JP2009172662A - サーボプレスラインとその制御方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】プレスライン制御装置40が、マスター信号1を出力するマスター信号発生器32と、マスター信号に同期した個別マスター信号4を出力する複数の個別マスター発生器42と、プレス制御装置又は搬送制御装置の一部で異常が発生した場合に、装置を個別に停止させる停止制御装置50とを備え、異常停止した装置と干渉が発生する可能性がある装置の個別マスター発生器42を干渉を避ける位置で停止させ、干渉が発生しない装置の個別マスター発生器42を通常の停止位置まで運転して停止させる。
【選択図】図3
Description
そのため1台の装置の異常で、ライン全体が停止してしまうため、復旧作業が煩雑になり、ラインの生産性が向上できないという問題があった。
また、正常なプレス装置及び搬送装置も通常の停止位置以外の場所で停止させてしまうため、1つ1つの工程で不具合がないか目視確認が必要で、人手による復旧作業を行わないと運転再開できず、運転再開に時間がかかる問題点があった。
前記サーボプレスライン全体を制御するプレスライン制御装置を備え、
該プレスライン制御装置は、サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力するマスター信号発生器と、
前記マスター信号に同期した個別マスター信号を出力する複数の個別マスター発生器と、
対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力する複数のプレス制御装置と、
対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力する複数の搬送制御装置と、
前記プレス制御装置又は搬送制御装置の一部で異常が発生した場合に、前記プレス制御装置又は搬送制御装置を個別に停止させる停止制御装置とを有する、ことを特徴とするサーボプレスラインが提供される。
各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数の搬送装置干渉判定器とからなり、
該搬送装置干渉判定器は、プレス異常検出器が異常信号を出力したとき、そのプレスと隣接する搬送装置のスライド部との干渉の有無を判断し、
干渉する場合には、その搬送装置の個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、運転開始位置に到達した時点で非同期化し停止させる。
各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数のプレス干渉判定器とからなり、
該プレス干渉判定器は、搬送装置異常検出器が異常信号を出力したとき、その搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断し、
干渉する場合には、そのプレスの個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、上死点位置に到達した時点で非同期化し停止させる。
前記サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力し、
前記各プレスと各搬送装置毎に、マスター信号に同期した個別マスター信号を出力し、
対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力し、
対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力し、
前記プレス制御装置又は搬送制御装置の一部で異常が発生した場合に、前記プレス制御装置又は搬送制御装置を個別に停止させる、ことを特徴とするサーボプレスラインの制御方法が提供される。
このサーボプレスラインは、未公開の特許出願(特願2006−322836:平成18年11月30日出願)に基づいている。
この図において、9はパネル、13はクランク軸エンコーダ、14はプレスメインモータ、22は搬送装置モータ、16,26はモータドライブである。プレスメインモータ14はサーボモータである。
以下、プレスメインモータ及び搬送装置モータを単に「モータ」と呼ぶ。
以下、サーボプレス装置を単に「プレス」と呼ぶ。
サーボプレスラインでは、プレス10のクランク軸をモータ14で駆動し、プレス10のスライド位置やスライドを上下させるためのクランク軸の角度をサーボ制御により精密に制御できるようになっている。
搬送装置20はプレス10の前後(図で左右)又はプレス間に配置され、パネル吸着用バキュームカップや把持ツールが付いたパネル支持部をモータ22で位置制御し、前工程から後工程にパネル9を搬送する。
このプレスライン制御装置30は、マスター信号発生器32、複数のプレス制御装置34、複数の搬送制御装置36及びモータ位置制御器38を備える。
マスター信号発生器32は、サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号1を出力する。
複数のプレス制御装置34は、対応するマスター信号1の変化に同期してプレス10のスライド位置の指令値2を一義的に出力する。
搬送制御装置36は、対応するマスター信号1の変化に同期して搬送装置20の作動位置の指令値3を一義的に出力する。
モータ位置制御器38は、指令値2,3に対応してモータドライブ16,26を制御する。
