JP2009166572A - 車両運動制御システム - Google Patents

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Abstract

【課題】左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によるトラクション制御が行われるときに、駆動力配分制御の耐久性の悪化を抑制できる車両運動制御システムを提供すること。
【解決手段】この車両運動制御システムは、左右の車輪に駆動力を付与すると共に左右の車輪への駆動力配分を制御(駆動力配分制御)できる駆動力配分制御装置と、左右の車輪の制動力を独立して制御(制動力制御)できる制動力制御装置とを備える。また、車輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる。また、この車両運動制御システムは、車輪の現在位置における路面の摩擦係数に関する情報(路面μ情報)を取得する路面μ情報取得手段を備える。そして、路面μ情報に基づきアクセル開度の上限値が設定されると共に、現在のアクセル開度が上限値以下のときにのみ駆動力配分制御によるトラクション制御が行われる。
【選択図】 図2

Description

この発明は、車両運動制御システムに関し、さらに詳しくは、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によるトラクション制御が行われるときに、駆動力配分制御の耐久性の悪化を抑制できる車両運動制御システムに関する。
近年の車両運動制御システムは、左右の駆動輪への駆動力配分を制御できる駆動力配分制御装置を有する。この駆動力配分制御装置は、制御ディファレンシャルを有し、ディファレンシャルの出力軸速度の左右差をアクティブに設けることにより、左右の駆動輪への駆動力配分を制御する(駆動力配分制御)。
かかる課題に関する従来の車両運動制御システムとして、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の車両運動制御システム(車両用左右駆動力調整装置)は、車両における左輪回転軸と右輪回転軸との間に、上記の左右の各回転軸間で駆動力を授受することで上記の左右輪の駆動力を調整しうる駆動力伝達制御機構をそなえ、上記駆動力伝達制御機構が、上記の左右の各回転軸のうちの一方の回転軸側に連結されてこの一方の回転軸側の回転速度を一定の変速比で変速して出力しうる変速機構と、上記の左右の各回転軸のうちの他方の回転軸側と上記変速機構の出力部側との間に介装されて係合時に上記の左右の各回転軸間で駆動力の伝達を行ないうる伝達容量可変制御式トルク伝達機構と、この伝達容量可変制御式トルク伝達機構の係合状態を制御する制御手段とから構成され、上記制御手段に、上記の左右輪の回転速度比が上記の変速機構の出力部側の回転速度と上記の他方の回転軸側の回転速度との大小関係の変わる境界値よりも大きくなったら、上記伝達容量可変制御式トルク伝達機構の係合を解除して駆動力伝達制御を中止する制御中止手段が設けられていることを特徴とする。
特許第2848126号公報
また、近年の車両運動制御システムでは、車両の発進時あるいは加速時におけるタイヤのスリップを防止するための制御が行われる(トラクション制御)。特に、またぎ路(左右の駆動輪のタイヤに接触する路面の摩擦係数が相異する走行路)での発進時には、低い摩擦係数の路面側にかかる車輪のスリップを抑制するための制御が行われる(またぎトラクション制御)。かかる制御は、駆動力配分制御装置が駆動力配分制御を行なうことにより実現される。
しかしながら、またぎトラクション制御では、低い摩擦係数の路面側にかかる車輪がスリップした時点で駆動力配分制御が行われるため、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い。すると、駆動力配分制御にてトルク移動が行われたときに、駆動力配分制御装置への負荷が過大となり、駆動力配分制御装置の耐久性が悪化し、さらには駆動力配分制御装置が破損(クラッチの摩耗や焼き付きなど)するおそれがある。
このため、従来の車両運動制御システムでは、またぎ路での発進時のように左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下では、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われていない。
