JP2009173486A - リチウムマンガン複合酸化物、リチウムイオン二次電池及びリチウムマンガン複合酸化物の製造方法 - Google Patents

リチウムマンガン複合酸化物、リチウムイオン二次電池及びリチウムマンガン複合酸化物の製造方法 Download PDF

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Abstract

【課題】充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制するリチウムマンガン複合酸化物を提供する。
【解決手段】コイン型電池20は、リチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として含む正極22を備えている。このリチウムマンガン複合酸化物は、所定組成の無機材料を、電気化学的に活性な結晶相に転移可能である電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成する所定の焼成温度で焼成したのち所定の徐冷速度で徐冷し、この焼成温度よりも低い所定の加熱温度で複合酸化物を酸化する再酸化工程を1回以上行うことにより作製されている。このリチウムマンガン複合酸化物は、徐冷処理を行うことにより電気化学的に不活性な結晶相が低減されており、再酸化処理を行うことにより酸素欠損が少なくなっており、より高温で焼成することにより結晶構造として安定なスピネル構造の特徴を有する八面体晶癖に形成されている。
【選択図】図2

Description

本発明は、リチウムマンガン複合酸化物、リチウムイオン二次電池及びリチウムマンガン複合酸化物に関する。
近年、携帯電話やパソコンなどのモバイル機器や、ハイブリッド自動車などの急速な普及に伴い、軽量・小型で高エネルギ密度であるリチウムイオン二次電池の開発が活発に進められている。このリチウムイオン二次電池の正極活物質としては、金属Liに対して4Vの電圧を示す、リチウムコバルト複合酸化物(LiCoO2)やリチウムニッケル複合酸化物(LiNiO2)、リチウムマンガン複合酸化物(LiMn24)などが挙げられる。このうち、資源的に豊富で比較的安価であり、熱的安定性の優れたリチウムマンガン複合酸化物が有望である。しかしながら、リチウムマンガン複合酸化物を正極活物質に用いると、繰り返し充放電サイクルを行ったときの容量低下などが大きく問題であった。
この繰り返し充放電サイクルでの容量低下の原因としては、ヤーンテラー効果による構造相転移や、活物質表面の腐食反応などが考えられる。LiMn24では、Liが4配位8aサイトに、Mnが6配位16dサイトを占有しており、16dサイトには3価と4価のMnが存在している。そして、3価のMnは、ヤーンテラー歪みを生じさせるハイスピン状態であり、これにより構造相転移が生じると、電極の導電ネットワークを寸断することが考えられる。一方、非水溶媒を用いたリチウムイオン二次電池のLiMn24の表面では、例えば水分との反応などによりマンガンが溶出するなどの腐食反応が生じ、これによりLiイオンの挿入・脱離が阻害されることが考えられる。構造相転移の抑制に対しては、16dのMnサイトを他の元素で置換する、例えばLiやNiに置換するものや(例えば特許文献1)、Alに置換するもの(例えば特許文献2)などが提案されている。また、表面の腐食反応の抑制に対しては、LiMn24の表面に、例えばLi224などのコート層を設けるものや(例えば特許文献3)、比表面積を小さく抑えるもの(例えば特許文献4)などが提案されている。
特開2000−156228号公報 特開2004−339027号公報 特開2005−314147号公報 特開2001−26424号公報
しかしながら、この特許文献1〜3に記載されたリチウムマンガン複合酸化物では、構造相転移を抑制すると共に表面での腐食反応を抑制しようとすると、例えばMnを他の元素で置換するため、容量が低下してしまったり、表面にコート層を設けることによりLiイオンの移動が阻害されるなどが重複して生じ、容量の低下を十分に抑制することができなかった。また、特許文献4に記載されたリチウムマンガン複合酸化物では、比表面積を1m2/g以下に抑えて表面の腐食反応を抑制しているものの、まだ十分でなく、より容量の低下を抑えることが望まれていた。
本発明は、このような課題に鑑みなされたものであり、充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができるリチウムマンガン複合酸化物、リチウムイオン二次電池及びリチウムマンガン複合酸化物の製造方法を提供することを主目的とする。
上述した目的を達成するために鋭意研究したところ、本発明者らは、リチウムイオン二次電池の活物質として用いられるリチウムマンガン複合酸化物において、リチウムマンガン複合酸化物となる無機材料を電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成する所定の焼成温度で焼成したあと所定の徐冷速度で徐冷しその後再酸化処理を行うものとすると、充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができることを見いだし、本発明を完成するに至った。
即ち、本発明のリチウムマンガン複合酸化物は、
リチウムイオン二次電池の活物質として用いられるリチウムマンガン複合酸化物であって、
組成式がLi1+x-yMey+zMn2-x-z4-n(Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1種類以上の元素、0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)であり、
磁場Hを1.0Tから5.5Tとしたあと−5.5Tに変化させて温度5Kで測定する磁化曲線において、磁場Hを5.5TとしたときのMnの1molあたりの磁化率を最大磁化率Mmax(emu/mol−Mn)とし、磁場Hを0TとしたときのMnの1molあたりの磁化率を残留磁化率Mr(emu/mol−Mn)としたとき、最大磁化率Mmaxに対する残留磁化率Mrの割合Mr/Mmax×100が2%以下であるものである。
また、本発明のリチウムマンガン複合酸化物は、
リチウムイオン二次電池の活物質として用いられるリチウムマンガン複合酸化物であって、
組成式がLi1+x-yMey+zMn2-x-z4-n(Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1種類以上の元素、0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)であり、
結晶がスピネル構造の八面体晶癖に形成されているものである。
本発明のリチウムイオン二次電池は、
