JP5092758B2 - 車両運動制御システム - Google Patents

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Description

この発明は、車両運動制御システムに関し、さらに詳しくは、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によるトラクション制御が行われるときに、駆動力配分制御の耐久性の悪化を抑制できる車両運動制御システムに関する。
近年の車両運動制御システムは、左右の駆動輪への駆動力配分を制御できる駆動力配分制御装置を有する。この駆動力配分制御装置は、制御ディファレンシャルを有し、ディファレンシャルの出力軸速度の左右差をアクティブに設けることにより、左右の駆動輪への駆動力配分を制御する(駆動力配分制御)。
かかる課題に関する従来の車両運動制御システムとして、特許文献1に記載される技術が知られている。従来の車両運動制御システム(車両用左右駆動力調整装置)は、車両における左輪回転軸と右輪回転軸との間に、上記の左右の各回転軸間で駆動力を授受することで上記の左右輪の駆動力を調整しうる駆動力伝達制御機構をそなえ、上記駆動力伝達制御機構が、上記の左右の各回転軸のうちの一方の回転軸側に連結されてこの一方の回転軸側の回転速度を一定の変速比で変速して出力しうる変速機構と、上記の左右の各回転軸のうちの他方の回転軸側と上記変速機構の出力部側との間に介装されて係合時に上記の左右の各回転軸間で駆動力の伝達を行ないうる伝達容量可変制御式トルク伝達機構と、この伝達容量可変制御式トルク伝達機構の係合状態を制御する制御手段とから構成され、上記制御手段に、上記の左右輪の回転速度比が上記の変速機構の出力部側の回転速度と上記の他方の回転軸側の回転速度との大小関係の変わる境界値よりも大きくなったら、上記伝達容量可変制御式トルク伝達機構の係合を解除して駆動力伝達制御を中止する制御中止手段が設けられていることを特徴とする。
特許第2848126号公報
また、近年の車両運動制御システムでは、車両の発進時あるいは加速時におけるタイヤのスリップを防止するための制御が行われる(トラクション制御)。特に、またぎ路(左右の駆動輪11RR、11RLのタイヤに接触する路面の摩擦係数が相異する走行路)での発進時には、低い摩擦係数の路面側にかかる車輪のスリップを抑制するための制御が行われる(またぎトラクション制御)。かかる制御は、駆動力配分制御装置が駆動力配分制御を行うことにより実現される。
しかしながら、またぎトラクション制御では、低い摩擦係数の路面側にかかる車輪がスリップした時点で駆動力配分制御が行われるため、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い。すると、駆動力配分制御にてトルク移動が行われたときに、駆動力配分制御装置への負荷が過大となり、駆動力配分制御装置の耐久性が悪化し、さらには駆動力配分制御装置が破損(クラッチの摩耗や焼き付きなど)するおそれがある。
このため、従来の車両運動制御システムでは、またぎ路での発進時のように左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下では、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われていない。
そこで、この発明は、上記に鑑みてされたものであって、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によるトラクション制御が行われるときに、駆動力配分制御の耐久性の悪化を抑制できる車両運動制御システムを提供することを目的とする。
上記目的を達成するため、この発明にかかる車両運動制御システムは、左右の駆動輪に駆動力を付与すると共に左右の駆動輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、各駆動輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、前記駆動輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われ、且つ、左右の前記駆動輪の車輪速度比と、前記駆動力配分制御装置の耐久性に関する所定の数値とに基づいて、左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下であるか否かが判定されることを特徴とする。
この車両運動制御システムでは、左右の駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御による駆動輪のトラクション制御(またぎトラクション制御。以下、単にトラクション制御と呼ぶ。)が行われる。かかる構成では、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によりトラクション制御が行われるので、好適な車両運動制御(例えば、またぎ路での車両のスムーズな発進)が実現される利点がある。また、左右の駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに駆動力配分制御が行われるので、車輪速度差に起因する駆動力配分制御装置の耐久性の悪化が抑制される利点がある。例えば、車輪速度差が所定の閾値を超えたとき(高差動時)に駆動力配分制御(トルク移動)が行われると、駆動力配分制御装置の耐久性が悪化するおそれがある。