例えば第1工程のプレス10Aのモータ14で異常を検出した場合、その前後の搬送装置20A,20Bとの干渉を避けるためにマスター信号1を停止させる必要がある。しかし、その場合、第2工程、第3工程のプレス10B,10Cも緊急停止してしまう。その時に第2工程、第3工程のプレス10B,10Cがパネル9をプレス成型中だった場合、パネル成型が均一でなくなり、不良品が発生してしまう。
また、正常なプレス本体10や正常な搬送装置20も通常の停止位置以外の場所で停止させてしまうため、1つ1つの工程で不具合がないか目視確認が必要で、人手による復旧作業を行わないと運転再開できず、作業効率が低下する。
この図において、本発明のサーボプレスラインは、サーボモータ14でスライドを駆動する複数のプレス10(10A,10B)と、プレス10A,10Bにワークを搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置20(20A,20B,20C)とが連続して配置されたサーボプレスラインである。
プレスライン制御装置40は、マスター信号発生器32、複数のプレス制御装置34、複数の搬送制御装置36、モータ位置制御器38、複数の個別マスター発生器42、及び停止制御装置50を備える。
複数の個別マスター発生器42は、マスター信号1に同期した個別マスター信号4を出力する。
複数の搬送制御装置36は、対応する個別マスター信号4の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値3を一義的に出力する。図2の搬送制御装置36とは、マスター信号1ではなく対応する個別マスター信号4に同調する点で相違している。
モータ位置制御器38は、図2と同様に、指令値2,3に対応してモータドライブ16,26を制御する。
この図において、個別マスター発生器42は、「搬送装置マスター1」、「プレスマスター1」、「搬送装置マスター2」、「プレスマスター2」に相当する。
例えば、図3の第1工程プレス10Aのモータドライブ16で異常が発生した場合、プレスライン制御装置40はプレス異常検出器52によって、第1工程プレス10Aのモータドライブ16に異常が発生したことを検出し、その情報を第1工程プレス10Aの前後の搬送装置20A,20Bの個別マスター発生器42に接続されている搬送装置干渉判定器54に伝達する。
上述した停止制御装置50は、この例では、プレス異常検出器52と搬送装置干渉判定器54からなる。
搬送装置20A,20Bが運転開始位置まで運転を続けた場合、異常停止した第1工程プレス10Aのスライド部(上金型を含む)と「干渉が発生する」と判断した場合、搬送装置干渉判定器54は、その搬送装置の個別マスター発生器42を、マスター信号発生器32から非同期化し、個別マスター信号4を減速停止させる。
搬送装置20A,20Bが運転開始位置まで運転を続けても、異常停止した第1工程プレス10Aのスライド部(上金型を含む)と「干渉しない」と判断した場合、搬送装置干渉判定器54は、個別マスター信号4をマスター信号1に同期させ続け、運転開始位置に到達した時点で非同期化し、停止させる。
異常が発生した第1工程プレス10Aの個別マスター信号4は、異常検出時に直ちに停止させる。
これにより、第1工程プレス10Aで異常が発生しても、後工程では正常にプレス動作と搬送動作を継続させることが可能であり、ライン内に残った未成型パネルが全て生産完了した時点で、停止させればよい。
第1工程プレス10Aのプレス成型が終了する(図中のa)と、第1工程と第2工程間の搬送装置20Bは第1工程プレスに成型済みのパネルを取りに移動する(図中のb)。パネルを吸着する(図中のc)と、搬送装置20Bはそのまま第2工程プレスにパネルを持って移動する(図中のd)。第2工程プレスにパネルを搬入する(図中のe)と、搬送装置20Bは待機位置(図中のf)に移動し、第1工程プレス10Aの次のプレス成型が終了する(図中のa)まで停止する。
第1工程プレス10Aのモータドライブ16に異常が発生する(図中のa1)とモータ14はフリーランとなり、ダイナミックブレーキ、あるいは通常のブレーキにより、第1工程プレス10Aは停止する(図中のa2)。
異常検出によりブレーキを動作させた場合のプレススライドの空走距離は、ブレーキの特性と、マスター信号1の速度から予測可能である。この図の場合、第1工程プレス10Aはスライド上昇途中で停止してしまうので、このまま搬送装置20Bの運転を続ければ、第1工程プレス10Aのプレススライド(上金型を含む)と搬送装置20Bが機械的に干渉してしまう。従って、この図のようなケースでは搬送装置干渉判定器54は、異常検出と同時に搬送装置20Bの個別マスター信号4を停止させる(図中のb1)。
一方、第2工程以降のプレス装置のスライドとは、干渉が発生しないので、個別マスター信号4を停止させる必要はない。
異常が発生する(図中のe1)と、第2工程プレス10Bのモータ14がフリーランとなり、ダイナミックブレーキ、または通常のブレーキで停止する(図中のe2)のは図5と同じである。
このケースでは、第2工程プレス10Bがスライド下降方向に空走するので、搬送装置20Bを停止させると第2工程プレス10Bのスライド(上金型を含む)と機械的に干渉してしまう。従って、搬送装置20Bの個別マスター信号4は停止させずに、待機位置(図中のf)に移動するまで運転してから停止させる。
このケースでは異常が発生する(図中のb2)と第1工程プレス10Aは上死点手前で停止する(図中のc1)ため、プレススライドと搬送装置20Bとの機械的干渉が発生しない。従って搬送装置20Bの個別マスター信号4は停止させる必要はなく、第2工程プレス10Bにパネルを搬送して、待機位置(図中のf)まで戻ってきたところで停止させる。
