[実施の形態1]
最初に、本発明の第1の実施の形態に係る決済サービスの概要を説明する。本決済サービスでは、商品などを販売する販売店100と販売店100から商品などを購入するユーザ200とは、予め決済について契約を結んでおく必要はない。但し、図1に示すように、販売店100は、銀行300に対して、決済用口座のデータ等を含む、本決済サービスの利用申請を行い(ステップ(1))、銀行300では、利用申請に係る決済口座に対して1又は複数の振込番号を発行して、販売店100に通知する(ステップ(2))。
また、図2に示すように、図1の手続きとは非同期に、ユーザ200は、銀行300に対して、決済口座のデータ等を含む、本決済サービスの利用申請を行い(ステップ(3))、銀行300では、利用申請に係る決済口座に対して1又は複数の引落番号を発行して、ユーザ200に通知する(ステップ(4))。
その後、図3に示すように、ユーザ200が、販売店100から商品などを購入する際には、決済方法として本決済サービスを利用するのであれば、自己の引落番号を販売店100に通知する(ステップ(5))。そうすると、販売店100は、ユーザ200から受け取った引落番号、今回使用する販売店100の振込番号、販売に関するデータ(ユーザ200のデータや商品等のデータ、さらにレシートへの印字データを含む)等を含む振込依頼を、銀行300に対して通知する(ステップ(6))。振込依頼の通知自体は、オンラインで行っても良いし、FAXやメールなどの手段で行っても良い。銀行300は、振込依頼をシステムに蓄積し、ユーザ200の承認が必要な場合には、ユーザ200による承認を待つ。
ユーザ200は、例えば銀行300の現金自動預け払い機(ATM:Automated Teller Machine)に行き、認証を行った後に、特定の振込依頼の内容を確認し、当該特定の振込依頼について振込承認を与える(ステップ(7))。この段階にて、特定の振込依頼を拒否することも可能である。また、場合によって販売店100から誤った振込依頼がある場合には、「購入無し」を登録することも可能である。銀行300は、ユーザ200から振込承認を受け取ると、振込依頼に含まれる印字データをレシートに印刷し、出力する(ステップ(8))。例えば、商品がチケットである場合には、レシートに、チケットデータ(座席データなど)を印字すれば、チケットそのものを別途郵送するなどの手間を省くことができるようになる。さらに、銀行300は、振込承認を受けた振込依頼については、販売店100の決済用口座もユーザ200の決済用口座も銀行300のものであれば、引落処理を実施し、販売店100の決済用口座が銀行300とは異なる提携先の銀行のものである場合には、振込処理を実施し、送金を実施する(ステップ(9))。さらに、銀行300は、振込承認等(振込拒否や購入無しなどの指示も含む)を受けた振込依頼については、その結果を販売店100に通知する(ステップ(10))。
このような処理を行うことによって、予め引落のための契約を販売店100とユーザ200の間で行う必要はなく、不特定のユーザ間(オークションなどで生ずる個人間の場合も含む)で決済を行うことができるようになる。また、振込依頼が予め銀行300に通知され、ユーザ200は、販売店100の口座番号や口座名を入力する必要はなく、承認や拒否を選択するだけでよいので、この点においてもユーザの手間は少なくなっている。さらに、個々の振込依頼について、ユーザ200はその内容を判断してから承認や拒否を判断できるため、誤引落などを回避することができるようになる。
次に、図1乃至図3で説明した決済サービスにおいて用いられるコンピュータ・システムの一例を図4に示す。例えばインターネットなどのネットワーク1には、ユーザ200が操作する例えばパーソナルコンピュータである1又は複数のユーザ端末5と、販売店100が管理運営し且つ商品などを販売する処理を実施する1又は複数の販売店サーバ3と、本決済サービスを提供する銀行の1又は複数の銀行システム7とが接続されている。銀行システム7には、複数のATM9(図4では9a乃至9c)が接続されており、連携して処理を実施する。ATM9は、通常のATMの機能を有し、さらに以下で述べるような処理を実施することができる。
通常の通信販売のように、ユーザ端末5を用いてオンラインで注文を行うことなく、電話で販売店100に注文を行うようにしても良い。同様に、販売店サーバ3で、注文を受け付けたり、銀行システム7に振込依頼を送信せず、電話やFAXで注文を受け付けたり、銀行システム7にもFAXや電子メールなどで振込依頼を通知するようにしても良い。さらに、以下ではATM9を用いて振込承認などを実施する例を説明するが、ユーザ端末5を用いて振込承認などを実施するようにしても良い。