また、この車両運動制御システムでは、駆動力配分制御装置の耐久性を悪化させることなく駆動力配分制御によるトラクション制御を実施できるか否かが適正に判定される利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムは、左右の駆動輪に駆動力を付与すると共に左右の駆動輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、各駆動輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、前記駆動輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われ、且つ、駆動力配分制御によるトラクション制御の実施時にて左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えたときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止されて制動力制御によるトラクション制御に切り替えられることを特徴とする。
この車両運動制御システムでは、駆動輪の車輪速度差に起因する駆動力配分制御装置の耐久性の悪化が抑制される利点があり、また、制動力配分制御により駆動輪のスリップが抑制される利点がある。
また、この発明にかかる車両運動制御システムは、左右の駆動輪に駆動力を付与すると共に左右の駆動輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、各駆動輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、前記駆動輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われ、且つ、駆動力配分制御によるトラクション制御の実施時にて左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えると予見されるときに、当該トラクション制御が駆動力配分制御および制動力配分制御の双方によるトラクション制御に切り替えられることを特徴とする。
この車両運動制御システムでは、駆動力配分制御のみによるトラクション制御の実施時にて左右の駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えると予見される場合には、駆動力配分制御のみによるトラクション制御から制動力制御によるトラクション制御への段階的な移行が行われる。かかる構成では、駆動力配分制御のみによるトラクション制御の実施時にて、現在のトラクション制御が制動力制御のみによるトラクション制御に直接的に切り替えられる構成と比較して、トラクション制御がより好適に行われる。これにより、スムーズな車両発進が実現される利点がある。
この発明にかかる車両運動制御システムでは、左右の駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御による駆動輪のトラクション制御(またぎトラクション制御。以下、単にトラクション制御と呼ぶ。)が行われる。かかる構成では、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によりトラクション制御が行われるので、好適な車両運動制御(例えば、またぎ路での車両のスムーズな発進)が実現される利点がある。また、左右の駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに駆動力配分制御が行われるので、車輪速度差に起因する駆動力配分制御装置の耐久性の悪化が抑制される利点がある。例えば、車輪速度差が所定の閾値を超えたとき(高差動時)に駆動力配分制御(トルク移動)が行われると、駆動力配分制御装置の耐久性が悪化するおそれがある。
以下、この発明につき図面を参照しつつ詳細に説明する。なお、この実施例によりこの発明が限定されるものではない。また、この実施例の構成要素には、発明の同一性を維持しつつ置換可能かつ置換自明なものが含まれる。また、この実施例に記載された複数の変形例は、当業者自明の範囲内にて任意に組み合わせが可能である。
図1は、この発明の実施例にかかる車両運動制御システムを示す構成図である。図2は、図1に記載した車両運動制御システムの作用を示すフローチャートである。
[車両運動制御システム]
この車両運動制御システム1は、車両10の運動あるいは挙動の制御(以下、車両運動制御という。)を行うことにより、車両10のスピンやドリフトアウト、車輪のスリップなどを防止する。この車両運動制御システム1は、駆動力配分制御装置2と、制動力制御装置3と、制御系4とを備える(図1参照)。なお、この実施例では、車両10の左側後輪11RLおよび右側後輪11RRが車両10の駆動輪であり、左側前輪11FLおよび右側前輪11FRが車両10の操舵輪である。
駆動力配分制御装置2は、駆動力を左右の駆動輪11RR、11RLに対して配分する装置であり、例えば、制御ディファレンシャル21により構成される。この駆動力配分制御装置2では、エンジン12が駆動力を発生すると、この駆動力が変速機(減速機)13、プロペラシャフト14およびビスカスカップリング15を介して制御ディファレンシャル21に伝達される。そして、この駆動力が制御ディファレンシャル21にて左右のドライブシャフト22RR、22RLに配分されて駆動輪11RR、11RLに伝達される。また、このとき、各駆動輪11RR、11RLに対する駆動力の配分比が制御される(駆動力配分制御)。なお、この実施例では、駆動力配分制御装置2が車両10の後輪11RR、11RLにのみ配置されている。なお、この車両運動制御システム1は、2WD(two-wheel drive)車両に適用されても良いし、4WD(four-wheel drive)車両に適用されても良い。例えば、2WD車両の後輪に駆動力配分制御装置2が設置されても良いし(後輪駆動)、4WD車両の後輪のみに駆動力配分制御装置2が設置されても良い。
