JP2009164608A - プラズマ処理方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】真空引き可能になされた処理容器4内に上部電極6と載置台を兼ねる下部電極18とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路12を介して接続された高周波電源14より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体Wに対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置において、前記電極のいずれか一方の高周波ラインに介在されて、該高周波ラインが接続された電極とは対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段30と、前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを制御するためのインピーダンス制御部32と、を備える。
【選択図】図1
Description
例えば平行平板型のプラズマ処理装置を例にとれば、このプラズマ処理装置内では、載置台を兼ねる下部電極上に半導体ウエハを載置し、そして、この下部電極とこれに対向する上部電極との間で高周波電圧を印加することによりプラズマを発生させ、このプラズマによって成膜処理やエッチング処理等の各種の処理を行う。
この場合、特にプラズマ状態を最良に効果的に制御できることから、従来装置にあっては、上下の両電極間の間隔を調整できる構造が採用される傾向にあり、例えば下部電極を昇降できるように処理容器の底部側に下部電極を昇降させる昇降機構を設け、この昇降機構を用いて必要に応じて上記下部電極を昇降させてこれと上部電極との間隔を調整するようになっている。
また、装置自体が大型化することから、装置の設置スペース、すなわちフットプリントも増大してしまう、といった問題があった。
本発明の第1の目的は、簡単な構造でプラズマ処理の面内均一性を高く維持できるようにプラズマの状態を最適に調整することが可能なプラズマ処理装置を提供することにある。
本発明の第2の目的は、簡単な構造で処理容器内のプラズマの状態を安定的に維持することが可能なプラズマ処理装置を提供することにある。
また、本発明の他の目的は、プラズマ処理装置に用いる可変インピーダンス手段に関する機差(個体差)をなくすように校正することが可能な校正方法を提供することにある。
請求項1に係る発明は、真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置において、前記電極のいずれか一方の高周波ラインに介在されて、該高周波ラインが接続された電極とは対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段と、前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを制御するためのインピーダンス制御部と、を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置である。
従って、例えば被処理体に対するプラズマ処理の面内均一性を高く維持したり、或いは処理容器内におけるプラズマの状態を安定的に維持することが可能となる。
このように、インピーダンス制御部の構成は、細かな制御が可能だが制御範囲が比較的狭い連続可変素子を内蔵するものと、細かい制御はできないが制御範囲が広くとれる固定素子の切り替えによるもの、さらにはその両方を組み合わせて、制御範囲を広くとり、なおかつ細かな制御まで可能なものを採用することができる。
これによれば、マッチング動作に関してほとんど影響を与えることも無く、さらに可変インピーダンス手段を設けることによる高周波電力のパワーロスおよびそれに伴う可変インピーダンス手段の焼損を防ぐことができる。
また、例えば請求項5に規定するように、前記インピーダンス制御部は、前記被処理体のプロセスが面内均一となるように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整する。
また、例えば請求項7に規定するように、前記プラズマ処理装置はエッチング装置であり、前記被処理体はパターン形成されたマスク層とその下の被エッチング層とを有し、前記インピーダンス制御部は前記被処理体の加工寸法を制御するように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整する。
このように、高周波電源として周波数可変型の高周波電源を用い、これに接続される電極とは対向する電極側に、連続、或いは段階的に異なる周波数に対して異なるインピーダンス値をもつ固定インピーダンス手段を設けるようにしたので、プロセス条件や装置自体の状態に適合させて高周波電圧の周波数を変化させることにより、プラズマ処理の面内均一性を向上させたり、プラズマの安定化を図ることが可能となる。
このように、この電源周波数の制御と可変インピーダンス素子を組み合わせて利用することにより、通常あまり大きくとることのできない周波数可変範囲においてインピーダンスの制御範囲を広くとることも可能となる。目標とするインピーダンスがお互いにかけ離れた2点ある場合について、固定回路素子の切り替えによって粗く調整を行い、さらに周波数を連続的に変化させることで微調整を行い、目標とするインピーダンスの変化を高い精度で実現することが可能となる。
これにより、可変インピーダンス手段を量産した場合でもこの機差(個体差)を校正することが可能となる。
この方法は、請求項15、16に規定する校正方法とは違って、実施にあたって特別な治具や計測器を必要とせず、装置に通常に備わっているものだけで実施できることから、大きな利点がある。
このように、共振用可変インピーダンス手段を設けてプラズマから見たインピーダンスを、高周波電源の高調波の内の少なくとも1つに対して共振できるように可変にしたので、プロセス条件や装置自体の状態に適合させてインピーダンスを調整制御することができる。
この場合、例えば請求項24に規定するように、前記共振用可変インピーダンス手段は、前記上部電極と、前記下部電極と、前記処理容器との内の少なくともいずれか1つに接続される。
また、例えば請求項25に規定するように、前記下部電極の周囲には、フォーカスリングが設けられており、前記共振用可変インピーダンスは前記フォーカスリングに接続されている。