図5に銀行システム7の機能ブロック図を示す。銀行システム7は、販売店100からの利用申請についてのデータを登録する処理を実施する販売店登録部72と、販売店登録部72により登録されたデータを格納する受取人テーブル76と、ユーザ200からの利用申請についてのデータを登録する処理を実施するユーザ登録部73と、ユーザ登録部73により登録されたデータを格納する支払人テーブル77と、受取人テーブル76及び支払人テーブル77を参照し、販売店100から振込依頼を受け付け、受取人用のデータ及び支払人用のデータを生成する振込依頼受付部71と、振込依頼受付部71によって生成された受取人用のデータを格納する振込テーブル74と、振込依頼受付部71によって生成された支払人用のデータを格納する引落テーブル75と、振込テーブル74、引落テーブル75、受取人テーブル76及び支払人テーブル77を参照し、ATM9と連携して承認確認処理を実施する承認処理部78と、ユーザ200から承認を得られた場合に承認処理部78の処理結果を格納する引落承認テーブル79と、ユーザ200から承認を得られなかった場合に承認処理部78の処理結果を格納する引落承認拒否テーブル80と、受取人テーブル76、支払人テーブル77、引落テーブル75及び引落承認テーブル79を参照して決済のための処理を実施する決済処理部83と、決済処理部83からの指示に応じて引落処理を実施する引落処理部84と、決済処理部83からの指示に応じて振込処理を実施する振込処理部85と、振込テーブル74及び引落テーブル75に登録される承認結果を集計する処理を実施する集計処理部81と、集計処理部81の処理結果を格納する集計データ格納部82とを有する。
次に、図6乃至図29を用いて図4及び図5に示したシステムの処理内容を説明する。最初に、図6乃至図8を用いて、ユーザ200から銀行300への利用申請の際の処理について説明する。ユーザ登録部73は、氏名、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス等)、決済用口座番号等を含む口座データ、引落条件(引落通知の有無(事前/事後、及び要不要)、引落通知を行う場合の連絡先(メールアドレス、住所、FAX番号など)、引落可否情報(無条件引落許可(引落承認の有無にかかわらず引落実施)、無条件引落禁止(引落承認の有無にかかわらず引落を実施しない。引落番号を使用後に変更する場合に設定する。)、引落承認要(承認時にのみ引落を実施))、引落日(承認日からn(0以上の整数)日経過後に引落を実施))などを含む利用申請を受け付け、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS1)。なお、ユーザ登録部73は、FAXで送られてきたデータを認識したり、電子メールのデータから抽出したり、例えばユーザ200によって入力用のWebページに入力されたデータを取得したり、申請用紙で申請された場合にはオペレータが入力したデータを取得したり、といったように様々な形態で受け付ける。また、1の口座番号に対して引落番号を複数を複数発行することができ、複数の引落番号を発行する場合には、引落条件については引落番号の数だけ必要となる。
そして、ユーザ登録部73は、利用申請で要求された数だけ引落番号を発行し、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS3)。引落番号は、銀行コードを含むようにして、銀行を特定できるようにする。その後、氏名、連絡先、口座データ、引落条件(上記データに加え、有効期限(本決済サービスの利用期限))、引落番号を含む支払人データを支払人テーブル77に登録する(ステップS5)。
図7に、支払人テーブル77のデータ構造の概要を示す。図7に示すように、契約者として、各ユーザ(図7の例では利用者1乃至3)についてデータを格納するようになっている。図8に、各ユーザについてのデータの詳細構造を示す。図8では利用者3のデータ構造の具体例を示しており、利用者3を特定する氏名及び連絡先のデータに対応して決済用口座の口座番号(ここでは2つ)が登録されており、さらに各決済用口座の口座番号に対応して引落番号及び引落条件が1又は複数セット(図8では、2セットずつ)登録される。引落条件については、上で述べたように、有効期限(デフォルトのまま又は特に指定がある場合はその期限)、引落通知の有無及び事前/事後の別、引落通知の連絡先、引落可否情報、決済日といった条件が登録される。このように、引落番号毎に、引落条件を設定することができるので、ユーザ200は、引落番号を、相手に応じて使い分けることができるようになる。なお、引落条件については、後に変更申請を行うことによって変更することができる。特に、後から販売店100とのトラブルが発生したなどの理由で引落を行わないように設定する場合には、引落可否情報において、無条件引落禁止に設定すればよい。また、販売店100が信頼できる場合には、引落可否情報において無条件引落許可に設定した引落番号を通知すれば、わざわざ承認手続きを実施することもなく、送金することができるようになる。
