JP2009171657A - リニアモータ及び部品移載装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】幅方向の小型化を図りながらも、十分な検出精度で可動部の位置を検出しつつ可動部を駆動することができるリニアモータおよび該リニアモータを用いた部品移載装置を提供する。
【解決手段】リニアスケール7bが可動ベース4に設けられるとともに、リニアスケール7bに対して次のような配置関係でセンサ7aがベースプレート1のベース面1aに固定されている。すなわち、リニアスケール7bの表面7eと、センサ7aのセンシング面7e’の共通法線7fがYZ平面に対して平行となるように、センサ7aとリニアスケール7bが対向配置されている。このため、従来技術と同一のセンサ7aとリニアスケール7bを用いて十分な検出精度を確保した場合であっても、幅方向Yにおける検出手段(センサ7a+リニアスケール7b)の長さL7は従来技術のそれよりも短くなる。
【選択図】図2

Description

本発明は、ベースプレートに対して可動部を直線的に移動させるリニアモータおよび該リニアモータを用いた部品移載装置に関するものである。
電子部品などの部品をハンドリングする部品移載装置、半導体装置や液晶表示装置などを製造するための製造装置などを中心として、リニアモータの用途が年々拡大しており、特に近年薄型で高性能なリニアモータのニーズが高まっている。そして、このような要望に応えるべく、例えば図13に示す構成を有するリニアモータLMが提案されている(非特許文献1)。
図13は従来のリニアモータの一例を示す図であり、同図(a)は同図(b)のA−A線矢視図である。同図に示すリニアモータLMでは、長方形状のベースプレート1上に、2本のリニアガイド2A、2Bが互いに平行に、しかも幅方向Yに離間して設けられている。各リニアガイド2A、2Bでは、ベースプレート1に対して直線状のレール2aが幅方向Yと直交し、しかもベースプレート1の表面と平行な関係にある移動方向Xに延設され、さらに該レール2aに沿ってスライダ2bが移動方向Zにスライド自在となっている。このように構成されたリニアガイド2A、2Bの間には、稠密構造に巻いたコイルがベースプレート1の表面に対して複数個枕木状態でZ方向に配列されて電機子3が形成され、リニアモータLMの固定子として機能する。なお、図13(a)では、電機子3を構成する複数のコイルのうち最も(−Z)方向側に設けられたコイルのみが図示されている。
また、リニアガイド2A、2Bのスライダ2bの上面には、ベースプレート1と同一幅(幅方向Yの長さ)を有するテーブル状の可動ベース4が取り付けられ、ベースプレート1の上方位置でZ方向に移動自在となっている。このように可動ベース4と2つのスライダ2bが「可動部」として一体的にZ方向に移動自在となっている。
この可動ベース4の裏面側には、電機子3を挟み込むように複数の永久磁石を取り付けたヨーク5A、5Bが可動子として取り付けられている。つまり、同図への図示は省略されているが、ヨーク5A、5Bはいずれも図13(a)の紙面に対して垂直方向、つまり移動方向Zに延設されるとともに、その延設方向Zに沿って永久磁石が複数個連設されている。なお、図13(a)では、それらの永久磁石のうち最も(−Z)方向側に設けられた永久磁石6A、6Bのみが図示されている。そして、電機子3の(+Y)方向側端部に対して複数の永久磁石6Aが対向するようにヨーク5Aの上端部が可動ベース4の裏面に取り付けられる一方、(−Y)方向側端部に複数の永久磁石6Bが対向するようにヨーク5Bが可動ベース4の裏面に取り付けられている。このため、電機子3のコイルに与える電流を制御することで、可動子の永久磁石6A、6Bと固定子(電機子3)で発生する磁束の相互作用により可動ベース4がZ方向に直線駆動される。
さらに、リニアガイド2Aの反可動子側、つまり(+Y)側において、可動ベース4の位置を検出する検出ユニット7が設けられている。すなわち、ベースプレート1の上面にセンサ7aが固定配置される一方、このセンサ7aに対向するように可動ベース4の下面にリニアスケール7bが取り付けられている。このように、センサ7aとリニアスケール7bを上下方向Xに対向配置することで、上記リニアモータLMはZ方向における可動ベース4の位置を検出可能となっている。
山本日登志、"素材/電子材料Topics 第32回世界最薄型7mm厚リニアモータの開発"、[online ]、2006年12月11日、社団法人 電子情報技術産業協会、[平成19年12月10日検索]、インターネット<http://home.jeita.or.jp/ecb/material/No032.html>
上記従来のリニアモータLMでは、図13(a)に示すように、ベースプレート1と可動ベース4の間に、リニアガイド2A、ヨーク5A、永久磁石6A、電機子3、永久磁石6B、ヨーク5Bおよびリニアガイド2Bを幅方向Yに配置するのみならず、さらにリニアガイド2Aの(+Y)側に検出ユニット7を配置している。このため、幅方向Yのサイズが大きくなる傾向にあり、リニアモータLMの大型化を招く要因のひとつとなっている。ここで、この問題を解消するための一つのアプローチとして検出ユニット7の小型化がある。すなわち、センサ7aおよびリニアスケール7bの幅方向サイズを抑えることでリニアモータLMの幅Lを縮めてリニアモータLMの小型化を図ることができる。
しかしながら、リニアモータLMに対するユーザ要求は小型化のみに限定されるものではなく、優れた分解能で可動ベース4を位置決めすることも重要なユーザ要求のひとつである。このユーザ要求を満足させるためには、可動ベース4の位置検出を高精度に行うことが不可欠であるが、検出ユニット7を小型化することにより検出精度の低下を招いてしまい、優れた分解能で可動ベース4を位置決めすることが困難となるという問題が生じる。
この発明は上記課題に鑑みなされたものであり、可動部を所定の移動方向に直線移動させるとともに、可動部に対して移動方向と直交する幅方向側に設けられる検出手段によって可動部の位置を検出しながら可動部を駆動するリニアモータにおいて、幅方向での小型化を図りながらも、十分な検出精度で可動部の位置を検出することを第1の目的とする。
