JP2009164022A - 有機el照明装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】有機ELパネルから照射される光の配光を制御するとともに、有機ELパネルからの熱を効率よく放熱することが可能な照明装置を提供する。
【解決手段】構造部材2の上面に有機ELパネル4を搭載して構成される有機EL照明装置1において、構造部材2上面に放熱性を有する部材3が設けられ、構造部材2と部材3とが放熱接続されている。
【選択図】図1

Description

この発明は、放熱性を有する部材を備えた有機EL照明装置に関する。
近年、照明装置として、有機EL(ELectric Luminescence)パネルを発光モジュールとして搭載した有機EL照明装置が実用化され始めている。有機ELパネルを構成する有機EL素子は、有機薄膜を正孔注入電極および電子注入電極で挟んだ構造をしており、電極に注入された正孔および電子が有機薄膜内の発光層で再結合し励起状態が生じ、この再結合のエネルギーによって励起された有機分子が基底状態に戻るときに発光が得られる。この原理により、薄型かつ軽量の発光素子を構成できるとともに、低電圧での駆動が可能である。このため、有機EL照明装置は従来の蛍光灯や電球等の放電灯を発光モジュールとして搭載した従来の照明装置と比較して、薄型かつ軽量の照明装置を提供することが可能となっている。
また、有機ELパネルは、大面積になると、製造工程上、輝度むらが大きくなるなどの理由により、大面積の有機ELパネルは作成が難しく、有機ELパネルを搭載する有機EL照明装置は、所定面積の有機ELパネルを構造部材上に複数並べて、所定の輝度を確保する方法が一般的に採用されている。
ここで、有機EL照明装置を長時間使用する場合、有機ELパネルの発熱により、有機EL素子を構成する有機発光材料の発光性能が低下し、有機ELパネルの寿命が短くなるという問題があった。また、照明装置の輝度を上げるために有機EL照明装置の駆動電圧を上げた場合、有機EL素子に流れる電流量が大きくなり、有機ELパネルの発熱量が大きくなる。そこで、有機ELパネルの寿命がさらに短くなることが問題となっていた。このため、有機ELパネルを搭載する照明装置は、有機ELパネルからの熱を放出するために何らかの放熱機構を備える必要があった。
また、従来、放電灯を使用する照明装置では、光源から照射される光を快適な明るさに調整したり、照射された光がディスプレイ等に直接映り込むのを防止するため、ルーバ付きの照明器具が種々提案されている。例えば、特許文献1では、一対の対向部を有する反射板と、対向部に略板状の部材を蛍光灯の照射方向に取付け、照射された光が直接ディスプレイ等に映り込むのを防止している。
特開2005−11756号公報
しかしながら、特許文献1に示される照明器具は、放電灯に装着することを想定して設計されたものであり、蛍光灯の代わりに有機ELパネルを用いる場合、有機ELパネルの薄型形状を考慮して設計する必要がった。また、特許文献1に示される照明器具は蛍光灯から発熱した熱の放熱経路については、検討されていなかった。
本発明は、上記のような課題を解決するためになされたものであり、有機ELパネルから照射された光の配光を制御するとともに、有機ELパネルで発熱した熱を効率よく外部に放熱する放熱機構を備えた照明装置を提供することを目的とする。
上記目的を達成するために、この発明の第1の局面による有機EL照明装置は、構造部材の上面に有機ELパネルを搭載して構成され、構造部材上面に放熱性を有する部材が設けられ、構造部材と部材とが放熱接続されている。
この第1の局面による有機EL照明装置では、上記のように、有機ELパネルを搭載する構造部材上面に部材を設けることによって、有機ELパネルから出射した光の一部が部材に遮られる。このとき、部材の形状および配置を任意に選択することにより、有機ELパネルから照射される光の配光を制御することができる。これにより、有機ELパネルから照射される光の配光を制御して、照明装置として快適な明るさを提供したり、間接照明として室内照明の演出効果を高めることができる。