制動力制御装置3は、各車輪11FR〜11RLに対する制動力を制御する装置であり、油圧回路31と、ホイールシリンダ32FR〜32RLと、ブレーキペダル33と、マスタシリンダ34とを有する。油圧回路31は、リザーバ、オイルポンプ、種々のバルブ等により構成される(図示省略)。この制動力制御装置3は、以下のように、車輪11FR〜11RLに制動力を付与する。すなわち、(1)通常運転時には、運転者によりブレーキペダル33が踏み込まれると、その踏み込み量がマスタシリンダ34を介して油圧回路31に伝達される。そして、油圧回路31が各ホイールシリンダ32FR〜32RLの油圧を調整することにより、各ホイールシリンダ32FR〜32RLが駆動されて車輪11FR〜11RLに制動力(制動圧)を付与する。一方、(2)車両運動制御時には、車両の運動状態に基づいて各車輪11FR〜11RLに対する目標制動力が算出され、この目標制動力に基づき油圧回路31が駆動されて、各ホイールシリンダ32FR〜32RLの制動力が制御される(制動力制御)。
制御系4は、ECU(Electronic Control Unit)41と、各車輪11FR〜11RLの車輪速度を検出する車輪速度センサ42FR〜42RLと、操舵角を検出する操舵角センサ43と、ヨーレートを検出するヨーレートセンサ44と、前後加速度を検出する前後加速度センサ45と、横加速度を検出する横加速度センサ46と、車速を検出する車速センサ47と、アクセル開度センサ48と、ブレーキ踏力センサ49とを有する。この制御系4では、ECU41が各センサ42〜49の検出結果に基づいてエンジン12、駆動力配分制御装置2および制動力制御装置3を駆動する。これにより、エンジン12による総駆動力制御、駆動力配分制御装置2による駆動力配分制御および制動力制御装置3による制動力制御が行われて、車両運動制御が行われる。
[車両運動制御]
この車両運動制御システム1では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が大きくなり易い状況下(例えば、またぎ路での発進時)にて、次のような車両運動制御が行なわれる(図2参照)。
まず、トラクション制御(TRC:TRaction Control)が必要か否かの判定が行われる(ST1)。この判定ステップST1では、各駆動輪11RR、11RLについて車輪速度Vxと車体速度Vとの差Vx−Vが算出され、いずれかの駆動輪11RR(11RL)にかかる車輪速度Vxと車体速度Vとの差Vx−Vが所定の閾値(例えば、1.5[m/s])を越えたときに、トラクション制御が必要と判定される。なお、トラクション制御とは、一般に車両の発進時あるいは加速時におけるタイヤのスリップを防止するための制御をいう。
この判定ステップST1において、トラクション制御が必要ないと判定された場合には、そのまま処理が終了される。
一方、判定ステップST1において、トラクション制御が必要と判定された場合には、またぎトラクション制御を行うか否かの判定が行われる(ST2)。この判定ステップST2では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が所定の閾値(例えば、1.5[m/s])を越えたときに、またぎトラクション制御が必要と判定される。なお、またぎトラクション制御とは、左右の駆動輪11RR、11RLのタイヤに接触する路面の摩擦係数が相異する走行路(またぎ路)にて行われるトラクション制御をいう。特に、この実施例では、車両10の発進時にてまたぎトラクション制御が行われることにより、低い摩擦係数の路面に接触する駆動輪11RR(11RL)のスリップが抑制され、また、左右の駆動輪11RR、11RLの駆動力に差を設けることで車両の加速性能が向上する。
この判定ステップST2において、またぎトラクション制御が必要ないと判定された場合には、制動力制御のみによるトラクション制御が行われる(ST3)。具体的には、制動力制御装置3が左右の駆動輪11RR、11RLへの制動力を制御することにより、トラクション制御が行われる。これにより、駆動輪11RR、11RLのスリップが防止される。なお、制動力制御のみによるトラクション制御には、既存の技術が採用され得る。
一方、判定ステップST2において、またぎトラクション制御が必要と判定された場合には、またぎトラクション制御を駆動力配分制御により実施することができるか否かが判定される(ST4)。すなわち、駆動力配分制御装置2の耐久性を悪化させることなく、駆動力配分制御によるトラクション制御を実施できるか否かが判定される。この判定では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLの比VxRR/VxRLおよび微分値∇VxRR、∇VxRLが用いられる。なお、車輪速度の微分値∇VxRR、∇VxRLとして、前回の制御時における車輪速度と現在の車輪速度との差が用いられても良い。この判定は、例えば、以下のように行われる。すなわち、VxRR>VxRLの場合には、次の数式(1)および数式(2)が満たされるときに、またぎトラクション制御を駆動力配分制御により行うと判定される。

