JP2009169375A - レストプランク - Google Patents

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Warren Daniel Albrecht
ウォレン、ダニエル、アルブレヒト
John A Patton
ジョン、エイ.パットン
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Abstract

【課題】チューニングピンを何度も回してもピン板がチューニングピンを保持する力が低下しないレストプランクを提供する。
【解決手段】レストプランクは、第1及び第2の外側ワーキングプライと、その間に積み重ねられた少なくとも7枚の中間ワーキングプライを備える。ワーキングプライは、チューニングピンを確実に受け入れるように構成されたチューニングピンホールを全体として画定している。外側ワーキングプライの木目方向は、レストプランクによって規定される長手方向軸にほぼ平行に向けられる。中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向は、長手方向軸に対して約60°から約75°の角度に向けられる。中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向は、長手方向軸に対してほぼ直角に向けられる。さらに、かかるワーキングプライのうち2枚の木目方向は、長手方向軸に対して約105°から約120°の角度に向けられる。
【選択図】図3

Description

本発明は、ピアノ及び同様の楽器のチューニングピンを受け入れるためのピン板(ピアノ業界では「レストプランク」とも呼ばれる)に関する。
ピン板またはレストプランクは、ピアノ前部の鉄板の下方に位置する積層厚板であり、鋼製のチューニングピンを受け入れるための複数の穴を規定している。各ピアノ弦の端部は、対応するチューニングピンの端部に巻きつけられている。チューニングピンをピン板の穴の中で回すことによって各ピアノ弦を締めて、音程を合わせる。ピン板は、チューニングピンが緩まないように確実に保持し、ピアノが調律された状態に保たれるようにしなければならない。
安価なピン板に使用される多層厚板は、接着剤の層が厚すぎたり、層が多すぎたりすることが多く、不安定な調律を招くことがある。ピン板またはレストプランクは、木の層からなることが多い。チューニングピンを何度も回すと、木が早く摩耗して、チューニングピンホールが大きくなってしまうことがあり、ついにはピン板がチューニングピンを緩まずに保持する力を低下させてしまう。
ピン板を形成する積層(すなわち層)の数は、製造業者によって異なる。例えば、スタインウェイのピアノは、一般に6枚または7枚の、例えば多くの場合、厚さ約8分の1インチから約16分の5インチの、カエデ、ブナ、ブビンガのうち少なくとも1つの硬材からなる厚い積層を備えたピン板を有していて、各層の木目方向が、隣接する層の対向面の木目方向に対して約45°に配置されている。他のピアノ製造業者は、7枚またはそれ以上の積層を備え、各層の木目方向が、隣接する層の対向面の木目方向に対してほぼ直角に配置されたピン板を提供している。
一態様において、弦を張った楽器に使用されるレストプランクは、第1及び第2の外側ワーキングプライと、第1および第2の外側ワーキングプライの間に積み重ねられた少なくとも7枚の中間ワーキングプライと、を備える。各ワーキングプライは、1つの木目方向を規定している。ワーキングプライは、チューニングピンを確実に受け入れるように構成されたチューニングピンホールを全体として画定する。チューニングピンは、実質的にワーキングプライの材端部によって囲まれ、かつこれと係合する。外側ワーキングプライの木目方向は、レストプランクによって規定される長手方向軸にほぼ平行に向けられる。中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向は、長手方向軸に対して約60°から約75°、好ましくは約60°の角度に向けられる。中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向は、長手方向軸にほぼ直角に向けられる。さらに、かかるワーキングプライのうち2枚の木目方向は、長手方向軸に対して約105°から約120°、好ましくは約120°の角度に向けられる。ある実施例では、中間ワーキングプライのうち少なくとも1枚の木目方向は、長手方向軸とほぼ平行に向けられる。中間ワーキングプライは、その木目方向の向きが対称となる順序に積み重ねてもよい。
別の態様において、弦を張った楽器に使用されるレストプランクは、第1及び第2の外側ワーキングプライと、第1及び第2の外側ワーキングプライの間に積み重ねられ、それぞれが1つの木目方向を規定する9枚の中間ワーキングプライと、を備える。ワーキングプライは、チューニングピンを確実に受け入れるように構成されたチューニングピンホールを全体として画定する。チューニングピンは、実質的にワーキングプライの材端部によって囲まれ、かつこれと係合する。外側ワーキングプライの木目方向は、レストプランクによって規定される長手方向軸にほぼ平行に向けられる。第1及び第9の中間ワーキングプライの木目方向は、長手方向軸にほぼ直角に向けられ、第2、第5、及び第8の中間ワーキングプライの木目方向は、長手方向軸にほぼ平行に向けられる。第3及び第7の中間ワーキングプライの木目方向は、長手方向軸に対して約60°から約75°、好ましくは約60°の角度に向けられ、第4及び第6の中間ワーキングプライの木目方向は、長手方向軸に対して約105°から約120°、好ましくは約120°の角度に向けられる。