また、例えば請求項26に規定するように、前記下部電極の外周と前記処理容器の側壁との間には整流板が設けられており、前記共振用可変インピーダンスは前記整流板に接続されている。
また、例えば請求項28に規定するように、前記共振用可変インピーダンス手段は、異なる高次の高調波にそれぞれ対応させてインピーダンスを独立させて変化させることが可能な複数のインピーダンス可変部を有している。
また、例えば請求項29に規定するように、前記共振用可変インピーダンス手段は、共振の対象となる高次の高調波を選択するためのフィルタ手段を有している。また、例えば請求項30に規定するように、前記フィルタ手段は、選択した高調波以外の高調波に対しては50Ω以上の高いインピーダンスをもつ。また、例えば請求項31に規定するように、前記フィルタ手段は、ハイパスフィルタを有する。また、例えば請求項32に規定するように、前記フィルタ手段は、バンドパスフィルタを有する。また、例えば請求項33に規定するように、前記フィルタ手段は、ローパスフィルタを有する。また、例えば請求項34に規定するように、前記フィルタ手段は、ノッチフィルタを有する。
請求項1、4〜9、13、14、18〜22に係る発明によれば、上部電極と下部電極の内のいずれか一方の電極の高周波ラインに可変インピーダンス手段を設けて他方の電極側から見た時のインピーダンスを変化させることができるようにしたので、プロセス条件や装置自体の状態に適合させてインピーダンスを制御することができる。
従って例えば被処理体に対するプラズマ処理の面内均一性を高く維持したり、或いは処理容器内におけるプラズマの状態を安定的に維持することができる。
請求項2に係る発明によれば、インピーダンス制御部の構成は、細かな制御が可能だが制御範囲が比較的狭い連続可変素子を内蔵するものと、細かい制御はできないが制御範囲が広くとれる固定素子の切り替えによるもの、さらにはその両方を組み合わせて、制御範囲を広くとり、なおかつ細かな制御まで可能なものを採用することができる。
請求項3に係る発明によれば、マッチング動作に関してほとんど影響を与えることも無く、さらに可変インピーダンス手段を設けることによる高周波電力のパワーロスおよびそれに伴う可変インピーダンス手段の焼損を防ぐことができる。 請求項10に係る発明によれば、高周波電源として周波数可変型の高周波電源を用い、これに接続される電極とは対向する電極側に、連続、或いは段階的に異なる周波数に対して異なるインピーダンス値をもつ固定インピーダンス手段を設けるようにしたので、プロセス条件や装置自体の状態に適合させて高周波電圧の周波数を変化させることにより、プラズマ処理の面内均一性を向上させたり、プラズマの安定化を図ることが可能となる。
請求項11に係る発明によれば、電源周波数の制御と可変インピーダンス素子を組み合わせて利用することにより、通常あまり大きくとることのできない周波数可変範囲においてインピーダンスの制御範囲を広くとることも可能となる。目標とするインピーダンスがお互いにかけ離れた2点ある場合について、固定回路素子の切り替えによって粗く調整を行い、さらに周波数を連続的に変化させることで微調整を行い、目標とするインピーダンスの変化を高い精度で実現することが可能となる。
請求項12、15、16に係る発明によれば、可変インピーダンス手段を量産した場合でもこの機差(個体差)を校正することができる。
請求項17に係る発明によれば、請求項15、16に規定する校正方法とは違って、実施にあたって特別な治具や計測器を必要とせず、装置に通常に備わっているものだけで実施できることから、大きな利点がある。
請求項23〜35に係る発明によれば、共振用可変インピーダンス手段を設けてプラズマから見たインピーダンスを、高周波電源の高調波の内の少なくとも1つに対して共振できるように可変にしたので、プロセス条件や装置自体の状態に適合させてインピーダンスを調整制御することができる。
従って、例えば被処理体に対するプラズマ処理の面内均一性を高く維持したり、或いは処理容器内におけるプラズマの状態を安定的に維持することが可能となる。
<第1実施例>
図1は本発明に係るプラズマ処理装置の一例を示す概略構成図、図2は下部電極に接続されるマッチング回路と可変インピーダンス手段を主体とする回路構成図、図3は可変インピーダンス手段のインピーダンス対応値(ダイヤル値)と容量との相互関係を示すグラフ、図4は可変インピーダンス手段のインピーダンス対応値(ダイヤル値)とリアクタンスとの相互関係を示すグラフである。
図1に示すように、このプラズマ処理装置2は、例えばアルミニウム製の真空引き可能になされた筒体状の処理容器4を有している。この処理容器4は接地されている。この処理容器4の天井部には、例えばシャワーヘッド構造になされた例えばアルミニウム製の上部電極6が絶縁部材8を介して取り付け固定されており、このシャワーヘッド構造の上部電極6から処理ガス等の処理に必要な各種のガスを処理容器4内へ導入し得るようになっている。
また、上記処理容器4の底部には、図示しない真空ポンプ側に接続される排気口16が形成されており、そして、上記上部電極6に対向させて、上記処理容器4の底部より起立させて下部電極18が絶縁状態で設けられている。この下部電極18は、例えばアルミニウムよりなって載置台としての機能も有しており、この上面に被処理体として例えば半導体ウエハWを載置し得るようになっている。そして、この下部電極18と上記上部電極6との間の処理空間Sにプラズマを発生するようになっている。
そして、上記下部電極18には、高周波ライン24が接続されており、この高周波ライン24には、第2のマッチング回路26を介してバイアス用の第2の高周波電源28が接続されている。このバイアス用の第2の高周波電源28は、上記第1の高周波電源14よりも周波数が低い、例えば13.56MHzの高周波電圧を発生する。尚、この第2の高周波電源28によってもプラズマが発生されることもある。
そして、この第2のマッチング回路26と上記下部電極18との間の高周波ライン24に、上部電極6側から見たインピーダンスを変化させることが可能な本発明の特徴とする可変インピーダンス手段30が介設されており、この可変インピーダンス手段30は、例えばマイクロコンピュータ等よりなるインピーダンス制御部32によりインピーダンスが調整されて適正に制御されるようになっている。
