JP2009169069A - 液晶レンズ - Google Patents

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Abstract

【課題】引き出し配線の領域における液晶の配向を安定させ、所望の光学特性を得ることを可能とする液晶レンズを提供する。
【解決手段】本発明の液晶レンズ10は、2枚の透明基板55、56がシール53を介して貼り合わされ、シール53の内側に正の誘電率異方性を持つ液晶50が充填されている。透明基板55には共通電極としてパターン電極60が形成され、透明基板56には、複数の輪帯パターン電極30と、各輪帯パターン電極30からの引き出し配線35とからなるパターン電極58が形成されている。パターン電極58、60の上には、液晶50を配向させるための配向膜52が形成されている。本発明の液晶レンズ10は、液晶50の配向方向20と引き出し配線35の並ぶ方向25とが、略等しい。これにより、電圧を印加した際の液晶50の配向乱れによる散乱光の発生を抑え、光学特性を向上させることが可能となる。
【選択図】図1

Description

本発明は、撮像光学系、投影光学系などにおいて焦点距離の調整用に用いられる液晶レンズに関する。
従来より、光学系の焦点距離または焦点位置を変化させる合焦点機構として、レンズを移動させることにより焦点を合わせる方式が広く用いられている。しかし、この方式では、レンズ駆動機構が必要であるため、機構が複雑になるという欠点や、レンズ駆動用モータに比較的多くの電力を要するという欠点がある。また、一般に耐衝撃性が低いという欠点もある。そこで、レンズ駆動機構が不要な合焦点機構として、液晶レンズの屈折率を変化させることにより焦点を合わせる方式が提案された。この液晶レンズを用いた方式は、駆動電圧を変化させることによって液晶レンズの屈折率分布を変化させて、可変焦点レンズとして機能させる方式である。
液晶レンズは、2枚の透明基板を重ねて構成される。透明基板には、所望の屈折率分布を得るために液晶を駆動する電極として、透明電極がパターニングされている。この透明電極として、輪帯状にパターニングされた電極を備える液晶レンズが知られている(例えば、特許文献1参照)。
図7は、特許文献1に記載された液晶レンズの輪帯パターン電極の構成を示す説明図である。図7に示すように、特許文献1に記載された液晶レンズは、中心部からの距離に応じて異なる幅に形成され、同心円状に配置された複数の輪帯パターン電極30と、各輪帯パターン電極に所望の電圧を印加する引き出し配線35とを有するものである。
特開2005―302248号公報(第7−8頁、第4図)
しかし、上述した従来の液晶レンズでは、次のような問題がある。特許文献1に記載された従来の液晶レンズは、引き出し配線が並んで配設された箇所において、引き出し配線のギャップ領域における液晶の配向が乱れる。液晶が正の誘電率異方性を持つ場合は、特に、図7に示すように、引き出し配線35の並ぶ方向(符号25)と液晶の配向処理の方向(符号20)とが大きく異なる(直交する)構成で、引き出し配線のギャップ領域の液晶の配向の乱れが大きい。この現象について、図8及び図9を用いて詳細に説明する。
図8及び図9は、従来の液晶レンズの引き出し配線のギャップ領域における、電圧分布および液晶の配向状態のシミュレーション結果を示す説明図である。図8は断面図であり、図9は平面図である。
透明基板81と透明基板82との間には、正の誘電率異方性を持つ液晶分子80からなる液晶が充填されている。また、透明性基板81には、分割されていない一様な電極、いわゆるベタ電極で、共通電極である透明電極83が形成され、透明基板82には、引き出し配線である透明電極84a、84bが、所定の間隔を有して形成されている。
図8(a)及び図9(a)は、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に、電圧を印加していない状態を示す。また、図8(b)及び図9(b)は、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に8.4Vの電圧を印加した際の状態を示す。図8(b)で透明基板81と透明基板82の間に示されている曲線は等電位曲線86であり、1区間で0
.4Vの電位差を示している。