最後に、ユーザ登録部73は、引落番号を含む登録完了通知を出力する(ステップS7)。FAXや電子メール、入力用Webページからの利用申請の場合には、FAX、電子メール、出力用Webページによって、登録完了通知を出力する。紙の利用申請の場合には、例えば印刷して、郵便にてユーザ200に送付する。
このようにすれば、ユーザ200の最初の登録が完了する。
次に、図9乃至図11を用いて、販売店100から銀行300への利用申請の際の処理について説明する。販売店登録部72は、名称、連絡先(住所、電話番号、メールアドレス等)、決済用口座番号等を含む口座データ、引落条件(受取期間(ユーザ200からの入金を待つ期間)、手数料の支払条件(受取人負担/支払人負担))などを含む利用申請を受け付け、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS11)。なお、販売店登録部72は、FAXで送られてきたデータを認識したり、電子メールのデータから抽出したり、例えば販売店100によって入力用のWebページに入力されたデータを取得したり、申請用紙で申請された場合にはオペレータが入力したデータを取得したり、といったように様々な形態で受け付ける。また、1の口座番号に対して振込番号を複数を複数発行することができ、複数の振込番号を発行する場合には、受取条件については振込番号の数だけ必要となる。
そして、販売店登録部72は、利用申請で要求された数だけ振込番号を発行し、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS13)。振込番号は、例えば銀行コードを含むようにして、銀行を特定できるようにする。その後、名称、連絡先、口座データ、受取条件(上記データに加え、有効期限(本決済サービスの利用期限))、振込番号を含む受取人データを受取人テーブル76に登録する(ステップS15)。
図10に、受取人テーブル76のデータ構造の概要を示す。図10に示すように、契約者として、各法人ユーザ(図10の例では法人1及び2、販売店A。但し、法人に限定されるものではなく、個人ユーザであってもよい。)についてデータを格納するようになっている。図11に、各法人ユーザについてのデータの詳細構造を示す。図11では販売店Aのデータ構造の具体例を示しており、販売店Aを特定する名称及び連絡先のデータに対応して決済用口座の口座番号(ここでは2つ)が登録されており、さらに各決済用口座の口座番号に対応して振込番号及び受取条件が1又は複数セット(図11では、2セットずつ)登録される。受取条件については、上で述べたように、有効期限(デフォルトのまま又は特に指定がある場合はその期限)、受取期間(受取開始日及び受取終了日)、手数料(販売店又はユーザ)が登録される。このように、振込番号毎に、受取条件を設定することができるので、販売店100は、振込番号を、相手に応じて使い分けることができるようになる。なお、受取条件については、後に変更申請を行うことによって変更することができる。
最後に、販売店登録部72は、振込番号を含む登録完了通知を出力する(ステップS17)。FAXや電子メール、入力用Webページからの利用申請の場合には、FAX、電子メール、出力用Webページによって、登録完了通知を出力する。紙の利用申請の場合には、例えば印刷して、郵便にて販売店100に送付する。
このようにすれば、販売店100の最初の登録が完了する。
次に、図12を用いて、ユーザ200がユーザ端末5を操作して、商品などを販売する販売店100の販売店サーバ3に対して商品の購入を行う際の処理及び振込依頼を行う際の処理について説明する。なお、ここではオンラインショッピングの例を示すが、オンラインでない通信販売でも本実施の形態における決済サービスは利用可能である。
例えば、販売店サーバ3が、ユーザ端末5からの検索指示に応じて商品一覧ページ・データを生成してユーザ端末5に送信する。ユーザ端末5は、販売店サーバ3から商品一覧ページ・データを受信し、表示装置に商品一覧ページを表示する。これに対して、ユーザは、いずれかの商品を選択して、ショッピングカートに入れる指示を入力する。ユーザ端末5は、ユーザからの指示を受け付け、選択商品のショッピングカートへの投入指示を、販売店サーバ3に送信する。販売店サーバ3は、ユーザ端末5から、選択商品のショッピングカートへの投入指示を受信し、選択商品のデータをショッピングカートのデータ領域に登録する。そして、ショッピングカートへ投入した商品リストを含むページ・データを生成し、ユーザ端末5に送信する。ユーザ端末5は、販売店サーバ3からショッピングカートへ投入した商品リストを含むページ・データを受信し、表示装置に、ショッピングカートへ投入した商品リストを含むページを表示する。