(VxRR+∇VxRR)/(VxRL+∇VxRL)<k1 …(1)

VxRR/VxRL<k2 …(2)

また、VxRR<VxRLの場合には、次の数式(3)および数式(4)が満たされるときに、またぎトラクション制御を駆動力配分制御により行うと判定される。

(VxRL+∇VxRL)/(VxRR+∇VxRR)<k1 …(3)

VxRL/VxRR<k2 …(4)

なお、k1は、駆動力配分制御装置2(制御ディファレンシャル21)の設計上の数値(クラッチの耐久性により規定される数値)である。また、k2は、k1より小さく(k1>k2)、且つ、クラッチの早期摩耗を防止するための値として所定の実験データに基づいて決定される。
この判定ステップST4において、またぎトラクション制御を駆動力配分制御により行わないと判定された場合には、制動力制御のみによるまたぎトラクション制御が行われる(ST3)。
一方、この判定ステップST4において、またぎトラクション制御を駆動力配分制御により行うと判定された場合には、駆動力配分制御装置2により駆動力配分制御が行われて、トラクション制御が実行される(ST5)。
具体的には、まず、(a)車両10の前後方向加速度Gxおよび横方向加速度Gyに基づいて、これらの力換算値Fx_car、Fy_carが算出される。また、低い摩擦係数の路面側にある駆動輪11RR(11RL)のへ指令出力値targetFx_low_μが、次の数式(5)により算出される。なお、数式(5)において、Nは駆動輪数(この実施例では、N=2)である。

targetFx_low_μ=SQRT(Fx_car^2+Fy_car^2)/N …(5)

また、高い摩擦係数の路面側にある駆動輪11RL(11RR)への指令出力値targetFx_high_μが、次の数式(6)により算出される。

targetFx_high_μ=targetFx_low_μ+AT+K …(6)

このとき、制御ディファレンシャル21への指令出力値targetFx_diffが、次の数式(7)のようになる。

targetFx_diff=targetFx_high_μ−targetFx_low_μ=AT+K …(7)

なお、Tは時間である。また、Aは駆動力差をつける速度を決定するための定数であり、所定の適合条件により算出される。また、Kは、トラクション制御の実行時における許容駆動輪差であり、所定の実験データに基づいて決定される。
また、(b)トラクション制御の実行時にて、高い摩擦係数の路面側にある駆動輪11RL(11RR)にかかる車輪速度VxRL(VxRR)と車体速度Vとの差VxRL−V(VxRR−V)が所定の閾値(例えば、1.5[m/s])を越えた場合には、駆動輪11RL(11RR)への指令出力値targetFx_high_μが固定される。また、制御ディファレンシャル21への指令出力値targetFx_diffが、次の数式(8)のようになる。

targetFx_diff=targetFx_high_μ−targetFx_low_μ …(8)
なお、上記の(a)および(b)のいずれの場合にも、エンジン12への指令出力値targetFx_engが、次の数式(9)のようになる。なお、数式(9)において、Dは制御ディファレンシャル21における減速比である。

targetFx_eng=(targetFx_high_μ−targetFx_low_μ)/D …(9)
次に、上記の駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)の実行時にて、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が制御ディファレンシャル21の耐久性に与える影響について、複数の予見判定が行われる(予見判定ステップST6、ST7)。
まず、第一の予見判定ステップST6では、次の条件(p)が満たされるか否かが判定される。すなわち、(p)VxRR>VxRLのときに、次の数式(10)および数式(11)が満たされるか否か、或いは、VxRR<VxRLのときに、次の数式(12)および数式(13)が満たされるか否かが判定される。