また、この発明は上記リニアモータを用いた部品移載装置を提供することを第2の目的とする。
この発明にかかるリニアモータは、ベースプレート上を所定の移動方向Zに移動自在な可動部に対して可動子が移動方向Zに延設されるとともに、移動方向Zと直交する幅方向Yに可動子から離間して対向するように固定子がベースプレートに対して移動方向Zに延設され、検出手段によって移動方向における可動部の位置を検出しながら可動子および固定子で発生する磁束の相互作用により可動部を移動方向に駆動するリニアモータであって、上記第1の目的を達成するため、検出手段は互いに対向するリニアスケールおよびセンサを備え、リニアスケールおよびセンサのうちの一方を移動部材として可動部に設け、他方を固定部材としてベースプレートに固定して可動部の位置検出を行い、リニアスケールおよびセンサの対向面の第1法線が移動方向Zおよび幅方向Yを含むYZ平面に対して平行または傾斜するように、リニアスケールおよびセンサが配置されていることを特徴としている。
このように構成された発明では、検出手段を構成するリニアスケールおよびセンサのうちの一方(移動部材)が可動部に設けられるとともに、他方(固定部材)がベースプレートに固定されており、可動部の移動により移動部材が固定部材に対して変位することで移動方向Zでの可動部の位置を検出可能となっている。この点に関しては従来技術と共通する。しかしながら、本発明では、リニアスケールおよびセンサの対向面の第1法線がYZ平面に対して平行または傾斜するように、リニアスケールおよびセンサが配置されているため、検出手段のダウンサイズを図ることなく、幅方向Yにおける検出手段の長さ(検出手段をYZ平面に投影してできる投影像の幅方向長さL7:後で説明する図2(c)を参照)を従来技術のそれ(図13(c)中の符号L7)よりも短くすることができる。その結果、幅方向においてリニアモータを小型化しつつ、十分な検出精度で可動部の位置を検出することができる。
また、この発明にかかる部品移載装置は、部品収容部から部品搭載領域に部品を移載するものであって、上記第2の目的を達成するため、ベース部材と、ベース部材に対して上下方向に移動自在に支持され、先端部に吸着ノズルが取り付けられるとともに、後端部に接続された負圧配管を介して供給される負圧を吸着ノズルに与えるノズルシャフトと、ノズルシャフトを上下方向に駆動する上下駆動機構とを有する、ヘッドユニットと、部品収容部の上方位置と部品搭載領域の上方位置との間でヘッドユニットを移動させるヘッド駆動手段とを備え、上下駆動機構が請求項1ないし9のいずれかに記載のリニアモータであり、リニアモータは移動方向が上下方向と平行となるようにベース部材に取り付けられ、リニアモータの可動部がノズルシャフトに連結されていることを特徴としている。
このように構成された部品移載装置では、上記リニアモータの可動部がノズルシャフトに連結されて可動部を駆動することでノズルシャフトが上下方向に駆動される。このように幅方向において小型化でありながらも十分な検出精度で可動部の位置を検出することができるリニアモータを用いてノズルシャフトを駆動するように構成しているため、ノズルシャフトの先端部に取り付けられた吸着ノズルの上下方向位置を高精度に検出することができる。そして、その検出結果に基づき吸着ノズルの上下位置を制御することで高精度な部品移載が可能となる。また、リニアモータの薄型化によって部品移載装置の小型化を図ることができる。
本発明は、ベースプレートに対して可動部を直線的に移動させるリニアモータおよび該リニアモータを用いた部品移載装置に関するものであり、以下においては、本発明にかかるリニアモータと、同リニアモータを用いた部品移載装置の一実施形態である表面実装機に分けて詳述する。
<リニアモータ>
図1は本発明にかかるリニアモータの第1実施形態を示す斜視図である。また、図2は図1のリニアモータのA−A線断面図である。さらに、図3は図1のリニアモータの分解組立斜視図である。なお、これらの図面及び後で説明する図面では、各図の方向関係を明確にするために、XYZ直角座標軸が示されている。これら3つの方向X、Y、ZのうちZ方向が本発明の「移動方向」に相当し、Y方向が本発明の「幅方向」に相当し、X方向が「移動方向」および「幅方向」の両方向に直交する「厚み方向」に相当している。
このリニアモータLMは所定の移動方向Zに伸びる薄型トレイー状のベースプレート1を有している。このベースプレート1では、図3に示すように、その内底面がベース面1aとなっており、ベースプレート1の(+Y)方向側端部、(−Y)方向側端部および(+Z)方向側端部に立壁1b〜1dが厚み方向(+X)にそれぞれ立設され、これらの立壁1b〜1dとベース面1aにより上方向(+X)に開口する凹部1eが形成されている。そして、当該凹部1eにリニアモータLMの構成部品が後述するように収容される。なお、この実施形態では、アルミニウム合金等によりベース面1aと立壁1b〜1dを一体的に成形して非磁性のベースプレート1を構成しているが、ベース面1aと立壁1b〜1dを個別に形成した上、これらの構成要素を組み付けてベースプレート1を構成してもよい。このようにベースプレート1を非磁性体材料で構成しているが、ベースプレート1を樹脂材料で構成してもよいことは言うまでもない。なお、図1および図2中の符号1hはリターンスプリングを取り付けるためのスプリング係合部である。
このベース面1a上には、1本のリニアガイド2がZ方向に延設されている。すなわち、ベースプレート1に対して移動方向Zに延びる直線状のレール2aが固定されるとともに該レール2aに沿って2つのスライダ2b1、2b2が移動方向Zにスライド自在に(Y方向及びX方向に規制されて)取り付けられている。また、レール2aからのスライダ2b1、2b2の抜け落ちを防止するために、2つのリニアガイドストッパ2c1、2c2がベースプレート1のベース面1aに取り付け可能となっている。
