JP2009173915A - 粒子含有樹脂及びその製造方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 粒子の添加量が少なくても十分な特性を発揮し得る粒子含有樹脂を得ることができる粒子含有樹脂の製造方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の粒子含有樹脂の製造方法は、互いに対向して配置された一対の電極間に、粒子と、樹脂又は樹脂前駆体とを含有する原料混合物を配置する第1工程と、一対の電極間に電圧を印加して、原料混合物中の粒子を電界方向に配向させる第2工程と、一対の電極間に電圧を印加しながら、樹脂又は樹脂前駆体を固化させる第3工程とを有する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、粒子含有樹脂及びその製造方法に関する。
導電性を有するような微細な粒子等を樹脂中に分散させて得られるフィルムには、導電性フィルム、熱拡散フィルム等といった多様な用途がある。
例えば、近年、ナノテクノロジーの中核として、カーボンナノチューブ(以下、必要に応じて、カーボンナノチューブ一本を示す場合は「CNT」、複数本又は集合体を示す場合は「CNTs」と記載する。)が脚光を浴びている。CNTsは、一般に、直径0.5〜100nm程度、長さが50nm〜数mm程度の細長い繊維状(柱状)の粒子形状を有する炭素材料である。このCNTsは、電子ペーパー、フレキシブル表示板、フラットパネルディスプレイ等の画像表示装置の透明電極等に用いることができる導電性フィルムへの応用が検討されている。
このようなCNTsを用いた導電性フィルムとしては、例えば、熱可塑性ポリイミド樹脂等の樹脂にCNTsを加え、これを押出成形することによりフィルム状としたものが知られている(特許文献1参照)。
特開2004−346143号公報
上述したCNTsを用いた導電性フィルムは、例えば、透明導電性フィルムとして適用する場合、十分な導電性を得るためにある程度以上の量のCNTsを加える必要がある。ところが、CNTsは黒色であり可視光を吸収してしまうため、多く添加し過ぎるとフィルムの十分な透明性が得られない。そのため、CNTsを透明導電性フィルムとして適用する場合、CNTsの添加量をできるだけ小さくして十分な透明性を確保しつつ、同時に十分な導電性が得られるようにする必要がある。
しかしながら、上述した特許文献1のような従来の方法は、単に樹脂とCNTsとを混ぜてフィルム状に成形しているだけである。そのため、例えば、透明導電性フィルムを製造する場合、確実に導電性を得るためにはCNTsを多く添加する必要がある一方、CNTsの添加量を少なくすると十分な導電性が得られなくなる等、未だに十分な透明性と導電率とを両立させるのは困難な傾向にあった。また、この場合、部分的にCNTsの比率が高くなるなどCNTsの分散も不均一となり易く、フィルムの導電性が全面にわたって一様でなくなるため、例えば、画像表示装置に適用した場合、むらのある画像が表示され易くなってしまう不都合もあった。
このように、粒子を樹脂に分散させて得られたフィルムでは、従来、粒子の添加量を少なくしながら、十分なフィルムの特性を得ることは困難な傾向にあった。
そこで、本発明はこのような事情に鑑みてなされたものであり、粒子の添加量が少なくても十分な特性を発揮し得る粒子含有樹脂を得ることができる粒子含有樹脂の製造方法、及びこれにより得られる粒子含有樹脂を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の粒子含有樹脂の製造方法は、一対の電極間に、粒子と、樹脂又は樹脂前駆体とを含有する原料混合物を配置する第1工程と、一対の電極間に電圧を印加して、原料混合物中の粒子を電界方向に配向させる第2工程と、一対の電極間に電圧を印加しながら、樹脂又は樹脂前駆体を固化させる第3工程とを有することを特徴とする。
上記本発明の粒子含有樹脂の製造方法では、第2工程において、原料混合物中の粒子を、電界が強い方向に移動させることにより配向させることが好ましい。
原料混合物に含有させる粒子としては、繊維状粒子が好ましい。ここで、繊維状粒子とは、短軸に対する長軸の比(アスペクト比)が10を超えるものと定義する。また、粒子としては、繊維状粒子及び球状粒子を組み合わせて含んでいてもよい。
さらに、本発明においては、上記第3工程後、一対の電極のうちの少なくとも一方を、粒子含有樹脂から分離する第4工程を更に行ってもよい。
本発明はまた、上記本発明の製造方法により得られた粒子含有樹脂を提供するものである。
本発明によれば、粒子の添加量が少なくても十分な特性を発揮し得る粒子含有樹脂を得ることができる粒子含有樹脂の製造方法、及びこれにより得られる粒子含有樹脂を提供することが可能となる。
