JP2009168657A - 衛星信号受信装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】プリアンブルの検出処理効率を向上させる衛星信号受信装置を提供する。
【解決手段】航法データと、各セカンダリコードを含むE1−C信号とが同期していることから、復調部は、前記各セカンダリコードの先頭位置を検出し、検出した前記各セカンダリコードの先頭位置より前記航法データの先頭に配置されたプリアンブルの先頭位置を検出して、検出した前記プリアンブルの先頭位置より前記航法データを復調する。この場合、検出した前記各セカンダリコードの先頭位置は、前記プリアンブルの先頭位置の候補となるので、前記各セカンダリコードの先頭位置に対応する前記航法データの位置のみ探索すれば、より短時間で前記プリアンブルの先頭位置を検出することが可能となる。
【選択図】図4

Description

この発明は、衛星から送信されるデータ信号及びパイロット信号を受信する衛星信号受信装置に関する。
GPS(Global Positioning System)等の衛星測位システムにおいて、衛星信号受信装置は、衛星から送信される航法データ(所定のフォーマットのビットストリーム)を受信した後に、受信した前記航法データの先頭を示すプリアンブルを検出し、検出した前記プリアンブルの位置以降のデータを収集しながら復調処理を行う(例えば、特許文献1参照)。その際に、前記衛星信号受信装置は、前記フォーマットに基づいて前記復調したデータから所望のデータ(パラメータ)を摘出する。
特開平11−223669号公報
ところで、上述の衛星信号受信装置では、航法データの基本単位(サブフレーム)毎にその全域を探索することにより前記航法データ中のプリアンブルを検出するので、該プリアンブルの検出が完了するまでに一定の処理時間が必要となる。
特に、多周波受信を行う次世代の衛星測位システム(例えば、Galileo)に前述の検出方法を適用すれば、衛星信号受信装置にて受信可能な全ての衛星信号中の航法データに対して、前記各航法データの基本単位(Galileoではページ)毎にプリアンブルの検出処理を行うことになるので、該プリアンブルの検出処理効率が低下するおそれがある。
この発明は、このような問題を考慮してなされたものであり、プリアンブルの検出処理効率を向上させる衛星信号受信装置を提供することを目的とする。
この発明に係る衛星信号受信装置は、
航法データを含むデータ信号と、前記航法データに同期し且つ所定の周期でセカンダリコードが繰り返されるパイロット信号とからなる衛星信号を受信する少なくとも1つの受信処理部と、
前記各セカンダリコードの先頭位置を検出し、検出した前記各セカンダリコードの先頭位置より前記航法データの先頭に配置されたプリアンブルの先頭位置を検出し、検出した前記プリアンブルの先頭位置より前記航法データを復調する復調処理部とを有することを特徴とする。
上述のように、航法データとパイロット信号とが同期しているので、前記パイロット信号中の各セカンダリコードの先頭位置を検出すると、検出した前記各セカンダリコードの先頭位置は、前記航法データ中のプリアンブルの先頭位置の候補となる。従って、この発明によれば、前記各セカンダリコードの先頭位置に対応する前記航法データの位置のみ探索することにより前記プリアンブルの先頭位置を検出するので、前記航法データの全域にわたって探索を行う従来技術と比較して、前記プリアンブルの先頭位置の候補が大幅に絞られることになり、この結果、より短時間で前記プリアンブルの先頭位置を検出することが可能となって、該プリアンブルの検出処理効率を向上させることができる。
この発明の実施形態に係る衛星信号受信装置10は、図1に示すように、アンテナ12、ダウンコンバータ14及びベースバンド処理部16を有し、例えば、衛星測位システムとしてのGalileoの衛星信号受信装置として適用される。
図示しない複数の衛星から電波として送信されるE1信号(衛星信号)は、アンテナ12にて受信された後に、ダウンコンバータ14において増幅され、さらに、中間周波数信号Sに周波数変換(ダウンコンバート)されてベースバンド処理部16に出力される。
ここで、E1信号は、キャリア周波数1575.42MHzの衛星信号であり、BOC(1、1)により変調された後にL1帯域にて前記各衛星から送信される。この場合、Galileoを構成する前記各衛星は、符号分割多重アクセス方式(CDMA)を利用して、同じ周波数帯域(L1帯域)でスペクトラム拡散されたE1信号をそれぞれ送信し、衛星信号受信装置10は、前記各衛星のうち、現在位置において利用可能な複数の衛星からE1信号を受信する。
