JP2009170327A - フラッシュランプ及びフラッシュランプの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明のフラッシュランプは、その内部に一対の電極が対向配置されて希ガスが封入された発光管を具備し、この発光管の電極配置領域の周囲に、その肉厚が発光領域の肉厚よりも小さい薄肉部が形成され、該薄肉部にその内径が前記発光領域における発光管の内径よりも小さい縮径部が形成されていることを特徴とする。また、本発明のフラッシュランプの製造方法は、発光管構成用のガラス管の端部近傍の所定の位置に予め発光領域の肉厚よりも肉厚が小さい薄肉部を形成し、一対の電極を配置した後、該ガラス管の内部が外部よりも負圧にされた状態で、該薄肉部領域を加熱して管を絞り込むことにより縮径部を形成することを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
発光管81は石英ガラスからなり、全長は例えば150mm、また発光管81の径は外径φ8mm、内径φ6mm(すなわち管の肉厚1mm)である。電極82はトリウムを含有したタングステンやポーラス(多孔質)状の電極基体にバリウム・カルシウム・アルミネート等の電子放射性物質を含浸させたものなどから構成され、全長20mm、外径5.5mmであって、例えば電極間距離85mmで対向配置されている。点灯条件として、ランプの管壁負荷が200W/cm2、パルス幅200〜300μsであって、点灯周波数が例えば50Hzで点灯される。このように、ランプには高負荷がかかるため、通常発光管81の外周面を直接的に水冷却水等の冷却媒体で冷却しながら使用される。
そのため、電極82の損耗を低減し、ランプの使用寿命を延ばすため、同図に示すように発光管81の形状を電極の周囲において縮径して絞込み部83を形成することにより、電極82と発光管の管壁との隙間を小さくし、電極82を積極的に冷却する構造が採用されている。
このようにすることで、点灯中、電極が熱膨張したときに電極の外表面と発光管との距離が他の部分よりも接近しているため、発光管の外部に流れる冷却水による冷却効果をより大きなものとしている。
すなわち、電極の過熱状態を回避して電極の寿命を延ばすには、発光管の管壁と電極との間隙の制御を厳密に行う必要があり、発光管の内壁と電極との離間距離を電極の使用時の熱膨張を考慮して、例えば30μmの間隔に一定に規制する必要があるが、発光管内壁と電極外表面距離を周方向、軸方向の全域にわたって前記間隔に加工することは、ランプ自体が細いことに加えて発光管の内壁と電極との隙間が非常に小さいものであるため、制御が極めて困難である。
その結果、電極82と発光管81との間隔が小さい部分、すなわち、電極が冷却される部位の表面積は小さくなって、所期の冷却効果が得られず、電極82が過熱状態に至り、熱で蒸発して損耗し、発光管が汚れて早期に照度低下が生じる。
これに鑑み、バーナーによる加熱を続けて縮径部領域を軸方向にある程度設けようとした場合、加熱される領域の中央部ではその他の領域よりも縮径が進んで発光管の内壁が電極と溶着することがあり、結局ランプとすることができない。
両端が封止され、その内部に一対の電極が対向配置されてなる石英ガラス製の発光管を備え、内部に希ガスが封入されたフラッシュランプにおいて、
発光管の電極配置領域の周囲に、その肉厚が発光管の発光領域における肉厚よりも小さい薄肉部が形成されてなり、該薄肉部に、その内径が前記発光領域における発光管の内径よりも小さい縮径部が形成されていることを特徴とする。
また、前記縮径部において、前記電極の外周面と前記発光管の内周面との間隙の間隔が20〜80μmであるのがよい。
発光管構成用のガラス管の端部近傍の所定の位置に発光領域の肉厚よりも肉厚が小さい薄肉部を形成し、
ガラス管の内部に一対の電極を対向配置してその両端部を封止し、
該ガラス管の内部を真空若しくは不活性ガスを大気圧よりも低い封入圧で封入した状態で前記薄肉部領域を加熱して管を絞り込むことにより、
縮径部を形成することを特徴とする。
また、本発明のフラッシュランプの製造方法においては、発光管の肉厚を、電極先端から後方において所定距離、発光領域よりも肉厚が小さい部分を有することで、発光管の絞り加工において、薄肉部では厚肉部との境界近傍からガラスの軟化状態を容易に得ることができ、薄肉部分が選択的に発光管中心側に吸引され、一方、厚肉部は初期の形状を維持するので、発光管の部分的な縮径加工を容易かつ確実に行うことができる。
この電極12,13の外周面と発光管11の内表面との間隙は、縮径部17,18のほぼ全領域にわたって間隔が一様に形成されている。
そして、上記と同様に、放電電極31を有する電極棒32と円板状のガラス材料33とよりなる他方の電極構造体34を、ガラス材料33の周縁部とを一体的に融着させて、発光管材料30の一端部30Bを気密に封止する。