以下、図面を参照して本発明の好適な実施形態について説明する。なお、図面の説明において、同一の要素には同一の符号を付し、重複する説明については省略することとする。
図1は、好適な実施形態の粒子含有樹脂の製造方法に用いる製造装置の構成を概略的に示す図である。図1に示す製造装置100は、互いに対向するように離れて配置された一対の電極101と、この一対の電極101間の間隙を側方から塞ぐように配置されたスペーサー102と、一対の電極101間に電圧を印加する電源104とを備えた構成を有している。
この製造装置100において、一対の電極101はそれぞれ同一の長方形状を有しており、短辺が側方にはみ出すように互いに位置ずれして配置されている。一対の電極101同士の距離は、約1〜1000μmとされている。このような間隔で離間するように配置されることで、後述する誘電泳動を良好に生じさせることができる。電極101の構成材料は、電極等に通常用いられる導電材料であれば特に制限されない。なお、電極101は、単一の電極材料から構成されるものであってもよく、後述する実施形態のように、所定の基板上に、実際に電極として機能する面電極が設けられたような積層構造を有していてもよい。この場合、一対の電極101は、その面電極側が向かい合うように配置する。
スペーサー102は、対向配置された電極101によって形成された間隙の側部を塞ぐように設けられている。ただし、後述するような粒子含有樹脂の原料混合物を内部に導入できるように、対向する一対の側部にはスペーサー102は設けられておらず、電極101間の間隙が開放された状態となっている。なお、スペーサー102は、原料混合物を導入できる開口が少なくとも一部に設けられていれば、側部の全てを塞ぐように設けられていてもよい。また、原料混合物が容易には流出しない程度の粘度を有する場合等は、必ずしもスペーサー102を設けなくてもよい。
電源104は、一対の電極101のそれぞれにリード線103を介して接続されており、これらの電極101間に交流を印加することができる電源である。電源104としては、このような機能を有する電源であれば特に制限なく公知のものを適用できるが、後述する誘電泳動を良好に生じさせる観点からは、1GHzから1kHzの範囲の周波数の交流を印加できる高周波電源であると好ましい。
このような製造装置100を用いた粒子含有樹脂の製造においては、まず、粒子含有樹脂の原料混合物を調製する。かかる原料混合物は、粒子と、液状の樹脂又は液状の樹脂前駆体を含む。
粒子は、粒子含有樹脂の用途に必要な特性に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性フィルムとして用いる場合、導電性粒子を用いる。このような粒子としては、例えば、カーボンナノチューブ、カーボンナノファイバー、カーボンナノツイスト、カーボンナノコイル、カーボンマイクロコイル、炭素繊維、金属や半導体のナノファイバー又はナノロッド等が挙げられ、これらの1種又は2種以上を用いてもよい。また、これらのような繊維状粒子以外に、上記の材料等からなる球状粒子を用いることもできる。
粒子としては、少なくとも繊維状粒子を用いることが好ましく、繊維状粒子と球状粒子とを組み合わせて用いることも好適である。例えば、粒子含有樹脂を導電性フィルム、特に透明導電性フィルムに適用する場合は、高い導電性が得られるカーボンナノチューブ又はカーボンナノファイバーが好ましい。
カーボンナノチューブ(CNTs)としては、単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)、2層カーボンナノチューブ(DWCNTs)、3層カーボンナノチューブ(3WCNTs)、その他の多層カーボンナノチューブ(MWCNTs)を特に制限なく用いることができる。カーボンナノファイバーとしては、直径の太い(100〜300nm程度)カーボンナノファイバーやらせん状の形態を有するカーボンナノファイバーを適用できる。これらのカーボンナノチューブやカーボンナノファイバーは、樹脂又は樹脂前駆体中での分散性をよくするため、表面が水酸基、カルボキシル基、ニトロ基等の所定の官能基によって修飾されていてもよい。粒子としてCNTsを用いる場合、その大きさは、例えば、直径が1nm〜数十nm程度、長さが1μm程度であると好適である。
一方、樹脂又は樹脂前駆体も、粒子含有樹脂の用途に必要な特性に応じて適宜選択することができ、1種を単独で又は2種以上を組み合わせて用いることができる。ここで、樹脂前駆体とは、後述する固化後に樹脂を形成することができる前駆体化合物であり、固化の際に重合して樹脂を形成し得るモノマーやオリゴマー等が挙げられる。樹脂としては、熱硬化性樹脂、熱可塑性樹脂、光硬化性樹脂等を特に制限なく適用できる。例えば、粒子含有樹脂を透明導電性フィルムとして用いる場合には、固化状態で可視光に対して透明となる樹脂を適用でき、アクリル樹脂、ウレタンアクリレート樹脂、エポキシ樹脂等が好適である。
