JP2009172209A - 電気掃除機 - Google Patents

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Abstract

【課題】本発明は、塵埃で集塵袋が満杯になっても使い勝手を落とすことなく簡単な除塵構造で且つ除じんの効果を最大限発揮させることができる電気掃除機を提供することにある。
【解決手段】本発明は、電動送風機と、該電動送風機の隣に配置され、電動送風機に電気を供給する電源コードが巻装されるコードリールと、前記電動送風機の上流側に配置される集塵袋と、この集塵袋を内置する集塵室と、前記集塵袋に振動を付与して前記集塵袋の内面に付着する塵埃を除塵する除塵子と、前記コードリールの動力を前記除塵子に伝えるクランク機構を備える電気掃除機において、前記コードリール、クランク機構、除塵子を含む動力伝達経路の動力が所定値以上に達したら伝達される動力を吸収する動力伝達吸収手段を動力伝達経路に設けたことを特徴とする。
【選択図】図13(a)

Description

本発明は、集塵されて集塵袋の内面に付着する塵埃を除塵する除塵機能を備えた電気掃除機に関するものである。
集塵袋を備えた電気掃除機では、捕獲した塵埃によって集塵袋内が満杯になったとき、集塵袋を取り外して廃棄し、新しい集塵袋と交換することができるので、取り扱いが便利である。
しかし、捕塵した塵埃の種類によっては集塵袋内が満杯になる前から集塵袋は徐々に目詰まりを起こす。通気抵抗が増加することから、次第に吸引力が低下してくるため、所定の時期に集塵袋に振動を与えて濾過面に付着した微細塵を集塵袋内底面に振るい落とす。この除塵により、集塵袋の目詰まりを解消又は防止する除塵機構を設けることが提案されている。
集塵袋の内側に付着した塵埃を落とす除塵機構を有した電気掃除機は、例えば、特許文献1に記載されているようなものがある。
除塵機構は集塵袋の外周面に作用する除塵体を振動させることによって該集塵袋内面(濾過面)に付着した塵を振るい落とす機構である。除塵体を振動させる駆動機構としては電磁振動で振動させる構成の電磁式駆動構成や、電源コード巻取りに用いるコードリールの回転をギアで伝達して振動させる構成のコードリール式駆動機構が提案されている。
また、コードリール式駆動機構を有したものに、特許文献2のようなものがある。
特開2007―61150号公報 実開58―753号公報
しかしながら、従来の除塵機構の場合、通気損失を最小限に抑え且つ、塵埃を除去する効率を最大限に発揮させるために、機構自体が複雑なものとなってしまい、部品点数が増え、掃除機自体の価格の上昇につながってしまっていた。
また、簡易的な除塵機構を搭載したものに関しては、部品点数が少ない代わりに、除塵機構での除塵体の振動が弱く、集塵袋の内側に付着した塵埃が落ちにくい若しくは塵埃で集塵袋が満杯になったとき、除塵体が振動しない又は振動しても使用者がコードリールから電源コードを引き出す力が過大になるといった使い辛くなる問題があった。
本発明の目的は、上記の課題に鑑み、塵埃で集塵袋が満杯になっても使い勝手を落とすことなく簡単な除塵構造で且つ除じんの効果を最大限発揮させることができる電気掃除機を提供することにある。
本発明は、電動送風機と、該電動送風機の隣に配置され、電動送風機に電気を供給する電源コードが巻装されるコードリールと、前記電動送風機の上流側に配置される集塵袋と、この集塵袋を内置する集塵室と、前記集塵袋に振動を付与して前記集塵袋の内面に付着する塵埃を振るい落とす除塵子と、前記コードリールの回転を往復運動に変えて前記除塵子に動力を伝えるクランク機構を備える電気掃除機において、前記コードリール、クランク機構、除塵子を含む動力伝達経路の動力が所定値以上に達したら伝達される動力を吸収する動力伝達吸収手段を動力伝達経路に設けたことを特徴とする。
本発明によれば、動力伝達経路の動力が所定値以上に達した際に伝達される動力を吸収する動力伝達吸収手段を動力伝達経路に設けることで、塵埃で集塵袋が満杯になった場合でも動力が動力伝達吸収手段で吸収されて除塵子への動力の伝達が抑制される。このため、コードリールから電源コードを引き出す力が過大にならず、使用者にとって使い勝ってが損なわれることはない。
