JP2009174071A - コームガイド - Google Patents
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Abstract
【課題】ワレや毛羽の発生のないプリプレグが得られ、品種切り替え時間が低減でき、様々な領域の扁平度に広く対応できるコームガイドを提供すること。
【解決手段】複数の強化繊維糸条を引き揃える方法に用いるコームガイドであって、複数の強化繊維糸条の走行方向に交差して配置される基部と、該基部から突出する複数のピン部材から構成され、該ピン部材は基部の長手方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能であることを特徴とするコームガイド。
【選択図】図3
【解決手段】複数の強化繊維糸条を引き揃える方法に用いるコームガイドであって、複数の強化繊維糸条の走行方向に交差して配置される基部と、該基部から突出する複数のピン部材から構成され、該ピン部材は基部の長手方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能であることを特徴とするコームガイド。
【選択図】図3
Description
本発明は、繊維強化プラスチック等の繊維強化複合材料の成形に用いられるシート状プリプレグを製造する際に、複数本の強化繊維糸条を互いに平行に配列するコームガイドに関する。
繊維強化複合材料の成形に用いられる中間基材であるシート状プリプレグは、例えば多数の強化繊維糸条をシート状に一方向に引き揃え、該シート状強化繊維糸条に樹脂担持離型シートを重ね合わせて加圧、加熱し、樹脂を含浸させる方法、あるいは上記強化繊維糸条を支持シートと共に適当な溶媒で希釈した樹脂溶液に浸漬し、引き上げ、加熱して溶媒を除去する方法によって製造されている。
上記のいずれの方法においても、樹脂を均一に含浸させ、かつ強化繊維糸条中の単繊維が均一に配列され均一な物性のプリプレグを得るためには、樹脂含浸前に、複数の強化繊維糸条を等間隔にシート状に配列することが必要であり、このとき、各強化繊維糸条が極力拡開されていることが望ましい。
プリプレグを製造する為に一方向に強化繊維糸条を並べる方法として、従来は溝付ロールに複数の強化繊維糸条を1本1本掛け回すことによりなされるのが一般的であった。
しかしながら、強化繊維糸条の方向転換に溝付ロールを使用すると、以下に述べるような問題点が生じる。
1)溝付ロールへの入りの際に隣の溝部に一部の繊維が取られ、隣の溝部の強化繊維糸条と合糸されてしまう。
2)繊維切れの端部が溝部に引っ掛かり、ロールに巻き付く原因となる。
3)溝付ロールの溝部中央に強化繊維糸条が案内されず、糸条が溝部の片側の側壁に当って仮撚りが入ってしまい、そのような仮撚りの入った強化繊維糸条を用いてプリプレグを作成する場合に、プリプレグの表面に前記仮撚りに起因する凸凹が生じ、或いは仮撚りによって強化繊維糸条の開繊性が低下するため、開繊度として12000フィラメント当りの繊維目付が150g/m2以上のものしか作成できない。
1)溝付ロールへの入りの際に隣の溝部に一部の繊維が取られ、隣の溝部の強化繊維糸条と合糸されてしまう。
2)繊維切れの端部が溝部に引っ掛かり、ロールに巻き付く原因となる。
3)溝付ロールの溝部中央に強化繊維糸条が案内されず、糸条が溝部の片側の側壁に当って仮撚りが入ってしまい、そのような仮撚りの入った強化繊維糸条を用いてプリプレグを作成する場合に、プリプレグの表面に前記仮撚りに起因する凸凹が生じ、或いは仮撚りによって強化繊維糸条の開繊性が低下するため、開繊度として12000フィラメント当りの繊維目付が150g/m2以上のものしか作成できない。
そのため、従来から種々の改善案が出されている。例えば、特許文献1に開示されている糸条製造方法によれば、溝付ロールの溝の幅、高さ、ピッチを強化繊維糸条の直径と相関させて所定の寸法に設定することにより、溝の乗り越えや強化繊維糸条の絡み、糸切れなどを防止している。
特許文献2では、溝付きローラの代わりにローラコームを使用することにより、ロールの溝ではなくピンで走行幅の規制を行うことにより、仮撚りの混入を押さえている。
特公昭59−28662号公報
特開2002−242029号公報
しかしながら、上記の方法では、扁平なストランド形状を有する強化繊維糸条がコーム部を通過する際に、本来走行方向に対して、水平であるべき強化繊維糸条が立設し、通過後水平状態まで戻る為には、一定距離をコーム部から取る必要があった。この距離は強化繊維糸条の扁平度、張力、速度により求められるため、ロールとの距離を品種毎に使用する様々な扁平度を有する強化繊維糸条に対応して、調整することにより対応可能であるが、作業の繁雑さが伴い、品種切り換え時間の増加となっていた。さらに、ある領域の扁平度では、水平状態に戻るまでの必要な距離を設備上の制約等により確保することが出来ず、仮撚りとなり、プリプレグ上でのワレとなる。
