JP2009172647A - レーザ加工装置及びレーザ加工方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 複数のレーザ光の加工領域が移動方向に重なったりレーザ光の加工領域の間に空きが生じたりしないようにする。
【解決手段】 固定治具10にセットされた溝加工対象物OBに、レーザ加工により予め1本の溝Tを形成する。次に、精密移動ステージ12を移動させながら反射光信号生成回路120から非加工用のレーザ光の反射光信号を取り込み、その信号強度の推移に基づいて第1光加工ヘッド21のレーザ光照射により溝Tを検出したときの移動量F1と、第2光加工ヘッド22のレーザ光照射により溝Tを検出したときの移動量F2との差から2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔Btを算出する。実際のレーザ加工時においては、この照射間隔Btに基づいて、第1光加工ヘッド21のレーザ光の照射停止タイミングを設定する。
【選択図】 図2

Description

本発明は、複数の光加工ヘッドからレーザ光を照射して、加工対象物の表面をレーザ加工するレーザ加工装置およびレーザ加工方法に関する。
従来から、ドラム状または円盤状の固定治具に加工対象物をセットし、固定治具の中心軸周りに固定治具を回転させるとともに、固定治具に対する光加工ヘッドの相対的位置を固定治具の中心軸方向または固定治具の径方向に移動させながら、光加工ヘッドからレーザ光を照射することにより、加工対象物の加工面に微細なピットまたは溝または反応跡を形成するレーザ加工装置が知られている。
このようなレーザ加工装置は、例えば、特許文献1に示されているように、光加工ヘッドを1台備えており、この光加工ヘッドを加工対象物の一方端から他方端まで送ることにより加工対象物の表面全体をレーザ加工する。しかしながら、1台の光加工ヘッドを使ってレーザ加工しているため、加工対象物全体のレーザ加工に要する時間がどうしても長くなってしまい、加工効率が悪いという問題が生じる。そこで、特許文献2に示されたレーザ加工装置においては、光加工ヘッドを送り方向(移動方向)に所定間隔あけて複数備え、これらの光加工ヘッドから同時にレーザ光を加工対象物に照射してレーザ加工を行うようにしている。例えば、レーザ光を2箇所にて照射する構成であれば、固定治具にセットされた加工対象物の送り距離(移動距離)を半分にすることができ、そのぶん加工時間を短縮することができる。
特開平8−132268号公報 特開2002−11584号公報
このように複数のレーザ光を加工対象物に同時に照射してレーザ加工するシステムを構成した場合、レーザ光の照射間隔が設定値になるように光加工ヘッド間の離隔を精度良くアライメントするとともに、1つのレーザ光により形成された加工跡に別のレーザ光が重ねられて照射されないようレーザ光の照射停止タイミングを制御する必要がある。しかしながら、レーザ光の照射間隔を精度よくアライメントするには限界があり、レーザ加工が非常に微細になると、次のような問題が生じる。以下、図13を用いて説明する。
1)レーザ光の照射間隔の設定値に基づいてレーザ光の照射を停止すると、図13(a)に示すように、一方の光加工ヘッドから照射されたレーザ光の加工領域a1と、他方の光加工ヘッドから照射されたレーザ光の加工領域b1とが移動方向(送り方向)において重なることで重なりLapが形成されてしまう。あるいは、図13(b)に示すように、一方の光加工ヘッドから照射されたレーザ光の加工領域a1と、他方の光加工ヘッドから照射されたレーザ光の加工領域b1とのあいだに空きSpが形成されてしまう。
2)仮に、移動方向においてそれぞれのレーザ光の加工領域が重なったりレーザ光の加工領域の間に空きが生じないようにしてレーザ光の照射を停止できたとしても、移動方向におけるレーザ光の照射間隔が加工ピッチの整数倍でないと、それぞれのレーザ光の加工領域a1,b1の境界では、図13(c)に示すように、移動方向における加工ピッチが長くなったり、逆に、図13(d)に示すように、移動方向における加工ピッチが短くなったりして、一定の加工ピッチが得られない。
3)また、移動方向においてそれぞれのレーザ光の加工領域が重なったりレーザ光の加工領域の間に空きが生じないようにしてレーザ光の照射を停止できたとしても、固定治具の回転方向においてレーザ光の照射位置がずれていると、それぞれのレーザ光の加工領域a1,b1の境界では、図13(e)に示すように回転方向に空きSpが生じたり、図13(f)に示すように回転方向に重なりLapが生じたりしてしまう。
本発明は、上記問題に対処するためになされたもので、複数のレーザ光を照射してレーザ加工を行う装置において、レーザ光の加工領域が移動方向に重なったりレーザ光の加工領域の間に空きが生じたりしないようにすることを目的とする。また、レーザ光の加工領域の境界において移動方向の加工ピッチが変化しないようにすることを目的とする。また、レーザ光の加工領域の境界において回転方向にレーザ光の加工領域が重なったりレーザ光の加工領域の間に空きが生じたりしないようにすることを目的とする。
前記目的を達成するために、本発明の特徴は、加工対象物をセットする固定治具と、前記固定治具をその中心軸周りに回転させる回転手段と、レーザ光を照射する複数の光加工ヘッドを照射間隔をあけて複数備え、前記固定治具にセットされた加工対象物にレーザ光を照射して加工対象物をレーザ加工するレーザ光照射手段と、前記加工対象物に対する前記レーザ光の照射位置を、前記光加工ヘッドの照射間隔方向であって、前記固定治具の中心軸の軸線方向、あるいは、前記固定治具の半径方向に移動させる移動手段とを備えたレーザ加工装置において、前記レーザ光照射手段により照射されるレーザ光を、レーザ加工可能な強度の加工用レーザ光と、レーザ加工不能な強度の非加工用レーザ光とに選択的に切り替えるレーザ光強度切替手段と、前記レーザ光照射手段により前記加工対象物にレーザ光が照射されたとき照射箇所からの反射光に基づく信号を生成する反射光信号生成手段と、前記移動手段の移動量を任意の点を原点として検出する移動量検出手段と、特定溝が形成された溝形成体を前記固定治具にセットした状態で、前記移動手段の作動により照射位置を移動させながら前記非加工用レーザ光を前記特定溝に照射するとともに、前記反射光信号生成手段により生成される信号の強度と前記移動量検出手段により検出される移動量とを取得し、取得した信号の強度と移動量とに基づいて、前記移動手段の移動方向における溝検出位置情報を生成する移動方向溝情報生成手段と、前記各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、前記移動方向溝情報生成手段により前記溝検出位置情報を取得し、取得した溝検出位置情報に基づいて前記レーザ光の照射間隔を算出するレーザ光照射間隔算出手段と、前記レーザ光照射間隔算出手段により算出されたレーザ光の照射間隔と前記移動量検出手段により検出される移動量とに基づき、レーザ加工時における加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定するレーザ光照射停止タイミング設定手段とを備えたことにある。
本発明においては、レーザ光照射手段が、複数の光加工ヘッドを照射間隔をあけて備えており、各光加工ヘッドからレーザ光を加工対象物に照射して加工対象物をレーザ加工する。例えば、加工対象物にピットまたは溝または反応跡を形成する。加工対象物は、固定治具にセットされて回転手段により固定治具の中心軸周りに回転する。従って、この回転により、加工対象物のレーザ光照射位置は、周方向に変化する。レーザ光照射位置は、周方向だけでなく、移動手段により、固定治具の中心軸の軸線方向、あるいは、固定治具の半径方向にも移動する。この照射位置の移動は、光加工ヘッドの固定治具に対する相対位置を固定治具の中心軸の軸線方向、あるいは、固定治具の半径方向に移動させることにより行うことができる。この場合、光加工ヘッドを移動させてもよいし、固定治具を移動させてもよい。照射位置の移動方向は、例えば、加工対象物が円筒側面を有し、この円筒側面にレーザ加工する場合には、固定治具の中心軸の軸線方向となり、加工対象物が円盤面を有し、この円盤上面にレーザ加工する場合には、固定治具の半径方向となる。
この移動手段による照射位置の移動方向は、複数の光加工ヘッドの照射間隔と同じ方向となっている。従って、複数の光加工ヘッドの照射領域(加工領域)に重なりが生じたり照射領域(加工領域)の間に空きが生じたりしないようにする必要がある。
そこで、本発明においては、加工対象物をレーザ加工する前に、複数の光加工ヘッドの互いの照射間隔を検出するために、レーザ光強度切替手段、反射光信号生成手段、移動量検出手段、移動方向溝情報生成手段、レーザ光照射間隔算出手段を備えている。移動方向溝情報生成手段は、特定溝が形成された溝形成体を固定治具にセットした状態で、移動手段の作動により照射位置を移動させながら非加工用レーザ光を特定溝に照射するとともに、反射光信号生成手段により生成される信号の強度と移動量検出手段により検出される移動量とを取得し、取得した信号の強度と移動量とに基づいて、移動手段の移動方向における溝検出位置情報を生成する。この場合、非加工用レーザ光は、その照射により加工対象物や溝形成体に変化が起こらない強度のレーザ光であって、レーザ光強度切替手段により切り替えられる。
移動手段の作動により非加工用レーザ光の照射位置を移動させながら、その反射光に基づく信号を生成した場合、その信号の強度は、非加工用レーザ光が特定溝を横切るときにその照射位置に応じて変化する。これにより、溝形成体に形成されている特定溝を検出することができ、その溝を検出したときの移動手段の移動量を溝検出位置情報として生成する(作り出す)ことができる。
そして、レーザ光照射間隔算出手段は、各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、移動方向溝情報生成手段により溝検出位置情報を取得し、取得した溝検出位置情報に基づいてレーザ光の照射間隔を算出する。各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射により得られた溝検出位置情報で表される溝検出位置は、レーザ光の照射間隔だけ相違する。従って、溝検出位置情報に基づいてレーザ光の照射間隔を算出することができる。
レーザ光照射停止タイミング設定手段は、実際に加工対象物に対してレーザ加工を行うとき、レーザ光照射間隔算出手段により算出されたレーザ光の照射間隔と移動量検出手段により検出される移動量とに基づき、加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定する。例えば、複数の光加工ヘッドのうち、加工対象物に対して照射位置移動方向側端に位置しない光加工ヘッドの加工用レーザ光照射を停止するタイミングを設定する。照射位置を加工対象物の右方向に移動しながら加工する場合には、加工対象物の右側を照射する光加工ヘッドの照射跡(加工領域)に、左側の光加工ヘッドがレーザ光を照射しないように、左側の光加工ヘッドによるレーザ光照射の停止タイミングを設定することができる。従って、本発明によれば、複数の光加工ヘッドの照射領域(加工領域)に重なりが生じたり照射領域(加工領域)の間に空きが生じたりしないようにすることができる。
尚、溝形成体は、必ずしも専用に用意する必要ななく、加工対象物に特定溝を形成して兼用するようにしてもよい。また、溝形成体は、円筒側面に周方向に特定溝を形成したもの、あるいは、円盤上面に周方向に特定溝を形成したものなどを使用することができる。また、特定溝は、レーザ光照射間隔を算出するために用いる溝を意味するのであって、加工対象物に形成された本来のレーザ加工跡を特定溝として使用することもできる。
本発明の他の特徴は、前記レーザ光照射間隔算出手段により算出されたレーザ光の照射間隔を、前記移動手段の移動方向における設定加工ピッチで除算したときの余りに基づき、前記移動手段の移動速度を制御する移動速度制御手段を備えたことにある。
本発明においては、移動速度制御手段が、レーザ光の照射間隔を移動手段の移動方向における設定加工ピッチで除算したときの余り(小数点以下の値に加工ピッチを掛けた値)に基づきレーザ光の照射位置の移動速度を制御することにより、複数の光加工ヘッドによる加工領域の境界部分において、移動方向の加工ピッチが変化しないようにすることができる。
本発明の他の特徴は、前記回転手段による回転角度を検出する回転角度検出手段と、1周に満たない特定溝が形成された溝形成体を前記固定治具にセットした状態で、前記回転手段の作動により照射位置を変えながら前記非加工用レーザ光を前記特定溝に照射するとともに、前記反射光信号生成手段により生成される信号の強度と前記回転角度検出手段により検出される回転角度とを取得し、取得した信号の強度と回転角度とに基づいて、前記回転手段の回転方向における溝終端検出位置情報を生成する回転方向溝情報生成手段と、前記各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、前記回転方向溝情報生成手段により前記溝終端検出位置情報を取得し、取得した溝終端検出位置情報に基づいて前記複数の光加工ヘッドの照射位置の前記回転手段による回転方向におけるずれを算出するレーザ光回転方向ずれ算出手段とを備え、前記レーザ光照射停止タイミング設定手段は、レーザ光間隔算出手段により検出されたレーザ光の照射間隔と前記移動量検出手段により検出される移動量、および、前記レーザ光回転方向ずれ算出手段により算出された照射位置の回転方向のずれと前記回転角度検出手段により検出される回転角度に基づき、レーザ加工時における加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定することにある。
本発明においては、加工対象物をレーザ加工する前に、複数の光加工ヘッドの照射位置の互いの回転方向のずれを検出するために、回転角度検出手段、回転方向溝情報生成手段、レーザ光回転方向ずれ算出手段を備えている。回転方向溝情報生成手段は、1周に満たない特定溝が形成された溝形成体を固定治具にセットした状態で、回転手段の作動により照射位置を変えながら非加工用レーザ光を特定溝に照射するとともに、反射光信号生成手段により生成される信号の強度と回転角度検出手段により検出される回転角度とを取得し、取得した信号の強度と回転角度とに基づいて、回転手段の回転方向における溝終端検出位置情報を生成する。この場合、回転角度検出手段は、固定治具の回転角度を直接検出してもよいし、モータ等の回転手段の回転角度を検出してもよい。また、溝形成体に形成される特定溝は、固定治具の回転方向と同じ周方向に沿って形成されるとよい。