この段階では、ショッピングを継続しても良いし、購入を中止するようにしても良いが、ここでは、ユーザ200は、決済指示を入力したものとする。ユーザ端末5は、ユーザ200による決済指示を受け付け、当該決済指示を販売店サーバ3に送信する(ステップS31)。販売店サーバ3は、決済指示をユーザ端末5から受信し(ステップS33)、決済データ入力ページ・データを生成してユーザ端末5に送信する(ステップS35)。例えば、ショッピングカートに投入されている商品のデータを含み、以下で述べるデータの入力欄を含むページ・データが生成され送信される。
ユーザ端末5は、販売店サーバ3から決済データ入力ページ・データを受信し、表示装置に決済データ入力ページを表示する(ステップS37)。ユーザは、ユーザ端末5を操作して、氏名、連絡先、引落番号等を含む決済データを入力する。ユーザ端末5は、ユーザから氏名、連絡先、引落番号等を含む決済データの入力を受け付け、販売店サーバ3に送信する(ステップS39)。販売店サーバ3は、ユーザ端末5から、氏名、連絡先、引落番号等を含む決済データを受信し、図示しないデータベースに登録する(ステップS41)。そして、受け付け完了通知を生成して、ユーザ端末5に送信する(ステップS43)。
ユーザ端末5は、販売店サーバ3から受け付け完了通知を受信し、表示装置に表示する(ステップS44)。これにて、ユーザ200が行う手続きの第1段階は終了する。
一方、販売店サーバ3は、今回の決済で用いる振込番号、引落番号、ユーザ200の氏名及び連絡先、レシート印字データ(購入商品データを含む)、通帳に印字する摘要文言のデータなどを含む振込データを生成し、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS45)。そして、当該振込データを含む振込要求を、引落番号から特定される銀行の銀行システム7に送信する(ステップS47)。なお、ステップS47については、ネットワーク1を介して直接銀行システム7に送信するのではなく、他の方法、例えばFAXで出力したり、電子メールの形式で送信したり、郵送用に印字して出力するようにしても良い。
次に、図12の後に銀行システム7で実行される処理について図13乃至図17を用いて説明する。銀行システム7の振込依頼受付部71は、振込データを含む振込依頼を、販売店サーバ3から受信する(ステップS51)。例えば、FAXや電子メールの形式で送信されてきた場合には、それらから必要なデータを抽出する。また、銀行に紙の形式で振込依頼が送付された場合には、オペレータなどによって入力される振込データを含む振込依頼を取得する。
そして、振込依頼受付部71は、振込データに含まれるデータを支払人テーブル77と照合する(ステップS53)。具体的には、例えば振込データに含まれる今回の決済で用いる引落番号で支払人テーブルを検索し、該当するユーザ200の氏名及び連絡先と、振込データに含まれるユーザ200の氏名及び連絡先とを照合する。なお、一致しない場合には、これ以降の処理は行わない。振込依頼の送信元などにエラーを通知するようにしても良い。また、振込データに含まれる今回の決済で用いる振込番号が、他の提携銀行の振込番号である場合には、例えばネットワーク1を介して接続されている他の提携銀行の銀行システムに決済用口座の口座番号等のデータ要求を送信し、振込番号を他の提携銀行の銀行システムで確認してもらった上で、販売店名、連絡先、決済用口座の口座番号等を取得するようにする。
次に、振込依頼受付部71は、この振込依頼に対して依頼番号を生成する(ステップS54)。振込番号と引落番号の同一組み合わせの振込依頼が複数ある場合には、容易に振込依頼を識別できないので、依頼番号を導入する。そして、振込依頼に含まれる振込データを用いて振込テーブル74にレコードを登録する(ステップS55)。振込テーブル74では、例えば図14に示すようなデータ構造でデータを管理する。すなわち、振込番号毎に、依頼内容を登録するようになっており、ユーザ200が承認等を行った場合には、その結果を依頼内容に対応して登録するようになっている。図15に依頼内容と結果の詳細なデータ構造例を示す。依頼番号で特定される依頼内容には、購入者であるユーザ200の氏名及び連絡先、引落番号、金額、振込依頼受領日、レシート印字データ、通帳記入の摘要文言が対応付けられている。さらに、依頼番号で特定される依頼内容には、結果のデータも対応付けられており、結果には、承認日、承認内容(承認、拒否、購入無し)が対応付けられている。