本発明の実施例は、1つまたはそれ以上の以下の特徴を含み得る。ある実施例では、各ワーキングプライは、隣接したワーキングプライに接着される。ある例では、各ワーキングプライは、ロータリーカットされた木材からなる。しかしながら、柾目引き木材または板目引き木材など、他の適切な木材切断を利用してもよい。例えば、長手方向軸に対してある角度に向けられた中間ワーキングプライは、柾目引き木材または板目引き木材からなることができる。各ワーキングプライは、カエデ、ブナ、及びブビンガ硬材のうち少なくとも一つなど、適切な硬材からなる。ある例では、長手方向軸に対してある角度に向けられた中間ワーキングプライは、他のワーキングプライよりも厚くされる。別の例では、各ワーキングプライは、厚さがほぼ同じである。しかしながら、ある例では、外側ワーキングプライは、中間ワーキングプライと厚さが異なる。少なくとも中間ワーキングプライは、それぞれ少なくとも3mmの厚さを有するのが好ましい。
本発明の1つまたはそれ以上の実施例の詳細について、添付の図面及び以下の説明において述べる。その他の特徴、目的、及び利点は、説明及び図面、ならびに特許請求の範囲から明らかとなろう。
各図面において、同じ参照記号は同じ要素を示す。
本発明は、弦を張った楽器において、それぞれピンと張られた弦の応力が掛かった一連のチューニングピン150を、緩まずに確実に保持できる多層レストプランク100(ピン板としても知られる)を提供する。ピアノの場合、各チューニングピン150は1本の弦に繋がれているが、この弦には約150から約250ポンドの張力が掛けられており、全ての弦を合わせると、約30,000から約40,000ポンドの張力が掛かっている。
図1から図3を参照すると、ある実施例では、レストプランク100は、第1及び第2の外側ワーキングプライ(または層)210、220と、第1及び第2の外側ワーキングプライ210、220の間に積み重ねられた7枚または9枚の中間ワーキングプライ300(7枚が図示されている)を備えている。各ワーキングプライ210、220、及び300は、木目方向が、隣接するワーキングプライ210、220、300の木目方向に対して所定の角度に向くように配置される。ワーキングプライ210、220、及び300は、以下で説明するように互いに接着または貼り合わされ、チューニングピン150を受け入れるように構成された穴またはチューニングピンホール110を全体として画定している。ある例では、チューニングピン150は、直径約0.281インチとされ、直径約0.253インチのチューニングピンホール110に打ち込まれて締まり嵌めにされる。チューニングピン150は、実質的にワーキングプライ210、220、及び330の材端部によって囲まれ、これと係合している。
多層レストプランク100は、例えば単層レストプランクと比較して、周囲の空気の湿度に比較的左右されることが少ない、チューニングピン150に対する保持作用を持ち、いかなる状況でも寸法が比較的安定している。レストプランク100は、その多方向中間ワーキングプライ300により、チューニングピン150に対する保持作用における、いわゆる「スリップスティック」現象を実質的になくして、全ての半径方向において比較的ほぼ一様な保持作用を持つ。一様な保持作用により、チューニングピン150を容易、正確、かつ堅固に所望の回転位置に設定できるとともに、長い使用期間にわたって簡単でなおかつ安定した調律の質を維持することができる。
図2は、レストプランク100の木目方向に対するチューニングピン150の位置を示す概略図である。レストプランク100は、木目3062の方向が、レストプランク100によって規定される長手方向軸105に対して約60°から約75°、好ましくは約60°の角度αに向けられた2枚の60°中間ワーキングプライ3060と、木目3122の方向が、長手方向軸105に対して約105°から約120°、好ましくは約120°の角度βに向けられた2枚の120°中間ワーキングプライ3120を備えている。レストプランク100はさらに、木目3092の方向が長手方向軸105にほぼ直角に向けられた2枚の90°中間ワーキングプライ3090を有している。外側ワーキングプライ210及び220の各木目212及び222の方向は、長手方向軸105と平行に向けられている。ある実施例では、木目3002の方向が長手方向軸105とほぼ平行に向けられた1枚またはそれ以上の0°中間ワーキングプライ3000を備えている。中間ワーキングプライ300はいかなる順序で積み重ねてもよいが、隣接する中間プライ300、3000、3060、3090、及び3120は、木目3002、3062、3092、及び3122が長手方向軸105に対して異なる方向となるように向けられるのが好ましい。
レストプランク100は、層またはワーキングプライ210、220、300の少なくとも1枚の木目方向が、対応するチューニングピン150に掛かる最大応力の方向にほぼ平行であるように構成される。中間ワーキングプライ300の木目方向の方向付けによって、比較的多くの部分の木口が、チューニングピン150への最大応力面においてチューニングピン150に掛かる弦荷重を受けるようになる。以下に述べる例に明示するように、中間ワーキングプライ300は、別の順序または配列で積み重ねてもよい。