また、これらのスライダ2b1、2b2に対して逆凹状またはH字状の断面を有する可動ベース4が取り付けられ、Z方向に移動自在となっている。より詳しくは、可動ベース4はXY断面にて逆凹形状を有する内部空間を有しており、この内部空間の天井面がスライダ2b1、2b2の上面上に位置した状態で、可動ベース4がスライダ2b1、2b2に固定されている。また、可動ベース4の軽量化を図るために、本実施形態では、複数個の貫通孔4aが可動ベース4の天井面に形成されている。このように本実施形態では、可動ベース4およびスライダ2b1、2b2が一体的に移動方向Zに移動自在となっており、本発明の「可動部」に相当している。そして、次に説明するように可動ベース4の(−Y)側端部側面に可動子が取り付けられる一方、(+Y)側端部側面にリニアスケール7bが取り付けられている。
図4は可動部材と可動子の取付構造を示す斜視図であり、また図5は可動部材と可動子の取付構造を示す図である。これらの図に示すように、可動ベース4の(−Y)側端部側面に強磁性材料より形成されたヨーク5が取り付けられ、さらに当該ヨーク5の表面には、N極側が該表面に対向する永久磁石6と、S極側が該表面に対向する永久磁石とが、交互にZ方向に沿って複数(この実施形態では14個)配列されて取り付けられており、これら永久磁石6とヨーク5によりリニアモータLMの可動子が構成されている。また、この実施形態では、永久磁石6は樹脂層10によりモールドされて表面保護されており、永久磁石6の破損などを効果的に防止することができる。さらに、可動ベース4の(−Y)側端部側面では、可動子(ヨーク5+永久磁石6)の(−Z)側に雌ネジ部4bが2箇所形成されている。これらの雌ネジ部4bは可動ベース4の(−Y)側端部に被駆動物を直接または連結部を介して取り付けるためのものである。例えば後で説明する表面実装機では、雌ネジ部4bを用いて可動ベース4に連結部を連結し、さらに当該連結部にノズルシャフトを被駆動物として接続している。つまり、雌ネジ部4bを用いて可動ベース4の端部に連結される、連結部を介して被駆動物を可動ベース4に取付可能となっている。なお、それについては後の「表面実装機」の項で詳述する。
このように構成された可動子(永久磁石6+ヨーク5)の幅方向(−Y)側に本発明の「固定子」に相当する電機子3が配置され、ベースプレート1のベース面1aに固定されている。この電機子3は、コア3aと、複数の中空形状のボビン3bと、各ボビン3bの外周部に電線を巻きつけてなるコイル3cとで構成されている。このコア3aはZ方向に延びる矩形プレート部から一定間隔で(+Y)方向に設けられた歯部を有する櫛型形状の珪素鋼板を複数枚X方向に積層したものである。このように構成されたコア3aでは、複数の歯部がZ方向に一定間隔で並設されて歯部列を形成している。そして、各歯部に対し、予めコイル3cが巻き付けられたボビン3bが装着されている。こうして、複数(この実施形態では9個)のコア3aの歯部とこの歯部の周りに巻かれたコイル3cがZ方向に同一間隔で設けられて電機子3を構成しており、可動子(永久磁石6+ヨーク5)に対向配置されている。なお、本実施形態では、図2(b)に示すようにコイル3cが巻かれたコア3aの歯部の先端面8と、その先端面8の対向面となる可動子の永久磁石6の対向面8’との共通の法線8aが移動方向Zおよび幅方向Yを含むYZ平面に対して平行となるように、電機子3は構成されている。そして、図示を省略するモータコントローラから各コイル3cに所定の順番で通電が行われると、上記のように先端面8の磁極と対向面8’の磁極の相互作用により可動子(永久磁石6+ヨーク5)にZ方向の推力が生じて可動ベース4をZ方向に駆動する。このように、本実施形態では、先端面8および対向面8’が本発明の「固定子および可動子の対向面」に相当し、それらの共通の法線8aが本発明の「第2法線」に相当している。
また、本実施形態では、可動子に永久磁石を用い、固定子に磁性体で構成されるコア3aを用いているため、コア3aの歯部と可動子の永久磁石との間にコギング力が発生する。「コギング力の発生」とは、従来周知のようにコア3aの歯部位置により永久磁石6の磁束密度が変化し、これによって磁気エネルギーが変化するため、電機子3に作用する電磁気力の脈動が生じる現象である。そこで、コギング力を低減するために、電機子3の歯部列の両端に磁性体からなるサブティース9a、9bが設けられている。すなわち、歯部列の(+Z)側において歯列ピッチと一致あるいは異なる所望の位置にサブティース9aが、また(−Z)側において同歯列ピッチと一致あるいは異なる所望の位置にサブティース9bが、永久磁石6からの離間距離がそれぞれ所望の距離となるように、それぞれベースプレート1のベース面1aに対して着脱自在に設けられている。
ところで、上記のように構成したリニアモータLMでは、コア3aに繋がるプレート部位がサブティース9a、9bの近傍まで延ており、電機子のコアとサブティースとが磁気的結合を生じ、磁束密度分布の偏在を生じてしまう。このため、サブティース9a、9bを所定の位置に配置しただけでは、安定したコギング力低減機能を発揮できない場合がある。特に、加速・減速時等において、あるいは作動条件(加速後の一定移動速度)そのものが変化する場合においては、コイル3cに流れる電流量が想定値より変化し、サブティース9a、9bにおける永久磁石との対向面の磁極あるいはその強さが所望のものとはならず、サブティース9a、9bによるコギング力低減の効果が必ずしも得られない場合がある。そこで、本実施形態では、サブティース9a、9bによるコギング力の低減効果を補うために、サブティース9a、9bとベースプレート1の間に磁性体プレート11が設けられている。より詳しくは、次のように構成されている。
図6はサブティースと磁性体プレートの配置関係を示す平面図である。同図においては、サブティース9a、9bに対する磁性体プレート11の相対位置と、磁性体プレート11の平面形状を明確にするため、磁性体プレート11にハッチングを付している。ベースプレート1のベース面1aには、磁性体プレート11の平面形状とほぼ同一形状のプレート嵌合部1gが(−X)方向に形成されている(図2(a)参照)。そして、当該プレート嵌合部1gに磁性体プレート11が嵌合されて磁性体プレート11の表面がベース面1aと面一状態となっている。この磁性体プレート11の配設によって、Y−Z面上においてコア3a,サブティース9a、永久磁石6、ヨーク5、隣の永久磁石6、そして隣の歯部を通ってコア3aに到る磁束だけでなく、サブティース9a、永久磁石6、ヨーク5、磁性体プレート11を通じてサブティース9aに到るX−Y面上の磁束が発生し、コギング力の効果的な低減を図っている。