そして、上記第2の固定コイル36の両端とアースとの間に、第2の可変コンデンサC2と固定コンデンサC3とがそれぞれ並列的に接続されている。この第2のマッチング回路26は、前述した第1のマッチング回路12と同様な機能を有しており、第2の高周波電源28から上記下部電極18へ供給される高周波電力が上記下部電極18にて反射を起こさないようにそのインピーダンスが、例えば50Ωになるように自動的に調整される機能を有している。この際、自動的に変化する第1の可変コンデンサC1の調整位置(その時の容量に対応)をマッチャーポジション部38にて確認できるようになっている。尚、上部電極6から供給される第1の高周波電源14の電流は、処理容器4の側壁や下部電極18等を介してアースに流れ、逆に下部電極18から供給される第2の高周波電源28の電流は、処理容器4の側壁や上部電極6等を介してアースに流れるようになっている。
このダイヤル部44のダイヤル値と可変コンデンサ42の容量との相関関係の一例は図3に示されており、ダイヤル値0〜20に対して、容量は5〜130pF程度の範囲内で略直線的に変化できるようになっている。尚、ここではダイヤル値が大きい程、容量が小さくなるように設定してある。
また、ダイヤル部44のダイヤル値と上部電極6に印加される60MHzに対する可変インピーダンス手段側のリアクタンスとの相関関係を図4に示している。この図4から明らかなように、ダイヤル値を5〜20の範囲で変化させることにより、リアクタンスを−30〜+600Ωの範囲内で制御できるように設定してある。
ここでは、プラズマ処理の一例として、例えば二酸化シリコン膜よりなる下地層の上に形成したポリシリコン膜をエッチングすることによりゲート電極を形成する場合、エッチングレートの大きいプロセスAとエッチングレートの小さいオーバエッチング用のプロセスBとを連続的に同一のプラズマ処理装置内で行う場合を例にとって説明する。この2段階プロセス中のプロセスAでは形状を出すために異方性の強いエッチングを行い、プロセスBでは下地層との選択比が非常に大きなエッチングを行う。
このプロセスAとプロセスBとでは、供給する複数のガスの供給量のガス比、供給電力、プロセス圧力等のプロセス条件が変わるので、それに対応して処理空間Sに発生しているプラズマの状態も変わる。この時、上記可変インピーダンス手段30を制御してプラズマ処理の面内均一性を保つようになっている。
ここでプロセスAとプロセスBのプロセス条件の一例は以下の通りである。
プロセスガス(エッチングガス):HBr/O2 =400/1sccm
プロセス圧力 :2.7Pa(20mTorr)
下部電極温度 :75℃
高周波電力 :上部電極/下部電極=200/100W(ワット)
<プロセスB>
プロセスガス(エッチングガス):HBr/O2 =1000/4sccm
プロセス圧力 :20Pa(150mTorr)
下部電極温度 :75℃
高周波電力 :上部電極/下部電極=650/200W(ワット)
上記プロセスA、Bのそれぞれに対する均一性の制御特性評価のためにレジストパターン無しの一様なポリシリコンウエハ(ポリベタウエハ)を25秒間エッチングする工程を可変インピーダンス手段30のダイヤル値を少しずつ変えながらそれぞれ実行した。図5はその時のプロセスA、Bのダイヤル値とプラズマ処理の面内均一性3σとの関係を示すグラフである。尚、ここでσとは標準偏差を表している。
図6は、従来装置と本発明装置とでプロセスを行った時の直径300mmのウエハ上のエッチングレートの分布を示すグラフである(尚、従来装置によるプロセスBの結果については記載を省略している)。
ここで用いた従来装置は上下電極が共に固定されており、インピーダンスに関しては、プロセスB用に調整されたものを用いた。
この場合、従来装置でプロセスBを行った場合には、図示されていないが、プラズマ処理に関して良好な面内均一性を得ることができたが、プロセスAに関しては、図6(A)に示すように、ウエハ中心部はエッチングレートが小さく、周辺部に行く程エッチングレートが高くなってエッチングの面内均一性3σは14.4%程度まで悪化していることが判明する。
本発明装置で設けた可変インピーダンス手段32は、安価で且つ非常に小型な電気的素子を主体として構成できるので、上下電極の一方が昇降できるようにした従来のプラズマ処理装置と比較して、その構造が非常に簡単であり、しかも設置スペースを大幅に縮小することが可能となる。尚、上記可変インピーダンス手段32のダイヤル値は単に一例を示したに過ぎず、プロセス条件等によって最適値が変動するのは勿論である。
上記第1実施例では、主としてプラズマ処理の面内均一性を向上させることを目的としたプロセスについて説明したが、プラズマの安定性を高く維持する必要のあるプロセスを行う場合もある。
ここでプラズマの安定性に関しては、プロセスの条件、例えば印加する高周波電力やプロセス圧力等に応じて処理空間S中のプラズマが整流板22(図1参照)より下方に漏れたり、漏れなかったりする場合がある。このようにプラズマが整流板22より下方へ漏れない場合と漏れる場合とでは、第1のマッチング回路12や第2のマッチング回路26(図1参照)から処理容器4内のプラズマを見た時のインピーダンスはそれぞれ異なるので、これに伴って各マッチング回路12、26は前述したようにインピーダンスの整合を図るようにそれぞれ自動的にインピーダンスが変化してマッチャーポジションが変わる。
そこで、この第2実施例では、プラズマを安定化させるために、上記第1実施例で用いた可変インピーダンス手段30を用いる。プラズマ処理装置全体の装置構成は、第1実施例の場合と全く同様である。ここでは、プロセス処理として、例えばフォトレジスト膜の下層に設けた有機物よりなる反射防止膜をエッチングする場合を例にとって説明する。
プロセスガス(エッチングガス):CF4 /O2 =70/10sccm
プロセス圧力 :0.67Pa(5mTorr)
下部電極温度 :60℃
そして、上部電極6と下部電極18のそれぞれへ印加する高周波電力の組み合わせを種々変更してプラズマ処理を行い、この時のプラズマの安定性を目視で確認した。この時の評価結果を図8に示す。尚、この時の可変インピーダンス手段30のダイヤル値は15.2に固定している。
図8は上部電極と下部電極とに印加する高周波電力の組み合わせを変えた時のプラズマの安定性を示すグラフである。
○ : 目視で、整流板の上も下もちらつき無し
電圧や高周波電力の反射もふらつきやハンチング無し
△ : 目視で、整流板の下がちらつく
電圧や高周波電力の反射もふらつきやハンチング無し
× : 目視で、整流板の上も下もちらつく
電圧や高周波電力の反射が激しくふらつく
ハンチングが一度でも起きる
操業途中で高周波電力反射エラーで落ちる
