JP2009167155A - 湿潤液及び清浄紙綿 - Google Patents
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Abstract
【課題】湿潤液及び清浄紙綿において、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができること。
【解決手段】清浄紙綿に含浸させる湿潤液において、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を溶媒1kgに対して1μmol〜1mmolの範囲内で含有させた実施例1乃至実施例4に係る清浄紙綿を用いた場合には、おしりふきとして用いた場合に大きな治療効果が見られ、かぶれ・床ずれ・アレルギー炎症に対して有意な治療効果があると判定される。したがって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得るためには、清浄紙綿に含浸させる湿潤液において、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を溶媒1kgに対して1μmol以上含有させる必要があることが明らかになった。
【選択図】なし
【解決手段】清浄紙綿に含浸させる湿潤液において、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を溶媒1kgに対して1μmol〜1mmolの範囲内で含有させた実施例1乃至実施例4に係る清浄紙綿を用いた場合には、おしりふきとして用いた場合に大きな治療効果が見られ、かぶれ・床ずれ・アレルギー炎症に対して有意な治療効果があると判定される。したがって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得るためには、清浄紙綿に含浸させる湿潤液において、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を溶媒1kgに対して1μmol以上含有させる必要があることが明らかになった。
【選択図】なし
Description
本発明は、ウェットティッシュや赤ちゃんのおしりふき等の清浄紙綿及びそれに使用する湿潤液に関するものであり、特に抗炎症効果を有する湿潤液及び清浄紙綿に関するものである。
従来の清浄紙綿は、赤ちゃんのおしりふきに代表されるような体内から出た汚物を拭き取るためのものや、ウェットティッシュのように手足や体を清拭するためのものであり、不織布や紙に大部分水からなる湿潤液を含浸させたものが一般的である。その中には、湿潤液にアルコール(エタノール)や殺菌効果のある物質を添加して、抗菌・殺菌効果をもたせたものもある。
具体的には、特許文献1において、赤ちゃんのおしりふきのような用途については、かぶれを防止するためには汚物を完全に除去する必要があり、そのためには水性及び油性の両方の物質を必要とするという観点から、適当なワックス成分を含有するワックス相と水性の相とを含むワックス分散物が、多孔質または吸収性のシートに含浸されたワイパー製品の発明について開示している。しかし、かかるワイパー製品は、抗炎症効果によっておむつかぶれや床ずれ、アレルギー性炎症等の皮膚トラブルを積極的に防止し、治癒する作用を有するものではない。
一方、特許文献2には、果実のマンゴスチンの果皮から抽出されるα−マンゴスチン,β−マンゴスチン,γ−マンゴスチンを主体とするマンゴスチン抽出物は、抗炎症作用・抗アレルギー作用を始めとする有用な生理作用(薬効)を有していることが記載されており、かかるマンゴスチン抽出物を40%以下のエタノール水溶液に分散したマンゴスチン製剤の発明について開示がされている。
特表2006−517205号公報
特開2007−106674号公報
しかしながら、上記特許文献2に記載の技術においては、α−マンゴスチン,β−マンゴスチン,γ−マンゴスチンを主体とするマンゴスチン抽出物を、どの程度の濃度でエタノール水溶液に分散させた場合に有用な生理作用が得られるかについては記載がなく、確実に抗炎症作用・抗アレルギー作用が得られるマンゴスチン製剤の具体的な製造方法及び組成が示されていない。したがって、マンゴスチン抽出物は非常に高価なものであり、また具体的な含有量を適切に定めないと副作用の恐れもあるため、実用的なマンゴスチン製剤を製造することができないという問題点があった。
そこで、本発明は、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる湿潤液及び清浄紙綿を提供することを課題とするものである。
請求項1の発明に係る湿潤液は、レーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させて清浄紙綿を作製するための湿潤液であって、水または水とエタノールの混合液を溶媒とし、前記溶媒1kgに対して1μmol〜10mmolの範囲内でα−マンゴスチンまたはα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を含有するものである。