図8及び図9においては、液晶層の厚みは18μmと設定し、液晶層の厚みに対して透明電極の厚みは17nmと非常に薄いことから、透明電極の厚みは0とみなしてシミュレーションを行っている。また図8においては、図面表示上の問題から、透明電極は厚く、透明基板は薄く表しており、実際のアスペクト比とは大きく異なっている。
図8(a)及び図9(a)に示す、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に電圧を印加しない状態では、液晶分子80は、長軸が、配向処理の方向(引き出し配線である透明電極84a、84bの伸びている方向)を向いて一様に並んでいる。
また図8(b)及び図9(b)に示す、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に電圧が印加された状態では、液晶分子80は、誘電率異方性により、液晶層に形成される電界に応じて向きを変える。図8(b)及び図9(b)に示す例では、透明電極83と透明電極84a、84bにより、透明基板81、82の垂直方向の電界(縦電界)が液晶層に形成される。このため、正の誘電率異方性を持つ液晶分子80は、長軸が透明基板81、82の垂直方向となるように向きを変える。
しかし、図8(b)の等電位曲線86に示すように、透明電極84a、84bが形成された領域と、透明電極84a、84bのギャップ領域では、電圧の分布が一様とならない。すなわち、透明電極84a、84bの領域からギャップ領域に行くに従って、電圧の降下が起きており、特に透明電極84、84bの端部近傍で、急激な電圧降下が生じている。すなわち、この急激な電圧降下により、透明電極84a、84bの端部近傍では、それぞれギャップ領域の中心に向けて横電界が発生している。この横電界により、液晶分子80のティルトの方向が互いに逆となる領域が生じ、局所的に液晶の配向が乱れた状態となる。
従来の液晶レンズでは、このような液晶の配向乱れにより、散乱光が生じてフレアが発生する等、光学特性が劣化してしまう問題があった。
そこで、本発明は、上記課題を解決し、液晶レンズの引き出し配線間のギャップ領域における液晶の配向を安定させて、散乱光の発生を抑え、所望の光学特性を得ることを可能とする液晶レンズを提供することを目的とする。
上述した課題を解決し、目的を達成するため、本発明の液晶レンズは下記記載の構成を採用するものである。
本発明の液晶レンズは、第1の透明基板に設けられ、同心円状に配置された複数の輪帯電極と、第2の透明基板に設けられた共通電極とで、正の誘電率異方性を持つ液晶層を挟持し、第1の透明基板に各輪帯電極に電圧を印加する引き出し配線が並んで配設された液晶レンズにおいて、各引き出し配線の並んだ方向と、液晶層の配向方向とが、略等しいことを特徴とするものである。
また、本発明の液晶レンズは、各輪帯電極は一部が開口された開口部を有し、各輪帯電極の内側に位置する輪帯電極に電圧を印加する引き出し配線が、開口部を通って配設され、開口部において、輪帯電極と引き出し配線との並んだ方向と、液晶層の配向方向とが、略等しいことを特徴とするものである。
また、本発明の液晶レンズは、2つの液晶層の配向方向が互いに直交するように、液晶層および各透明基板が重ね合わされたことを特徴とするものである。
また、本発明の液晶レンズは、第1の透明基板の両面に、各輪帯電極が設けられ、各引
き出し配線と接続した電極端子が並んで配設された電極端子群を、第1の透明基板の両面の互いに重なる位置にそれぞれ有し、各輪帯電極の中心より、第1の透明基板の第1の面で引き出し配線が配設された方向と、第1の透明基板の第2の面で引き出し配線が配設された方向とに対して、略45度をなす位置に、各電極端子群の中心が位置することを特徴とするものである。
また、本発明の液晶レンズは、第1の透明基板の両面に、互いに同一構成の輪帯電極が設けられ、第1の透明基板の第1の面と第2の面とは、同一構成の輪帯電極の引き出し配線が、同一順序で配設されたことを特徴とするものである。
本発明の液晶レンズでは、正の誘電率異方性を持つ液晶の配向方向と、引き出し配線の並ぶ方向とが略等しい。これにより、電圧を印加しない状態における液晶分子の誘電率の大きい方向(電圧を印加した際に電気力線に沿って向く方向)と、液晶層に電圧を印加した際のそれぞれの箇所の横電界の方向とが、略等しくなり、液晶に電圧が印加された際の横電界による液晶の配向乱れを防ぐことができる。よって、本発明の液晶レンズでは、引き出し配線の領域における液晶の配向乱れによる散乱光の発生を抑え、光学特性を向上させることが可能となる。