図1及び図3から図5は、7枚の中間ワーキングプライ300を有し、全部で9枚のワーキングプライ210、220、300を有するレストプランク100の実施例を示している。図3及び図5は、ワーキングプライ210、220、330が階段状に切り除かれ、各層またはワーキングプライ210、220、300の木目方向を二重矢印で示した、レストプランク100の実施例の平面図である。外側ワーキングプライ210及び220の各木目212及び222の方向は、レストプランク100によって規定される長手方向軸105と平行に向けられている。図1及び図3に示す例では、第1、第2の外側ワーキングプライ210、220の間に積み重ねられた中間ワーキングプライ300の順序は、下から上に向かって、最初に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、2番目に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、3番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、4番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、5番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、6番目に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、そして7番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、としている。図4及び図5に示す例では、第1、第2の外側ワーキングプライ210、220の間に積み重ねられた中間ワーキングプライ300の順序は、下から上に向かって、最初に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、2番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、3番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、4番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、5番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、6番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、そして7番目に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、としている。
対称や非対称の順序または配列など、他の層順への変更も可能である。例えば、第1、第2の外側ワーキングプライ210、220の間に積み重ねられた中間ワーキングプライ300の順序は、下から上に向かって、最初に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、2番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、3番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、4番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、5番目に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、6番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、そして7番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、としてもよい。
図6から図9は、9枚の中間ワーキングプライ300を有し、全部で11枚のワーキングプライ210、220、300を有するレストプランク100の実施例を示している。図7及び図9は、層またはプライ210、220、330が階段状に切り除かれ、各層またはワーキングプライ210、220、300の木目方向を二重矢印で示した、レストプランク100の2つの実施例の平面図である。外側ワーキングプライ210及び220の各木目212及び222の方向は、レストプランク100によって規定される長手方向軸105と平行に向けられている。これらの実施例は、7枚の中間ワーキングプライ300を備えた例と比較して、さらに2枚の0°中間ワーキングプライ3000を備えている。