また、構造部材と部材とが放熱接続されているため、有機ELパネルから発熱した熱は構造部材に熱伝導した後、構造部材と放熱接続された部材に熱伝導し、この部材を介して外部に効率よく放熱させられる。これにより、実装される有機ELパネルの発熱量が大きい場合および有機EL照明装置を長時間使用する場合でも、有機ELパネルからの熱を部材から効率よく放熱させることができる。したがって、有機ELパネルの寿命の低下を防ぐことができる。
上記第1の局面による有機EL照明装置において、好ましくは、部材が構造部材上面において、隣接する有機ELパネル間の隙間に配される。このように構成すれば、通常、複数の有機ELパネルを構造部材上に配列する際、隣接する有機ELパネル間に隙間を設けるが、この隙間に部材を装着することにより、構造部材上面に、部材装着用の余分な実装面積をあらたに設ける必要がない。このため、有機EL照明装置全体の輝度を低下させることなく部材を設けることができる。
上記第1の局面による有機EL照明装置において、好ましくは、部材が平面視略井桁状に形成されている。このように構成すれば、複数の有機ELパネルを略井桁状に形成された部材の各開口部に配置することにより、各有機ELパネルを部材で囲むことができる。これにより、各有機ELパネルから出射される光の配光を個別に制御することができる。また、各有機ELパネルから発せられる熱も各有機ELパネルを囲む部材から、個別に外部へ放出することができる。これにより、有機ELパネルからの熱を、有機EL照明装置全体で効率よく放出することができる。なお、部材の形状は平面視略井桁状に限定されず、有機ELパネルの形状に合わせて部材の開口部の形状を成形することができる。
上記第1の局面による有機EL照明装置において、好ましくは、構造部材および部材が金属材料で構成されている。このように構成すれば、熱伝導率が高い金属材料を用いることで、構造部材からの熱をより効率よく部材に伝導することができる。これにより、有機EL照明装置の放熱効果を高めることができ、有機EL装置の長寿命化を図ることができる。
以上のように、本発明によれば、実装される有機ELパネルの構造を設計変更することなく、構造部材に放熱部材を取り付け有機ELパネルからの熱を効率よく放熱することが可能な有機EL照明装置を提供することができる。
以下、本発明を具体化した実施形態を、図面に基づいて詳細に説明する。
(第1実施形態)
図1は、本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の全体斜視図である。また、図2(a)は、図1に示した本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の上面図であり、図2(b)は、図1に示した本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の側面図である。図1および図2を参照して、本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の構造について説明する。
第1実施形態による有機EL装置1は、図1および図2に示すように、構造部材2の上面上に複数の有機ELパネル4が所定の間隔を隔てて搭載された構造を有している。ここで、構造部材2は、アルミニウムにより構成され、図示しないが、各有機ELパネル4に備えられた接続ピンと電気的に接続する端子孔を有する。これにより、有機ELパネル4に備えられた接続ピンを構造部材2上面の端子孔に挿入接続して構造部材2上に有機ELパネル4が搭載されている。なお、構造部材2の端子孔はアルミ二ウムにより構成される他の金属部分と電気的に絶縁しており、端子孔は有機ELパネル4搭載面と反対側の面に設けられた電気配線に接続されている。したがって、有機ELパネル4は接続ピンを端子孔に挿入するだけで、容易に構造部材2へ取り付けおよび取り外しを行なうことができる。なお、有機ELパネル4は背面に熱伝導性接着材を介して構造部材2に装着され、有機ELパネル4から発熱した熱は熱伝導性接着剤を介して構造部材2に効率よく熱伝導されている。
また、有機ELパネル4は、大面積になると、製造工程上、輝度むらが大きくなる。このため、大面積の有機ELパネル4は作成し難く、図1に示すように、本実施形態に係る照明装置1では単位面積の有機ELパネル4を複数並べて、所定の輝度を確保する方法が採られている。なお、本発明に係る有機EL照明装置は単一の大型有機ELパネルを構造部材2に搭載して構成することも可能である。