また、樹脂又は樹脂前駆体は、原料混合物が液状となるような性質を有するものが好ましい。原料混合物を液状とすることによって、後述するように電極101間に配置した後、電圧を印加する際に、原料混合物中の粒子を良好に配向させることができる。このような樹脂又は樹脂前駆体としては、それ自体が液状であるものや、溶媒に溶解して液状となり得るものが挙げられる。
原料混合物は、上述した粒子及び樹脂又は樹脂前駆体のほか、必要に応じて、原料混合物を液状とするための溶媒や、粒子含有樹脂の用途に求められる特性が得られる各種成分を更に含んでいてもよい。例えば、粒子同士のバインダーとしての機能を有するAuコロイド粒子やポリアニリン等の導電性微粒子を更に含んでいてもよい。
原料混合物中の各成分の配合割合は特に制限されず、粒子含有樹脂に求められる特性に応じて適宜選択することができる。例えば、粒子としてカーボンナノチューブを用い、粒子含有樹脂を透明導電性フィルムに適用する場合は、樹脂又は樹脂前駆体及び粒子の総量中、粒子の含有率が0.001〜10質量%となるようにすることが好ましく、0.01〜0.1質量%となるようにすることがより好ましい。
このような割合とすれば、本実施形態の製造方法により、粒子の含有量が少ないため十分な透明性が得られるとともに、十分な導電性も得られるようになる。本実施形態によれば、少ない粒子の添加量で十分な特性を有する粒子含有樹脂が得られることから、このような粒子の含有率は、従来の製造方法による場合で必要とされる値と比べて大幅に小さいものである。
上述した原料混合物は、樹脂又は樹脂前駆体、粒子及びその他の必要成分を混合することによって得ることができる。混合は、例えば、粒子の分散を良好にするために、超音波攪拌によって行うことができる。
原料混合物を準備した後、この原料混合物を、上述した製造装置100における一対の電極101間の隙間に導入する(第1工程)。原料混合物の導入は、例えば、図1中、矢印で示すように、上述したスペーサー102が設けられていない開口から原料化合物を注入するようにして行うことができる。原料混合物は、電極101に挟まれている領域を満たすように充填することが好ましく、この領域からはみ出すようにしてもよい。少なくとも対向する電極101の両方と接触するように原料混合物を電極101間に配置することで、後述する誘電泳動を確実に生じさせることができる。
次いで、原料混合物を間に挟んだ状態の一対の電極101間に、電源104により電圧を印加して、原料混合物中の粒子を電界方向に配向させる(第2工程)。
図2は、第2工程における電極及び原料混合物の状態を示す模式断面図である。図2に示すように、この例では、電極101として、ガラス基板201上に、実際に電極として機能する面電極202を設けた積層構造を有するものを用いている。そして、面電極202同士が向き合うように一対の電極101を対向配置させている。なお、製造装置100において、電極101は、面電極202にそれぞれリード線103が接続されることによって電源104に接続されているが、説明の簡略化のため、図2ではこれらの記載を省略してある。
図2に示す第2工程では、対向する面電極202間に電圧を印加する。印加する電圧は、例えば、1〜100Vppの範囲内で設定する。印加する電圧が高い方が、粒子に対する誘電泳動の力が大きくなり、配向を速く完了させることができる。ただし、電圧が高く、電界強度が強くなりすぎると、電気分解等によって気泡が発生し、得られる粒子含有樹脂の特性を低下させるおそれがあるので、この気泡が発生しない程度に高い電圧を印加することが好ましい。印加する電圧は、交流、特に、1GHzから1kHzの範囲の周波数を有する高周波交流であることが好ましい。
電極101(面電極202)間に電圧、好ましくは高周波交流を印加することによって、電極101間に電界が発生する。これにより、図2に示すように、原料混合物における樹脂又は樹脂前駆体(以下、まとめて「樹脂成分203」という)中に分散した粒子204が誘電泳動して配向する。
ここで、誘電泳動の原理について説明する。
通常、粒子を溶媒に分散してなる分散液に電場を与えると、溶媒と粒子との分極率の相違によって誘起双極子モーメントが発生する。そして、粒子の両側に形成される電場強度の差が、誘起双極子が及ぼす力の差となり、これに起因して粒子に力が作用し、この力の方向に粒子が移動するようになる。このときに働く誘電泳動力FDEPは、次式(1)で表されることが知られている。
DEP=2πεRe[(ε ε )/(ε +2ε )]∇E …(1)
かかる式(1)中のaは粒子の半径[m]、εは誘電率[F/m]、添え字p及びmはそれぞれ粒子及び溶媒のいずれの値であるかを示している。Eは電界(V/m)、Re[f(x)]は複素数f(x)の実数部分だけを取り出す演算子である。εは、下式(2)で定義される複素誘電率である。
ε=ε−(σ/ω)j …(2)