図6及び図7に示す例では、第1、第2の外側ワーキングプライ210、220の間に積み重ねられた中間ワーキングプライ300の順序は、下から上に向かって、最初に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、2番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、3番目に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、4番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、5番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、6番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、7番目に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、8番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、そして9番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、としている。図8及び図9に示す例では、第1、第2の外側ワーキングプライ210、220の間に積み重ねられた中間ワーキングプライ300の順序は、下から上に向かって、最初に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、2番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、3番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、4番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、5番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、6番目に120°中間ワーキングプライ3120を1枚、7番目に90°中間ワーキングプライ3090を1枚、8番目に0°中間ワーキングプライ3000を1枚、そして9番目に60°中間ワーキングプライ3060を1枚、としている。対称や非対称の順序または配列など、他の層順への変更も可能である。
各ワーキングプライ210、220、300は、隣接するワーキングプライ210、220、300に接着または貼り合わせされる。尿素樹脂接着剤を用いるのが好ましい。接着剤は、第2の外側ワーキングプライ220の上面に塗布される。中間ワーキングプライ300の上面及び底面の両方に接着剤が塗布されて、第2の外側ワーキングプライ220の上に積み重ねられる。第1の外側ワーキングプライ210の底面に接着剤が塗布されて、中間ワーキングプライ300の上に積み重ねられる。ワーキングプライ210、220、300を積み重ねたもの、またはこれらの束は、ある時間(例えば、接着剤が固まるまで)加圧され、制御された環境(例えば、制御された温度及び湿度)を提供する空調室で硬化される。得られたレストプランク100は、所望の形状に切断され、ピアノに組み込まれる。
レストプランク100の木目方向に対するチューニングピン150の位置を示す概略図である図2を再び参照する。材端部または木口の有益な保持作用は、主として材端部の寸法が安定していることに因るものと見られるが、このことは、木材は木目に沿ってではなく、木目を横切る方向に伸縮する傾向があるからである。米国農水省の機関である林産研究所が集めたデータによれば、レストプランクの製造において最もよく利用される材料である硬材カエデの圧縮強度は、木口では木端の少なくとも3倍であり、木口の弾性は、木端の10倍から20倍であることが分かっている。「木口」という語は、木目に対して直角に切断した露出繊維、すなわち材端部を表すことを意図している。従って、レストプランク100が、チューニングピンの最大応力方向により多くの材端部を呈する場合、チューニングピン応力が木目を横切る角度(例えば、木目に直角な方向)に作用する場合と比較して、チューニングピンホール110が変形する可能性が少なくなる。このようなチューニングピンホール110は、チューニングピンの最大荷重面に材端部が少ない構造と比較して、チューニングピン150を支持するための穴壁112(図1参照)が比較的強く、形が崩れたり、そのような荷重を受けて締まったりすることが少なくなる。その上、このようなレストプランク100は、チューニングピン150に対するより多くの弾性支点を提供し、チューニングピン150が確実に保持され、かつ長年の使用にわたって緩まないままでいるようにしている。これに対して、チューニングピンホール110に比較的多くの木端が露出しているレストプランク構造は、比較的大きな膨張や収縮を起こし、チューニングピンホール110を変形させてしまう傾向がある。膨張や収縮が何度も繰り返されると、木材は圧縮永久ひずみを呈する可能性があり、繊維が圧縮され、チューニングピンホール110をさらに変形させてしまうこともあり得る。