以下、添付図面を参照して、この発明にかかる液晶レンズの好適な実施の形態を詳細に説明する。
まず、本発明の実施例1の液晶レンズについて説明する。図1は、本発明の実施例1の液晶レンズ10の構成を示す説明図である。図1(a)は本発明の液晶レンズの断面図であり、図1(b)は液晶レンズの輪帯パターン電極および引き出し配線の平面図である。
図1(a)に示すように、実施例1の液晶レンズ10は、2枚の透明基板55、56が、内側面に形成されたパターン電極58、パターン電極60が対向するようにシール53を介して貼り合わされた構成を有する。シール53は、セルギャップを決めるスペーサ54が混入されており、透明基板55、56の外縁部に設けられている。シール53の内側には、液晶50が充填されている。この液晶50は、一般的な所謂一軸対称性を持つ棒状の液晶分子で、液晶分子の長軸方向の誘電率ε‖から長軸と直角方向の誘電率ε⊥を引いた誘電率異方性Δεが正となる、ポジ型液晶である。
透明基板55には、共通電極としてパターン電極60が形成され、透明基板56には、パターン電極58が形成されている。図1(b)に示すように、透明基板56のパターン電極58は、中心部からの距離に応じて異なる幅に形成され、液晶レンズ10の有効径40の領域で同心円状に配置された複数の輪帯パターン電極30と、輪帯パターン電極30からの引き出し配線35とを含んでいる。
各輪帯パターン電極30は、所定の電極間ギャップ(例えば、1.5μm)だけ離して形成されている。この輪帯パターン間ギャップ領域において液晶に印加される電圧の降下を防ぐために、輪帯パターン電極間ギャップは出来るだけ狭いことが好ましい。
引き出し配線35は、各輪帯パターン電極30の一部が開口された開口部を通って配設され、各輪帯パターン電極30と図示しない電極端子とを、1対1の対応で繋ぐ。この構成により、各輪帯パターン電極30に対して任意の電圧を独立に印加することができる。これは独立輪帯方式と呼ばれるものであり、本発明の以後の説明は、便宜上、この独立輪帯方式を用いて行う。また、本発明は、図1に示す輪帯パターン電極30及び引き出し配
線35の本数に限定されるものではない。
パターン電極58及びパターン電極60の上には、液晶50を配向させるための配向膜52がラビング処理を施され形成されている。この配向膜52によって、図1(a)、(b)の符号20で示す方向に、液晶50は配向された状態となる。配向膜52は、シール53に重なる位置まで形成されており、シール53の際まで液晶50を配向させている。
このような構成を備え、共通電極と輪帯パターン電極30との間の電位差によって液晶分子を駆動させ、有効径40内に液晶50の屈折率分布を形成することで、液晶レンズ10はレンズの効果を持つ。
実施例1の液晶レンズ10は、図1(b)に示すように、液晶の配向方向20と引き出し配線35の並ぶ方向25とが、略等しい。このように、誘電率異方性Δεが正の液晶の配向方向と引き出し配線の並ぶ方向とが略等しい構成における、引き出し配線のギャップ領域での液晶の配向状態について、図2及び図3を用いて説明する。
図2及び図3は、本発明の液晶レンズ10の引き出し配線のギャップ領域における、電圧分布および液晶の配向状態のシミュレーション結果を示す説明図である。図2は断面図であり、図3は平面図である。
透明基板81と透明基板82との間には、正の誘電率異方性を持つ液晶分子80からなる液晶が充填されている。透明基板81には、分割されていない一様な電極、いわゆるベタ電極で、共通電極である透明電極83が形成され、透明基板82には、引き出し配線である透明電極84a、84bが、所定の間隔を有して形成されている。
図2(a)及び図3(a)は、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に、電圧を印加していない状態を示す。図2(b)及び図3(b)は、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に8.4Vの電圧を印加した際の状態を示す。図3(b)で透明基板81と透明基板82の間に示されている曲線は等電位曲線86であり、1区間で0.4Vの電位差を示している。