搬送装置20Bの水平方向位置指令値X(θ)、垂直方向位置指令値Y(θ)は、図4(B)に示したようにマスター信号θの関数で表せる。同じく、第1工程プレスのスライド位置L1(θ)、第2工程プレスのスライド位置L2(θ)も図4(A)(C)のようにマスター信号θの関数で表せる。
0≦X(θ)≦XL ・・・(1)
とし、垂直方向可動範囲を
0≦Y(θ)≦YL ・・・(2)
とする。ここでXLは、搬送装置の最大水平位置、YLは、最大上昇位置である。
今、第1工程プレス10Aのダイエリア(金型の範囲)に相当する水平方向範囲を
0≦X(θ)≦X1 ・・・(3)
とし、第2工程プレスのダイエリアに相当する水平方向範囲を
X2≦X(θ)≦XL ・・・(4)
とする。
また、搬送装置20Bが第1工程のダイエリア(式(3))に進入している範囲に対応するマスター信号を
θIN1≦θ≦θOUT1 ・・・(5)
とし、第2工程のダイエリア(式(4))に進入している範囲に対応するマスター信号を
θIN2≦θ≦θOUT2 ・・・(6)
とする。
θH<θIN1<θP<θOUT1<θIN2<θL<θOUT2<θH+T ・・・(7)
なお、Tはθが角度信号の場合は360°、θが時間の場合は1サイクルの時間[sec]、θがカウンタのカウント値である場合は、1サイクルのカウント値である。
θe’=θe+θR(θe、ωe) ・・・(8)
とする。θR(θe、ωe)は、プレスの空走距離に相当するマスター信号の増分値であり、異常発生時のマスター信号の値θeとその変化量ωeの関数である。
今、第1工程プレス10Aで異常が発生したとする(S1,S2,S10)。その時の停止予想値θe’は式(8)から求められる。
(1)停止予想値θe’が
θH≦θe’≦θIN1 ・・・(9)
の場合(S11)、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入する前であるので、干渉をさけるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42を直ちに停止(S12)した方が良い。
(2)停止予想値θe’が
θIN1≦θe’≦θOUT1 ・・・(10)
の場合(S12)、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
最大上昇位置YL<スライド停止予想位置L1(θe’) ・・・(11)
の場合(S14)、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生しないため搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S15)。
逆に、
スライド停止予想位置L1(θe’)≦最大上昇位置YL ・・・(12)
であった場合(S16)は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42は停止予想値θe’で停止させる必要がある(S17)。
θOUT1≦θe’≦θH+T ・・・(13)
の場合(S18)、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリアを既に通過した後なので、θH+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S19)。
(4)停止予想値θe’が
θH≦θe’≦θIN2 ・・・(14)
の場合(S21)、搬送装置20Bは、第2工程プレスのダイエリアに進入する前であるので、干渉を避けるためには搬送装置の個別マスター発生器42をθOUT1≦θ≦θIN2の範囲で停止させる必要がある(S22)。
(5)停止予想値θe’が
θIN2≦θe’≦θL ・・・(15)
の場合(S23)、搬送装置20Bが第2工程プレスのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置の個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
最大上昇位置YL<スライド停止予想位置L2(θe’) ・・・(16)
の場合(S24)、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため搬送装置の個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S25)。
逆に、
スライド停止予想位置L2(θe’)≦最大上昇位置YL ・・・(17)
であった場合(S26)は、運転を続けると搬送装置とスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42は停止予想値θe’で停止させる必要がある(S27)。
なお、個別マスター発生器42を直ちに停止させないのは、第2工程ではプレススライドが下降中に搬送装置が進入するため、直ちに停止すると空走してきたプレススライドに上から押される形で干渉してしまう可能性があるからである。
θL≦θe’≦θH+T ・・・(18)
の場合(S28)、搬送装置20Bは、第2工程プレスのダイエリアから脱出する行程に入っているので、θH+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない(S29)。
上述した停止制御装置50は、この例では、プレス異常検出器52、搬送装置干渉判定器54およびクランク軸エンコーダ18からなる。
第2実施形態における第1工程と第2工程間の搬送装置20Bの干渉判定の具体例を以下に示す。
