JP2009170020A - 相変化型光記録媒体の記録方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】高いNAを持つ対物レンズから出射されるレーザ光で記録が行われる光記録媒体に対し、記録層への熱的ダメージを低減させ、オーバーライト特性を改善することができる相変化型光記録媒体の記録方法を提供する。
【解決手段】開口数NAが0.85以上である対物レンズより出射され、記録パルス列(実効的な照射パワーPw)と連続光(パワーPe)を含む青色波長レーザ光を、PeとPwの比率ε(=Pe/Pw)を0.60≦ε≦0.75の範囲内に設定して照射することで、少なくとも最短マークの長さが200nm以下である複数のマーク長を複数個記録する相変化型光記録媒体の記録方法において、記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積を、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積よりも小さくする。
【選択図】図1
【解決手段】開口数NAが0.85以上である対物レンズより出射され、記録パルス列(実効的な照射パワーPw)と連続光(パワーPe)を含む青色波長レーザ光を、PeとPwの比率ε(=Pe/Pw)を0.60≦ε≦0.75の範囲内に設定して照射することで、少なくとも最短マークの長さが200nm以下である複数のマーク長を複数個記録する相変化型光記録媒体の記録方法において、記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積を、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積よりも小さくする。
【選択図】図1
Description
本発明は、青色波長レーザ光を照射することにより記録層材料に光学的な変化を生じさせて情報の記録再生を行い、且つ、書き換えが可能な相変化記録層を有する相変化型光記録媒体の記録方法に関する。
CD−RW、DVD±RW、HD DVD−RW、BD−REなどの相変化型光記録媒体は、一般にプラスチックの基板上に相変化材料からなる記録層を設け、記録層の光吸収率を向上させかつ熱拡散効果を有する反射層を設けた構成が基本である。
CD−RW、DVD±RW、HD DVD−RWでは基板面側からレーザ光を照射して、情報の記録再生を行う。BD−REは1.1mmの基板に反射層、記録層を設け、100μm程度の厚さを持つカバー層側からレーザ光を照射して、情報の記録再生を行う。
相変化記録材料は、レーザ光照射による徐冷過程および急冷過程を施すことにより、結晶状態とアモルファス状態の間を相変化する性質を持つ材料である。相変化型光記録媒体は、この性質を情報の記録と再生に応用したものである。
CD−RW、DVD±RW、HD DVD−RWでは基板面側からレーザ光を照射して、情報の記録再生を行う。BD−REは1.1mmの基板に反射層、記録層を設け、100μm程度の厚さを持つカバー層側からレーザ光を照射して、情報の記録再生を行う。
相変化記録材料は、レーザ光照射による徐冷過程および急冷過程を施すことにより、結晶状態とアモルファス状態の間を相変化する性質を持つ材料である。相変化型光記録媒体は、この性質を情報の記録と再生に応用したものである。
更に光照射による加熱によって起こる記録層の酸化、蒸散又は変形を阻止する目的で、通常、読み取り面側の基板(カバー層も含む)と記録層の間に下部保護層、及び記録層と反射層の間に上部保護層が設けられている。
これらの保護層は、その厚さを調節することによって、光記録媒体の光学特性の調節機能を有するものである。下部保護層は、記録層への記録時の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。上部保護層は、記録層に熱を滞留させて記録感度を調節したりする機能を併せ持つものである。
これらの保護層は、その厚さを調節することによって、光記録媒体の光学特性の調節機能を有するものである。下部保護層は、記録層への記録時の熱によって基板が軟化するのを防止する機能を併せ持つものである。上部保護層は、記録層に熱を滞留させて記録感度を調節したりする機能を併せ持つものである。
従来から、書き換えが可能な相変化型光記録媒体の記録方法についての技術が多く開示されている。一般的には、マークを形成させるための記録パルス列と、マークを消去するためのDC光からなるレーザ光を照射して、情報の記録消去を繰り返し施すことができる記録方法が広く知られている(図1(a)参照)。
中でも記録パルス列を1T周期ごとに発生させる1T周期ストラテジや、2T周期ごとに発生させる2T周期ストラテジなどが知られている。1T周期ストラテジは、長さnTのマークを形成するのに(n−1)個の記録パルス列を有するのが一般的である。
中でも記録パルス列を1T周期ごとに発生させる1T周期ストラテジや、2T周期ごとに発生させる2T周期ストラテジなどが知られている。1T周期ストラテジは、長さnTのマークを形成するのに(n−1)個の記録パルス列を有するのが一般的である。