また、前記E1信号は、E1−B信号(データ信号)とE1−C信号(パイロット信号)とを重畳して構成される。前記E1−B信号は、航法データと測距コードとから構成されるデータ信号であって、該航法データ中のデータ列の先頭にはプリアンブルが配置されている。一方、E1−C信号は、測距コードを含むセカンダリコードにて構成されるパイロット信号である。
なお、E1信号と、前記各衛星における前記E1信号の生成方法とについては、Galileo Open Service Signal In Space Interface Control Document(以下、Galileo OSSIS−ICDという。)に詳細に規定されているので、ここでは、この実施形態に関連する内容についてのみ簡単に説明する。
図2は、E1−B信号中の航法データにおけるプリアンブルの位置と、E1−C信号中のセカンダリコードの位置とを模式的に示した説明図である。なお、図2では、前記航法データの基本単位(ページ)である250ビット分を図示している。
図2に示すように、1ページ及び1s間で250ビット(250bps)の航法データのうち、先頭の10ビットがプリアンブルとして割り当てられている。また、E1−B信号の航法データと、E1−C信号とは同期している(E1−B信号の先頭位置とE1−C信号の先頭位置とが一致している)。さらに、E1−C信号には、25ビット単位のセカンダリコードが10個連続的に配置されている。すなわち、E1−C信号において、セカンダリコードのビットレートは、航法データと同様に250bpsであり、該セカンダリコードは、25ビットの周期で10回繰り返して変調されている。
なお、前記プリアンブルは、「0101100000」の2進数で表わされるデジタルデータであり、前記各セカンダリコードは、例えば、最初の10ビットが全ての衛星に共通の「0011100000」の2進数で表わされるデジタルデータである。
図1に戻って、ベースバンド処理部16は、複数の受信チャネル(受信処理部)18(第1受信チャネル〜第N受信チャネル)とソフトウェア処理部20とを有する。
各受信チャネル18は、ベースバンド信号生成部22、相関処理部24、コード生成部26及び積算処理部28から構成される。また、ソフトウェア処理部20は、復調部30と、コード制御部34及びローカル信号制御部36を有する受信制御部32とから構成される。なお、第1〜第N受信チャネル18は、前記各衛星からのE1信号にそれぞれ対応し且つ各受信チャネル18の内部構成は互いに共通であるので、以下の説明では、第1受信チャネル18の構成について説明する。
第1受信チャネル18のベースバンド信号生成部22は、ローカル信号制御部36の制御に基づいて、ダウンコンバータ14からの中間周波数信号Sに含まれる中間周波数成分や、E1信号に含まれるドップラ周波数偏差や、前記衛星と衛星信号受信装置10との間のクロック誤差による微細な周波数偏差を除去することにより、I成分ローカル信号と、該I成分ローカル信号に直交するQ成分ローカル信号とを生成する。そして、ベースバンド信号生成部22は、中間周波数信号SとI成分ローカル信号とを混合することによりI成分ベースバンド信号Iを生成し、一方で、中間周波数信号SとQ成分ローカル信号とを混合することによりQ成分ベースバンド信号Qを生成し、生成した前記各ベースバンド信号I、Qを相関処理部24に出力する。
コード生成部26は、コード制御部34の制御に基づいて、中間周波数信号Sに含まれるPRNコード(BOC(1、1)の擬似雑音コード)と同一のレプリカPRNコード列を発生すると共に、前記レプリカPRNコード列のチップレートと同一周波数のサブキャリアを生成する。そして、コード生成部26は、前記レプリカPRNコード列と前記サブキャリアとを混合することによりレプリカBOCコードを生成し、生成したレプリカBOCコードから、例えば、0.1チップ程度の位相差を有する複数のレプリカBOCコード(E、P及びL位相のコード)E、P、Lを生成し、生成した前記各レプリカBOCコードE、P、Lを相関処理部24に出力する。なお、P位相は、コード追尾点の位相であり、E(Early)位相は、P位相よりも進んだ位相をいい、L(Late)位相は、P位相よりも遅れた位相をいう。