図2及び図3においては、液晶層の厚みは18μmと設定し、液晶層の厚みに対して透明電極の厚みは17nmと非常に薄いことから、透明電極の厚みは0とみなし、透明電極84aと透明電極84bとのギャップを3.0μmとしてシミュレーションを行った。また図2においては、図面表示上の問題から、透明電極は厚く、透明基板は薄く表しており、実際のアスペクト比とは大きく異なっている。
図2(a)及び図3(a)に示す、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に電圧を印加しない状態では、液晶分子80は、長軸が、配向処理の方向(引き出し配線である透明電極84a、84bの並ぶ方向)を向いて一様に並んでいる。
図2(b)及び図3(b)に示す、透明電極83と透明電極84a、84bとの間に電圧が印加された状態では、透明基板81、82に対して垂直方向の電界(縦電界)が液晶層に形成され、正の誘電率異方性Δεを持つ液晶分子80は、長軸が透明基板81、82の垂直方向となるように向きを変える。
ここで、図2(b)の等電位曲線86に示すように、透明電極84a、84bが形成された領域と透明電極84a、84bのギャップ領域では、電圧の分布が一様とならず、透明電極84a、84bの領域からギャップ領域に行くに従って、電圧が降下する。特に、透明電極84a、84bの端部近傍で急激な電圧降下が生じ、これによりギャップ領域の中心に向けて横電界が発生している。
本発明の液晶レンズ10では、図2及び図3に示すように、液晶層に電圧を印加しない状態で液晶分子80の長軸が向く方向(液晶の配向方向)と、液晶層に電圧を印加した際に異なる電圧の分布が生じる方向(引き出し配線の並ぶ方向)と、が略等しい。すなわち
、液晶層に電圧を印加しない状態における液晶分子80の誘電率の大きい方向(電圧を印加した際に電気力線に沿って向く方向)と、液晶層に電圧を印加した際のそれぞれの箇所の横電界の方向とが、略同一となる。
これにより、液晶層に電圧を印加した際に、場所によって、液晶分子80の配向方向が大きく異なることを抑えることができる。よって、本発明の液晶レンズ10では、液晶層に電圧を印加した際の、引き出し配線領域の液晶の配向を安定させて散乱光の発生を抑え、光学特性を向上させることが可能となる。
図2及び図3では、透明電極84aと透明電極84bとに同一の電圧が印加される例を示したが、本発明は、透明電極84aと透明電極84bとに異なる電圧が印加される構成においても同様に適用可能である。
図4は、輪帯パターン電極30の開口部近傍の拡大図である。図4に示すように、本発明の液晶レンズ10では、輪帯パターン電極30の開口部において、輪帯パターン電極30と、引き出し配線35との並んだ方向25と、液晶の配向方向20とが略等しい。これにより、輪帯パターン電極30の端部33と引き出し配線35とのギャップ領域39においても、図2及び図3で説明した、引き出し配線35どうしのギャップ領域と同様に、液晶層に電圧を印加した際に、横電界により液晶分子80の配向方向が大きく異なることを抑えることができる。
よって、本発明の液晶レンズ10では、液晶層に電圧を印加した際の、引き出し配線35と輪帯パターン電極30のギャップ領域の液晶の配向を安定させて散乱光の発生を抑え、光学特性を更に向上させることが可能となる。
ここで、引き出し配線35の並ぶ方向と液晶の配向方向とを略等しく形成させたとしても、対向する共通電極であるパターン電極60を、パターン電極58よりも小さい領域で形成させた場合には、電圧印加時に、横電界の発生によって共通電極が形成されていない領域での液晶分子の配向が乱れてしまう。このため、図1に示すように、共通電極であるパターン電極60は、少なくとも有効径40以上の大きさを有し、分割されていない一様な電極、いわゆるベタ電極を含んで形成することが望ましい。
パターン電極60を、有効径40内で分割された電極を含んで形成する場合においては、分割された電極の並ぶ方向と液晶の配向方向とが略等しくなるように形成することが望ましい。これにより、分割された電極のギャップ領域における液晶の配向乱れを抑えることが可能となる。
次に、本発明の実施例2の液晶レンズについて説明する。実施例2の液晶レンズは、互いに直交する方向に配向処理された2層の液晶層を備える。2層の液晶層を、それぞれP偏光、S偏光の変調素子として機能させることで、実施例1の1層の液晶層の液晶レンズと比較して、偏光子を必要としないため、光量の多い液晶レンズとして機能させることができる。