上記のように可動子(永久磁石6+ヨーク5)と電機子3で発生する磁束の相互作用により可動ベース4が移動方向Zに駆動されるが、可動ベース4が所定の移動範囲を超えてしまうのを防止するために、ベースプレート1のベース面1aに2つの移動規制ストッパ12a、12bが取付可能となっている。
また、可動ベース4の位置を正確に検出するため、可動ベース4の反電機子側、つまり(+Y)側にセンサ7aとリニアスケール7bを有する検出ユニット7が設けられている。このリニアスケール7bは可動ベース4の(+Y)側端部側面に対してZ方向に延設されている。また、リニアスケール7bの(−Y)側でセンサ7aがベースプレート1に固定配置されている。このため、可動ベース4のZ方向移動に応じてリニアスケール7bのうちセンサ7aと対向する領域が変位し、その変位に基づき移動方向Zにおける可動ベース4の位置を正確に検出することが可能となっている。
このセンサ7aはセンサ制御ユニット7cと一体的に構成されており、この構造体(センサ7a+センサ制御ユニット7c)は図3に示すように立壁1bに形成された切欠部1fを介して凹部1eに対して挿脱自在となっている。すなわち、構造体は切欠部1fを介してベースプレート1内に挿入され、図2に示すように幅方向Yにおいてセンサ7aがリニアスケール7bに対向して配置されるとともにセンサ制御ユニット7cがセンサ7aの反リニアスケール側、つまり(+Y)側に配置された状態で、ベースプレート1に固定される。特に、この実施形態では、図2(c)に示すように、リニアスケール7bの表面7eと、当該表面7eと対向するセンサ7aのセンシング面7e’との共通の法線7fが移動方向Zおよび幅方向Yを含むYZ平面に対して平行となるように、センサ7aおよびリニアスケール7bの取付位置が設定されている。なお、センサ制御ユニット7cに埃やゴミなどの異物が進入を防止するため、上記構造体を取り付けた後にセンサカバー7dがセンサ制御ユニット7cを覆うようにベースプレート1の立壁1bに取り付けられている。このように、本実施形態では、センサ7aとリニアスケール7bで可動ベース4の位置を検出する検出手段が構成され、センサ7aおよびリニアスケール7bはそれぞれ本発明の「固定部材」および「移動部材」に相当し、上記表面7eおよびセンシング面7e’が本発明の「リニアスケールおよびセンサの対向面」に相当し、それらの共通の法線7fが本発明の「第1法線」に相当している。
以上のように、この実施形態にかかるリニアモータLMでは、リニアスケール7bが移動部材として可動ベース4に設けられるとともに、センサ7aが固定部材としてベースプレート1のベース面1aに固定されているが、これらセンサ7aおよびリニアスケール7bは図2(c)に示す配置関係を有しているが故に、図13に示す従来技術に比べて有利な作用効果を有している。以下、図2(c)と図13(c)を対比しながら、両者の構成上および作用効果上の差異を説明する。
従来のリニアモータLMでは、図13(c)に示すように、リニアスケール7bの表面7eおよびセンサ7aのセンシング面7eはYZ平面に対して平行となっている。このような配置関係を有するリニアモータLMにおいて十分な検出精度を確保するためには、検出手段(センサ7a+リニアスケール7b)の幅方向長さ(検出手段をYZ平面に投影してできる投影像の幅方向長さL7)を比較的大きく設定する必要があり、リニアモータLMは幅方向Yに長くなってしまう。
これに対し、本実施形態では、図2(c)に示すように、リニアスケール7bの表面7eと、センサ7aのセンシング面7e’の共通法線7fがYZ平面に対して平行となるように、センサ7aとリニアスケール7bを対向配置している。このため、従来技術と同一のセンサ7aとリニアスケール7bを用いて十分な検出精度を確保した場合であっても、幅方向Yにおける検出手段の長さ(検出手段をYZ平面に投影してできる投影像の幅方向長さ)L7は従来技術のそれよりも短くなる。したがって、本実施形態によれば、幅方向においてリニアモータLMを小型化しつつ、十分な検出精度で可動ベース4のZ方向位置を検出することが可能となっている。なお、上記したように共通法線7fがYZ平面に対して平行となるようにセンサ7aとリニアスケール7bを対向配置しているが、部品公差や組付精度等によりYZ平面に対する共通法線7fの平行度が低下したとしても、幅方向Yにおける検出手段の長さL7の変動量は僅かであり、上記作用効果が得られる。また、リニアモータLM内での部品配置などを考慮して共通法線7fがYZ平面に対して傾斜した状態でセンサ7aとリニアスケール7bを対向配置する場合があるが、当該配置を採用したことによって検出手段の幅方向長さは多少増大するが、YZ平面に対する共通法線7fの傾斜角を−10゜から+10゜の範囲内に抑えることで従来技術のそれよりも十分に短く、上記実施形態と同様の作用効果が実質的に得られる。
また、第1実施形態では、可動ベース4へのリニアスケール7b(移動部材)の取付位置が幅方向Yの可動ベース4の(+Y)側端部側面となっており、同側面に取り付けられたリニアスケール7bに対してセンサ7aが幅方向Yに対向して設けられている。このように本実施形態では、図2(a)から明らかなように、厚み方向(X方向)における電機子3、可動子(永久磁石6+ヨーク5)、可動ベース4、リニアスケール7bおよびセンサ7aの各厚みサイズはほぼ同一となっている。したがって、リニアモータLMの薄型化を図るためにベースプレート1のベース面1aから可動ベース4の上面までの距離が制限されている中で、電機子3と可動子の各対向面を最大限大きくすることができ、十分な推進力を得ることができる。また、駆動側(可動ベース4の−Y側)のみならず、センシング側(可動ベース4の+Y側)についても、リニアスケール7bおよびセンサ7aを厚み方向Xに最大限大きくすることができ、十分な検出精度を得ることができる。特に、この実施形態では、センサ7aを固定部材としてベース面1aに固定しているため、センサ7aの厚み方向サイズをベースプレート1のベース面1aから可動ベース4の上面までの距離と同じ値に設定することができ、センシング面7e’を広げて検出精度を高めることができる。