また、σは導電率[S/m]、ω(=2πf)は角周波数[Hz]、fは印加周波数[Hz]を表しており、jは虚数単位である。式(1)中のRe[(ε ε )/(ε +2ε )]で表される大括弧内の式は、下式(3)で表されるように、Clausius−Mossotti因子(CM因子:K(ω))と呼ばれ、分極の程度を表している。
(ω)=(ε ε )/(ε +2ε ) …(3)
このCM因子は、上記式(2)及び(3)より、溶媒及び粒子の導電率、誘電率、更に印加する周波数に依存し、−0.5〜1.0の値をとる。そして、上記式(1)より、誘電泳動力の方向は、CM因子に依存する。すなわち、CM因子の実部が正の場合には誘電泳動力は正となり、電場強度の大きい方に粒子を誘導する正の誘電泳動が作用する。一方、負の場合には誘電泳動力は負となり、電場強度の弱い方に粒子を誘導する負の誘電泳動力が作用する。
電極101間に電圧を印加することによりこのような誘電泳動を生じさせることで、原料混合物中の粒子204は次のような挙動を示すことになる。ここでは、粒子204として、主に正の誘電泳動力が作用するSWCNTsを用いた場合を例に挙げて説明する。すなわち、原料混合物において、樹脂成分203は固化前であるため、粒子204はこの樹脂成分203中をある程度自由に移動できるようになっている。そのため、上記のような誘電泳動力が作用すると、粒子204はまず、誘電泳動力が作用する方向に向かって移動し始め、最も電界強度が大きい面電極202まで移動することになる。この際、SWCNTsは、繊維状粒子であり長軸方向に分極されているため、その長軸方向の一端が面電極202に接するとともに、その長軸方向が電界方向に沿うように配置される。
この粒子204の移動がある程度生じると、面電極202に先に付着した粒子204(図2中、粒子204a)の部分の電界強度が大きいため、原料混合物中に分散している他の粒子204(図2中、204b)は、この面電極202に付着している粒子204aに向かって移動するようになる。SWCNTsのような繊維状粒子の場合、長軸方向の端部付近が最も電界強度が大きくなるため、粒子204aと粒子204bとは、これらの端部付近で互いに接するように近づくことになる。さらに、粒子204aへの粒子204bの付着がある程度生じると、原料混合物中に分散している他の粒子204bが、粒子204aに付着した粒子204bに向かって移動するようになり、これらの端部同士で接するように付着する。そして、このような誘電泳動による粒子204の移動が順次生じると、やがて、図2に示すように、粒子204は、その長軸方向の端部同士で互いに接するように連続して配置され、電界方向に沿って略直線状に並べられる。そして、粒子204は、このように配向されることにより、最終的には面電極202同士を架橋するようにつながる。
粒子として、SWCNTsからなる粒子204のような繊維状粒子を用いると、上記のように第2工程では、当該粒子の長軸方向が電界方向に沿うように連続して並べることができる。したがって、かかる繊維状粒子によれば、より少ない粒子の添加量でも後述するような良好な導電性や熱伝導性を得ることができる。また、配向方向に垂直な方向は粒子の密度が相対的に小さくなるため、配向方向の透明性もより高められる傾向にある。ただし、粒子として、このような繊維状粒子ではなく球状粒子を用いる場合であっても、球状粒子は、電界方向に沿って連続するように配向することができるため、配向による同様の効果は十分に得ることができる。
また、繊維状粒子と球状粒子とを組み合わせて用いると、繊維状粒子が上述のような形態で配向するとともに、隣り合う繊維状粒子の間を球状粒子が介在するような配向状態となる場合もある。そして、このような配向状態が形成されると、繊維状粒子がその端部同士で直接接する場合よりも粒子同士の接触性が良好となる傾向にある。これによって、後述するような導電性や熱伝導性の効果が更に良好に得られる場合がある。
さらに、上記で説明したものとは異なり、負の誘電泳動が生じるような粒子を用いる場合は、電界とは垂直方向に誘電泳動力が働くため、粒子は電界と垂直な方向、すなわち、電極101と平行な方向に沿って配向されることになる。いずれにしても、本発明の製造方法では、粒子が一定方向につながるように配向させることができるため、後述するように、少ない粒子の添加量で配向方向に良好な特性(導電性や熱伝導性)を有する粒子含有樹脂が得られる。
なお、上述したような配向は、一対の電極101間に、固化後にそのまま粒子含有樹脂となる原料混合物を配置していることにより、電極付近の電界強度を最も高くし、この電界強度に対応した配向を生じさせることができるために可能となる。したがって、例えば、電極間に所定の膜等を配置し、これに向かって原料を移動させる方法等では、電界強度の分布が全く異なるようになるため、本発明のような配向は全く生じ得ない。