従って、本発明の目的は、それを用いることでワレや毛羽の発生のないプリプレグが得られ、品種切り替え時間が低減でき、様々な領域の扁平度に広く対応できるコームガイドを提供することにある。
かかる課題を解決するため、本発明は以下の構成を有する。すなわち、
複数の強化繊維糸条を引き揃える方法に用いるコームガイドであって、複数の強化繊維糸条の走行方向に交差して配置される基部と、該基部から突出する複数のピン部材から構成され、該ピン部材は基部の長手方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能であることを特徴とするコームガイドである。また、前記ピン部材の先端は、回転する機構を有することが好ましい。
複数の強化繊維糸条を引き揃える方法に用いるコームガイドであって、複数の強化繊維糸条の走行方向に交差して配置される基部と、該基部から突出する複数のピン部材から構成され、該ピン部材は基部の長手方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能であることを特徴とするコームガイドである。また、前記ピン部材の先端は、回転する機構を有することが好ましい。
複数の強化繊維糸条を引き揃え、プリプレグを製造する方法において、本発明のコームガイドを用いれば、各強化繊維糸条を通過させるコームガイドの基部と該基部から突出する多数のピン部材が、基部の長手方向に対し、45度以上〜90度未満の間で任意に、傾斜をつけられることにより、ワレの発生のないプリプレグが得られ、また、製造に当たってロールとの位置調整を行うこと無く、様々な扁平度を有する強化繊維糸条に対応することが可能であるので、品種切り替え時間が低減できる。
また、前記ピン部材の前記ピン部材の先端が、回転する機構を有するものを用いた場合、上記効果に加え該ピン部材を通過する強化繊維束の擦過による毛羽発生も抑制される。
本発明のコームガイドは、複数の強化繊維糸条を引き揃える方法に用いるコームガイドであって、複数の強化繊維糸条の走行方向に交差して配置される基部と、該基部から突出する複数のピン部材から構成され、該ピン部材は基部の長手方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能であることを特徴とする。
ここで、複数の強化繊維糸条を引き揃えるとは、例えば一方向プリプレグを製造する場合において、強化繊維糸条を等間隔に平行に配列させることをいう。かかる目的のため、ピン部材とは、通過する強化繊維糸条をストランド単位でピンの間隔毎に1本ずつ並べる機能を有するものである。なお、本発明においていう等間隔や平行は数学的な厳密性を要するものではない。当然ながらプリプレグとしては強化繊維が面積当たり均等に、平行に含まれていることが好ましいことはいうまでもないが、製品として許容される精度のプリプレグを製造するために必要とされる範囲内であれば、多少のズレは許容されてもよく、プリプレグとしたときの強化繊維糸条の中心間の平均距離の±5%程度のずれは等間隔と見なしてよく、平行からの±2°以内のずれは平行と見なしてよいものとする。また、複数の強化繊維糸条を引き揃えた場合の複数の強化繊維糸条を含む面を走行面と呼ぶものとする。
本発明のコームガイドが、引き揃える対象としている強化繊維糸条は、引張弾性率が高く、伸びにくいと言う性質を有するため、通常の糸条とは取扱いを異とするものである。
かかる強化繊維糸条の具体例としては、ガラスファイバー、炭素繊維などの無機繊維や綿繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維などの有機繊維が挙げられ、複数本の単糸がサイジング等でひとまとまりになっているストランド形状を有するものである。プリプレグでは成形時の強化繊維糸条の拡がり等が必要とされることから、通常無撚の強化繊維糸条が用いられる。ここで、無撚りとは、撚りを有していないか、有していたとしても1m当たりの撚りが0.5ターン以下であることをいい、製造過程での加撚解撚を経ているかどうか等は問わないものとする。無撚りであることにより、強化繊維糸条中の各単糸が拘束されず移動し易いことから、プリプレグ製造時、とりわけ樹脂含浸時の加工性が良好となリ、均一な厚みのプリプレグが得られるものである。
かかる強化繊維糸条の具体例としては、ガラスファイバー、炭素繊維などの無機繊維や綿繊維、アラミド繊維、ポリエステル繊維などの有機繊維が挙げられ、複数本の単糸がサイジング等でひとまとまりになっているストランド形状を有するものである。プリプレグでは成形時の強化繊維糸条の拡がり等が必要とされることから、通常無撚の強化繊維糸条が用いられる。ここで、無撚りとは、撚りを有していないか、有していたとしても1m当たりの撚りが0.5ターン以下であることをいい、製造過程での加撚解撚を経ているかどうか等は問わないものとする。無撚りであることにより、強化繊維糸条中の各単糸が拘束されず移動し易いことから、プリプレグ製造時、とりわけ樹脂含浸時の加工性が良好となリ、均一な厚みのプリプレグが得られるものである。