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によるトラクション制御が行われるときに、駆動力配分制御の耐久性の悪化を抑制できる車両運動制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる車両運動制御システムは、左右の車輪に駆動力を付与すると共に左右の前記車輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、左右の前記車輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、車輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、前記車輪の現在位置における路面の摩擦係数に関する情報(以下、路面μ情報という。)を取得する路面μ情報取得手段を備え、且つ、前記路面μ情報に基づきアクセル開度の上限値が設定されると共に、現在のアクセル開度が前記上限値以下のときにのみ前記駆動力配分制御によるトラクション制御が行われる。
この車両運動制御システムでは、駆動力配分制御によりトラクション制御が行われるので、好適な車両運動制御(例えば、またぎ路でのスムーズかつ効率的な発進)が実現される。このとき、路面μ情報に基づいてアクセル開度の上限値が設定され、現在のアクセル開度がこの上限値以下のときにのみ駆動力配分制御によるトラクション制御が行われる。すなわち、現在のアクセル開度が所定の上限値よりも大きい場合には、左右の駆動輪が高差動となりやすいため、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止される。これにより、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャルの耐久性の悪化が抑制される利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムでは、前記路面μ情報取得手段が車車間通信により或いは車外設備から前記路面μ情報を取得する。
この車両運動制御システムでは、路面μ情報が精度良く取得されるので、車両運動制御が適正に行われる利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムでは、現在のアクセル開度が前記上限値を超えるときに、前記制動力制御によるトラクション制御が行われる。
この車両運動制御システムでは、現在のアクセル開度が所定の上限値よりも大きい場合には、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止される。かかる構成では、左右の駆動輪が高差動になりやすいときに制動力制御によるトラクション制御が行われるので、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャルの耐久性の悪化が効果的に抑制される利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムでは、左右の車輪のタイヤに接触する路面の摩擦係数が相異する走行路での発進時にて前記トラクション制御が行われる。
またぎ路では、スムーズかつ効率的な発進が求められる一方で、左右の駆動輪が高差動になりやすい。この点において、この車両運動制御システムでは、現在のアクセル開度と上限値との関係に応じて、駆動力配分制御によるトラクション制御と制動力制御によるトラクション制御とが適正に選択される。これにより、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャルの耐久性の悪化が効果的に抑制されると共に、可能な限り駆動力配分制御が用いられてスムーズかつ効率的な発進が実現される利点がある。
この発明にかかる車両運動制御システムでは、駆動力配分制御によりトラクション制御が行われるので、好適な車両運動制御(例えば、またぎ路でのスムーズかつ効率的な発進)が実現される。このとき、路面μ情報に基づいてアクセル開度の上限値が設定され、現在のアクセル開度がこの上限値以下のときにのみ駆動力配分制御によるトラクション制御が行われる。すなわち、現在のアクセル開度が所定の上限値よりも大きい場合には、左右の駆動輪が高差動となりやすいため、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止される。これにより、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャルの耐久性の悪化が抑制される利点がある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる車両運動制御システムを示す構成図である。図2および図3は、図1に記載した車両運動制御システムの作用を示すフローチャート(図2)および説明図(図3)である。
[車両運動制御システム]
この車両運動制御システム1は、車両10の運動あるいは挙動の制御(以下、車両運動制御という。)を行うことにより、車両10のスピンやドリフトアウト、車輪のスリップなどを防止する。この車両運動制御システム1は、駆動力配分制御装置2と、制動力制御装置3と、制御系4とを備える(図1参照)。なお、この実施例では、車両10の左側後輪11RLおよび右側後輪11RRが車両10の駆動輪であり、左側前輪11FLおよび右側前輪11FRが車両10の操舵輪である。