ここで、図4、図5及び図6を参照して、このような電界強度の分布の相違について説明する。図4は、一対の電極間に原料化合物を配置した構成とした場合に得られる電界強度の分布の一例を示す図である。図5は、一対の電極間に原料化合物を配置するとともに、この原料化合物内に所定の多孔質膜を配置した状態を示す図であり、図6は、図5に示した多孔質膜付近の電界強度の分布の一例を示す図である。
図4において、上下に配置されたEは一対の電極を示しており、この電極E間に原料化合物Sが満たされた状態となっている。そして、図4における原料化合物Sの領域に付した線は、この領域を電界強度の程度に応じて区画するものであり、この線に区画された領域に付された数字が小さいほど、その領域の電界強度が大きいことを示す。図4に示すように、本発明のように一対の電極間に原料化合物のみを配置する例では、電極に近づくほど電界強度が大きい分布となる。そのため、原料化合物中の粒子は、上述したような配向を生じることができる。
一方、図5において、一対の電極E間に、原料化合物Sが満たされるとともに、この原料化合物S中に、電極Eと平行となるように多孔質膜Mが配置されている。なお、一方の電極E側には、パターン化のために絶縁層Iが複数形成されているが、これは絶縁物であるため、電界強度の分布には影響しない。図6(a)は、原料化合物S中の多孔質膜M付近の電界強度分布を示している。同図において、多孔質膜Mの周囲(図中、上下)の原料化合物S、及び、多孔質膜Mの孔中(図中、3の電界強度を有する部分)に満たされた原料化合物Sの部分の電界強度が示されており、着色されていない部分が多孔質膜Mである。また、図6(b)は、図6(a)における多孔質膜Mの孔の開口(入り口)付近の電界強度分布を拡大して示している。図6に示されるように、原料化合物S中に多孔質膜M等の膜を配置すると、膜部分の電界強度が大きくなる。したがって、このような配置とした場合、原料化合物中の粒子は、電極ではなく多孔質膜の孔に向かって移動することになるため、本発明のような配向を生じさせることはできない。
このようにして第2工程で粒子204を配向させた後には、電極101間に電圧を印加しながら、樹脂成分203(樹脂又は樹脂前駆体)を固化させる(第3工程)。これにより、粒子204は、第2工程で生じさせた配向を維持したまま、樹脂成分203の固化物中で固定される。
この第3工程では、樹脂成分203の固化は、例えば、熱又は光硬化性樹脂を用いた場合、加熱又は光照射によって硬化させることにより実施する。また、樹脂成分203が熱可塑性樹脂の前駆体である場合は、適宜加熱等を行うことにより前駆体(モノマーやオリゴマー等)の重合を進行させ、固化状態の熱可塑性樹脂を生じさせればよい。さらに、硬化性樹脂の前駆体であるモノマーやオリゴマーを用い、固化の際に重合及び硬化をまとめて生じさせてもよい。
このようにして、原料混合物中の樹脂成分203を固化させた後、必要に応じて電極101を取り外すことによって、固化した樹脂成分203中に粒子204が分散して含まれる粒子含有樹脂が得られる。
上述した実施形態のような粒子含有樹脂の製造方法では、第2工程において、樹脂(又は前駆体)及び粒子を含む原料混合物に電界が加わることから、樹脂中において粒子に誘電泳動の力が働き、粒子が電界の方向に沿って配向し、例えば、この方向に連なるように連続して配置されるようになる。そして、第3工程において、電圧を印加したまま樹脂(又は前駆体)を固化させることから、上記の粒子の配向が維持されたまま、粒子含有樹脂が形成される。
したがって、上記の製造方法によれば、配向によって上述したような特定方向に粒子が並べられた粒子含有樹脂が得られるため、この粒子含有樹脂は、粒子の配向方向に沿う方向の導電性や熱伝導性が高められ、粒子が少量であってもこれらの特性に十分に優れるものとなる。その結果、粒子含有樹脂を導電性フィルムに適用する場合は、粒子を少なくして良好な透明性が得られるようにしても、上記の配向によって十分な導電性をも得られるようになる。また、熱伝導性フィルムとする場合は、粒子を少なくしながらも十分な熱伝導性が得られるようになる。
次に、上述の製造方法で得られる粒子含有樹脂の構成の一例について説明する。図2は、正の誘電泳動を受ける繊維状粒子であるSWCNTs等を用いた場合の第2工程の断面構成を示す図であるが、これによって得られた粒子含有樹脂も、図2に示す断面構成をそのまま維持したものとなる。
すなわち、この例で得られる粒子含有樹脂においては、粒子204は、隣接するもの同士がその長軸方向の端部付近で順次接するようにして連続して配置される。この粒子204が連続している方向(すなわち配向方向)は、上記第2工程において印加した電界方向と一致する。したがって、粒子含有樹脂において、粒子204は、第2工程において電極と接していた両面間をつなぐように連続して配置される。また、この電極と接していた面付近では、粒子204は、一方の端部が当該面と接するとともに、その長軸方向がこの面から略垂直に立ち上がるようになっている。