さらに、振込依頼受付部71は、受取人テーブル76の該当データ(振込番号に対応する販売店名、連絡先など)及び振込依頼に含まれる振込データを用いて引落テーブル75にレコードを登録する(ステップS57)。引落テーブル75では、例えば図16に示すようなデータ構造でデータを管理する。すなわち、引落番号毎に、依頼内容を登録するようになっており、ユーザ200が承認などを行った場合には、その結果を依頼内容に対応して登録するようになっている。図17に依頼内容と結果の詳細なデータ構造例を示す。依頼番号で特定される依頼内容には、販売店名、販売店の連絡先、振込番号、金額、振込依頼受領日、他の提携銀行の振込番号の場合には販売店の決済用口座の口座番号が対応付けられている。さらに、依頼番号で特定される依頼内容には、結果のデータも対応付けられており、結果には、承認日、承認内容(承認、拒否、購入無し)が対応付けられている。
ここまでで、ユーザ200が振込依頼の承認を行う前の処理が完了する。
次に、図18乃至図24を用いて、ユーザ200が、振込依頼について、承認、拒否、又は購入無しを登録する際の処理について説明する。ここでは、ユーザ200は、銀行システム7に接続されているATM9に出向いて、ATM9を操作するものとする。
まず、ユーザ200は、ATM9の表示装置に表示されているメインメニュー(例えば図19)のうち引落承認を選択する。ATM9は、ユーザ200から引落承認の選択入力を受け付け(ステップS61)、キャッシュカードや通帳の挿入を促して、その後周知の認証処理を実施する(ステップS63)。この際図示しない認証サーバにアクセスする場合もあるが、ここでは説明は省略する。また、認証は問題なく成功したものとする。
その後、ATM9は、キャッシュカード等から読み取った口座番号を含む承認検索要求を生成して、銀行システム7に送信する(ステップS65)。なお、ステップS65より前に、承認を行う予定の引落番号の入力をユーザ200に対して求め、口座番号と共に引落番号をも送信するようにしてもよい。
銀行システム7の承認処理部78は、ATM9から口座番号を含む承認検索要求を受信し、口座番号を例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS67)。そして、口座番号で支払人テーブル77を検索し、ユーザ200に発行されている引落番号を特定する(ステップS68)。承認検索要求に引落番号が含まれる場合には、ステップS68はスキップされる。そして、引落テーブル75から、ステップS68で特定された引落番号に対応する振込依頼であって結果が登録されていない振込依頼のデータを抽出し、抽出された振込依頼に含まれる振込番号で受取人テーブル76を検索して得られる受取条件に含まれる受取期間に該当する振込依頼を特定することによって、未承認且つ受取期間内の振込依頼を抽出する(ステップS69)。
承認処理部78は、抽出された振込依頼から、該当する振込依頼の販売店及び金額(引落テーブル75からのデータ)を含む未承認リストを生成し、ATM9に送信する(ステップS71)。ATM9は、銀行システム7から未承認リストを受信し、表示装置に表示する(ステップS73)。例えば図20のような表示画面が表示される。すなわち、抽出された振込依頼につき、販売店及び金額が列挙されており、内容照会ボタンも表示されている。ユーザ200は、承認、拒否、購入無しを登録する対象となる振込依頼に対応する内容照会ボタンを押す。
ATM9は、ユーザ200からの承認対象の選択を受け付け、承認対象である振込依頼を特定するデータ(依頼番号又は依頼番号を特定するための識別子)を銀行システム7に送信する(ステップS75)。銀行システム7の承認処理部78は、ATM9から、承認対象である振込依頼を特定するデータを受信し(ステップS77)、承認対象の振込依頼の依頼番号を特定し、振込テーブル74から当該依頼番号に対応する詳細データ(購入商品(レシート印字データに含まれるデータ)、購入日(振込依頼日)、金額など)を抽出する(ステップS79)。そして、引落テーブル75からの販売店名などを含む、承認対象の振込依頼の詳細データをATM9に送信する(ステップS81)。ATM9は、銀行システム7から承認対象の振込依頼の詳細データを受信し、表示装置に表示する(ステップS83)。そして処理は端子A及びBを介して図22の処理に移行する。
ステップS83では、例えば図21に示すような画面が表示される。図21の画面例では、支払先(販売店名)、ご購入品(レシート印字データに含まれるデータ)、ご購入日(振込依頼日)、金額が表示されるようになっており、承認ボタンと、拒否ボタンと、購入無しボタンとが選択可能になっている。ユーザ200は、表示内容を確認し、承認、拒否、購入無しのいずれかを選択する。