構造部材2上面に設けられた部材3は、図2(a)に示すように、平面視略井桁状に形成されており、隣接する複数の有機ELパネル4間の隙間に部材3が配されている。複数の有機ELパネル4を構造部材2上面に配列する際、隣接する有機ELパネル4間に隙間が生じるが、この隙間を利用して、部材3を設けることにより、構造部材2上面に部材3装着用の余分な実装面積を設ける必要がない。このため、有機EL照明装置1全体の輝度を低下させることなく部材3を設けることができる。また、部材3は構造部材2上面と互いに密に当接するように取り付けられている。これにより、有機ELパネル4から発熱し、構造部材2に熱伝導した熱を構造部材2の上面から放熱部材10へ効率よく熱伝導させることができる。
また、部材3が平面視略井桁状に形成され、複数の有機ELパネル4が略井桁状に形成された部材3の各開口部3aにそれぞれ配置される構成により、各有機ELパネル4は部材3の側壁に囲まれる。これにより、各有機ELパネル4から出射される光の配光を各開口部3aにおいて、個別に制御することができる。また、各有機ELパネル4から発せられる熱も各有機ELパネル4を囲む部材3から、個別に外部へ放出することができる。これにより、各有機ELパネル4からの熱を、有機EL照明装置1全体で効率よく放出することができる。
また、図3に示すように、この部材3は板状の放熱部材7を組み合わせて構成されており、一方の放熱部材7にスリット7aが設けられ、もう一方の放熱部材7をスリット7aに嵌合して、部材3が平面視略井桁状に形成されている。このように、板状の放熱部材7を組み合わせることにより、部材3を任意の形状に設計することができる。例えば、図4に示すように、部材3を、フィン状に形成することもできる。また、部材3は平面視略井桁状以外にも有機ELパネル4の平面形状に対応する形状としてもよい。したがって、有機ELパネル4の平面形状が、平面視略三角形状、平面視略六角形状、または平面視略円形状であれば、部材3の各開口部3bの平面形状も平面視略三角形状、平面視略六角形状、または平面視略円形状とすることもできる。なお、放熱部材7の形状を板状の比較的簡単な形状とすることにより、放熱部材7を合理的な製造方法により安価に製造することができる。また、放熱部材7は全て同じ形状である場合に限定されず、異なる形状の放熱部材7を組み合わせることも可能である。
また、放熱部材7を適宜組合せて、部材3全体の放熱容量を増加させることもできる。また、一部の放熱部材7のみを交換することもできるので、容易に放熱容量を変更することができる。
また、部材3を構成する放熱部材7は有機ELパネル4からの熱を放熱する機能だけでなく、有機ELパネル4から照射される光の方向を変化させる配光制御部材としての機能も有する。放熱部材7が平面視略井桁状に組み合わされている場合、複数の有機ELパネル4を略井桁状に形成された部材3の各開口部3aに配置することにより、各有機ELパネル4から出射される光の配光を個別に制御することができる。また、図4に示すように、放熱部材7を適宜組み合わせることで、有機ELパネル4から照射される光の配光方向を自由に設計することができる。また、有機ELパネル4からの光を任意の方向に配光させるために、放熱部材7を構造部材2上面に対して略垂直に設ける場合に限定せず、所定角度だけ傾斜させて設けてもよい。以上より、本実施形態に係る有機EL照明1は有機ELパネル4から照射される光の配光を設計して、照明装置として快適な明るさを提供したり、室内照明の演出効果を高めることができる。
また、図1および図2(b)に示すように、部材3を構成する各放熱部材7の両端には係合部7bが設けられ、各係合部7bは構造部材2の端面と係合している。ここで、放熱部材7の係合部7bは、例えば、放熱部材7の両端にビス孔を設けビスにより、係合部7bと構造部材2の端面とを固定することができる。また、構造部材2の端面と放熱部材7とを溶接により係合することもできる。このように、構造部材2と部材3を係合部7bを介して放熱接続することにより、有機ELパネル4から構造部材2に熱伝導した熱を構造部材2の端面から放熱部材7に効率よく熱伝導させることができる。また、このとき構造部材2の端面と放熱部材7の係合領域を大きく設けることにより、構造部材2から放熱部材7への熱伝導効率を向上させることができる。これにより、有機EL照明装置1全体の放熱効果が高まり、有機ELパネル4の寿命の低下を防ぐことができる。