このように構成された粒子含有樹脂は、粒子204を配向させた方向に導電性を有するとともに、これと垂直な方向には絶縁性を有する、いわゆる異方導電性を有するものとなり得る。また、粒子204の配向方向に高い熱伝導性を有し、これと垂直な方向には配向方向よりも低い熱伝導性を有するようにもなる。さらに、粒子204は、不規則に配向するのではなく、一方向に連続して並ぶように配向することから、配向方向に高い透明性を有することもできる。すなわち、図2に示した第2工程を経て得られた粒子含有樹脂は、その膜厚方向への導電性、熱伝導性及び透明性が高いものとなる。
なお、粒子として、繊維状粒子でないものや、負の誘電泳動を生じるものを用いた場合も、それぞれの配向方向に対応して同様の効果が得られるようになる。
上記のようにして製造された粒子含有樹脂は、例えば、粒子として導電性粒子を用いた場合、導電性フィルムとして用いることができ、特に、硬化後に透明である樹脂または樹脂前駆体を用いた場合、透明導電性フィルムとして適用することができる。このような導電性フィルム等は、上記の製造により得られた膜状の粒子含有樹脂をそのまま、またはこれを適宜加工することによって得ることができる。また、所定の基板(透明基板等)上に、粒子含有樹脂の層を設けた構成であってもよい。
このような透明導電性フィルムは、例えば、電子ペーパー、フレキシブルディスプレイ、フラットパネルディスプレイ等の透明電極として好適に用いることができる。そして、透明導電性フィルムを構成する粒子含有樹脂は、上述したような製造方法によって得られたものであるから、少ない粒子の添加量であり十分な透明性を有するとともに、十分な導電性も得られるものとなる。
また、粒子含有樹脂は、熱伝導性を有する熱拡散フィルムに適用することができる。熱拡散フィルムに適用する場合、透明性が要求されることは少ないため、粒子の含有量を多くすることもできるが、上述した実施形態の製造方法によれば、従来と同じ粒子含有量であっても優れた熱伝導性を有する粒子含有樹脂が得られるため、熱拡散フィルムに好適な粒子含有樹脂を提供することが容易となる。
このような熱拡散フィルムは、種々の用途に適用でき、例えば、高周波高出力増幅器に適用するのに好適である。次世帯以降の無線通信システムに向けた高性能な高周波出力増幅器の実現のためには、例えば、フェイスアップの構造の増幅器においては、トランジスタチップの電極と、パッケージの電極とを電機接続する金属ワイヤーのインダクタンスが問題となっている。その解決策としては、トランジスタチップを裏返し、このチップの電極とパッケージの電極とを金等の短い金属バンプ(突起電極)で接続するフリップチップ構造が提案されている。しかしながら、高周波高出力増幅器で用いられる高出力トランジスタで発生した大量の熱を逃がすには、従来の金属バンプでは未だ放熱性の点で不十分であった。
そこで、金属バンプに代えてCNTsを用いることで、放熱性と高い増幅率とを同時に実現することが試みられている。この技術では、従来、電極に垂直に配向するようにCNTsを成長させて、CNTsバンプとフリップチップとの接合を行っている。しかし、このように電極にCNTsを直接成長させると配向は統一できるものの、電極の性質によって形成できるCNTsの形状が制限される可能性があった。また、この場合、電極が高温の炭素析出条件下に曝されるため、電極の材質が劣化してしまうという問題もある。
これに対し、本発明により得られる粒子含有樹脂を適用した熱拡散フィルムによれば、粒子としてCNTsを用い、その含有量を適度の範囲とすることにより、上述した異方導電性とともに配向方向に高い熱伝導性を得ることができる。そこで、かかる熱拡散フィルムを高周波高出力増幅器に適用し、この熱拡散フィルムを介してパッケージの電極上にフリップチップを支持するようにすれば、優れた放熱性とともに、高い増幅率を得ることも可能となる。
以上、本発明の粒子含有樹脂及びその製造方法の好適な実施形態について説明したが、本発明は必ずしも上述した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない範囲で適宜変更することが可能である。
例えば、上述した実施形態では、第1工程において、一対の電極を互いに離間して対向配置させてから、その間に原料混合物を導入するようにしたが、これに限定されず、あらかじめ一方の電極に原料混合物を塗布した後、これに他方の電極を張り合わせるようにしてもよい。
また、上記実施形態では、第2工程において粒子の配向を生じさせた後、第3工程において樹脂又は樹脂前駆体の固化を行ったが、第2工程と第3工程とは別々に行う必要は無く、同時に行ってもよい。すなわち、一対の電極間に電圧を印加して粒子を配向させながら(第2工程)、樹脂又は樹脂前駆体の固化を進める(第3工程)ようにしてもよい。ただし、粒子の十分な配向を生じさせる観点からは、電圧を印加した後の一定時間は、固化を生じないようにすることが好ましい。