また、2T周期ストラテジは、長さnTの偶数マークを形成するのにn/2個、奇数マークを形成するのに(n−1)/2個の記録パルス列を要するのが一般的である。
1T周期や2T周期を使い分けるのは、記録速度の大小に起因する。低速記録では、クロック周期が長く、記録パルス時間幅を充分長く確保できるため、効率よくレーザ光の照射パワーを記録層に伝えることができる。さらに冷却パルス時間幅も長く確保でき、記録パルス照射後の急冷動作を充分に行えるため、1T周期でも安定したアモルファスマークを形成できる。
記録線速がある程度高速になると、クロック周期が短くなり、記録パルスの時間幅や冷却パルスの時間幅が短くなり始める。そのため、発生させるパルスの周期を2T周期とすることで充分な時間幅を持たせることにより安定したアモルファスマークを形成できる。
1T周期や2T周期を使い分けるのは、記録速度の大小に起因する。低速記録では、クロック周期が長く、記録パルス時間幅を充分長く確保できるため、効率よくレーザ光の照射パワーを記録層に伝えることができる。さらに冷却パルス時間幅も長く確保でき、記録パルス照射後の急冷動作を充分に行えるため、1T周期でも安定したアモルファスマークを形成できる。
記録線速がある程度高速になると、クロック周期が短くなり、記録パルスの時間幅や冷却パルスの時間幅が短くなり始める。そのため、発生させるパルスの周期を2T周期とすることで充分な時間幅を持たせることにより安定したアモルファスマークを形成できる。
記録方法の観点からオーバーライト特性を改善させる従来例として、特許文献1のように、(n−1)個ある記録パルス列のうち、先頭パルスの直前に時間的長さyT(Tは基準クロック周期、yは0以上の数)なる冷却パルスを挿入する記録方法が開示されている。
特許文献1の段落「0040」には先頭パルスと後続パルスの幅をそれぞれ0.2T以上1.5T以下、0.2T以上0.8T以下とするのが好ましいとの記載がある。
また、特許文献2のように、熱的ストレスを分散させて繰り返し記録回数を増大させる記録方法が開示されている。この文献では、先頭パルスの時間幅が後続パルスよりも長く、先頭パルスが記録層に与える熱量が後続パルスよりも大きくなるような記録方法や、(n−1)個の記録パルスの前方にパワーPaなるレベルを与える記録方法が開示されている。
特許文献1の段落「0040」には先頭パルスと後続パルスの幅をそれぞれ0.2T以上1.5T以下、0.2T以上0.8T以下とするのが好ましいとの記載がある。
また、特許文献2のように、熱的ストレスを分散させて繰り返し記録回数を増大させる記録方法が開示されている。この文献では、先頭パルスの時間幅が後続パルスよりも長く、先頭パルスが記録層に与える熱量が後続パルスよりも大きくなるような記録方法や、(n−1)個の記録パルスの前方にパワーPaなるレベルを与える記録方法が開示されている。
上記従来の方法では先頭パルスの時間幅が太く、実効的に照射される熱量が大きくなるため、熱のかかり過ぎが原因となり、オーバーライト後のジッタ特性が悪くなる。
本発明は、上記のような問題に鑑みてなされたものであり、高いNAを持つ対物レンズから出射されるレーザ光で記録が行われる光記録媒体に対し、記録層への熱的ダメージを低減させ、オーバーライト特性を改善することができる相変化型光記録媒体の記録方法の提供を、その目的とする。
上記目的を達成するために、請求項1記載の発明では、開口数NAが0.85以上である対物レンズより出射され、記録パルス列(実効的な照射パワーPw)と連続光(パワーPe)を含む青色波長レーザ光を、PeとPwの比率ε(=Pe/Pw)を0.60≦ε≦0.75の範囲内に設定して照射することで、少なくとも最短マークの長さが200nm以下である複数のマーク長を複数個記録する相変化型光記録媒体の記録方法において、
記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積よりも小さいことを特徴とする。
記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積よりも小さいことを特徴とする。
請求項2記載の発明では、開口数NAが0.85以上である対物レンズより出射され、記録パルス列(実効的な照射パワーPw)と連続光(パワーPe)を含む青色波長レーザ光を、PeとPwの比率ε(=Pe/Pw)を0.60≦ε≦0.75の範囲内に設定して照射することで、少なくとも最短マークの長さが200nm以下である複数のマーク長を複数個記録する相変化型光記録媒体の記録方法において、
記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積の半分以下であることを特徴とする。
記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積の半分以下であることを特徴とする。
