JP2009171279A - スピーカとそのスピーカを用いた電子機器 - Google Patents

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Kazuki Honda
一樹 本田
Koji Sano
浩司 佐野
Satoru Ito
哲 伊藤
Takeshi Shimokawatoko
剛 下川床
Shinya Mizone
信也 溝根
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Abstract

【課題】本発明は薄型のスピーカとそれを用いた電子機器に関するもので、薄型化を図るとともにローリング現象を防止しギャップ不良を低減するスピーカを提供することを目的とする。
【解決手段】第一の板状磁石と第二の板状磁石7を斜め方向、または略水平方向に配置し、第二の板状磁石を二つの第一の板状磁石の間に隙間を設けて設置して磁気ギャップを形成し、この磁気ギャップに可動自在に配置したボイスコイル10と、このボイスコイルに結合した振動板9とを備え、第二の板状磁石の上に、四隅に切り欠き部16を有するプレート15を設け、このプレートとボイスコイルとの間に振動板を介して磁性流体14を介在させた構成のものである。
【選択図】図8

Description

本発明はスピーカとそのスピーカを用いた電子機器に関するものである。
携帯用の電子機器において益々薄くて軽い商品が求められている中で、その本体に内蔵されるスピーカについても薄型化が要求されている。
スピーカの薄型化を図るため、磁気回路を形成する磁石を小型化することが当然のように行われているが、磁石を小さくすることによって磁力が弱くなり音声出力が小さくなるという課題があり、磁石の縮小には限界があった。
なお、この出願の発明に関する先行技術文献情報としては、例えば、特許文献1が知られている。
特開2005−51283号公報
スピーカの薄型化を実現するための従来技術では、磁石を小型化すると音声出力が弱くなるので、磁石をあまり小さくはできないのが実態で、更なる小型のスピーカを実現することが困難であった。
そこで本発明ではスピーカの薄型化を実現する上で、音声出力を高めると共に、ローリング現象の防止とギャップ不良を低減できることを目的とする。
そしてこの目的を達成するために本発明は、第一の板状磁石と第二の板状磁石を斜め方向、または略水平方向に配置し、第二の板状磁石を二つの第一の板状磁石の間に隙間を設けて設置して磁気ギャップを形成し、この磁気ギャップに可動自在に配置したボイスコイルと、このボイスコイルに結合した振動板とを備え、第二の板状磁石の上に、四隅に切り欠き部を有するプレートを設け、このプレートとボイスコイルとの間に振動板を介して磁性流体を介在させた構成のものである。
本発明は、第一、第二の板状磁石を磁気ギャップを介して斜め方向、または略水平方向に配置したので、薄型化が図れ、かつ磁力を高めて音声出力を高めることができるものとなる。
また、振動板を介して四隅に切り欠き部を有するプレートの側面部とボイスコイルとの間に磁性流体を介在させることによって、ローリング現象の防止とギャップ不良の低減を図ると共に、ボイスコイルからの放熱効果が良くなり、スピーカの耐入力を高めることができるものである。
以下、本発明の実施の形態について、図面を参照しながら説明する。
図1において、携帯電話の本体1には蓋2が開閉自在に結合している。本体1の裏側には操作ボタン(図示せず)を設け、蓋2の裏側には表示部(図示せず) を設けている。本体1の表側には2個のカバー3を設け、カバー3の背面側の本体1内には図2に示すようにスピーカ4を実装している。本体1内のスピーカ4は表面側に非磁性体であるステンレスで形成された上プレート5を設けている。
図3において、磁性体である冷間圧延鋼板により形成された長円形状の下プレート6には、長手方向の中心部に第二の板状磁石7の下面を接着する長方形の固定部6Aがあって、固定部6Aの両側には長方形の貫通した開口部6Bを形成している。