回転手段の作動により非加工用レーザ光の照射位置を変えながら、その反射光に基づく信号を生成した場合、その信号の強度は、非加工用レーザ光が特定溝の終端を通過するときにその照射位置に応じて変化する。これにより、溝形成体に形成されている特定溝の終端を検出することができ、その終端を検出したときの回転角度を溝終端検出位置情報として生成する(作り出す)ことができる。
そして、レーザ光回転方向ずれ算出手段は、各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、回転方向溝情報生成手段により溝終端検出位置情報を取得し、取得した溝終端検出位置情報に基づいて複数の光加工ヘッドの照射位置の回転手段による回転方向におけるずれを算出する。各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射により得られた溝終端検出位置情報で表される溝終端検出位置は、照射位置が回転方向にずれていないときには一致し、ずれている場合にはずれ量に応じて溝終端検出位置が相違する。従って、溝終端検出位置情報に基づいて複数の光加工ヘッドの照射位置の回転手段による回転方向におけるずれを算出することができる。
レーザ光照射停止タイミング設定手段は、実際に加工対象物に対してレーザ加工を行うとき、レーザ光照射間隔算出手段により算出されたレーザ光の照射間隔と移動量検出手段により検出される移動量、および、レーザ光回転方向ずれ算出手段により算出された照射位置の回転方向のずれと回転角度検出手段により検出される回転角度に基づき、加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定する。例えば、複数の光加工ヘッドのうち、加工対象物に対して照射位置移動方向側端に位置しない光加工ヘッドの加工用レーザ光照射を停止するタイミングを設定する。従って、本発明によれば、複数の光加工ヘッドによる加工領域の境界部分において、回転方向に照射領域(加工領域)の重なりが生じたり照射領域(加工領域)の間に空きが生じたりしないようにすることができる。
本発明の他の特徴は、前記反射光信号検出手段は、反射光を受光する複数に分割された受光素子のそれぞれが出力する信号から演算により前記反射光に基づく信号を生成する演算手段と、前記演算手段による演算方法を複数の演算方法の中から1つを選択する演算方法選択手段とを備えたことにある。
本発明においては、反射光に基づく信号を生成する演算方法を選択できるため、レーザ光の照射位置を移動手段の移動方向に移動させて特定溝を検出する場合と、レーザ光の照射位置を回転手段の回転方向に移動させて溝終端を検出する場合とで、それぞれ適切な演算方法を選択することができる。従って、それぞれの検出を高精度に行うことができる。
更に、本発明の実施にあたっては、加工対象物をレーザ加工するレーザ加工装置の発明に限定されることなく、加工対象物をレーザ加工するレーザ加工方法の発明としても実施し得るものである。
以下、本発明の一実施形態について図面を用いて説明する。図1は、同実施形態に係るレーザ微細加工装置の概略外観図であり、図2は、レーザ微細加工装置のシステム構成図である。このレーザ微細加工装置は、加工対象物OBを固定支持する固定治具10と、固定治具10をその中心軸周りに回転させるスピンドルモータ30とを備えている。固定治具10は、ドラム状に形成され、その軸線方向の両端に形成された回転軸11により精密移動ステージ12に回転可能に軸支される。加工対象物OBは、シート体を円筒状に巻いた円筒体であって、その円筒中心軸が固定治具10の回転軸11と同軸となるように固定治具10に固定される。固定治具10の回転軸11の一方は、スピンドルモータ30の出力軸に連結される。従って、スピンドルモータ30の駆動により、加工対象物OBを固定治具10の中心軸周りに回転できるようになっている。
加工対象物OBの円筒面に向かい合って、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とが設けられる。第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とは、ヘッド支持フレーム23により取付固定され、固定治具10の軸線方向(以下、単に軸線方向と呼ぶ)に所定距離離れて並べて設けられる。第1光加工ヘッド21は、図示しない調整ネジ等のアライメント機構により、軸線方向および固定治具10の回転方向(以下、単に回転方向と呼ぶ)に取付位置をアライメント(調整)できるようになっている。作業者は、アライメント機構を使って、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22との軸線方向の照射間隔の調整、および、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22との回転方向における照射位置のずれ調整を行うことができる。
固定治具10は、ねじ送り機構40により、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とに対して軸線方向に相対移動できるようになっている。ねじ送り機構40は、スクリューロッド41と、スクリューロッド41を回転させるフィードモータ42とを備えている。スクリューロッド41は、その一端側が、フィードモータ42の出力軸と連結固定され、他方端が、枠状に形成されたステージガイド43の壁に回転可能に軸支される。フィードモータ42は、その出力軸をステージガイド43の枠内に望ませてステージガイド43に固定される。
このようにしてスクリューロッド41は、ステージガイド43内に固定治具10の軸線と平行に設けられる。精密移動ステージ12には、スクリューロッド41と螺合するナット(図示略)が固定して設けられている。また、ステージガイド43は、精密移動ステージ12を回転規制するとともに軸線方向にのみ移動可能に案内するガイドレール(図示略)を備えている。従って、フィードモータ42の回転動作によりスクリューロッド41が回転すると、精密移動ステージ12が軸線方向に移動するようになっている。
ステージガイド43とヘッド支持フレーム23とは、装置本体に対して移動不能に固定されている。従って、フィードモータ42およびスピンドルモータ30を回転駆動することにより、固定治具10が軸線周りに回転しながら第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とに対して軸線方向に相対移動する。このとき、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とからそれぞれレーザ光がパルス状に照射され、加工対象物OBの円筒外周面に軸線方向および回転方向に一定間隔でレーザ加工が施される。本実施形態においては、レーザ光照射により加工対象物OBに微細なピットを形成するが、ピットに限るものでなく、反応跡や線状に延びた溝などを形成してもよい。
図2に示すように、スピンドルモータ30内には、同モータすなわち固定治具10の回転を検出して、その回転を表す回転検出信号を出力するエンコーダ31が組み込まれている。この回転検出信号は、固定治具10の回転位置が一つの基準回転位置に来るごとに発生されるインデックス信号と、所定の微少な回転角度ずつハイレベルとローレベルを繰り返すパルス列信号とからなる。エンコーダ31から出力される回転検出信号は、スピンドルモータ制御回路32、回転角度検出回路33、コントローラ50に入力される。スピンドルモータ制御回路32は、コントローラ50からの指示により作動開始し、エンコーダ31から出力される回転検出信号を用いてスピンドルモータ30の回転速度を計算し、計算した回転速度がコントローラ50によって設定された回転速度に等しくなるようにスピンドルモータ30の回転を制御する。
また、スピンドルモータ制御回路32は、スピンドルモータ30が停止した状態でコントローラ50から回転角度を入力すると低速回転でスピンドルモータ30を駆動する。そして、回転角度検出回路33から所定間隔で出力される回転角度に相当する信号を入力し、入力した回転角度に相当する値がコントローラから入力した回転角度になるまでスピンドルモータ30の低速回転駆動を続ける。この低速回転駆動を行うときの回転速度は、スピンドルモータ30への駆動信号の供給を停止したときに、スピンドルモータ30がそれ以上回転しないような回転速度に設定されている。
回転角度検出回路33は、コントローラ50からの指令により作動を開始し、スピンドルモータ30内に組み込まれたエンコーダ31から出力される回転検出信号(パルス信号)の周波数を所定の割合で増加させた周波数のパルス信号を生成し、このパルス信号のパルス数をカウントして回転角度に相当する値(例えば、パルス数のカウント値)をデジタル信号にてコントローラ50とスピンドルモータ制御回路32とに所定時間間隔で出力する。回転角度検出回路33は、エンコーダ31から出力されたインデックス信号を入力したときに、回転角度に相当する値をリセット、つまり、「0」に設定する。
フィードモータ42内にも、フィードモータ42の回転を検出して、前記エンコーダ31と同様なパルス信号(回転検出信号)を出力するエンコーダ44が組み込まれている。エンコーダ44から出力されるパルス信号は、移動量検出回路45に入力される。移動量検出回路45は、コントローラ50からの指示により作動開始し、作動開始後、エンコーダ44から出力されるパルス信号が入力されなくなると駆動限界位置を意味する信号を精密移動ステージ制御回路46に出力し、カウント値を「0」として、以後、エンコーダ44が出力するパルス信号のパルス数をカウントする。そして積算したカウント数から精密移動ステージ12の移動量を計算して出力する。このカウント値が「0」となる駆動限界位置が、精密移動ステージ12の移動量を制御する原点位置となる。
精密移動ステージ制御回路46は、コントローラ50からの指示により作動開始し、コントローラ50から移動量の設定値を入力すると、移動量検出回路45から所定時間間隔で出力される移動量を入力し、入力した移動量がコントローラ50から入力した設定値になるまでフィードモータ42を駆動して精密移動ステージ12を移動させる。なお、作動開始直後において移動量の設定値が入力されると、フィードモータ42を駆動して精密移動ステージ12を駆動限界位置方向に移動させ、移動量検出回路45から駆動限界位置を表す信号を入力するとフィードモータ42への駆動信号の出力を停止する。その後、移動量検出回路45から出力される移動量がコントローラ50から入力した移動量の設定値になるまでフィードモータ42を駆動して精密移動ステージ12を移動させる。
また、精密移動ステージ制御回路46には、精密移動ステージ12の移動速度の設定値(設定速度)がコントローラ50により入力される。そして、コントローラ50から移動開始の指示を入力すると、エンコーダ44から出力されるパルス信号に基づいて精密移動ステージ12の移動速度を計算し、計算した移動速度が設定速度になるようにフィードモータ42を駆動制御する。コントローラ50は、作業者が入力装置51を使って設定した移動方向の加工ピッチと回転速度とから精密移動ステージ12の移動速度を計算し、その計算結果を設定速度として精密移動ステージ制御回路46に出力する。
第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22は、それぞれ、レーザ光源20aと、コリメートレンズ20b、偏光ビームスプリッタ20c、1/4波長板20d、対物レンズ20e、凸レンズ20f、シリンドリカルレンズ20g、4分割フォトディテクタ20h、フォーカスアクチュエータ20iを備える。尚、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とは同一の構成であるため、図中において、第2光加工ヘッド22には前記各構成の符号を省略している。
レーザ光源20aから出射されるレーザ光は、コリメートレンズ20b、偏光ビームスプリッタ20c、1/4波長板20d、対物レンズ20eを経て加工対象物OBに集光されるとともに、加工対象物OBから反射する。加工対象物OBにて反射したレーザ光は、偏光ビームスプリッタ20cにて反射し、凸レンズ20f、シリンドリカルレンズ20gを通過して4分割フォトディテクタ20hに受光される。4分割フォトディテクタ20hは、分割線で区切られた4つの同一正方形状の受光素子からなり、各受光領域A,B,C,Dにおける受光量に比例した検出信号を受光信号(a,b,c,d)として出力する。4つの受光領域A,B,C,Dは、時計回りに配置されて、受光領域を加工対象物OBの反射位置に当てはめると精密移動ステージ12の移動方向の一方側に受光領域A,Dが、他方側に受光領域B,Cが配置される。
第1光加工ヘッド21のレーザ光源20aは、第1レーザ駆動回路221に接続され、第2光加工ヘッド22のレーザ光源20aは、第2レーザ駆動回路222に接続される。第1レーザ駆動回路221と第2レーザ駆動回路222は、コントローラ50からの指令に基づいて第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22に設けられた各レーザ光源20aからレーザ光を出射するための電圧および電流を供給する。第1レーザ駆動回路221と第2レーザ駆動回路222は、コントローラ50からピット加工の指令が入力すると、加工が行われる強度の電圧および電流を発光信号供給回路220の出力する信号波形に基づいて供給する。また、コントローラ50から溝加工の指令が入力すると、加工が行われる一定強度の電圧および電流を供給する。また、コントローラ50から非加工の指令が入力すると、加工が行われない一定強度の電圧および電流を供給する。
発光信号供給回路220は、コントローラ50から入力したハイレベルとローレベルのパルス幅に合致するパルス信号を生成する。そして、コントローラ50からレーザ加工開始の指示を入力すると、そのパルス信号を第1,第2レーザ駆動回路221,222に出力する。コントローラ50は、作業者が入力装置51を使って入力設定した回転方向の加工ピッチPと回転速度とからハイレベルとローレベルのパルス幅を計算して発光信号供給回路220に出力する。
