JP2009167957A - 内燃機関の排気浄化システム - Google Patents

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Abstract

【課題】EGR装置を備えた内燃機関において、リッチスパイクの実行が要求される時に、応答性良くリッチスパイクを実行し、且つ一様な還元雰囲気を作り出すことを可能とする技術を提供する。
【解決手段】排気通路に設けられた排気浄化触媒と、内燃機関から排出される排気の空燃比を制御する排気空燃比制御手段と、排気浄化触媒より上流において排気中に還元剤添加を行う手段と、所定のリッチスパイク実行条件が成立する時に排気空燃比制御手段又は排気還元剤添加によりリッチスパイクを行う手段と、還元剤添加がなされる箇所より上流の排気の一部を吸気系に流入させるEGR装置と、EGR装置によるEGRガス量を調節するEGR弁と、を備え、リッチスパイク実行条件成立時において、EGR弁の目標開度と実開度とが一致しない場合には還元剤添加によりリッチスパイクを行い、一致する場合には、排気空燃比制御手段によりリッチスパイクを行う。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の排気浄化システムに関する。
内燃機関の排気エミッションを低減する技術として、排気通路に排気浄化触媒を設けて排気を後処理によって浄化する技術が知られている。排気浄化触媒が排気浄化能力を好適に発揮できるために、排気浄化触媒の温度が触媒毎に決まった活性温度以上となり、且つ、排気浄化触媒の雰囲気が触媒毎に決まった排気空燃比の雰囲気になる必要がある。ディーゼルエンジンの場合、排気温度が低く、且つ排気空燃比が酸素過剰雰囲気であるので、排気浄化触媒を昇温する技術や、排気浄化触媒の雰囲気を所定の排気空燃比雰囲気(リッチ雰囲気、還元雰囲気、酸素濃度低下雰囲気等)に制御する技術の開発が重要な課題である。
排気浄化触媒の雰囲気を一時的にストイキ又はリッチ空燃比の雰囲気とする技術(以下、リッチスパイクと称する)として、機関出力を得るための主たる燃料噴射の実行後に少量の燃料を噴射する技術が知られている(ポスト噴射という)。ポスト噴射により噴射された燃料は、機関出力に殆ど寄与することなく燃焼ガス中で軽質な炭化水素(HC)に改質され、排気系に排出される。この炭化水素は還元剤として、排気浄化触媒の触媒作用による反応や、排気中における酸化還元反応により発熱し、結果として排気や排気浄化触媒の温度を上昇させる。また、内燃機関においてストイキ又はリッチ空燃比のガスを燃焼させることによって、燃焼によって発生する既燃ガスの雰囲気が排気浄化触媒において要求されるストイキ又はリッチ空燃比となるようにする技術も知られている。
リッチスパイクを行う技術として、排気中に直接燃焼などの還元剤を添加する添加弁を排気系に設置し、この添加弁によって触媒の上流から燃料等の還元剤を添加する技術が知られている(排気還元剤添加という)。排気還元剤添加により排気系に添加された還元剤は、排気中で霧化して拡散する。この還元剤が上記と同様に排気浄化触媒の触媒作用による反応や、排気中における酸化還元反応により発熱し、結果として排気や排気浄化触媒の温度を上昇させる。
リッチスパイクを実行することにより、所定の還元雰囲気(又はリッチ雰囲気、酸素濃度低下雰囲気等)において好適に発揮され得る触媒機能を、通常空気過剰雰囲気であるディーゼルエンジンの排気系において発揮せしめることが可能となる。
リッチスパイクに関連する技術として、排気浄化触媒を昇温する手段として、上記ポスト噴射を行う手段と排気還元剤添加を行う手段とを備え、ポスト噴射における燃料噴射パターンや排気還元剤添加における還元剤添加パターンを補正することにより排気系内の温度を所定の目標温度に近付けることを図った技術が特許文献1に記載されている。
内燃機関の排気エミッションを低減する技術として、内燃機関の排気系から排気の一部を吸気系に戻す技術(EGR)も知られている。EGRを行うことにより、内燃機関から排出されるガス中に含まれる有害物質(NOx等)の量を低減することができる。上述した排気浄化触媒を用いた後処理による排気浄化と組み合わせることにより、より効果的に排気エミッションの低減を図ることができる。EGRを行う装置は、例えば、排気系と吸気系とを接続する通路(EGR通路)を設け、該EGR通路を介して排気の一部を吸気通路に流入させる装置として構成することができる。
特開2003−172185号公報
排気浄化触媒を好適に昇温し、排気浄化触媒に好適にその触媒機能を発揮せしめるためには、リッチスパイクによって均一な排気空燃比の排気を作り出し、且つ、リッチスパイクを実行すべき条件が成立した時に応答性良くリッチスパイクを実行することが重要である。
本発明は上記のような事情に鑑みて考え出されたものであり、EGR装置を備えた内燃機関において、リッチスパイクの実行要求がなされる時(排気浄化触媒において還元雰囲気を作り出すことが要求される時)に、応答性良くリッチスパイクを実行し、且つリッチスパイクにより排気浄化触媒において作り出すことが要求される雰囲気を一様に排気浄化触媒において作り出すことを可能とする技術を提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、本発明の内燃機関の排気浄化システムは、
内燃機関の排気系に設けられ排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒と、
前記内燃機関から排出される排気の空燃比を制御する排気空燃比制御手段と、
前記排気系における前記排気浄化触媒より上流の箇所において排気中に還元剤を添加する排気還元剤添加手段と、
所定のリッチスパイク実行条件が成立する時に前記排気空燃比制御手段又は前記排気還元剤添加手段により前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をストイキ又はリッチとするリッチスパイクを実行するリッチスパイク手段と、
前記排気系における前記排気還元剤添加手段により還元剤が添加される箇所より上流の箇所と前記内燃機関の吸気系とを接続するEGR通路を有し、該EGR通路を介して排気の一部を前記吸気系に流入させるEGRを行うEGR装置と、
前記EGR装置により前記吸気系に流入する排気の量を調節するEGR弁と、
を備え、
前記リッチスパイク手段は、前記リッチスパイク実行条件が成立する時に、
前記EGR弁の目標開度と該EGR弁の実際の開度とが一致しない場合には、前記排気還元剤添加手段によって前記リッチスパイクを実行し、
前記EGR弁の目標開度と該EGR弁の実際の開度とが一致する場合には、前記排気空燃比制御手段によって前記リッチスパイクを実行する手段であることを特徴とする。
「EGR弁の目標開度と実際の開度とが一致する」とは、EGR弁の実際の開度と目標開度とが等しいことを意味するものであっても良いし、EGR弁の実際の開度が目標開度を含む一定の範囲内に含まれることを意味するものであっても良い。
「リッチスパイク実行条件」とは、排気浄化触媒の雰囲気を還元雰囲気とすべき条件である。換言すると、排気浄化触媒に流入する排気の空燃比を還元雰囲気とすべき条件である。ここで「還元雰囲気」とは、排気空燃比がストイキよりリッチである雰囲気や、ストイキよりリッチではないものの通常運転時よりも酸素濃度が低下した雰囲気や、排気浄化触媒において酸化還元反応を好適に進行させることが可能な所定の雰囲気等を含む。具体的には、排気浄化触媒の温度を排気浄化触媒その触媒作用を好適に発揮し得る活性温度以上まで上昇させるべき時や、排気浄化触媒がその触媒作用を発揮するために排気浄化触媒の雰囲気が還元雰囲気であることを要する場合であって、当該排気浄化触媒にその触媒作用を発揮させて排気の浄化を行わせるべき時等を例示できる。例えば、吸蔵還元型NOx触媒に対してNOx還元放出処理や硫黄被毒回復処理を行う場合や、パティキュレートフィルタに対して再生処理を行う場合の昇温処理を行う場合等を例示できる。