上述したいずれかに記載のリチウムマンガン複合酸化物を含む正極活物質を有する正極と、
負極活物質を有する負極と、
前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
を備えたものである。
本発明のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法は、
リチウムイオン二次電池の活物質として用いられるリチウムマンガン複合酸化物の製造方法であって、
リチウムマンガン複合酸化物となる無機材料を、電気化学的に活性な結晶相に転移可能である電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成する所定の焼成温度で焼成する焼成工程と、
前記焼成工程ののち所定の徐冷速度で徐冷する徐冷工程と、
前記焼成温度よりも低い所定の加熱温度で前記複合酸化物を酸化する再酸化処理工程と、
を含むものである。
このリチウムマンガン複合酸化物、リチウムイオン二次電池及びリチウムマンガン複合酸化物の製造方法では、充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができる。このような効果が得られる理由は明らかではないが、以下のように推測される。例えば、一般にリチウムマンガン複合酸化物を作製する際には、電気化学的に不活性な結晶相が生成しない比較的低い温度(例えば800℃)に焼成温度を抑えることが通常であるが、本発明では、リチウムマンガン複合酸化物となる無機材料を電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成するような高い焼成温度(例えば1000℃以上)で焼成することにより、結晶構造を安定化させることができ、これにより、構造相転移の発生や表面の腐食反応を抑制することができるものと考えられる。また、焼成後に徐冷及び焼成時の温度より低い温度での再酸化処理を行うことにより、焼成時に生成した電気化学的に不活性な結晶相を電気化学的に活性な結晶相へ転移させることができ、更に酸素欠損をより少なくすることによって、充放電容量をより高い値で維持することができるものと考えられる。
本発明のリチウムイオン二次電池は、リチウムマンガン複合酸化物を正極活物質とする正極と、負極活物質を有する負極と、正極と負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、を備えている。
本発明のリチウムイオン二次電池の負極は、例えば負極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の負極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。負極活物質としては、リチウム、リチウム合金、スズ化合物などの無機化合物、リチウムイオンを吸蔵・放出可能な炭素質材料、導電性ポリマーなどが挙げられるが、このうち炭素質材料が安全性の面から見て好ましい。この炭素質材料は、特に限定されるものではないが、黒鉛、石油系コークス、石炭系コークス、石油系ピッチの炭化物、石炭系ピッチの炭化物、フェノール樹脂,結晶セルロースなど樹脂の炭化物、及びこれらを一部炭化した炭素材、ファーネスブラック、アセチレンブラック、ピッチ系炭素繊維、PAN系炭素繊維などが挙げられる。また、負極に用いられる導電材、結着材、溶剤などは、それぞれ正極で例示したものを用いることができる。負極の集電体には、銅、ニッケル、ステンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの箔を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池において、イオン伝導媒体は、例えば液体状の有機溶媒電解液やイオン性液体、固体状のポリマー固体電解質や無機固体電解質、ゲル電解質などを用いることができる。このうち、液体状のもの、特に、支持塩を含む非水系電解液などを用いることが好ましい。支持塩としては、特に限定されるものではないが、例えば、LiPF6,LiClO4,LiAsF6,LiBF4,Li(CF3SO22N,Li(CF3SO3),LiN(C25SO2)などの公知の支持塩を用いることができる。これらの支持塩は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。支持塩の濃度としては、0.1〜2.0Mであることが好ましく、0.8〜1.2Mであることがより好ましい。電解液としては、非プロトン性の有機溶媒を用いることができる。このような有機溶媒としては、例えば環状カーボネート、鎖状カーボネート、環状エステル、環状エーテル、鎖状エーテル等が挙げられる。環状カーボネートとしては、例えばエチレンカーボネート、プロピレンカーボネート、ブチレンカーボネート、ビニルカーボネート等がある。鎖状カーボネートとしては、例えばジメチルカーボネート、ジエチルカーボネート、メチルエチルカーボネート等がある。環状エステルカーボネートとしては、例えばガンマブチロラクトン、ガンマバレロラクトン等がある。環状エーテルとしては、例えばテトラヒドロフラン、2−メチルテトラヒドロフラン等がある。鎖状エーテルとしては、例えばジメトキシエタン、エチレングリコールジメチルエーテル等がある。これらは単独で用いてもよいし、複数を混合して用いてもよい。これらのうち、エチルカーボネート(EC)と、ジエチルカーボネート(DEC)とを混合して用いることが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池は、負極と正極との間にセパレータを備えていてもよい。セパレータとしては、例えば高分子化合物の微多孔フィルムなど、2次電池の使用範囲に耐えうる材質であれば特に限定されずに用いることができる。例えば、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリ塩化ビニリデン、ポリアクリロニトリル、ポリアクリルアミド、ポリテトラフルオロエチレン、ポリスルホン、ポリエーテルスルホン、ポリカーボネート、ポリアミド、ポリイミド、ポリエチレンオキシドなどのポリエーテル類、カルボキシルメチルセルロースやヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類、ポリ(メタ)アクリル酸及びその他のエステル類を主体とする高分子化合物やその誘導体、これらの共重合体や混合物からなるフィルムなどが挙げられる。また、これらは単独で用いてもよいし、複合して用いてもよい。また、これらのフィルムには、例えばイオンの伝導性を高める添加剤や強度・耐食性を高めるような種々の添加剤を添加してもよい。