JP2009170128A - ボルト等緩み止め金具 - Google Patents

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康博 川本
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Abstract

【課題】既存の設備に簡単に適用することが可能で、かつ、接続端子を固定するネジやボルト・ナットの緩みの発生を有効に防止することができる緩み止め金具を提供する。
【解決手段】ボルト等緩み止め金具は、側外周面に軸方向の細溝(G)が全周に渡って形成されたのボルト頭部(12a)とこれが圧接することとなる台座面(14)との間に配置されて挟止される平板状の基部(16)と、該基部から立設した押さえ部(18)と、からなり、前記基部にはボルト(12)を挿通させるための孔(22)が形成されるとともに空転防止機構が設けられ、前記押さえ部の先端がボルト頭部の前記細溝に側方から当接することでボルトの緩みを防止する。
【選択図】図3

Description

本発明はボルト又はナットやネジの緩み止め金具に関し、より詳細には、例えば先端にU字状やリング状の接続端子を備えた複数の配線をボルト等を用いて端子台に並列して接続した後に、その緩みを防止するためのボルト等の緩み止め金具に関する。
従来より、締結したボルト・ナットやネジが緩んでしまうことを防止するためにスプリングワッシャなどに代表される種々の金具が発案されている。
またスプリングワッシャの他にも、例えば特許文献1には、ボルトの頭部下面を被締結物の表面に当接するよう膨出溝成すると共に、ボルト頭部の外周側面部に、ボルトの長手方向に向いた少なくとも一条の溝部を形成し、さらに、該溝部に係合する突起を内周面に有し前記ボルト頭部の外周に嵌合される押え込み式のリング状廻り止め金具を嵌着し、これを前記被締結物上に溶接固定したことを特徴とする押え込み式ボルト廻り止め構造が開示され、また特許文献2には、ドライバビットが係合する頭部とこれと一体でねじ山が形成された脚部とからなるねじ部品において、頭部座面に角錐形状に突出した突起を複数等間隔をおいて円周方向に設け、この突起の一つの稜線がねじ締め回転方向を向いていることを特徴とする緩み止めねじ部品が開示されている。
特開平9−42262号公報 特開2003−42129号公報
上述したような押え込み式ボルト廻り止め構造や緩み止めねじ部品によれば、ネジやボルト・ナットが時間経過とともに緩んでしまうことを抑制することができるものの、ネジやボルト自体を加工してやる必要があったため既存の設備、例えば多数の接続端子を接続するための既存の端子台には容易にこれを適用することはできなかった。
本発明は上記問題を解決するために創案されたものであり、既存の設備に簡単に適用することが可能で、かつ、有効にネジやボルト・ナットの緩みの発生を防止することができるボルト等緩み止め金具を提供することを目的とする。なお以下の説明においてボルト等緩み止め金具を単に緩み止め金具と省略して表現することがある。
上記問題を解決するために本発明のボルト等緩み止め金具は、側外周面に軸方向の細溝(G)が全周に渡って形成された ボルト頭部(12a)とこれが圧接することとなる台座面(14)との間に配置されて挟止される平板状の基部(16)と、該基部から立設した押さえ部(18)と、からなり、前記基部にはボルト(12)を挿通させるための孔(22)が形成されるとともに空転防止機構が設けられ、前記押さえ部の先端がボルト頭部の前記細溝に側方から当接することでボルトの緩みを防止する、ことを特徴とする。
ここで、前記押さえ部(18)は、前記ボルト頭部(12a)の径方向から傾斜して前記細溝(G)に側方から当接することで、ボルト(12)の締付方向の回転を許容する一方、緩み方向の回転を禁止する、ことが好ましい。
また本発明の他のボルト等緩み止め金具は、側外周面が多角形をなすボルト頭部(12a’)とこれが圧接することとなる台座面(14)との間に配置されて挟止される平板状の基部(16)と、該基部から立設した押さえ部(18)と、からなり、前記基部にはボルト(12)を挿通させるための孔(22)が形成されるとともに空転防止機構が設けられ、前記押さえ部がボルト頭部に側方から押圧されることでボルトの緩みを防止する、ことを特徴とする。
なお、前記基部(16)および前記押さえ部(18)は一枚の金属板を折り曲げて形成される、ことが好ましい。