無撚りの強化繊維糸条をプリプレグの製造に適用することにより、樹脂含浸時の加工性が良好となることは上述の通りであるが、一方で、強化繊維糸条を供給するクリール装置から、樹脂含浸等の加工工程へ引き揃えて供給する行程では、無撚りであることによる取扱い難さが存在する。すなわち、無撚りであるが故に強化繊維糸条中の各単糸が拘束されないことから拡がりやすく、幅広となる(あるいは元から幅広である)ことから、幅広な強化繊維糸条の扱いに特有の問題が生じる。
幅広な強化繊維糸条が、コームガイドを通過する際コームの間隔より強化繊維糸条の幅が広い場合には、従来のコームガイドでは強化繊維糸条の面が糸条の走行面に対し平行方向から垂直方向にねじれる為、垂直方向の変位差が発生し、ねじりの軸中心となる箇所とそこから離れた点では、強化繊維糸条内の単糸レベルで張力差が発生する。つまり、短い距離を通過する軸中心に近い単糸ほど、張力は低く、一方、長い距離を通過する軸中心から離れた単糸ほど、張力が高くなる。この張力差により、張力の高い単糸が張力の低い単糸側に動こうとして強化繊維糸条内部での撚り(内部撚り)や、単糸の蛇行が発生する。内部撚りや単糸の蛇行が入るとプリプレグ化の時に糸条中の単糸が拡がらないためワレ欠点が生じ、無撚り糸の特長である加工性が低下する。
これに対し、本発明のコームガイドはピン部材を傾斜可能とし、さらに角度を調整可能とすることにより、強化繊維糸条内部の単糸レベルでの張力差を極力抑える位置への調整が可能となり、内部撚りや単糸の蛇行を軽減し、プリプレグのワレ欠点を減少できるものである。かかる目的のため、本発明のコームガイドの基部は、前記ピン部材を支持すると共に、ピン部材の角度調整機構を有するものである。
一方向プリプレグ製造工程において、複数の強化繊維糸条を引き揃える工程は、マトリックス樹脂を含浸させる前段階であり、強化繊維糸条のおのおのを均一な間隔で一方向に並べることにより、強化繊維を面積当たり均等に、平行に含ませることで、厚みムラがなく品質の良いプリプレグを得るために行われる。本発明のコームガイドは、様々なフィラメント数、ストランドの扁平度を有する強化繊維糸条に対して、効果を有するが、好ましくは、フィラメント数1000〜24000本の範囲のフィラメント数を有する強化繊維糸条に特に有効である。
また、本発明のコームガイドは、以下の式で表される扁平度が、1/100〜1/1000で或る強化繊維糸条(かかる範囲の強化繊維糸条を扁平糸と呼ぶこともある)に特に有効である。
扁平度=糸厚み/糸条幅
本発明のコームガイドは上述のように、プリプレグの製造工程において用いられるものであるが、具体的には、引き揃えられた複数の強化繊維糸条の走行方向に交差する方向(以降、単に交差方向と記すこともある)に基部の長手方向を向けて設置して用いられる。かかる設置により、コームガイドの基部から突出する複数のピン部材は前記引き揃えられた複数の強化繊維糸条の走行方向に交差する方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能となるものである。
本発明のコームガイドは上述のように、プリプレグの製造工程において用いられるものであるが、具体的には、引き揃えられた複数の強化繊維糸条の走行方向に交差する方向(以降、単に交差方向と記すこともある)に基部の長手方向を向けて設置して用いられる。かかる設置により、コームガイドの基部から突出する複数のピン部材は前記引き揃えられた複数の強化繊維糸条の走行方向に交差する方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能となるものである。
このようにピン部材を傾斜可能とし、さらに角度を調整可能とすることを可能とした本発明のコームガイドのピン部材の傾斜を調整する機構としては、各ピンを平行に保った状態で、それらの角度同時に変えられる機構であれば、特に限定はされないが、例えば、図3に示すものが挙げられる。図3において、基部はピン部材の角度を調整時の支点を固定するピン支持部材2とピン部材の角度を調整するための角度調整部材3から構成されている。複数のピン部材1はボルトにより、ピン支持部材2と角度調整部材3の2箇所に固定されており、最末端にあるピン部材を固定しているボルトは角度変更板5の溝に通されておりこのボルトにより角度変更板の所定の位置に固定し、ピン部材の角度を変更・固定することができる。
図4にピン部材の角度変更時のガイド図を示す。変更の手順は、まず、角度変更板上接合部のボルトをゆるめ、適正な角度まで該部を移動後、再度、ボルトを締めることにより角度を固定する。
図4にピン部材の角度変更時のガイド図を示す。変更の手順は、まず、角度変更板上接合部のボルトをゆるめ、適正な角度まで該部を移動後、再度、ボルトを締めることにより角度を固定する。