そこで、この不安定な状態を示す電力印加状態を保持したまま、すなわち上部電極6へ200Wの高周波電力を印加し、下部電極18へ45Wの高周波電力を印加した状態で、可変インピーダンス手段30のダイヤル値を種々変化させて、その時のプラズマ状態の変化を目視で観察した。その時の評価結果を図9に示す。図9は可変インピーダンス手段のダイヤル値とプラズマの安定性との関係を示すグラフである。
図9から明らかなように、プラズマが安定的に発生する領域(○印の部分)は、ダイヤル値が11.4〜11.6の領域Aと、ダイヤル値が15.1〜15.2の領域Bの2つの領域が存在することが判明する。
このように、プロセス条件を決定する際に、そのプロセスに対するダイヤル値を予め適正に選択して規定しておくことにより、プラズマを安定的に発生した状態でプラズマ処理を行うことが可能となる。例えば上述したように規定したダイヤル値を組み込んだレシピを用いてプラズマ処理を行う。また、ダイヤル値を適宜選択することにより、プロセス条件の範囲も広くでき、プロセスマージンを拡大することができる。
ここで、上記したプロセスの種類やその時のダイヤル値は単に一例を示したに過ぎず、プロセス条件に応じて、種々適切なダイヤル値が定まるのは勿論である。
(可変インピーダンス手段単体の校正)
ところで、前述した様な可変インピーダンス手段30等は、プラズマ処理装置の受注数に応じて、一般的には同一規格のものが多数製造される。この場合、製造誤差等によって各可変インピーダンス手段30に特性上の僅かな誤差が発生することは避けられない。すなわち、可変インピーダンス手段30のダイヤル値とその時の実際のリアクタンスとの関係が、常に一致しているとは限らず、可変インピーダンス手段の機差(個体差)によって僅かにずれている場合が多く生ずる。従って、同じような構成で組み立てられた本発明のプラズマ処理装置において、予め定められたダイヤル値でプラズマ処理を行った場合、ある装置では高い面内均一性で処理を行うことができるが、別の装置では同一のダイヤル値で処理を行っても高い面内均一性が得られない場合も発生する。
ここでは校正を行うためのパラメータとして可変インピーダンス手段30のリアクタンスを用いることとする。図10はプラズマ処理装置の校正を行う時のリアクタンス測定治具の取り付け状態を示す図である。
図10に示すように、ここでのプラズマ処理装置2は、先に図1において説明した構成と全く同様に形成されている。尚、図10中において同一構成部分については同一参照符号が付されている。
Y’1=a1・Y11+b1
Y’2=a1・Y12+b1
そして、NO1の装置に対する校正関数の係数a1、b1はそれぞれ下記式のように表すことができる。
a1=(Y’1−Y’2)/(Y11−Y12)
b1=Y’1−(Y’1−Y’2)・Y11/(Y11−Y12)
同様の手順でNO2の装置に対する校正関数の係数a2、b2を求めることができる。図11(B)に示すように、NO1、NO2のそれぞれの装置の校正前のダイヤル値Yと校正後のダイヤル値Y’の関係(校正関数)はこのような傾きと切片の異なる2本の直線として表すことができる。ちなみに、機差の要因には固定コイルのインダクタンスの機差と可変コンデンサの最小容量の機差とが考えられ、校正曲線においては前者は傾きaに、後者は切片bに影響する。このようにして校正をかけた後のダイヤル値Y’とリアクタンスXの値の関係は図11(C)に示す。校正前のダイヤル値Yを横軸にとった場合(図11(A))互いに大きく離れていた3本の曲線が、校正後のダイヤル値Y’を横軸に取るとほんとんど一致しており、NO1およびNO2のどの装置でも同じダイヤル値Y’に対して同じリアクタンスXをもつ。
このような校正関数を各プラズマ処理装置毎に予め求めておけば、同一のダイヤル値を含むプロセス条件(レシピ)の場合には、機差に関係なく各装置間において例えば常に同じようなプラズマ状態を形成することが可能となる。
上述の場合、可変インピーダンス手段30の出力端子30Aにリアクタンス測定治具56を接続して矢印60の方向を見たリアクタンスを測定したが、装置構成、パーツ構成(パーツの交換等)よっても装置毎にリアクタンスにずれが生ずる場合がある。
従って、この場合には、図10に示すように、下部電極18にリアクタンス測定治具56を接続し、可変インピーダンス手段30及びその高周波電源側を切り離して矢印64の方向に見たリアクタンス(60MHz時)を、上述した場合と同様にして測定する。
そして、ここでも前述したと同様に校正関数や校正表を上記ダイヤル部44(図2参照)に記憶させておけばよい。この場合には、先に説明した矢印60の方向で見た時の校正と、上記矢印64の方向で見た時の校正を共に実行することにより、それぞれの装置に対して可変インピーダンス手段30を同一規格の別の個体に付け代えて校正をやり直すことなく使用することができる。
上記校正では、下部電極18にリアクタンス測定治具56を設けて、リアクタンスの変化を測定したが、この方法は、精度が高い反面、実際にプラズマを発生させないため、ウエハ状態やプロセス条件による共振のズレまでは反映されない。そこで、これに代えて、プラズマを実際に発生させてダイヤル値と第2のマッチング回路26のマッチングポジション部38におけるマッチングポジションとの関係を測定するようにしてもよい(図2参照)。すなわち、装置構成、パーツ構成、ウエハ状態、プロセス条件等に共振のズレが発生するので、これに応じてマッチングポジションのダイヤル値に対する挙動も変動することになる。
例えばNO3のプラズマ処理装置のマッチングポジションとダイヤル値との相関関係68が、上記基準相関関係66に対してダイヤル値でM値だけズレていると仮定した場合、このM値を相殺するような例えば校正表を予め作成し、これをダイヤル部44(図2参照)へ予め記憶させておき、校正を行うようにする。
尚、ここでは、マッチング回路とダイヤル値との相関関係を求めた場合について説明したが、これに代えて、可変インピーダンス手段が接続される電極側から印加する高周波電圧の電圧振幅、マッチングポジション、対向する電極側から印加する高周波電圧の電圧振幅、マッチングポジション、エッチング終点検出用分光器の出力の少なくともいずれか1つと前記可変インピーダンス手段のダイヤル値を求めるようにして上述のように校正を行ってもよい。
上記各実施例においては、インピーダンスを変化させることができる可変インピーダンス手段30を設けたが、これに代えて、図13に示すように、インピーダンスが固定された固定インピーダンス手段70を設けるようにしてもよい。この場合には、この固定インピーダンス手段70が接続される電極、すなわち下部電極18に対向する電極、すなわち上部電極6に接続される高周波電源としては発生する高周波電圧の周波数を変化させることができる可変周波数型の高周波電源72を用いる。この場合には、例えば基本周波数foを60MHzとした場合、変動幅±Δfは±5%位が適当である。この可変周波数型の高周波電源72としては、例えば特開平5−114819号公報や特開平9−55347号公報等に開示されている高周波電源を用いることができる。また、これ以上の変動幅を必要とする場合には固定回路素子を複数切り替えることによって実現できる。