ここで、前記空転防止機構は、前記基部(16)の外周部が前記台座面(14)から立設する壁面(24)と当接することで台座面に対して基部が回転することを防止するもの、前記基部(16)と前記台座面(14)とを接着することで、基部が台座面に対して回転することを防止するもの、前記基部(16)をスプリングワッシャ状に形成することで、ボルト頭部(12a,12a’)によって押圧した基部が台座面(14)に対して回転することを防止するもの、前記基部(16)の周縁の一部を台座面(14)側に向けて屈曲させた屈曲部(16b)を形成することで、ボルト頭部(12a,12a’)によって押圧されて台座面に食い込んだ該屈曲部が、基部が台座面に対して回転することを防止するもの、のいずれかであることが好ましい。
本発明のボルト等緩み止め金具では、既存の設備に簡単に適用することが可能で、かつ、有効にボルトの緩みの発生を防止することができる。なおここでいうボルトはボルト・ナットがセットで締結具として機能するものの他に、ネジ溝が形成された土台に螺合するネジ(ボルト)も含ませるものとする。またこのボルトをナットに置き換えて考えることも可能である。
より具体的には、基部と押さえ部とからなる緩み止め金具を用い、この基部をボルト頭部と台座面との間に挟み込むとともに、空転防止機構によってその空転を防止し、また、押さえ部によってボルト頭部の回転を側方から抑制することで、その緩みを防止することができる。
なお、前記基部および押え部を一枚の金属板を折り曲げることで一体的に形成してやれば、その製造コストも低減することができる。
ここで前記基部の空転防止機構は、ボルトが取り付けられる台座面から壁面が立設している場合にはこれを利用してやり、また、このような壁面が存在しない場合には基部を台座面に接着したり、基部をスプリングワッシャ状に形成したり、基部の周縁の一部を屈曲させてこれを台座面に食い込ませたりすることによって、緩み止め金具が台座に対して回転してしまうことを有効に防止することができる。
本実施例の緩み止め金具を、先端にU字状やリング状の接続端子を備えた配線をボルト(ネジ)を用いて並列に複数個並べて固定する端子台について適用する場合を例にして説明する。
以下、まず本発明の緩み止め金具が適用される端子台の構造について図面を用いて説明し、つづいて本発明の緩み止め金具について詳細に説明する。
図1に端子台の斜視図を示した。この端子台50は略直方体形状をした絶縁樹脂製の筐体51の一辺側に複数の配線を接続するための複数の端子受け53が並列して各々が独立して形成された構造を有している。各端子受け53は、端子台筐体51の一辺側に複数の矩形の凹みを並べたように形成されており、すなわち各端子受けはその三方に壁面24が立設した状態となっている。この端子台50では端子受け53の各辺はその長さが1cm程度であり、また端子台筐体51の一辺側に凹んで形成された端子受けの深さも1cm程度となっている。さらに各端子受け53近くの端子台筐体51上面には、その端子受けに接続される配線の種類を示すための表示プレート55が取り付けられている。
この端子台50の筐体51には被覆された配線の束57が図示しない機器側から伸びている。この配線の束57は筐体51内部において分岐され、1本の配線が1つの端子受け53に伸びている。分岐された配線の先端にはナット(図示せず)が溶接接続されており、分岐された配線およびナットは端子台50の筐体51内に埋没している。このナットは次に説明するボルトを螺合することができるようになっており、螺合されたボルトは分岐された配線と電気的に接続されることとなる。
図1に示したように、端子台50に用いられるボルト12は、本実施例ではその全長が3cm程度で、そのボルト頭部12aの部分の長さが1.5cm程度となっている。このボルト頭部12aはネジ部12bと同軸で径が倍程度の円柱形状をしており、その側外周面には全周に渡って軸方向に細溝Gが形成されている。なおこの細溝Gはボルト頭部12aを指で摘んで回すときの滑り止めを目的として設けられているものである。
またこのボルト頭部12aにはボルト12を強く締め付けるため用の六角柱形状の穴54が軸方向に設けられている。すなわち、端子受け53に配置したU字状やリング状の接続端子59をボルト12を用いて強く締め付けようとする場合には、この六角柱形状の穴にL字型の六角レンチの一端を差し込んで回転させることで、ボルトを端子台50に締め付けて配線を端子受け53に固定することができる。
図2に実施例1の緩み止め金具10を示した。ここで図2(a)は緩み止め金具10のみの斜視図であり、図2(b)はこれにボルト12を付けた状態を表している。