また、リニアモータLMでのリニアガイドの本数は任意であるが、上記第1実施形態では、1本のリニアガイド2により可動ベース4を移動方向Zに移動可能に構成しているため、図13に示すリニアモータLMに比べて構成が簡素で、しかも幅方向Yに小型化することができる。しかも、可動ベース4がXY平面上で傾き、リニアスケール7bの表面7eのうち(+X)側端部がセンサ7aから離れたとしても、逆の(−X)側端部はセンサ7aに近づき、表面7eからセンシング面7e’までの平均距離は大きく変動しない。そのため、優れた検出精度が得られる。
また、上記実施形態では、センサ制御ユニット7cがセンサ7aの反リニアスケール側、つまり(+Y)側に配置されており、リニアモータLMの(+Y)側からセンサ7aにアクセスすることができ、センサ7aのメンテナンス性を向上させることができる。また、センサ7aに最も近いセンサ側立壁1bに対して、センサ制御ユニット7cを挿入可能な切欠部1fを設けているため、組立容易性やメンテナンス性などを高めることができる。ここで、切欠部1fの代わりに、センサ制御ユニット7cを挿入可能な貫通孔を形成するようにしてもよい。
なお、本発明にかかるリニアモータは上記した実施形態に限定されるものではなく、その趣旨を逸脱しない限りにおいて上述したもの以外に種々の変更を行うことが可能である。例えば第1実施形態では、図2(c)に示すように、可動ベース4にリニアスケール7bを取り付ける一方、ベースプレート1にセンサ7aを配置しているが、センサ7aとリニアスケール7bを逆転配置してもよい。また、検出ユニット7の検出方式としては、磁気を用いた磁気方式であっても、光学方式であってもよい。
また、上記実施形態では、可動ベース4の(+Y)側端部側面に検出手段の構成要素(センサ7a、リニアスケール7b)の一方を移動部材として取り付けているが、第1実施形態においてスライダ2b1、2b2の(+Y)側端部側面に移動部材を取り付けてもよい。また、図7に示すようにテーブル状の可動ベース4が採用されたリニアモータLMにおいてスライダ2bの反電機子側、つまり(+Y)側端部側面にリニアスケール7b(またはセンサ7a)を移動部材として取り付けてもよい(第2実施形態)。
また、上記第1実施形態では、可動ベース4の(−Z)側端部の側面に雌ネジ部4bを設けて被駆動物を連結可能に構成しているが、可動ベース4の上面にネジ部を設け、ネジ部を用いて直接被駆動物を可動ベース4に取付可能に構成してもよい。また、ネジ部を用いて可動ベース4にテーブルを固定し、当該テーブルを介して被駆動物を可動ベース4に取付可能に構成してもよい。
また、上記第1実施形態ではスライダ2b1,2b2、上記第2実施形態ではスライダ2bに、それぞれ固定された可動ベース4の幅方向Yの端部側面にヨーク5を取り付け、さらに当該ヨーク5に永久磁石6を取り付けているが、可動ベース4を強磁性材料で形成し、当該可動ベース4の幅方向Yの端部側面に直接永久磁石6をZ方向に延設し、磁気回路を形成してもよい。また、上記第1実施形態ではスライダ2b1,2b2、上記第2実施形態ではスライダ2bの幅方向Yの端部側面にヨーク5を取り付け、さらに当該ヨーク5に永久磁石6を取り付けてもよい。この場合、スライダ2b、2b1、2b2は本発明の「可動部」に相当する。さらに、スライダを強磁性材料で構成するとともに、スライダの幅方向Yの端部側面に直接永久磁石6をZ方向に延設して磁気回路を形成してもよい。このように構成されたリニアモータに対して本発明を適用してもよい。すなわち、スライダ2b、2b1、2b2の端部側面に移動部材を取り付けるとともに上記した配置関係で固定部材をベースプレート1に固定してもよい。
また、上記第1実施形態及び第2実施形態では、可動子を永久磁石6で構成する一方、固定子を電機子3で構成しているが、可動子を電磁子で構成する一方、固定子を永久磁石で構成したリニアモータに対して本発明を適用してもよい。
また、上記実施形態のいずれも、いわゆる単軸リニアモータであるが、図8に示すように2つの単軸リニアモータLM1、LM2を組み合わせて多軸リニアモータMLMを構成してもよい。
図8は本発明にかかるリニアモータの第3実施形態を示す斜視図である。この実施形態では、同一構成の単軸リニアモータを2個準備し、その一方のリニアモータLM1の立壁1b〜1dの(+X)側端面がもう一方のリニアモータLM2のベースプレート1の裏面に当接してリニアモータLM1、LM2がX方向に積層配置されて多軸リニアモータMLMが形成されている。また、各リニアモータLM1、LM2のベースプレート1には、3個の貫通孔1p〜1rが形成されている。そして、リニアモータLM1、LM2の貫通孔1pを貫くようにボルト13pが挿通されるとともに、ボルト13pの先端部に対してナット14pが螺合される。また、他の貫通孔1q、1rについても、貫通孔1pと同様に、ボルト13q、13rが挿通されるとともにナットが螺合される。また、各単軸リニアモーターLM1、LM2に各々2個づつ取り付けられる位置決めピン20が貫通穴21(図3参照)の(−X)側端部に勘合して位置決めを果たす。このように3箇所でリニアモータLM1、LM2が相互に締結固定されて一体化されて2軸のリニアモータMLMが形成される。
このように構成された2軸のリニアモータMLMでは、第1実施形態にかかる薄型のリニアモータLM1、LM2をX方向に積層配置したものであるため、2軸のX方向ピッチを狭く設定することができる。また、各リニアモータLM1、LM2では、可動子や電機子(固定子)などの全構成部品の厚み(X方向の長さ)はベースプレート1の立壁1b〜1dのそれ以下となっており、しかもリニアモータの主要構成(可動部、電機子3および可動子)はベース面1aと立壁1b〜1dで囲まれた凹部1eに収容されている。このため、2軸の相対位置を高精度に保ちながらモータ組立を容易に行うことができる。