以下、本発明の実施の形態について、図を引用して説明する。
まず、図2、図3を引用して電気掃除機の概要を述べる。
電気掃除機は、図3に示すように、電気掃除機本体401と、電気掃除機本体401にホース403を接続するホース継手402、ホース403に接続される延長管405、延長管405に接続され掃除面の塵埃を吸込む吸口406、電気掃除機の運転を制御する手元スイッチ404が備わる手元操作部407を有する。
電気掃除機本体401は、図2に示すように、電動送風機200、紙袋等の集塵袋201を着脱自在に収める集塵室202を有し、電動送風機200の吸引力で吸引した塵埃を集塵袋201に集塵する。この塵埃が集塵袋201の内側に張り付き、集塵袋201は徐々に目詰りを始めて、次第に吸引力が低下してくる。更に、集塵袋201の内部の圧力よりも、集塵室202内部の圧力の方が負圧として大きい為、集塵袋201は集塵室202や蓋体203の内壁に張り付いてしまい、風の流れる空間が減少して吸引力が低下する。
除塵部材としての除塵子204は蓋体203の内側に設けられる。集塵袋201の目詰りが進行して吸引力が低下したときに、除塵子204を作動して集塵袋201の内側に張り付いた塵埃を除塵して吸引力の回復を図る。
また、集塵袋201に集塵した塵埃には汚れた塵埃が多く含まれるため、塵埃を通過した吸引風は不衛生である。そこで塵埃を通過した吸引風を清潔にするために、吸引風の流れる空間に吸引風を清潔にするための清潔用フィルター(フィルター)206が除塵子204に装着されている。清潔用フィルター206は集塵袋201から出た排気風と接触する。
除塵子204はフィルターを保持するフィルター保持部材を兼ねている。清潔用フィルター206を装着した除塵子204は蓋体203の内側に少し離間して可動自在に取り付けられる。清潔用フィルター206と蓋体203の内側面との間に流路空間が確保され、この空間を吸引風が下流側に向かって流れる。
コード巻取り装置503は、図4(a)、図4(b)に示すように、電動送風機200に隣接するようにして電気掃除機本体401に内置する。コード巻取り装置503は、コードリール700を有し、コードリール700に電源コード502が巻装される。この電源コード502で、電動送風機200に電気が供給される。
除塵機構504(除塵手段)は、コード巻取り装置503、上下に動作可能なロッド505、蓋体203に回動可能に支持された除塵子204を有する。また図13(a)に示すように、パッキン506は、電気掃除機本体401の仕切壁4010に取り付けられている。パッキン506は、気密を取る為に軟質材(ゴムなど)から作られ、ロッド505が挿入されている。
ロッド505は仕切壁4010に対し、上下に動作可能なっているが、パッキン506が介在しているので、気密が保たれる。
除塵子204は、図5(a)、図5(b)に示すように、周縁を除いて格子状のリブ604で作られており、ここに清潔用フィルター206が着脱自在に装着される。この清潔用フィルター206は、格子状のリブ604を囲うように除塵子204に設けた囲部6010、フィルター固定リブ601に保持される。
清潔用フィルター206は、囲部6010やフィルター固定リブ601のフィルター保持手段に保持されるので、除塵子204の除塵作動でも脱落しない。
格子状のリブ604の間は通気穴になるので、集塵袋201が膨らんで除塵子204に押し付けられても清潔用フィルター206を通過する空気の流通は確保される。
除塵子204は、図1(a)、図1(b)に示すように、蓋体203に軸602によって回動可能に支持されるように配置される。
また、除塵子204と蓋体203の間に前述したように、流路空間101を設けている。集塵袋201(図示せず)が膨らんでも、流路空間101により風の流れが確保される。
除塵子204の後方には、図1(b)に示すように、バネ等の弾性体102(付勢手段)が蓋体203との間に介在させて設けられており、軸602を支点として、除塵子204の先端を蓋体203へ押付ける方向の回転モーメントが常に掛かるようになっている。