駆動力配分制御装置2は、駆動力を左右の駆動輪11RR、11RLに対して配分する装置であり、例えば、制御ディファレンシャル21により構成される。この駆動力配分制御装置2では、エンジン12が駆動力を発生すると、この駆動力が変速機(減速機)13、プロペラシャフト14およびビスカスカップリング15を介して制御ディファレンシャル21に伝達される。そして、この駆動力が制御ディファレンシャル21にて左右のドライブシャフト22RR、22RLに配分されて駆動輪11RR、11RLに伝達される。また、このとき、各駆動輪11RR、11RLに対する駆動力の配分比が制御される(駆動力配分制御)。なお、この実施例では、駆動力配分制御装置2が車両10の後輪11RR、11RLにのみ配置されている。なお、この車両運動制御システム1は、2WD(two-wheel drive)車両に適用されても良いし、4WD(four-wheel drive)車両に適用されても良い。例えば、2WD車両の後輪に駆動力配分制御装置2が設置されても良いし(後輪駆動)、4WD車両の後輪のみに駆動力配分制御装置2が設置されても良い。
制動力制御装置3は、各車輪11FR〜11RLに対する制動力を制御する装置であり、油圧回路31と、ホイールシリンダ32FR〜32RLと、ブレーキペダル33と、マスタシリンダ34とを有する。油圧回路31は、リザーバ、オイルポンプ、種々のバルブ等により構成される(図示省略)。この制動力制御装置3は、以下のように、車輪11FR〜11RLに制動力を付与する。すなわち、(1)通常運転時には、運転者によりブレーキペダル33が踏み込まれると、その踏み込み量がマスタシリンダ34を介して油圧回路31に伝達される。そして、油圧回路31が各ホイールシリンダ32FR〜32RLの油圧を調整することにより、各ホイールシリンダ32FR〜32RLが駆動されて車輪11FR〜11RLに制動力(制動圧)を付与する。一方、(2)車両運動制御時には、車両の運動状態に基づいて各車輪11FR〜11RLに対する目標制動力が算出され、この目標制動力に基づき油圧回路31が駆動されて、各ホイールシリンダ32FR〜32RLの制動力が制御される(制動力制御)。
制御系4は、ECU(Electronic Control Unit)41と、各車輪11FR〜11RLの車輪速度を検出する車輪速度センサ42FR〜42RLと、操舵角を検出する操舵角センサ43と、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ44と、前後加速度を検出する前後加速度センサ45と、横加速度を検出する横加速度センサ46と、車速を検出する車速センサ47と、アクセル開度を検出するアクセル開度センサ48と、路面μ情報を取得する路面μセンサ49とを有する。この制御系4では、ECU41が各センサ42〜49の検出結果に基づいてエンジン12、駆動力配分制御装置2および制動力制御装置3を駆動する。これにより、エンジン12による総駆動力制御、駆動力配分制御装置2による駆動力配分制御および制動力制御装置3による制動力制御が行われて、車両運動制御が行われる。
[車両運動制御]
この車両運動制御システム1では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が大きくなり易い状況下(例えば、左右の駆動輪11RR、11RLのタイヤに接触する路面の摩擦係数が相異する走行路(またぎ路)での発進時)にて、次のようなトラクション制御が行なわれる(図2参照)。
なお、トラクション制御とは、一般に車両の発進時あるいは加速時におけるタイヤのスリップを防止するための制御をいう。例えば、車両10の発進時にてトラクション制御(またぎトラクション制御)が行われることにより、低い摩擦係数の路面に接触する駆動輪11RR(11RL)のスリップが抑制される。また、左右の駆動輪11RR、11RLの駆動力に差が設けられることにより、車両の加速性能が向上する。なお、かかるトラクション制御は、例えば、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が所定の閾値(例えば、1.5[m/s])を越えたときに必要となる。
トラクション制御では、まず、自車輪位置(駆動輪11RR、11RLの現在位置)における路面の摩擦係数μに関する情報(以下、路面μ情報という。)を取得できるか否かが判定される(ST1)。路面μ情報は、例えば、交差点での車両10の発進時にて、(1)他の車両(交差点にて発進した前方の車両)から車車間通信により取得されても良いし、(2)他の車両にて取得された路面μ情報が信号機等の車外設備に蓄積されており、この車外設備を介して取得されても良い。また、路面μ情報は、路面μセンサ49を介して取得される。