リッチスパイク実行条件が成立した時(リッチスパイクの実行が要求される時)に、応答性良くリッチスパイクを実行し、且つ均一な還元雰囲気を排気浄化触媒において作り出すことにより、排気浄化触媒の昇温や排気浄化作用の発揮や再生処理等を好適に実行することができる。ここで、本発明においては、リッチスパイク手段は、排気空燃比制御手段又は排気還元剤添加手段によりリッチスパイクを実行することができる。排気空燃比制御手段によるリッチスパイクと排気還元剤添加によるリッチスパイクとは、その応答性と均一性に関してそれぞれ異なる特性を有する。
排気空燃比制御手段によるリッチスパイクは、ポスト噴射を行うことや、内燃機関においてストイキ又はリッチ空燃比のガスを燃焼させることによって実行できる。ポスト噴射は、機関出力を得るための主たる燃料噴射の実行後に行われる少量の燃料噴射であり、ポスト噴射された燃料は燃焼室内の燃焼ガス中で十分に軽質化され反応性の高い状態となるとともに、燃焼ガス中に均一に分散した状態となって排気系に排出されるので、均一性に優れた還元雰囲気を排気浄化触媒において作り出すことができる。ストイキ又はリッチ空燃比のガスを燃焼させた場合にも、当該燃焼によって発生する既燃ガスは均一性に優れた還元雰囲気の排気となって内燃機関から排出される。
しかしながら、本発明の構成ではEGR装置により排気の一部が吸気系に戻され、EGR装置によって吸気系に戻される排気の量はEGR弁によって調節されるようになっている。従って、排気空燃比制御手段によるリッチスパイクを実行した場合、当該リッチスパイクの実行によって排気系に供給された還元成分の一部が吸気系に流入し、それによって内燃機関の吸入ガスの空燃比が目標からずれて、燃焼騒音やトルク変動等を生じる可能性がある。
このような問題に鑑み、通常EGR装置を備えた内燃機関において排気空燃比制御によるリッチスパイクを実行する場合には、EGR弁を閉弁してEGR装置による吸気系への排気の供給を停止することが行われる。しかしながら、EGR弁をある目標開度にすべく開度制御指令が発せられてから、実際にEGR弁の開度が当該目標開度に一致するまでには、遅れが存在する。そのため、上述したような燃焼騒音やトルク変動等の発生を回避するためには、リッチスパイクを実行すべき条件が成立してそれに応じてEGR弁の目標開度が全閉に設定されてから、実際にEGR弁の開度が目標開度に一致して全閉されるまでの応答遅れ時間に応じて、リッチスパイクの実行も遅らせる必要がある。
このように、排気空燃比制御手段によるリッチスパイクは、リッチスパイクの実行要求に対して応答性良くリッチスパイクを実行できない場合がある。
一方、排気還元剤添加によりリッチスパイクを行う場合、上記本発明の構成における排気還元剤添加手段は排気系におけるEGR通路の接続箇所よりも下流側において排気中に還元剤を添加するように構成されるので、EGR装置によるリッチ雰囲気の排気の吸気系への回り込みに起因する上記のような問題の発生について考慮せずに、リッチスパイクの実行要求に対して応答性良くリッチスパイクを実行することができる。
しかしながら、排気還元剤添加手段によりリッチスパイクを行う場合、排気系内で還元剤が十分に霧化し分散することが可能な環境条件が整っていないとき(例えば排気の温度が低い場合や排気流量が少ない場合等)には、添加された還元剤が排気通路内壁面に付着してしまったり、排気浄化触媒に局所的に濃度の異なる還元剤が供給されてしまったりすることにより、十分に均一な還元雰囲気を排気浄化触媒において作り出すことが難しい場合がある。
上記本発明の構成によれば、リッチスパイク手段は、実際のEGR弁開度が目標開度と
一致しない場合には、排気還元剤添加手段によってリッチスパイクを行う。
ここで、EGR弁の目標開度は、全閉又はEGR弁の開度として設定可能な最小開度とすることができる。実際のEGR弁開度と目標開度とが一致しない場合とは、上記のように、リッチスパイクの実行条件が成立して、それに応じたEGR弁の目標開度(例えば、全閉又は設定可能な最小開度)が設定されてから、実際のEGR弁開度が当該目標開度に一致するまでに要する応答時間が終了していない場合である。実際のEGR弁開度と目標開度とが一致しない場合に排気空燃比制御手段によるリッチスパイクを実行すると、上記のように、EGR装置によるリッチスパイクによるリッチな排気の吸気系への回り込みにより問題が生じる可能性がある。
本発明によれば、このような場合において排気還元剤添加によりリッチスパイクが行われるので、EGR弁の実際の開度が目標開度に一致していない状態であっても、リッチな排気がEGR装置によって吸気系に回り込む虞がない。従って、リッチスパイク実行条件が成立した時点で即座に応答性良くリッチスパイクを実行することができる。これにより、排気浄化触媒の昇温や排気浄化作用の発揮や触媒再生処理等を好適に実行することが可能になる。
また、リッチスパイク手段は、実際のEGR弁開度が目標開度と一致する場合には、排気空燃比制御手段によってリッチスパイクを行う。実際のEGR弁開度が目標開度と一致する場合、すなわち、リッチスパイク実行条件の成立に伴って設定された目標開度へのEGR弁開度の変化が完了している場合には、排気空燃比制御手段によるリッチスパイクの実行によって排気系に供給されるリッチな排気がEGR装置によって吸気系に回り込むことが抑制されるので、排気空燃比制御手段によるリッチスパイクを実行しても、上記のような問題が生じる虞はない。従って、このような場合には、ポスト噴射によってリッチスパイクを行うようにすれば、均一性に優れた還元雰囲気を排気浄化触媒において作り出すことができ、排気浄化触媒の全域においてむら無く触媒昇温や触媒作用の発揮や触媒再生処理を実行することができる。
上記のように、排気還元剤添加によってリッチスパイクを行う場合、排気還元剤添加手段により排気中に添加された還元剤が十分に霧化し分散することが困難な条件下では、当該排気還元剤添加によって排気浄化触媒に均一な還元雰囲気を作り出すことが難しい場合がある。そこで、本発明においては、
前記内燃機関の回転数を取得する回転数手段と、
前記排気系における前記排気還元剤添加手段により還元剤が添加される箇所近傍の温度を取得する温度手段と、
を更に備え、
前記リッチスパイク手段は、前記回転数取得手段により取得される回転数が所定回転数より低い場合又は前記温度取得手段により取得される温度が所定温度より低い場合には、前記排気還元剤添加手段による前記リッチスパイクを実行しないようにしても良い。
ここで、「所定回転数」とは、排気還元剤添加手段により排気中に添加された還元剤が十分に霧化し分散することが可能な排気流量となる内燃機関の回転数の下限値に基づいて定められる回転数の基準値である。すなわち、所定回転数より内燃機関の回転数が低い場合は、排気還元剤添加により添加された還元剤は排気中で十分に霧化し分散することができない可能性がある。また、「所定温度」とは、排気還元剤添加手段により排気中に添加された還元剤が十分に霧化し分散することが可能な排気温度の下限値に基づいて定められる排気温度の基準値である。すなわち、所定温度より排気温度が低い場合は、排気還元剤添加により添加された還元剤は排気中で十分に霧化し分散することができない可能性がある。