図5は本発明の実施例2の液晶レンズ11の構成を示す説明図である。図5(a)は本発明の液晶レンズ11の断面図である。図5(b)は後述する透明基板56の一方の面に設けられたパターン電極58の平面図であり、図5(c)は透明基板56の他方の面に設けられたパターン電極59の平面図である。
図5(a)に示すように、実施例2の液晶レンズ11は、3枚の透明基板55〜57が、それぞれの面に形成されたパターン電極が対向するようにシール53を介して貼り合わされた構成を有する。シール53は、セルギャップを決めるスペーサ54が混入されており、透明基板55〜57の外縁部に設けられている。
透明基板55と透明基板56との間のシール53の内側には、誘電率異方性Δεが正で
あるポジ型液晶の液晶50が充填されている。透明基板56と透明基板57との間のシール53の内側には、同じくポジ型液晶の液晶51が充填されている。ここで液晶50、51は、それぞれ第1及び第2の液晶層の一例である。
透明基板55には、共通電極としてパターン電極60が形成されている。透明基板56の透明基板55と向かい合う面にはパターン電極58が形成され、透明基板57と向かい合う面にはパターン電極59が形成されている。透明基板57には共通電極としてパターン電極61が形成されている。
図6(a)は、透明基板56の透明基板55と向かい合う面に設けられたパターン電極58と電極端子65とを示す平面図である。図6(b)は、透明基板56の透明基板57と向かい合う面に設けられたパターン電極59と電極端子66とを、パターン電極58が設けられた面から見た透視平面図である。
図5及び図6に示すように、透明基板56のパターン電極58は、それぞれ中心部からの距離に応じて異なる幅に形成され、液晶レンズ11の有効径40の領域で同心円状に配置された複数の輪帯パターン電極31と、輪帯パターン電極31からの引き出し配線36とを含んでいる。同様に、パターン電極59は、有効径40の領域で同心円状に配置された複数の輪帯パターン電極32と、輪帯パターン電極32からの引き出し配線37とを含んでいる。
ここで、輪帯パターン電極31と輪帯パターン電極32とは、透明基板56のそれぞれの面において、互いの中心が重なる位置に形成されている。また、引き出し配線36と引き出し配線37とは、透明基板56のそれぞれの面に互いに直交する向きで形成されている。電極端子65、66は、図6に示すように、例えば透明基板56の端辺に並んで形成される。
引き出し配線36は、各輪帯パターン電極31の一部が開口された開口部を通って配設され、図6(a)に示すように、各輪帯パターン電極31と電極端子65とを1対1の対応で繋ぐ。同様に、引き出し配線37は、各輪帯パターン電極32の一部が開口された開口部を通って配設され、図6(b)に示すように、各輪帯パターン電極32と電極端子66とを1対1の対応で繋ぐ。この構成により、各輪帯パターン電極31、32に対して任意の電圧を独立に印加することができる。
各透明基板のパターン電極の上には、液晶50、51を配向させるための配向膜52がラビング処理を施され形成されている。この配向膜52によって、透明基板55と透明基板56とで挟持された液晶50は、図6(a)の符号21で示す方向に配向される。また、透明基板56と透明基板57とで挟持された液晶51は、図6(b)の符号22で示す方向に配向される。この符号21で示す方向と符号22で示す方向とは互いに直交する。
共通電極と各輪帯パターン電極30との間の電位差によって液晶分子を駆動させ、有効径40内に液晶50、51の屈折率分布を形成することで、液晶レンズ11にレンズの効果を持たせる。
実施例2の液晶レンズ11は、図6(a)に示すように、透明基板55と透明基板56とで挟持された液晶50の配向方向21と、透明基板56の透明基板55と向かい合う面に設けられた引き出し配線36の並ぶ方向26とが、略等しい。また、図6(b)に示すように、透明基板56と透明基板57とで挟持された液晶51の配向方向22と、透明基板56の透明基板57と向かい合う面に設けられた引き出し配線37の並ぶ方向27とが、略等しい。
これにより、図2及び図3を用いて説明した実施例1と同様に、液晶層に電圧を印加した際に、場所によって、液晶分子の配向方向が大きく異なることを抑えることができる。よって、本発明の液晶レンズ11では、液晶層に電圧を印加した際の、引き出し配線領域