第1光加工ヘッド21に設けられた4分割フォトディテクタ20hは、4つの信号からなる受光信号を第1フォーカス制御回路121および反射光信号生成回路120に供給する。また、第2光加工ヘッド22に設けられた4分割フォトディテクタ20hは、4つの信号からなる受光信号を第2フォーカス制御回路122および反射光信号生成回路120に供給する。第1、第2フォーカス制御回路121,122は、それぞれ図示しない信号増幅回路、フォーカスエラー信号生成回路、フォーカスサーボ回路、ドライブ回路等を備え、4分割フォトディテクタ20hにより検出された受光信号を信号増幅回路により増幅してフォーカスエラー信号生成回路に供給する。フォーカスエラー信号生成回路は、供給された受光信号に基づいて、フォーカスエラー信号を生成してフォーカスサーボ回路に出力する。フォーカスサーボ回路は、コントローラ50から作動開始の指示を受けるとフォーカスエラー信号に基づいてフォーカスサーボ信号を生成し、ドライブ回路に供給する。ドライブ回路は、このフォーカスサーボ信号に応じてフォーカスアクチュエータ20iを駆動する。これにより、レーザ光は加工対象物OBの表面で合焦するように制御される。
反射光信号生成回路120は、コントローラ50からの指示により作動を開始し、コントローラ50からの指示により第1光加工ヘッド21または第2光加工ヘッド22の4分割フォトディテクタ20hから出力される受光信号(a,b,c,d)の一方を選択的に入力する。そして、4つの受光信号(a,b,c,d)を増幅し、図示しない演算回路による加減演算により1つの信号を生成してA/D変換器123(アナログデジタル変換器)に出力する。反射光信号生成回路120は、((a+d)−(b+c))の演算を行う演算回路と、(a+b+c+d)の演算を行う演算回路とを備えており、コントローラ50からの指示により出力する信号が選択される。((a+d)−(b+c))の演算により得られる値は、受光領域を加工対象物OBの反射位置に当てはめると固定治具10の移動方向に2分割し、その2分割された受光領域における光の強度差を表す。また、(a+b+c+d)の演算により得られる値は、4つの受光領域全体の光の強度を表す。
A/D変換器123は、反射光信号生成回路120から出力された信号を入力し、信号の波高値を設定された時間間隔でサンプリングしてデジタルデータに変換してコントローラ50に出力する。
コントローラ50は、CPU、ROM、RAMを備えたマイクロコンピュータと、ハードディスクや不揮発性メモリなどの記憶装置と、入出力インタフェース等から構成される電子制御装置である。コントローラ50には、作業者が各種パラメータやレーザ加工の開始を指示するための入力装置51と、作業者に対して作動指示及び作動状況を視覚的に知らせるための表示装置52が接続されている。
このように構成されたレーザ微細加工装置においては、加工対象物OBをセットした固定治具10を回転させながら精密移動ステージ12を軸線方向に移動させるとともに、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22との両方から同時にパルス状のレーザ光を加工対象物OBに照射する。従って、加工対象物OBにおけるレーザ光の照射位置は、加工対象物OBから見ると回転方向および軸線方向に移動する。これにより、加工対象物OBの円筒側面には、回転方向および軸線方向に一定間隔のレーザ加工が施される。また、精密移動ステージ12の移動速度および固定治具10の回転速度(または、発光信号供給回路220から出力されるパルス信号におけるローレベル期間)を変化させることで軸線方向および回転方向におけるレーザ加工の間隔(加工ピッチ)を変化させることができる。
以下、固定治具10の移動方向を単に移動方向と呼ぶ。この場合、移動方向は、固定治具10の軸線方向でもあり、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22の照射間隔方向でもある。
2箇所で同時にレーザ加工する場合、2つの加工領域の境界部分に重なり領域あるいは空き領域ができないようにする必要があり、そのためには、2つの光加工ヘッド21,22の互いの照射間隔が設定値通りに保たれ、かつ、2つの光加工ヘッド21,22の回転方向におけるずれが生じていないことが必要となる。そこで、作業者は、レーザ加工を行うに際して、2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔、および、回転方向におけるずれを検出し、必要があれば光加工ヘッド21,22の位置調整を行う。
ここで、それら2つの検出についての概要を図6,図7を用いて説明する。図6は、2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔の検出方法を視覚的に示したものである。まず、1本の溝T(本発明の特定溝に相当する)が周方向に形成された溝形成体OBを固定治具10にセットする。この状態で、図6(a)に示すように、第2光加工ヘッド22から出射されるレーザ光の反射光に基づいて、レーザ光が溝Tの中心位置(幅方向の中心位置)を照射する位置にまで精密移動ステージ12を移動させ、そのときの移動量F1を検出する。
続いて、図6(b)に示すように、第1光加工ヘッド21から出射されるレーザ光の反射光に基づいて、レーザ光が溝Tの中心位置を照射する位置にまで精密移動ステージ12を移動させ、そのときの移動量F2を検出する。この移動量F1,F2は、予め決められた原点位置からの移動量を意味する。こうして、移動量F2から移動量F1を減算した量(F2−F1)から、2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔が求められる。
図7は、2つの光加工ヘッド21,22の回転方向におけるずれの検出方法を視覚的に示したものである。まず、1本の溝T(本発明の特定溝に相当する)が周方向に形成された溝形成体OBを固定治具10にセットする。この状態で、第2光加工ヘッド22から出射されるレーザ光の反射光に基づいて、レーザ光が溝Tの中心位置(幅方向の中心位置)を照射する位置にまで精密移動ステージ12を移動させ、その位置から、図7(a)に示すように、溝Tの終端Teを照射する位置にまで固定治具10を回転させ、そのときの回転角度R1を検出する。
続いて、図7(b)に示すように、第1光加工ヘッド21から出射されるレーザ光の反射光に基づいて、レーザ光が溝Tの中心位置(幅方向の中心位置)を照射する位置にまで精密移動ステージ12を移動させ、その位置から、図7(b)に示すように、溝Tの終端Teを照射する位置にまで固定治具10を回転させ、そのときの回転角度R2を検出する。この回転角度R1,R2とは、予め決められた基準回転位置からの回転角度を意味する。こうして、回転角度R2から回転角度R1を減算した角度(R2−R1)から、2つの光加工ヘッド21,22の回転方向におけるずれが求められる。
2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔と回転方向におけるずれ検出は、コントローラ50にて後述する制御プログラムを実行することにより自動的に行われる。尚、本実施形態においては、こうした検出にあたり、検出に必要な溝T(特定溝)の形成をも自動的に行うようにしている。作業者は、自動検出を行うにあたって、円筒状の溝形成対象物OBを固定治具10にセットする。そして、入力装置51を使って、自動検出における反射光信号の演算式を選択する。つまり、((a+d)−(b+c))の演算式を使用するのか、(a+b+c+d)の演算式を使用するのかを選択する。本実施形態では、光加工ヘッド21,22の照射間隔検出においては((a+d)−(b+c))の演算式を選択し、回転方向におけるずれ検出においては、(a+b+c+d)の演算式を選択する。
こうして、演算式の選択が完了すると、作業者は、入力装置51を操作して自動検出用の制御プログラムを起動させる。図3は、レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートであり、コントローラ50のROM内に制御プログラムとして記憶されている。本制御ルーチンは、ステップS100にて起動する。
本制御ルーチンが起動すると、コントローラ50は、ステップS102において、各種回路の作動を開始させる。続いて、ステップS104において、精密移動ステージ制御回路46に対して初期位置Stへの移動指令を出力する。この指令により、精密移動ステージ制御回路46は、移動量検出回路45により検出される移動量を読み込みながらフィードモータ42を駆動して精密移動ステージ12を初期位置Stにまで移動させる。初期位置Stは、レーザ加工開始位置となる。続いて、コントローラ50は、ステップS106において、スピンドルモータ制御回路32に対して通電開始指令を出力する。これにより、スピンドルモータ30が起動して固定治具10の回転が始まる。このとき、コントローラ50は、回転角度検出回路33にて検出される回転角度を表す信号の取り込みを同時に開始する。
続いて、コントローラ50は、ステップS108において、第2レーザ駆動回路222に対して、非加工用強度のレーザ光の照射開始指令を出力するとともに、第2フォーカス制御回路122に対して、フォーカス制御開始指令を出力する。この場合、第2レーザ駆動回路222は、レーザ光源に供給する電圧および電流の強度を低いレベルに設定してレーザ光源を作動させる。従って、第2光加工ヘッド22のレーザ光源20aからは、非加工用の強度のレーザ光が出射されることになる。加工対象物(溝形成対象物)OBは、この非加工用の強度のレーザ光に対してはレーザ加工されない。
続いて、コントローラ50は、ステップS110において、インデックス信号を入力したか否かを判断する。インデックス信号は、固定治具10が基準回転位置に来るたびにエンコーダ31から出力される信号である。コントローラ50は、インデックス信号を入力するまで待ち、インデックス信号の入力を検出すると(S110:Yes)、次に、ステップS112において、第2レーザ駆動回路222に対して溝加工の指令を出力する。これにより、第2光加工ヘッド22の照射するレーザ光の照射強度が加工用の強度に切り替わり、この時点から溝形成対象物OBへのレーザ加工が開始される。
続いて、コントローラ50は、ステップS114において、回転角度検出回路33により検出される回転角度が180°以上になったか否かを判断する。この判断は、回転角度が180°以上になるまで繰り返され、回転角度が180°に達したことを検出すると(S114:Yes)、第2レーザ駆動回路222および第2フォーカス制御回路122に対して停止指令を出力する。これにより、第2光加工ヘッド22によるレーザ光の照射、およびフォーカス制御が停止する。こうして、溝形成対象物OBに1本の溝Tが半周分だけ形成される。
続いて、コントローラ50は、スピンドルモータ制御回路32に停止指令を出力する。そして、ステップS120において、回転角度検出回路33により検出される回転角度に基づいてスピンドルモータ30の回転が完全に停止するまで待ち、ステップS122において、回転角度検出回路33からの回転角度を表すデータの取り込みを停止する。次に、ステップS124において、スピンドルモータ制御回路32に対して、90°の回転角度まで回転するように指令する。スピンドルモータ制御回路32は、この指令を受けて、回転角度検出回路33により検出される回転角度に基づいてスピンドルモータ30を90°の回転角度まで回転させる。これにより、第2光加工ヘッド22の対向する位置が、溝形成箇所の周方向中間位置に移動する。
続いて、コントローラ50は、ステップS126において、反射光信号生成回路120に対して、第2光加工ヘッド22の4分割フォトディテクタ20hで受光される受光信号を選択して入力するように指令する。次に、ステップS128において、反射光信号生成回路120に対して、反射光信号の演算式を溝Tの移動方向位置検出用の計算式である((a+d)−(b+c))に設定する指令を出力する。続いて、ステップS130において、第2レーザ駆動回路222に対して、非加工用強度のレーザ光の照射開始指令を出力するとともに、第2フォーカス制御回路122に対して、フォーカス制御開始指令を出力する。これにより、第2光加工ヘッド22から非加工用の強度のレーザ光が出射されフォーカス制御が開始される。
続いて、コントローラ50は、ステップS132において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、記憶領域L1(0)に記憶する。この記憶領域は、例えば、コントローラ50のRAM内に予め確保されている。記憶領域に記憶されるデジタル信号は、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号の波高値を表すデータとなる。
続いて、コントローラ50は、ステップS134において、変数nに値「1」を代入し、精密移動ステージ制御回路46に対して、次の式にて得られる移動方向位置にまで精密移動ステージ12を移動させるように指令する。
St−n・B
ここで、StはステップS104において移動した初期位置、Bは予め設定した単位移動距離である。このBは、レーザスポット直径の1/4〜1/10程度に設定される。
ステップS136の実行により、精密移動ステージ12が目標移動方向位置(St−n・B)にまで移動すると、コントローラ50は、ステップS138において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、得られた反射光信号(反射光信号の強度を表すデジタル信号)を記憶領域L1(n)に記憶する。尚、ここでは、記憶領域L1(n)に記憶された反射光信号の強度をL1(n)として説明する。そして、コントローラ50は、ステップS140において、今回入力した反射光信号の強度L1(n)と直前回に入力した反射光信号の強度L1(n−1)との差の絶対値|L1(n)−L1(n−1)|が閾値Cより小さいか否かを判断する。閾値Cは、極少量に設定されている。従って、このステップS140は、反射光信号の強度の変化が殆どなくなっているか否かを判断するものである。