各部の形状については、基部は上述の機能を有する限りにおいては、特に形状に制限はないが、ピン部材については糸の擦過による損傷を軽減するという理由で円形であることが好ましい。ピン部材の長さ、太さについては特に制限されるものでないが、糸道が上下した場合においても、基部に接触しないための長さとして、扁平度1/100〜1/1000程度の強化繊維糸条を扱う場合には70〜100mm程度基部から突出していることが好ましい。また、ピン部材の剛性を失わない太さとしては、強化繊維糸条の糸条幅が3〜10mmの場合、直径5〜10mm程度が好ましい。
材質は基部、ピン部材共に特に制限されるものではないが、CFRPや金属とすることが好ましく、エンジニアプラスチック製のロール表面に金属メッキを施したものを使用することもできる。
また、前記ピン部材の先端は、回転する機構を有することが好ましい。ここでいう先端部とは、ピン部材の最先端から、ピン支持部材2の上端の位置までの部分を言い、図4の6に示される。前記ピン部材の先端が、回転する機構を有することの意味は、糸条を引き揃える場合において、ピン部材自身が回転し、摩擦抵抗を低減することにより、糸条がピン部材と擦過することにより、単糸がほぐれ毛羽発生することに加え、毛羽溜まり発生による糸切れを低減することである。
例えば、走行する扁平糸に200〜1000g/本で張力が掛かった状態で、糸の通過速度1〜20 m/minに通過させた場合において、ピン部材の外周部がフリーで回転する場合と回転しない場合を例に取ると、後者に対し、前者はピン部材での毛羽や毛羽溜まりの発生が減少することが確認できる。
(実施例1)
ピン部材、ピン支持部材、角度変更板、角度調整部材全て、材質SUS304にて作成された図3に示す形状のコームガイド(但しピン部材の本数は10本)を用いた。なお、コームの両端のピン部材からピン部材までの距離は130mmであり、均一間隔に直径Φ5mmのピン部材が配置されている。
ピン部材、ピン支持部材、角度変更板、角度調整部材全て、材質SUS304にて作成された図3に示す形状のコームガイド(但しピン部材の本数は10本)を用いた。なお、コームの両端のピン部材からピン部材までの距離は130mmであり、均一間隔に直径Φ5mmのピン部材が配置されている。
引き揃える強化繊維糸条としてT800SC-24K-10E(東レ製、目付約1.0g/m)を10本使用し、図3に示すように上記コームガイドのピン部材1本に強化繊維糸条を仕掛けた。また、コームガイドは基部を、強化繊維糸条を引き揃えた走行面と平行に、強化繊維糸条の位置が、ピン部材の最先端とピン支持部材との中間位置となるよう、強化繊維糸条の走行方向と基部の長手方向が直交する様に設置し、強化繊維糸条の走行面と同高さに測定用ロール、糸巻取ワインダーを設置した。
測定用ロール径はΦ120のSUS304、ロール長は150mmとした。測定ロールまでの水平距離はコームガイドの基部に対して、500mmとした。また、糸巻取ワインダーは、強化繊維糸条全体を引っ張ることにより、張力を付与する為に使用し、水平距離はコームガイドに対し、測定ロールをはさみ500mmの距離に設置した。各糸条に掛かる張力は、クリールのブレーキと、ワインダーのトルクとのバランスを調整して、糸条一本当たり350g/本掛かるように調整した。
上記条件の下、ピン部材の先端が回転しないコームガイドを用い、ピン部の角度を45°に設定して、強化繊維糸条を引き揃え、コームガイドを通過後、測定ロール上において、走行方向に直交する方向に強化繊維糸条全数の糸条の状態を観察し、仮撚りによるワレの有無、および、ガイド外れ有無も確認した。またロール上における100m当たりの毛羽発生個数をカウントした。
(実施例2)
ピン部の角度を60°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例3)
ピン部材の角度を80°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例4)ピン部材の角度を85°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例5)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例6)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例2と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例7)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例3と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例8)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例4と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(比較例1)ピン部材の角度を90°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(比較例2)ピン部材の角度を30°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(比較例3)ピン部材の角度を20°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
