JP2008274178A - 炭素繊維配向連接フィルムの製造方法及び該製造方法により製造される炭素繊維配向連接フィルム - Google Patents
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Abstract
【課題】マトリックスの比誘電率の値に関わらずマトリックスとなる樹脂の持つ本来の特性を損なわずに、優れた導電性を付与する炭素繊維配向連接フィルムの製造方法及び該製造方法により得られたフィルムを提供する。
【解決手段】 樹脂マトリックスと炭素繊維を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物に対して、前記炭素繊維が前記混合物中で可動な状況下としながら周波数50Hz以上100MHz以下の交流電場をかける電場印加工程と、前記電場印加工程により前記炭素繊維が配向し、かつ連接した状態を保持する状態にて固化する固化工程とを有することを特徴とする炭素繊維配向連接フィルムの製造方法。
【選択図】 図1
【解決手段】 樹脂マトリックスと炭素繊維を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物に対して、前記炭素繊維が前記混合物中で可動な状況下としながら周波数50Hz以上100MHz以下の交流電場をかける電場印加工程と、前記電場印加工程により前記炭素繊維が配向し、かつ連接した状態を保持する状態にて固化する固化工程とを有することを特徴とする炭素繊維配向連接フィルムの製造方法。
【選択図】 図1
Description
本発明は、交流電場を使用した、優れた導電性を有する炭素繊維配向連接フィルムの製造方法及び該製造方法によって製造されるフィルムに関するものである。
樹脂に導電性を付与するための代表的な技術として導電性フィラーを配合する方法が知られている。導電性フィラーの中でも代表的な材料としてカーボン系フィラーが知られており、該カーボン系フィラーは、カーボンブラック、黒鉛および炭素繊維(カーボンナノチューブも含む)に大別される。カーボン系フィラーが分散した樹脂の導電性は導電体であるカーボン系フィラー同士の接触による導電回路の形成で発現すると言われているため、導電性フィラーの分散状態はフィラーを樹脂に分散した複合材の性能に大きく影響及ぼすことが知られており、導電性フィラーの分散状態の制御は複合材に優れた導電性を付与するための極めて重要なファクターとなる。中でも、炭素繊維は導電性が繊維長さ方向に優れているというその特徴的な性質のために、分散状態をコントロールすることで優れた導電性を有する複合材の開発が期待される。
最近では、炭素繊維を含有した樹脂に対して直流電場を印加することにより、フィルム内で厚み方向に炭素繊維を配向、且つ連接させることで、少量の炭素繊維でフィルムの厚み方向に高導電性を付与するといった技術がある(特許文献1)。この技術では少量の炭素繊維しか用いていないので、樹脂本来の特性を損なうことなく、導電性を付与できるといった利点がある。
しかしながら、直流電場の場合には炭素繊維を混合するマトリックスの比誘電率の値によっては、炭素繊維を配向かつ連接できないという問題があった。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、マトリックスとなる樹脂が有する本来の特性を損なわず、且つ該マトリックスの比誘電率の如何に関わらず、優れた導電性を有する炭素繊維配向連接フィルムを製造する方法及び該製造方法により得られる炭素繊維配向連接フィルムを提供するものである。
本発明は、上記問題を解決するためになされたもので、マトリックスとなる樹脂が有する本来の特性を損なわず、且つ該マトリックスの比誘電率の如何に関わらず、優れた導電性を有する炭素繊維配向連接フィルムを製造する方法及び該製造方法により得られる炭素繊維配向連接フィルムを提供するものである。
本発明は、樹脂マトリックスと炭素繊維を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物に対して、前記炭素繊維が前記合物中で可動な状況下としながら周波数50Hz以上100MHz以下の交流電場をかける電場印加工程と、前記電場印加工程により前記炭素繊維が配向し、かつ連接した状態を保持する状態にて固化(凝固も含む)する固化工程とを有することを特徴とする炭素繊維配向連接フィルムの製造方法である。本製造方法によれば、マトリックスの比誘電率の如何に関わらず、炭素繊維が電場の方向に沿って回転するだけではなく、炭素繊維同士を互いに連接させることができるため、マトリックスに使用する樹脂に制限がなくなり、フィルムの選択が広がる。
また、別の本発明は、 前記電場印加工程を、ピーク電圧での電界強度が5000V/m以上107V/m以下である交流電場にて行う炭素繊維配向連接フィルムの製造方法である。
電界強度が5000V/m未満では、炭素繊維の配向連接が極めて遅くなる恐れがあり、107V/mを超えると電極間で絶縁破壊が起こるため炭素繊維の配向連接ができない恐れがある。そのため、電界強度は上記範囲が好ましい。
また、別の本発明は、先の発明において、樹脂マトリックスの比誘電率が周波数50Hzにおいて4以上、10以下である、炭素繊維配向連接フィルムの製造方法である。
また、別の本発明は、先の発明によって製造される炭素繊維配向連接フィルムである。