コントローラ50は、今回入力した反射光信号の強度L1(n)と直前回に入力した反射光信号の強度L1(n−1)との差の絶対値|L1(n)−L1(n−1)|が閾値C以上ある場合には(S140:No)、ステップS142において、変数nを値「1」だけインクリメントして、上述したステップS136からの処理を実行する。従って、反射光信号生成回路120により検出される反射光信号の強度の変化が閾値Cを下回るまで、ステップS136〜ステップS142の処理が繰り返される。これにより、精密移動ステージ12の単位移動距離Bごとの移動と、その各移動量(原点に対する移動量であるため移動した位置を表す)における反射光信号の記憶が繰り返される。つまり、精密移動ステージ12の移動量と反射光信号の強度L1(n)とが関連づけられて記憶されていく。
こうした処理が繰り返されると、第2光加工ヘッド22から照射されるレーザ光は、図4(a)に示すように、レーザ光照射領域Areaが溝Tの中央側から幅方向外側(例えば、矢印a方向)に移動していく。これに伴って、反射光信号生成回路120により検出される反射光信号の強度は、図4(b)に示すように、いったん減少し、その後、増加してゼロレベルに収束する。従って、コントローラ50は、ステップS140において、反射光信号の強度が減少傾向から増加傾向に移行するとき、あるいは、反射光信号の強度がゼロに収束するときに「Yes」と判定する。
コントローラ50は、ステップS140において、今回入力した反射光信号の強度L1(n)と直前回に入力した反射光信号の強度L1(n−1)との差の絶対値|L1(n)−L1(n−1)|が閾値C未満になったと判断すると、その処理をステップS144に進める。コントローラ50は、ステップS144において、新たな変数mに値「1」を代入し、ステップS146において、精密移動ステージ制御回路46に対して、次の式にて得られる移動方向位置にまで精密移動ステージ12を移動させるように指令する。
St+m・B
ここで、St、Bは、上述したステップS136で用いた値と同じである。
ステップS146〜S152の処理は、上述したステップS136〜S142の処理における照射位置の移動方向を反対にしたものである。ステップS146の実行により、精密移動ステージ12が目標移動方向位置(St+m・B)にまで移動すると、コントローラ50は、ステップS148において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、得られた反射光信号(反射光信号の強度を表すデジタル信号)を記憶領域L1(n+m)に記憶する。ここでは、記憶領域L1(n+m)に記憶された反射光信号の強度をL1(n+m)として説明する。そして、コントローラ50は、ステップS150において、今回入力した反射光信号の強度L1(n+m)と直前回に入力した反射光信号の強度L1(n+m−1)との差の絶対値|L1(n+m)−L1(n+m−1)|が閾値Cより小さいか否かを判断する。従って、このステップS150は、ステップS140と同様に、反射光信号の強度の変化が殆どなくなっているか否かを判断するものである。
コントローラ50は、今回入力した反射光信号の強度L1(n+m)と直前回に入力した反射光信号の強度L1(n+m−1)との差の絶対値|L1(n+m)−L1(n+m−1)|が閾値C以上ある場合には(S150:No)、ステップS152において、変数mを値「1」だけインクリメントして、上述したステップS146からの処理を実行する。従って、反射光信号生成回路120により検出される反射光信号の強度の変化が閾値Cを下回るまで、ステップS146〜ステップS152の処理が繰り返される。これにより、精密移動ステージ12の単位移動距離Bごとの移動と、その各移動量(原点に対する移動位置)における反射光信号の記憶が繰り返される。つまり、精密移動ステージ12の移動量と反射光信号の強度L1(n+m)とが関連づけられて記憶されていく。
こうした処理が繰り返されると、第2光加工ヘッド22から照射されるレーザ光は、図4(a)に示すように、レーザ光照射領域Areaが溝Tの中央側から幅方向外側(例えば、矢印b方向)に移動していく。これに伴って、反射光信号生成回路120により検出される反射光信号の強度は、図4(b)に示すように、いったん増加し、その後、減少してゼロレベルに収束する。従って、コントローラ50は、ステップS150において、反射光信号の強度が増加傾向から減少傾向に移行するとき、あるいは、反射光信号の強度がゼロに収束するときに「Yes」と判定する。
コントローラ50は、ステップS150において「Yes」と判断すると、その処理をステップS154に進める。このステップS154においては、上述したステップS138,S148にて繰り返し記憶したそれぞれの精密移動ステージ12の移動量における反射光信号の強度L1(0)〜L1(n+m)から、照射したレーザ光の照射中心が溝Tの中心に位置するときの移動量F1を計算する。つまり、図4(b)に示すように、横軸に精密移動ステージ12の移動量、縦軸に反射光信号の強度をとった場合、反射光信号の強度がゼロレベルをクロスするときの精密移動ステージ12の移動量(位置)を算出する。計算方法としては、例えば、ゼロレベルの前後にある2つの点を直線で結び、直線がゼロレベルと交わる点Xを求めてもよいし、さらに多くの点から最小2乗法で多次曲線を計算して多次曲線がゼロレベルと交わる点を求めてもよい。
こうして移動量F1が算出されると、以下、溝Tの終端位置の検出処理に移行する。コントローラ50は、まず、ステップS155において、精密移動ステージ制御回路46に移動量F1を出力して、精密移動ステージ12を移動量F1で表される位置にまで移動させる。次に、ステップS156において、反射光信号生成回路120に対して、反射光信号の演算式を回転方向ずれ検出用の計算式である(a+b+c+d)に設定する指令を出力する。
続いて、コントローラ50は、ステップS158において、変数nに値「0」を代入し、スピンドルモータ制御回路32に対して、次の式にて得られる回転位置にまで固定治具10を回転させるように指令する。
180°−D+n・E
ここで、Eは回転角度の変化単位であって、レーザスポット直径の1/4〜1/10を固定治具10の半径で除算した値(ラジアン単位)に設定する。Dは、レーザスポット直径を固定治具10の半径で除算した値(ラジアン単位)の1.5〜2倍になるように設定する。この場合、レーザ光の照射中心位置が溝Tの中心(幅方向の中心)であって、かつ、溝Tの終端位置よりやや手前となる位置になるように固定治具10が回転する。
続いて、コントローラ50は、ステップS162において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、記憶領域R1(n)に記憶する。この記憶領域は、例えば、コントローラ50のRAM内に予め確保されている。記憶領域に記憶されるデジタル信号は、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号の波高値であり、反射光信号の演算式は(a+b+c+d)に設定されているため光の強度を表すデータとなる。
続いて、コントローラ50は、ステップS164において、次式が成立するか否かを判断し、成立しない場合には(S164:No)、ステップS166において、変数nを値「1」だけインクリメントして、その処理をステップS160に戻す。
|R1(n)−R1(n−1)|/|R1(n)−R1(0)|<G
このステップS164の判断処理は、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号の強度が変化した後、その変化がなくなったタイミングを捉える処理である。尚、Gは予め変化度を設定した定数である。従って、ステップS164において「No」と判断されている期間においては、固定治具10の単位角度Eごとの回転と、その各回転角度における反射光信号の記憶が繰り返される。つまり、固定治具10の回転角度と反射光信号の強度R1(n)とが関連づけられて記憶されていく。
図5は、固定治具10の回転角度と反射光信号の強度R1(n)との関係を表す。反射光信号の演算式を(a+b+c+d)に設定しているため、固定治具10の回転によりレーザ光の照射領域Areaが溝終端Te方向(矢印方向)に移動すると、それに伴って反射光信号の強度R1が一定のローレベル値から増加し、レーザ光の照射領域Areaが溝Tから外れると一定のハイレベル値に収束する。従って、ステップS164の判断は、レーザ光の照射領域Areaが溝Tから外れたタイミングを検出している。コントローラ50は、ステップS164において「Yes」と判断すると、ステップS168において、第2レーザ駆動回路222および第2フォーカス制御回路122に対して停止指令を出力して、第2光加工ヘッド22によるレーザ光の照射およびフォーカス制御を停止させる。
続いて、コントローラ50は、ステップS170において、先のステップS162にて繰り返し記憶したそれぞれの固定治具10の回転角度における反射光信号の強度R1(0)〜R1(n)から、照射したレーザ光の中心が溝終端Teに位置するときの回転角度R1を計算する。本実施形態においては、図5に示すように、横軸に固定治具10の回転角度、縦軸に反射光信号の強度をとり、反射光信号の強度がローレベルとハイレベルとの中間値である中間レベルをクロスするときの固定治具10の回転角度R1を算出する。計算方法としては、一定のローレベル値Lowとハイレベル値Highとの中間値Midを算出し、その中間値Midをクロスする点Yを求める。これは、ステップS154においてゼロクロス点Xを算出する処理と同様にして行うことができる。
こうして、第2光加工ヘッド22における溝検出位置である移動量F1、溝終端検出位置である回転角度R1が求められると、次に、第1光加工ヘッド21における溝検出位置である移動量F2、溝終端検出位置である回転角度R2の算出処理が開始される。
まず、コントローラ50は、ステップS172において、スピンドルモータ制御回路32に対して90°の回転角度を出力してスピンドルモータ30を駆動し固定治具10を90°の回転角度まで回転させる。これにより、固定治具10は、第2光加工ヘッド22が溝Tの周方向中間位置に対向する位置にまで回転する。続いて、ステップS174において、精密移動ステージ制御回路46に対して制御指令を出力してフィードモータ42を駆動し、精密移動ステージ12を(St+Bt’−H)で表される位置にまで移動させる。ここで、Stは初期位置、Bt’は第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とのあいだの設定照射間隔、Hは予め設定した微少量である。従って、第1光加工ヘッド21の対向する位置が溝Tの位置近傍になるまで精密移動ステージ12が移動することになる。
続いて、コントローラ50は、ステップS176において、精密移動ステージ制御回路46に対してプラス方向への低速移動開始指令を出力する。これによりフィードモータ42が起動して精密移動ステージ12がプラス方向へ移動し始める。このときのフィードモータ42の回転速度は、コントローラ50から停止指令を受けたときに瞬時に停止できるような低速度に設定されている。次に、コントローラ50は、ステップS178において、第1レーザ駆動回路221に対して、非加工用強度のレーザ光の照射開始指令を出力するとともに、第1フォーカス制御回路121に対して、フォーカス制御の開始指令を出力する。次に、ステップS180において、反射光信号生成回路120に対して、第1光加工ヘッド21の4分割フォトディテクタ20hで受光される受光信号を選択して入力するように指令する。次に、ステップS182において、反射光信号生成回路120に対して、反射光信号の演算式を溝Tの移動方向位置検出用の計算式である((a+d)−(b+c))に設定する指令を出力する。
続いて、コントローラ50は、ステップS184において、A/D変換器123を介して反射光信号生成回路120から出力される反射光信号の連続入力を開始する。そして、ステップS186において、入力した反射光信号の強度が基準値Jより大きいか否かを判断する。この判断は、反射光信号の強度の絶対値が基準値Jを上回るまで繰り返される。反射光信号生成回路120の出力する反射光信号の強度の絶対値は、第1光加工ヘッド21のレーザ光照射領域が溝Tに入りはじめると増加しその後低下する。そして、レーザ光照射領域が溝Tの中心位置にまで移動するとゼロレベルに達する。レーザ光照射領域がさらに移動して溝Tの中心位置から外れていくと、反射光信号の強度の絶対値は、再び増加する。従って、ステップS186の判断は、レーザ光照射領域が溝T内に入り始めたことを検出するものである。
こうした判断を繰り返し、反射光信号の強度の絶対値が基準値Jを上回ると、コントローラ50は、ステップS188において、反射光信号の強度の絶対値が基準値Cを下回ったか否かを判断する。この判断も、反射光信号の強度の絶対値が基準値Cを下回るまで繰り返される。この基準値Cは、基準値Jよりも小さな値に設定されており、例えば、ゼロレベルに近い値に設定されている。従って、反射光信号の強度の絶対値が基準値Cを下回ったことを検出することにより、第1光加工ヘッド21のレーザ光の照射中心位置が溝Tの中心近傍に達したと判断することができる。
コントローラ50は、反射光信号の強度の絶対値が基準値Cを下回ったことを確認すると、ステップS190において、精密移動ステージ制御回路46に対して移動停止指令を出力する。これにより、フィードモータ42が瞬時に停止する。従って、第1光加工ヘッド21のレーザ光の照射中心位置が溝Tの中心近傍に達したところで精密移動ステージ12が停止する。つまり、ステップS186〜S190の処理は、第1光加工ヘッド21のレーザ光の照射中心位置を溝Tの幅方向中心付近まで移動させる処理である。続いて、コントローラ50は、ステップS190において、反射光信号生成回路120からの信号入力を停止する。
コントローラ50は、第1光加工ヘッド21のレーザ照射中心を溝中心位置(幅方向中心位置)に一致させるために、以下、ステップS194からの処理を開始する。まず、ステップS194において、現在の精密移動ステージ12の停止位置Seを移動量検出回路45から取り込み記憶する。続いて、コントローラ50は、ステップS196において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、得られた反射光信号(反射光信号の波高値を表すデジタル信号)を記憶領域L2(n)に記憶する。このステップS196からステップS218の処理は、上述したステップS132〜S154の処理と同様であり、検出対象が第1光加工ヘッド21の移動量F2である点において相違している。従って、以下、ステップS196〜S218の処理については簡単な説明にとどめる。