VxRR/VxRL>k3 …(10)

(VxRR+∇VxRR)/(VxRL+∇VxRL)<k2 …(11)

VxRL/VxRR>k3 …(12)

(VxRL+∇VxRL)/(VxRR+∇VxRR)<k2 …(13)

なお、数式(10)〜数式(13)において、k2は、数式(2)および数式(4)に用いられた数値と同じである。また、k3は、k2よりも小さい値であり、駆動力配分制御が早期終了されない程度の適合値として設定される。
かかる条件(p)が満たされる場合には、実際の車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が過大となっていると考えられる。したがって、駆動力配分制御(ST5)が直ちに中止されて、制動力制御のみによりまたぎトラクション制御が行われる(ST3)。すなわち、駆動力配分制御から制動力制御への移行が即座に行われる。これにより、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャル21の耐久性の悪化が抑制される。
一方、条件(p)が満たされない場合には、第二の予見判定ステップST7が行われる。この予見判定ステップST7では、次の条件(q)または(r)が満たされるか否かが判定される。
条件(q)の判定では、制御ディファレンシャル21への指令出力値targetFx_diffが所定の閾値Fx_max_diffよりも大きい(targetFx_diff>Fx_max_diff)か否かが判定される。かかる条件(q)が満たされる場合には、左右の駆動輪11RR、11RLのタイヤに接触する路面の摩擦係数の推定値の差が大きいため、駆動輪11RR、11RLがスリップしたときの車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が増大すると考えられる。
一方、条件(r)の判定では、エンジン12への指令出力値targetFx_engが所定の閾値Fx_max_engよりも大きい(targetFx_eng>Fx_max_eng)か否かが判定される。かかる条件(r)が満たされる場合には、エンジン12への指令出力値targetFx_engが大きいため、駆動輪11RR、11RLがスリップしたときの車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が増大すると考えられる。
上記の条件(p)または条件(q)の少なくとも一方が満たされる場合には、現状では車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|に余裕がある(制御ディファレンシャル21の耐久性への影響が少ない)ものの、時間の経過により車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が過大となると予見される。したがって、かかる場合には、駆動力配分制御のみによるまたぎトラクション制御から制動力制御によるまたぎトラクション制御への段階的な移行が行われる(ST8)。したがって、現在のまたぎトラクション制御(駆動力配分制御のみによるまたぎトラクション制御)が制動力制御のみによるまたぎトラクション制御に直接的に切り替えられる構成と比較して、またぎトラクション制御がより好適に行われる。これにより、スムーズな車両発進が実現される。
ここで、駆動力配分制御から制動力制御への段階的な移行(ST8)は、複数段階あるいは無段階にて行われ得る。例えば、この実施例では、駆動力配分制御から制動力制御への移行が次のように行われる。まず、上記の条件(p)または条件(q)の少なくとも一方が満たされたときの各駆動輪11RR、11RLへの指令出力値targetFx_low_μ、targetFx_high_μをtargetFx_low_μ、targetFx_high_μとする。そして、これらの指令出力値targetFx_low_μ、targetFx_high_μと次の数式(15)〜(17)とが用いられて、制御ディファレンシャル21への指令出力値targetFx_diff、エンジン12への指令出力値targetFx_eng、および、低い摩擦係数の路面側にある駆動輪11RR(11RL)のホイールシリンダ32RR(32RL)への指令出力値targetFx_brake_low_μが算出される。なお、数式(14)〜数式(16)において、Bは制動力の介入速度を決定するための定数であり、適合により決定される。

targetFx_diff=MAX(targetFx_high_μ−targetFx_low_μ−BT,0) …(14)

targetFx_eng=MAX(targetFx_high_μ+targetFx_low_μ−BT,2targetFx_high_μ) …(15)