また、別の本発明は、先の発明におけるフィルムの炭素繊維の含有量が0〜10重量%(ただし、0は含まず)である炭素繊維配向連接フィルムである。本発明は、交流電場を印加することにより炭素繊維が配向連接するため、少量の炭素繊維量であっても優れた導電性が得られ、マトリックスを形成する樹脂が持つ本来の特性が維持されるものである。炭素繊維の含有量が10重量%を超えると、フィルムの透明性が劣る恐れがある。
電界強度が5000V/m未満では、炭素繊維の配向連接が極めて遅くなる恐れがあり、107V/mを超えると電極間で絶縁破壊が起こるため炭素繊維の配向連接ができない恐れがある。そのため、電界強度は上記範囲が好ましい。
また、別の本発明は、先の発明において、樹脂マトリックスの比誘電率が周波数50Hzにおいて4以上、10以下である、炭素繊維配向連接フィルムの製造方法である。
また、別の本発明は、先の発明によって製造される炭素繊維配向連接フィルムである。
また、別の本発明は、先の発明におけるフィルムの炭素繊維の含有量が0〜10重量%(ただし、0は含まず)である炭素繊維配向連接フィルムである。本発明は、交流電場を印加することにより炭素繊維が配向連接するため、少量の炭素繊維量であっても優れた導電性が得られ、マトリックスを形成する樹脂が持つ本来の特性が維持されるものである。炭素繊維の含有量が10重量%を超えると、フィルムの透明性が劣る恐れがある。
本発明によれば、マトリックスとなる樹脂の種類や炭素繊維のアスペクト比に関わらず、樹脂が有する本来の特性を損なわずに、優れた導電性を有する炭素繊維配向連接フィルムを得る事ができる。
以下、本発明に係る炭素繊維配向連接フィルムの製造方法及び該製造方法により得られるフィルムの実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1は、本発明の実施の形態に係る炭素繊維配向連接フィルムの製造工程を示す図である。
炭素繊維配向連接フィルムは、樹脂マトリックスの溶融(ステップS1)、樹脂マトリックへの炭素繊維の混合(ステップS2)、電場の印加(ステップS3)、樹脂マトリックスと炭素繊維の混合物の固化(ステップS4)という各工程を順に経て製造される。また、後述のように、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる場合には、ステップS1は要さない。
なお本発明において樹脂マトリックスは、フィルムを構成する成分のうち、炭素繊維を除いた残りの成分からなり、樹脂を主成分とする、好ましくは樹脂を50重量%以上100重量%以下含有するマトリックスである。
炭素繊維配向連接フィルムは、樹脂マトリックスの溶融(ステップS1)、樹脂マトリックへの炭素繊維の混合(ステップS2)、電場の印加(ステップS3)、樹脂マトリックスと炭素繊維の混合物の固化(ステップS4)という各工程を順に経て製造される。また、後述のように、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いる場合には、ステップS1は要さない。
なお本発明において樹脂マトリックスは、フィルムを構成する成分のうち、炭素繊維を除いた残りの成分からなり、樹脂を主成分とする、好ましくは樹脂を50重量%以上100重量%以下含有するマトリックスである。
以下、各工程につき説明する。
(1)樹脂マトリックスの溶融工程(ステップS1)
樹脂マトリックスには、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、GF強化ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フッ素樹脂、液晶性ポリマー、ポリアミノビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール等が挙げられる。これらは混合して用いることもできる。
(1)樹脂マトリックスの溶融工程(ステップS1)
樹脂マトリックスには、熱可塑性樹脂を用いることができる。熱可塑性樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリ塩化ビニル、ポリスチレン、アクリロニトリルブタジエンスチレン共重合樹脂、アクリロニトリルスチレン共重合樹脂、エチレン酢酸ビニル共重合樹脂、メタクリル樹脂、ポリビニルアルコール、ポリ塩化ビニリデン、ポリエチレンテレフタレート、ポリアミド、ポリアセタール、ポリカーボネート、変性ポリフェニレンエーテル、ポリブチレンテレフタレート、GF強化ポリエチレンテレフタレート、超高分子量ポリエチレン、ポリサルホン、ポリエーテルサルホン、ポリフェニレンサルファイド、ポリアリレート、ポリアミドイミド、ポリエーテルイミド、ポリエーテルエーテルケトン、ポリイミド、フッ素樹脂、液晶性ポリマー、ポリアミノビスマレイミド、ポリビスアミドトリアゾール等が挙げられる。これらは混合して用いることもできる。
当該溶融工程は、マトリックスに熱可塑性樹脂を用いる場合には加熱して当該樹脂を溶融する。加熱温度は、熱可塑性樹脂の種類によって異なるが、当該樹脂の軟化点より高い温度とする。
また、前述したようにマトリックスには、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることもできる。この場合には、加熱を要しないので、ステップS1の工程を省くことができる。光硬化性樹脂としては光重合成分やこれと光開始剤とからなる混合物が挙げられる。
また、前述したようにマトリックスには、光硬化性樹脂や熱硬化性樹脂を用いることもできる。この場合には、加熱を要しないので、ステップS1の工程を省くことができる。光硬化性樹脂としては光重合成分やこれと光開始剤とからなる混合物が挙げられる。