コード巻取り装置503は、図6に示すように、コードリール701の外周側にコードリール701の回転軸と同心的な円形の滑走面7010を有する。滑走面7010には、外周包絡線より回転軸側に窪む凹7011を設ける。
回動部材702は、回動支持部7020に回動自在に支持される。回動部材702は、回動支持部7020の左側の先端に伝達部7021を、伝達部7021と回動支持部7020の間に滑走部7022を有する。
滑走部7022は、コードリール701の滑走面7010に摺接するように置かれる。滑走部7022は、円弧状に隆起する突起になっているので円滑に滑る。回動部材702は回動支持部7020にバネ(図示せず)を備え、滑走部7022が滑走面7010に常に接触するように付勢されている。
更にコード巻取り装置503は、コードリール701を保持する支持台703、電源コード502を巻取る際にロックを解除する電源コード巻取りボタン704、電源コード502を引き出す際に巻取り時の弾性エネルギーを蓄えるゼンマイ705(巻きバネ)からなる。
使用者が電源コード502を引き出すと、コードリール701が回転する。回動部材702は、滑走部7022がコードリール701の滑走面7010に常に接触するように付勢されているので、凹7011の位置では図7に示すように、矢印B方向に回動する。滑走部7022が凹7011を出るときには、回動部材702は逆に矢印A方向に回動する。このため、コードリール701の回転に伴い、回動部材702は矢印B方向に、矢印A方向に繰り返し回動する。
ロッド505(加振部材)は、図7に示すように、回動部材702と連結している。加振部材としてのロッド505の下端は、回動部材702の滑走部7022側の先端に設けた伝達部7021と当接するようにして連結されている。
すなわち、ロッド505の下端には、伝達部7021が連結されるように嵌るコ字状の凹部5050を有する。凹部5050に伝達部7021が嵌るだけの連結なので、組立てが簡単に行なわれ、自在な動きのとれる連結になる。加振部材のロッド505は回動部材702の回動とともに上下に動作する。
ロッド505の上側の先端は、パッキン506に挿入されて結合されており、ロッド505が上下に動作することで、パッキン506も上下へ動作する。ロッド505とパッキン506を合わせて振動子801と呼ぶ。
振動子801の上部には、除塵子204に設けた受動部603が突き当たるように配置される。振動子801が上方向へ動作すると、受動部603が押し上げられ、除塵子204が回動する。また振動子801が下方へ動作すると除塵子204に設けられた弾性体102により、振動子801を追従する方向へ除塵子204が回動する。
この除塵子204の回動で、集塵袋201の前側と後側が上から交互に押し潰すような除塵振動が集塵袋201に付与される。図7に示す除塵子204の矢印Aの回転では集塵袋201の前側が、矢印Bの回転では集塵袋201の後側が押し潰されるように作動する。
一方、使用者が電源コード502を巻き取るときは、電源コード巻取りボタン704を押すことで、ロックを解除し、ゼンマイ705の弾性力で自動的に巻取る。そのときに回動部材702は電源コード巻取りボタン704に押されて回動して滑走部7022がから滑走面7010から離れた位置に来る。その為、電源コード502の巻取り時においては、除塵子204が回動することはなく、電源コード502はゼンマイ705の弾性力でスムーズに巻取られる。
使用者が手元操作部407に設置された手元スイッチ404を操作すると、操作されたスイッチに従った動作モードで電気掃除機本体401内の電動送風機が運転する。電動送風機によって発生した吸引力は、ホース403、延長管405を通って吸口406に到達する。
この時、集塵室202内において、集塵室202内部の圧力よりも集塵袋201内部の圧力の方が負圧で低いため、集塵袋201は集塵室202一杯に広がる。
ここで、除塵子204の上側に確保された流路空間101の入口103(図1に示す)は清潔用フィルター206の前方に大きく開口して電動送風機への風の流れを確保している。又、その流れの風は除塵子204の格子状のリブ604の間から入り清潔用フィルター206を通過して電動送風機へと導かれる。