この微多孔フィルムのうち、ポリエチレンやポリプロピレン、ポリフッ化ビニリデン、ポリスルホンなどが好ましく用いられる。このセパレータは、非水電解液が浸透してイオンが透過しやすいように、微多孔化を施すのが好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極は、例えば正極活物質と導電材と結着材とを混合し、適当な溶剤を加えてペースト状の正極材としたものを、集電体の表面に塗布乾燥し、必要に応じて電極密度を高めるべく圧縮して形成してもよい。導電材は、正極の電気伝導性を確保するためのものであり、例えば、天然黒鉛や人造黒鉛などの黒鉛、アセチレンブラックなどのカーボンブラック、ニードルコークスなどの無定形炭素などの1種又は2種以上を混合したものを用いることができる。結着材は、活物質粒子及び導電材粒子を繋ぎ止める役割を果たすものであり、例えば、ポリテトラフルオロエチレン、ポリフッ化ビニリデン、フッ素ゴム等の含フッ素樹脂、或いはポリプロピレン、ポリエチレン等の熱可塑性樹脂等を用いることができる。また、水系バインダーであるセルロース系やスチレンブタジエンゴムの水分散体等を用いることもできる。正極活物質、導電材、結着材を分散させる溶剤としては、例えばN−メチルピロリドン、ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド、メチルエチルケトン、シクロヘキサノン、酢酸メチル、アクリル酸メチル、ジエチルトリアミン、N,N−ジメチルアミノプロピルアミン、エチレンオキシド、テトラヒドロフランなどの有機溶剤を用いることができる。集電体としては、アルミニウム、スレンレス鋼、ニッケルメッキ鋼などの箔を用いることができる。
本発明のリチウムイオン二次電池の正極において、正極活物質は、組成式がLi1+x-yMey+zMn2-x-z4-nであるリチウムマンガン複合酸化物である。このリチウムマンガン複合酸化物に添加される元素としては、Liや元素Meなどが挙げられる。この元素Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1種類以上であることが好ましい。このうち、リチウムマンガン複合酸化物に添加される元素としては、LiやAlなどがより好ましい。例えば、添加される元素がLiであるときには、組成式がLi(LixMn2-x)O4-n(0≦x≦1/3,0≦n≦0.1)となり、添加される元素がAlであるときには、組成式が(Li1-yAly)(AlzMn2-z)O4-n(0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)となり、添加される元素がLiとAlであるときには、組成式が(Li1-yAly)(LixAlzMn2-x-z)O4-n(0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)となる。なお、このリチウムマンガン複合酸化物では、Liや元素Meなどを添加せずとも繰り返し充放電サイクルにおける容量低下をより抑制することができるが、Liや元素Meを添加することにより、例えば結晶構造の転移をより抑制可能であり、繰り返し充放電サイクルにおける電池容量をより高く維持することもできる。この組成式において、リチウムマンガン複合酸化物に添加する元素は、その元素に応じて、16dのMnサイトのみを置換する場合や(例えばLiやNiなど)、16dのMnサイトと8aのLiサイトとを置換する場合(例えばAlやFeなど)がある。この組成式では、値xがMnサイトを置換するLiの置換量を表し、値yがLiサイトを置換する元素Meの置換量を表し、値zがMnサイトを置換する元素Meの置換量を表し、欠損値nがOサイトの酸素欠損値を表している。この値xは、0以上1/3以下であり、0以上0.2以下であることがより好ましく、0.05以上0.15以下であることが更に好ましい。値xが0.2以下であれば、より大きな容量を得ることができる。これは、LiやMeによる値が大きくなりすぎると、電気化学的に活性であるMnが相対的に少なくなり、かえって可逆容量も低下することがあるためである。また、元素Meの値(y+z)は、0以上1以下であり、0以上0.2以下であることがより好ましく、0.05以上0.15以下であることが更に好ましい。この値(y+z)が0.2以下では、初期容量の低下を抑制すると共に、繰り返し充放電サイクルでの容量をより高く維持することができる。また、欠損値nは、0以上0.1以下であり、値0であることがより好ましい。欠損値nは、より値0に近い方が、繰り返し充放電サイクルでの容量をより高く維持することができ、好ましい。
このリチウムマンガン複合酸化物は、結晶がスピネル構造の八面体晶癖を有している。この八面体晶癖は、電子顕微鏡(SEM)によって確認することができる。このリチウムマンガン複合酸化物の八面体晶癖は、電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成する所定の焼成温度で焼成されることにより形成されている。ここで、電気化学的に不活性な結晶相とは、例えば、Mn4+であるLi2MnO3などを含む。またこの焼成温度は、1000℃以上としてもよい。
また、このリチウムマンガン複合酸化物は、磁化(MH)曲線を測定すると、残留磁化及び保磁力が小さい線形磁化曲線に近い結果が得られるものである。図1は、リチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線の測定方法の一例を示す説明図である。図1に示すように、このリチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線(MH)の測定は、温度5Kで、磁場Hを1.0Tから5.5Tとしたあと−5.5Tに変化させ、続いて5.5Tとすることにより行う。即ち、図1に示す、A→B→C→D→E→F→G→H→Cに沿って磁化曲線の測定を行う。このとき、磁場Hを5.5TとしたときのMnの1molあたりの磁化率を最大磁化率Mmax(emu/mol−Mn)とし、磁場Hを0TとしたときのMnの1molあたりの磁化率を残留磁化率Mr(emu/mol−Mn)としたとき、このリチウムマンガン複合酸化物は、最大磁化率Mmaxに対する残留磁化率Mrの割合Mr/Mmax×100が2%以下を示す。即ち、このリチウムマンガン複合酸化物は、5Kにおいて、常磁性及び反強磁性の少なくとも一方の特性を示すものである。こうすれば、理由は明確ではないが、繰り返し充放電サイクルでの容量低下をより抑制することができる。この割合Mr/Mmaxは、1%以下であることがより好ましい。また、このリチウムマンガン複合酸化物は、最大磁化率Mmaxは500(emu/mol−Mn)以上4000(emu/mol−Mn)以下であることが好ましく、1000(emu/mol−Mn)以上3000(emu/mol−Mn)以下であることがより好ましい。また、残留磁化率Mrは20(emu/mol−Mn)以下であることが好ましく、10(emu/mol−Mn)以下であることがより好ましい。