の液晶の配向を安定させて散乱光の発生を抑え、光学特性を向上させることが可能となる。
また実施例2の液晶レンズ11は、実施例1と同様に、各輪帯パターン電極の開口部において、輪帯パターン電極と、引き出し配線との並んだ方向と、液晶の配向方向とが略等しい。これにより、輪帯パターン電極の端部と引き出し配線とのギャップ領域においても、液晶層に電圧を印加した際に、横電界により液晶分子の配向方向が大きく異なることを抑えることができる。
よって、実施例2の液晶レンズ11では、液晶層に電圧を印加した際の、引き出し配線と輪帯パターン電極のギャップ領域の液晶の配向を安定させて散乱光の発生を抑え、光学特性を更に向上させることが可能となる。
また実施例2の液晶レンズ11においても、横電界の発生による液晶分子の配向乱れを防ぐために、図5に示すように、共通電極であるパターン電極60、61は、少なくとも有効径40以上の大きさを有し、分割されていない一様な電極、いわゆるベタ電極を含んで形成することが望ましい。パターン電極60、61を、有効径40内で分割された電極を含んで形成する場合においては、分割された電極の並ぶ方向と液晶の配向方向とが略等しくなるように形成することが望ましい。
また図6に示すように、実施例2の液晶レンズ11は、輪帯パターン電極31、32の中心位置からみて、引き出し配線36が配設された方向と引き出し配線37が配設された方向とに対して、略45度をなす位置に、電極端子65からなる端子群と電極端子66からなる端子群のそれぞれの中心が位置する。透明基板56の一方の面と他方の面とで、同一構成の輪帯パターン電極の引き出し配線を、輪帯パターン電極の中心を軸とした回転方向に、同一の順序で配設することにより、同一構成の輪帯パターン電極の引き出し配線が接続された電極端子を、透明基板56の一方の面と他方の面の互いに重なる位置に形成することが可能となる。これにより、それぞれの面の電極端子に接続したFPC(Flexible
Printed Circuit)基板どうしを貼りあわせて、同一の電圧が印加される配線どうしを導通させることが容易となる。
また、透明基板56のそれぞれの面に形成された輪帯パターン電極31と輪帯パターン電極32とを同一の構成とし、同一構成の輪帯パターン電極の引き出し配線を、透明基板56の一方の面と他方の面とで、輪帯パターン電極の中心を軸とした回転方向に、逆の順序で配設することにより、それぞれの面の引き出し配線を略同じ長さで配線して配線抵抗を略同じにすることが、非常に容易となる。
図5及び図6においては、透明基板56のそれぞれの面に、輪帯パターン電極31、32及び引き出し配線36、37が形成された例を示した。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、例えば、輪帯パターン電極31及び引き出し配線36が透明基板55に形成され、輪帯パターン電極32及び引き出し配線37が透明基板57に形成されるとしても良い。
上述したように、本発明の液晶レンズは、正の誘電率異方性を持つ液晶の配向方向と、引き出し配線の並ぶ方向とが略等しい。これにより、液晶層に電圧を印加した際に、場所によって、液晶分子の配向方向が大きく異なることを抑えることができ、液晶の配向乱れを防ぐことができる。よって、本発明の液晶レンズは、引き出し配線の領域における液晶の配向乱れによる散乱光の発生を抑え、光学特性を向上させることが可能となる。
本発明は、独立輪帯方式といった引き出し配線の領域が広い方式の液晶レンズにおいて、特に有効である。
また、上述した本発明の実施の形態においては、ホモジニアス配向を例として説明した。しかし本発明はこれに限定されるものではなく、正の誘電率異方性を持つ液晶であれば、ベンド配向、スプレイ配向、ハイブリッド配向などの他の配向方式にも適用可能である。さらに本発明は、輪帯パターン電極の構成・本数・設計方法、液晶材料の種類、層数等に依らないので、液晶レンズに広く適用可能である。
また、ナノインプリント、レーザー加工などにより形成されたフレネルレンズ形状を有する透明基板を備え、透明基板上のパターン電極で液晶に電圧を印加する液晶レンズにおいても、パターン電極として引き出し配線を有する構成であれば、同様に本発明は適用可能である。