targetFx_brake_low_μ=MAX(BT,targetFx_high_μ−targetFx_low_μ) …(16)
かかる構成では、数式(14)にかかる制御ディファレンシャル21への指令出力値targetFx_diffが用いられることにより、駆動力配分制御が徐々に停止(緩和)される。また、数式(15)にかかるエンジン12への指令出力値targetFx_engが用いられることにより、エンジントルクが徐々に上昇する。また、数式(16)にかかるホイールシリンダ32RR(32RL)への指令出力値targetFx_brake_low_μが用いられることにより、制動力制御が徐々に介入する。これにより、駆動力配分制御によるスムーズな車両発進が実現されつつ、左右の車輪速度差に起因する制御ディファレンシャル21の耐久性の悪化が抑制される。
次に、条件(p)または条件(q)のいずれの条件も満たされていないと判定(ST7)されたとき、あるいは、駆動力配分制御から制動力制御への段階的な移行(ST8)が行われているときに、各駆動輪11RR、11RLのスリップが収まったか否かが判定される(ST9)。この判定ステップST9では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLの差|VwRR−VwRL|が所定の閾値(例えば、1.5[m/s])の範囲内にあるときに、駆動輪11RR、11RLのスリップが収まっていると判定される。そして、スリップが収まっていない場合には、再び予見判定ステップST6、ST7が行われ、その判定結果に応じて駆動力配分制御から制動力制御への即座の移行(ST3)あるいは段階的な移行(ST8)が行われる。一方、スリップが収まっている場合にはまたぎトラクション制御が終了される。
[効果]
以上説明したように、この車両運動制御システム1では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御による駆動輪11RR、11RLのトラクション制御(またぎトラクション制御。以下、単にトラクション制御と呼ぶ。)が行われる。かかる構成では、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によりトラクション制御が行われるので、好適な車両運動制御(例えば、またぎ路での車両10のスムーズな発進)が実現される利点がある。また、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値以下のときに駆動力配分制御が行われるので、車輪速度差に起因する駆動力配分制御装置2の耐久性の悪化が抑制される利点がある。例えば、車輪速度差が所定の閾値を超えたとき(高差動時)に駆動力配分制御(トルク移動)が行われると、駆動力配分制御装置の耐久性が悪化するおそれがある。
また、上記の構成では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値以上のときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止される。これにより、駆動輪11RR、11RLの車輪速度差に起因する駆動力配分制御装置2の耐久性の悪化が抑制される利点がある。
また、上記の構成では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度比と、駆動力配分制御装置2の耐久性に関する所定の数値とに基づいて、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値以下であるか否かが判定される(ST4)(図2参照)。これにより、駆動力配分制御装置2の耐久性を悪化させることなく駆動力配分制御によるトラクション制御を実施できるか否かが適正に判定される利点がある。
例えば、この実施例では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLの比VxRR/VxRLおよび微分値∇VxRR、∇VxRLが算出され、これらと駆動力配分制御装置2の耐久性に関する所定の数値k1、k2とが用いられて判定が行われている(ST4)(図2および数式(1)〜数式(4)参照)。そして、この判定結果に基づいて、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)または制動力配分制御によるトラクション制御(ST3)のいずれか一方が選択されて実施されている。具体的には、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が駆動力配分制御装置2の設計範囲内である(所定の閾値以下にある)と判定された場合には、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)が選択されている。また、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が駆動力配分制御装置2の設計範囲外である(所定の閾値を越えている)と判定された場合には、制動力配分制御によるトラクション制御(ST3)が選択されている。これにより、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)または制動力配分制御によるトラクション制御(ST3)の選択が左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差に応じて適正に行われている。
また、この車両運動制御システムでは、駆動力配分制御によるトラクション制御の実施時にて左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値を超えたときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止されて制動力配分制御によるトラクション制御に切り替えられる(ST6)(図2参照)。これにより、駆動輪11RR、11RLの車輪速度差に起因する駆動力配分制御装置2の耐久性の悪化が抑制される利点があり、また、制動力配分制御により駆動輪11RR、11RLのスリップが抑制される利点がある。
また、上記の構成では、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度比と、駆動力配分制御装置2の耐久性に関する所定の数値とに基づいて、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値を超えたか否かが判定される(ST6)(図2参照)。これにより、駆動力配分制御装置2の耐久性を悪化させることなく駆動力配分制御によるトラクション制御を実施できるか否かが適正に判定される利点がある。