これにより、蓋体203内部に設けた清潔用フィルター206へ積極的に風が流れて、塵埃を濾過して集塵袋201から出た吸引風を清潔にすることができる。同時に流路空間101の入口103から流路空間101へ常に吸引風が導かれ、集塵袋201が膨らみ蓋体103内部へ貼付くことによる、吸引流路減少が原因の吸引力の低下を防ぐことができる。また、集塵袋201全面から吸引風を吸うことが可能となるので、塵埃による目詰まりを起こし難く出来る。
しかしながら、塵埃が入ってくると集塵袋201の内面一杯に広がって貼り付き徐々に吸込力が低下していく。集塵袋201の内面一杯に貼り付いた塵埃は、電動送風機の運転が停止すると、重力の力によって床面方向に堆積するが、比較的軽微な塵埃は集塵袋201に貼り付いたままになっている。
そこで、使用者が掃除の開始時に電源コード502を引くと、これに連動し、振動子801により押し上げた除塵子204が集塵袋201の天井面を振動させて、塵埃を除塵する。これにより吸込力が回復すると共に新たな塵埃を濾過する表面積が復活するため、集塵袋201が比較的小さくても多くの塵埃を集塵することができる。
また、除塵子204に装着された清潔用フィルター206が除塵子204と一緒に動作することで、清潔用フィルター206に当たる空気が多くなる。このため、除塵時に集塵袋201から出る悪臭や、集塵袋201でとりきれない細かい塵埃は、清潔用フィルター206によって効果的に取り除くことが出来る。除塵直後に蓋体203を開けても不衛生な空気の撒き散らしが少なくなる。また清潔用フィルター206は消臭効果を持ったもの(酸化チタンやグアニジン系、カキカテキン及び竹炭等)を使用することで、集塵袋201からでる悪臭を除去することが可能となり、更に除塵子204の揚動回動することによって清潔用フィルターも同時に揚動し、臭いを含んだ空気を強制的に清潔用フィルター206を通すことによって、より効果的に消臭することが可能となる。
ここで、清潔用フィルター206はフィルター固定リブ601に保持されているので、除塵子204が激しく動作した際も外れないように固定されている。
更に除塵子204と清潔用フィルター206は、一緒になって蓋体203に回動自在に支持する構成になっている。このため、清潔用フィルター206を除塵子204から分離し、蓋体203に固定する構成に比べ、簡単な構成でなるので、部品点数が少なく、組み立て易い。
除塵機構の騒音低減に関して図8、図9を引用して説明する。
除塵子204の慣性モーメントをI、振動子801の加速度をa(除塵子204に向かう方向を正とする)、振動子801が除塵子204へ外力を加える作用点から、除塵子204の回動中心までの、振動子の動作と垂直な方向の距離をL、弾性体102が除塵子204へ加えるモーメントをM(除塵子204が振動子801へ近づく回動方向を正方向とする)とした際、図9(a)のP、Q部の用に、M+(I×L×a)<0となる位置では、振動子801の動きに除塵子204が付いて行けずに跳躍を起こし騒音が発生してしまう。
すなわち、振動子801の降下動作に除塵子204が追従できなくなると、振動子801の上端と除塵子204の受動部603が衝突して跳躍を起こし騒音になる。その跳躍の騒音はコードリール701の回転が速くなると、生じ易くなる。
そこで、図9(b)のように、本発明では除塵機構504の動作時において、どの位置でもM+(I×L×a)>0とすることにより、常に、除塵子204の受動部603が常に振動子801に接触し離れないようにした。これにより、振動子801と除塵子204の間での騒音の発生を最小限に抑えられる。尚、本発明では電源コード502の引き出し速度を1m/s以下程度にて上記関係が成り立つようにしている。
本関係式を成り立たせるにあたり、弾性体102の力を変える以外にも、コードリール701の滑走面7010の凹部5050の形状を考慮する等の方法も有効である。
集塵袋の除塵に関し、図10(a)、図10(b)、図11(a)、図11(b)を引用して説明する。