なお、組み合わせる単軸リニアモータの数は「2」に限定されるものではなく、3以上の単軸リニアモータを組み合わせて多軸リニアモータMLMを構成することができる。例えば、次に説明する表面実装機では、10本の吸着ノズルを用いて部品を移載するために各吸着ノズルを上下方向に駆動する上下駆動機構を装備するが、10個の単軸リニアモータLM1〜LM10を組み合わせた多軸リニアモータMLMを当該上下駆動機構として用いることができる。
<表面実装機>
図9は本発明にかかる部品移載装置の一実施形態である表面実装機の概略構成を示す平面図である。また、図10はヘッドユニットの正面図および側面図である。さらに、図11は図9に示す表面実装機の電気的構成を示すブロック図である。なお、これらの図面及び後で説明する図面では、上記したリニアモータの移動方向Z、幅方向Yおよび厚み方向Xに対応した三次元の座標系を採用している。
この表面実装機MTでは、基台111上に基板搬送機構102が配置されており、基板103を所定の搬送方向Xに搬送可能となっている。より詳しくは、基板搬送機構102は、基台111上において基板103を図9の右側から左側へ搬送する一対のコンベア121、121を有している。これらのコンベア121、121は表面実装機MT全体を制御する制御ユニット104の駆動制御部141により制御される。すなわち、コンベア121,121は駆動制御部141からの駆動指令に応じて作動し、搬入されてきた基板103を所定の実装作業位置(同図に示す基板103の位置)で停止させる。そして、このように搬送されてきた基板103は図略の保持装置により固定保持される。この基板103に対して部品収容部105から供給される電子部品(図示省略)がヘッドユニット106に搭載された吸着ノズル161により移載される。また、基板103に実装すべき部品の全部について実装処理が完了すると、基板搬送機構102は駆動制御部141からの駆動指令に応じて基板103を搬出する。
基板搬送機構102の両側には、上記した部品収容部105が配置されている。これらの部品収容部105は多数のテープフィーダ151を備えている。また、各テープフィーダ151には、電子部品を収納・保持したテープを巻回したリール(図示省略)が配置されており、電子部品を供給可能となっている。すなわち、各テープには、集積回路(IC)、トランジスタ、抵抗、コンデンサ等の小片状のチップ電子部品が所定間隔おきに収納、保持されている。そして、テープフィーダ151がリールからテープをヘッドユニット106側に送り出すことによって該テープ内の電子部品が間欠的に繰り出され、その結果、ヘッドユニット106の吸着ノズル161による電子部品のピックアップが可能となる。
また、この実施形態では、基板搬送機構102の他に、ヘッド駆動機構107が設けられている。このヘッド駆動機構107はヘッドユニット106を基台111の所定範囲にわたりX方向及びY軸方向(X軸及びZ方向と直交する方向)に移動するための機構である。そして、ヘッドユニット106の移動により吸着ノズル161で吸着された電子部品が部品収容部105の上方位置から基板103の上方位置に搬送される。すなわち、ヘッド駆動機構107は、X方向に延びる実装用ヘッド支持部材171を有しており、この実装用ヘッド支持部材171はヘッドユニット106をX軸に沿って移動可能に支持している。また、実装用ヘッド支持部材171は、両端部がY軸方向の固定レール172に支持され、この固定レール172に沿ってY軸方向に移動可能になっている。さらに、ヘッド駆動機構107は、ヘッドユニット106をX方向に駆動する駆動源たるX軸サーボモータ173と、ヘッドユニット106をY軸方向に駆動する駆動源たるY軸サーボモータ174とを有している。モータ173はボールねじ175に連結されており、駆動制御部141からの動作指令に応じてモータ173が作動することでヘッドユニット106がボールねじ175を介してX方向に駆動される。一方、モータ174はボールねじ176に連結されており、駆動制御部141からの動作指令に応じてモータ174が作動することで実装用ヘッド支持部材171がボールねじ176を介してY軸方向へ駆動される。
ヘッド駆動機構107によりヘッドユニット106は電子部品を吸着ノズル161により吸着保持したまま基板103に搬送するとともに、所定位置に移載する(部品移載動作)。より詳しく説明すると、ヘッドユニット106は次のように構成されている。このヘッドユニット106では、鉛直方向Zに延設された実装用ヘッドが10本、X方向(基板搬送機構102による基板103の搬送方向)に等間隔で列状配置されている。実装用ヘッドのそれぞれの先端部には、吸着ノズル161が装着されている。すなわち、図10に示すように、各実装用ヘッドはZ方向に伸びるノズルシャフト163を備えている。ノズルシャフト163の軸心部には、上方(Z方向)に延びる空気通路が形成されている。そして、ノズルシャフト163の下方端部には、吸着ノズル161が接続されて空気通路と連通している。一方、上方端部は開口しており、連結部164、接続部材165、空気パイプ166および真空切替バルブ機構167を介して真空吸引源および正圧源に接続される。
また、ヘッドユニット106では、ノズルシャフト163を上下方向Zに昇降させる上下駆動機構168が設けられており、駆動制御部141のモータコントローラ142により上下駆動機構168を駆動制御してノズルシャフト163を上下方向Zに昇降させ、これによって吸着ノズル161を上下方向Zに移動し、位置決めする。この実施形態では、10個の単軸リニアモータLM1〜LM10を組み合わせた多軸リニアモータMLMを上下駆動機構168として用いている。なお、この構成の詳細については、後で詳述する。
また、吸着ノズル161をR方向に回転させるR軸サーボモータ169が設けられており、制御ユニット104の駆動制御部141からの動作指令に基づきR軸サーボモータ169が作動して吸着ノズル161をR方向に回転させる。したがって、上記のようにヘッド駆動機構107によってヘッドユニット106が部品収容部105に移動されるとともに、上下駆動機構168およびR軸サーボモータ169を駆動することによって、部品収容部105から供給される電子部品に対して吸着ノズル161の先端部が適正な姿勢で当接する。