この緩み止め金具10は、厚さ0.1〜1mm程度の金属板を加工したもので、ボルト頭部12aの下面と台座面14(端子受け53の上面)との間に挟止されることとなる平板状の基部16と、この基部から立設した押さえ部18とからなっている。この基部16はほぼ正方形をしており、図3に示したように破線で表した端子台50の端子受け53にちょうど嵌り込む大きさとなっている。またこの基部16にはその中央部にボルト12を貫通させるための孔22が形成されている。一方押さえ部18は、図4に示した形状に切り抜いた金属板を図に示した破線部分を折り曲げることで形成される。この押さえ部18はその先端側の部分が、端子受け53に取り付けられたボルト12の頭部12aの細溝Gに側方から押し付けられるように撓んで当接するようになっている。
この緩み止め金具10の使用方法は図3に示したように、まず端子台50の端子受け53に緩み止め金具の基部16を載せ、その上に配線の先端に取り付けた接続端子59をその穴が基部16の孔22と一致するように重ね、ボルト12をこの穴および孔22に通して端子台筐体51内に埋没しているナットに螺合してやる。このとき緩み止め金具10の押さえ部18の先端は、ボルト頭部12aの径方向から傾斜して細溝Gに当接しているためワンウェイクラッチのごとく機能し、ボルト12は締付方向(時計廻り)の回転を許容される一方、緩み方向(反時計廻り)の回転を禁止される。
なおこの緩み止め金具10の基部16は端子台50の端子受け53を形成する凹みにちょうど嵌り込む大きさとなっており、この基部16の外周部が台座面14から立設する壁面24と当接することで、基部が台座面に対して回転してしまうことはない(これが本実施例での空転防止機構となる)。
本実施例の緩み止め金具によれば、既存の一般的な端子台自体に改造を要することなく簡単に適用することができ、これによって端子台に螺合したボルトが振動などの影響によって緩んでしまうことを有効に防止することができる。
本実施例も実施例1と同様に複数の配線を接続するための端子台50において、配線を接続固定するためのボルト12が緩んでしまうことを防止するための緩み止め金具10である。ここで用いられる端子台50はその一辺側に複数並んで形成された端子受けがそれぞれ凹んだ構造とはなっておらず、すなわち各端子受けは壁面によって区画されていないものとする。また本実施例では端子台50のボルト12は、実施例1のボルトとは異なりボルト頭部12a’が六角柱形状をしたものが用いられている。
本実施例の緩み止め金具10は実施例1の緩み止め金具とほぼ同様の構造をしているが、端子台50に用いられるボルト12のボルト頭部12a’の形状が異なるため、図5に示したように緩み止め金具の押さえ部18は屈曲して形成されて六角柱形状のボルト頭部を側方から押圧するようになっている。
また上述したように端子台50の各端子受けは壁面によって区画されていないため、実施例1のようにこの壁面を利用して緩み止め金具10が台座面14に対して回転してしまうことを防止することができない。そこで本実施例の緩み止め金具10には、以下に説明するいずれかの空転防止機構が設けられる。
[両面テープを用いる方式による空転防止機構(図6(a))]
この方式の緩み止め金具は、緩み止め金具10の基部16の下面(孔22を除く)に強力な両面テープ61を全面に貼り付けたものである。使用時には両面テープ表面の保護テープを取り去り、端子台50の端子受け53に緩み止め金具を接着固定してやることにより、緩み止め金具10が台座面14に対して回転してしまうことを防止することができ、これにより緩み止め金具によって端子台50のボルト12が回転して緩んでしまうことを防ぐことができる。
[スプリングワッシャ方式による空転防止機構(図6(b))]
この方式の緩み止め金具は、緩み止め金具10の基部16に基部の外周部と孔22とをつなぐ切れ込み63を入れ、平板状の基部を捻るように変形させてスプリングワッシャ状に形成したものである。使用時にはこの緩み止め金具10を端子受け53に載せ置き、その上に配線の接続端子59を配置してからボルト12をここに差し込んで締め付けてやる。これにより基部16がスプリングワッシャとして機能して台座面14とボルト12との間に付勢力を作用させるため、ボルト12が緩んでしまうことを防ぐことができる。
[基部に屈曲部を形成する方式による空転防止機構(図6(c))]