本発明によれば、高いNAを持つ対物レンズから出射されるレーザ光で記録が行われる光記録媒体に対し、記録層への熱的ダメージを低減させ、オーバーライト特性を改善することができる。
以下、本発明の実施形態を図を参照して説明する。
一般的に相変化型光記録媒体のアモルファスマークの記録は、相変化材料を融点以上に加熱して溶融し、その後、急冷することで行われる。
融点以上に温度を上げるために、レーザ光の照射パワーPwを短時間で出力し、その後すぐにパワー出力をほぼゼロにして急激な温度の時間変化を与えることでアモルファスマークを形成させる。
一方、アモルファスマークの消去は、DC光を結晶化温度以上の照射パワーPeで照射して徐冷させ、結晶化させることにより行う。マークを消去する際のDC光パワーPeは、結晶化温度以上に相当するパワーであれば融点以上であっても構わない。
DVD±RWやHDDVD−RWは、対物レンズの開口数NAが0.65であるためパワー密度が低い。最短マーク長は、それぞれ400nm(3T)、204nm(2T)であり、最短マークであってもアモルファスを形成させるには記録パルスを要する。
一般的に相変化型光記録媒体のアモルファスマークの記録は、相変化材料を融点以上に加熱して溶融し、その後、急冷することで行われる。
融点以上に温度を上げるために、レーザ光の照射パワーPwを短時間で出力し、その後すぐにパワー出力をほぼゼロにして急激な温度の時間変化を与えることでアモルファスマークを形成させる。
一方、アモルファスマークの消去は、DC光を結晶化温度以上の照射パワーPeで照射して徐冷させ、結晶化させることにより行う。マークを消去する際のDC光パワーPeは、結晶化温度以上に相当するパワーであれば融点以上であっても構わない。
DVD±RWやHDDVD−RWは、対物レンズの開口数NAが0.65であるためパワー密度が低い。最短マーク長は、それぞれ400nm(3T)、204nm(2T)であり、最短マークであってもアモルファスを形成させるには記録パルスを要する。
一方で、BD−REの最短マーク長は149nm(2T)である。NAは0.85であり、パワー密度が高い。開口数NAのレンズから出射されるレーザ光の回折限界はλ/NAに比例する。パワー密度は回折限界スポット径内の面積に関係するとした場合、レーザ波長が同じのHDDVDと比較すると、大胆に見積もって(0.85/0.65)^2=1.7倍のパワー密度である。
BD−REの2T〜9Tマークをランダム記録する際には、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積を各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積以下とすることにより、従来用いられてきた記録方法よりも記録層にかかる熱量を低減できる。そのためオーバーライト特性を向上させる効果がある。
特に先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積の半分以下の範囲内にあることがより好ましい(図1(b)参照)。
BD−REの2T〜9Tマークをランダム記録する際には、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積を各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積以下とすることにより、従来用いられてきた記録方法よりも記録層にかかる熱量を低減できる。そのためオーバーライト特性を向上させる効果がある。
特に先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積の半分以下の範囲内にあることがより好ましい(図1(b)参照)。
後続パルスの時間幅は、主に変調度が最も確保できる時間幅を選択する。変調度とは、光学系MTFでゲインが最も大きく得られる低周波成分からなるマークまたはスペース長の結晶部とアモルファス部の反射率差が、結晶部の反射率に対してどの程度の割合を占めているかを意味する。
BD−REの場合では、8Tや9Tのような長いマーク及びスペースの信号を再生することで変調度が計算される。変調度は後続パルスのデューティー比を変化させていくと変化するので、最も変調度が高く確保できるデューティー比を選択するのが良い。
先頭パルスの実効的な照射パワーは、設定パワーを直接下げる方法でもよいし、あるいは先頭パルスの時間幅の設定値をレーザの立ち上がり時間と立ち下がり時間の合計よりも短くしてオーバーシュートを起こす方法でも良い。
BD−REの場合では、8Tや9Tのような長いマーク及びスペースの信号を再生することで変調度が計算される。変調度は後続パルスのデューティー比を変化させていくと変化するので、最も変調度が高く確保できるデューティー比を選択するのが良い。
先頭パルスの実効的な照射パワーは、設定パワーを直接下げる方法でもよいし、あるいは先頭パルスの時間幅の設定値をレーザの立ち上がり時間と立ち下がり時間の合計よりも短くしてオーバーシュートを起こす方法でも良い。