コントローラ50は、ステップS198において、変数nに値「1」を代入し、ステップS200において、精密移動ステージ12を(Se−n・B)で表される位置にまで移動させる。続いて、ステップS202において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、得られた反射光信号を記憶領域L2(n)に記憶する。この場合においても、記憶領域L2(n)に記憶された反射光信号の強度をL2(n)として説明する。続いて、ステップS204において、今回入力した反射光信号の強度L2(n)と直前回に入力した反射光信号の強度L2(n−1)との差の絶対値|L2(n)−L2(n−1)|が閾値Cより小さいか否かを判断し、閾値C以上となっているあいだは、変数nの値をインクリメントしつつ(S206)ステップS200〜S206の処理を繰り返す。こうして精密移動ステージ12の移動量に反射光信号の強度L2(n)が関連づけられて記憶されていく。
反射光信号の強度L2(n)の変化が収まると、ステップS204において「Yes」と判断され、処理をステップS208に進める。ここからの処理は、精密移動ステージ12を停止位置Seから反対方向に移動させて精密移動ステージ12の移動量と反射光信号の強度との関係を求める処理である。
コントローラ50は、ステップS208において、変数mに値「1」を代入し、ステップS210において、精密移動ステージ12を(Se+m・B)で表される位置にまで移動させる。続いて、ステップS212において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、得られた反射光信号を記憶領域L2(n+m)に記憶する。この場合においても、記憶領域L2(n+m)に記憶された反射光信号の強度をL2(n+m)として説明する。続いて、ステップS214において、今回入力した反射光信号の強度L2(n+m)と直前回に入力した反射光信号の強度L2(n+m−1)との差の絶対値|L2(n+m)−L2(n+m−1)|が閾値Cより小さいか否かを判断し、閾値C以上となっているあいだは、変数mの値をインクリメントしつつ(S216)ステップS210〜S216の処理を繰り返す。こうして精密移動ステージ12の移動量に反射光信号の強度L2(n+m)が関連づけられて記憶されていく。
反射光信号の強度L2(n+m)の変化が収まると(S214:Yes)、ステップS217において、第1光加工ヘッド21からのレーザ光照射および第1フォーカス制御回路121によるフォーカス制御を停止し、その処理をステップS218に進める。ステップS218においては、上述したステップS202,S212にて繰り返し記憶したそれぞれの精密移動ステージ12の移動量における反射光信号の強度L2(0)〜L2(n+m)から、照射したレーザ光の中心が溝の中心に位置するときの移動量F2を計算する。計算方法としては、ステップS154で用いた方法を使用する。
こうして移動量F2が算出されると、コントローラ50は、ステップS220において、移動量F2と移動量F1とから、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22との移動方向の照射間隔Bt(=F2−F1)を算出し、その照射間隔Btを表示装置52に表示するとともにハードディスク等の記憶装置に記憶する。続いて、コントローラ50は、ステップS222において、表示装置52にアライメントが完了したか否かを作業者に問う画面を表示し、ステップS224において、入力装置51からの入力を待つ。作業者は、移動方向の照射間隔Btが設定値に対して許容範囲内であれば「Yes」の入力操作を行い、許容範囲に入っていなければ図示しないアライメント機構を使って第1光加工ヘッド21の移動方向位置を調整して「No」の入力操作を行う。
作業者による入力操作が行われると、コントローラ50は、ステップS226において、移動方向のアライメントが完了したが否かを判断する。この場合、作業者により「Yes」の入力操作が行われた場合には、その処理をステップS234に進め、「No」の入力操作が行われた場合には、再度、照射間隔Btの検出を行うために、その処理をステップS228に進める。コントローラ50は、ステップS228において、精密移動ステージ制御回路46に移動量F2を出力してフィードモータ42を駆動し、精密移動ステージ12を移動量F2で表される位置にまで移動させる。続いて、ステップS230において、この移動量F2の位置を停止位置Seとして設定する。次に、ステップS232において、第1レーザ駆動回路221に対して、非加工用強度のレーザ光の照射開始指令を出力するとともに、第1フォーカス制御回路121に対して、フォーカス制御の開始指令を出力する。そして、上述したステップS196からの処理を実施する。
こうした処理は、第1光加工ヘッド21の移動方向のアライメントが完了して作業者が入力装置51に「Yes」の入力操作が行われるまで繰り返される。表示装置52に表示される照射間隔Btが設定値に対して許容範囲内におさまると、作業者は、移動方向のアライメントが完了したとして「Yes」の入力操作を行う。これにより、コントローラ50は、その処理をステップS234に進める。
コントローラ50は、ステップS234において、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22とにおける照射位置の回転方向のずれ検出を行うか否かを作業者に問う画面を表示装置52に表示し、ステップS235において、入力装置51からの入力を待つ。そして入力操作が行われると、コントローラ50は、ステップS236において、その入力操作が「Yes」、つまり、回転方向のずれ検出を実施する旨の入力操作であれば、その処理をステップS238に進める。逆に、「No」、つまり、回転方向のずれ検出を実施しない旨の入力操作であれば、ステップS282において、各種回路の作動を停止して、本制御ルーチンを終了する。
作業者の入力操作が「Yes」の場合には、以下、回転方向のずれ検出が行われる。コントローラ50は、まず、ステップS238において、第1レーザ駆動回路221に対して、非加工用強度のレーザ光の照射開始指令を出力するとともに、第1フォーカス制御回路121に対して、フォーカス制御の開始指令を出力する。続いて、ステップS240において、精密移動ステージ制御回路46に移動量F2を出力してフィードモータ42を駆動し、精密移動ステージ12を移動量F2の位置にまで移動させる。次に、コントローラ50は、ステップS242において、反射光信号生成回路120に対して、反射光信号の演算式を回転方向ずれ検出用の計算式である(a+b+c+d)に設定する指令を出力する。
続いて、コントローラ50は、ステップS244において、スピンドルモータ制御回路32に対して低速回転開始指令を出力する。これによりスピンドルモータ30が駆動して固定治具10が中心軸周りに低速で回転し、第1光加工ヘッド21の照射位置が溝T上を溝終端Te方向に移動し始める。このときのスピンドルモータ30の回転速度は、コントローラ50から停止指令を受けたときに瞬時に停止できるような低速度に設定されている。
続いて、コントローラ50は、ステップS246において、信号強度(1)を予め設定した値Qに設定する。この値Qは、後述する信号強度(2)と比較する初期値として使用されるものである。次に、ステップS247において、A/D変換器123を介して反射光信号生成回路120から出力される反射光信号を入力し、この入力した反射光信号の強度を信号強度(2)として設定する。そして、ステップS248において、信号強度(2)と信号強度(1)との差の絶対値を算出し、その値が閾値kより大きいか否かを判断する。この場合、ステップS246にて設定した信号強度(1)の初期値Qは、信号強度(2)との差が閾値kよりも小さくなるように設定されている。従って、コントローラ50は、ステップS248において「No」と判断し、その処理をステップS249に進め、信号強度(1)を信号強度(2)に書き換える。そして、ステップS247に戻り、上述したステップS247〜S249の処理を繰り返す。
第1光加工ヘッド21の照射領域が溝終端Teに接近するまでは、信号強度(2)と信号強度(1)との差はほとんど無く閾値k以下となる。そして、第1光加工ヘッド21の照射領域が溝終端Teに接近すると信号強度が変化し始める。コントローラ50は、この変化幅(信号強度(2)と信号強度(1)との差)を逐次算出し、変化幅が閾値kを上回ったとき(S248:Yes)、第1光加工ヘッド21の照射領域が溝終端Teに進入したと判断して、その処理をステップS250に進める。ステップS250においては、スピンドルモータ制御回路32に対して回転停止指令を出力して固定治具10の回転を停止させるとともに、そのときの回転角度Rsを回転角度検出回路33から取り込んでハードディスク等の記憶装置に記憶する。
続いて、コントローラ50は、ステップS252〜S260の処理により、第1光加工ヘッド21から照射したレーザ光の中心が溝終端Teに位置するときの回転角度R2を計算する。この処理は、上述したステップS158〜S166の処理と同様であり、検出対象が第1光加工ヘッド21の回転角度R2である点において相違している。従って、以下、ステップS252〜S260の処理については簡単な説明にとどめる。
コントローラ50は、ステップS252において、変数nに値「0」を代入し、ステップS254において、スピンドルモータ制御回路32に対して、次の式にて得られる回転位置にまで固定治具10を回転させるように指令する。
Rs−D+n・E
ここで、Rsは、ステップS250において取得した回転角度であり、D,Eは、ステップS160で用いた値と同じである。続いて、コントローラ50は、ステップS256において、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号をA/D変換器123を介して入力し、記憶領域R2(n)に記憶し、ステップS258において、次式が成立するか否かを判断し、成立しない場合には(S258:No)、ステップS260において、変数nを値「1」だけインクリメントして、その処理をステップS254に戻す。
|R2(n)−R2(n−1)|/|R2(n)−R2(0)|<G
このステップS258の判断処理は、反射光信号生成回路120から出力される反射光信号の強度が変化した後、その変化がなくなったタイミングを捉える処理である。従って、ステップS258において「No」と判断されている期間においては、固定治具10の単位角度Eごとの回転と、その各回転角度における反射光信号の記憶が繰り返される。つまり、固定治具10の回転角度に反射光信号の強度R2(n)が関連づけられて記憶されていく。
レーザ光の照射領域が溝Tから外れると反射光信号の強度が一定のハイレベル値に収束する。これにより、コントローラ50は、ステップS258において「Yes」と判定し、次に、ステップS262において、第1レーザ駆動回路221および第1フォーカス制御回路121に対して停止指令を出力して、第1光加工ヘッド21によるレーザ光の照射およびフォーカス制御を停止させる。次に、ステップS264において、先のステップS256にて繰り返し記憶したそれぞれの固定治具10の回転角度における反射光信号の強度R2(0)〜R2(n)から、照射したレーザ光の中心が溝終端Teに位置するときの回転角度R2を計算する。この計算は、ステップS170と同様な方法で行う。
こうして回転角度R2が算出されると、コントローラ50は、ステップS266において、回転角度R2と回転角度R1とから、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22との照射位置の回転方向のずれRo(=R2−R1)を算出し、回転方向のずれRoを表示装置52に表示するとともにハードディスク等の記憶装置に記憶する。続いて、コントローラ50は、ステップS268において、表示装置52にアライメントが完了したか否かを作業者に問う画面を表示し、ステップS270において、入力装置51からの入力を待つ。作業者は、回転方向のずれRoが設定値に対して許容範囲内であれば「Yes」の入力操作を行い、許容範囲に入っていなければ図示しないアライメント機構を使って第1光加工ヘッド21の回転方向の位置を調整して「No」の入力操作を行う。
作業者による入力操作が行われると、コントローラ50は、ステップS272において、回転方向のアライメントが完了したが否かを判断する。この場合、作業者により「Yes」の入力操作が行われた場合には、その処理をステップS276に進め、「No」の入力操作が行われた場合には、再度、回転方向のずれRoの検出を行うために、その処理をステップS274に進める。コントローラ50は、ステップS274において、第1レーザ駆動回路221に対して、非加工用強度のレーザ光の照射開始指令を出力するとともに、第1フォーカス制御回路121に対して、フォーカス制御の開始指令を出力する。そして、上述したステップS252からの処理を実施する。
こうした処理は、回転方向のアライメントが完了して作業者が入力装置51に「Yes」の入力操作を行うまで繰り返される。表示装置52に表示される回転方向のずれRoが設定値に対して許容範囲内におさまると、作業者は、回転方向のアライメントが完了したとして「Yes」の入力操作を行う。これにより、コントローラ50は、その処理をステップS276に進める。
コントローラ50は、ステップS276において、第1光加工ヘッド21と第2光加工ヘッド22との移動方向の照射間隔Btの検出を行うか否かを作業者に問う画面を表示装置52に表示し、ステップS278において、入力装置51からの入力を待つ。そして入力操作が行われると、コントローラ50は、ステップS280において、その入力操作が「Yes」、つまり、照射間隔Btの検出を実施する旨の入力操作であれば、ステップS281で90°の回転角度まで移動させ、その処理をステップS230に進める。逆に、「No」、つまり、照射間隔Btの検出を実施しない旨の入力操作であれば、ステップS282において、各種回路の作動を停止して、本制御ルーチンを終了する。