結果、表1に示すように、実施例1〜4に適用した条件、すなわち、ピン部材の角度が45°以上90°未満の範囲では、ワレ・コーム外れともに無く、良好な繊維糸条形成できた。一方、比較例1〜3に適用した条件、すなわち45°未満、及び90°(従来技術)では、ワレが確認され、開繊状態が悪く、良好な繊維糸条形成が出来なかった。また、比較例2、3ではワレ無く良好な開繊状態を確認出来たものの、ガイド外れがあり、複数の繊維を同時に、引き揃えることが出来なかった。
また、実施例5〜8に適用した条件、すなわち、ピン部材傾斜角45°以上90°未満の範囲にて、ピン部材の先端が回転する場合、実施例1〜4に示す回転がない場合に比較して、ワレ無く良好な開繊状態を確認出来、かつ、毛羽の発生は少ない強化繊維糸条を形成できることを確認した。
上記条件の下、ピン部材の先端が回転しないコームガイドを用い、ピン部の角度を45°に設定して、強化繊維糸条を引き揃え、コームガイドを通過後、測定ロール上において、走行方向に直交する方向に強化繊維糸条全数の糸条の状態を観察し、仮撚りによるワレの有無、および、ガイド外れ有無も確認した。またロール上における100m当たりの毛羽発生個数をカウントした。
(実施例2)
ピン部の角度を60°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例3)
ピン部材の角度を80°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例4)ピン部材の角度を85°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例5)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例6)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例2と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例7)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例3と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(実施例8)ピン部材の先端が回転するものを用いた他は、実施例4と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(比較例1)ピン部材の角度を90°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(比較例2)ピン部材の角度を30°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
(比較例3)ピン部材の角度を20°に設定した他は、実施例1と同様にして強化繊維糸条を引き揃え、同様の評価を行った。
結果、表1に示すように、実施例1〜4に適用した条件、すなわち、ピン部材の角度が45°以上90°未満の範囲では、ワレ・コーム外れともに無く、良好な繊維糸条形成できた。一方、比較例1〜3に適用した条件、すなわち45°未満、及び90°(従来技術)では、ワレが確認され、開繊状態が悪く、良好な繊維糸条形成が出来なかった。また、比較例2、3ではワレ無く良好な開繊状態を確認出来たものの、ガイド外れがあり、複数の繊維を同時に、引き揃えることが出来なかった。
また、実施例5〜8に適用した条件、すなわち、ピン部材傾斜角45°以上90°未満の範囲にて、ピン部材の先端が回転する場合、実施例1〜4に示す回転がない場合に比較して、ワレ無く良好な開繊状態を確認出来、かつ、毛羽の発生は少ない強化繊維糸条を形成できることを確認した。
1 ピン部材
2 ピン支持部材
3 角度調整部材
4 ボルト部
5 角度変更板
6 先端部
7 基部の長手方向
8 測定ロール
2 ピン支持部材
3 角度調整部材
4 ボルト部
5 角度変更板
6 先端部
7 基部の長手方向
8 測定ロール
Claims (2)
- 複数の強化繊維糸条を引き揃える方法に用いるコームガイドであって、複数の強化繊維糸条の走行方向に交差して配置される基部と、該基部から突出する複数のピン部材から構成され、該ピン部材は基部の長手方向に対し、45度以上90度未満の範囲で、傾斜を調整可能であることを特徴とするコームガイド。
- 前記ピン部材の先端が、回転する機構を有することを特徴とする請求項1のコームガイド。
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