相関処理部24は、ベースバンド信号生成部22からのベースバンド信号Iと、コード生成部26からのレプリカBOCコードE、P、Lとの相関処理をそれぞれ行って相関値IE、IP、ILを生成し、一方で、ベースバンド信号QとレプリカBOCコードE、P、Lとの相関処理をそれぞれ行って相関値QE、QP、QLを生成し、生成した各相関値IE、IP、IL、QE、QP、QLを積算処理部28に出力する。
積算処理部28は、前記PRNコードの繰り返し周期(4msであり1ビット分の時間に相当する)の間に、相関処理部24からの各相関値IE、IP、IL、QE、QP、QLをそれぞれ積算することにより積算相関値ΣIE、ΣIP、ΣIL、ΣQE、ΣQP、ΣQLを生成し、生成した積算相関値ΣIE、ΣIP、ΣIL、ΣQE、ΣQP、ΣQLをソフトウェア処理部20に出力する。従って、積算処理部28は、1ビット毎に積算相関値ΣIE、ΣIP、ΣIL、ΣQE、ΣQP、ΣQLを生成してソフトウェア処理部20に出力する。
マイクロコンピュータ等で構成されたソフトウェア処理部20において、受信制御部32のコード制御部34は、積算処理部28からの各積算相関値ΣIE、ΣIP、ΣIL、ΣQE、ΣQP、ΣQLを用いて、中間周波数信号Sに含まれるPRNコードの初期捕捉を行った後に、第1受信チャネル18とソフトウェア処理部20との間で前記PRNコードの追尾を維持する制御ループを構成して、コード生成部26を制御する。すなわち、前記コード追尾点のP位相を得るために、E位相及びL位相の信号を利用したコード位相ディスクリミネート特性がE−L=0となるように、コード生成部26が制御される。また、ローカル信号制御部36は、中間周波数信号Sに含まれる搬送波成分の初期捕捉を行った後に、第1受信チャネル18とソフトウェア処理部20との間で前記搬送波成分の追尾を維持する制御ループを構成して、ローカル信号制御部36を制御する。
復調部30は、上記の各追尾制御が維持されることを前提として、衛星信号E1に含まれるデータ(航法データ及びセカンダリコード)の復調処理を行い、復調した各データを外部に出力する。
図3は、復調部30における航法データ及びセカンダリコード(図2参照)の復調処理を示すフローチャートである。
ステップS1において、復調部30は、25ビット単位の各セカンダリコードについて、最初の25ビットを収集する。なお、前述したように、ソフトウェア処理部20には、第1受信チャネル18から1ビット毎に積算相関値ΣIE、ΣIP、ΣIL、ΣQE、ΣQP、ΣQLが入力されるので、復調部30は、実際には、前記セカンダリコードに応じた積算相関値を収集することになる。
次に、ステップS2において、復調部30は、収集した25ビットのセカンダリコードについて、ステップS3の処理を行ったか否かを判定し、まだ行っていなければ(ステップS2のNO)、ステップS3において、前記25ビットのセカンダリコードの先頭位置を検出する。
すなわち、ステップS3において、復調部30は、予め保持されている真正なセカンダリコード(例えば、真正なセカンダリコード中の最初の10ビット「0011100000」(正相パターン))と、前記25ビットのセカンダリコード(のうち最初の10ビット)とを比較して、前記各セカンダリコードが一致するか否かのマッチングを行い、セカンダリコードが一致すれば、該セカンダリコードの先頭位置を検出する。
ステップS4において、復調部30は、ステップS3の処理によって前記先頭位置が検出できたか否か(マッチングが成功したか)を判定する。マッチングが成功したと判定できれば、あるセカンダリコードの先頭位置から25ビット先の位置は、次のセカンダリコードの先頭位置であることが分かる。従って、上述したマッチング処理の成功によって、前記各先頭位置の検出処理及びセカンダリコードの復調処理は完了し、前述した各セカンダリコードの先頭位置は、航法データの復調処理に利用される(ステップS5)。
ステップS1〜S4のみの上述した処理は、衛星から衛星信号受信装置10に送信されるE1信号の強度が比較的大きい場合について適用される。これに対して、E1信号の強度が比較的小さい場合には、S/Nの劣化により前記E1信号に混入する雑音に起因してデジタルデータの内容が変化し、ステップS3でのマッチング処理において、セカンダリコードの先頭位置を検出することが困難となるおそれがある。