また、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入している範囲に対応する第1工程プレス10Aのクランク軸エンコーダ18の信号を
EIN1≦E1≦EOUT1 ・・・(19)
とし、搬送装置20Bが第2工程プレス10Bのダイエリアに進入している範囲に対応する第2工程プレスのクランク軸エンコーダ18の信号を
EIN2≦E2≦EOUT2 ・・・(20)
とする。
E1e’=E1e+E1R(E1e、V1e) ・・・(21)
とする。
E1H≦E1e’≦EIN1 ・・・(22)
の場合、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入する前であるので、干渉をさけるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42を直ちに停止した方が良い。
(2)停止予想値E1e’が
EIN1≦E1e’≦EOUT1 ・・・(23)
の場合、搬送装置が第1工程プレス10Aのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
最大上昇位置YL<スライド停止予想位置L1(E1e’) ・・・(24)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため搬送装置の個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
L1(E1e’)≦YL ・・・(25)
であった場合は、運転を続けると搬送装置とスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
EOUT1≦E1e’≦E1H ・・・(26)
の場合、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリアを既に通過した後なので、θH+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS1〜S19と同様である。
プレス異常検出器44aから異常発生が通知されると、搬送装置干渉判定器54は異常発生時の第2工程プレス10Bのクランク軸エンコーダ18の信号値E2eとその変化量V2e(=dE2e/dt)を記憶する。プレス停止位置に相当するクランク角度の停止予想値を
E2e’=E2e+E2R(E2e、V2e) ・・・(27)
とする。
E2H≦E2e’≦EIN2 ・・・(28)
の場合、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアに進入する前であるので、干渉を避けるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42をθOUT1≦θ≦θIN2の範囲で停止させる必要がある。
(5)停止予想値E2e’が
EIN2≦E2e’≦EL ・・・(29)
の場合、搬送装置が第2工程プレス10Bのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
最大上昇位置YL<スライド停止予想位置L2(E2e’) ・・・(30)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため、搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
スライド停止予想位置L2(E2e’)≦最大上昇位置YL ・・・(31)
であった場合は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
EL≦E2e’≦E2H ・・・(32)
の場合、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアから脱出する行程に入っているので、θH+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS20〜S29と同様である。
上述した停止制御装置50は、この例では、プレス異常検出器52および搬送装置干渉判定器54からなる。
異常発生したプレスの停止位置と、搬送装置の位置が判明すれば、搬送装置のマスターを即停止させなければならないか、待機位置まで運転できるかどうかの判定ができる。
第1工程プレス10Aのスライド位置指令2の指令値をS1、第2工程プレス20Aのスライド位置指令2の指令値をS2とする。
S1e’=S1e+S1R(S1e、υ1e) ・・・(33)
とする。
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入する前であるので、干渉をさけるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42を直ちに停止した方が良い。
(2)水平方向位置指令値Xeが 0≦Xe≦X1 ・・・(35)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
最大上昇位置YL<スライド停止予想位置S1e’ ・・・(36)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため、搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
スライド停止予想位置S1e’≦最大上昇位置YL ・・・(37)
であった場合は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