以上説明した制御ルーチンをここで簡単にまとめておく。上述した制御ルーチンでは、最初に、第2光加工ヘッド22から加工用強度のレーザ光を照射して溝形成対象物OBの円筒側面に1周に満たない1本の溝Tを周方向に形成する(S112〜S116)。続いて、精密移動ステージ12を移動させながら、第2光加工ヘッド22から非加工用強度のレーザ光を溝形成対象物OBに照射し、そのときの精密移動ステージ12の移動量に反射光信号の強度を関係づけて記憶する(S130〜S152)。そして、記憶したそれぞれの移動量における反射光信号の強度に基づいて、第2光加工ヘッド22の照射中心が溝Tの中心に位置するときの移動量F1、つまり、溝検出位置を算出する(S154)。この移動量F1は、本発明における溝検出位置情報に相当する。
続いて、固定治具10を回転させながら、第2光加工ヘッド22から非加工用強度のレーザ光を溝Tに照射し、そのときの固定治具10の回転角度に反射光信号を関係づけて記憶する(S158〜S166)。そして、記憶したそれぞれの回転角度における反射光信号の強度に基づいて、第2光加工ヘッド22の照射中心が溝終端Teに位置するときの回転角度R1、つまり、溝終端検出位置を算出する(S170)。この回転角度R1は、本発明における溝終端検出位置情報に相当する。
次に、第1光加工ヘッド21に関しても同じ条件で同様な処理を行う。まず、第1光加工ヘッド21から非加工用強度のレーザ光を溝形成対象物OBに照射しながら、精密移動ステージ12を移動させ、そのときの反射光信号の強度の変化に基づいて、第1光加工ヘッド21が溝Tを照射する位置を見つける(S176〜S190)。ここでは、溝Tの大ざっぱな位置が検出される。続いて、精密移動ステージ12を移動させながら、第1光加工ヘッド21から非加工用強度のレーザ光を溝形成対象物OBに照射し、そのときの精密移動ステージ12の移動量に反射光信号の強度を関係づけて記憶する(S194〜S216)。そして、記憶したそれぞれの移動量における反射光信号の強度に基づいて、第1光加工ヘッド21の照射中心が溝Tの中心に位置するときの移動量F2、つまり、溝検出位置を算出する(S218)。この移動量F2は、本発明における溝検出位置情報に相当する。
こうして得られた移動量F1,F2から2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔Btを算出して(S220)表示装置52に表示する。照射間隔Btが設定値に対して許容範囲内でなければ、作業者は、アライメント機構で第1光加工ヘッド21の移動方向位置を調整する。許容範囲内に収まれば、次に、精密移動ステージ12を移動量F2で表される位置にまで移動させてから(S240)、第2光加工ヘッド22から非加工用強度のレーザ光を照射しながら固定治具10を回転させ、そのときの反射光信号の強度の変化に基づいて、第1光加工ヘッド21が溝終端Teを照射する位置を見つける(S238〜S250)。ここでは、溝終端Teの大ざっぱな位置が検出される。
続いて、固定治具10を回転させながら、第1光加工ヘッド21から非加工用強度のレーザ光を溝Tに照射し、そのときの固定治具10の回転角度に反射光信号を関係づけて記憶する(S250〜S260)。そして、記憶したそれぞれの回転角度における反射光信号の強度に基づいて、第1光加工ヘッド21の照射中心が溝終端Teに位置するときの回転角度R2、つまり、溝終端検出位置を算出する(S264)。この回転角度R2は、本発明における溝終端検出位置情報に相当する。
こうして得られた回転角度R1,R2から2つの光加工ヘッド21,22の回転方向におけるずれRoを算出して(S266)表示装置52に表示する。ずれRoが設定値に対して許容範囲内でなければ、作業者は、アライメント機構で第1光加工ヘッド21の回転方向位置を調整する。こうして、アライメント完了を表す操作入力が行われると、本制御ルーチンが終了する。
次に、実際に加工対象物をレーザ加工する処理について説明する。
上述した制御ルーチンにより、移動方向の照射間隔Bt、および、回転方向のずれRoが許容範囲内におさまっていることが確認された場合、あるいは、調整により許容範囲内におさまった場合、作業者は、固定治具10にセットされている溝形成対象物OBに代えて実際にレーザ加工対象となる加工対象物OBをセットする。そして、入力装置51を使って回転方向の加工ピッチ、移動方向の加工ピッチ、回転速度を入力設定し、レーザ加工制御プログラムを起動させる。図8は、レーザ加工制御ルーチンを表すフローチャートであり、コントローラ50のROM内に制御プログラムとして記憶されている。本制御ルーチンは、ステップS300にて起動する。尚、レーザ加工制御ルーチンについては、以下、2つの実施形態を説明するため、この図8に示したレーザ加工制御ルーチンを第1実施形態としてのレーザ加工制御ルーチンと呼ぶ。
本制御ルーチンが起動すると、コントローラ50は、ステップS302においてフラグSを値「0」にセットし、ステップS304において、各種回路の作動を開始させる。続いて、ステップS306において、精密移動ステージ制御回路46に対して初期位置Stにおける移動量を出力する。この指令により、フィードモータ42が駆動制御され精密移動ステージ12が初期位置Stにまで移動する。次に、コントローラ50は、ステップS308において、スピンドルモータ制御回路32に対して回転開始指令と回転速度を出力してスピンドルモータ30の駆動を開始する。これにより、固定治具10の回転が開始される。
次に、コントローラ50は、ステップS310において、第1レーザ駆動回路221、第2レーザ駆動回路222に対して、非加工用強度のレーザ光の照射開始指令を出力し、ステップS312において、第1フォーカス制御回路121、第2フォーカス制御回路122に対して、フォーカス制御の開始指令を出力する。続いて、コントローラ50は、ステップS314において、エンコーダ31から出力されるインデックス信号を入力したか否かを判断する。この判断は、回転角度がゼロとなるインデックス信号が入力されるまで繰り返され、インデックス信号の入力を検出すると(S314:Yes)、次に、ステップS316において、発光信号供給回路220に対して所定の発光信号を第1レーザ駆動回路221、第2レーザ駆動回路222に出力するように指令する。発光信号供給回路220は、この指令を受けて、第1レーザ駆動回路221、第2レーザ駆動回路222にパルス信号を出力する。このパルス信号は、作業者が入力した回転方向の加工ピッチと回転速度に基づいて、ハイレベルとローレベルのそれぞれの幅(時間)が設定された信号である。
続いて、コントローラ50は、ステップS318において、第1レーザ駆動回路221、第2レーザ駆動回路222に対して、ピット加工のレーザ光の照射開始指令を出力する。これにより加工対象物OBのレーザ加工が開始される。また、ステップS320において、精密移動ステージ制御回路46に対してフィードモータ42の駆動開始指令を出力する。これにより、精密移動ステージ12の移動が開始される。
コントローラ50は、ステップS322において、エンコーダ31から出力されるインデックス信号を入力したか否かを判断し、インデックス信号の入力を確認すると、ステップS324において、移動量検出回路45により検出される精密移動ステージ12の移動量Fを取り込む。そして、ステップS326において、2つのレーザ光の照射間隔Btから移動距離(F−St)を減算した値{Bt−(F−St)}が、加工ピッチPとレーザ光照射により加工対象物に形成されるピットの直径Daとの合計値(P+Da)より小さいか否かを判断する。つまり、次の条件式1が成立するか否かを判断する。
{Bt−(F−St)}<(P+Da) ……条件式1
この条件式1は、第1光加工ヘッド21の照射位置が、第2光加工ヘッド22により加工されたレーザ加工領域に接近したか否かを判断するものである。
レーザ加工開始時においては、ステップS326の判断は「No」となる。この場合には、次に、ステップS328において、2つのレーザ光の照射間隔Btに移動距離(F−St)を加算した値{Bt+(F−St)}が加工対象物の加工幅W以上になっているか否かを判断する。つまり、次の条件式2が成立するか否かを判断する。
{Bt+(F−St)}≧W ……条件式2
この条件式2は、第2光加工ヘッド22の照射位置が加工対象物OBの加工終了位置に接近したか否かを判断するものである。
レーザ加工開始時においては、ステップS328の判断も「No」となる。この場合には、ステップS322の判断処理に戻る。従って、レーザ加工開始時から、インデックス信号が入力されるたびに、移動量Fを取り込み、上記2つの条件式1,2が成立するか否かを判断する処理が繰り返される。そして、レーザ加工が進み、先に条件式1が成立すると(S326:Yes)、コントローラ50は、ステップS336において、インデックス信号が入力されるまで待ってから、第1レーザ駆動回路221に対して停止指令を出力して、第1光加工ヘッド21によるレーザ光照射を停止させる。また、第1フォーカス制御回路121に対して停止指令を出力してフォーカス制御を停止させる。そして、その処理をステップS342に進める。
一方、条件式1が成立する前に、条件式2が成立した場合には(S328:Yes)、コントローラ50は、ステップS330において、第2レーザ駆動回路222に対して停止指令を出力して、第2光加工ヘッド22によるレーザ光照射を停止させる。また、ステップS332において、第2フォーカス制御回路122に対して停止指令を出力してフォーカス制御を停止させる。そして、ステップS334において、フラグSを値「1」にセットして、ステップS322の処理に戻る。
こうした処理が繰り返され、第1光加工ヘッド21によるレーザ光照射が停止されると、コントローラ50は、ステップS342において、フラグSが値「1」にセットされているか否かを判断する。つまり、第2光加工ヘッド22によるレーザ光照射が完了しているか否かを判断する。フラグSが値「0」であれば、コントローラ50は、ステップS344〜S348の処理を繰り返す。この処理は、上述したステップS322,S324,S328と同じ処理である。そして、条件式2が成立して、第2光加工ヘッド22の照射位置が加工対象物OBの加工終了位置に達すると、第2レーザ駆動回路222に対して停止指令を出力して、第2光加工ヘッド22によるレーザ光照射を停止させる。また、第2フォーカス制御回路122に対して停止指令を出力してフォーカス制御を停止させる。
コントローラ50は、ステップS342においてフラグSが値「1」であると判断した場合、あるいは、ステップS352の処理が終了すると、ステップS354において、スピンドルモータ制御回路32に回転停止指令を出力して固定治具10の回転を停止させ、ステップS356において、精密移動ステージ制御回路46に加工対象物OBを取り外せる位置の移動量を出力して、精密移動ステージ12を予め決められた加工対象物OBの取り外し位置にまで移動させる。ステップS356の処理が完了するとステップS358にて本制御ルーチンを終了する。
ここで、ステップS326で用いた条件式1の意味について説明する。条件式1は、第1光加工ヘッド21による照射位置が、第2光加工ヘッド22により既に加工されたレーザ加工領域に重ならないように、しかも、加工領域の境界に大きな空きが生じないようにレーザ光の照射停止タイミングを導き出すものである。つまり、固定治具10が次の1周で第1光加工ヘッド21によるレーザ光照射を停止しないと、レーザ加工跡が重なってしまうという状況を捉えるものである。
2つのレーザ光の移動方向の照射間隔Btから移動距離(F−St)を減算した値は、レーザ光照射開始時点での第2光加工ヘッド22によるレーザ加工跡と現在の第1光加工ヘッド21によるレーザ加工跡との距離を表す。従って、図9に示すように、照射間隔Btから移動距離(F−St)を減算した値{Bt−(F−St)}が、加工ピッチPとピットの直径Daとを加算した値(P+Da)と等しいと、第1光加工ヘッド21による現在のレーザ加工跡A1の次のレーザ加工予定域A2の端(図中においては右端)が、第2光加工ヘッド22によるレーザ照射開始時点におけるレーザ加工跡B1の端(図中においては左端)と一致する。よって、{Bt−(F−St)}が(P+Da)より小さいと、第1光加工ヘッド21による次のレーザ加工予定域A2が、第2光加工ヘッド22によるレーザ照射開始時点におけるレーザ加工跡B1と移動方向において重なることになる。
そこで本実施形態においては、ステップS326〜S338にて示したように、条件式1が成立し、次のインデックス信号が入力した段階で第1光加工ヘッド21によるレーザ光照射を停止することにより、現在のレーザ加工跡A1の次にレーザ加工跡A2が形成されなくなり、移動方向においてレーザ加工跡が重なることがない。
また、2つのレーザ光の移動方向の照射間隔Btが加工ピッチPの丁度整数倍になるようにアライメントされていれば、{Bt−(F−St)}の値が最後には丁度PとなってステップS326で「Yes」と判定され、次の1周でレーザ光照射が停止されることになる。このため、2つのレーザ光の加工領域の境界においても移動方向の加工ピッチが変化しないようにすることができる。
また、本実施形態においては、反射光信号生成回路120により出力される反射光信号の演算式を、照射位置を移動方向に移動させて溝Tの中心を検出する場合と、照射位置を回転方向に移動させて溝Tの終端Teを検出する場合とで切り替えているため、いずれの場合においても、信号強度の適切な変化を捉えることができる。このため、照射間隔および回転方向のずれを精度よく検出することができる。
上述した第1実施形態としての加工制御ルーチンにおいては、2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔Btが設定値に対して許容範囲内に入り、かつ、回転方向のずれRoが許容範囲内になるように第1光加工ヘッド21をアライメントしておけば、加工領域の境界でも移動方向と回転方向とにおいて加工ピッチが変化しないようにすることができる。しかし、移動方向の加工ピッチを様々に変化させる場合には、照射間隔Btが加工ピッチPの丁度整数倍になるように光加工ヘッド位置をアライメントしようとすると作業効率が非常に悪くなる。また、加工ピッチPが一定でも、レーザ加工が微細になると定期的に上述した方法でアライメントを行う必要があり、作業効率が悪くなる。
そこで、第1光加工ヘッド21のアライメントを実施しなくても、2つの光加工ヘッド21,22の照射間隔Btと回転方向のずれRoとを検出するのみで、移動方向の加工ピッチを加工領域の境界でも変化しないようにし、かつ、回転方向にレーザ光の加工領域が重なったり加工領域の間に空きが生じたりしないようにした第2実施形態について説明する。図10は、第2実施形態としてのレーザ加工制御ルーチンを表すフローチャートであり、コントローラ50のROM内に制御プログラムとして記憶されている。