そこで、この実施形態では、E1信号の強度が比較的小さい場合については、前述したステップS1〜S4の処理に加え、後述するステップS6及びS7の各処理を行うことにより、前記E1信号の強度が小さくても、前記先頭位置を検出できるようにしている。
具体的に、ステップS3において、E1信号の強度が小さいために最初(1番目)の25ビットのセカンダリコードの先頭位置に対するマッチング処理が失敗し、この結果、ステップS4において、マッチングが失敗したと判定された際に、復調部30は、前記1番目のセカンダリコードに対しステップS7の加算処理を所定回数行ったか否かを判定する(ステップS6)。ステップS6において、前記加算処理の回数が前記所定回数に到達していなければ(ステップS6のNO)、復調部30は、ステップS1に戻って次(2番目)の25ビットのセカンダリコードを収集する。次に、ステップS2において、復調部30は、ステップS1に戻った1番目のセカンダリコードについて、マッチング処理を行ったか否かを判定し、一度でもステップS3でのマッチング処理を行ったと判定すれば(ステップS2のYES)、ステップS7の加算処理を行った後に、ステップS3のマッチング処理を再度行う。
図4は、ステップS7における加算処理と、該加算処理後に行われるステップS3での先頭位置の検出処理との模式的説明図であり、ここでは、一例として、25ビット単位の2つのセカンダリコードの積算相関値(1番目及び2番目のセカンダリコードの積算相関値)のうち、最初の10ビットについてそれぞれ加算処理を行い、加算結果より各セカンダリコードの先頭位置を検出する場合について図示している。
なお、図4において、1番目及び2番目の各セカンダリコードの最初の10ビットを示す各ブロック内には、1ビット分の積算相関値(PRNコードの1周期である4ms分の相関値)がそれぞれ表記されている。この場合、復調部30では、各積算相関値が正の整数値であれば、2進数の「1」に復調し、負の整数値であれば「0」に復調する。そのため、1番目のセカンダリコードの最初の10ビットは、「01111…0」に復調され、一方で、2番目のセカンダリコードの最初の10ビットは、「00011…0」に復調される。
前述したように、セカンダリコードの最初の10ビットの正確(真正)なデジタルデータは、「0011100000」であるので、1番目のセカンダリコードの最初の10ビット「01111…0」のうち2つ目の「1」と、2番目のセカンダリコードの最初の10ビット「00011…0」のうち3つ目の「0」とがそれぞれ真正なデジタルデータと一致しないことになる。これは、前述したように、衛星から衛星信号受信装置10に送信されるE1信号の強度が小さいことによりS/Nが劣化し、この結果、前記E1信号に混入する雑音に起因してデジタルデータの内容が変化することによるものである。これにより、各セカンダリコードの先頭位置の検出が困難となるおそれがある。
そこで、この実施形態では、図4に示すように、1番目のセカンダリコードの最初の10ビットの各積算相関値と、2番目のセカンダリコードの最初の10ビットの各積算相関値とをそれぞれ加算し(ステップS7)、加算後の各積算相関値(加算結果)を復調したデジタルデータと、復調部30に予め保持されている前記真正なデジタルデータとをマッチングすることにより(ステップS3)、セカンダリコードの先頭位置を検出するようにしている。
すなわち、加算結果の各積算相関値に応じたデジタルデータは、「00111…0」となり、前記真正なデジタルデータ「0011100000」と一致する。このような加算処理を適用することにより、E1信号への雑音の混入に関わりなく、セカンダリコードの先頭位置の検出感度を高めることができる。
なお、復調部30における実際の加算処理においては、上述した2個のセカンダリコードの加算処理に限らず、2個以上のセカンダリコード(図2参照)を加算し、加算後のセカンダリコードの各ビットの積算相関値を0及び1のデジタルデータに復調して、復調後のデジタルデータと、前記真正なデジタルデータとを比較することにより、セカンダリコードの先頭位置を検出してもよい。
また、E1信号の受信時におけるサイクルスリップの発生に起因して、複数のセカンダリコードを加算してもステップS3のマッチング処理が失敗するおそれがある。そこで、ステップS6において、復調部30は、ステップS7の加算処理を所定回数行ったか否かを判定し、所定回数行った場合には(ステップS6のYES)、これ以上加算処理を行ってもステップS3のマッチング処理が失敗するものとみなし、これまでの加算結果をクリアした後に(ステップS8)、セカンダリコードの収集を最初から(ステップS1から)やり直す。