第二の板状磁石7は下プレート6の固定部6Aに固定し、長手方向の両側には磁性流体14を設け、第二の板状磁石7の上面にはそれを覆うプレート15を接着し、プレート15の側面部にも磁性流体14が設けられている。プレート15の長手方向の長さは第二の板状磁石7の長手方向の長さより長くして、プレート15の四隅には切り欠き部16が設けられている。
第二の板状磁石7とプレート15を囲むように第一のリング8を下プレート6の周縁部上に設置し、磁束が第一のリング8を通過できるように固定している。第一のリング8の上には振動板9の外周を載せ、振動板9の中央部分を長方形の凸部になるように形成し、その凸部の側面の周りにボイスコイル10を接着している。そして、第二のリング11を振動板9の外周部の上面に乗せ、この第二のリング11と第一のリング8とで振動板9を挟み込んでいる。
振動板9の中央部分は長方形の凸部形状とし、また振動板9の短手方向の両側は下プレート6の開口部6Bの方向に向いて凹部になるように形成し、その上方には二つの第一の板状磁石12が設けられている。
第一の板状磁石12はフレーム13の上面に接着させた上プレート5の裏側に接着されている。
磁性流体14は第二の板状磁石7とプレート15の側面部とボイスコイル10との間で、振動板9を介して介在されている。
図4、図6に示すように、以上の構成を備えたスピーカにおいて磁束の流れについて説明する。ネオジウム製の二枚の第一の板状磁石12は、長手方向の内側端部がN極、外側端部がS極に磁化されており、第二の板状磁石7は厚み方向の上面がS極、厚み方向の下面がN極に磁化されている。
そして、二つの第一の板状磁石12の内側N極から出た磁束は、内方へと略水平方向に進行してボイスコイル10を略直交状態で横切り、次に振動板9の中央部の凸部、磁性流体14、プレート15を順番に通過し、第二の板状磁石7の上面S極に侵入する。その後、第二の板状磁石7の下面N極から出た磁束は、下プレート6の長方形状の固定部6Aを進行し、第一のリング8、振動板9の外周部を通過後に第二のリング11に進入し、次に第二のリング11を4分の1周進行後、第一の板状磁石12の外側端部のS極へと侵入することとなる。
図5は本発明のスピーカを短手方向で切断した断面図である。第一の板状磁石12と第二の板状磁石7は斜め方向、または略水平状態に配置され、磁性流体14は第二の板状磁石7とプレート15の側面部とボイスコイル10との間で、振動板9を介して介在されている。
図6は図5のA部分を拡大した断面図である。第一の板状磁石12の磁束はボイスコイル10に略直交するように進行し、次に振動板9の中央部の凸部、磁性流体14、プレート15を順番に進行し、第二の板状磁石7の上面S極に届くようになる。
そして第一の板状磁石12の内側N極と第二の板状磁石7の上面S極の間が磁気ギャップとなり、この磁気ギャップでボイスコイル10に電磁界駆動力が与えられ、これによりボイスコイル10が固定された振動板9に振動が伝えられ、音声出力が発せられることになる。
ここで再び磁気ギャップにおける磁束の進行について説明する。
図4と図6に示す第一の板状磁石12のそれぞれの内側N極から出た磁束は、磁気ギャップにおいて内方へと略水平に進行し、ボイスコイル10を略直交状態で横切るということは電磁界駆動力を大きくするために非常に重要なことであり、本実施の形態において大きな特徴点となっている。
本実施の形態において、磁束が磁気ギャップにおいて内方へと略水平に進行し、ボイスコイル10を略直交状態で横切る理由について次のように考えられる。
一般的に考えると、第一の板状磁石12のN極から出た磁束は、プレート15を通過して距離的に短い第二の板状磁石7の上面のS極へと斜めに進行しようとするが、この場合磁束はボイスコイル10をわずかながら斜めに横切ることになり、第二の板状磁石7の下面N極の反発を受けることで、その反発力で持ち上げられる。その結果として本実施の形態においては、磁束が磁気ギャップにおいて内方へと略水平に進行し、ボイスコイル10を略直交状態で横切るものと考えられる。