本制御ルーチンは、2つのレーザ光の移動方向の照射間隔Btが移動方向の加工ピッチPの丁度整数倍でない場合であっても、加工領域の境界で加工ピッチが変化しないように精密移動ステージ12の移動速度を調整する処理を第1実施形態のレーザ加工制御ルーチンに加えたものである。つまり、照射間隔Btを加工ピッチPで除算して得られた値の余り部分Re(小数点以下の部分に加工ピッチPを掛けた値)に相当する移動量を、移動方向の加工ピッチPに分配するようにして、固定治具10の最後の1周において照射間隔Btから(F−St)を減算した値が丁度Pとなるように移動速度を調整する。例えば、図11に示すように、最初に設定された加工ピッチPで加工していくと加工領域の境界でレーザ加工跡がA1,A2となる場合であっても、加工ピッチPを極少量だけ増加補正することにより、Reに相当する移動量を、それまでの加工で調整して、レーザ加工跡がA1’,A2’となるようにするものである。
本制御ルーチンは、ステップS400にて起動する。コントローラ50は、まず、ステップS402において、照射間隔Btを移動方向の加工ピッチPで除算して得られた値(Bt/P)の整数部分を値Kとして設定し、余り部分(小数点以下の部分に加工ピッチPを掛けた値)を値Reとして設定する。この加工ピッチPは、作業者により入力設定された設定値が使用される。続いて、ステップS404において、値Reが精密移動ステージ12の分解能aよりも小さいか否かを判断する。この分解能aは、精密移動ステージ12の移動量を制御できる最小単位移動量であって、予めコントローラ50に記憶されている。値Reが精密移動ステージ12の分解能a以上である場合には(S404:No)、次に、ステップS406において、値Reが、値Kに精密移動ステージ12の分解能aを乗じた値(K・a)よりも小さいか否かを判断する。Re<K・aが成立している場合には(S406:Yes)、ステップS408において、値qを「0」に設定する。
一方、ステップS406において、Re<K・aが成立していないと判断した場合には、コントローラ50は、ステップS410において、値Reを分解能aで除算して得られる値(Re/a)の整数部分を値uとして設定し、ステップS412において、この値uを値Kで除算して得られる値(u/K)の整数部分を値qとして設定し、ステップS414において、分解能aと値qとの乗算値(a・q)を値Reから減算した値(Re−a・q)を新たな値Reとして設定する。
コントローラ50は、ステップS408、あるいは、ステップS414の処理が完了すると、次に、ステップS418において、値Reを分解能aで除算して得られる値(Re/a)の整数部分を値mとして設定し、値(Re/a)の小数点以下の部分を値vとして設定する。
一方、ステップS404において、値Reが分解能aよりも小さいと判断した場合には、ステップS416において、値mを「0」に設定し、値Reを分解能aで除算した値(Re/a)を値vとして設定する。
コントローラ50は、ステップS416、あるいは、ステップS418の処理が完了すると、次に、ステップS420において、値vが0.5未満であるか否かを判断し、v<0.5でなければ、ステップS422において、値mに「1」を加算した値を新たな値mとし、v<0.5であれば、その処理を飛ばす。つまり、値(Re/a)の小数点以下を四捨五入して得られた整数値を値mとするわけである。続いて、ステップS424において、値mが「0」であるか否かを判断する。m=0でなければ、ステップS426において、値Kを値mで除算して得られる値(K/m)の整数部分を値nとして設定し、ステップS428において、分解能aに値qを乗算した値(a・q)に加工ピッチPを加算した値(P+a・q)を加工ピッチP1として設定し、ステップS430において加工ピッチP1に分解能aを加算した値(P1+a)を加工ピッチP2として設定する。一方、ステップS424において、m=0と判断した場合には、ステップS432において、値nを無限大に設定する。また、ステップS434において、加工ピッチP1として加工ピッチPを設定する。
コントローラ50は、ステップS430、あるいは、ステップS434の処理が終了すると、ステップS436において、フラグSを「0」に設定し、カウンタ値tを「0」に設定する。
続いて、コントローラ50は、ステップS438からの処理を開始する。このステップS438〜S452の処理に関しては、上述した第1実施形態のステップS304〜S318と同じ処理であるため、その説明を省略する。コントローラ50は、ステップS452により第1光加工ヘッド21,第2光加工ヘッド22による加工用のレーザ光照射を開始すると、次に、ステップS454において、精密移動ステージ制御回路46に精密移動ステージ12の移動速度として、加工ピッチP1を回転速度で除算した値を出力する。この回転速度は、作業者により入力設定された設定値である。続いて、ステップS456において、精密移動ステージ制御回路46に移動開始指令を出力する。これにより、フィードモータ42が作動して精密移動ステージ12が移動し始める。
コントローラ50は、ステップS458において、エンコーダ31から出力されるインデックス信号を入力したか否かを判断し、インデックス信号の入力を確認すると、ステップS460において、カウンタ値tを「1」だけインクリメントする。続いて、ステップS462において、カウンタ値tが「1」以下であるか否かを判断し、t≦1の場合には、ステップS464において、加工ピッチP1を回転速度で除算した値を移動速度として精密移動ステージ制御回路46に出力する。一方、t>1の場合には、ステップS464の処理を飛ばす。続いて、ステップS468において、カウンタ値tが値n以上であるか否かを判断し、t≧nの場合には、ステップS470において、加工ピッチP2を回転速度で除算した値を移動速度として出力し、ステップS472において、カウンタ値tをゼロクリアする。一方、t<nの場合には、ステップS470,S472の処理を飛ばす。
続いて、コントローラ50は、ステップS474において、移動量検出回路45により検出される精密移動ステージ12の移動量Fを取り込む。そして、ステップS476において、上述した条件式1が成立するか否かを判断する。条件式1は、ステップS326で用いた式である。従って、このステップS476においては、第1光加工ヘッド21の照射位置が、第2光加工ヘッド22により加工されたレーザ加工領域に接近したか否かを判断する。
レーザ加工開始時においては、ステップS476の判断は「No」となる。この場合には、次に、ステップS478において、上述した条件式2が成立するか否かを判断する。条件式2は、ステップS328で用いた式である。従って、このステップS478においては、第2光加工ヘッド22の照射位置が加工対象物OBの加工終了位置に接近したか否かを判断する。
レーザ加工開始時においては、ステップS478の判断も「No」となる。この場合には、ステップS458の判断処理に戻る。従って、レーザ加工開始時から、インデックス信号が入力されるたびに(固定治具10が1回転するたびに)、カウンタ値tを「1」ずつインクリメントし、そのカウンタ値tに応じて精密移動ステージ12の移動速度を設定変更する。この移動速度は、上述したステップS402〜S434にて設定される加工ピッチP1、加工ピッチP2により算出される。
例えば、精密移動ステージ12の分解能aが中程度で、分解能aに値Kを乗じた値(K・a)が値Reよりも大きくなる場合(S404:No,S406:Yes)には、基本とする加工ピッチをP(作業者が入力設定した設定値)とし、固定治具10がn回転するごとに加工ピッチを(P+a)に設定する(S458〜S472)。また、精密移動ステージ12の分解能aが小さく(高精度)、すべての加工ピッチを(P+a)に設定しても値Reに相当する移動量を得ることができない場合(S404:No,S406:No)には、基本とする加工ピッチを(P+a・q)とし、固定治具10がn回転するごとに加工ピッチをさらに値aだけ加算した(P+a・q+a)に設定する(S458〜S472)。また、精密移動ステージ12の分解能aが値Reより大きい場合(S404:Yes)には、Re/aの値が0.5未満であれば(S420:Yes)加工ピッチを変更せず当初のPに維持し、Re/aの値が0.5以上であれば(S420:No)1回だけ加工ピッチをPから(P+a)に変更する。
このようにして加工ピッチを微少量だけ調整しながらレーザ加工が進められる。コントローラ50は、レーザ加工中においては、インデックス信号を入力するたびに条件式1あるいは条件式2が成立するか否かを判断しており(S476,S478)、条件式2が成立した場合には(S478:Yes)、ステップS480において、第2レーザ駆動回路222に対して停止指令を出力して、第2光加工ヘッド22によるレーザ光照射を停止させる。また、第2フォーカス制御回路122に対して停止指令を出力してフォーカス制御を停止させる。そして、ステップS484において、フラグSを値「1」にセットして、ステップS458の処理に戻る。
また、条件式2の成立にかかわらず条件式1が成立した場合には(S476:Yes)、コントローラ50は、ステップS486において、回転角度検出回路33により検出される固定治具10の回転角度の取り込みを開始する。続いて、ステップS488において、回転方向のずれRoがゼロ以上か否かを判断する。つまり、回転方向のずれRoが正転方向か逆転方向かを判断する。Ro≧0と判断した場合には、ステップS490において、インデックス信号が入力されるまで待つ。そして、コントローラ50は、インデクス信号の入力を確認すると、さらに、ステップS492において、固定治具10の回転角度がずれRoに達するまで待ってから、ステップS496において、第1レーザ駆動回路221に対して停止指令を出力して、第1光加工ヘッド21によるレーザ光照射を停止させる。また、第1フォーカス制御回路121に対して停止指令を出力してフォーカス制御を停止させる。一方、ステップS488において、Ro<0と判断した場合には、ステップS494において、固定治具10の回転角度が、(360°−Ro)の値になるまで待ってから、ステップS496の処理を行う。
コントローラ50は、ステップS496の処理が終了すると、ステップS498において、回転角度検出回路33により検出される固定治具10の回転角度の取り込みを停止する。そして、ステップS500において、フラグSに基づいて第2光加工ヘッド22によるレーザ加工が完了しているか否かを判断し、フラグSが値「0」であれば、ステップS502〜S506の処理を繰り返す。この処理は、上述したステップS344〜S348の処理と同じである。そして、第2条件式が成立して、第2光加工ヘッド22の照射位置が加工対象物OBの加工終了位置に達すると(S506:Yes)、第2レーザ駆動回路222に対して停止指令を出力して、第2光加工ヘッド22によるレーザ光照射を停止させる。また、第2フォーカス制御回路122に対して停止指令を出力してフォーカス制御を停止させる。
こうして、第1光加工ヘッド21および第2光加工ヘッド22によるレーザ加工が終了すると、コントローラ50は、ステップS512において、スピンドルモータ制御回路32に回転停止指令を出力して固定治具10の回転を停止させ、ステップS514において精密移動ステージ制御回路46に加工対象物OBを取り外せる位置の移動量を出力して、精密移動ステージ12を予め決められた加工対象物取り外し位置にまで移動させる。そして、ステップS516にて本制御ルーチンを終了する。
以上説明した第2実施形態におけるレーザ加工制御ルーチンによれば、2つのレーザ光の照射間隔Btが移動方向の加工ピッチPの丁度整数倍でない場合であっても、照射間隔Btを加工ピッチPで除算して得られた値の余り部分Reを各加工ピッチに分配するように精密移動ステージ12の移動速度を制御するため、加工領域の境界で加工ピッチが変化しないようにすることができる。しかも、精密移動ステージ12の分解能a(移動制御量の最小単位)に基づいて加工ピッチを設定するため、非常に適切な加工ピッチを設定することができる。
また、2つのレーザ光照射位置の回転方向のずれRoに基づいて、第1光加工ヘッド21によるレーザ加工の終了タイミングを設定するため、加工領域の境界において回転方向にレーザ光の加工跡が重なったり加工跡の間に空きが生じたりしない。これらの結果、光加工ヘッド21,22のアライメントを行わなくても、加工領域の境界における加工状態を適正にすることができる。これにより、作業効率が向上する。
以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明の実施にあたっては、上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の目的を逸脱しない限りにおいて種々の変形も可能である。
例えば、本実施形態においては、ドラム状の固定治具10に円筒状の加工対象物OBをセットしてレーザ加工を行うドラム式微細加工装置について説明したが、例えば、図12に示すように、円盤状の固定治具10’に加工対象物OBをセットしてレーザ加工を行う円盤式微細加工装置に適用することもできる。この場合、回転アクチュエータ30’が固定治具10’をその中心軸周り回転させ、移動アクチュエータ40’が回転アクチュエータ30’を固定治具10’の径方向に移動させる。また、光加工ヘッド21’22’は、移動アクチュエータ40’の移動方向に照射間隔Btをあけて設けられ、レーザ光を同時に照射して円盤状の加工対象物OBの上面をレーザ加工する。本発明は、こうしたレーザ加工装置に適用しても、上述した効果が得られる。
また、本実施形態においては、2つの光加工ヘッド21,22を備え、その光加工ヘッド21,22から同時にレーザ光を加工対象物OBに照射してレーザ加工する装置について説明したが、3つ以上の光加工ヘッドを備えたレーザ加工装置に適用しても同様な効果が得られる。この場合も、レーザ光の照射間隔Btと、回転方向のずれRoの検出については、上述した実施形態と同様に行うことができる。尚、照射間隔Btを加工ピッチPで除算した余りReは、それぞれのレーザ光の照射間隔Btごとに異なるため、各照射間隔Btが加工ピッチPの整数倍となるように光加工ヘッドをアライメントする必要がある。回転方向のずれを考慮したレーザ光の照射停止タイミングの設定については、上述の実施形態と同様に行うことができる。