木目の方向が、対応する弦50(例えば、図10及び図11参照)からチューニングピン150に掛けられる応力の方向と平行であれば、チューニングピンホール110の変形は大幅に削減される。従って、ワーキングプライ210、220、及び330の少なくとも1枚を、レストプランク100の材料に対して圧力を掛ける各チューニングピン150の側面に当たる、少なくともある程度の木口を有するように方向付けることが望ましい。材端部の破断繊維が、チューニングピン150の適当な保持に主に関与していると考えられている。よって、最大応力位置において、すなわち対応する弦50が引っぱる方向に、各チューニングピン150を支持する、より多くの木口を有するようにレストプランク100を構成すれば、チューニングピン150の十分な保持が確保されるであろう。図10及び図11にそれぞれ示す横型ピアノ10Aまたは縦型(アップライト)ピアノ10Bの例では、応力は、ピアノ10A、10Bの全体にわたって様々な角度でチューニングピン150に掛けられている。その結果、木口もまた様々な角度に配置しなければならない。例えば、高音弦では、弦50は、レストプランク100の長手方向軸105に対して通常直角であり(例えば、図10ではD=0°、図11ではW=0°、いずれも長手方向軸105と直角な基準線に対して測定)、低音弦は、図10及び図11に示すように、長手方向軸105と直角な基準線に対して30°もの角度A,B,X,またはYを取ることがあり、中央部では、角度CまたはZは、図10及び図11に示すように、長手方向軸105と直角な基準線に対して、多くの場合約25°以下である。チューニングピン150は、チューニングピンホール110の、弦50の長手方向と合致する部分に対する最大力を受ける。
図10は、横型またはグランドピアノ10Aの部分平面図であり、レストプランク100によって保持されるチューニングピン150に対する、ピアノ10Aのレストプランク板アセンブリ14に沿った様々な位置における弦の荷重角度を示している。弦の荷重角度は、弦50の長手方向軸から、レストプランク100の長手方向軸105と直角な基準軸までを測定したものである。レストプランク100は一般に、チューニングピン150を受けるように構成されたチューニングピンプレート40の下方の適所に保持される。図示した例では、各レストプランク100にかかる弦の荷重角度としては、約5°から約20°の弦荷重角度A、約10°から約20°の弦荷重角度B、及び約5°から約15°の弦荷重角度Cがある。ピアノ10Aの半分の高音の弦50は、約0°の角度Dで荷重を掛けている。
図11は、縦型(アップライト)ピアノ20の内側の部分正面図であり、レストプランク100によって保持されるチューニングピン150に掛かる弦荷重角度を示している。図に示す例では、各レストプランク100にかかる弦荷重角度としては、約5°から約15°の弦荷重角度X、約5°から約15°の弦荷重角度Y、及び約10°から約25°の弦荷重角度Zがある。ピアノ10Bの半分の高音の弦50は、約0°の角度Wで荷重を掛けている。
横型ピアノ10Aと縦型ピアノ10Bの間では、最大弦荷重角度A,B,C,D,W,X,Y,Zは約25°であり、これがチューニングピン150に掛かると、レストプランク100は、チューニングピンホール110において長手方向軸105に対して約115°及び約65°の角度で弦荷重を支えることになる。中間ワーキングプライ300の方向づけにより、チューニングピン150にかかる弦荷重を、実質的に長手方向軸105に対して約120°及び約60°の角度で支える木口が得られる。その結果、ここに述べるレストプランク構成では、現在公知のレストプランクよりも多くの部分の木口が、チューニングピン150に対する弦荷重を受けるようになる。その結果得られるレストプランク100の調律感が向上する。
ワーキングプライ210、220、300は、適切な木材、好ましくは厳選されロータリーカットされた硬いカエデ、マホガニー・ブビンガ堅木、または同等な硬材からなる。ロータリーカットされたベニヤは、一般に、丸太を旋盤に設置し、固定刃に当たるように長手方向軸を中心として丸太を回転させることによって得られる。丸太が回転すると、切断刃が中心に向かってゆっくりと移動し(例えば、カットされるベニヤの厚さによって異なる)、連続した1枚のベニヤが丸太から剥きとられる。しかし、柾目引き木材など、他の適切な木材切断を利用してもよい。柾目引きベニヤは、一般に、丸太を長手方向にくさび状に切断、あるいは4つのほぼ均一な「4分の1」に切断し、その4分の1を出来る限りほぼ丸太の半径方向に薄く切って所望の厚さのベニヤにすることによって得られる。
各ワーキングプライ210、220、300は、約8分の1インチ、好ましくは3.35mmの同じ厚さを有するものとしてもよい。少なくとも中間ワーキングプライはそれぞれ、少なくとも3mmの厚さを有するのが好ましい。同一厚さのワーキングプライ210、220、300は、レストプランク100にかかる応力を分散させるのにも役立ち、反ったり、別様に変形したりする傾向があまり現れなくなる。これにより、さらにバランスの取れた、従ってさらに安定したレストプランク100が得られる。ある例では、外側ワーキングプライ210及び220は、中間ワーキングプライ300よりも薄いベニヤである。チューニングピン150にかかる弦荷重を受ける木口を比較的多くするために、ある実施例では、120°中間ワーキングプライ3120、60°中間ワーキングプライ3060、さらに任意に90°中間ワーキングプライ3090を、残りのワーキングプライ210、220、300よりも厚く、好ましくは約6mmの厚さとする。これらの中間ワーキングプライ3060、3090、3120は、板目引きまたは柾目引き木材からなるものとしてもよいが、残りのワーキングプライ210、220、300は、ロータリーカット木材からなる。