例えば、この実施例では、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)の実施時にて、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLに関する予見判定が並行して行われている(ST6)(図2参照)。この予見判定ステップST6では、(p)左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度VxRR、VxRLの比VxRR/VxRLおよび微分値∇VxRR、∇VxRLが算出され、これらと駆動力配分制御装置2の耐久性に関する所定の数値k2、k3とが用いられて判定が行われている(数式(10)〜数式(13)参照)。そして、この判定結果に基づいて、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)が継続されるか、或いは、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)が禁止されて制動力配分制御によるトラクション制御(ST3)に切り替えられるかが選択されている。具体的には、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が駆動力配分制御装置2の設計範囲内である(所定の閾値以下にある)と判定された場合には、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)がそのまま継続されている。一方、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差がいずれ駆動力配分制御装置2の設計範囲外になる(所定の閾値を越える)と判定された場合には、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)が禁止されて制動力配分制御によるトラクション制御(ST3)に切り替えられている。これにより、駆動力配分制御によるトラクション制御(ST5)の実行時においても左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が駆動力配分制御装置2の設計範囲外とならないように、適正な制御が行われている。
また、この車両運動制御システム1では、駆動力配分制御および制動力配分制御の双方が並行して行われてトラクション制御が実施される(ST8)(図2参照)。これにより、駆動力配分制御または制動力制御のいずれか一方によりトラクション制御が行われる構成と比較して、車両10の運動をより好適に制御できる利点がある。
また、この車両運動制御システム1では、駆動力配分制御によるトラクション制御の実施時にて左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値を超えると予見されるときに、現在のトラクション制御が駆動力配分制御および制動力配分制御の双方によるトラクション制御に切り替えられる(ST7およびST8)(図2参照)。すなわち、駆動力配分制御のみによるトラクション制御の実施時にて左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値を超えると予見される場合には、駆動力配分制御のみによるトラクション制御から制動力制御によるトラクション制御への段階的な移行が行われる。かかる構成では、駆動力配分制御のみによるトラクション制御の実施時にて、現在のトラクション制御が制動力制御のみによるトラクション制御に直接的に切り替えられる構成と比較して、トラクション制御がより好適に行われる。これにより、スムーズな車両発進が実現される利点がある。
例えば、この実施例では、駆動力配分制御のみによるトラクション制御(ST5)の実施時にて、(q)左右の駆動輪11RR、11RLのタイヤに接触する路面の摩擦係数の推定値の差が大きいか否か、並びに、(r)エンジン12への指令出力値targetFx_engが大きいか否かの判定結果に基づいて、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値を超えるか否かが予見されている(ST7)。そして、これらのいずれかの条件が満たされる場合には、駆動力配分制御のみによるトラクション制御から制動力制御によるトラクション制御への段階的な移行が行われている。これにより、トラクション制御が好適に行われている。
また、この実施例では、駆動力配分制御および制動力配分制御の双方によるトラクション制御にて、駆動力配分制御装置2に対する指令出力値targetFx_diffが徐々に減少すると共に、制動力制御装置3に対する指令出力値targetFx_engが徐々に増加するように設定されている。また、このとき、エンジン12(エンジントルク)への指令出力値targetFx_engが徐々に増加するように設定されている。これにより、駆動力配分制御のみによるトラクション制御から制動力制御によるトラクション制御への段階的な移行が良好に実現されている。
また、この車両運動制御システム1では、駆動力配分制御および制動力配分制御の双方によるトラクション制御(ST8)の実施時にて左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値を超えたときに、駆動力配分制御が禁止されて制動力配分制御のみによるトラクション制御に切り替えられる(ST6)(図2参照)。すなわち、駆動力配分制御のみによるトラクション制御から制動力制御によるトラクション制御への段階的な移行が行われているときであっても、左右の駆動輪11RR、11RLの車輪速度差が所定の閾値を超えた場合には、直ちに駆動力配分制御が禁止される。これにより、駆動輪11RR、11RLの車輪速度差に起因する駆動力配分制御装置2の耐久性の悪化が抑制される利点がある。
以上のように、この発明にかかる車両運動制御システムは、左右の駆動輪の車輪速度差が大きくなり易い状況下にて駆動力配分制御によるトラクション制御が行われるときに、駆動力配分制御の耐久性の悪化を抑制できる点で有用である。
この発明の実施例にかかる車両運動制御システムを示す構成図である。 図1に記載した車両運動制御システムの作用を示すフローチャートである。
符号の説明
1 車両運動制御システム
2 駆動力配分制御装置
21 制御ディファレンシャル
22RR、22RL ドライブシャフト
3 制動力制御装置
31 油圧回路
32FR〜32RL ホイールシリンダ
33 ブレーキペダル
34 マスタシリンダ
4 制御系
42FR〜42RL 車輪速度センサ
43 操舵角センサ
44 ヨーレートセンサ
45 前後加速度センサ
46 横加速度センサ
47 車速センサ
48 アクセル開度センサ
49 ブレーキ踏力センサ
10 車両
11FR〜11RL 車輪
11RR、11RL 駆動輪
12 エンジン
14 プロペラシャフト
15 ビスカスカップリング