磁力を大きくするための第一の板状磁石12、第二の板状磁石7は板状で薄型のものを用いることができるので、スピーカの全体形状も薄いものとすることができる。
図7は本発明のスピーカを長手方向で切断した断面図である。磁性流体14は、第二の板状磁石7の上に設けたプレート15の側面部とボイスコイル10との間で振動板9を介して介在している。
この図7において、振動板9とプレート15と磁性流体14で囲まれた空間が密閉空間になっているように見えるが、もしこの空間が密閉空間になると、振動板9の振動がこの密閉空間の影響をうけ音の歪みを発生させる要因となる。そこで、この空間を密閉空間としない本発明の構成について説明する。
図8は図7のB部分のプレート部を下から見た図である。図8において、プレート15は第二の板状磁石7よりも長手方向の長さを長くするとともに、プレート15の四隅に切り欠き部16を設けている。このことにより、磁性流体14はプレート15の側面部に沿って介在するので、振動板9とプレート15と磁性流体14で囲まれた空間の空気は、切り欠き部16によって設けられた流通孔17を通じて下方に流通させることができるので、密閉空間とはならず、振動板9の振動が制限されることはない。
以上のことにより、四隅に切り欠き部16を有するプレート15とボイスコイル10との間に振動板9を介して磁性流体14を介在させても、振動板9の振動を制限させることはなく、この磁性流体14の働きによってローリング現象を抑制しギャップ不良を低減させることができる。
以上のように本発明は、二つの第一の板状磁石と第二の板状磁石を斜め方向、または略水平方向に配置し磁気ギャップを形成するとともに、第二の板状磁石の上に、四隅に切り欠き部を有するプレートを設け、このプレートとボイスコイルとの間に振動板を介して磁性流体を介在させた構成のスピーカとすることにより、薄型化が図られ、さらに磁力を高めて音声出力を高めることができる。
さらに、四隅に切り欠き部を有するプレートの側面部とボイスコイルとの間に振動板を介して磁性流体を介在させることにより、振動板の振動が制限されることなく、ローリング現象を抑制しギャップ不良を低減させることができるものである。
この結果、携帯電話等の携帯機器には非常に活用しやすいものとなる。
本発明のスピーカを携帯電話に適用した斜視図 本発明のスピーカを携帯電話に適用した斜視図 本発明のスピーカの分解斜視図 本発明のスピーカの磁束の流れを示す分解図 本発明のスピーカを短手方向で切断した断面図 図5のA部分の拡大断面図 本発明のスピーカを長手方向で切断した断面図 図7のB部分のプレート部を下から見た図
符号の説明
1 本体
2 蓋
3 カバー
4 スピーカ
5 上プレート
6 下プレート
7 第二の板状磁石
8 第一のリング
9 振動板
10 ボイスコイル
11 第二のリング
12 第一の板状磁石
13 フレーム
14 磁性流体
15 プレート
16 切り欠き部
17 流通孔

Claims (5)

  1. 二つの第一の板状磁石と、第二の板状磁石とを有し、
    前記第一の板状磁石と前記第二の板状磁石を斜め方向、または略水平方向に配置し、
    前記第二の板状磁石を前記二つの第一の板状磁石の間に隙間を設けて設置して磁気ギャップを形成し、
    前記磁気ギャップに可動自在に配置したボイスコイルと、
    前記ボイスコイルに結合した振動板とを備え、
    前記第二の板状磁石の上に、四隅に切り欠き部を有するプレートを設け、
    前記プレートと前記ボイスコイルとの間に前記振動板を介して磁性流体を介在させた構成のスピーカ。
  2. 二つの第一の板状磁石と第二の板状磁石は磁気的に連結させて磁気回路を形成させるようにした請求項1記載のスピーカ。
  3. 第一の板状磁石と第二の板状磁石の形状は長方形である請求項1記載のスピーカ。
  4. 第一の板状磁石の、第二の板状磁石への対向側端部をN極とした請求項1記載のスピーカ。
  5. 請求項1から請求項4の何れか一つに記載のスピーカを本体に内蔵した電子機器。
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