路面μ情報を取得できない場合には、制動力制御によるトラクション制御が行われる(ST8)。具体的には、制動力制御装置3が左右の駆動輪11RR、11RLへの制動力が制御されることにより、トラクション制御が行われる。これにより、駆動輪11RR、11RLのスリップが防止される。なお、制動力制御のみによるトラクション制御には、既存の技術が採用され得る。
一方、路面μ情報を取得できる場合には、路面μ情報が取得される(ST2)。次に、アクセル開度センサ48を介してアクセル開度Accel_open[%]が取得される(ST3)。そして、路面μ情報とアクセル開度Accel_openとに基づいて、駆動力配分制御装置2(制御ディファレンシャル21)への指令値targetFx_diff、駆動力配分制御時におけるアクセル開度の上限値Accel_open_maxおよび下限値Accel_open_minが算出される(ST4およびST5)。
このとき、まず、ドライバ要求による出力Fx_recが次の数式(1)により算出される。なお、(μL*WL+μR*WR)は、現状で出せる出力Fxの最大値である。また、μL、μRは、左右の駆動輪11RR、11RLが接地する路面の摩擦係数であり、WL、WRは、左右の駆動輪11RR、11RLの接地荷重である。
Fx_rec=(μL*WL+μR*WR)*Accel_open/100 (1)
次に、アクセル開度の上限値Accel_open_maxおよび下限値Accel_open_minが次の数式(2)および(3)により算出される(ST4)。
Accel_open_max={2*MIN(μL*WL,μR*WR)}/(μL*WL+μR*WR)*100 (2)
Accel_open_min={2*MIN(μL*WL,μR*WR)+Fx_diff_max}/(μL*WL+μR*WR)*100 (3)
なお、数式(2)において、{2*MIN(μL*WL,μR*WR)}は、駆動力配分制御が行われないときの出力Fxの最大値である。また、数式(3)において、{2*MIN(μL*WL,μR*WR)+Fx_diff_max}は、駆動力配分制御が行われるときの出力Fxの最大値である。また、Fx_diff_maxは、制御ディファレンシャル21の設計上の最大値(クラッチの耐久性により規定される数値)であり、所定の実験データに基づいて決定される。
次に、アクセル開度Accel_openが上限値Accel_open_maxと下限値Accel_open_minとの間にあるときの駆動力配分制御装置2への指令値targetFx_diffが、次の数式(4)により設定される(ST5)(図3参照)。
targetFx_diff=Fx_rec−2*MIN(μL*WL,μR*WR)(4)
次に、現在のアクセル開度Accel_openが上限値Accel_open_maxと下限値Accel_open_minとの間にあるか否かが判定される(ST6)。そして、現在のアクセル開度Accel_openがこの範囲にない場合には、制動力制御によるトラクション制御が行われる(ST8)。すなわち、現在のアクセル開度Accel_openが上限値Accel_open_maxよりも大きいときに駆動力配分制御によるトラクション制御が行われると、左右の駆動輪11RR、11RLが高差動になりやすい。したがって、かかる場合には、制動力制御によるトラクション制御が行われる。これにより、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャル21の耐久性の悪化が抑制される。
一方、現在のアクセル開度Accel_openがこの範囲にある場合には、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われる(ST7)。駆動力配分制御によるトラクション制御では、まず、現在のアクセル開度Accel_openに基づいて、駆動力配分制御装置2への指令値targetFx_diffが算出される(数式(4)および図3参照)。そして、この指令値targetFx_diffが駆動力配分制御装置2に入力されて、駆動力配分制御が行われる。これにより、好適なトラクション制御(例えば、またぎ路での車両10のスムーズな発進)が実現される。
[効果]
以上説明したように、この車両運動制御システム1では、駆動力配分制御によりトラクション制御が行われるので、好適な車両運動制御(例えば、またぎ路でのスムーズかつ効率的な発進)が実現される。このとき、路面μ情報に基づいてアクセル開度の上限値Accel_open_maxが設定され(ST3およびST4)、現在のアクセル開度Accel_openがこの上限値Accel_open_max以下のときにのみ駆動力配分制御によるトラクション制御が行われる(ST6およびST7)(図2参照)。すなわち、現在のアクセル開度が所定の上限値Accel_open_maxよりも大きい場合には、左右の駆動輪11RR、11RLが高差動となりやすいため、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止される。これにより、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャル21の耐久性の悪化が抑制される利点がある。