このように高周波電源72の周波数を可変にすることにより、プロセス条件に合わせてプラズマ処理の面内均一性が最適になるような周波数を設定することができる。
以上説明した実施例では、下部電極18に接続した高周波ライン24に可変インピーダンス手段30等を介設した場合を例にとって説明したが、これに限定されず、図14の第5実施例に示すように、上部電極6に接続した高周波ライン10にのみ同様な構成の可変インピーダンス手段を介設してもよいし、或いは、両者の高周波ライン10、24に共に可変インピーダンス手段を介設するようにしてもよい。
ここで、図14及び図15に示すような装置構成で、プラズマアッシング処理を行ったので、その時の評価結果について説明する。図15は上部電極に接続されるマッチング回路と可変インピーダンス手段を主体とする回路構成図である。ここで第1のマッチング回路12は、図2中に示すマッチング回路26から固定コイル34を省略したものと同様に構成されており、また、可変インピーダンス手段30に関しては、固定コンデンサ52と可変コイル50の直列回路として構成されている。尚、各コイルのインダクタンスやコンデンサの容量は、図2に示す場合と異なって、対応する高周波電圧の周波数に対応させて決定されている。また、ここでは、インピーダンス制御部、ダイヤル部、マッチングポジション部などの記載は省略している。
また、BARCとSiO2 のエッチング条件は、以下の通りである。
<BARC>
プロセスガス(エッチングガス):CH4 /CHF3 /O2 =157/52/11sccm
プロセス圧力:0.93Pa(7mTorr)
下部電極温度:75℃
高周波電力:上部電極/下部電極=100/500ワット
オーバーエッチング:10%
<SiO2 >
プロセスガス(エッチングガス):C4 F8 /Ar=17/400sccm
プロセス圧力:5.3Pa(40mTorr)
下部電極温度:75℃
高周波電力:上部電極/下部電極=600/600ワット
オーバーエッチング:20%
図16はインピーダンス(13.56MHz)に対するCD(Critical Dimension)シフトの変化を示すグラフである。上記CDシフトとは、TEOSのSiO2 のエッチング及びレジストのアッシング後の幅寸法とフォトレジストのエッチング前の幅寸法との差を示す。ここでは容量が55pFの固定コンデンサ52と可変コイル50を用いてインピーダンスを変化させた。
また、以上説明した各実施例では、上部電極6と下部電極18の双方にそれぞれ高周波電源14、28を接続した装置例を例にとって説明したが、これに限定されず、いずれか一方の電極のみに高周波電源を接続した装置例にも本発明を適用できるのは勿論である。この場合には、例えば図17の第6実施例に示すように高周波電源14が接続されている電極、すなわちここでは上部電極6に対向する電極、すなわちここでは下部電極18に可変インピーダンス手段30を接続する。
以上の各実施例にあっては、いずれか一方の電極から他方の電極を見た時のインピーダンスを変化させるようにして調整制御したが、これに替えて、プラズマから見たインピーダンスを制御するようにしてもよい。この場合は、プラズマからは、これに印加される高周波の基本波に対して種々の高次の高調波が発生しているので、この高調波の内の少なくとも1つに対して共振できるように可変的にインピーダンスの制御ができるようにする。
図18はこのような第7実施例を示すものであり、共振用可変インピーダンス手段を設けたプラズマ処理装置を示す構成図、図19は共振用可変インピーダンス手段の一例を示す回路図である。尚、ここでは図1に示す構成と同一構成部分については同一符号を付してその説明を省略する。また、ここでは発明の理解を容易にするために図1中で記載された第1の高周波電源14及び第1のマッチング回路12の記載を省略している。
上記高周波ライン24に直接に接続されるフィルタ手段82は、このフィルタ手段82自体が接続される下部電極18に印加される第2の高周波電源28の基本波、すなわちここでは13.56MHzが流れ込まないようにカットし、且つこの基本波よりも大きな周波数を通して選択するためのものであり、ここではハイパスフィルタが使用される。
また上記インピーダンス可変部84の可変コンデンサ86は、その容量が可変になされており、ここでは上記基本波に対する2次高調波の近傍から4次高調波の近傍まで共振が選択できるようにプラズマから見たインピーダンスを調整して制御できるようになっている。
これにより、ウエハWに対するプラズマ処理の面内均一性を高く維持したり、或いは処理容器4内におけるプラズマの状態を安定的に維持することが可能となる。
図20から明らかなように、ダイヤル値が”0”、”7.5”、”9.9”の各ポイントA1、A2、A3でボトム電圧Vppが大きく跳ね上がっており、この各ポイントA1〜A3にて共振が発生していることが判明した。
さて、上記したような評価結果に基づいて、種々異なったダイヤル値でウエハのシリコン酸化膜のエッチング処理を行ったので、その時のエッチングレートについて図23に基づいて説明する。尚、ここでは直径が200mmのウエハを用いた。プロセス条件は、エッチングガスをCF4 を用い、その流量は80sccmである。またプロセス圧力は150mTorr(20Pa)である。図20中には、各ダイヤル値に対応したポイントA1〜A3、B1〜B4が示されている。この図23から明らかなように、共振点から外れている各ポイントB1〜B4にダイヤル値を設定してエッチングを行った場合には、エッチングレートはウエハ中心部が全てにおいて盛り上がって周辺部が低下しており、エッチングレートの面内均一性が悪化していることが判明した。
図24(A)に示す場合は、共振用可変インピーダンス手段80を、前記高周波ライン10とは別のラインを用いて下部電極18に接続している。図24(B)に示す場合は、共振用可変インピーダンス手段80をフォーカスリング90に接続している。図24(C)に示す場合は、共振用可変インピーダンス手段80を整流板22に接続している。図24(D)に示す場合は、共振用可変インピーダンス手段80を処理容器4の壁(側壁及び底壁を含む)に接続している。図24(E)に示す場合は、共振用可変インピーダンス手段80を上部電極6に接続している。尚、図24(D)に示す場合には、処理容器4は対象とする高次の高調波に関しては直接的には接地されておらず、共振用可変インピーダンス手段80を介して接地される。この図24に示す全ての接続態様が、図18にて説明した場合と同様な作用効果を発揮することができる。