また、加工対象物OBに対するレーザ光の照射位置を移動させる構成として、本実施形態においては、固定治具10を軸線方向に移動させるようにしたが、固定治具10を移動させずに光加工ヘッド21,22側を移動させるようにしても同様な効果が得られる。この場合、光加工ヘッド21,22を支持するヘッド支持フレーム23を固定治具10の軸線方向に沿って移動させればよい。ヘッド支持フレーム23の移動制御については、上述した精密移動ステージ12の移動制御と同様に行うことができる。
また、本実施形態においては、固定治具10の移動量と反射光信号強度との関係、または、固定治具10の回転角度と反射光信号強度との関係を求める際、固定治具10の移動または回転を微少量ずつ行い、その都度反射光信号をデジタルデータで取り込む構成を採用しているが、非常に低速で移動または回転を行い、反射光信号をアナログ信号のまま取り込んでゼロクロスする点または中間レベルをクロスする点を検出して移動量または回転角度を取り込む構成を採用することもできる。こうした構成であっても同様の効果が得られる。
尚、本実施形態のスピンドルモータ30,スピンドルモータ駆動回路32が本発明の回転手段に相当し、ねじ送り機構40,フィードモータ42,精密移動ステージ制御回路46が本発明の移動手段に相当し、光加工ヘッド21,22,レーザ駆動回路221,222,発光信号供給回路220が本発明のレーザ光照射手段に相当する。また、コントローラ50によりレーザ駆動回路221,222を制御してレーザ光の強度を切り替える構成が本発明のレーザ光強度切替手段に相当する。また、反射光信号生成回路120,A/D変換器123が本発明の反射光信号生成手段に相当する。また、エンコーダ44,移動量検出回路45が本発明の移動量検出手段に相当する。
また、レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチン(図3)において、コントローラ50の行うステップS126〜S154の処理、および、ステップS172〜S218の処理が、本発明の移動方向溝情報生成手段に相当する。また、移動量F1,F2が本発明の溝検出位置情報に相当する。また、コントローラ50の行うステップS220の処理が、本発明のレーザ光照射間隔算出手段に相当する。また、レーザ加工制御ルーチンにおいて(図8)、コントローラ50の行うステップS324〜ステップS338の処理、あるいは、レーザ加工制御ルーチンにおいて(図10)、コントローラ50の行うステップS474〜ステップS496の処理が、本発明のレーザ光照射停止タイミング設定手段に相当する。また、レーザ加工制御ルーチンにおいて(図10)、コントローラ50の行うステップS402〜S434の処理、および、ステップS454〜S472の処理が本発明の移動速度制御手段に相当する。
また、エンコーダ31,回転角度検出回路33が本発明の回転角度検出手段に相当する。また、レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチン(図3)において、コントローラ50の行うステップS158〜S170の処理、および、ステップS252〜S264の処理が、本発明の回転方向溝情報生成手段に相当する。また、回転角度R1,R2が本発明の溝終端検出位置情報に相当する。また、コントローラ50の行うステップS266の処理が、本発明のレーザ回転方向ずれ算出手段に相当する。また、反射光信号生成回路120において、4つの受光信号(a,b,c,d)から、((a+d)−(b+c))の演算を行う演算回路と、(a+b+c+d)の演算を行う演算回路とが本発明の演算手段に相当し、コントローラ50の指令により演算回路を切り替える構成が本発明の演算方法選択手段に相当する。
本発明の一実施形態に係るレーザ微細加工装置の概略外観図である。 本発明の一実施形態に係るレーザ微細加工装置のシステム構成図である。 レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートの一部である。 レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートの一部である。 レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートの一部である。 レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートの一部である。 レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートの一部である。 レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートの一部である。 レーザ光の移動方向における照射間隔と回転方向におけるずれ検出ルーチンを表すフローチャートの一部である。 溝に対するレーザ光照射領域と反射光信号の強度の推移との関係を表すグラフである。 溝に対するレーザ光照射領域と反射光信号の強度の推移との関係を表すグラフである。 光加工ヘッドの照射間隔の検出方法を表す説明図である。 光加工ヘッドの回転方向のずれの検出方法を表す説明図である。 レーザ加工制御ルーチンの第1実施形態を表すフローチャートの一部である。 レーザ加工制御ルーチンの第1実施形態を表すフローチャートの一部である。 レーザ加工境界におけるレーザ加工跡と加工ピッチとの関係を表す説明図である。 レーザ加工制御ルーチンの第2実施形態を表すフローチャートの一部である。 レーザ加工制御ルーチンの第2実施形態を表すフローチャートの一部である。 レーザ加工制御ルーチンの第2実施形態を表すフローチャートの一部である。 レーザ加工制御ルーチンの第2実施形態を表すフローチャートの一部である。 レーザ加工境界におけるレーザ加工跡と加工ピッチとの関係を表す説明図である。 円盤式微細加工装置の概略構成図である。 レーザ加工境界におけるレーザ加工跡を表す説明図である。
符号の説明
10…固定治具、12…精密移動ステージ、21…第1光加工ヘッド、22…第2光加工ヘッド、23…ヘッド支持フレーム、30…スピンドルモータ、31…エンコーダ、32…スピンドルモータ制御回路、33…回転角度検出回路、40…ねじ送り機構、41…スクリューロッド、42…フィードモータ、43…ステージガイド、44…エンコーダ、45…移動量検出回路、46…精密移動ステージ制御回路、50…コントローラ、51…入力装置、52…表示装置、120…反射光信号生成回路、121,122…フォーカス制御回路、123…A/D変換器、220…発光信号供給回路、221,222…レーザ駆動回路、F,F1,F2…移動量、P,P1,P2…加工ピッチ、OB…加工対象物,溝加工対象物,溝形成対象物、R1,R2,Rs…回転角度、Bt…各照射間隔、T…溝、Te…溝終端。

Claims (7)

  1. 加工対象物をセットする固定治具と、
    前記固定治具をその中心軸周りに回転させる回転手段と、
    レーザ光を照射する複数の光加工ヘッドを照射間隔をあけて複数備え、前記固定治具にセットされた加工対象物にレーザ光を照射して加工対象物をレーザ加工するレーザ光照射手段と、
    前記加工対象物に対する前記レーザ光の照射位置を、前記光加工ヘッドの照射間隔方向であって、前記固定治具の中心軸の軸線方向、あるいは、前記固定治具の半径方向に移動させる移動手段とを備えたレーザ加工装置において、
    前記レーザ光照射手段により照射されるレーザ光を、レーザ加工可能な強度の加工用レーザ光と、レーザ加工不能な強度の非加工用レーザ光とに選択的に切り替えるレーザ光強度切替手段と、
    前記レーザ光照射手段により前記加工対象物にレーザ光が照射されたとき照射箇所からの反射光に基づく信号を生成する反射光信号生成手段と、
    前記移動手段の移動量を任意の点を原点として検出する移動量検出手段と、
    特定溝が形成された溝形成体を前記固定治具にセットした状態で、前記移動手段の作動により照射位置を移動させながら前記非加工用レーザ光を前記特定溝に照射するとともに、前記反射光信号生成手段により生成される信号の強度と前記移動量検出手段により検出される移動量とを取得し、取得した信号の強度と移動量とに基づいて、前記移動手段の移動方向における溝検出位置情報を生成する移動方向溝情報生成手段と、
    前記各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、前記移動方向溝情報生成手段により前記溝検出位置情報を取得し、取得した溝検出位置情報に基づいて前記レーザ光の照射間隔を算出するレーザ光照射間隔算出手段と、
    前記レーザ光照射間隔算出手段により算出されたレーザ光の照射間隔と前記移動量検出手段により検出される移動量とに基づき、レーザ加工時における加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定するレーザ光照射停止タイミング設定手段と
    を備えたことを特徴とするレーザ加工装置。
  2. 前記レーザ光照射間隔算出手段により算出されたレーザ光の照射間隔を、前記移動手段の移動方向における設定加工ピッチで除算したときの余りに基づき、前記移動手段の移動速度を制御する移動速度制御手段を備えたことを特徴とする請求項1記載のレーザ加工装置。
  3. 前記回転手段による回転角度を検出する回転角度検出手段と、
    1周に満たない特定溝が形成された溝形成体を前記固定治具にセットした状態で、前記回転手段の作動により照射位置を変えながら前記非加工用レーザ光を前記特定溝に照射するとともに、前記反射光信号生成手段により生成される信号の強度と前記回転角度検出手段により検出される回転角度とを取得し、取得した信号の強度と回転角度とに基づいて、前記回転手段の回転方向における溝終端検出位置情報を生成する回転方向溝情報生成手段と、
    前記各光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、前記回転方向溝情報生成手段により前記溝終端検出位置情報を取得し、取得した溝終端検出位置情報に基づいて前記複数の光加工ヘッドの照射位置の前記回転手段による回転方向におけるずれを算出するレーザ光回転方向ずれ算出手段とを備え、
    前記レーザ光照射停止タイミング設定手段は、前記レーザ光間隔算出手段により検出されたレーザ光の照射間隔と前記移動量検出手段により検出される移動量、および、前記レーザ光回転方向ずれ算出手段により算出された照射位置の回転方向のずれと前記回転角度検出手段により検出される回転角度に基づき、レーザ加工時における加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定することを特徴とする請求項1または2記載のレーザ加工装置。
  4. 前記反射光信号生成手段は、
    反射光を受光する複数に分割された受光素子のそれぞれが出力する信号から演算により前記反射光に基づく信号を生成する演算手段と、
    前記演算手段による演算方法を複数の演算方法の中から1つを選択する演算方法選択手段とを備えたことを特徴とする請求項1ないし請求項3の何れか一項記載のレーザ加工装置。
  5. 加工対象物をセットした固定治具をその中心軸周りに回転させるとともに、照射間隔をあけて備えた複数の光加工ヘッドにより加工対象物にレーザ光を照射しながら、レーザ光の照射位置を前記光加工ヘッドの照射間隔方向であって前記固定治具の中心軸の軸線方向、あるいは、前記固定治具の半径方向に移動させて加工対象物をレーザ加工するレーザ加工方法において、
    特定溝が形成された溝形成体を前記固定治具にセットした状態で、前記照射間隔方向に照射位置を移動させながら、レーザ加工不能な強度の非加工用レーザ光を前記特定溝に照射するとともに、照射箇所からの反射光に基づいて生成される信号の強度と、任意の点を原点とした前記照射間隔方向の移動量とを取得し、取得した信号の強度と移動量とに基づいて、前記複数の光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、前記移動方向における溝検出位置情報を生成する移動方向溝情報生成ステップと、
    前記移動方向溝情報生成ステップにより生成された溝検出位置情報に基づいて前記レーザ光の照射間隔を算出するレーザ光照射間隔算出ステップと、
    レーザ加工時に、前記レーザ光照射間隔算出ステップにて算出されたレーザ光の照射間隔と、前記照射間隔方向の照射位置の移動量とに基づき、加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定するレーザ光照射停止タイミング設定ステップと
    を含むことを特徴とするレーザ加工方法。
  6. 前記レーザ光照射間隔算出ステップにより算出されたレーザ光の照射間隔を、前記移動方向の設定加工ピッチで除算したときの余りに基づき、レーザ加工時に、加工用レーザ光の照射位置の移動速度を制御することを特徴とする請求項5記載のレーザ加工方法。
  7. 1周に満たない特定溝が形成された溝形成体を前記固定治具にセットした状態で、前記固定治具を回転させて回転方向に照射位置を変えながら、前記非加工用レーザ光を前記特定溝に照射するとともに、照射箇所からの反射光に基づいて生成される信号の強度と、前記固定治具の回転角度とを取得し、取得した信号の強度と回転角度とに基づいて、前記複数の光加工ヘッドの非加工用レーザ光照射のそれぞれに対して、前記回転方向における溝終端検出位置情報を生成する回転方向溝情報生成ステップと、
    前記回転方向溝情報生成ステップにより生成された溝終端検出位置情報に基づいて前記複数の光加工ヘッドの照射位置の前記回転手段による回転方向におけるずれを算出するレーザ光回転方向ずれ算出ステップとを含み、
    前記レーザ光照射停止タイミング設定ステップは、レーザ加工時に、前記レーザ光照射間隔算出ステップにて算出されたレーザ光の照射間隔と前記照射間隔方向の照射位置の移動量、および、前記レーザ光回転方向ずれ算出ステップにて算出された照射位置の回転方向のずれと前記回転角度に基づき、加工用レーザ光の照射停止タイミングを設定することを特徴とする請求項5または6記載のレーザ加工方法。
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