本発明で用いる光重合成分としては、特に限定されないが公知のアクリル系光重合性モノマーおよび/またはアクリル系光重合性オリゴマーから任意に選んで用いることができる。
このような光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N’−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
このような光重合性モノマーとしては、例えばアクリル酸やメタクリル酸などの不飽和カルボン酸又はそのエステル、例えばアルキル−、シクロアルキル−、ハロゲン化アルキル−、アルコキシアルキル−、ヒドロキシアルキル−、アミノアルキル−、テトラヒドロフルフリル−、アリル−、グリシジル−、ベンジル−、フェノキシ−アクリレート及びメタクリレート、アルキレングリコール、ポリオキシアルキレングリコールのモノ又はジアクリレート及びメタクリレート、トリメチロールプロパントリアクリレート及びメタクリレート、ペンタエリトリットテトラアクリレート及びメタクリレートなど、アクリルアミド、メタクリルアミド又はその誘導体、例えばアルキル基やヒドロキシアルキル基でモノ置換又はジ置換されたアクリルアミド及びメタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド及びメタクリルアミド、N,N’−アルキレンビスアクリルアミド及びメタクリルアミドなど、アリル化合物、例えばアリルアルコール、アリルイソシアネート、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどを挙げることができる。
アクリル系光重合性モノマーの他の例としては、エチレングリコール単位を分子内にもつポリエチレングリコール(nは3以上であり、およそ14以下)ジアクリレート、トリメチロールプロパンEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)トリアクリレート、フェノールEO変性(nは3以上であり、およそ14以下)変性アクリレートや、水酸基を分子内にもつ2−ヒドロキシエチルアクリレート(HEA)、2−ヒドロキシプロピルアクリレート、4−ヒドロキシブチルアクリレート、ペンタエリスリトールトリアクリレート、フタル酸モノヒドロキシエチルアクリレートなどを挙げることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
また、硬化収縮が支障となる用途の場合には、例えばイソボルニルアクリレート又はメタクリレート、ノルボルニルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジシクロペンテノキシプロピルアクリレート又はメタクリレートなど、ジエチレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステル、ポリオキシエチレン若しくはポリプロピレングリコールジシクロペンテニルモノエーテルのアクリル酸エステル又はメタクリル酸エステルなど、ジシクロペンテニルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルシンナメート、ジシクロペンテノキシエチルモノフマレート又はジフマレートなど、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(1,1−ビスメチル−2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−スピロ[5,5]ウンデカン、3,9−ビス(2−オキシエチル)−2,4,8,10−テトラオキサスピロ[5,5]ウンデカンなどのモノ−、ジアクリレート又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいはこれらのスピログリコールのエチレンオキシド又はプロピレンオキシド付加重合体のモノ−、ジアクリレート、又はモノ−、ジメタアクリレート、あるいは前記モノアクリレート又はメタクリレートのメチルエーテル、1−アザビシクロ[2,2,2]−3−オクテニルアクリレート又はメタクリレート、ビシクロ[2,2,1]−5−ヘプテン−2,3−ジカルボキシルモノアリルエステルなど、ジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレー
ト、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
ト、ジシクロペンタジエニルオキシエチルアクリレート又はメタクリレート、ジヒドロジシクロペンタジエニルアクリレート又はメタクリレートなどの光重合性モノマーを用いることができる。
これらの光重合性モノマーは単独で用いてもよいし2種以上組み合わせて用いてもよい。
アクリル系光重合性オリゴマーとしては、エポキシ樹脂のアクリル酸エステル例えばビスフェノールAのジグリシジルエーテルジアクリレート、エポキシ樹脂とアクリル酸とメチルテトラヒドロフタル酸無水物との反応生成物、エポキシ樹脂と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物、グリシジルジアクリレートと無水フタル酸との開環共重合エステル、メタクリル酸二量体とポリオールとのエステル、アクリル酸と無水フタル酸とプロピレンオキシドから得られるポリエステル、ポリビニルアルコールとN−メチロールアクリルアミドとの反応生成物、ポリエチレングリコールと無水マレイン酸とグリシジルメタクリレートとの反応生成物などのような不飽和ポリエステル系プレポリマーや、ポリビニルアルコールを無水コハク酸でエステル化した後、グリシジルメタクリレートを付加させたものなどのようなポリビニルアルコール系プレポリマー、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体と2−ヒドロキシエチルアクリレートとの反応生成物又はこれにさらにグリシジルメタクリレートを反応させたものなどのポリアクリル酸又はマレイン酸共重合体系プレポリマーなど、そのほか、ウレタン結合を介してポリオキシアルキレンセグメント又は飽和ポリエステルセグメントあるいはその両方が連結し、両末端にアクリロイル基又はメタクロイル基を有するウレタン系プレポリマーなどを挙げることができる。