ここで、α−マンゴスチンはキサントン誘導体の1種であり、更にキサントン誘導体はポリフェノールの1種であって、抗酸化作用を始めとする有用な生理作用を有するものである。α−マンゴスチン,β−マンゴスチン,γ−マンゴスチンを主体とするマンゴスチン抽出物は、いずれもキサントン骨格を有するキサントン誘導体であり、本明細書・特許請求の範囲・要約書においては、「キサントン誘導体」という用語を「マンゴスチン類」という用語とほぼ同義に使用することとする。
請求項2の発明に係る湿潤液は、請求項1の構成において、前記溶媒1kgに対して10μmol〜1mmolの範囲内で前記α−マンゴスチンまたは前記キサントン誘導体混合物を含有するものである。
請求項3の発明に係る湿潤液は、請求項1または請求項2の構成において、前記キサントン誘導体混合物はγ−マンゴスチンを5重量%〜30重量%の範囲内で含有するものである。
請求項4の発明に係る清浄紙綿は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の湿潤液をレーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させてなるものである。
請求項5の発明に係る清浄紙綿は、請求項4の構成において、前記湿潤液の含浸量は前記吸液シートに対して重量比で0.2〜5.0の範囲内であるものである。
請求項1の発明に係る湿潤液は、レーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させて清浄紙綿を作製するための湿潤液であって、水または水とエタノールの混合液を溶媒とし、溶媒1kgに対して1μmol〜10mmolの範囲内でα−マンゴスチンまたはα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を含有する。
ここで、α−マンゴスチンはキサントン誘導体の1種であり、更にキサントン誘導体はポリフェノールの1種であって、抗酸化作用を始めとする有用な生理作用を有するものであり、α−マンゴスチン,β−マンゴスチン,γ−マンゴスチンを主体とするマンゴスチン抽出物は、いずれもキサントン骨格を有するキサントン誘導体である。
本発明者らは、マンゴスチン類を清浄紙綿の湿潤液に応用するに当たって、その適切な添加量について鋭意実験研究を重ねた結果、水または水とエタノールの混合液を溶媒として、溶媒1kgに対して1μmol〜10mmolの範囲内で添加することによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
また、本発明者らは、マンゴスチン類を清浄紙綿の湿潤液に添加した場合に得られる抗炎症効果・抗アレルギー効果は、主にα−マンゴスチンによるものであることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。したがって、α−マンゴスチンのみ、またはα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を、溶媒1kgに対して1μmol〜10mmolの範囲内で添加することによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができることになる。
すなわち、α−マンゴスチンまたはα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物の添加量が溶媒1kgに対して1μmol未満であると、キサントン誘導体の添加量が少な過ぎて確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができず、一方添加量が溶媒1kgに対して10mmolを超えると、キサントン誘導体の添加量が多過ぎて非常に高価なキサントン誘導体を多量に添加することになり、製品のコストが高くなり過ぎて実用的でない。また、一般に薬剤については、最小有効添加量の一万倍を超えると副作用が顕著になることから、薬効のあるキサントン誘導体の場合も最小有効添加量である1μmolの一万倍である10mmolを超えると、副作用の恐れが出て好ましくない。
このようにして、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる湿潤液となる。
請求項2の発明に係る湿潤液においては、溶媒1kgに対して10μmol〜1mmolの範囲内でα−マンゴスチンまたはキサントン誘導体混合物を含有する。
本発明者らは、マンゴスチン類を清浄紙綿の湿潤液に応用するに当たって、その適切な添加量について鋭意実験研究を重ねた結果、水または水とエタノールの混合液を溶媒として、溶媒1kgに対して10μmol〜1mmolの範囲内で添加することによって、より顕著な抗炎症効果・抗アレルギー効果を確実に得ることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
このようにして、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、より顕著な抗炎症効果・抗アレルギー効果を確実に得ることができる湿潤液となる。