図10(b)に示す除塵子204には受動部603の脇に除塵リブ1102が存在する。図10(a)に示す除塵子204には除塵リブ1102がない。除塵子204は、図11(b)に示す矢印B方向に回動したときには、集塵袋201の上側後部を押し潰すように振るう。
しかし、図10(a)に示す除塵リブ1102がない除塵子204では集塵袋201の押し潰しが不十分である。図10(b)に示すように除塵リブ1102を設けることにより、集塵袋201の上側後部が十分に押し潰されるので、良好な除塵が期待できる。
このように、除塵子204による集塵袋201の前後部の除塵は除塵リブ1102を設けることで、図11(a)に示す集塵袋201の前部だけの除塵に止まることなく、後側の除塵も欠かさず行なわれ、集塵袋201に広く行き亘った除塵が提供される。
除塵子の弾性体に関し、図12(a)、図12(b)を引用して説明する。
除塵子204は棒状に延在する弾性体1301を有する。弾性体1301は、除塵子204と同じ合成樹脂を使用して除塵子204と一体成型される。除塵子204が振動子801に押され、図12(b)に示す矢印A方向へ回転すると弾性体1301は撓み弾性力を蓄える。次に振動子801が除塵子204から離れると弾性体1301により振動子801を追従する矢印B方向へ回動する。これにより、除塵性能を落とすことなく、弾性体1301を除塵子204と一体化できるため、部品点数が少なくなり組立時の作業性の向上・コスト低減を計ることが可能となる。
上記に示した実施例において、前記除塵子を蓋体以外の集塵袋の周辺に設けることにより、その応用範囲を広げることが出来る。
除塵機構に備わる動力伝達吸収手段に関し、図13(a),図13(b)を引用して説明する。
図13(a)に示すように振動子801を構成するロッド505の上端側が挿入されるパッキン506の穴内部にはバネの弾性体8010が介在するように設けられる。また弾性体、ロッド505が挿入される筒状のパッキン506は、付け根近傍に伸縮自在なる蛇腹5060を有する。パッキン506、弾性体8010を含めて動力伝達吸収手段と言う。
振動子801のロッド505が回動部材702に押されて上昇作動すると、パッキン506の先端側が上側に押し上げられ、除塵子204を動かし、集塵袋201の除塵が行われる。
集塵袋201が集塵で一杯になると、除塵子204は集塵袋201に強く押されるので、除塵子204は軸602を支点とするシーソー動作の回動が困難になる。このときに動力伝達吸収手段の弾性体8010が撓み、ロッド505の上昇作動は吸収される。この動力伝達吸収手段による動力伝達吸収により、除塵子204の除塵駆動源であるコードリール701の電源コード502を引き出す力が過大になるのを抑えることができ、使用者の使い勝手が向上する。また、除塵子204のシーソー動作の回動が無理やり行われることがなくなるので、除塵機構の故障防止にもなる。
動力伝達吸収手段は、コードリール、クランク機構、除塵子を含む動力伝達経路の動力が所定値以上に達したら伝達される動力を吸収する。図13(a)では、除塵機構に含まれるクランク機構の振動子801に動力伝達吸収手段を設けたが、動力伝達経路内であればどこであっても動力伝達吸収の機能は提供される。
図13(b)に示す動力伝達吸収手段は、パッキン506内に備える弾性体8010を省き、パッキン506の先端に圧力吸収部8011を設けた。圧力吸収部8011は圧縮方向に厚く、中央に穴8012又は動力の伝達を吸収できる構造(図示せず)を設けたので動力伝達吸収の機能を有する。圧力吸収部8011と弾性体8010の併用などの複合体、圧力吸収部8011を含む動力伝達吸収手段を振動子と一体若しくは別体にする種々の構成を採用できる。
クランク機構のコードリールの滑走面、凹、回動部材、滑走部に関し、図7および図8を引用して更に詳しく説明する。
回動部材702を回動(揺動)させる構造は、コードリール701の滑走面7010に回動部材702の滑走部7022が摺接する凹7011を設けたので、振動子801を介して滑走部7022を凹7011に押圧する付勢手段としての弾性体102にかかる荷重が、除塵動作時に増加する方向ではなく、開放される方向になる。それにより、弾性体102の寿命延長や、電源コードを引き出す使用者への負荷低減が可能となる。