本発明で用いる光重合開始剤としては、従来公知のものでよく、例えば、2,2−ジメトキシ−1,2−ジフェニルエタン−1−オン、1−ヒドロキシ−シクロヘキシル−フェニル−ケトン、2−ヒドロキシ−2−メチル−1−フェニル−プロパン−1−オン、1−[4−(2−ヒドロキシエトキシ)−フェニル]−2−ヒドロキシ−メチル−1−プロパン−1−オン、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルフォリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルフォリノフェニル)−ブタノン−1−ビス(2,6−ジメトキシベンゾイル)−2,4,4−トリメチル−ペンチルフォスフィンオキサイド−ビス(2,4,6−トリメチルベンゾイル)−フェニルフォスフィンオキサイドなどが挙げられる。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
これらの光重合開始剤は、それぞれ単独で用いてもよいし、2種以上を組み合わせて用いてもよい。
更に、前述したように樹脂マトリックスに熱硬化性樹脂を用いることも可能である。この場合にもステップS1の工程を省くことができる。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂あるいはアミノ樹脂に代表されるホルムアルデヒド樹脂の他、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂あるいはウレタン樹脂に代表される架橋型樹脂が挙げられる。
(2)樹脂マトリックスと炭素繊維の混合工程(ステップ2)
用いる炭素繊維は、その大きさ及び形状に制限はないが、アスペクト比(長径/短径)が1より大きいものが好ましく、また繊維径が1μm以下のカーボンナノチューブを用いるのが好ましい。
熱硬化性樹脂としては、例えば、フェノール樹脂あるいはアミノ樹脂に代表されるホルムアルデヒド樹脂の他、不飽和ポリエステル樹脂、ジアリルフタレート樹脂、アルキド樹脂、エポキシ樹脂あるいはウレタン樹脂に代表される架橋型樹脂が挙げられる。
(2)樹脂マトリックスと炭素繊維の混合工程(ステップ2)
用いる炭素繊維は、その大きさ及び形状に制限はないが、アスペクト比(長径/短径)が1より大きいものが好ましく、また繊維径が1μm以下のカーボンナノチューブを用いるのが好ましい。
ここでカーボンナノチューブとは、グラフェンという炭素六角網面がナノレベルの直径を持つ円筒形状に丸めた中空状のチューブであり、一枚のグラフェンからなる単層カーボンナノチューブ(以下、単にSWCNTと呼ぶ。)と複数枚のグラフェンを丸めた径の異なる筒を入れ子状の構造とした多層カーボンナノチューブ(以下、単にMWCNTと呼ぶ。)に大別される。本発明では、SWCNTおよびMWCNTのいずれを使用しても良い。さらには、両者の混合物を使用してもよい。
また、カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ合成法、化学気相析出(CVD)法等のいずれの製法により製造されたものでも使用可能である。ただし、量産に有利なCVD法により製造されたカーボンナノチューブの方がより好ましい。
混合は液状の樹脂マトリックス中に炭素繊維を入れて、攪拌機、マグネティックスターラー、超音波振動機等の攪拌手段を使って行われる。
(3)電場印加工程(ステップS3)
この工程は、ステップS2を経た樹脂マトリックスと炭素繊維の混合物に対して、一方向から交流電場をかけて、炭素繊維を実質的に一方向に配向させる工程である。この工程において、炭素繊維は、自転して電場の方向に沿うように方向を変え、配向する。しかも、炭素繊維同士が連接する。その結果、樹脂マトリックス中において炭素繊維が配向および連接した構造が得られる。
(4)固化工程(ステップS4)
マトリックスに熱可塑性樹脂を用いる場合には、加熱をやめて室温まで冷却する。一方、光硬化性樹脂を用いる場合には、光を照射して、架橋を起こさせる。また、マトリックスに熱硬化性樹脂を用いる場合には、加熱して固化させる。なお、電場の印加は、固化工程が完了してから停止するのが好ましいが、固化のタイミングによっては、固化が完了する前に炭素繊維が動かなくなることもあるので、かかる場合には固化工程の途中で電場の印加を停止したり、固化工程の直前に電場の印加を停止しても良い。
また、カーボンナノチューブは、アーク放電法、レーザーアブレーション法、プラズマ合成法、化学気相析出(CVD)法等のいずれの製法により製造されたものでも使用可能である。ただし、量産に有利なCVD法により製造されたカーボンナノチューブの方がより好ましい。
混合は液状の樹脂マトリックス中に炭素繊維を入れて、攪拌機、マグネティックスターラー、超音波振動機等の攪拌手段を使って行われる。
(3)電場印加工程(ステップS3)