請求項3の発明に係る湿潤液においては、キサントン誘導体混合物がγ−マンゴスチンを5重量%〜30重量%の範囲内で含有する。
本発明者らは、マンゴスチン類を清浄紙綿の湿潤液に応用するに当たって、キサントン誘導体混合物におけるα−マンゴスチンに伴うγ−マンゴスチンの適切な含浸量について鋭意実験研究を重ねた結果、キサントン誘導体混合物がγ−マンゴスチンを5重量%〜30重量%の範囲内で含有する場合に、より確実に、かつ低コストで、抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
このようにして、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる湿潤液となる。
請求項4の発明に係る清浄紙綿は、請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の湿潤液をレーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させてなる。
上述の如く、請求項1乃至請求項3に記載の湿潤液においては、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる。したがって、これらの湿潤液を清浄紙綿の吸液シートとして最も適したレーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる清浄紙綿が得られる。
このようにして、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる清浄紙綿となる。
請求項5の発明に係る清浄紙綿においては、湿潤液の含浸量が吸液シートに対して重量比で0.2〜5.0の範囲内、より好ましくは1.4〜2.2の範囲内である。
本発明者らは、マンゴスチン類を清浄紙綿の湿潤液に応用するに当たって、湿潤液の適切な含浸量について鋭意実験研究を重ねた結果、湿潤液の含浸量が吸液シートに対して重量比で0.2〜5.0の範囲内である場合に、より確実に、かつ低コストで、抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成させたものである。
すなわち、湿潤液の含浸量が吸液シートに対して重量比で0.2未満であると、湿潤液の量が少な過ぎて、清浄紙綿を顔面や身体に用いた場合に皮膚に湿潤液が付かない可能性がある。一方、湿潤液の含浸量が吸液シートに対して重量比で5.0を超えると、湿潤液の量が多過ぎて、清浄紙綿のコストが高くなるとともに、使用時の感触を損なう恐れがある。したがって、湿潤液の含浸量は、吸液シートに対して重量比で0.2〜5.0の範囲内であることが好ましい。
更に、湿潤液の含浸量が吸液シートに対して重量比で1.4〜2.2の範囲内であれば、より確実に充分な量の湿潤液が皮膚に付くとともに、使用時の感触もより心地良くなるため、より好ましい。
このようにして、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる清浄紙綿となる。
以下、本発明の実施の形態について説明する。まず、本発明の実施の形態に係る湿潤液及び清浄紙綿の製造方法について、図1を参照して説明する。図1は、α−マンゴスチンを始めとするキサントン誘導体の構造式を示す図である。
本実施の形態に係る清浄紙綿においては、「吸液シート」としてレーヨン繊維70%、ポリエステル繊維30%からなる坪量40g/m2 の不織布を用いて、重量比で吸液シート:1に対して湿潤液:1.4〜2.2の範囲内で、湿潤液を吸液シートに染み込ませることによって、清浄紙綿を製造している。湿潤液はほぼ水のみを溶媒とするもの、または水とエタノールの混合物を溶媒とするものであり、これにα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物、及びポリエチレングリコール(PEG)、メチルパラベン、セチルピリジニウムクロライド、サンゾール、エデト酸を添加したものである。
湿潤液がポリエチレングリコール(PEG)を含有することによって濡れ性が向上し、また湿潤液がメチルパラベン、セチルピリジニウムクロライド、サンゾール、エデト酸を含有することによって、防腐効果・殺菌効果・抗菌効果が得られる。したがって、かかる湿潤液をレーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させることによって、より応用範囲の広い清浄紙綿とすることができる。
なお、湿潤剤・防腐剤・殺菌剤・抗菌剤としては、これらのポリエチレングリコール(PEG)、メチルパラベン、セチルピリジニウムクロライド、サンゾール、エデト酸に限られるものではなく、その他の湿潤剤・防腐剤・殺菌剤・抗菌剤を添加することもできる。
ここで、図1に示されるように、α−マンゴスチンを始めとするキサントン誘導体は、キサントン骨格を有するポリフェノールの1種である。
次に、本実施の形態に係る清浄紙綿の抗炎症効果・抗アレルギー効果の評価方法について説明する。