上記構成によれば、内燃機関の回転数が所定回転数より低い場合又は還元剤添加手段により還元剤が添加される箇所近傍の温度が所定温度より低い場合には、リッチスパイクを実行するに当たって排気還元剤添加によってはリッチスパイクを行わない。すなわち、そのような場合にリッチスパイク実行条件が成立するときは、排気空燃比制御手段によってリッチスパイクが実行される。上記のように、排気空燃比制御手段によるリッチスパイクでは、排気温度や回転数によらず、十分に霧化分解して反応性の高い状態の還元成分が均一に排気中に分散した状態で還元剤の供給が行われるので、低回転又は低排気温条件下においても好適に排気浄化触媒に還元雰囲気を作り出すことができる。
なお、リッチスパイク実行条件が成立する時にEGR弁の目標開度と実際のEGR弁開度とが一致しない場合であって、回転数取得手段により取得される回転数が所定回転数より低い場合又は温度取得手段により取得される温度が所定温度より低い場合には、リッチスパイク実行条件が成立していてもリッチスパイクを行わないようにしても良い。これは、このような場合に排気空燃比制御手段によるリッチスパイクを行うと上記のような問題が生じる可能性があり、且つ排気還元剤添加によるリッチスパイクでは十分に均一な還元雰囲気を作り出すことができない可能性があるため、いずれの方法によっても好適に還元雰囲気を作り出すことができない可能性があるからである。このような場合にはリッチスパイクを実行しないようにすれば、排気浄化触媒において要求されている還元雰囲気の醸成に好適に寄与しない無駄な燃料や還元剤の消費を抑制することもできる。
ところで、排気空燃比制御手段によるリッチスパイクにおいて、特にポスト噴射によりリッチスパイクを行う場合、ポスト噴射により筒内に噴射された燃料がピストン表面やシリンダ内壁面に付着し、オイル希釈を招く場合がある。過度のオイル希釈は内燃機関に悪影響を及ぼす虞がある。そこで、本発明において、
前記内燃機関の気筒におけるオイル希釈度合を取得する希釈度合取得手段を更に備え、
前記リッチスパイク手段は、前記希釈度合取得手段により取得されるオイル希釈度合が所定度合より高い場合には、前記排気空燃比制御手段による前記リッチスパイクを実行しないようにしても良い。
ここで、「所定度合」とは、内燃機関の潤滑性能等オイル希釈度合に依存する機関性能が許容レベルを超えて悪化する虞がないようなオイル希釈度合の上限値に基づいて定められるオイル希釈度合の基準値である。すなわち、所定度合よりオイル希釈度合が高い場合は、内燃機関の潤滑性能等のオイル希釈度合に依存する機関性能が許容レベルを超えて悪化する可能性がある。
上記構成によれば、オイル希釈度合が所定度合より高い場合には、リッチスパイクを実行するに当たってポスト噴射によってはリッチスパイクを行わない。すなわち、そのような場合にリッチスパイク実行条件が成立するときは、排気還元剤添加によるリッチスパイクが実行される。排気還元剤添加によってリッチスパイクを行ってもオイル希釈度合を悪化させることはないので、オイル希釈度合の過度の上昇による内燃機関への悪影響を抑制できるとともに、要求される還元雰囲気を排気浄化触媒において確実に作り出すことができる。
なお、リッチスパイク実行条件が成立する時にEGR弁の目標開度と実際のEGR弁開度とが一致する場合(EGR弁の全閉又は最小開度への変化が完了した場合)であって、希釈度合取得手段により取得されるオイル希釈度合が所定度合より高い場合には、ポスト噴射によるリッチスパイクを実行しない代わりに、排気還元剤添加によるリッチスパイクを実行するようにしても良い。これは、このような場合には排気空燃比制御手段によって好適なリッチスパイクを実行可能であることは上述の通りであるが、排気還元剤添加によ
るリッチスパイクも特に問題なく好適なリッチスパイクを実行可能だからである。
換言すると、排気還元剤添加によるリッチスパイクに関しては、上述した回転数が所定回転数より低い場合又は還元剤が添加される箇所近傍の温度が所定温度より低い場合以外には、目標EGR弁開度と実EGR弁開度との一致不一致にかかわらず、燃焼騒音やトルク変動等の問題を生じることなく好適に還元雰囲気を作り出すことができるので、EGR弁の目標開度と実際のEGR弁開度とが一致する状況において、上記オイル希釈度合が高い場合などのポスト噴射を行うことが好ましくない場合には、ポスト噴射の代わりに排気還元剤添加によってリッチスパイクを行うことができる。
本発明により、EGR装置を備えた内燃機関において、リッチスパイクの実行要求がなされる時に、応答性良くリッチスパイクを実行し、且つリッチスパイクにより排気浄化触媒において作り出すことが要求される雰囲気を一様に排気浄化触媒において作り出すことが可能になる。
以下、本発明に係る内燃機関の排気浄化システムを、ディーゼルエンジンシステムに適用した一実施例について説明する。本実施例に記載されている構成部品の寸法、材質、形状、その相対配置等は、特に記載がない限りは、発明の技術的範囲をそれらのみに限定する趣旨のものではない。
図1は、本実施例に係る内燃機関の吸排気系の概略構成を示す図である。図1において、内燃機関(以下、エンジンという)1は、燃料供給系10、燃焼室20、吸気系30及び排気系40等を主要部として構成される直列4気筒のディーゼルエンジンシステムである。
燃料供給系10は、サプライポンプ11、コモンレール12、燃料噴射弁13、遮断弁14、調量弁16、燃料添加弁17、機関燃料通路P1及び添加燃料通路P2等を備えて構成される。サプライポンプ11は、燃料タンク(図示略)から汲み上げた燃料を高圧にし、機関燃料通路P1を介してコモンレール12に供給する。コモンレール12は、サプライポンプ11から供給された高圧燃料を所定圧力に保持(蓄圧)する蓄圧室としての機能を有し、この蓄圧した燃料を各燃料噴射弁13に分配する。燃料噴射弁13は、その内部に電磁ソレノイド(図示略)を備えた電磁弁であり、適宜開弁して燃焼室20内に燃料を噴射供給する。
サプライポンプ11は、燃料タンクから汲み上げた燃料の一部を添加燃料通路P2を介して燃料添加弁17に供給する。添加燃料通路P2には、サプライポンプ11から燃料添加弁17に向かって遮断弁14及び調量弁16が順次配設されている。遮断弁14は、緊急時において添加燃料通路P2を遮断し、燃料供給を停止する。調量弁16は、燃料添加弁17に供給する燃料の圧力(燃圧)PGを制御する。燃料添加弁17は、燃料噴射弁13と同じくその内部に電磁ソレノイド(図示略)を備えた電磁弁であり、還元剤として機能する燃料を、適宜の量、適宜のタイミングで排気マニホールド41における排気通路43の接続箇所近傍に添加供給する。
吸気系30は、各燃焼室20内に供給される吸入空気の通路(吸気通路)33及び吸気マニホールド34を有して構成される。一方、排気系40は、各燃焼室20から既燃ガスが排出される排気マニホールド41及び排気通路43を有して構成される。
このエンジン1には、周知の過給機(ターボチャージャ)50が設けられている。ターボチャージャ50は、シャフト51を介して連結された回転体52,53を備える。一方の回転体(タービンホイール)52は排気系40内の排気に晒され、他方の回転体(コンプレッサホイール)53は、吸気系30内の吸気に晒される。このような構成を有するターボチャージャ50は、タービンホイール52が受ける排気流(排気圧)を利用してコンプレッサホイール53を回転させ、吸気圧を高めるといったいわゆる過給を行う。
吸気系30において、ターボチャージャ50に設けられたインタークーラ31は、過給によって昇温した吸入空気を強制冷却する。インタークーラ31よりもさらに下流に設けられたスロットル弁32は、その開度を無段階に調節することのできる電子制御式の開閉弁であり、所定の条件下において吸入空気の流路面積を変更し、同吸入空気の供給量(流量)を調整する機能を有する。