または、Vxeは任意で XH≦Xe≦XL ・・・(39)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリアを既に通過した後なので、θH+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS1〜S19と同様である。
プレス異常検出器52から異常発生が通知されると、搬送装置干渉判定器54は異常発生時の第2工程プレス10Bのスライド位置指令値S2eとその変化量υ2e(=dS2e/dt)を記憶する。また、その時の搬送装置20Bの水平方向位置指令値Xeとその変化量Vxe(=dXe/dt)も同時に記憶する。
S2e’=S2e+S2R(S2e、υ2e) ・・・(40)
とする。
または、Vxe≧0、かつ、0≦Xe≦X2 ・・・(42)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアに進入する前であるので、干渉を避けるためには搬送装置20Bの個別マスター発生器42をθOUT1≦θ≦θIN2の範囲で停止させる必要がある。
(5)Vxe≧0、かつ、X2≦Xe≦XL ・・・(43)
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bが第2工程プレス10Bのダイエリアに進入してしまっているので、スライドとの干渉を考慮して搬送装置20Bの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
最大上昇位置YL<スライド停止予想位置S2e’ ・・・(44)
の場合、搬送装置20Bの可動範囲外にスライドが位置しているので、干渉が発生ないため、搬送装置20Bの個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
逆に、
スライド停止予想位置S2e’≦最大上昇位置YL ・・・(45)
であった場合は、運転を続けると搬送装置20Bとスライドが干渉する可能性があるため、個別マスター発生器42はスライドが停止したタイミングで停止させる必要がある。
の場合、図8(A)において、搬送装置20Bは、第2工程プレス10Bのダイエリアから脱出する工程に入っているので、θH+Tまで個別マスター発生器42を停止させる必要はない。
上述した干渉判定器のおけるフロー図は、図9のS20〜S29と同様である。
上述した停止制御装置50は、この例では、搬送装置異常検出器56およびプレス干渉判定器58からなる。
なお、異常が発生した搬送装置の個別マスター発生器信号は、異常検出時に直ちに停止させる。
これにより、第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が発生しても、第3工程以降では正常にプレス動作と搬送動作を継続させることが可能であり、ライン内に残った未成型パネルが全て生産完了した時点で、停止させればよい。
搬送装置20Bのモータ26の異常(図中のe3)を検出すると搬送装置20Bのモータ26はフリーランとなり、空走状態となる。その後メカブレーキが動作し、機構系を停止させるが、搬送装置は第2工程プレス10Bのダイエリア内で停止してしまう(図中のe4)。
この時、第2工程プレス10Bのスライドは下降中であり、このまま下降を続けると、停止した搬送装置20Bとスライドが干渉してしまう。従ってこのようなケースでは、「プレス干渉判定器47b」は第2工程プレス10Bの個別マスター発生器42をマスター信号発生器32から非同期化し、直ちに停止させる(図中のf1)。
この場合、搬送装置20Bは、第1工程プレス10Aのダイエリア内に停止してしまう。この場合、第1工程プレス10Aのスライドはプレスを終えて上昇中であり、上死点(図中のc2)で停止すれば、搬送装置20Bとの干渉は発生しない。従って、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はマスター信号発生器32と非同期化せず、上死点(図中のc2)まで移動してから個別マスター発生器42を停止させる。
なお、第1、第2工程間搬送装置20Bが、第1工程プレス10Aのダイエリア内で停止しているため、第1工程前の搬送装置20Aはパネルを搬入することができない。よって、第1工程前の搬送装置20Aの個別マスター発生器42も、第1、第2工程間搬送装置20Aの個別マスター発生器42が停止したタイミングで、停止しなければならない。
また、第1工程プレス10Aのスライド位置L1(θ)もθの関数で表せる。
0≦X0(θ)≦X0L ・・・(47)
とし、垂直方向可動範囲を
0≦Y0(θ)≦Y0L ・・・(48)
とする。第1工程プレス10Aのダイエリアに相当する水平方向範囲を
X01≦X0(θ)≦X0L ・・・(49)
する。
同様に、第1、第2工程間搬送装置20Bの水平方向可動範囲を
0≦X1(θ)≦X1L ・・・(50)
とし、垂直方向可動範囲を
0≦Y1(θ)≦Y1L ・・・(51)
とする。第1工程プレス10Aのダイエリアに相当する水平方向範囲を
0≦X1(θ)≦X11 ・・・(52)
とする。
第1工程前搬送装置20Aが第1工程プレス10Aのダイエリア(式(49))に進入している範囲に対応するマスター信号1を、
θIN01≦θ≦θOUT01 ・・・(53)
とする。また、第1、第2工程間搬送装置20Bが、第1工程プレス10Aのダイエリア(式(52))に進入している範囲に対応するマスター信号1を、
θIN11≦θ≦θOUT11 ・・・(54)
とする。