図12は上下駆動機構の構成を示す図である。この実施形態において上下駆動機構168として用いられている多軸リニアモータMLMは図12に示すように10個の単軸リニアモータLM1〜LM10と2枚のサイドプレートSPa、SPbとで構成されている。これらの単軸リニアモータLM1〜LM10はX方向に積層配置されている。また、リニアモータLM1の(−X)側にサイドプレートSPaが配置される一方、リニアモータLM10の(+X)側にサイドプレートSPbが配置されており、これら2枚のサイドプレートSPa、SPbにより単軸リニアモータLM1〜LM10を挟み込んでいる。これらサイドプレートSPa、SPbおよび単軸リニアモータLM1〜LM10のいずれにも予め設定された位置に3つの締結用の貫通孔が形成されており、これらの締結用貫通孔に貫くようにボルト13p〜13qが挿通されるとともに、ナットによって締結されてサイドプレートSPa、単軸リニアモータLM1〜LM10およびサイドプレートSPbが一体化されて多軸リニアモータMLMが形成されている。この多軸リニアモータMLMは図10に示すようにヘッドユニット106のベースプレート160に取り付けられる。なお、サイドプレートSPbは、端部のリニアモータLM10の凹部1e(図3参照)を覆うカバーとしても機能する。
また、各リニアモータLM1〜LM10の可動ベース4には、連結部164を介してノズルシャフト163が連結されている。各連結部164は図10に示すようにL字状のブロック部材164aとシャフトホルダ164bを備えている。各ブロック部材164aでは、(+Z)方向に延びる端部により、ネジで可動ベース4に螺合されている。これによって、各リニアモータLM1〜LM10でブロック部材164aが可動ベース4の下端部、つまり(−Z)側端部に連結される。また、各ブロック部材164aの(−Y)方向に延びる端部の下面にシャフトホルダ164bが取り付けられ、シャフトホルダ164bの下面側、つまり(−Z)方向側でノズルシャフト163を保持可能となっている。また、シャフトホルダ164bの(−Y)側端部側面には接続部材165が取り付けられている。この接続部材165には空気パイプ166の一方端が接続されており、当該空気パイプ166を介して真空切替バルブ機構167から送られてくる空気をシャフトホルダ164bに送り込んだり、逆にシャフトホルダ164bから空気を空気パイプ166を介して真空切替バルブ機構167に吸引可能としている。このように空気パイプ166−シャフトホルダ164b内の空気経路(図示省略)−ノズルシャフト163という経路で真空切替バルブ機構167と吸着ノズル161が接続されており、各吸着ノズル161に正圧を供給したり、逆に各吸着ノズル161に負圧を供給可能となっている。
なお、この実施形態では、多軸リニアモータMLMは上下駆動機構168として用いられており、各可動ベース4の移動方向は上下方向Zと平行となっている。このため、各可動ベース4には垂直荷重が常時付与されている。そこで、各リニアモータLM1〜LM10では、リターンスプリング15の上端部をベースプレート1のスプリング係合部1hに係合させるとともに、その下端部をブロック部材164aの(−Y)側端部に設けられたスプリング係合部164cに係合させ、このリターンスプリング15により可動ベース4を上方側、つまり(+Z)方向側に付勢している。これによって、各リニアモータLM1〜LM10のコイル3cへの電流供給を停止している間に、可動ベース4はベースプレート1内に収納される。これにより各吸着ノズル161は上方に位置することになり、上下駆動機構168が電流停止により機能しない状態で、例えばX軸サーボモータ173やY軸サーボモータ174が作動したとしても、各吸着ノズル161、あるいは吸着されている電子部品が基板103やコンベア121等と干渉事故を起こすことがない。
このように構成された表面実装機では、制御ユニット104のメモリ(図示省略)に予め記憶されたプログラムにしたがって制御ユニット104の主制御部143が装置各部を制御してヘッドユニット106を部品収容部105の上方位置と基板103の上方位置の間を往復移動させる。また、ヘッドユニット106は部品収容部105の上方位置に停止した状態で上下駆動機構168およびR軸サーボモータ169を駆動制御して部品収容部105から供給される電子部品に対して吸着ノズル161の先端部を適正な姿勢で当接させるとともに、負圧吸着力を吸着ノズル161に与えることで、該吸着ノズル161による部品保持を行う。そして、部品を吸着保持したままヘッドユニット106は基板103の上方位置に移動した後、所定位置に移載する。このように部品収容部105から基板103の部品搭載領域に部品を移載する、部品移載動作が繰り返して行われる。
以上のように、この実施形態にかかる表面実装機では、図1に示すリニアモータLMと同一構成を有する10個のリニアモータLM1〜LM10をX方向に積層配置してなる多軸リニアモータMLMを用いてノズルシャフト163を上下方向Zに昇降駆動するように構成しているので、次のような作用効果が得られる。各リニアモータLM1〜LM10では、上記したように幅方向Yにおいて小型化でありながらも十分な検出精度で可動ベース4の位置を検出することが可能となっており、このような特性を有するリニアモータLM1〜LM10を用いてノズルシャフト163を上下方向Zに駆動するように構成しているため、ノズルシャフト163の先端部に取り付けられた吸着ノズル161の上下方向位置Zを高精度に検出することができる。そして、その検出結果に基づき吸着ノズル163の上下位置を制御することで高精度な部品移載が可能となる。また、リニアモータLM1〜LM10の小型化によってヘッドユニット106の小型化、軽量化を図ることができ、このことは表面実装機の小型化に寄与し、さらにXY両方向の移動速度の高速化により実装時間の短縮に大きく寄与する。