また、構造部材2の端面において、部材3を係合させることにより、有機ELパネル4が搭載される構造部材2上面に部材3を係合させるための係合領域を設ける必要がない。これにより、有機EL照明装置1全体の輝度を低下させることなく部材3を設けることができる。また、構造部材2と部材3の係合領域は大きい程、熱伝導率を高めることができるとともに、構造部材2と部材3を強固に係合させることができる。例えば、有機EL照明装置1を天井に吊るして使用し、放熱部材7を銅またはアルミ二ウム等の高い熱伝導性を有する金属材料で形成する場合、構造部材2に加わる重力は大きくなる。このとき、係合部7bにより部材3が構造部材2に強固に保持されるので、構造部材2から部材3が外れ落下するのを防ぐことができる。なお、照射方向を上方に向けて使用する有機EL照明装置1では、部材3と構造部材2との接合強度はそれほど必要ない。このため、放熱部材7の両端に係合部7bを設けず、熱伝導性接着剤を介して構造部材2上面に、放熱部材7を立設接合することも可能である。また、部材3と構造部材2とを一体成形することもできる。
なお、本実施形態に係る有機EL照明装置1を構成する構造部材2および放熱部材9は、熱伝導性の高い金属により形成されている。例えば、銅、鉄、アルミニウム、もしくは、これらの金属を主成分とする合金等が用いられる。なお、金属に限らずセラミック等を用いて形成してもよい。
また、図5は本実施形態に係る有機EL照明装置1の変形例であり、図5に示すように、部材3を構造部材2と一体成形して筒状に形成することもできる。このとき、部材3と構造部材2が一体成形されているため、有機ELパネル4から発熱した熱が構造部材2から部材3へ効率よく熱伝導する。このため、有機EL照明装置1の放熱効率を高め、有機ELパネル4の寿命を延ばすことができる。また、筒状の部材3の形状を変えることにより、有機EL照明装置1全体の外形をデザインすることができる。したがって、この筒状の部材3の形状により、間接照明として室内照明の演出効果を高めることができるとともに、室内のインテリアとして、有機EL照明装置1にデザイン性を付与することもできる。
本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の全体斜視図である。 (a)本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の上面図である。(b)本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の側面図である。 本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の放熱部材を示す斜視図である。 本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の変形例を示す全体斜視図である。 本発明の第1実施形態による有機EL照明装置の変形例を示す全体斜視図である。
符号の説明
1 有機EL照明装置
2 構造部材
3 部材
3a 開口部
4 有機ELパネル
7 放熱部材
7a スリット
7b 係合部

Claims (4)

  1. 構造部材の上面に有機ELパネルを搭載して構成される有機EL照明装置において、
    前記構造部材上面に放熱性を有する部材が設けられ、
    前記構造部材と前記部材とが放熱接続されていることを特徴とする有機EL照明装置。
  2. 前記部材が前記構造部材上面において、隣接する前記有機ELパネル間の隙間に配されていることを特徴とする請求項1に記載の有機EL照明装置。
  3. 前記部材が平面視略井桁状に形成されていることを特徴とする請求項1又は請求項2に記載の有機EL照明装置。
  4. 前記構造部材および前記部材が金属材料で構成されていることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれか1項に記載の有機EL照明装置。
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