第1工程前搬送装置20Aのパネルリリース位置に対応するマスター信号1の値をθ0L、第1、第2工程間搬送装置20Bのパネルピックアップ位置に対応するマスター信号1の値をθ1Pとする。
θ0e’=θe+θ0R(θe、ωe) ・・・(55)
とする。
第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が起きた場合の、停止位置に相当するマスター信号1の停止予想値を
θ1e’=θe+θ1R(θe、ωe) ・・・(56)
とする。
今、第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が起きたとする(T1,T2,T20)。その時の停止予想値θ1e’は、式(56)から求められる。
(1)停止予想値θ1e’が
θBDC≦θ1e’≦θTDC ・・・(57)
の場合(T21)、プレスが上昇行程の途中であるので、搬送装置20Bとプレススライドとの干渉は発生せず、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は上死点まで運転してから、停止させればよい(T22)。
(2)停止予想値θ1e’が
θTDC≦θ1e’≦θBDC+T ・・・(58)
の場合(T23)、プレスが下降行程の途中であるので、搬送装置20Bとプレススライドが干渉してしまう。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は直ちに停止させなければならない(T24)。
θIN11≦θ1e’≦θOUT11 ・・・(59)
の時(T25)は、第1、第2工程間搬送装置20Bが第1工程プレス10Aのダイエリア内で停止してしまうため、後から入ってくる第1工程前搬送装置20Aと干渉してしまう。よって、式(59)の場合は、第1工程前搬送装置20Aの個別マスター発生器42も直ちに停止させなければならない(T26)。
(3)停止予想値θ0e’が
θBDC≦θ0e’≦θTDC ・・・(60)
の場合(T11)、プレスが上昇行程の途中であるので、搬送装置20Aとプレス10Aのスライドとの干渉は発生せず、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は上死点まで運転してから、停止させればよい(T12)。
θTDC≦θ0e’≦θBDC+T ・・・(61)
の場合(T13)、プレスが下降行程の途中であるので、搬送装置20Aとプレススライドが干渉してしまう。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42は直ちに停止させなければならない(T14)。
θIN01≦θ1e’≦θOUT01 ・・・(62)
であっても、第1、第2工程間搬送装置20Bは、第1工程前搬送装置20Aがダイエリアに進入する前に、ダイエリアを脱出しているので、干渉は発生しない。よって、第1、第2工程間搬送装置20Bの個別マスター発生器42は止める必要がない。
上述した停止制御装置50は、この例では、搬送装置異常検出器56およびプレス干渉判定器58からなる。
異常が発生した搬送装置20A,20Bの個別マスター発生器42は直ちにマスター信号発生器32から非同期化され停止するが、搬送装置本体はブレーキによって減速されるまで惰性で動き続ける。この搬送装置20a,20Bの空走距離は、異常発生時の搬送装置の速度に依存する。空走距離をV0xe、またはV1xeの関数として、第1工程前搬送装置20Aの空走距離をX0R(V0xe)、第1、第2工程間搬送装置20Bの空走距離をX1R(V1xe)とする。
X0e’=X0e+X0R(V0xe) ・・・(63)
とする。
第1、第2工程間搬送装置20Bで異常が起きた場合の、停止位置予想値を
X1e’=X1e+X1R(V1xe) ・・・(64)
とする。
0≦X1e’≦X11 ・・・(65)
の場合、第1、第2工程間搬送装置20Bが第1プレス10Aのダイエリア内で停止していまっているため、プレススライドとの干渉を考慮して、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
X11<X1e’ ・・・(66)
の場合、第1、第2工程間搬送装置20Bは第1プレス10Aのダイエリア外で停止しているため、第1工程プレス10Aのスライドとの干渉は考慮する必要は無い。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はθTDCまで運転してから停止させればよい。
X01≦X0e’≦X0L ・・・(67)
の場合、第1工程前搬送装置20Aが第1プレス10Aのダイエリア内で停止していまっているため、プレススライドとの干渉を考慮して、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42の動きを切換える必要がある。
υe>0の場合、スライドが上昇中であるため、搬送装置20Aとプレス10Aのスライドが干渉する可能性はない。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はθTDCまで運転してから停止させればよい。
X0e’<X01 ・・・(68)
の場合、第1工程前搬送装置20Aは第1プレス10Aのダイエリア外で停止しているため、第1工程プレス10Aのスライドとの干渉は考慮する必要は無い。よって、第1工程プレス10Aの個別マスター発生器42はθTDCまで運転してから停止させればよい。
3 搬送装置の位置指令、4 個別マスター信号、
6 搬送装置の目標位置、9 パネル、