なお、上記実施形態では、第1実施形態にかかるリニアモータLMを用いて吸着ノズル161を上下させる上下駆動機構168を構成しているが、他の実施形態にかかるリニアモータを用いて上下駆動機構168を構成してもよい。また、上記実施形態では、10個の吸着ノズル161を用いて部品移載を行う表面実装機MTに対して本発明を適用しているが、吸着ノズルの個数は「10」に限定されるものではなく、吸着ノズルを用いて部品を移載する表面実装機全般に対して本発明を適用することができる。さらに、上記実施形態では、部品移載装置として機能する表面実装機MTに対して本発明を適用しているが、本発明の適用対象はこれに限定されるものではなく、ICハンドラー等の部品移載装置に対しても本発明を適用することができる。
本発明にかかるリニアモータの第1実施形態を示す斜視図である。 図1のリニアモータのA−A線断面図である。 図1のリニアモータの分解組立斜視図である。 可動部材と可動子の取付構造を示す斜視図である。 可動部材と可動子の取付構造を示す図である。 サブティースと磁性体プレートの配置関係を示す平面図である。 本発明にかかるリニアモータの第2実施形態を示す斜視図である。 本発明にかかるリニアモータの第3実施形態を示す斜視図である。 本発明にかかる部品移載装置の一実施形態である表面実装機の概略構成を示す平面図である。 ヘッドユニットの正面図および側面図である。 図9に示す表面実装機の電気的構成を示すブロック図である。 上下駆動機構の構成を示す図である。 従来のリニアモータを示す図である。
符号の説明
1…ベースプレート
1b〜1d…立壁
1e…凹部
1f…切欠部
2a…レール
2b、2b1、2b2…スライダ
3…電機子(固定子)
4…可動ベース(可動部)
5、5A、5B…ヨーク
6、6A、6B…永久磁石
7a…センサ(検出手段)
7b…リニアスケール(検出手段)
7e…(リニアスケールの)表面
7e’…(センサの)センシング面
7f…(第1)法線
8…(コアの歯部の)先端面
8’…(永久磁石6の)対向面
8a…(第2)法線
106…ヘッドユニット
107…ヘッド駆動機構
161…吸着ノズル
163…ノズルシャフト
168…上下駆動機構
LM、LM1〜LM10…リニアモータ
MLM…多軸リニアモータ
MT…表面実装機(部品移載装置)
X…厚み方向(ベース面の法線方向)
Y…幅方向
Z…移動方向

Claims (10)

  1. ベースプレート上を所定の移動方向Zに移動自在な可動部に対して可動子が前記移動方向Zに延設されるとともに、前記移動方向Zと直交する幅方向Yに前記可動子から離間して対向するように固定子が前記ベースプレートに対して前記移動方向Zに延設され、検出手段によって前記移動方向における前記可動部の位置を検出しながら前記可動子および前記固定子で発生する磁束の相互作用により前記可動部を前記移動方向に駆動するリニアモータにおいて、
    前記検出手段は互いに対向するリニアスケールおよびセンサを備え、前記リニアスケールおよび前記センサのうちの一方を移動部材として前記可動部に設け、他方を固定部材として前記ベースプレートに固定して前記可動部の位置検出を行い、
    前記リニアスケールおよび前記センサの対向面の第1法線が前記移動方向Zおよび前記幅方向Yを含むYZ平面に対して平行または傾斜するように、前記リニアスケールおよび前記センサが配置されている
    ことを特徴とするリニアモータ。
  2. 前記固定子および前記可動子の対向面の第2法線が前記YZ平面に対して平行または傾斜するように、前記固定子および前記可動子が配置されている請求項1記載のリニアモータ。
  3. 前記移動部材は前記幅方向の前記可動部の端部側面に設けられている請求項1または2記載のリニアモータ。
  4. 前記ベースプレートに対して前記移動方向Zに延設された直線状のレールをさらに備え、
    前記可動部は、前記レールに沿って前記移動方向Zにスライド自在に設けられたスライダと、前記スライダに取り付けられた可動ベースとを有しており、
    前記移動部材は前記幅方向Yの前記可動ベースの端部側面または前記幅方向Yの前記スライダの端部側面に取り付けられている請求項3記載のリニアモータ。
  5. 前記ベースプレートに対して前記移動方向Zに延設された直線状のレールをさらに備え、
    前記可動部は前記レールに沿って前記移動方向Zにスライド自在に設けられたスライダを有しており、
    前記移動部材が前記幅方向Yの前記スライダの端部側面に取り付けられている請求項3記載のリニアモータ。
  6. 前記レールは1本である請求項4または5記載のリニアモータ。
  7. 前記固定子は前記幅方向における前記可動部の一方側に設けられ、
    前記移動部材は前記リニアスケールである一方、
    前記固定部材は前記センサであり、前記リニアスケールの反固定子側に配置されている請求項1ないし6のいずれかに記載のリニアモータ。
  8. 前記センサを制御するセンサ制御ユニットをさらに備え、
    前記センサ制御ユニットは前記センサの反リニアスケール側に配置されている請求項7記載のリニアモータ。
  9. 前記幅方向Yの前記ベースプレートの両端部の各々に対し、前記YZ平面の法線方向Xに延びる立壁が前記ベースプレートと一体あるいは別体で前記移動方向Zに延設され、
    前記2つの立壁のうち前記センサに近い前記センサ側立壁に、前記センサ制御ユニットを挿入可能な切欠部または貫通孔が設けられている請求項8記載のリニアモータ。
  10. 部品収容部から部品搭載領域に部品を移載する部品移載装置において、
    ベース部材と、前記ベース部材に対して上下方向に移動自在に支持され、先端部に吸着ノズルが取り付けられるとともに、後端部に接続された負圧配管を介して供給される負圧を前記吸着ノズルに与えるノズルシャフトと、前記ノズルシャフトを前記上下方向に駆動する上下駆動機構とを有する、ヘッドユニットと、
    前記部品収容部の上方位置と前記部品搭載領域の上方位置との間で前記ヘッドユニットを移動させるヘッド駆動手段とを備え、
    前記上下駆動機構が請求項1ないし9のいずれかに記載のリニアモータであり、
    前記リニアモータは前記移動方向Zが前記上下方向と平行となるように前記ベース部材に取り付けられ、
    前記リニアモータの前記可動部が前記ノズルシャフトに連結されている
    ことを特徴とする部品移載装置。
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