まず、比較例1として、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を全く含有しない点以外は、本実施の形態に係る清浄紙綿の湿潤液と同一の組成を有する湿潤液を調製した。これに、実施例1,実施例2,実施例3として、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物をそれぞれ1μmol,10μmol,100μmol含有させた湿潤液を調製して、上述したレーヨン繊維70%、ポリエステル繊維30%からなる坪量40g/m2 の不織布に、重量比で吸液シート:1に対して湿潤液:2.2の割合で含浸させて、清浄紙綿を製造した。比較例1に係る湿潤液の組成を表1に示す。
表1に示されるように、比較例1に係る湿潤液にはエタノールは微少量しか含まれておらず、実質的に溶媒は水のみであるが、このような水を溶媒とする組成の比較例1に係る湿潤液であっても、上述した実施例1〜実施例3のように、溶媒1kgに対してα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物が1μmol〜100μmolまでの量であれば、均一に分散し溶解させることができることが分かった。
ここで、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物としては、三晃メディカル(株)製の商品名パナキサントン(登録商標)を用いた。このパナキサントンは、α−マンゴスチンを80重量%、γ−マンゴスチンを12重量%、その他のキサントン誘導体を8重量%含有するキサントン誘導体混合物であった。
また、実施例4として、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を溶媒1kgに対して1mmol含有させた湿潤液を調製して、この湿潤液をレーヨン繊維20%、ポリエステル繊維80%からなる坪量30g/m2 の不織布に、重量比で吸液シート:1に対して湿潤液:1.4の割合で含浸させて、清浄紙綿を製造した。ここで、キサントン誘導体混合物の添加量が1mmolになると、溶媒が水のみでは溶解しないため、溶媒として水400重量部に対してエタノール600重量部の混合物を使用した。キサントン誘導体混合物以外の実施例4に係る湿潤液の組成を、表2に示す。
更に、比較例2として、上述した比較例1に係る湿潤液にα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を0.5μmol含有させたものを、上述したレーヨン繊維70%、ポリエステル繊維30%からなる坪量40g/m2 の不織布に、重量比で吸液シート:1に対して湿潤液:2.2の割合で含浸させて、清浄紙綿を製造した。
そして、このようにして製造した実施例1〜実施例4に係る清浄紙綿及び比較例1,2に係る清浄紙綿を、紙おむつをしている15人ずつの5組の老人グループにおしりふきとして使用してもらい、その効果をみた。それぞれのグループは、肌の状態について均等なグループ分けを行い、評価方法としては、まず比較例1に係る清浄紙綿をコントロールとして1週間使用してもらい、その後、それぞれのグループに実施例1〜実施例4または比較例2に係る清浄紙綿を1週間使用してもらって、その肌の状態によって判定した。
判定基準は下記の通りであり、これによって点数化して、合計点数の減少量が大きい方が好ましい結果として評価した。
全く何もなくきれいである‥‥0点
赤みや発疹が少しあるが通常状態‥‥1点
赤みや発疹が多少あるが病的とまでは言えない‥‥2点
赤みや発疹があり少し病的‥‥3点
赤みや発疹がひどく、治療が必要‥‥4点
評価結果について、表3に示す。
全く何もなくきれいである‥‥0点
赤みや発疹が少しあるが通常状態‥‥1点
赤みや発疹が多少あるが病的とまでは言えない‥‥2点
赤みや発疹があり少し病的‥‥3点
赤みや発疹がひどく、治療が必要‥‥4点
評価結果について、表3に示す。
表3に示されるように、比較例1に係る清浄紙綿を用いた段階においては、いずれのグループも試験前と比較して合計点数に有意な変化はなく、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を全く含有しない湿潤液を含浸させた清浄紙綿には、治療効果は見られないことが分かる。また、表3に示されるように、比較例2に係る清浄紙綿を用いた場合には、僅か2点の減少であり、有意な治療効果があるとまでは言えない。
これに対して、実施例1乃至実施例4に係る清浄紙綿を用いた場合には、7点〜19点と大きく減少しており、かぶれ・床ずれ・アレルギー炎症に対して有意な治療効果があると判定される。したがって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得るためには、清浄紙綿に含浸させる湿潤液において、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を溶媒1kgに対して1μmol以上含有させる必要があることが明らかになった。