また、エンジン1には、排気マニホールド41における排気通路43の接続箇所と反対側の箇所と、吸気マニホールド34とを連通する排気還流通路(EGR通路)60が設けられている。このEGR通路60を介して排気の一部が吸気系30に戻される。EGR通路60には、電子制御によって無段階に開閉され、同通路を流れる排気(EGRガス)の流量を自在に調整することができるEGR弁61と、EGR通路60を通過する排気を冷却するためのEGRクーラ62が設けられている。
また、排気系40において、同排気系40及びEGR通路60の連絡部位の下流には、吸蔵還元型NOx触媒42a及びパティキュレートフィルタ42bを収容した排気浄化装置42が設けられている。
また、エンジン1の各部位には、各種センサが取り付けられており、当該部位の環境条件や、エンジン1の運転状態に関する信号を出力する。すなわち、レール圧センサ70は、コモンレール12内に蓄えられている燃料の圧力に応じた検出信号を出力する。燃圧センサ71は、添加燃料通路P2内を流通する燃料のうち、調量弁16を介して燃料添加弁17に導入される燃料の圧力(燃圧)PGに応じた検出信号を出力する。エアフロメータ72は、吸気系30内のコンプレッサホイール53上流において吸入空気の流量(吸気量)GAに応じた検出信号を出力する。空燃比(A/F)センサ73は、排気系40の排気浄化装置42下流において排気中の酸素濃度に応じて連続的に変化する検出信号を出力する。EGR弁開度センサ74は、EGR弁61の実際の開度に応じた検出信号を出力する。アクセルポジションセンサ76はアクセルペダル(図示略)に取り付けられ、同ペダルの踏み込み量ACCに応じた検出信号を出力する。クランク角センサ77は、エンジン1の出力軸(クランクシャフト)が一定角度回転する毎に検出信号(パルス)を出力する。オイルレベルセンサ78は、エンジン1の潤滑油レベルに応じた検出信号を出力する。排気温度センサ79は、排気系40における燃料添加弁17近傍の温度に応じた検出信号を出力する。これら各センサは、電子制御装置(ECU)80と電気的に接続されている。
ECU80は、中央処理装置(CPU)81、読み出し専用メモリ(ROM)82、ランダムアクセスメモリ(RAM)83及びバックアップRAM84、タイマーカウンタ85等を備え、これら各部81〜85と、A/D変換器を含む外部入力回路86と、外部出力回路87とが双方向性バス88により接続されて構成される論理演算回路を備える。このように構成されたECU80は、上記各種センサの検出信号を外部入力回路を介して入力し、これら信号に基づき燃料噴射弁13の開閉弁動作に関する制御や、EGR弁61の開度調整、或いはスロットル弁32の開度調整等、エンジン1の運転状態に関する各種制御を実施する。
次に、以上説明したエンジン1の構成要素のうち、排気系40に設けられた排気浄化装
置42について、その構造及び機能を詳しく説明する。
排気浄化装置42の内部には、アルミナ(Al)を主成分とするストレートフロー型のハニカム構造体を有して成る吸蔵還元型NOx触媒(以下、NOx触媒という)42aと、多孔質材料を主成分とするウォールフロー型のパティキュレートフィルタ(以下、単にフィルタという)42bとが所定の間隔をあけて直列に配置されている。
NOx触媒42aを構成するハニカム構造体を形成する複数の通路には、例えばアルミナからなる担体の層が形成されており、その担体層の表面にNOx吸蔵剤として機能する例えばカリウム(K)、ナトリウム(Na)、リチウム(Li)、セシウム(Cs)のようなアルカリ金属、バリウム(Ba)、カルシウム(Ca)のようなアルカリ土類、ランタン(La)、或いはイットリウム(Y)のような希土類と、酸化触媒(貴金属触媒)として機能する例えば白金(Pt)のような貴金属とが担持されている。なお、担体(ここではアルミナからなる担体層が形成されたハニカム構造体)上に混在するよう担持されたこれらNOx吸蔵剤及び貴金属触媒は、併せてNOx触媒の触媒作用を発揮する。
NOx吸蔵剤は、排気中の酸素濃度が高い状態ではNOxを吸蔵し、排気中の酸素濃度が低い状態(還元成分の濃度が高い状態)ではNOxを放出する特性を有する。また、排気中にNOxが放出されたとき、排気中にHCやCO等が存在していれば、貴金属触媒がこれらHCやCOの酸化反応を促すことで、NOxを酸化成分、HCやCOを還元成分とする酸化還元反応が両者間で起こる。すなわち、HCやCOはCOやHOに酸化され、NOxはNに還元される。また、NOx吸蔵剤が所定の限界量のNOxを吸蔵すると、排気中の酸素濃度が高い状態にあるときでもそれ以上NOxを吸蔵することができなくなる。
ディーゼルエンジンの排気は通常酸素濃度が高く、NOx吸蔵剤からNOxを放出させることが困難なため、本実施例のエンジン1では、NOx触媒(NOx吸蔵剤)のNOx吸蔵量が限界量に達する前に、排気系40に還元成分を供給し、NOx触媒42aを通過する排気の酸素濃度を一時的に低下させて還元雰囲気とする排気空燃比制御を行う。このように一時的に還元雰囲気の排気を作り出す排気空燃比制御を「リッチスパイク」と称する。リッチスパイクを行うことによって排気系40に供給された還元成分がNOx触媒42aに吸蔵されたNOxを放出および還元浄化することになり、NOx触媒42aのNOx吸蔵能力を回復させることができる。このように、NOx触媒42aの雰囲気を還元雰囲気とすることによってNOx触媒42aに吸蔵されたNOxを還元浄化する処理を「NOx還元処理」と称する。
フィルタ42bを形成する多孔質材料は、例えばコージライト等のセラミック材料にアルミナ、チタニア、ジルコニア若しくはゼオライト等のコート材をウォッシュコートしたものであり、排気を透過する性質を有する。また、フィルタ42bは、互いに平行をなして延びる上流端が開放され下流端が閉ざされた排気流入通路と、上流端が閉ざされ下流端が開放された排気流出通路とを備えるいわゆるウォールフロー型である。そして、両排気通路間に位置する隔壁の表面及び内部に形成された細孔内に、表面に上記NOx吸蔵剤と貴金属触媒とを担持するアルミナ等のコート層(担体層)が形成されている。
このような構造を有するフィルタ42bは、排気中に含まれる煤等の微粒子やNOx等の有害成分を、以下のメカニズムに基づいて浄化する。
NOx吸蔵剤が、貴金属触媒との協働により、排気中の酸素濃度や還元成分量に応じてNOxの吸蔵、放出及び浄化を繰り返し行うことは上述した通りである。その一方、NOx吸蔵剤は、このようなNOxの浄化を行う過程で、副次的に活性酸素を生成する特性を
有する。フィルタ42bを排気が透過する際、その排気中に含まれる煤等の微粒子は構造体(多孔質材料)に捕捉される。ここで、NOx吸蔵剤の生成する活性酸素は、酸化剤として極めて高い反応性(活性)を有しているため、捕捉された微粒子のうちNOx触媒の表面や近傍に堆積した微粒子は、この活性酸素と(輝炎を発することなく)速やかに反応し、浄化されることになる。
また、排気浄化装置42内の上流側に配置されたNOx触媒42aにおいてNOx還元反応が進行している時に発生する反応熱は、下流側に配置されたフィルタ42bを効率的に昇温し、当該フィルタ42bによる微粒子の分解作用を高めることになる。
フィルタ42bに微粒子が過剰に堆積した状態となると、フィルタ42bにおける圧力損失が過剰に大きくなり、エンジン1の機関性能を低下させる原因となる可能性がある。そこで、フィルタ42bに堆積した微粒子を熱分解することができる程度にまでフィルタ42bを昇温し、フィルタ42bに堆積したPMを酸化除去する処理(以下、「フィルタ再生処理」という)を行う。フィルタ再生処理を行う場合には、NOx触媒42aやフィルタ42bに担持されたNOx吸蔵剤においてNOx放出還元反応を進行させてその反応熱によりフィルタ42bを昇温する必要がある。従って、フィルタ再生処理を行うべき時には、上述のNOx触媒42aの場合と同様に、リッチスパイクを実行する。