Claims (9)

  1. 左右の駆動輪に駆動力を付与すると共に左右の駆動輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、各駆動輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、前記駆動輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、
    左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われ、且つ、
    左右の前記駆動輪の車輪速度比と、前記駆動力配分制御装置の耐久性に関する所定の数値とに基づいて、左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下であるか否かが判定されることを特徴とする車両運動制御システム。
  2. 左右の駆動輪に駆動力を付与すると共に左右の駆動輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、各駆動輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、前記駆動輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、
    左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われ、且つ、
    駆動力配分制御によるトラクション制御の実施時にて左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えたときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止されて制動力制御によるトラクション制御に切り替えられることを特徴とする車両運動制御システム。
  3. 左右の前記駆動輪の車輪速度比と、前記駆動力配分制御装置の耐久性に関する所定の数値とに基づいて、左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えたか否かが判定される請求項に記載の車両運動制御システム。
  4. 左右の駆動輪に駆動力を付与すると共に左右の駆動輪への駆動力配分を制御(以下、駆動力配分制御という。)できる駆動力配分制御装置と、各駆動輪の制動力を独立して制御(以下、制動力制御という。)できる制動力制御装置とを備えると共に、前記駆動輪のスリップを抑制するためのトラクション制御が行われる車両運動制御システムであって、
    左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値以下のときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が行われ、且つ、
    駆動力配分制御によるトラクション制御の実施時にて左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えると予見されるときに、当該トラクション制御が駆動力配分制御および制動力配分制御の双方によるトラクション制御に切り替えられることを特徴とする車両運動制御システム。
  5. 左右の前記駆動輪のタイヤに接触する路面の摩擦係数の推定値の差が大きいか否か、或いは、エンジンへの指令出力値が所定の閾値よりも大きいか否かの判定結果に基づいて、左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えるか否かが予見される請求項に記載の車両運動制御システム。
  6. 駆動力配分制御および制動力配分制御の双方によるトラクション制御にて、駆動力配分制御装置に対する指令出力値が徐々に減少すると共に、制動力制御装置に対する指令出力値が徐々に増加する請求項4または5に記載の車両運動制御システム。
  7. 駆動力配分制御および制動力配分制御の双方によるトラクション制御の実施時にて左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えたときに、前記駆動力配分制御が禁止されて制動力配分制御によるトラクション制御に切り替えられる請求項4〜6のいずれか一つに記載の車両運動制御システム。
  8. 左右の前記駆動輪の車輪速度差が所定の閾値を超えたときに、駆動力配分制御によるトラクション制御が禁止される請求項1〜7のいずれか一つに記載の車両運動制御システム。
  9. 駆動力配分制御および制動力配分制御の双方が並行して行われてトラクション制御が実施される請求項1〜8のいずれか一つに記載の車両運動制御システム。
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