この工程は、ステップS2を経た樹脂マトリックスと炭素繊維の混合物に対して、一方向から交流電場をかけて、炭素繊維を実質的に一方向に配向させる工程である。この工程において、炭素繊維は、自転して電場の方向に沿うように方向を変え、配向する。しかも、炭素繊維同士が連接する。その結果、樹脂マトリックス中において炭素繊維が配向および連接した構造が得られる。
(4)固化工程(ステップS4)
マトリックスに熱可塑性樹脂を用いる場合には、加熱をやめて室温まで冷却する。一方、光硬化性樹脂を用いる場合には、光を照射して、架橋を起こさせる。また、マトリックスに熱硬化性樹脂を用いる場合には、加熱して固化させる。なお、電場の印加は、固化工程が完了してから停止するのが好ましいが、固化のタイミングによっては、固化が完了する前に炭素繊維が動かなくなることもあるので、かかる場合には固化工程の途中で電場の印加を停止したり、固化工程の直前に電場の印加を停止しても良い。
このようにして製造された本発明の炭素繊維配向連接フィルムは、透明でかつ導電性に優れるため、透明電極あるいは透明タッチパネルに用いることができる。
以下、実施例を挙げて本発明をさらに具体的に説明する。なお、実施例中における各評価は下記の方法に従った。
<評価方法>
(1)比誘電率
マトリックスの比誘電率は次の4つの装置(a)〜(d)を有する非線形誘電率測定装置を用いた。図2に非線形誘電率測定装置のブロックダイヤグラムを示す。
(a)2CH.シンセサイザ(ヒューレットパッカード社製、Model3326A)
周波数:DC〜13MHz、分解能:1マイクロンHz(100kHz未満) 1mHz(100kHz)
(b)高電圧アンプ(KEPCO社製、ModelBOP1000M)
出力:−1000V〜+1000V バンド幅(d−c to f −3 dB):1kHz
(c)2CH.FFTアナライザ(株式会社エー・アンド・ディ製、ModelAD3521)
2チャンネル入力、100kHz、15ビット、ダイナミックレンジ90dB
(d)チャージアンプ
使用OPアンプ:BURR−BROWN(OPA627BM)
高速セトリングタイム:550nS(0.01%)
低オフセット電圧:最大100マイクロV
低バイアス電流:最大5pA
<評価方法>
(1)比誘電率
マトリックスの比誘電率は次の4つの装置(a)〜(d)を有する非線形誘電率測定装置を用いた。図2に非線形誘電率測定装置のブロックダイヤグラムを示す。
(a)2CH.シンセサイザ(ヒューレットパッカード社製、Model3326A)
周波数:DC〜13MHz、分解能:1マイクロンHz(100kHz未満) 1mHz(100kHz)
(b)高電圧アンプ(KEPCO社製、ModelBOP1000M)
出力:−1000V〜+1000V バンド幅(d−c to f −3 dB):1kHz
(c)2CH.FFTアナライザ(株式会社エー・アンド・ディ製、ModelAD3521)
2チャンネル入力、100kHz、15ビット、ダイナミックレンジ90dB
(d)チャージアンプ
使用OPアンプ:BURR−BROWN(OPA627BM)
高速セトリングタイム:550nS(0.01%)
低オフセット電圧:最大100マイクロV
低バイアス電流:最大5pA
以下、比誘電率の測定方法について、図2に基づいて簡単に説明する。シンセサイザより発生した高調波歪の少ない正弦波を高電圧アンプにより増幅し、試料に印加する。試料からの電荷の応答をチャージアンプで検出しFFTアナライザに入力する。また、同時に印加電場をアッテネータにより減衰させてFFTアナライザに入力し、電場Eと電気変位Dの応答をフーリエ変換し、周波数スペクトルと位相情報を得ることにより線形および非線形誘電率を複素誘電率として求め、これを比誘電率の値とした。
(2)体積抵抗値
フィルムの厚み方向における電気抵抗値を図3に示す方法を用いて測定した。測定装置には4端子プログLoresta−GP(ダイアインスツールメント(株))3を用いた。
図3に示すように、測定に供するフィルムは、フィルムと真鍮製の板2との接触抵抗をキャンセルさせるためにグラファイトシート1(<10−2Ω・cm)をフィルムと真鍮製の板2との間に挟み、1.0MPaの圧力下のもとで測定を行った。測定した電気抵抗値は体積抵抗値に変換した。
フィルムの厚み方向における電気抵抗値を図3に示す方法を用いて測定した。測定装置には4端子プログLoresta−GP(ダイアインスツールメント(株))3を用いた。
図3に示すように、測定に供するフィルムは、フィルムと真鍮製の板2との接触抵抗をキャンセルさせるためにグラファイトシート1(<10−2Ω・cm)をフィルムと真鍮製の板2との間に挟み、1.0MPaの圧力下のもとで測定を行った。測定した電気抵抗値は体積抵抗値に変換した。
<炭素繊維含有樹脂フィルムの製造>
(1)炭素繊維
炭素繊維として、昭和電工株式会社製の気相成長炭素繊維VGCF−H(登録商標)、VGCF−S(登録商標)を用いた(以後、単に、それぞれ「VGCF−H、VGCF−S」という。)。VGCF−Hは、平均繊維径150nm、繊維長1〜20μm、VGCF−Sは平均繊維径100nm、繊維長1〜20μmのチューブ形状の炭素繊維である。VGCF−H、VGCF−Sの繊維軸方向の体積抵抗値は、約1×10−4Ω・cm)である。
(2)樹脂マトリックスと炭素繊維の混合