更に、表3に示されるように、実施例2,実施例3及び実施例4に係る清浄紙綿を用いた場合には12点,16点及び19点と大きく減少しているとともに、実施例3及び実施例4については床ずれの改善が3例及び4例あって、かぶれ・床ずれ・アレルギー炎症に対してより顕著な治療効果があると判定される。したがって、より顕著な抗炎症効果・抗アレルギー効果を確実に得るためには、清浄紙綿に含浸させる湿潤液において、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を溶媒1kgに対して10μmol〜1mmolの範囲内で含有させることが好ましいことが明らかになった。
このようにして、本実施の形態の実施例1乃至実施例4に係る湿潤液及び清浄紙綿においては、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、確実に抗炎症効果・抗アレルギー効果を得ることができる。
更に、本実施の形態の実施例2,実施例3及び実施例4に係る湿潤液及び清浄紙綿においては、有用な生理作用を有するマンゴスチン類を用いて、その適切な添加量を明らかにすることによって、より顕著な抗炎症効果・抗アレルギー効果を確実に得ることができる。
本実施の形態においては、マンゴスチン類としてα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を用いた場合のみについて説明したが、マンゴスチン類を清浄紙綿の湿潤液に添加した場合に得られる抗炎症効果・抗アレルギー効果は、主にα−マンゴスチンによるものであるため、α−マンゴスチンを単体で用いた場合にも、同様の作用効果を得ることができる。
また、本実施の形態においては、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物として、α−マンゴスチンを80重量%、γ−マンゴスチンを12重量%、その他のキサントン誘導体を8重量%含有するキサントン誘導体混合物を用いた場合について説明したが、α−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物であれば、その他の成分及び重量%については、これに限定されるものではない。
更に、本実施の形態においては、重量比で吸液シート:1に対して湿潤液:1.4〜2.2の範囲内で湿潤液を吸液シートに染み込ませた場合について説明したが、湿潤液の含浸量についてはこれらに限定されるものではなく、重量比で吸液シート:1に対して湿潤液:0.2〜5.0の範囲内であることが好ましい。
また、本実施の形態においては、「吸液シート」としてレーヨン繊維70%、ポリエステル繊維30%からなる坪量40g/m2 の不織布、及びレーヨン繊維20%、ポリエステル繊維80%からなる坪量30g/m2 の不織布を用いた場合について説明したが、吸液シートとしてはこれらに限られるものではなく、レーヨン繊維を含む不織布または紙であれば良い。
更に、本実施の形態においては、清浄紙綿をおしりふきとして使用した場合の効果についてのみ説明したが、本実施の形態に係る清浄紙綿をウェットティッシュその他として使用した場合においても、同様の作用効果を得ることができる。
本発明を実施するに際しては、湿潤液及び清浄紙綿のその他の部分の構成、組成、配合、成分、形状、数量、材質、大きさ、製造方法等についても、本実施の形態及び各実施例に限定されるものではない。
なお、本発明の実施の形態で挙げている数値は、臨界値を示すものではなく、実施に好適な好適値を示すものであるから、上記数値を若干変更してもその実施を否定するものではない。
Claims (5)
- レーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させて清浄紙綿を作製するための湿潤液であって、
水または水とエタノールの混合液を溶媒とし、前記溶媒1kgに対して1μmol〜10mmolの範囲内でα−マンゴスチンまたはα−マンゴスチンを含むキサントン誘導体混合物を含有することを特徴とする湿潤液。 - 前記溶媒1kgに対して10μmol〜1mmolの範囲内で前記α−マンゴスチンまたは前記キサントン誘導体混合物を含有することを特徴とする請求項1に記載の湿潤液。
- 前記キサントン誘導体混合物はγ−マンゴスチンを5重量%〜30重量%の範囲内で含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の湿潤液。
- 請求項1乃至請求項3のいずれか1つに記載の湿潤液をレーヨン繊維が含まれる不織布または紙からなる吸液シートに吸収させてなる清浄紙綿。
- 前記湿潤液の含浸量は前記吸液シートに対して重量比で0.2〜5.0の範囲内であることを特徴とする請求項4に記載の清浄紙綿。
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JP2012095809A (ja) * | 2010-11-01 | 2012-05-24 | Michiya Yamashita | 口臭予防口腔ケア品 |
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2008
- 2008-02-15 JP JP2008034182A patent/JP2009167155A/ja active Pending
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