先に述べたように、木材は、乾燥させても吸湿性を維持している。従って、木材は、乾燥した空気に湿気を放出する、または湿った空気から湿気を吸収して、乾燥すると収縮し、湿ると膨張する。木材の収縮は、チューニングピン150に触れている木端をチューニングピン150から離れるように収縮させ、チューニングピン150に対する支持面の総領域を減少させてしまう。膨張すると、チューニングピン150に触れている木端がチューニングピン150に過度に付きすぎて、ひいては、圧縮永久ひずみにより、木材が再び乾燥して収縮した時に、支持領域または緊密度をさらに低下させてしまう。チューニングピンホール110は、楕円形になる傾向がある。従って、レストプランク100の品質はピアノの寿命にとって重要であり、厳選され十分に乾燥された木材からなる、適切に設計されたレストプランクは、適した気候条件下に保たれたならば、ピアノの寿命を存続させることができる。木材の寸法変化は、木目に沿った方向ではごくわずかであるが、木目を横切る方向ではかなりの量になるので、木目方向を交互にした多層構造は、比較的安定した状態を保つ。というのも、ワーキングプライ210、220、300の間の接着ボンドが、膨張するワーキングプライ210、220、300を膨張しないワーキングプライ210、220、300に固定することによって、レストプランク100の寸法変化を防止、または少なくとも減少させる傾向があるからである。プライ210、220、300を対称的に配置して、厚さの等しい外側ワーキングプライ210、220、及び外側ワーキングプライ210、220と同じ厚さの、またはこれよりも厚い中間ワーキングプライ300を使用することが好ましい。ワーキングプライ210、220、300は、応力を一様にして、レストプランク100のバランスをとるために、同じ種類の木材及び木目形状のものとすることができ、これによりレストプランク100が安定する。
幾つかの実施例について説明してきたが、本発明の主旨及び範囲から逸脱することなく様々な変形が可能であることは理解されよう。したがって、他の実施例も特許請求の範囲に含まれる。
チューニングピン用の穴を見せるために一部が切り除かれた9枚の層またはプライを備えたレストプランクの側面図である。 レストプランクの木目方向に対するチューニングピンの位置を示す概略図である。 層またはプライが階段状に切り除かれ、各層またはプライの木目方向を二重矢印で示した、図1に示すレストプランクの平面図である。 チューニングピン用の穴を見せるために一部が切り除かれた9枚の層またはプライを備えたレストプランクの側面図である。 層またはプライが階段状に切り除かれ、各層またはプライの木目方向を二重矢印で示した、図4に示すレストプランクの平面図である。 チューニングピン用の穴を見せるために一部が切り除かれた11枚の層またはプライを備えたレストプランクの側面図である。 層またはプライが階段状に切り除かれ、各層またはプライの木目方向を二重矢印で示した、図6に示すレストプランクの平面図である。 チューニングピン用の穴を見せるために一部が切り除かれた11枚の層またはプライを備えたレストプランクの側面図である。 層またはプライが階段状に切り除かれ、各層またはプライの木目方向を二重矢印で示した、図8に示すレストプランクの平面図である。 レストプランクのチューニングピンに掛かる弦の荷重角度を示す、横型またはグランドピアノの部分平面図である。 レストプランクのチューニングピンにかかる弦の荷重角度を示す、縦型ピアノの背面アセンブリの部分正面図である。
符号の説明
100 レストプランク
110 チューニングピンホール
112 穴壁
150 チューニングピン
210 第1の外側ワーキングプライ
220 第2の外側ワーキングプライ
300 中間ワーキングプライ
3000、3060、3090、3120 中間ワーキングプライ

Claims (22)

  1. 弦を張った楽器に使用されるレストプランクであって、
    第1及び第2の外側ワーキングプライと、
    前記第1及び第2の外側ワーキングプライの間に積み重ねられ、それぞれが1つの木目方向を規定する少なくとも7枚の中間ワーキングプライと、を備え、
    前記ワーキングプライが、チューニングピンを確実に受け入れるように構成されたチューニングピンホールを全体として画定することにより、前記チューニングピンが実質的に前記ワーキングプライの材端部によって囲まれ、かつこれと係合し、
    前記外側ワーキングプライの木目方向が、前記レストプランクによって規定される長手方向軸にほぼ平行に向けられ、
    前記ワーキングプライのうち2枚の木目方向が、前記長手方向軸に対して約60°から約75°の角度に向けられ、前記中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向が、前記長手方向軸にほぼ直角に向けられ、前記中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向が、前記長手方向軸に対して約105°から約120°の角度に向けられている、レストプランク。