本発明のリチウムイオン二次電池の形状は、特に限定されないが、例えばコイン型、ボタン型、シート型、積層型、円筒型、偏平型、角型などが挙げられる。このリチウムイオン二次電池の一例を図2に示す。図2は、コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。このコイン型電池20は、カップ形状の電池ケース21と、この電池ケース21の下部に設けられた正極22と、正極22に対してセパレータ24を介して対向する位置に設けられた負極23と、支持塩としてのLiPF6を含む非水電解液28と、絶縁材により形成されたガスケット25と、電池ケース21の開口部に配設されガスケット25を介して電池ケース21を密封する封口板26と、を備えている。この正極22には、上述した、スピネル構造の特徴を有する八面体晶癖のリチウムマンガン複合酸化物が正極活物質として含まれている。
次に、正極活物質としての、組成式Li1+x-yMey+zMn2-x-z4-n(Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1以上であり、0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物の製造方法の一例について説明する。この製造方法は、(1)原料調製工程、(2)焼成工程、(3)徐冷工程及び再酸化処理工程を含む、繰返熱処理工程などを含んでいる。
(1)原料調製工程
この工程では、リチウムマンガン複合酸化物となる原料(無機材料)を混合し固相反応させるよう成形する工程である。リチウム原料としては、水酸化リチウム、塩化リチウム、硝酸リチウムなどを用いることができるが、このうち反応性が高いことから水酸化リチウムを用いることが好ましい。マンガン原料としては、硝酸マンガン、炭酸マンガン、硫酸マンガン、塩化マンガン、水酸化マンガンなどを用いることができるが、このうち水酸化マンガンが好ましい。また、上述した元素MeでMnサイトを置換する際には、この元素Meの水酸化物、塩化物、硝酸塩、硫酸塩などを用いることができる。次に、これらの原料を目的の組成(Li1+x-yMey+zMn2-x-z4-n)となるように適宜秤量し、混合する。原料の混合は、例えば乾式のボールミルや乳鉢を用いて行ってもよい。この混合後の無機材料は、所定形状に成形することが好ましい。こうすれば、焼成工程において、含まれる原料が反応しやすく、好ましい。成形は、例えば、ペレット状に成形してもよい。成形圧は、例えば、100kgf/cm2〜400kgf/cm2としてもよい。なお、この成形を省略し、粉体のまま次の焼成工程を行うものとしてもよい。
(2)焼成工程
次に、原料調製工程で調製した無機材料を焼成する。この焼成工程では、電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成する所定の焼成温度で焼成するものとする。焼成工程は、酸素雰囲気下で行うものとし、この酸素雰囲気下としては、空気中としてもよいし、酸素中としてもよい。この焼成工程は、初期導入雰囲気で酸化処理を行うバッチ式としてもよいし、連続的に酸素雰囲気を供給する気流式としてもよいが、後者がより好ましい。また、電気化学的に不活性な結晶相には、例えばLi2MnO3などが含まれる。この焼成温度は、1000℃以上の温度とすることが好ましい。焼成温度が1000℃以上では、よりスピネル構造に特有の八面体晶癖を形成しやすく、好ましい。また、この焼成温度は、1200℃以下とすることが好ましく、1100℃以下とすることがより好ましい。焼成温度が1100℃を超えると、例えばLiMn58など、徐冷工程を行っても電気化学的に活性な結晶相へ可逆的に戻らない成分が残存してしまうことがあるためである。
(3)繰返熱処理工程
この工程は、焼成工程ののち所定の徐冷速度で徐冷する徐冷工程と、焼成温度よりも低い所定の加熱温度で複合酸化物を酸化する再酸化処理工程とのサイクルを1以上含んでいる。この繰返熱処理工程を行うことにより、スピネル構造に特有の八面体晶癖を維持しつつ、電気化学的に不活性な結晶相(例えばLi2MnO3)をより低減させると共に、電気化学的に活性な結晶相(例えばLiMn24)をより増加させることができると推察される。なお、このサイクルの繰返数は、詳しくは後述するが、目的とする組成に基づいて設定するものとしてもよい。この徐冷工程では、比較的緩やかに温度を降温させることが重要であり、5℃/分以下の速度で徐冷することが好ましく、1℃/分で徐冷することがより好ましい。電気化学的に不活性な結晶相から電気化学的に活性な結晶相への転移(反応)は、極めて遅いものと推察される。このため、徐冷速度が5℃/分以下では、電気化学的に不活性な結晶相から電気化学的に活性な結晶相への転移をより増加させることができ、好ましい。徐冷工程で徐冷する最終的な目標温度は、次の再酸化処理を行う際の加熱温度よりも低い温度であればよく、例えば、400℃以下の温度としてもよいし、常温(例えば20℃)以上の温度としてもよい。このうち、この目標温度は、冷却及び加熱の効率を考慮すると、400℃とすることがより好ましい。なお、成形体として熱処理(焼成及び再酸化処理の加熱を含む)して徐冷した場合は、そのまま徐冷後の成形体を再酸化処理するものとしてもよいし、徐冷後の成形体を粉砕しまた成形体に成形して再酸化処理を実行するものとしてもよい。
徐冷工程のあとに行う再酸化処理工程では、上記工程を経たリチウムマンガン複合酸化物を所定の加熱温度、酸素雰囲気下で酸化する処理を行う。再酸化処理工程において、酸素雰囲気下としては、空気中としてもよいし、酸素中としてもよい。この再酸化処理工程は、初期導入雰囲気で酸化処理を行うバッチ式としてもよいし、連続的に酸素雰囲気を供給する気流式としてもよいが、後者がより好ましい。この酸化処理工程において、加熱温度は、700℃以下の温度とすることが好ましい。加熱温度が700℃以下では、電気化学的に不活性な結晶相が再度生成してしまうのを抑制することができる。この再酸化処理工程では、今回の再酸化処理工程の直近の熱処理でのリチウムマンガン複合酸化物の重量変化の屈曲温度に基づいて加熱温度を設定し、この設定した加熱温度でリチウムマンガン複合酸化物を酸化することが好ましい。ここで、「直近の熱処理」とは、前回の徐冷工程の前の工程が焼成工程であるときにはこの焼成工程・徐冷工程をいい、前回の徐冷工程の前の工程が再酸化処理工程であるときにはこの再酸化処理工程・徐冷工程をいう。ここで、焼成工程、徐冷工程、再酸化工程について説明する。図3は、焼成及び徐冷してLiMn24を生成する際の重量変化のモデル図である。