例えば図4は、10回繰り返し記録後のジッタ特性の先頭パルス時間幅依存性を示したものである。ここでは各後続パルスの時間幅は、結晶とアモルファスのコントラストが一番大きく得られた0.438T(7/16T)としている。
TはBD−RE規格での記録線速の2倍速に対応したクロック周期で、T=7.58nsecである。ε=0.70(Pw=6mW、Pe=4.2mW)として実験を行った。先頭パルスの時間幅が細くなるほど繰り返し記録後のジッタ特性が良好となる結果が得られた。
ここで、先頭パルスの時間幅の設定値がある程度小さくなると、レーザの立ち上がり時間および立ち下がり時間の合計よりも小さくなりはじめ、実効的な照射パワーが低くなり始める。
先頭パルスの時間幅と照射パワーをプロットしたのが図5である。図6は先頭パルスが各後続パルスと同じ設定値(パワー6mW、時間幅0.438T)とした場合の積を1としたときの、ジッタと積の関係をプロットしたものである。ジッタは、10回記録後および1000回記録後のデータを示した。
TはBD−RE規格での記録線速の2倍速に対応したクロック周期で、T=7.58nsecである。ε=0.70(Pw=6mW、Pe=4.2mW)として実験を行った。先頭パルスの時間幅が細くなるほど繰り返し記録後のジッタ特性が良好となる結果が得られた。
ここで、先頭パルスの時間幅の設定値がある程度小さくなると、レーザの立ち上がり時間および立ち下がり時間の合計よりも小さくなりはじめ、実効的な照射パワーが低くなり始める。
先頭パルスの時間幅と照射パワーをプロットしたのが図5である。図6は先頭パルスが各後続パルスと同じ設定値(パワー6mW、時間幅0.438T)とした場合の積を1としたときの、ジッタと積の関係をプロットしたものである。ジッタは、10回記録後および1000回記録後のデータを示した。
先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積を、各後続パルスの積よりも小さくすることにより、特性が改善する。さらに、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積を、後続パルスの積の半分以下とすることにより、特性が安定する。
図5中の矢印は、先頭パルスの時間幅が0.19Tの場合を示している。代表例として5Tマークを記録する際のレーザの発光波形を図7に示す。また、このときの2Tマークは、図8に示した発光波形により記録を行った。
発光波形はLeCroy社製のデジタルオシロスコープにより観測し、8[GHz]のサンプリング周波数で信号を検出した。
図7において、横軸は時間を、縦軸は電圧を示し、時間は1目盛りが5ns、電圧は1目盛りが5.0mvである。グラフの右側における数字1のラインは電圧0ラインを示している(図2、図3、図8において同じ)。
図5中の矢印は、先頭パルスの時間幅が0.19Tの場合を示している。代表例として5Tマークを記録する際のレーザの発光波形を図7に示す。また、このときの2Tマークは、図8に示した発光波形により記録を行った。
発光波形はLeCroy社製のデジタルオシロスコープにより観測し、8[GHz]のサンプリング周波数で信号を検出した。
図7において、横軸は時間を、縦軸は電圧を示し、時間は1目盛りが5ns、電圧は1目盛りが5.0mvである。グラフの右側における数字1のラインは電圧0ラインを示している(図2、図3、図8において同じ)。
ここで、図4において先頭パルスの時間幅が0であるデータは、先頭パルスの実効的な照射パワーがPeと重なる場合を表している。この場合、記録パルスの個数は(n−2)個になる。
図2は2Tマークを記録するときのレーザの発光波形、図3は3T以上のマーク長の代表例として5Tマークを記録するときのレーザの発光波形を表している。
図2に示すように、最短である2Tマークを記録する際には記録パルスを必ずしも要しない。εを0.60以上0.75以下とすると、レーザ出力をパワーPeから直接ほぼゼロに下げることで熱的に急冷させることができるため、特に2Tマークなどの200nm以下の短いマークの形成が可能である。
この場合においても従来用いられてきた記録方法よりも記録層にかかる熱を低減できる。一般的にランダム記録が施される場合、ジッタ特性の良し悪しは最短マーク長および最短スペース長に左右されやすい。
図2は2Tマークを記録するときのレーザの発光波形、図3は3T以上のマーク長の代表例として5Tマークを記録するときのレーザの発光波形を表している。
図2に示すように、最短である2Tマークを記録する際には記録パルスを必ずしも要しない。εを0.60以上0.75以下とすると、レーザ出力をパワーPeから直接ほぼゼロに下げることで熱的に急冷させることができるため、特に2Tマークなどの200nm以下の短いマークの形成が可能である。
この場合においても従来用いられてきた記録方法よりも記録層にかかる熱を低減できる。一般的にランダム記録が施される場合、ジッタ特性の良し悪しは最短マーク長および最短スペース長に左右されやすい。