(a)光重合成分として、エポキシアクリレート系UV硬化性樹脂(荒川化学工業(株) ビームセットAQ−9)を用い、これに光重合開始剤として、ベンジルジメチルケタールを4重量%添加し、1000rpmの速度で一日以上撹拌して、ベンジルジメチルケタールを完全に溶解させ、樹脂マトリックスとした(以下、「AQ−9」と記す。)。続いて、この樹脂マトリックス95.5重量部に、炭素繊維(VGCF―HまたはVGCF−S)を0.5重量部を添加し、720rpmの速度で30分間撹拌し、樹脂マトリックスと炭素繊維からなる混合物を得た(炭素繊維の含有量0.5重量%)。なお、撹拌機として、井内製トルネード撹拌機PM−203を用いた。
(b)樹脂マトリックスとしてエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製 ウルトラセン685 以下、「EVA」とよぶ。)を用い、該EVA95.5重量部と、炭素繊維(VGCF−HまたはVGCF−S)0.5重量部とを溶融混合機((株)東洋精機製作所製 LABO PLASTOMILL 30C150)に投入して、回転数450rpm、攪拌時間10分、加熱温度150℃の条件で混合し、樹脂マトリックスと炭素繊維からなる混合物を得た(炭素繊維の含有量0.5重量%)。
(1)炭素繊維
炭素繊維として、昭和電工株式会社製の気相成長炭素繊維VGCF−H(登録商標)、VGCF−S(登録商標)を用いた(以後、単に、それぞれ「VGCF−H、VGCF−S」という。)。VGCF−Hは、平均繊維径150nm、繊維長1〜20μm、VGCF−Sは平均繊維径100nm、繊維長1〜20μmのチューブ形状の炭素繊維である。VGCF−H、VGCF−Sの繊維軸方向の体積抵抗値は、約1×10−4Ω・cm)である。
(2)樹脂マトリックスと炭素繊維の混合
(a)光重合成分として、エポキシアクリレート系UV硬化性樹脂(荒川化学工業(株) ビームセットAQ−9)を用い、これに光重合開始剤として、ベンジルジメチルケタールを4重量%添加し、1000rpmの速度で一日以上撹拌して、ベンジルジメチルケタールを完全に溶解させ、樹脂マトリックスとした(以下、「AQ−9」と記す。)。続いて、この樹脂マトリックス95.5重量部に、炭素繊維(VGCF―HまたはVGCF−S)を0.5重量部を添加し、720rpmの速度で30分間撹拌し、樹脂マトリックスと炭素繊維からなる混合物を得た(炭素繊維の含有量0.5重量%)。なお、撹拌機として、井内製トルネード撹拌機PM−203を用いた。
(b)樹脂マトリックスとしてエチレン酢酸ビニル共重合体(東ソー(株)製 ウルトラセン685 以下、「EVA」とよぶ。)を用い、該EVA95.5重量部と、炭素繊維(VGCF−HまたはVGCF−S)0.5重量部とを溶融混合機((株)東洋精機製作所製 LABO PLASTOMILL 30C150)に投入して、回転数450rpm、攪拌時間10分、加熱温度150℃の条件で混合し、樹脂マトリックスと炭素繊維からなる混合物を得た(炭素繊維の含有量0.5重量%)。
(3)電場の印加及び混合物の固化
(電場印加セル)
樹脂マトリックスに炭素繊維を分散させた混合物に対して、光学顕微鏡による観察方向からみて垂直に電場を印加するためのセルと、光学顕微鏡による観察方向からみて平行に電場を印加するためのセルを用意した。
図4−(a)は、観察方向からみて垂直に電場を印加するための垂直電場印加セル4、図4−(b)は観察方向からみて平行に電場を印加するための平行電場印加セル8を示す図である。
垂直電場印加セル4は、互いに140〜150μmの間隔をあけた2枚の金属板5,5をガラス基板6の上に固定した構造を有している。2枚の金属板5,5同士の間隔を一定にするために、両金属板5,5の間に予めポリイミドフィルムを挟んでから、両金属板5,5をエポキシ樹脂にてガラス基板6に固定した。2枚の金属板5,5に挟まれた領域7は、VGCF−H、またはVGCF−Sとの混合物を滴下するエリアとした。
また、平行電場印加セル8は、2枚のインジウム−錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)製の透明電極9,9の間に厚さ25μmのポリイミド製のスペーサ10を挟んだ構造を有している。スペーサ10の一面には、10mm四方の正方形の面積で25μmの深さの凹部11を形成した。この凹部11を、混合物を滴下するエリアとした。
(電源装置)
2枚の金属板5,5の間および2枚の透明電極9,9の間に一定の電圧を与えるために、直流電圧印加装置((株)ケンウッド製 PR18−1.2V)、交流電場印加装置((株)エヌエフ回路設計ブロック製)を用いた。
(加熱制御装置)
垂直電場印加セル4、平行電場印加セル8を加温するために、坂口電熱(株)製のマイクロセラミックヒータと昇降温装置を用いた。
(紫外線照射装置)
林時計工業(株)製UVランプLA−310UVを用いて紫外線(紫外線強度:135mW/cm2、波長:254nm)を30秒照射し試料(混合物)を固化した。
(電場印加セル)
樹脂マトリックスに炭素繊維を分散させた混合物に対して、光学顕微鏡による観察方向からみて垂直に電場を印加するためのセルと、光学顕微鏡による観察方向からみて平行に電場を印加するためのセルを用意した。
図4−(a)は、観察方向からみて垂直に電場を印加するための垂直電場印加セル4、図4−(b)は観察方向からみて平行に電場を印加するための平行電場印加セル8を示す図である。
垂直電場印加セル4は、互いに140〜150μmの間隔をあけた2枚の金属板5,5をガラス基板6の上に固定した構造を有している。2枚の金属板5,5同士の間隔を一定にするために、両金属板5,5の間に予めポリイミドフィルムを挟んでから、両金属板5,5をエポキシ樹脂にてガラス基板6に固定した。2枚の金属板5,5に挟まれた領域7は、VGCF−H、またはVGCF−Sとの混合物を滴下するエリアとした。