以上説明したように、本実施例では、NOx還元処理を実行すべき場合、換言すると、NOx触媒42aに吸蔵されたNOxの量が許容量を超えると判定される場合に、NOx触媒42aに吸蔵されたNOxをNOx触媒42aから放出させると共に当該放出されたNOxを還元浄化することが可能な還元雰囲気をNOx触媒42aにおいて作り出すべく、リッチスパイクを実行する。すなわち、本実施例において「NOx還元処理を実行すべき場合」が、本発明における「リッチスパイク実行条件が成立する場合」に相当する。
また、本実施例では、フィルタ再生処理を実行すべき場合、換言すると、フィルタ42bにおける微粒子の堆積量が許容量を超えると判定される場合に、フィルタ42bに堆積した微粒子を強制酸化させることができる程度にフィルタ42を昇温することが可能な還元雰囲気をフィルタ42bにおいて作り出すべく、リッチスパイクを実行する。すなわち、本実施例において「フィルタ再生処理を実行すべき場合」が、本発明における「リッチスパイク実行条件が成立する場合」に相当する。
NOx還元処理やフィルタ再生処理を実行すべき場合、すなわちリッチスパイク実行条件の成立時に、応答性良くリッチスパイクを実行し、且つ、NOx触媒42aやフィルタ42bにおいてなるべく均一な還元雰囲気を作り出すことにより、NOx還元処理やフィルタ再生処理を好適に実行し、NOx触媒42aやフィルタ42bによる排気浄化効果を良好且つ効率的に発揮させることが可能となる。
ECU80は、各種センサの検出信号から把握されるエンジン1の運転条件に基づき燃料噴射制御を実施する。本実施の形態において燃料噴射制御とは、各燃料噴射弁13を通じた各燃焼室20内への燃料噴射の実施に関し、燃料の噴射量Q、噴射タイミング、噴射パターンといったパラメータを設定し、これら設定されたパラメータに基づいて個々の燃料噴射弁13の開閉弁操作を実行する一連の処理をいう。
ECU80は、このような一連の処理を、エンジン1の運転中所定時間毎に繰り返し行う。燃料の噴射量Q及び噴射タイミングは、基本的にはアクセルペダルの踏み込み量ACCおよびエンジン回転数NE(クランク角センサのパルス信号に基づいて演算することができるパラメータ)に基づき、予め設定されたマップ(図示略)を参照して決定する。
また、燃料の噴射パターンの設定に関し、ECU80は、圧縮上死点近傍での燃料噴射を主噴射として各気筒について行うことで機関出力を得る他、主噴射に後続する燃料噴射(以下、ポスト噴射という)を、副噴射として実行することができる。
ポスト噴射を行うと、ポスト噴射によって燃焼室20内に噴射される燃料は、燃焼ガス中で軽質なHCに改質され、排気マニホールド41に排出される。すなわち、還元剤として機能する軽質なHCが、ポスト噴射を通じて排気系40に添加され、排気中の還元成分濃度を高めることとなる。すなわち、ポスト噴射により上記のリッチスパイクを実行することができる。
一方、本実施例では、燃料添加弁17を通じ、噴霧状態の燃料(還元剤)を排気系40に直接添加することによっても、ポスト噴射と同様、排気中の還元成分濃度を高めることができる。すなわち、燃料添加弁17による排気中への直接燃料添加(以下、排気燃料添加という)により上記のリッチスパイクを実行することもできる。
このように、本実施例の排気浄化システムでは、リッチスパイクを行う手段として、ポスト噴射と排気燃料添加との両方の手段を備えている。ポスト噴射によるリッチスパイクと排気燃料添加によるリッチスパイクとは、そのリッチスパイクの実行によりNOx還元処理還やフィルタ再生処理に要求される還元雰囲気を作り出す応答性と、そのリッチスパイクによりNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出される還元雰囲気の均一性と、に関して、それぞれ異なる特性を有する。
ポスト噴射によりリッチスパイクを行う場合、ポスト噴射された燃料は燃焼室内の燃焼ガス中で十分に軽質化され反応性の高い状態となるとともに、燃焼ガス中に均一に分散した状態となって排気マニホールド41に排出されるので、均一性に優れた還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。そのため、例えばアイドル時のように排気の温度が相当に低い条件下や、排気流量が少ない条件下であっても、排気浄化装置42において均一性に優れた還元雰囲気を作り出すことができる。
一方、ポスト噴射によりリッチスパイクを行う場合、リッチスパイクの実行時にEGRが行われていると、ポスト噴射によって排気マニホールド41に排出された還元成分(未燃燃料)の一部がEGR通路60に流入して吸気系30に流れる場合がある。その場合、EGRガスと共に吸気系30に流入した還元成分によって内燃機関1における空燃比にずれが生じ、燃焼騒音やトルク変動を生じる虞がある。このEGRによる還元成分の吸気系30への一部回り込みを考慮して、ポスト噴射によるリッチスパイクを行う場合にはEGR弁61を閉弁してEGRを停止する。しかしながら、EGR弁61の目標開度が全閉に設定されてから実際のEGR弁61の開度が全閉に変化するまでには、遅れが存在する。そのため、上述したような燃焼騒音やトルク変動等の問題を回避するためには、リッチスパイクを実行すべき条件が成立してそれに応じてEGR弁61の目標開度が全閉に設定されてから、実際にEGR弁61の開度が全閉になるまでの応答遅れ時間に応じて、リッチスパイクの実行を遅らせる必要がある。
一方、排気燃料添加によりリッチスパイクを行う場合、燃料添加弁17による燃料添加については一度に添加することのできる燃料量や燃料添加を行うタイミングの自由度が、ポスト噴射によってリッチスパイクを行う場合と比較して大きい。また、燃料添加弁17は排気マニホールド41における排気通路43の接続箇所近傍において燃料添加を行うので、添加燃料がEGR通路60に流入してEGRガスの流れに乗って吸気系30に導かれてしまうことが殆ど無い。従って、添加した燃料が吸気系に回り込んで内燃機関1において空燃比のずれを生じることによって燃焼騒音やトルク変動を生じることが殆ど無い。すなわち、排気燃料添加によるリッチスパイクは、EGRによる添加燃料の吸気系への回り
込みに起因する上記のような問題の発生について考慮せずに、リッチスパイクの実行要求に対して応答性良くリッチスパイクを実行することができる。従って、NOx触媒42aやフィルタ42bにおいて還元雰囲気を作り出す必要がある時に、応答性良く、且つNOx還元処理やフィルタ再生処理において要求される還元雰囲気を確実に、NOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。
しかしながら、排気燃料添加によりリッチスパイクを行う場合、排気系40内で燃料が十分に分散・拡散することが可能な環境条件が整っていないとき(例えば排気の温度が低い低負荷運転時や排気流量が少ない低速運転時等)には、添加された燃料が排気マニホールド41や排気通路43等の内壁面に付着してしまったり、NOx触媒42aやフィルタ42bに供給される燃料濃度が局所的に異なってしまい、十分均一な還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことが難しい場合がある。
このように、ポスト噴射によるリッチスパイクと排気燃料添加によるリッチスパイクとで、好適に還元雰囲気を作り出すことが可能な運転条件や、逆に好適に還元雰囲気を作り出すことが難しい運転条件がある。そこで、本実施例の排気浄化システムでは、リッチスパイクにおけるポスト噴射と排気燃料添加との上記のような特性の相違を考慮して、内燃機関の運転条件に応じてポスト噴射と排気燃料添加とを切り替えてリッチスパイクを実行するようにした。