特に、BD−RE規格の変調方式(17PP)では、2Tマークや2Tスペースの出現確率が全体の約4割であるが、パルスを要しなくても安定して2Tマークを記録できるため、オーバーライト後のジッタ特性が良好である。
なお、εが0.60よりも小さいと、Peが低すぎてしまうため、記録層を溶融しにくくなりマークの先端がアモルファス化されにくいため効果がない。εが0.75よりも大きいと、一旦形成されたアモルファスマークの後端が高いPeによって再結晶化してしまうため、良好なジッタ特性が得られなくなる。
なお、εが0.60よりも小さいと、Peが低すぎてしまうため、記録層を溶融しにくくなりマークの先端がアモルファス化されにくいため効果がない。εが0.75よりも大きいと、一旦形成されたアモルファスマークの後端が高いPeによって再結晶化してしまうため、良好なジッタ特性が得られなくなる。
[実施例]
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。実施例で検討した光記録媒体は以下のようにして作製した。スパッタ装置は、エリコン社製のDVDスプリンターを用いた。
直径12cm、厚さ1.1mmで、片面にトラックピッチ0.32μmの蛇行した連続溝によるトラッキングガイドの凹凸(溝深さは22nm)を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に、スパッタパワー3kW、Ar流量20sccmのもとで、Ag(99.5wt%)−Bi(0.5wt%)からなる膜厚140nmの反射層をDCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
以下、実施例及び比較例により本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例により限定されるものではない。実施例で検討した光記録媒体は以下のようにして作製した。スパッタ装置は、エリコン社製のDVDスプリンターを用いた。
直径12cm、厚さ1.1mmで、片面にトラックピッチ0.32μmの蛇行した連続溝によるトラッキングガイドの凹凸(溝深さは22nm)を持つポリカーボネート樹脂からなる第1基板上に、スパッタパワー3kW、Ar流量20sccmのもとで、Ag(99.5wt%)−Bi(0.5wt%)からなる膜厚140nmの反射層をDCマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
次に、スパッタパワー2kW、Ar流量10sccmのもとで、In2O3−ZnO−SnO2−Ta2O5(7.5:22.5:60:10モル%)からなる膜厚12nmの上部保護層をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
次に、スパッタパワー1.2kW、Ar流量30sccmのもとで、Ge18.4Sb63.3Sn15.3Mn3.0からなる膜厚13nmの記録層をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
次に、スパッタパワー4kW、Ar流量10sccmのもとで、ZnS−SiO2(80:20モル%)からなる膜厚39nmの下部保護層をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
次に、グローバル社製のスピンコート装置で、紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線で硬化して約100μmの厚さを持つカバー層とした。
次にカバー層側からレーザ光を照射して初期化処理を全面に施した。初期化は、日立コンピュータ機器株式会社製の初期化装置POP8Sにより行った。初期化に用いたレンズのNA=0.55、スポット径の長軸(ラジアル方向)=75μm、スポットの短軸(タンジェンシャル方向)=1μmである。初期化条件は、線速10m/s、一回転あたりの送り90μm、パワー1300mWである。
次に、スパッタパワー1.2kW、Ar流量30sccmのもとで、Ge18.4Sb63.3Sn15.3Mn3.0からなる膜厚13nmの記録層をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
次に、スパッタパワー4kW、Ar流量10sccmのもとで、ZnS−SiO2(80:20モル%)からなる膜厚39nmの下部保護層をRFマグネトロンスパッタリング法で成膜した。
次に、グローバル社製のスピンコート装置で、紫外線硬化樹脂を塗布し、紫外線で硬化して約100μmの厚さを持つカバー層とした。
次にカバー層側からレーザ光を照射して初期化処理を全面に施した。初期化は、日立コンピュータ機器株式会社製の初期化装置POP8Sにより行った。初期化に用いたレンズのNA=0.55、スポット径の長軸(ラジアル方向)=75μm、スポットの短軸(タンジェンシャル方向)=1μmである。初期化条件は、線速10m/s、一回転あたりの送り90μm、パワー1300mWである。