LiMn24の結晶層の生成過程は以下に説明するものと推察される。即ち、LiMn24となる無機材料を焼成すると、700℃から800℃においてLiMn24-nが生成する。更に800℃から1000℃まで温度を上げるとLi2MnO3が生成し、この生成に続いてo-LiMnO2が生成する。このとき、比較的大きな重量減少が起きる。なお、焼成温度が1100℃を超えると、徐冷しても可逆的にLiMn24とならずに残留してしまうLiMn58が生成してしまうことに留意する。焼成後に、ゆっくりと温度を下げると、詳細は不明であるがおそらくLiMn24-nとLi2MnO3とを含む結晶相を経て再びLiMn24-nが生成する。このとき、比較的大きな重量増加が起きる。この一連の反応は、リチウムマンガン複合酸化物を急冷してしまうと可逆的には進まず電気化学的に不活性な結晶相が残留してしまうが、所定の徐冷速度で徐冷すれば可逆的に進み電気化学的に不活性な結晶相がより消失するものと考えられる。しかしながら、図3に示すように、徐冷工程を経ても元の重量には戻らないことから、焼成工程・徐冷工程により生成したリチウムマンガン複合酸化物には比較的大きな酸素欠損が生じているものと推察される。ここでは、この酸素欠損をより減少させるため、徐冷工程のあとに再酸化処理を行うのである。この再酸化処理は、前回の熱処理で大きな重量変化が起きた屈曲点よりも高い温度で行うと、再度の相転移などが生じることがあるから、この前回の屈曲点よりも低い温度で行うことがより好ましい。また、徐冷工程及び再酸化処理工程を繰り返し実行すると、この屈曲点の温度が低くなっていく傾向にあるため、加熱温度を繰返数に応じてより低く設定することが好ましい。
この徐冷工程と再酸化処理工程とを繰り返し実行する繰返数は、例えば、Mnサイトの置換量x、zが多くなると、多くなるように設定するものとしてもよい。16dのMnサイトを他の元素で置換すると例えばLi2MnO3 が生成しやすくなることがあり、これを段階的に熱処理することによりスピネル構造の単相により近づけることができる。また、このとき、再酸化処理を行う1回目の加熱温度は、Mnサイトの置換量x、zが多くなると、より低くなる傾向に設定するものとしてもよい。例えば、Li1+x-yMey+zMn2-x-z4-nにおいて、Mnサイトを置換するLiの置換量xについて、この繰返数は、x=0では700℃で1回とし、0<x≦0.1では650℃、600℃及び550℃で計3回とし、0.1<x≦0.2では650℃、600℃、550℃及び500℃で計4回とし、0.2<x≦1/3では600℃、550℃、500℃、450℃及び400℃で計5回とするものとしてもよい。Mnサイトを置換する元素Meの値zについても値xと同様としてもよい。
こうして得られたリチウムマンガン複合酸化物は、充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができる。また、充放電を繰り返した際に、リチウムイオン二次電池の抵抗増加率をより低くすることができる。この理由は定かではないが、以下の理由が考えられる。上述した過程で得られたLiMn24は、例えば850℃以下の温度で焼成されて作製されたものに比して、粒子表面の細孔が少なく安定したスピネル構造特有の八面体晶癖を示すため、固液界面で発生する腐食反応を極力抑制することができる。また、上述した過程で得られたLiMn24は、1000℃以上の温度で焼成され急冷して作製されたものに比して、電気化学的に不活性な結晶相がより少なく、充放電容量をより高めることができる。また、上述した過程で得られたLiMn24は、再酸化処理工程により酸素欠損が少なく、充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができるのである。
なお、本発明は上述した実施形態に何ら限定されることはなく、本発明の技術的範囲に属する限り種々の態様で実施し得ることはいうまでもない。
以下には、リチウムイオン二次電池を具体的に作製した例を説明する。ここでは、組成式Li1+x-yMey+zMn2-x-z4-n(Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1以上であり、0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)で表されるリチウムマンガン複合酸化物を作製し、これを正極活物質としたリチウムイオン二次電池を作製し、その評価を行った。
[実施例1]
(原料調製工程)
組成がLiMn24(x=y=z=n=0)である再酸化処理を実行したリチウムニッケル複合酸化物を作製した。まず原料の無機材料として、水酸化リチウム(LiOH・H2O)、水酸化マンガン(MnOOH)を用い、LiMn24の組成となるように秤量して乳鉢を用いて十分混合粉砕した。この混合粉体を直径20mm、厚さ5mmのペレット状に100kgf/cm2のプレス圧で成形した。
(焼成工程・徐冷工程・再酸化処理工程)
この成形体を空気気流中、1000℃で12時間焼成した。その後、1000℃から400℃まで、5℃/min以下の徐冷速度で徐冷した。この焼成工程と徐冷工程において、TG(島津製作所製TGA−50)を用いて重量変化を計測した。図4は、リチウムマンガン複合酸化物の焼成・徐冷工程での重量変化を表す説明図である。なお、図4では、後述する実施例2の重量変化も示した。図4に示すように、焼成工程では、800℃以上1000℃に至るまでリチウムマンガン複合酸化物の相転移などに基づく重量減少が見られた。この1000℃において、リチウムマンガン複合酸化物は、八面体晶癖の構造に変化し、電気化学的に不活性なLi2MnO3やo−LiMnO2などが生成されていると推察される。徐冷工程では、焼成工程に対してヒステリシスを示しつつ、重量増加が見られ、800℃以下では、一定重量を示した。この徐冷工程において、焼成時に生成した電気化学的に不活性な結晶相が相転移して電気化学的に活性な相に転換されていると推察される。なお、焼成後は、焼成前の重量まで戻らず、焼成前よりも小さな重量を示した。このため、焼成後のリチウムマンガン複合酸化物は、酸素欠損が生じているものと推測される。この重量変化の屈曲点の温度に基づいて次の再酸化処理の加熱温度を設定した。ここでは、図4に示す、屈曲点の温度(800℃)よりも十分低い温度(700℃)を再酸化処理の加熱温度に設定した。続いて、400℃から、設定した加熱温度(700℃)まで昇温し、この加熱温度で24時間再酸化処理を行った。得られたリチウムマンガン複合酸化物を実施例1とした。
[実施例2]