具体的には、本実施例では、上記のような、ポスト噴射によって排気系40に供給される還元成分のEGRによる吸気系30への回り込みを考慮して、リッチスパイク実行条件が成立する場合に、EGR弁61の目標開度を全閉に設定して、リッチスパイク実行中のEGRを停止するようにした。これにより、ポスト噴射によりリッチスパイクを実行する場合においても、ポスト噴射によって排気系40に供給される還元成分のEGRによる吸気系30への回り込みが抑制される。さらに、EGR弁開度センサ74によって取得されるEGR弁61の実際の開度をモニターし、リッチスパイク実行時にEGR弁61の目標開度を全閉に設定してから、実際のEGR弁61の開度の全閉への変化が完了するまでの過渡期間(応答期間)においては、排気燃料添加によるリッチスパイクを実行するようにした。これにより、EGR制御の過渡状態においては、EGRへの回り込みが殆ど発生しない排気燃料添加によってリッチスパイクが行われるので、吸気系への燃料成分の回り込みによる上記のような問題が発生する虞がない。従って、リッチスパイクの実行要求に対して応答性良くリッチスパイクを実行することができる。そして、実際のEGR弁61の開度が目標開度(本実施例の場合、全閉)に一致したと判定されたら、ポスト噴射によるリッチスパイクに切り替えるようにした。これにより、排気系40に供給される還元成分のEGRによる吸気系30への回り込みによる上記のような問題の発生を抑制しつつ、且つ、均一性の高い還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。なお、本実施例では、リッチスパイク実行時のEGR弁61の目標開度を全閉としたが、EGR弁61の開度として設定可能な最小開度としても良い。
図2は、本実施例の上記のリッチスパイク制御を実行するためのルーチンを表すフローチャートである。このルーチンは内燃機関1の稼働中ECU80によって所定間隔で繰り返し実行される。
ステップS101において、ECU80は、リッチスパイク実行条件が成立したか否かを判定する。例えば、NOx触媒42aに吸蔵されたNOx量を推定し、該NOx量が所定の基準値を超えているか否かを判定したり、フィルタ42bにおける微粒子の堆積量を推定し、該堆積量が所定の基準値を超えているか否かを判定したりする。この判定は公知の判定方法により行うことができる。ステップS101において肯定判定された場合、ECU80はステップS102に進み、否定判定された場合は本ルーチンの実行を一旦終了
する。
ステップS102において、ECU80は、EGR弁61の目標開度(目標EGR弁開度)Pegfinを設定する。上記のように、本実施例では、リッチスパイク実行条件が成立する場合の目標EGR弁開度を全閉に設定する。
ステップS103において、ECU80は、EGR弁61の実際の開度(実EGR弁開度)Pegactを取得する。すなわち、EGR弁開度センサ47によりEGR弁61の開度を測定する。
ステップS104において、ECU80は、ステップS102で設定した目標EGR弁開度PegfinとステップS103で取得した実EGR弁開度Pegactとが一致しているか否かを判定する。ステップS104において肯定判定された場合、ECU80はステップS105に進み、否定判定された場合はステップS106に進む。ステップS104においては、目標EGR弁開度Pegfinと実EGR弁開度Pegactとが等しい場合に肯定判定されるようにしても良いし、実EGR弁開度Pegactが目標EGR弁開度Pegfinを含む所定範囲内に含まれる値である場合に肯定判定されるようにしても良い。ステップS104において否定判定される場合、EGR弁61の実際の開度が目標開度への変化を完了していないEGR制御の過渡状態であり、ステップS104において肯定判定される場合は、当該EGR弁61の開度の変化が完了し、EGR制御の過渡状態が終了した状態である。
ステップS105において、ECU80は、ポスト噴射によりリッチスパイクを実行する。これにより、均一性の高い還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。
ステップS106において、ECU80は、排気燃料添加によりリッチスパイクを実行する。これにより、EGR制御の過渡状態においても、内燃機関1にリッチな排気が回り込むことを抑制することを抑制しつつ、応答性良く還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。
本実施例において、NOx触媒42aやフィルタ42bが本発明における排気浄化触媒に相当する。燃料噴射弁13及び燃料噴射弁13によりポスト噴射を行わせる燃料噴射制御を行うECU80が本発明における排気空燃比制御手段に相当する。燃料添加弁17が本発明における排気還元剤添加手段に相当する。燃料噴射弁13によるポスト噴射及び燃料添加弁17による排気燃料添加を行うECU80が本発明におけるリッチスパイク手段に相当する。EGR通路60が本発明におけるEGR装置に相当する。
なお、本実施例では、排気空燃比制御手段としてポスト噴射を行う例に限定して説明したが、燃焼により発生する既燃ガスの空燃比が、排気浄化触媒において要求される還元雰囲気となるように、燃焼に供されるガスの空燃比を制御することによって、リッチスパイクを行うようにしても良い。その場合、例えば、燃料噴射量や吸入空気量を制御することによって燃焼に供されるガスの空燃比をストイキやリッチ雰囲気にすることができる。
次に、本発明の第2の実施例について説明する。本実施例における内燃機関の概略構成は実施例1と同様であるので、実施例1における構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては詳細な説明を省略し、実施例1と同一の名称及び符号を用いる。
上述のように、排気の温度が低い低負荷運転時や、排気の流量が少ない低速運転時には
、排気燃料添加により排気系30に添加された燃料が排気系30において好適に分散・拡散せず、排気通路43や排気マニホールド41等の内壁面に付着してしまったり、還元剤濃度が不均一な状態でNOx触媒42aやフィルタ42bに到達してしまい、NOx触媒42aやフィルタ42bにおける還元雰囲気が局所的にばらついてしまったりする可能性がある。
そこで、本実施例では、排気系30における燃料添加弁17が設けられた箇所の近傍における温度が所定の基準温度T_lowより低い場合、又は、内燃機関1の回転数が所定の基準回転数Ne_lowより低い場合には、リッチスパイクの実行に当たって、排気燃料添加によってはリッチスパイクを行わないこととした。これにより、排気燃料添加によって排気系30に添加された燃料が好適に霧化分散してNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて還元雰囲気を作り出すことが困難な場合には、排気燃料添加が行われないことになるので、還元雰囲気の醸成に寄与しにくい無駄な燃料消費を抑制することができる。
ここで、基準温度T_lowは、排気燃料添加により排気中に添加された燃料が十分に霧化し分散することが可能な排気温度の下限値に基づいて定められる排気温度の基準値である。また、基準回転数Ne_lowは、排気燃料添加により排気中に添加された燃料が十分に霧化し分散することが可能な排気流量となる内燃機関1の回転数の下限値に基づいて定められる回転数の基準値である。これらの基準値は予め求められるある一定値であっても良いし、内燃機関の運転条件や環境条件等に応じて適宜算出される可変値としても良い。