また、凹7011は、図8に示すように二つの円弧a.bを有する。円弧aはコードリール701の回転に伴い、滑走部7022が凹7011に下り落ちる下り部側、円弧bは滑走部7022が凹7011の底から滑走面7010の外周包絡線に戻る戻部側である。
下り部側の円弧aの曲率は、戻部側の円弧bの曲率よりも大きくしている。このため、滑走部7022は凹7011に速く下り落ち、凹7011の底から緩やかに戻るので、曲率の小さな戻部側を通る際に受ける衝撃荷重を低減し、繰り返し荷重による部品の破損などを防ぐことができ、またコードリール701の回転速度が遅い場合、曲率の大きな下り部側を通る際の勢いで、除塵の効果を上げることができる。
更に、回動部材702は回動支持部7020に回動自在に支持される。揺回動部材702は、回動支持部7020の左側の先端に伝達部7021を、伝達部7021と回動支持部7020の間に滑走部7022を有する。滑走部7022も伝達部7021も回動支持部7020の左側になる一方にまとめて設けられている。このため、回動支持部7020を間にして左右に振り分け配置する場合に比べ、回動部材702は小型化され、コード巻取り装置503の小さなスペースに収められる。
除塵子に関し、図11(a)、図11(b)に引用して更に説明を加える。
除塵子204は、軸602を支点として蓋体203によって回動可能に支持されている。除塵子204の両端の間に設けた軸602の支点は、支点から端部までの長さが前側よりも後側が短くなるように片寄せた配置になっている。
このため、除塵子204が揺動して集塵袋201を叩く領域は前側が広く、後側が狭くなる。後側は叩く領域が狭いが集塵袋201の後側角部を押すので、天井コーナ部位と上側上部位に亘る除塵が行われる。
また、前述した凹7011の円弧a.bの曲率により、除塵子204が叩く集塵袋201の後側の振動が強くなるので、叩く領域が狭い割には除塵が広く行き渡る。
本発明の実施の形態の一例に係わるもので、電気掃除機の蓋体を内側から見た図である。 図1(a)におけるP部拡大図である。 本発明の実施の形態の一例に係わるもので、電気掃除機本体の縦断面図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の全体外観図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機本体の部分断面斜視図である。 図4(a)におけるP部拡大図である。 本発明の実施の形態の一例に係わる電気掃除機の清潔用フィルター及び除塵部材の図(説明の都合上、清潔用フィルターは部分断面図)である。 図5(a)のA−A断面である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機のコード巻取り装置である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の除塵機構(除塵手段)の斜視図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の除塵機構(除塵手段)の側面図である。 図9において、コードリールが0度〜θ度だけ回転する際の、除塵部材の動作をグラフにしたもので、M+(I×L×a)<0の場合である。 図9において、コードリールが0度〜θ度だけ回転する際の、除塵部材の動作をグラフにしたもので、M+(I×L×a)>0の場合である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の除塵部材を集塵袋側から見た図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の改良した除塵部材を集塵袋側から見た図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の振動子が除塵部材を押し上げた際の、改良した除塵部材の除塵の様子を示したものである。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の改良した除塵部材が弾性体により押し戻されるように回動した際の除塵の様子を示したものである。