さらに、第3工程後には、樹脂又は樹脂前駆体の固化により得られた粒子含有樹脂から、配向に用いた一対の電極のうちの少なくとも一方を分離する第4工程を更に行ってもよい。この際、電極は一方のみを取り外してもよく、両方を取り外してもよい。このように電極が取り外された面には、粒子含有樹脂の用途に応じて、再び電極が形成されることもある。なお、配向に用いた電極は、そのままでも所定の用途に適用できるのであれば、取り外さずに残しておいてもよい。こうすると、粒子含有樹脂中の粒子と、電極との接触抵抗を小さくでき、粒子含有樹脂の厚さ方向の抵抗を小さくできる場合もある。
以下、本発明を実施例により更に詳細に説明するが、本発明はこれらの実施例に限定されるものではない。
[実施例1]
単層カーボンナノチューブ(SWCNTs)25mg及び3Mの硝酸を混合して、これを20分間超音波攪拌した。次に、得られた混合物を多量の純水で希釈した後、110℃に加熱して水分を蒸発させ、乾燥させた。この処理により、表面が水酸基及びカルボキシル基等によって修飾されたSWCNTsを得た。
上記修飾処理後のSWCNTsを、0.01重量%の濃度となるようにウレタンアクリレート系のUV硬化樹脂(重合開始剤としてイルガキュア184を3重量%含む)中に混ぜて、一時間超音波攪拌した。次いで、10,000rpmで30分間の遠心分離を行い、樹脂中にSWCNTsが分散された原料混合物を得た。
この原料混合物を用い、図1に示すような製造装置100を用いて粒子含有樹脂からなるフィルムを製造した。すなわち、まず、原料混合物を一対の電極101間に充填した後(第1工程)、これらの電極101間に100kHz、20Vppの高周波交流を30分間印加して誘電泳動を生じさせることにより、SWCNTsを配向させた(第2工程)。次いで、電極101間に電圧を印加した状態のまま、原料混合物にUV光(280〜380nmの波長域)を、10mJ/cmで100秒間照射して、UV硬化樹脂を硬化させて(第3工程)、粒子含有樹脂を形成した。
[比較例1]
SWCNTsの配向を行わなかったこと、すなわち、原料混合物を一対の電極101間に充填した後、電圧の印加を全く行わなかったこと以外は、実施例と同様にして粒子含有樹脂を形成した。
[比較例2]
SWCNTsの濃度を0.1重量%としたこと、及び、SWCNTsの配向を行わなかったこと以外は、実施例1と同様にして粒子含有樹脂を形成した。
[抵抗値の測定]
実施例1及び比較例1〜2で得られた膜状の粒子含有樹脂について、それぞれ電極101に挟まれたままの状態で、これらの膜厚方向(電極101の対向方向)及びこれと垂直な膜面方向の抵抗値をそれぞれ測定した。得られた結果を表1に示す。
[光透過率及び光吸収率の測定]
実施例1及び比較例1〜2で得られた膜状の粒子含有樹脂について、それぞれ分光測定を行い、波長500nmの光に対する透過率を測定した。また同時に反射率も測定し、粒子含有樹脂の波長500nmの光の吸収率(100−透過率−反射率)も算出した。得られた結果を表1に示す。
表1に示すように、誘電泳動による粒子(SWCNTs)の配向を行った実施例1によれば、誘電泳動を行わなかった比較例1及び2と比べても十分な導電性が得られることが確認された。また、比較例1及び2では得られなかった、膜面方向への導電性が高い異方導電性や、高い光透過性(高い透過率及び低い吸収率)といった特性が得られることが判明した。
[誘電泳動における配向の確認]
第2工程における誘電泳動により粒子の配向が生じることを確認するため、次のような実験を行った。
すなわち、薄いガラス板上にITOを形成した電極を準備し、一対の電極をITOが向き合うように対向して配置した後、この電極間に、CNTs及び水を含む混合物を導入した。次いで、この状態で電極間に電圧を印加し、CNTsの配向が始まった時点で電圧の印加を止め、水分を蒸発させることでこの時点でのCNTsの配向状態を固定した。そして、かかる実験後の両電極のITO側表面付近を、走査型電子顕微鏡(SEM)により観察した。
図3は、CNTsが配向を開始した時点の電極表面近傍の状態を拡大して示すSEM写真である。図3中、左側(a1,a2)及び右側(b1,b2)の写真が、上記実験に用いた一対の電極のそれぞれを示しており、上側(a1,b1)が3μm×3μmに拡大したもの、下側(a2,b2)がそれをさらに1μm×1μmまで拡大したものである。
図3に示すように、誘電泳動の所期には、CNTsが電極の表面から略垂直に立ち上がるとともに、CNTsがその端部同士を接触させるようにして直線状に連なっていくことが確認された。このCNTsが連なる方向は、電界方向と同じである。この結果から、誘電泳動により、電極の表面から電界方向にCNTsが延びていくことが確認された。
なお、本実験では、SEMによる観察を行うために溶媒として水を用いたが、樹脂中でも電界の傾向は変わらず、粒子の移動も可能であることから、樹脂又は樹脂前駆体を用いても同様の配向を生じさせることが可能である。
[実施例2]
(粒子含有樹脂の製造)