図3は、本実施例の上記のリッチスパイク制御を実行するためのルーチンを表すフローチャートである。このルーチンは内燃機関1の稼働中ECU80によって所定間隔で繰り返し実行される。
ステップS201において、ECU80は、リッチスパイク実行条件が成立したか否かを判定する。例えば、NOx触媒42aに吸蔵されたNOx量を推定し、該NOx量が所定の基準値を超えているか否かを判定したり、フィルタ42bにおける微粒子の堆積量を推定し、該堆積量が所定の基準値を超えているか否かを判定したりする。この判定は公知の判定方法により行うことができる。ステップS201において肯定判定された場合、ECU80はステップS202に進み、否定判定された場合は本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS202において、ECU80は、EGR弁61の目標開度(目標EGR弁開度)Pegfinを設定する。上記のように、本実施例では、リッチスパイク実行条件が成立する場合の目標EGR弁開度を全閉に設定する。
ステップS203において、ECU80は、EGR弁61の実際の開度(実EGR弁開度)Pegactを取得する。すなわち、EGR弁開度センサ47によりEGR弁61の開度を測定する。
ステップS204において、ECU80は、内燃機関1の回転数Neを取得する。すなわち、クランク角センサ77による検出信号に基づいて内燃機関1の回転数を算出する。
ステップS205において、ECU80は、燃料添加弁17の近傍の温度Adinj_Tを取得する。すなわち、排気温度センサ79によって燃料添加弁17の近傍の排気の温度を測定する。
ステップS206において、ECU80は、ステップS202で設定した目標EGR弁
開度PegfinとステップS203で取得した実EGR弁開度Pegactとが一致しているか否かを判定する。ステップS206において肯定判定された場合、ECU80はステップS207に進み、否定判定された場合はステップS208に進む。ステップS206においては、目標EGR弁開度Pegfinと実EGR弁開度Pegactとが等しい場合に肯定判定されるようにしても良いし、実EGR弁開度Pegactが目標EGR弁開度Pegfinを含む所定範囲内に含まれる値である場合に肯定判定されるようにしても良い。ステップS206において否定判定される場合、EGR弁61の実際の開度が目標開度への変化を完了していないEGR制御の過渡状態であり、ステップS206において肯定判定される場合は、当該EGR弁61の開度の変化が完了し、EGR制御の過渡状態が終了した状態である。
ステップS207において、ECU80は、ポスト噴射によりリッチスパイクを実行する。これにより、均一性の高い還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。
ステップS208において、ECU80は、排気燃料添加により還元雰囲気の醸成を好適に行うことが可能な回転数の基準値Ne_low及び排気温度の基準値T_lowを取得する。
ステップS209において、ECU80は、ステップS204で取得した内燃機関1の回転数Neが基準値Ne_low以上であって且つステップS205で取得した燃料添加弁17の近傍の温度Adinj_Tが基準値T_low以上であるか否かを判定する。ステップS204で肯定判定された場合(Ne≧Ne_low且つAdinj_T≧T_lowの場合)、ECU80はステップS210に進み、否定判定された場合(Ne<Ne_low又はAdinj_T<T_lowの場合)、ECU80は本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS210において、ECU80は、排気燃料添加によりリッチスパイクを実行する。これにより、EGR制御の過渡状態においても、応答性良くリッチスパイクを実行し、要求される還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。また、排気燃料添加によっては好適に還元雰囲気を作り出せない条件下では排気燃料添加によるリッチスパイクが行われないので、無駄な燃料消費を抑制することもできる。
本実施例において、クランク角センサ77及びその検出信号に基づいて内燃機関1の回転数を算出するECU80が、本発明における回転数取得手段に相当する。また、排気温度センサ79及びその検出信号に基づいて燃料添加弁17の近傍温度を取得するECU80が、本発明における温度取得手段に相当する。
次に、本発明の第3の実施例について説明する。本実施例における内燃機関の概略構成は実施例1と同様であるので、実施例1における構成要素と実質的に同一の構成要素に関しては詳細な説明を省略し、実施例1と同一の名称及び符号を用いる。
ポスト噴射を行うと、ポスト噴射により燃焼室内に噴射された燃料がピストン表面やシリンダ内壁面に付着し、オイル希釈を招く場合がある。過度のオイル希釈は内燃機関1の機関部材の潤滑性低下等による機関性能への悪影響を招く場合がある。
そこで、本実施例では、内燃機関1のオイル希釈度合が所定の基準度合Oil_highより高い場合には、リッチスパイクの実行に当たって、ポスト噴射によってはリッチス
パイクを行わないこととした。これにより、ポスト噴射によってオイル希釈度合が許容レベルを超えて高くなってしまうことを抑制でき、潤滑性能の低下等に起因して内燃機関1へ悪影響が及ぶことを抑制することができる。
ここで、本実施例では、オイル希釈度合は、オイルレベルセンサ78によって測定されるオイルレベルに基づいて取得される。また、基準度合Oil_highは、内燃機関1の潤滑性能等オイル希釈度合に依存する機関性能が許容レベルを超えて悪化する虞がないようなオイル希釈度合の上限値に基づいて定められるオイル希釈度合の基準値である。
図4は、本実施例の上記のリッチスパイク制御を実行するためのルーチンを表すフローチャートである。このルーチンは内燃機関1の稼働中ECU80によって所定間隔で繰り返し実行される。
ステップS301において、ECU80は、リッチスパイク実行条件が成立したか否かを判定する。例えば、NOx触媒42aに吸蔵されたNOx量を推定し、該NOx量が所定の基準値を超えているか否かを判定したり、フィルタ42bにおける微粒子の堆積量を推定し、該堆積量が所定の基準値を超えているか否かを判定したりする。この判定は公知の判定方法により行うことができる。ステップS301において肯定判定された場合、ECU80はステップS302に進み、否定判定された場合は本ルーチンの実行を一旦終了する。
ステップS302において、ECU80は、EGR弁61の目標開度(目標EGR弁開度)Pegfinを設定する。上記のように、本実施例では、リッチスパイク実行条件が成立する場合の目標EGR弁開度を全閉に設定する。
ステップS303において、ECU80は、EGR弁61の実際の開度(実EGR弁開度)Pegactを取得する。すなわち、EGR弁開度センサ47によりEGR弁61の開度を測定する。
ステップS304において、ECU80は、ステップS302で設定した目標EGR弁開度PegfinとステップS303で取得した実EGR弁開度Pegactとが一致しているか否かを判定する。ステップS304において肯定判定された場合、ECU80はステップS305に進み、否定判定された場合はステップS309に進む。ステップS304においては、目標EGR弁開度Pegfinと実EGR弁開度Pegactとが等しい場合に肯定判定されるようにしても良いし、実EGR弁開度Pegactが目標EGR弁開度Pegfinを含む所定範囲内に含まれる値である場合に肯定判定されるようにしても良い。ステップS304において否定判定される場合、EGR弁61の実際の開度が目標開度への変化を完了していないEGR制御の過渡状態であり、ステップS304において肯定判定される場合は、当該EGR弁61の開度の変化が完了し、EGR制御の過渡状態が終了した状態である。