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の弾性体を除塵部材と一体化した除塵部材の斜視図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機の弾性体を除塵部材と一体化した除塵部材を備えた蓋体の断面図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機のクランク機構を示す図である。 本発明の実施の形態の一例に係る電気掃除機のクランク機構の他例を示す図である。
符号の説明
101…流路空間、102…弾性体、103…流路空間の入口、202…集塵室、201…集塵袋、203…蓋体、204…除塵子、206…清潔用フィルター、401…電気掃除機本体、402…ホース継手、403…ホース、404…手元操作部、405…延長管、406…吸口、407…手元操作部、502…電源コード、503…コード巻取り装置、504…除塵機構、505…ロッド、506…パッキン、601…フィルター固定リブ、602…軸、603…受動部、604…格子状のリブ、701…コードリール、702…回動部材、703…支持台、704…電源コード巻取りボタン、705…ゼンマイ、801…振動子、1102…除塵リブ、1301…弾性体。

Claims (8)

  1. 電動送風機と、該電動送風機の隣に配置され、電動送風機に電気を供給する電源コードが巻装されるコードリールと、前記電動送風機の上流側に配置される集塵袋と、この集塵袋を内置する集塵室と、前記集塵袋に振動を付与して前記集塵袋の内面に付着する塵埃を除塵する除塵子と、前記コードリールの動力を前記除塵子に伝えるクランク機構を備える電気掃除機において、
    前記コードリール、クランク機構、除塵子を含む動力伝達経路の動力が所定値以上に達したら伝達される動力を吸収する動力伝達吸収手段を動力伝達経路に設けたことを特徴とする電気掃除機。
  2. 請求項1記載の電気掃除機において、
    前記動力伝達吸収手段は、バネ、ゴム、またはバネとゴムの複合体を含むことを特徴とする電気掃除機。
  3. 電動送風機と、該電動送風機の隣に配置され、電動送風機に電気を供給する電源コードが巻装されるコードリールと、前記電動送風機の上流側に配置される集塵袋と、この集塵袋を内置する集塵室と、前記集塵袋に振動を付与して前記集塵袋の内面に付着する塵埃を除塵する除塵子と、前記コードリールの動力を前記除塵子に動力を伝えるクランク機構を備える電気掃除機において、
    前記クランク機構は、前記コードリールの回転に伴い回動する回動部材と、前記回動部材と前記除塵子に介在して前記除塵子に動力を伝えるところの往復動作をする振動子を含み、
    前記クランク機構を介して前記コードリールから前記除塵子に伝わる動力が所定値以上に達したら伝達される動力を吸収する動力伝達吸収手段を備えたことを特徴とする電気掃除機。
  4. 請求項3記載の電気掃除機において、
    前記動力伝達吸収手段が前記クランク機構に存在することを特徴とする電気掃除機。
  5. 請求項4記載の電気掃除機において、
    前記動力伝達吸収手段が前記除塵子に当接する前記振動子の端部に設けたことを特徴とする電気掃除機。
  6. 請求項3から5のいずれかに記載された電気掃除機において、
    前記前記動力伝達吸収手段はバネ、ゴム等の弾性体を含み、かつ前記振動子と一体若しくは別体に形成されたことを特徴とする電気掃除機。
  7. 請求項1から6のいずれかに記載された電気掃除機において、
    前記集塵袋を出し入れする際に前記集塵室を開閉する蓋体を開閉自在に設け、
    前記蓋体内に前記除塵子を備えたことを特徴とする電気掃除機。
  8. 請求項1から7の何れかに記載された電気掃除機において、
    電気掃除機内の上流から下流に向かった空気流通経路で、前記集塵袋、前記除塵子、および前記電動送風機の順に並ぶことを特徴とする電気掃除機。
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