいか最も近い組合せを選択する組合せ秤において、
    上記重量領域においては上記物品の分布形状を上下略対称に二分し得る軸となる軸重量が不存在であり、
    上側の上記境界重量値と上記組合せ目標重量値を所定の組合せ個数で除した上記物品1個当たりの目標重量値である単体目標重量値との間の上側領域に属する該物品の重量値の該単体目標重量値からの偏差の和である上側偏差合計値の絶対値と、下側の上記境界重量値と該単体目標重量値との間の下側領域に属する該物品の重量値の該単体目標重量値からの偏差の和である下側偏差合計値の絶対値と、が互いに等しくなるように、該組合せ目標重量値を算出する目標重量値算出手段を具備し、
    上記目標重量値算出手段は、上記重量領域を複数の領域に細分化すると共に、細分化された該複数の領域それぞれの重量値と該複数の領域それぞれにおける上記物品の上記正規分布に従う存在確率とに基づいて上記単体目標重量値を求め、さらに、該単体目標重量値に上記組合せ個数を乗ずることで上記組合せ目標重量値を算出すること、
    を特徴とする、組合せ秤。
  2. 複数の上記重量領域が設定されており、
    上記目標重量値算出手段はそれぞれの上記重量領域ごとに上記組合せ目標重量値を算出する、
    請求項に記載の組合せ秤。
  3. 上記目標重量値算出手段によって算出された上記組合せ目標重量値を設定する目標重量値設定手段をさらに備える、請求項1または2に記載の組合せ秤。
JP2007263003A 2007-10-09 2007-10-09 組合せ秤 Active JP5128230B2 (ja)

Priority Applications (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263003A JP5128230B2 (ja) 2007-10-09 2007-10-09 組合せ秤

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2007263003A JP5128230B2 (ja) 2007-10-09 2007-10-09 組合せ秤

Publications (2)

Publication Number Publication Date
JP2009092496A JP2009092496A (ja) 2009-04-30
JP5128230B2 true JP5128230B2 (ja) 2013-01-23

Family

ID=40664624

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2007263003A Active JP5128230B2 (ja) 2007-10-09 2007-10-09 組合せ秤

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP5128230B2 (ja)

Family Cites Families (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP3581191B2 (ja) * 1995-05-08 2004-10-27 大和製衡株式会社 選別組合せ秤における表示装置
JP4795762B2 (ja) * 2005-09-22 2011-10-19 大和製衡株式会社 組合せ秤

Also Published As

Publication number Publication date
JP2009092496A (ja) 2009-04-30

Similar Documents

Publication Publication Date Title
WO2012039080A1 (ja) 計量システムおよび計量作業方法
US20170131137A1 (en) Weighing device
CN107589568B (zh) 一种led灯串自动学习检测装置及方法
JP5128230B2 (ja) 組合せ秤
TWI807414B (zh) 檢查裝置、檢查方法以及儲存介質
CN101410701B (zh) 电子秤
JP5015018B2 (ja) 組合せ秤
JPH0255919A (ja) 重量ランク別組合せ計量装置
JP2009115740A (ja) 組合せ秤
CN114974098A (zh) 一种led屏幕的快速热屏校正方法、装置及电子设备
JP4073858B2 (ja) 物品に対する計量または検査を行う装置
JP2008309511A (ja) 組合せ秤
WO2014076807A1 (ja) 製造工程の管理支援装置
JP2757057B2 (ja) 組合せ秤
JP4933379B2 (ja) 組合せ秤
JP5085299B2 (ja) 組合せ秤
JPH11153474A (ja) 組合せ秤
JP2014163864A (ja) 計量装置
JP5931617B2 (ja) 計量装置及び計量システム
JP5005361B2 (ja) 組合せ秤
JP6234290B2 (ja) 計量器
JP2011133309A (ja) 組合せ計量装置
JP4949143B2 (ja) 組合せ秤
JP2003254816A (ja) 組合せ計量装置
CN216349076U (zh) 一种组合称重设备

Legal Events

Date Code Title Description
A621 Written request for application examination

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A621

Effective date: 20100922

A977 Report on retrieval

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A971007

Effective date: 20120412

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120508

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20120709

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20120731

A521 Request for written amendment filed

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20121001

TRDD Decision of grant or rejection written
A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

Effective date: 20121030

A01 Written decision to grant a patent or to grant a registration (utility model)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A01

A61 First payment of annual fees (during grant procedure)

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A61

Effective date: 20121031

R150 Certificate of patent or registration of utility model

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

Ref document number: 5128230

Country of ref document: JP

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R150

FPAY Renewal fee payment (event date is renewal date of database)

Free format text: PAYMENT UNTIL: 20151109

Year of fee payment: 3

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250

R250 Receipt of annual fees

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: R250