本発明の液晶レンズは、デジタルカメラ、ムービーカメラ、カメラ付き携帯電話のカメラ部、車等に搭載されて後方確認用モニターなどに用いられるカメラなどの撮像光学系に広く適用可能である。さらに本発明の液晶レンズは、撮像光学系のみならず、プロジェクタ、レーザーポインタなどの投影光学系に対しても適用可能である。
本発明の液晶レンズの構成を示す断面図および平面図である(実施例1)。 本発明の液晶レンズの引き出し配線のギャップ領域における、電圧分布および液晶分子の配向状態のシミュレーション結果を示す断面図である。 本発明の液晶レンズの引き出し配線のギャップ領域における、電圧分布および液晶分子の配向状態のシミュレーション結果を示す平面図である。 本発明の液晶レンズの輪帯パターン電極の開口部近傍の拡大図である。 本発明の液晶レンズの構成を示す断面図および平面図である(実施例2)。 本発明の液晶レンズのパターン電極および電極端子の構成を示す平面図である(実施例2)。 従来の液晶レンズのパターン電極の構成を示す平面図である。 従来の液晶レンズの引き出し配線のギャップ領域における、電圧分布および液晶分子の配向状態のシミュレーション結果を示す断面図である。 従来の液晶レンズの引き出し配線のギャップ領域における、電圧分布および液晶分子の配向状態のシミュレーション結果を示す平面図である。
符号の説明
10、11 液晶レンズ
20〜22 液晶の配向方向
25〜27 引き出し配線の並ぶ方向
30〜32 輪帯パターン電極
33 輪帯パターン電極の端部
35〜37 引き出し配線
39 輪帯パターン電極の端部と引き出し配線とのギャップ領域
40 有効径
50、51 液晶
52 配向膜
53 シール
54 スペーサ
55〜57 透明基板
58〜61 パターン電極
65、66 電極端子
80 液晶分子
81、82 透明基板
83、84a〜84c 透明電極
86 等電位曲線

Claims (5)

  1. 第1の透明基板に設けられ、同心円状に配置された複数の輪帯電極と、第2の透明基板に設けられた共通電極とで、正の誘電率異方性を持つ液晶層を挟持し、前記第1の透明基板に前記各輪帯電極に電圧を印加する引き出し配線が並んで配設された液晶レンズにおいて、
    前記各引き出し配線の並んだ方向と、前記液晶層の配向方向とが、略等しい
    ことを特徴とする液晶レンズ。
  2. 前記各輪帯電極は一部が開口された開口部を有し、
    前記各輪帯電極の内側に位置する輪帯電極に電圧を印加する引き出し配線が、前記開口部を通って配設され、
    前記開口部において、前記輪帯電極と前記引き出し配線との並んだ方向と、前記液晶層の配向方向とが、略等しい
    ことを特徴とする請求項1に記載の液晶レンズ。
  3. 2つの前記液晶層の配向方向が互いに直交するように、前記液晶層および前記各透明基板が重ね合わされた
    ことを特徴とする請求項1又は2に記載の液晶レンズ。
  4. 前記第1の透明基板の両面に、前記各輪帯電極が設けられ、
    前記各引き出し配線と接続した電極端子が並んで配設された電極端子群を、前記第1の透明基板の両面の互いに重なる位置にそれぞれ有し、
    前記各輪帯電極の中心より、前記第1の透明基板の第1の面で前記引き出し配線が配設された方向と、前記第1の透明基板の第2の面で前記引き出し配線が配設された方向とに対して、略45度をなす位置に、前記各電極端子群の中心が位置する
    ことを特徴とする請求項3に記載の液晶レンズ。
  5. 前記第1の透明基板の両面に、互いに同一構成の前記輪帯電極が設けられ、
    前記第1の透明基板の第1の面と第2の面とは、同一構成の前記輪帯電極の前記引き出し配線が、同一順序で配設された
    ことを特徴とする請求項4に記載の液晶レンズ。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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US9217874B2 (en) 2013-03-26 2015-12-22 Panasonic Intellectual Property Management Co., Ltd. Image display apparatus
WO2016145684A1 (zh) * 2015-03-18 2016-09-22 深圳市华星光电技术有限公司 显示面板及显示装置

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