また、平行電場印加セル8は、2枚のインジウム−錫酸化物(Indium Tin Oxide:ITO)製の透明電極9,9の間に厚さ25μmのポリイミド製のスペーサ10を挟んだ構造を有している。スペーサ10の一面には、10mm四方の正方形の面積で25μmの深さの凹部11を形成した。この凹部11を、混合物を滴下するエリアとした。
(電源装置)
2枚の金属板5,5の間および2枚の透明電極9,9の間に一定の電圧を与えるために、直流電圧印加装置((株)ケンウッド製 PR18−1.2V)、交流電場印加装置((株)エヌエフ回路設計ブロック製)を用いた。
(加熱制御装置)
垂直電場印加セル4、平行電場印加セル8を加温するために、坂口電熱(株)製のマイクロセラミックヒータと昇降温装置を用いた。
(紫外線照射装置)
林時計工業(株)製UVランプLA−310UVを用いて紫外線(紫外線強度:135mW/cm2、波長:254nm)を30秒照射し試料(混合物)を固化した。
電場印加セル上に混合物を滴下し、炭素繊維が可動な状況下にて、直流電場または交流電場を印加した。印加中は光学顕微鏡により配向の観察を行い、30分の印加後、冷却、または紫外線照射により固化し、フィルムを得た。フィルムは上記の方法にて体積抵抗値を測定した。以下及び表−1に、各実施例、比較例の条件を示す。また、表−1及び表−2に評価結果及び観察結果を示す。図5,6に実施例と比較例の光学顕微鏡写真を示す。
実施例1
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1MHz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例2
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1kHz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例3
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1MHz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例4
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1kHz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例5
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Sを用いた混合物に対して、周波数1kHz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例6
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Sを用いた混合物に対して、周波数1MHz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1MHz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例2
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1kHz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例3
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1MHz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例4
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数1kHz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例5
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Sを用いた混合物に対して、周波数1kHz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
実施例6
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Sを用いた混合物に対して、周波数1MHz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
比較例1
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数10Hz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
比較例2
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数0.1Hz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
比較例3
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、電界強度4×105V/mの直流電場を印加し、フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数10Hz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
比較例2