図25(B)に示す場合には、フィルタ手段82は、2次高調波以上の周波数を通過する第1のハイパスフィルタ92Aと、3次高調波以上の周波数を通過する第2のハイパスフィルタ92Bと、4次高調波以上の周波数を通過する第3のハイパスフィルタ92Cとを、この順序で直列に接続して構成されている。
そして、第1と第2のハイパスフィルタ92A、92Bとの間に、図25(A)に示したと同様な構成の上記2次高調波用のインピーダンス可変部84Aを接続し、第2と第3のハイパスフィルタ92B、92Cとの間に、上記3次高調波用のインピーダンス可変部84Bを接続し、そして、第3のハイパスフィルタ92Cの下流側に上記4次高調波用のインピーダンス可変部84Cを接続する。この場合にも、図25(A)にて説明したと同様な作用効果を発揮することができる。
更に、図30に示すように、上部電極6と下部電極18の双方に高周波電源14、28をそれぞれ接続した場合(この点は図1に示す場合と同じである)にも本発明を適用することができる。ここでは、下部電極18の高周波ライン24に共振用可変インピーダンス手段80を設けると共に、上部電極6の高周波ライン10にも共振用可変インピーダンス手段98を設けている。この場合、上部電極6側の共振用可変インピーダンス手段98の構成は、基本周波数が13.56MHzから第1の高周波電源14の60MHzに変更している以外は、先に下部電極18側の共振用可変インピーダンス手段80に対して説明した構成が全て適用できる。
また上記第7実施例では各インピーダンス可変部を高調波に対して完全な共振状態に設定する場合、或いは共振状態から大きく外す場合を説明したが、これに限定されず、不完全な共振状態、例えば50%程度の共振状態に設定して、プラズマの状態をコントロールするようにしてもよく、共振状態の程度も0〜100%まで線形的に変化するように制御してもよい。
また、以上の説明で用いた高周波電源の周波数は単に一例を示したに過ぎず、他に例えば800kHz、2MHz、27MHz、100MHz等を用いることもできる。
尚、以上の実施例では被処理体として半導体ウエハを例にとって説明したが、これに限定されず、ガラス基板、LCD基板等を処理する場合にも本発明を適用することができる。
4 処理容器
6 上部電極
10 高周波ライン
12 第1のマッチング回路
14 第1の高周波電源
18 下部電極(載置台)
26 第2のマッチング回路
30 可変インピーダンス手段
32 インピーダンス制御部
40 固定コイル
42 可変コンデンサ
44 ダイヤル部
56 リアクタンス測定治具
70 固定インピーダンス手段
72 可変周波数型の高周波電源
80,98 共振用可変インピーダンス手段
82 フィルタ手段
82A〜82C バンドパスフィルタ
84,84A〜84C インピーダンス可変部
86,86A〜86C 可変コンデンサ
88,88A〜88C 固定コイル
90 フォーカスリング
92A〜92C ハイパスフィルタ
94A〜94C ローパスフィルタ
W 半導体ウエハ(被処理体)
Claims (35)
- 真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置において、
前記電極のいずれか一方の高周波ラインに介在されて、該高周波ラインが接続された電極とは対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段と、
前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを制御するためのインピーダンス制御部と、
を備えたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記可変インピーダンス手段は、連続可変素子によって連続的にインピーダンスを変化させるものと、複数の固定素子の切り替えによってインピーダンスを段階的に変化させるものの内、少なくともいずれか一方からなることを特徴とする請求項1記載のプラズマ処理装置。
- 前記可変インピーダンス手段は、該可変インピーダンス手段の接続される高周波電源から見たその高周波電源の周波数に対するインピーダンスは前記マッチング回路に接続された処理容器とプラズマから構成される高周波負荷インピーダンスよりも少なくとも2倍以上大きくなるように設定されていることを特徴とする請求項1または2記載のプラズマ処理装置。
- 前記可変インピーダンス手段は、この変動するインピーダンスと対応するインピーダンス対応値の表示機能または上位コントローラへの伝送(出力)機能または両機能を備えたことを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記インピーダンス制御部は、前記被処理体のプロセスが面内均一となるように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記インピーダンス制御部は、前記プラズマが安定化するように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記プラズマ処理装置はエッチング装置であり、前記被処理体はパターン形成されたマスク層とその下の被エッチング層とを有し、前記インピーダンス制御部は前記被処理体の加工寸法を制御するように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記上部電極には第1の高周波電源が接続され、前記下部電極には前記第1の高周波電源が発生する高周波電圧の周波数よりも低い周波数の高周波電圧を発生する第2の高周波電源が接続され、前記可変インピーダンス手段は前記下部電極に接続される高周波ラインに介在させて設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記上部電極には第1の高周波電源が接続され、前記下部電極には前記第1の高周波電源が発生する高周波電圧の周波数よりも低い周波数の高周波電圧を発生する第2の高周波電源が接続され、前記可変インピーダンス手段は前記上部電極に接続される高周波ラインに介在させて設けられることを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置において、