この方式の緩み止め金具では、緩み止め金具10の基部16(正方形)の周縁の一部、例えば基部の四隅のうち三隅を台座面側に30°程度三角に屈曲させて屈曲部16bを形成し、これを端子受け53に載せ置きその上に配線の接続端子59を配置してからボルト12をここに差し込んで締め付けてやる。これにより屈曲部16bの先端が台座面14に食い込むと同時に、基部16がスプリングのように機能して台座面とボルトとの間に付勢力を作用させるため、ボルトが緩んでしまうことを防ぐことができる。
なお空転防止機構は以上に説明した機構を組み合わせて利用したものとすることももちろん可能である。
本実施例の緩み止め金具によれば、端子受けが壁面によって区画されておらず平面的な台座面である場合にも、端子台自体に改造を要することなく簡単に適用することが可能で、端子台に螺合したボルトが緩んでしまうことを有効に防止することができる。
以上に説明した実施例では、本発明の緩み止め金具を複数の接続端子を接続するための端子台へ適用した場合について説明したが、本発明の緩み止め金具はかかる場合に限られず、簡易的にボルトの緩み発生を防止することを目的とする全ての場合に適用することができる。
実施例1の緩み止め金具が用いられる端子台の斜視図である。 実施例1の緩み止め金具の斜視図である。 実施例1の緩み止め金具を使用する様子を示した図である。 実施例1の緩み止め金具を形成する様子を示した平面図である。 実施例2の緩み止め金具を使用する様子を示した図である。 実施例2の緩み止め金具の空転防止機構を説明するための図である。
符号の説明
10 緩み止め金具
12 ボルト
12a,12a’ ボルト頭部
12b ネジ部
14 台座面
16 基部
16b 屈曲部
18 押さえ部
22 孔
24 壁面
50 端子台
51 筐体
53 端子受け
54 穴
55 表示プレート
57 配線の束
59 接続端子
61 両面テープ
63 切れ込み
G 細溝

Claims (8)

  1. 側外周面に軸方向の細溝(G)が全周に渡って形成されたボルト頭部(12a)とこれが圧接することとなる台座面(14)との間に配置されて挟止される平板状の基部(16)と、該基部から立設した押さえ部(18)と、からなり、
    前記基部にはボルト(12)を挿通させるための孔(22)が形成されるとともに空転防止機構が設けられ、
    前記押さえ部の先端がボルト頭部の前記細溝に側方から当接することでボルトの緩みを防止する、ことを特徴とするボルト等緩み止め金具。
  2. 前記押さえ部(18)は、前記ボルト頭部(12a)の径方向から傾斜して前記細溝(G)に側方から当接することで、ボルト(12)の締付方向の回転を許容する一方、緩み方向の回転を禁止する、ことを特徴とする請求項1に記載のボルト等緩み止め金具。
  3. 側外周面が多角形をなすボルト頭部(12a’)とこれが圧接することとなる台座面(14)との間に配置されて挟止される平板状の基部(16)と、該基部から立設した押さえ部(18)と、からなり、
    前記基部にはボルト(12)を挿通させるための孔(22)が形成されるとともに空転防止機構が設けられ、
    前記押さえ部がボルト頭部に側方から押圧されることでボルトの緩みを防止する、ことを特徴とするボルト等緩み止め金具。
  4. 前記基部(16)および前記押さえ部(18)は一枚の金属板を折り曲げて形成される、ことを特徴とする請求項1又は3に記載のボルト等緩み止め金具。
  5. 前記空転防止機構は、前記基部(16)の外周部が前記台座面(14)から立設する壁面(24)と当接することで台座面に対して基部が回転することを防止するものである、ことを特徴とする請求項1又は3に記載のボルト等緩み止め金具。
  6. 前記空転防止機構は、前記基部(16)と前記台座面(14)とを接着することで、基部が台座面に対して回転することを防止するものである、ことを特徴とする請求項1又は3に記載のボルト等緩み止め金具。
  7. 前記空転防止機構は、前記基部(16)をスプリングワッシャ状に形成することで、ボルト頭部(12a,12a’)によって押圧した基部が台座面(14)に対して回転することを防止するものである、ことを特徴とする請求項1又は3に記載のボルト等緩み止め金具。
  8. 前記空転防止機構は、前記基部(16)の周縁の一部を台座面(14)側に向けて屈曲させた屈曲部(16b)を形成することで、ボルト頭部(12a,12a’)によって押圧されて台座面に食い込んだ該屈曲部が、基部が台座面に対して回転することを防止するものである、ことを特徴とする請求項1又は3に記載のボルト等緩み止め金具。
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