まず、実施例1と同様にして、表面が水酸基及びカルボキシル基等によって修飾されたSWCNTsを得た。
上記修飾処理後のSWCNTsを、0.1重量%の濃度となるようにウレタンアクリレート系のUV硬化樹脂(重合開始剤としてイルガキュア184を3重量%含む)中に混ぜて、一時間超音波攪拌した。次いで、10,000rpmで30分間の遠心分離を行い、樹脂中にSWCNTsが分散された原料混合物を得た。
この原料混合物を用い、図1に示すような製造装置100を用いて粒子含有樹脂からなるフィルムを製造した。なお、本実施例では、電極101として、ガラス上にITOが成膜された積層構造を有するものを準備し、これらを互いにITO側が向き合うようにして用いた。
まず、一方の電極101におけるITO面上にスペーサー102を配置し、このITO面に上記の原料混合物を塗布した。この上に、もう一方の電極101をITO同士が向き合うように対向して配置し、スペーサー102と接するまで押し合わせた。これにより、原料混合物がスペーサー102の厚さとなるように押し広げられた(第1工程)。なお、スペーサー102の厚さ(すなわち、電極101間の距離)は、100μmとした。
それから、図1に示す装置構成を完成させた後、対向する電極101(ITO)間に、10kHz、20Vppの高周波交流を20分間印加して誘電泳動を生じさせることにより、SWCNTsを配向させた(第2工程)。次いで、電極101間に電圧を印加した状態のまま、原料混合物にUV光(280〜380nmの波長域)を、10mJ/cmで200秒間照射して、UV硬化樹脂を硬化させて(第3工程)、粒子含有樹脂を形成した。
その後、まず、一方の電極101と粒子含有樹脂との間にくさび状のものを徐々に挿入して、これらをゆっくりと剥離させた。次いで、もう一方の電極101と粒子含有樹脂との間にもくさび状のものを挿入し、同様にこれらをゆっくりと剥離させた。これにより、膜状の粒子含有樹脂を得た。なお、剥離の結果、電極101におけるITOはガラス上に残っており、粒子含有樹脂と電極101におけるITOとの間できれいに剥離できたことが確認された。
(特性評価)
実施例2で得られた膜状の粒子含有樹脂の両面に厚さ50μmのAuをスパッタして、粒子含有樹脂を挟むように一対のAu電極を形成した。スパッタされた表面のAu電極の抵抗値は、約30Ωであった。
両面にAu電極を有する粒子含有樹脂を、ガラス上にAuがスパッタされてなる電極のAu上にのせて、膜状の粒子含有樹脂の厚さ方向の抵抗値をテスターにより測定した。その結果、粒子含有樹脂の厚さ方向の抵抗値は、150Ωであった。このようにテスターによる厚さ方向の抵抗値が150Ωとなったのは、膜の形成後にスパッタにより形成したAu電極と、粒子含有樹脂の表面付近にあるSWCNTとの間の接触抵抗によるものと考えられる。
粒子含有樹脂の製造方法に用いる製造装置の構成を概略的に示す図である。 第2工程における電極及び原料混合物の状態を示す模式断面図である。 CNTsが配向を開始した時点の電極表面近傍の状態を拡大して示すSEM写真である。 一対の電極間に原料化合物を配置した構成とした場合に得られる電界強度の分布の一例を示す図である。 一対の電極間に原料化合物を配置するとともに、この原料化合物内に所定の多孔質膜を配置した状態を示す図である。 図5に示した多孔質膜付近の電界強度の分布の一例を示す図である。
符号の説明
100…製造装置、101…電極、102…スペーサー、103…リード線、104…電源、201…ガラス基板、202…面電極、203…樹脂成分、204…粒子。

Claims (6)

  1. 互いに対向して配置された一対の電極間に、粒子と、樹脂又は樹脂前駆体と、を含有する原料混合物を配置する第1工程と、
    前記一対の電極間に電圧を印加して、前記原料混合物中の前記粒子を電界方向に配向させる第2工程と、
    前記一対の電極間に電圧を印加しながら、前記樹脂又は樹脂前駆体を固化させる第3工程と、
    を有することを特徴とする、粒子含有樹脂の製造方法。
  2. 前記第2工程において、前記原料混合物中の前記粒子を、電界が強い方向に移動させることにより配向させる、ことを特徴とする請求項1記載の粒子含有樹脂の製造方法。
  3. 前記粒子として、繊維状粒子を含む、ことを特徴とする請求項1又は2記載の粒子含有樹脂の製造方法。
  4. 前記粒子として、繊維状粒子及び球状粒子を含む、ことを特徴とする請求項1又は2記載の粒子含有樹脂の製造方法。
  5. 前記第3工程後、前記一対の電極のうちの少なくとも一方を、前記粒子含有樹脂から分離する第4工程を更に有する、ことを特徴とする請求項1〜4のいずれか一項に記載の粒子含有樹脂の製造方法。
  6. 請求項1〜5のいずれか一項に記載の粒子含有樹脂の製造方法により得られたことを特徴とする粒子含有樹脂。
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