前記高周波電源が接続された電極とは対向する電極の高周波ラインに、該対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段、或いは固定的なインピーダンスを有する固定インピーダンス手段を介設し、前記可変インピーダンス手段、或いは固定インピーダンスが接続される電極とは対向する電極に接続される高周波電源を、これが発生する高周波電圧の周波数を変化させることが可能な周波数可変型の高周波電源としたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記固定インピーダンス手段は、必要に応じて連続的、或いは段階的にインピーダンスを変化させる機構を内蔵することを特徴とする請求項10記載のプラズマ処理装置。
- 請求項4乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、
前記インピーダンス制御部は、
可変インピーダンス手段の出力端子にリアクタンス測定治具を接続して可変インピーダンス手段が接続される電極とは対向する電極側から印加する高周波電圧の周波数、或いは発生させるプラズマの分布に影響の大きい周波数に対する前記可変インピーダンス手段のリアクタンスと前記インピーダンス対応値との相関関係を求める工程と、
リアクタンスとインピーダンス対応値との基準となる予め定められた基準相関関係と前記求められた相関関係とに基づいて前記インピーダンス対応値を校正する工程と、
を行なう機能を有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項4乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、
インピーダンス制御部は、
可変インピーダンス手段の接続される電極にリアクタンス測定治具を接続して該電極とは対向する電極側から印加する高周波電圧の周波数に対する前記可変インピーダンス手段のリアクタンスと前記インピーダンス対応値との相関関係を求める工程と、
リアクタンスとインピーダンス対応値との基準となる予め定められた基準相関関係と前記求められた相関関係とに基づいて前記インピーダンス対応値を校正する工程と、
を行なう機能を有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項4乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置において、
インピーダンス制御部は、
可変インピーダンス手段が接続される電極側から印加する高周波電圧の電圧振幅、マッチングポジション、対向する電極側から印加する高周波電圧の電圧振幅、マッチングポジション、終点検出用分光器の出力の少なくともいずれか1つと前記可変インピーダンス手段のインピーダンス対応値との相関関係を求める工程と、
電圧振幅、マッチングポジション或いは分光器の出力とインピーダンス対応値との基準となる予め定められた基準相関関係とに基づいて前記インピーダンス対応値を校正する工程と、
を行なう機能を有することを特徴とするプラズマ処理装置。 - 請求項4乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置の有する可変インピーダンス手段の校正方法において、
可変インピーダンス手段の出力端子にリアクタンス測定治具を接続して可変インピーダンス手段が接続される電極とは対向する電極側から印加する高周波電圧の周波数、或いは発生させるプラズマの分布に影響の大きい周波数に対する前記可変インピーダンス手段のリアクタンスと前記インピーダンス対応値との相関関係を求める工程と、
リアクタンスとインピーダンス対応値との基準となる予め定められた基準相関関係と前記求められた相関関係とに基づいて前記インピーダンス対応値を校正する工程と、
を有することを特徴とするプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法。 - 請求項4乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置の有する可変インピーダンス手段の校正方法において、
可変インピーダンス手段の接続される電極にリアクタンス測定治具を接続して該電極とは対向する電極側から印加する高周波電圧の周波数に対する前記可変インピーダンス手段のリアクタンスと前記インピーダンス対応値との相関関係を求める工程と、
リアクタンスとインピーダンス対応値との基準となる予め定められた基準相関関係と前記求められた相関関係とに基づいて前記インピーダンス対応値を校正する工程と、
を有することを特徴とするプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法。 - 請求項4乃至9のいずれかに記載のプラズマ処理装置の有する可変インピーダンス手段の校正方法において、
可変インピーダンス手段が接続される電極側から印加する高周波電圧の電圧振幅、マッチングポジション、対向する電極側から印加する高周波電圧の電圧振幅、マッチングポジション、エッチング終点検出用分光器の出力の少なくともいずれか1つと前記可変インピーダンス手段のインピーダンス対応値との相関関係を求める工程と、
電圧振幅、マッチングポジション或いは分光器の出力とインピーダンス対応値との基準となる予め定められた基準相関関係とに基づいて前記インピーダンス対応値を校正する工程と、
を有することを特徴とするプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法。 - 真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置であって、
前記電極のいずれか一方の高周波ラインに介在されて、該高周波ラインが接続された電極とは対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段と、
前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを制御するためのインピーダンス制御部と、を備えたプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法において、