次に、復調部30における航法データの復調処理について説明する。
ステップS9において、復調部30は、航法データを収集したか否かを判定する。
ステップS9において、前記航法データの収集を行った場合(ステップS9のYES)に、復調部30は、セカンダリコードの先頭位置の検出処理が終了しているか否かを再度判定する(ステップS10)。
ステップS10において、セカンダリコードの先頭位置の検出処理が終了し、前記セカンダリコードの先頭位置が通知されたものと判定されたときに(ステップS10のYES)、復調部30は、検出した各セカンダリコードの先頭位置を用いて航法データのプリアンブルの先頭位置を検出する(ステップS11)。
前述したように、航法データと、セカンダリコードを含むE1−C信号とは同期し、しかも、各セカンダリコードは、E1−C信号中で25ビットの周期で繰り返されているので、前記各セカンダリコードの先頭位置の検出処理によって検出された該各先頭位置に対応する航法データの各位置は、前記プリアンブルの先頭位置の候補となる。従って、復調部30は、これらの候補の位置が前記プリアンブルの先頭位置であるか否かを判定する。この場合、ステップS11では、前述したセカンダリコードのマッチング処理と同様に、予め保持したプリアンブルのパターンと、収集した航法データ中のプリアンブルのパターンとを比較することにより、前記プリアンブルの先頭位置を検出することが望ましい。
プリアンブルの先頭位置の検出後に、復調部30は、収集した前記航法データについて、検出した前記プリアンブルの先頭位置から復調処理を行う(ステップS12)。
なお、ステップS9において、航法データを収集していない場合に(ステップS9のNO)、復調部30は、ステップS10以降の処理を行わず、所定時間経過後、再度、ステップS9の判定処理を行う。また、ステップS10において、セカンダリコードの先頭位置の検出処理が完了していない場合に(ステップS10のNO)、復調部30は、ステップS11以降の処理を行わず、所定時間経過後、再度、ステップS10の判定処理を行う。
以上説明したように、この実施形態に係る衛星信号受信装置10は、ソフトウェア処理部20の復調部30が各セカンダリコードの先頭位置を検出し、検出した前記各セカンダリコードの先頭位置より航法データの先頭に配置されたプリアンブルの先頭位置を検出し、検出した前記プリアンブルの先頭位置より前記航法データを復調する。
すなわち、前記航法データとE1−C信号とが同期しているので、前記E1−C信号中の前記各セカンダリコードの先頭位置を検出すると、検出した前記各セカンダリコードの先頭位置は、前記プリアンブルの先頭位置の候補となる。従って、この実施形態によれば、前記各セカンダリコードの先頭位置に対応する前記航法データの位置のみ探索することにより前記プリアンブルの先頭位置を検出するので、前記航法データの全域にわたって探索を行う従来技術と比較して、前記プリアンブルの先頭位置の候補が大幅に絞られることになり(250ビットの各位置から10ビットの各位置に絞られることになり)、この結果、より短時間で前記プリアンブルの先頭位置を検出することが可能となり、該プリアンブルの検出処理効率を向上させることができる。
また、復調部30では、前記各セカンダリコードの先頭位置を検出する際に、前記各セカンダリコードのうち、少なくとも2個のセカンダリコードの積算相関値を加算し、加算後の前記セカンダリコードの積算相関値から該セカンダリコードの先頭位置を検出するようにしているので、E1信号の強度が弱いことによりS/Nが劣化している場合でも、セカンダリコードの先頭位置の検出を確実に行うことができる。
この場合、復調部30では、加算後の前記各セカンダリコードの復調結果(デジタルデータのパターン)と、予め保持している真正なセカンダリコード(デジタルデータのパターン)とのマッチングを行うことにより、前記各セカンダリコードの先頭位置を検出するようにしているので、前記各先頭位置の検出を効率よく行うことができる。
さらに、復調部30では、25ビットのセカンダリコードを収集すると、直ちに前述のマッチング処理を行う。また、E1信号の強度が小さい場合にも、復調部30は、セカンダリコードに対する加算処理を行った後に、直ちに前記マッチング処理を行う。従って、この実施形態では、10回分のセカンダリコードを収集した後にマッチング処理を行う場合と比較して、各セカンダリコードの先頭位置の検出処理を効率よく行うことができる。