以上の光記録媒体を実験に用いて、記録方法を変えてオーバーライト後のジッタ特性を評価した。評価装置は、パルステック社製ODU1000を用いた。記録層への記録を行う際に照射されるレーザ波長は405nm、対物レンズの開口数NA=0.85である。
記録する際の記録線速は9.84m/s、再生光パワーは0.3mW(高周波重畳)で行った。記録に用いる光波形発生装置にはパルステック社製のMSG4を用いた。なお、変調方式は17PPであり、2T(約149nm)から9Tの長さを持つマークおよびスペースをランダムに記録した。記録は5トラックに行い、そのうち真ん中のトラックを再生してジッタを測定した。ジッタ特性の合格基準は8%以下とした。結果は表1のようになった。
記録する際の記録線速は9.84m/s、再生光パワーは0.3mW(高周波重畳)で行った。記録に用いる光波形発生装置にはパルステック社製のMSG4を用いた。なお、変調方式は17PPであり、2T(約149nm)から9Tの長さを持つマークおよびスペースをランダムに記録した。記録は5トラックに行い、そのうち真ん中のトラックを再生してジッタを測定した。ジッタ特性の合格基準は8%以下とした。結果は表1のようになった。
表1から明らかなように、実施例1〜実施例7において、オーバーライト後のジッタ特性が良好であることが実証された。特にパワーと時間幅の積が後続パルスの半分以下の場合、良好で且つ安定したジッタ特性が得られた(図9参照)。
比較例1のみ1000回記録後のジッタが8%を超えた。各後続パルスの照射パワーPwは6mW、時間幅は0.438T(7/16T)とした。ここで変調度は51%、反射率は16%と充分確保できていた。
なお、実施例ではBD規格に基づく周波数で実験を行っている。基本クロック周波数が66MHzであるため、基本クロック周期は15.15nsecである。本実施例1〜7では2倍速での実験を行っているので、記録する際のクロック周波数は132MHz、クロック周期は7.58nsecである。表1における先頭パルス時間幅設定値の単位[T]は、7.58nsecである。
なお、εの値が、0.60〜0.75の範囲においては、表1とほぼ同等の特性が得られた。
なお、実施例ではBD規格に基づく周波数で実験を行っている。基本クロック周波数が66MHzであるため、基本クロック周期は15.15nsecである。本実施例1〜7では2倍速での実験を行っているので、記録する際のクロック周波数は132MHz、クロック周期は7.58nsecである。表1における先頭パルス時間幅設定値の単位[T]は、7.58nsecである。
なお、εの値が、0.60〜0.75の範囲においては、表1とほぼ同等の特性が得られた。
Pw 記録パルス列としての実効的な照射パワー
Pe 連続光としてのパワー
Pe 連続光としてのパワー
Claims (2)
- 開口数NAが0.85以上である対物レンズより出射され、記録パルス列(実効的な照射パワーPw)と連続光(パワーPe)を含む青色波長レーザ光を、PeとPwの比率ε(=Pe/Pw)を0.60≦ε≦0.75の範囲内に設定して照射することで、少なくとも最短マークの長さが200nm以下である複数のマーク長を複数個記録する相変化型光記録媒体の記録方法において、
記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積よりも小さいことを特徴とする相変化型光記録媒体の記録方法。 - 開口数NAが0.85以上である対物レンズより出射され、記録パルス列(実効的な照射パワーPw)と連続光(パワーPe)を含む青色波長レーザ光を、PeとPwの比率ε(=Pe/Pw)を0.60≦ε≦0.75の範囲内に設定して照射することで、少なくとも最短マークの長さが200nm以下である複数のマーク長を複数個記録する相変化型光記録媒体の記録方法において、
記録パルス列が、先頭パルスと後続パルスからなるとき、先頭パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積が、各後続パルスの実効的な照射パワーと照射時間の積の半分以下であることを特徴とする相変化型光記録媒体の記録方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
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JP2008006202A JP2009170020A (ja) | 2008-01-15 | 2008-01-15 | 相変化型光記録媒体の記録方法 |
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JP2008006202A JP2009170020A (ja) | 2008-01-15 | 2008-01-15 | 相変化型光記録媒体の記録方法 |
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2008
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