組成がLi(Li0.1Mn1.9)O4(x=0.1,y=z=n=0)である再酸化処理を実行したリチウムニッケル複合酸化物を作製した。原料の無機材料をLi(Li0.1Mn1.9)O4の組成となるようにした以外は、実施例1と同様に原料調製工程を行った。また、図4に示す重量変化に基づいて、1回目の再酸化処理の加熱温度を屈曲点の温度よりも十分低い650℃に設定し、2回目以降の再酸化処理の加熱温度をそれぞれ、600℃、550℃として、計3回の再酸化処理工程及び徐冷工程を行った以外は、実施例1と同様に焼成工程、徐冷工程、再酸化処理工程を行い、得られたリチウムマンガン複合酸化物を実施例2とした。
[実施例3]
組成が(Li0.95Al0.15)(Al0.85Mn1.15)O4(MeがAl,x=0.1,y=0.15,z=0.85,n=0)である再酸化処理を実行したリチウムニッケル複合酸化物を作製した。なお、値y,zの値は、X線回折による解析により求めた。原料の無機材料を(Li0.95Al0.15)(Al0.85Mn1.15)O4の組成となるようにした以外は、実施例1と同様に原料調製工程を行った。また、実施例2と同様に焼成工程、徐冷工程、再酸化処理工程を行い、得られたリチウムマンガン複合酸化物を実施例3とした。
[比較例1]
電気化学的に不活性な結晶相の生成が抑制される温度である800℃で24時間、焼成工程を実行し、徐冷工程のあとの再酸化処理工程を行わなかった以外は、実施例1と同様の工程を経て得られたリチウムマンガン複合酸化物を比較例1とした。
[比較例2]
800℃で24時間、焼成工程を実行し、徐冷工程のあとの再酸化処理工程を行わなかった以外は、実施例2と同様の工程を経て得られたリチウムマンガン複合酸化物を比較例2とした。
[比較例3]
800℃で24時間、焼成工程を実行し、徐冷工程のあとの再酸化処理工程を行わなかった以外は、実施例3と同様の工程を経て得られたリチウムマンガン複合酸化物を比較例3とした。
[比較例4]
徐冷工程のあとに再酸化処理工程を行わなかった以外は、実施例2と同様の工程を経て得られたリチウムマンガン複合酸化物を比較例4とした。
[比較例5]
窒素気流中で再酸化処理工程の加熱及び徐冷工程の繰り返しを実験例2と同様に行なった以外は、実施例2と同様の工程を経て得られたリチウムマンガン複合酸化物を比較例5とした。この比較例5は、リチウムマンガン複合酸化物を再酸化させずに熱履歴だけ実施例2と同じとした試料である。
[コイン型電池の作製]
上述した実施例1〜3,比較例1〜5のリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質として、図2に示すコイン型電池20を作製した。まず、正極活物質を85重量%、カーボンブラック(東海カーボン製TB5500)を10重量%、結着材としてポリフッ化ビニリデン(呉羽化学社製)を5重量%を混合し、分散材としてN−メチル−2−ピロリドン(NMP)を適量添加し、分散させてスラリー状の正極合材とした。この正極合材を厚さ20μmのアルミニウム箔集電体に塗布し、120℃で12時間乾燥させたあと、ロールプレスで高密度化し、直径15mmの形状に切り出したものをシート状の正極22とした。なお、正極活物質の付着量は、20mg程度とした。対極(負極)には、金属Liを用いた。上記正極22と金属Liの負極23とによりポリエチレン製のセパレータ24を挟み込み、電池ケース21に配設し、非水電解液28を収容して2016型のコイン型電池20を作製した。非水電解液28は、1MのLiPF6をエチレンカーボネート(EC)とジエチルカーボネート(DEC)を体積比で1:1に混合させた電解液に溶解させたものとした。このコイン型電池20の作製は、すべてAr雰囲気下のグローブボックス内で行った。
[電子顕微鏡観察]
実施例1〜3,比較例1〜5の電極粉について、走査型電子顕微鏡(日本電子社製JSM−890)を用いてSEM写真を撮影した。図5は、比較例2と実施例2のSEM写真である。図5の左側に示すように、800℃で焼成したリチウムマンガン複合酸化物は、不定形であったのに対し、図5の右側に示すように実施例2のスピネル構造に特有の八面体晶癖が明瞭に観察された。なお、図示していないが、実施例1,3においても明瞭な八面体晶癖が観察され、比較例1,3〜5では不定形であることが観察された。
[X線回折測定]
実施例1〜3,比較例1〜5の電極粉のX線回折測定をX線回折装置(リガク社製RINT−2200)を用いてCuKα線により行った。その結果、実施例1〜3及び比較例1〜5の電極粉は、すべてスピネル構造(Fd3m)相で帰属することができ、実施例1と比較例1とについて各回折線の相対積分強度比と格子定数とが一致し、実施例2と比較例2,4,5とについて各回折線の相対積分強度比と格子定数とが一致し、実施例3と比較例3とについて各回折線の相対積分強度比と格子定数とが一致した。即ち、X線回折によっては、これらの試料の差が明確に検出できないことがわかった。また、これとは別に、Li(LixMn2-x)O4(0≦x≦1/3,0≦n≦0.1)の値xを0以上1/3以下とするリチウムマンガン複合酸化物を作製し、X線回折測定を行い、格子定数aを求めた。図6は、LiによるMnの置換値xに対する格子定数aの測定結果である。図6に示すように、値xが0.2を境に格子定数aの変化の特性が変わることがわかった。値xがより大きくなると、充放電に関係するMn量が減少することをも考慮すると、この結果より、値xが0〜0.2の範囲ではより良好な電池特性を得ることができると推察された。
[磁化曲線測定]
実施例1,2,比較例1,2のリチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線(MH曲線)を磁化測定装置(カンタムデザイン社製MPMS)を用いて行った。磁化曲線測定は、30mgの試料を用い、温度5Kで、磁場Hを1.0Tから5.5Tとしたあと−5.5Tに変化させ、続いて5.5Tとする条件として行った。即ち、図1に示す、A→B→C→D→E→F→G→H→Cに沿って磁化曲線の測定を行った。図7は、実施例1及び比較例1のリチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線を表す図であり、図8は、実施例2及び比較例2のリチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線を表す図である。図7,8に示すように、再酸化処理を実行した実施例1,2は、磁化曲線のヒステリシスがより少なく、常磁性及び反強磁性の少なくとも一方の特性を示すものと推察された。このとき、磁場Hを5.5(T)としたとき(図1の点C)のMnの1molあたりの磁化率を最大磁化率Mmax(emu/mol−Mn)とし、磁場Hを0(T)としたとき(図1の点D)のMnの1molあたりの磁化率を残留磁化率Mr(emu/mol−Mn)として、最大磁化率Mmaxに対する残留磁化率Mrの割合Mr/Mmax×100%を求めた。その結果、実施例1では、最大磁化率Mmaxが603(emu/mol−Mn),残留磁化率Mrが1.84(emu/mol−Mn),割合Mr/Mmaxが0.31%であった。また、実施例2では、最大磁化率Mmaxが1890(emu/mol−Mn),残留磁化率Mrが11.9(emu/mol−Mn),割合Mr/Mmaxが0.63%であった。また、比較例1では、最大磁化率Mmaxが619(emu/mol−Mn),残留磁化率Mrが32.1(emu/mol−Mn),割合Mr/Mmaxが5.19%であった。また、比較例2では、最大磁化率Mmaxが2390(emu/mol−Mn),残留磁化率Mrが73.4(emu/mol−Mn),割合Mr/Mmaxが3.07%であった。