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、周波数0.1Hz、電界強度4×105V/mの交流電場を印加し、フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
比較例3
樹脂マトリックスにAQ−9を、炭素繊維にVGCF―Hを用いた混合物に対して、電界強度4×105V/mの直流電場を印加し、フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
参考例1
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた炭素繊維混合物に対して、周波数10Hz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
参考例2
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた炭素繊維混合物に対して、周波数0.1Hz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
参考例3
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた炭素繊維混合物に対して、電界強度12×105V/mの直流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた炭素繊維混合物に対して、周波数10Hz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
参考例2
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた炭素繊維混合物に対して、周波数0.1Hz、電界強度12×105V/mの交流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
参考例3
樹脂マトリックスにEVAを、炭素繊維にVGCF―Hを用いた炭素繊維混合物に対して、電界強度12×105V/mの直流電場を印加し、炭素繊維連接フィルムを作製した。印加時間は30分とした。
樹脂マトリックスの比誘電率が周波数50Hzで8.0のAQ−9は直流電場を用いた印加では炭素繊維が配向せず、体積抵抗値も高かったのに対して(表−2の比較例3)、周波数が1kHz、1MHzの交流電場を用いると炭素繊維が炭素軸方向(長さ方向)に配向連接し(分岐の少ない直線性の高い架橋構造を形成)、高導電性のフィルムを作製することができた(表−2の実施例1及び2)。配向の様子は図5,6より確認することができる。
また、本発明の製造方法はVGCF−H、VGCF−Sのいずれにも適用できることが解る。
このように、本発明の特定の周波数の交流電場を用いた製造方法によれば、比誘電率の如何に関わらず炭素繊維配向連接フィルムが製造できた。また、前記製造方法により製造された炭素繊維配向連接フィルムの導電性は0.5重量%といった極めて少量の炭素繊維(導電体)の含有率にも関わらず非常に優れたものであり、体積抵抗1×101Ω・cmを示した。
また、本発明の製造方法はVGCF−H、VGCF−Sのいずれにも適用できることが解る。
このように、本発明の特定の周波数の交流電場を用いた製造方法によれば、比誘電率の如何に関わらず炭素繊維配向連接フィルムが製造できた。また、前記製造方法により製造された炭素繊維配向連接フィルムの導電性は0.5重量%といった極めて少量の炭素繊維(導電体)の含有率にも関わらず非常に優れたものであり、体積抵抗1×101Ω・cmを示した。
1 グラファイトシート
2 真鍮製の板
3 電気抵抗測定装置
4 垂直電場印加セル
5 金属板
6 ガラス基板
7 領域
8 平行電場印加セル
9 透明電極
10 スペーサ
11 凹部
2 真鍮製の板
3 電気抵抗測定装置
4 垂直電場印加セル
5 金属板
6 ガラス基板
7 領域
8 平行電場印加セル
9 透明電極
10 スペーサ
11 凹部
Claims (6)
- 樹脂マトリックスと炭素繊維を混合する混合工程と、前記混合工程で得られた混合物に対して、前記炭素繊維が前記混合物中で可動な状況下としながら周波数50Hz以上100MHz以下の交流電場をかける電場印加工程と、前記電場印加工程により前記炭素繊維が配向し、かつ連接した状態を保持する状態にて固化する固化工程とを有することを特徴とする炭素繊維配向連接フィルムの製造方法。
- 前記電場印加工程を、ピーク電圧での電界強度が5000V/m以上107V/m以下である交流電場にて行う請求項1に記載の炭素繊維配向連接フィルムの製造方法。
- 樹脂マトリックスの比誘電率が周波数50Hzにおいて4以上10以下である請求項1または2に記載の炭素繊維配向連接フィルムの製造方法。
- 請求項1〜3のいずれか1項に記載の製造方法により製造される炭素繊維配向連接フィルム。
- フィルム中の炭素繊維が配向し、かつ連接構造を形成している請求項4に記載の炭素繊維配向連接フィルム。
- 炭素繊維の含有量が0〜10重量%(ただし、0は含まず)である請求項4または5に記載の炭素繊維配向連接フィルム。
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- 2007-05-07 JP JP2007122154A patent/JP2008274178A/ja active Pending
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