前記被処理体のプロセスが面内均一となるように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整するようにしたことを特徴とするプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法。 - 真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置であって、
前記電極のいずれか一方の高周波ラインに介在されて、該高周波ラインが接続された電極とは対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段と、
前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを制御するためのインピーダンス制御部と、を備えたプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法において、
前記プラズマが安定化するように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整するようにしたことを特徴とするプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法。 - 真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置であって、
前記電極のいずれか一方の高周波ラインに介在されて、該高周波ラインが接続された電極とは対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段と、
前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを制御するためのインピーダンス制御部と、を備えたプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法において、
前記被処理体はパターン形成されたマスク層とその下の被エッチング層とを有し、前記被処理体の加工寸法を制御するように前記可変インピーダンス手段のインピーダンスを調整することを特徴とするプラズマ処理装置の可変インピーダンス手段の校正方法。 - 真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置のインピーダンス手段の校正方法において、
前記高周波電源が接続された電極とは対向する電極の高周波ラインに、該対向する電極側から見たインピーダンスを変化させることが可能な可変インピーダンス手段、或いは固定的なインピーダンスを有する固定インピーダンス手段を介設し、前記可変インピーダンス手段、或いは固定インピーダンスが接続される電極とは対向する電極に接続される高周波電源を、周波数可変型の高周波電源とし、これが発生する高周波電圧の周波数を変化させるようにしたことを特徴とするプラズマ処理装置のインピーダンス手段の校正方法。 - 可変インピーダンス手段が接続される電極側から印加する高周波電圧の電圧振幅、マッチングポジション、対向する電極側から印加する高周波電圧振幅とマッチングポジション、エッチングの終点検出用分光器システムの出力の内の少なくともいずれか一つの変化を、インピーダンス対応値を自動的に変化させてデータを取得し、請求項17記載の校正手法を自動で行う機能を有することを特徴とするプラズマ処理装置。
- 真空引き可能になされた処理容器内に上部電極と載置台を兼ねる下部電極とを配置し、前記上部電極と前記下部電極の内の少なくともいずれか一方にマッチング回路を介して接続された高周波電源より高周波電圧を印加してプラズマを立て、前記下部電極上に載置した被処理体に対して所定のプラズマ処理を施すようにしたプラズマ処理装置において、
前記プラズマから見た前記高周波電圧の複数の高調波の内の少なくとも1つの高調波に対して共振させることができるように前記プラズマから見たインピーダンスを可変的に制御することが可能な共振用可変インピーダンス手段を設けたことを特徴とするプラズマ処理装置。 - 前記共振用可変インピーダンス手段は、前記上部電極と、前記下部電極と、前記処理容器との内の少なくともいずれか1つに接続されることを特徴とする請求項23記載のプラズマ処理装置。
- 前記下部電極の周囲には、フォーカスリングが設けられており、前記共振用可変インピーダンスは前記フォーカスリングに接続されていることを特徴とする請求項23記載のプラズマ処理装置。
- 前記下部電極の外周と前記処理容器の側壁との間には整流板が設けられており、前記共振用可変インピーダンスは前記整流板に接続されていることを特徴とする請求項23記載のプラズマ処理装置。
- 前記共振用可変インピーダンス手段は、前記複数の異なる高次の高調波に亘ってインピーダンスを変化させることができる1つのインピーダンス可変部を有していることを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記共振用可変インピーダンス手段は、異なる高次の高調波にそれぞれ対応させてインピーダンスを独立させて変化させることが可能な複数のインピーダンス可変部を有していることを特徴とする請求項23乃至26のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記共振用可変インピーダンス手段は、共振の対象となる高次の高調波を選択するためのフィルタ手段を有していることを特徴とする請求項23乃至28のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
- 前記フィルタ手段は、選択した高調波以外の高調波に対しては50Ω以上の高いインピーダンスをもつことを特徴とする請求項29記載のプラズマ処理装置。
- 前記フィルタ手段は、ハイパスフィルタを有することを特徴とする請求項29または30記載のプラズマ処理装置。
- 前記フィルタ手段は、バンドパスフィルタを有することを特徴とする請求項29または30記載のプラズマ処理装置。
- 前記フィルタ手段は、ローパスフィルタを有することを特徴とする請求項29または30記載のプラズマ処理装置。
- 前記フィルタ手段は、ノッチフィルタを有することを特徴とする請求項29または30記載のプラズマ処理装置。
- 前記フィルタ手段は、前記上部電極または前記下部電極に接続される場合には、前記フィルタ手段自体が接続される電極に印加される高周波電源の基本波を通過させないようになされていることを特徴とする請求項29乃至34のいずれかに記載のプラズマ処理装置。
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