[帯磁率χ測定]
実施例1,2,比較例1,2のリチウムマンガン複合酸化物の帯磁率測定を測定装置(カンタムデザイン社製MPMS)を用いて行った。帯磁率は、30mgの試料を用い、100Oeでゼロ磁場中冷却(ZFC)および磁場中冷却(FC)の2つのモードで測定した。図9は、実施例1及び比較例1の温度Kに対する帯磁率χの測定結果である。図9に示すように、比較例1のリチウムマンガン複合酸化物は、60K以下で明瞭にZFCとFCとの差が観察されたのに対し、実施例1のリチウムマンガン複合酸化物は、ZFCとFCとの差が明確ではなかった。更に低温での磁化の大きさが実施例1と比較例1とで全く異なっており、実施例1のFCの5Kでの磁化は、比較例1の10分の1の値を示した。これは、比較例1の試料中に強磁性又はスピングラス的な成分が存在していることを示しており、図7に示した磁化曲線の結果と対応している。また、比較例2と実施例2とについても帯磁率の測定を行ったが、これらの間では帯磁率の挙動に明確な差は見られなかった。この点について、16dのMnサイトを他の元素で置換すると、反強磁性的な相互作用が弱くなり、全体の磁化が増加するものと推察された。この場合、ZFC及びFCモードでの違いを調べることは難しいが、図8に示すように、磁化曲線(MH)の測定によれば、実施例及び比較例のいずれの作製方法によるものであるかを容易に判別することができる。
[充放電サイクル試験、容量維持率]
実施例1〜3,比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を試験温度25℃、電流値0.5mA(約0.28mA/cm2の電流密度に相当)で金属Liに対して5Vまで定電流充電し、その後、電流値0.5mA(0.28mA/cm2)で3.0まで定電流放電を行う充放電を1サイクルとし、このサイクルを合計100サイクル行う充放電サイクル試験を行った。このとき、1回目のサイクルでの放電容量を初期容量W0(mAh/g)とし、100回目のサイクルでの放電容量をサイクル後容量W100(mAh/g)とし、次式(1)により容量維持率Wmaを算出した。
容量維持率Wma(%)=W100/W0×100 …式(1)
[抵抗増加率]
実施例1〜3,比較例1〜5のリチウムイオン二次電池を用い、充放電のサイクルを繰り返した際の抵抗増加率Zを求めた。電池抵抗は、まず、充放電サイクルを行う前に、25℃、充電電流0.5mAで5.0Vまで充電時間24時間で定電流定電圧充電したのち、0.5mA、1.0mA、2.0mA、4.0mA、8.0mAの電流を流して10秒後の電圧を測定し、流した電流と電圧とをプロットして直線近似しその傾きから初期抵抗R0(Ω)を求めた。次に、上述した充放電サイクル試験を行ったあとに同様に電池抵抗を求め、この値をサイクル後抵抗R100(Ω)とし、次式(2)により、抵抗増加率Rin(%)を算出した。
抵抗増加率Rin(%)=(R100−R0)/R0×100 …式(2)
[測定結果]
各試料の焼成温度(℃)、再酸化処理の有無、初期容量(mAh/g)、容量維持率(%)、抵抗増加率(%)、最大磁化率Mmaxに対する残留磁化率Mrの割合Mr/Mmax×100(%)の測定結果を表1に示す。図10は、実施例1及び比較例1のリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質としたリチウムイオン二次電池の充放電曲線の測定結果であり、図11は、実施例2及び比較例2のリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質としたリチウムイオン二次電池の充放電曲線の測定結果である。表1に示すように、実施例1〜3では、繰り返し充放電を行った際の容量維持率が高い値を示し、且つ抵抗増加率も低い値を示しより高い電池性能を有していることが明らかとなった。また、図10に示すように、実施例1は、LiMn24の特徴として知られる(”Double Hexagonal”相の生成と消滅(M.R.Palacin,et.al.,J.Electrochem.Soc,147(2000)845))ダブルヘキサゴナルに起因する領域が比較例1に比して広いという特性を示した。なお、図11に示すように、Mnサイトを他の元素で置換すると、このダブルヘキサゴナルに起因する領域は消失した。表1に示すように、組成式がLi1+x-yAly+zMn2-x-z4-n(0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)であり、Mr/Mmax×100の値が2%以下であると充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができることが明らかとなった。また、図5のSEM写真に示すように、スピネル構造の特徴である八面体晶癖を有していると、この結晶形態により、充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができることが推察された。また、リチウムマンガン複合酸化物となる無機材料を、電気化学的に活性な結晶相に転移可能である電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成する所定の焼成温度で焼成したのち所定の徐冷速度で徐冷し、この焼成温度よりも低い所定の加熱温度で複合酸化物を酸化する工程を1回以上行うと、充放電を繰り返した際に充放電容量の低下をより抑制することができることが明らかとなった。また、実施例1と比較例5とにより、徐冷や再加熱するのみでは足りず、リチウムマンガン複合酸化物を再酸化することが重要であることがわかった。
リチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線の測定方法の一例を示す説明図である。 コイン型電池20の構成の概略を表す断面図である。 焼成及び徐冷してLiMn24を生成する際の重量変化のモデル図である。 リチウムマンガン複合酸化物の焼成・徐冷工程での重量変化を表す説明図である。 比較例2と実施例2のSEM写真である。 LiによるMnの置換値xに対する格子定数aの測定結果である。 実施例1及び比較例1のリチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線を表す図である。 実施例2及び比較例2のリチウムマンガン複合酸化物の磁化曲線を表す図である。 実施例1及び比較例1の温度Kに対する帯磁率χの測定結果である。 実施例1及び比較例1のリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質としたリチウムイオン二次電池の充放電曲線の測定結果である。 実施例2及び比較例2のリチウムマンガン複合酸化物を正極活物質としたリチウムイオン二次電池の充放電曲線の測定結果である。
符号の説明
20 コイン型セル、21 電池ケース、22 正極、23 負極、24 セパレータ、25 ガスケット、26 封口板、28 非水電解液。

Claims (17)

  1. リチウムイオン二次電池の活物質として用いられるリチウムマンガン複合酸化物であって、
    組成式がLi1+x-yMey+zMn2-x-z4-n(Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1種類以上の元素、0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)であり、
    磁場Hを1.0Tから5.5Tとしたあと−5.5Tに変化させて温度5Kで測定する磁化曲線において、磁場Hを5.5TとしたときのMnの1molあたりの磁化率を最大磁化率Mmax(emu/mol−Mn)とし、磁場Hを0TとしたときのMnの1molあたりの磁化率を残留磁化率Mr(emu/mol−Mn)としたとき、最大磁化率Mmaxに対する残留磁化率Mrの割合Mr/Mmax×100が2%以下である、
    リチウムマンガン複合酸化物。
  2. 前記割合Mr/Mmaxが1.0%以下である、請求項1に記載のリチウムマンガン複合酸化物。
  3. 結晶がスピネル構造の八面体晶癖に形成されている、請求項1又は2に記載のリチウムマンガン複合酸化物。
  4. リチウムイオン二次電池の活物質として用いられるリチウムマンガン複合酸化物であって、
    組成式がLi1+x-yMey+zMn2-x-z4-n(Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1種類以上の元素、0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)であり、
    結晶がスピネル構造の八面体晶癖に形成されている、
    リチウムマンガン複合酸化物。
  5. 組成式がLi(LixMn2-x)O4-n(0≦x≦1/3,0≦n≦0.1)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物。
  6. 組成式が(Li1-yAly)(LixAlzMn2-x-z)O4-n(0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)である、請求項1〜4のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物。
  7. 前記値xが0.2以下である、請求項1〜6のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物。
  8. 前記値nが値0である、請求項1〜7のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物。
  9. 請求項1〜8のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物を含む正極活物質を有する正極と、
    負極活物質を有する負極と、
    前記正極と前記負極との間に介在しリチウムイオンを伝導するイオン伝導媒体と、
    を備えたリチウムイオン二次電池。
  10. リチウムイオン二次電池の活物質として用いられるリチウムマンガン複合酸化物の製造方法であって、
    リチウムマンガン複合酸化物となる無機材料を、電気化学的に活性な結晶相に転移可能である電気化学的に不活性な結晶相を含む複合酸化物を生成する所定の焼成温度で焼成する焼成工程と、
    前記焼成工程ののち所定の徐冷速度で徐冷する徐冷工程と、
    前記焼成温度よりも低い所定の加熱温度で前記複合酸化物を酸化する再酸化処理工程と、
    を含むリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  11. 前記焼成工程では、基本の組成式がLi1+x-yMey+zMn2-x-z4-n(Meは、Al,Mg,Fe,Co,Ni,Cu,Cr及びZnから選ばれる1種類以上の元素、0≦x≦1/3,0≦y+z≦1,0≦n≦0.1)となる無機材料を焼成する、請求項10に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法
  12. 前記焼成工程では、前記焼成温度として1000℃以上の温度で前記無機材料を焼成する、請求項10又は11に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  13. 前記徐冷工程では、5℃/分以下の速度で徐冷する、請求項10〜12のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  14. 前記徐冷工程では、400℃以下の所定の目標温度まで徐冷し、
    前記再酸化処理工程では、前記目標温度から前記加熱温度まで昇温して前記複合酸化物を酸化する、請求項10〜13のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  15. 前記焼成工程、前記徐冷工程及び前記再酸化処理工程のあと、前記徐冷工程と、前回の再酸化処理工程での加熱温度よりも低い温度を加熱温度とする再酸化処理とを複数回に亘って行う、請求項10〜14のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  16. 前記再酸化処理工程では、前記加熱温度として700℃以下の温度で前記複合酸化物を酸化する、請求項10〜15のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
  17. 前記再酸化処理工程では、該再酸化処理工程の直近の熱処理での前記複合酸化物の重量変化の屈曲温度に基づいて前記加熱温度を設定し、該設定した加熱温度で前記複合酸化物を酸化する、請求項10〜16のいずれか1項に記載のリチウムマンガン複合酸化物の製造方法。
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