さらにまた、サイクルスリップの発生によって加算処理を行ってもマッチング処理が失敗するおそれがある。そこで、この実施形態では、加算処理が所定回数に到達した場合に、これまでの加算結果をクリアにして、セカンダリコードの収集を最初からやり直すことで、復調部30における無駄な復調処理の発生を防止することが可能となる。
上記の説明では、復調部30が前記真正なセカンダリコードのデジタルデータ「0011100000」(正相パターン)を保持している場合について説明したが、この正相パターンに対して位相が反転したパターン「1100011111」(逆相パターン)を保持していてもよい。すなわち、E1−C信号中のセカンダリコードは、正相パターン及び逆相パターンのいずれか一方のデジタルデータであるので、復調部30に正相パターン及び逆相パターンのいずれか一方のパターンが予め保持されていれば、前記マッチング及び前記各セカンダリコードの先頭位置の検出が容易となる。
従って、復調部30では、予め保持した真正なセカンダリコードと、収集して復調したセカンダリコードとの比較に基づいて、該復調したセカンダリコードが正相で復調されたのか、あるいは、逆相で復調されたのかを明確に把握することができる。
前述したように、E1−B信号の航法データと、E1−C信号とは同期しているので、復調部30では、前記セカンダリコードの復調結果に基づいて、航法データについても、正相で復調されたのか、あるいは、逆相で復調されたのかを明確に把握することができる。なお、前述したセカンダリコードに対するマッチング処理と同様に、復調部30にて予め保持している真正なプリアンブルのパターン(正相又は逆相のいずれか一方のパターン)と、収集した航法データ中のプリアンブルのパターンとのマッチングを行うことで、該プリアンブルを効率よく検出することが可能となる。
さらに、この実施形態では、GalileoのE1信号に適用した場合について説明したが、データ信号とパイロット信号とを共に衛星から送信することを採用しているL2帯やL5帯等の信号を受信する衛星信号受信装置や、他の衛星測位システムにこの実施形態を適用しても、前記データ信号中のプリアンブルの検出処理効率を確実に向上することができる。
なお、この発明は、上述した実施形態に限らず、種々の構成を採り得ることは勿論である。
この実施形態に係る衛星信号受信装置の概略システム構成図である。 E1−B信号中の航法データにおけるプリアンブルの位置と、E1−C信号中のセカンダリコードの位置とを模式的に示した説明図である。 図1の復調部における航法データ及びセカンダリコードの復調処理を示すフローチャートである。 図3のステップS7の加算処理及びステップS3の先頭位置の検出処理の模式的説明図である。
符号の説明
10…衛星信号受信装置 12…アンテナ
14…ダウンコンバータ 16…ベースバンド処理部
18…受信チャネル 20…ソフトウェア処理部
22…ベースバンド信号生成部 24…相関処理部
26…コード生成部 28…積算処理部
30…復調部 32…受信制御部
34…コード制御部 36…ローカル信号制御部

Claims (3)

  1. 航法データを含むデータ信号と、前記航法データに同期し且つ所定の周期でセカンダリコードが繰り返されるパイロット信号とからなる衛星信号を受信する少なくとも1つの受信処理部と、
    前記各セカンダリコードの先頭位置を検出し、検出した前記各セカンダリコードの先頭位置より前記航法データの先頭に配置されたプリアンブルの先頭位置を検出し、検出した前記プリアンブルの先頭位置より前記航法データを復調する復調処理部と、
    を有することを特徴とする衛星信号受信装置。
  2. 請求項1記載の衛星信号受信装置において、
    前記復調処理部は、前記各セカンダリコードのうち少なくとも2つのセカンダリコードを加算し、加算後の前記セカンダリコードから該セカンダリコードの先頭位置を検出することを特徴とする衛星信号受信装置。
  3. 請求項1又は2記載の衛星信号受信装置において、
    前記復調処理部は、予め保持している前記セカンダリコードのパターンと、前記パイロット信号中の前記各セカンダリコードのパターンとの比較に基づいて、前記各セカンダリコードの先頭位置を検出することを特徴とする衛星信号受信装置。
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