発光管材料30のガラスが軟化すると、発光管材料30の内部は大気圧と比較して負圧状態であるため、ガラスは中心方向に縮径することになるが、このとき熱容量の小さい薄肉部Kが選択的に加熱されて軟化されるため、薄肉部Kのみが内側に吸引されて縮径されるようになる。すなわち、薄肉部Kの近傍の厚肉部分においてもバーナーの火炎に大きさがあるため十分に加熱されるが、肉厚があるため熱容量が大きく、ガラスの軟化温度に至らず当初の管の径を維持し、薄肉部Kのみが縮径されるようになる。そして、薄肉部Kの内表面が放電電極31と接触した瞬間にバーナーによる加熱を中止すると、ガラスが硬化して、所定の内径を有する絞込み部24が形成される。
しかる後、他端部(30B)側においても上述と同様に、バーナーによって先に放電電極(31)を加熱し、当該放電電極(31)が所定温度に達したところで火炎を強め、発光管材料(30)の薄肉部(K)を強力に加熱して軟化、縮径させて絞込み部(24)を形成する。
このように、薄肉部(K)の所期の領域において絞込み部(24)を形成することで容易かつ確実に縮径部を形成することができ、しかもこの縮径部においては、放電電極の外周面と管の内周面との間隙の間隙が所期の大きさを有するよう、所定の内径を具備して形成される。
以上の結果、図1に示す構成のフラッシュランプ10が製造される。この発光管11においては、非動作時においては電極12,13の外周面と縮径部17,18における発光管11の内壁との隙間の間隔cが20〜80μmであるが、ランプ点灯時においては電極12,13が熱膨張するため前記隙間がなくなり、電極12,13外周面が発光管11内壁にほぼ密接状態になるよう制御されている。
この結果、電極12,13が選択的に効率よく冷却されるようになり、電極12,13の損耗が抑制され、電極の劣化に伴って生じる発光管の汚染が遅延され、照度維持率の低下が抑制された、長い使用寿命のフラッシュランプを得ることができる。
<実施例1>
図3〜図6に示す構成に従い、図1、図2に示す構成のフラッシュランプ(10)を製造した。
まず、外径がφ8mm、内径がφ6mm(肉厚1mm(図2においてdに相当))で、全長が145mmの石英ガラス管(30)を用意し、所定個所に軸方向長さ15mmだけ、全周にわたって薄肉部(K)を形成した。なお、薄肉部(K)はガラス管(30)の外表面より機械的に切削することで肉厚を0.8mm(図2においてbに相当)に加工して行った。
図3〜図6に示す構成に従い、電極(31)を所定の位置に合せて管の端部を気密に封止し、ガラス管(30)内部を真空状態とした後、電極を1000〜1100℃に加熱した状態で、ガラス管(30)における薄肉部(K)領域を加熱して軟化させることで絞込み加工を行い縮径部を形成した。
縮径部(17,18)は、各電極(12,13)の先端(12a,13a)からそれぞれ5mm後退した位置を起点として軸方向外方に長さ(fに相当)15mmにわたって形成した。かかる縮径部(17,18)における発光管(11)の外径は約φ7.36mm、内径が約φ5.56mm(肉厚0.8mm)であり、すなわち、縮径部(17,18)における電極外周面と発光管内周面との隙間の間隔(c)は約30μmであった。
この結果、実施例1のフラッシュランプにおいては、点灯初期からの放射強度は5000万回点灯した後も、初期の放射強度に比較し、相対値で90以上を維持していた。
11 発光管
11A、11B 端部
12 陰極(電極)
13 陽極(電極)
12a,13a 先端部
14,15 電極棒
16 排気管残部
17,18 縮径部
K 薄肉部
24 絞込み部
30 発光管材料
30A 一端部
30B 他端部
302 排気管
31 放電電極
32 電極棒
S シール部
33 円盤状ガラス材料
34 電極構造体
81 発光管
82 電極
83 絞込み部
Claims (3)
- 両端が封止され、その内部に一対の電極が対向配置されてなる石英ガラス製の発光管を備え、内部に希ガスが封入されたフラッシュランプにおいて、
発光管の電極配置領域の周囲に、その肉厚が発光管の発光領域における肉厚よりも小さい薄肉部が形成されてなり、該薄肉部に、その内径が前記発光領域における発光管の内径よりも小さい縮径部が形成されていることを特徴とするフラッシュランプ。
- 前記縮径部において、前記電極の外周面と前記発光管の内周面との間隙の間隔が20〜80μmであることを特徴とする請求項1記載のフラッシュランプ。
- フラッシュランプの製造方法であって、
発光管構成用のガラス管の端部近傍の所定の位置に発光領域の肉厚よりも肉厚が小さい薄肉部を形成し、
ガラス管の内部に一対の電極を対向配置してその両端部を封止し、
該ガラス管の内部を真空若しくは不活性ガスを大気圧よりも低い封入圧で封入した状態で前記薄肉部領域を加熱して管を絞り込むことにより、
縮径部を形成することを特徴とするフラッシュランプの製造方法。
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