また、この車両運動制御システム1では、路面μセンサ49(路面μ情報取得手段)が車車間通信により或いは車外設備から路面μ情報を取得する。かかる構成では、路面μ情報が精度良く取得されるので、車両運動制御が適正に行われる利点がある。
また、この車両運動制御システム1では、現在のアクセル開度が上限値Accel_open_maxを超えるときに、制動力制御によるトラクション制御が行われる(ST6およびST8)(図2参照)。すなわち、現在のアクセル開度が所定の上限値Accel_open_maxよりも大きい場合には、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止される。かかる構成では、左右の駆動輪11RR、11RLが高差動になりやすいときに制動力制御によるトラクション制御が行われるので、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャル21の耐久性の悪化が効果的に抑制される利点がある。
また、この車両運動制御システム1では、左右の車輪11RR、11RLのタイヤに接触する路面の摩擦係数μR、μLが相異する走行路(またぎ路)での発進時にて上記のトラクション制御が行われることが好ましい。またぎ路では、スムーズかつ効率的な発進が求められる一方で、左右の駆動輪11RR、11RLが高差動になりやすい。したがって、現在のアクセル開度と上限値Accel_open_maxとの関係に応じて、駆動力配分制御によるトラクション制御と制動力制御によるトラクション制御とが適正に選択される。これにより、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャル21の耐久性の悪化が効果的に抑制されると共に、可能な限り駆動力配分制御が用いられてスムーズかつ効率的な発進が実現される利点がある。
以上のように、この発明にかかる車両運動制御システムは、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によるトラクション制御が行われるときに、駆動力配分制御の耐久性の悪化を抑制できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる車両運動制御システムを示す構成図である。 図1に記載した車両運動制御システムの作用を示すフローチャートである。 図1に記載した車両運動制御システムの作用を示す説明図である。
符号の説明
1 車両運動制御システム
2 駆動力配分制御装置
21 制御ディファレンシャル
22RR、22RL ドライブシャフト
3 制動力制御装置
31 油圧回路
32FR〜32RL ホイールシリンダ
33 ブレーキペダル
34 マスタシリンダ
4 制御系
42FR〜42RL 車輪速度センサ
43 操舵角センサ
44 ヨーレートセンサ
45 前後加速度センサ
46 横加速度センサ
47 車速センサ
48 アクセル開度センサ
49 路面μセンサ
10 車両
11FR〜11RL 車輪
12 エンジン
14 プロペラシャフト
15 ビスカスカップリング

Claims (4)

  1. 左右の車輪に駆動力を付与すると共に左右の前記車輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、左右の前記車輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、車輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、
    前記車輪の現在位置における路面の摩擦係数に関する情報(以下、路面μ情報という。)を取得する路面μ情報取得手段を備え、且つ、前記路面μ情報に基づきアクセル開度の上限値が設定されると共に、現在のアクセル開度が前記上限値以下のときにのみ前記駆動力配分制御によるトラクション制御が行われる車両運動制御システム。
  2. 前記路面μ情報取得手段が車車間通信により或いは車外設備から前記路面μ情報を取得する請求項1に記載の車両運動制御システム。
  3. 現在のアクセル開度が前記上限値を超えるときに、前記制動力制御によるトラクション制御が行われる請求項1または2に記載の車両運動制御システム。
  4. 左右の車輪のタイヤに接触する路面の摩擦係数が相異する走行路での発進時にて前記トラクション制御が行われる請求項1〜3のいずれか一つに記載の車両運動制御システム。
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