ステップS305において、ECU80は、オイル希釈度合の基準度合Oil_highを設定する。
ステップS306において、ECU80は、オイルレベルセンサ78によって現在のオイルレベルOil_levelを取得する。
ステップS307において、ステップS306で取得したオイルレベルOil_levelがステップS305で設定した基準度合Oil_high以下か否かを判定する。ステップS307で肯定判定された場合、ECU80はステップS308に進み、否定判定
された場合ステップS309に進む。
ステップS308において、ECU80は、ポスト噴射によりリッチスパイクを実行する。これにより、均一性の高い還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。
ステップS309において、ECU80は、排気燃料添加によりリッチスパイクを実行する。これにより、EGR制御の過渡状態においても、応答性良くリッチスパイクを実行し、要求される還元雰囲気をNOx触媒42aやフィルタ42bにおいて作り出すことができる。また、オイル希釈レベルが高まっている時にはポスト噴射が行われることが抑制されるので、ポスト噴射に起因してオイル希釈度合がさらに高まり内燃機関1の潤滑性能の低下を招くことを抑制できる。
本実施例においてオイルレベルセンサ78が本発明におけるオイル希釈度合取得手段に相当する。
なお、以上述べた実施例は本発明を説明するための一例であって、本発明の本旨を逸脱しない範囲内において上記の実施例には種々の変更を加え得る。また、上記各実施例は可能な限り組み合わせて本発明を実施することができる。例えば、実施例3において、オイル希釈度合が基準度合を超えている場合において、実施例2で説明した排気燃料添加の実行可否の判定を行い、それにより排気燃料添加を実行することが好ましくないと判定された場合には、リッチスパイクを実行せずにルーチンを終了するようにしても良い。
実施例における内燃機関及びその吸気系及び排気系の概略構成を示す図である。 実施例1におけるリッチスパイク制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例2におけるリッチスパイク制御ルーチンを示すフローチャートである。 実施例3におけるリッチスパイク制御ルーチンを示すフローチャートである。
符号の説明
1 エンジン(内燃機関)
10 燃料供給系
11 サプライポンプ
12 コモンレール
13 燃料噴射弁
14 遮断弁
16 調量弁
17 燃料添加弁
20 燃焼室
30 吸気系
31 インタークーラ
32 スロットル弁
33 吸気通路
34 吸気マニホールド
40 排気系
41 排気マニホールド
42 排気浄化装置
42a 吸蔵還元型NOx触媒
42b パティキュレートフィルタ
43 排気通路
50 ターボチャージャ
51 シャフト
52 タービンホイール
53 コンプレッサホイール
60 EGR通路
61 EGR弁
62 EGRクーラ
70 レール圧センサ
71 燃圧センサ
72 エアフロメータ
73 空燃比(A/F)センサ
74 EGR弁開度センサ
76 アクセルポジションセンサ
77 クランク角センサ
78 オイルレベルセンサ
79 排気温度センサ
80 電子制御装置(ECU)
81 中央処理装置(CPU)
82 読み出し専用メモリ(ROM)
83 ランダムアクセスメモリ(RAM)
84 バックアップRAM
85 タイマーカウンタ
86 外部入力回路
87 外部出力回路
88 双方向バス
P1 機関燃料通路
P2 添加燃料通路

Claims (6)

  1. 内燃機関の排気系に設けられ排気中の有害成分を浄化する排気浄化触媒と、
    前記内燃機関から排出される排気の空燃比を制御する排気空燃比制御手段と、
    前記排気系における前記排気浄化触媒より上流の箇所において排気中に還元剤を添加する排気還元剤添加手段と、
    所定のリッチスパイク実行条件が成立する時に前記排気空燃比制御手段又は前記排気還元剤添加手段により前記排気浄化触媒に流入する排気の空燃比をストイキ又はリッチとするリッチスパイクを実行するリッチスパイク手段と、
    前記排気系における前記排気還元剤添加手段により還元剤が添加される箇所より上流の箇所と前記内燃機関の吸気系とを接続するEGR通路を有し、該EGR通路を介して排気の一部を前記吸気系に流入させるEGR装置と、
    前記EGR装置により前記吸気系に流入する排気の量を調節するEGR弁と、
    を備え、
    前記リッチスパイク手段は、前記リッチスパイク実行条件が成立する時に、
    前記EGR弁の目標開度と該EGR弁の実際の開度とが一致しない場合には、前記排気還元剤添加手段によって前記リッチスパイクを実行し、
    前記EGR弁の目標開度と該EGR弁の実際の開度とが一致する場合には、前記排気空燃比制御手段によって前記リッチスパイクを実行する手段であることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  2. 請求項1において、
    前記リッチスパイク手段は、前記排気空燃比制御手段によって前記リッチスパイクを実行する場合に、前記内燃機関における燃料の燃焼によって発生する既燃ガスの空燃比がストイキ又はリッチとなるように、燃料噴射量及び/又は吸入空気量の制御を行う手段であることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  3. 請求項1において、
    前記リッチスパイク手段は、前記排気空燃比制御手段によって前記リッチスパイクを実行する場合に、前記内燃機関における主たる燃料噴射に後続するポスト噴射を行うことによって前記内燃機関から排出される排気の空燃比がストイキ又はリッチとする手段であることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  4. 請求項1から3のいずれか1項において、
    前記リッチスパイク実行条件が成立する時の前記EGR弁の目標開度は、全閉又は前記EGR弁の開度として設定可能な最小開度であることを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  5. 請求項1から4のいずれか1項において、
    前記内燃機関の回転数を取得する回転数取得手段と、
    前記排気系における前記排気還元剤添加手段により還元剤が添加される箇所近傍の温度を取得する温度取得手段と、
    を更に備え、
    前記リッチスパイク手段は、前記回転数取得手段により取得される回転数が所定回転数より低い場合又は前記温度取得手段により取得される温度が所定温度より低い場合には、前記排気還元剤添加手段による前記リッチスパイクを実行しないことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
  6. 請求項1から5のいずれか1項において、
    前記内燃機関の気筒におけるオイル希釈度合を取得する希釈度合取得手段を更に備え、
    前記リッチスパイク手段は、前記希釈度合取得手段により取得されるオイル希釈度合が所定度合より高い場合には、前記排気空燃比制御手段による前記リッチスパイクを実行しないことを特徴とする内燃機関の排気浄化システム。
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