  2. 前記中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向が、前記長手方向軸に対して約60°の角度に向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  3. 前記中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向が、前記長手方向軸に対して約120°の角度に向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  4. 前記中間ワーキングプライのうち少なくとも1枚の木目方向が、前記長手方向軸とほぼ平行に向けられていることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  5. 前記長手方向軸に対してある角度に向けられた前記中間ワーキングプライが、他のワーキングプライよりも厚いことを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  6. 前記各ワーキングプライの厚さがほぼ等しいことを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  7. 前記長手方向軸に対してある角度に向けられた前記中間ワーキングプライが、柾目引き木材からなることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  8. 前記長手方向軸に対してある角度に向けられた前記中間ワーキングプライが、板目引き木材からなることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  9. 前記各ワーキングプライがロータリーカットされた木材からなることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  10. 前記各ワーキングプライがカエデの硬材からなることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  11. 前記各ワーキングプライが隣接するワーキングプライに接着されていることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  12. 前記中間ワーキングプライが、その木目方向が対称となる順序に積み重ねられていることを特徴とする、請求項1に記載のレストプランク。
  13. 弦を張った楽器に使用されるレストプランクであって、
    第1及び第2の外側ワーキングプライと、
    前記第1及び第2の外側ワーキングプライの間に積み重ねられ、それぞれが1つの木目方向を規定する9枚の中間ワーキングプライと、を備え、
    前記ワーキングプライは、チューニングピンを確実に受け入れるように構成されたチューニングピンホールを全体として画定することにより、前記チューニングピンが実質的に前記ワーキングプライの材端部によって囲まれ、かつこれと係合し、
    前記外側ワーキングプライの木目方向が、前記レストプランクによって規定される長手方向軸にほぼ平行に向けられ、
    前記第1及び第9の中間ワーキングプライの木目方向が前記長手方向軸にほぼ直角に向けられ、前記第2、第5、及び第8の中間ワーキングプライの木目方向が前記長手方向軸にほぼ平行に向けられ、前記第3及び第7の中間ワーキングプライの木目方向が前記長手方向軸に対して約60°から約75°の角度に向けられ、前記第4及び第6の中間ワーキングプライの木目方向が前記長手方向軸に対して約105°から約120°の角度に向けられている、レストプランク。
  14. 前記中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向が、前記長手方向軸に対して約60°の角度に向けられていることを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  15. 前記中間ワーキングプライのうち2枚の木目方向が、前記長手方向軸に対して約120°の角度に向けられていることを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  16. 前記長手方向軸に対してある角度に向けられた前記中間ワーキングプライが、前記外側ワーキングプライよりも厚いことを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  17. 前記各ワーキングプライの厚さがほぼ等しいことを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  18. 前記長手方向軸に対してある角度に向けられた前記中間ワーキングプライが、柾目引き木材からなることを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  19. 前記長手方向軸に対してある角度に向けられた前記中間ワーキングプライが、板目引き木材からなることを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  20. 各ワーキングプライがロータリーカットされた木材からなることを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  21. 前記各ワーキングプライがカエデの硬材からなることを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
  22. 前記各ワーキングプライが隣接するワーキングプライに接着されていることを特徴とする、請求項13に記載のレストプランク。
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