10(10A〜10C) サーボプレス装置(プレス)、
13 クランク軸エンコーダ、14 プレスメインモータ(モータ)、
16 モータドライブ、20,20A〜20D 搬送装置、
22 搬送装置モータ(モータ)、26 モータドライブ、
30 プレスライン制御装置、
32 マスター信号発生器、34 プレス制御装置、
36 搬送制御装置、38モータ位置制御器、
40 プレスライン制御装置、42 個別マスター発生器、
50 停止制御装置、52 プレス異常検出器、
54 搬送装置干渉判定器、56 搬送装置異常検出器、
58 プレス干渉判定器
Claims (8)
- サーボモータでスライドを駆動する複数のプレスと、該プレスにワークを搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置とが連続して配置されたサーボプレスラインであって、
前記サーボプレスライン全体を制御するプレスライン制御装置を備え、
該プレスライン制御装置は、サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力するマスター信号発生器と、
前記マスター信号に同期した個別マスター信号を出力する複数の個別マスター発生器と、
対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力する複数のプレス制御装置と、
対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力する複数の搬送制御装置と、
前記プレス制御装置又は搬送制御装置の一部で異常が発生した場合に、前記プレス制御装置又は搬送制御装置を個別に停止させる停止制御装置とを有する、ことを特徴とするサーボプレスライン。 - 前記停止制御装置は、異常が発生した装置の個別マスター発生器を直ちに停止させ、異常が発生した装置と干渉する可能性がある装置の個別マスター発生器を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない装置の個別マスター発生器を通常の停止位置まで運転して停止させる、ことを特徴とする請求項1に記載のサーボプレスライン。
- 前記停止制御装置は、各プレスの異常を検出して異常信号を出力する複数のプレス異常検出器と、
各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数の搬送装置干渉判定器とからなり、
該搬送装置干渉判定器は、プレス異常検出器が異常信号を出力したとき、そのプレスと隣接する搬送装置のスライド部との干渉の有無を判断し、
干渉する場合には、その搬送装置の個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、運転開始位置に到達した時点で非同期化し停止させる、ことを特徴とする請求項2に記載のサーボプレスライン。 - 前記マスター信号の値、プレスのクランク軸に取り付けられたクランク軸エンコーダの角度、又はプレスのスライド駆動系の姿勢、又はプレスのスライド位置指令値と搬送装置の位置指令値から、搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断する、ことを特徴とする請求項3に記載のサーボプレスライン。
- 前記停止制御装置は、各搬送装置の異常を検出して異常信号を出力する複数の搬送装置異常検出器と、
各プレスと隣接する搬送装置との干渉を判定する複数のプレス干渉判定器とからなり、
該プレス干渉判定器は、搬送装置異常検出器が異常信号を出力したとき、その搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断し、
干渉する場合には、そのプレスの個別マスター発生器を、マスター信号発生器から非同期化し、個別マスター信号を減速停止させ、
干渉しない場合には、個別マスター信号をマスター信号に同期させ続け、上死点位置に到達した時点で非同期化し停止させる、ことを特徴とする請求項2に記載のサーボプレスライン。 - 前記マスター信号の値、プレスのクランク軸に取り付けられたクランク軸エンコーダの角度、又はプレスのスライド駆動系の姿勢、又は搬送装置の目標位置と、プレスのスライド目標位置から、搬送装置と隣接するプレスのスライド部との干渉の有無を判断する、ことを特徴とする請求項5に記載のサーボプレスライン。
- サーボモータでスライドを駆動する複数のプレスと、該プレスにワークを搬入及び/又は搬出する複数の搬送装置とが連続して配置されたサーボプレスラインの制御方法であって、
前記サーボプレスライン全体の基準となるマスター信号を出力し、
前記各プレスと各搬送装置毎に、マスター信号に同期した個別マスター信号を出力し、
対応する個別マスター信号の変化に同期してプレスのスライド位置の指令値を一義的に出力し、
対応する個別マスター信号の変化に同期して搬送装置の作動位置の指令値を一義的に出力し、
前記プレス制御装置又は搬送制御装置の一部で異常が発生した場合に、前記プレス制御装置又は搬送制御装置を個別に停止させる、ことを特徴とするサーボプレスラインの制御方法。 - 異常が発生した装置の個別マスター発生器を直ちに停止させ、異常が発生した装置と干渉する可能性がある装置の個別マスター発生器を干渉を避ける位置で停止させ、干渉する可能性がない装置の個別マスター発生器を通常の停止位置まで運転して停止させる、ことを特徴とする請求項7に記載のサーボプレスラインの制御方法。
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