図22の処理の説明に移って、ATM9は、承認、拒否、購入無しのいずれかの指示入力を受け付け、銀行システム7に送信する(ステップS85)。銀行システム7の承認処理部78は、ATM9から承認、拒否、購入無しのいずれかの指示を受信し(ステップS87)、承認が指示されたか判断する(ステップS89)。承認が指示されている場合には、引落承認テーブル79に承認対象の振込依頼のデータを登録する(ステップS91)。ステップS91では、承認対象の振込依頼に係る引落番号で支払人テーブル77を検索し、引落条件に含まれる決済日のデータを抽出して、決済日を特定し、当該決済日に対応して振込依頼のデータ(例えば引落番号など)を引落承認テーブル79に登録する。
引落承認テーブル79は、例えば図23に示すようなデータ構造を有する。具体的には、決済日(決済実施日)毎に、引落番号が対応付けられ、さらに引落番号に対応して、取引履歴(依頼番号)が対応付けられている。そして、取引履歴には、承認日時、承認内容(承認)及び引落結果(引落実施時に登録)が含まれる。
一方、承認が指示されていない場合には、引落承認拒否テーブル80に、操作日に対応して振込依頼のデータ(例えば引落番号など)を登録する(ステップS93)。引落承認拒否テーブル80は、例えば図24に示すようなデータ構造を有する。具体的には、操作日毎に、引落番号が対応付けられ、さらに引落番号に対応して、取引履歴(依頼番号)が対応付けられ、取引履歴には操作内容(拒否又は購入無し)が含まれる。
ステップS91又はS93の後に、承認処理部78は、引落テーブル75及び振込テーブル74に結果を登録する(ステップS95)。すなわち、引落番号及び依頼番号に対応して、結果(承認日及び承認内容)を、引落テーブル75に登録し、振込番号及び依頼番号に対応して、結果(承認日及び承認内容)を、振込テーブル74に登録する。
その後、承認処理部78は、受け付け完了通知をATM9に送信する(ステップS97)。ATM9は、銀行システム7から受け付け完了通知を受信し、表示装置に表示する(ステップS99)。すなわち、承認等の処理が完了した旨を表示する。
また、ユーザ200によって承認が指示されていれば、銀行システム7の承認処理部78は、該当する振込依頼に係る振込番号と依頼番号に対応して振込テーブル74に登録されているレシート印字データ及び摘要文言データ(通帳がある場合)を抽出し、ATM9に送信する(ステップS101)。ATM9は、銀行システム7からレシート印字データ及び摘要文言データを受信し、レシート印字データについてはレシートに印刷して出力し、摘要文言については通帳に記帳して通帳を出力する(ステップS103)。
さらに、承認処理部78は、受取人テーブル76を、該当する振込依頼の振込番号で検索して連絡先データ(例えば電子メールなど)を取得し、当該連絡先データを用いて承認結果通知を実施する(ステップS105)。例えば電子メール、場合によって結果を印字した紙を郵送したり、FAXで送信したりする。さらに、該当する振込依頼の引落番号で支払人テーブル77を検索し、引落条件の引落通知の引落前連絡要否が要となっているか判断し、要であれば、連絡先(メールアドレスなど)に決済実施日などを通知する。
このような処理を実施することで、ユーザ200は、銀行300に通知されている各振込依頼について、引落の承認を行うか否かを判断することができるようになる。すなわち、自らの意思で、自らの決済用口座から資金を引き落とすか否かを指示することができる。さらに、通常の振込をするような手間は必要ない。
また、レシート印字データをチケットデータ(座席情報など)とすることによって、レシートをそのままチケット代わりにすることができるようになる。また、予約販売の引換券、クーポンなどとして用いることもできるようになる。
次に、決済を行う際の処理について図25乃至図27を用いて説明する。銀行システム7の決済処理部83は、引落承認テーブル79において決済実施日が処理日である未処理レコードを1つ取得し(ステップS111)、当該取得レコードに含まれる引落番号及び依頼番号で引落テーブル75を検索して、該当する振込番号、金額及び決済口座用の口座番号データ(他行の場合)を特定する。上で述べたように、振込番号は銀行コードなどの銀行を特定するコードを含んでいるので、決済処理部83は、振込番号から送金先が他行であるか判断する(ステップS113)。送金先が他行であれば、銀行コード、引落テーブル75から読み出された送金先の決済用の口座番号及び支払人テーブル77から引落番号で特定される支払人の決済用口座の口座番号を、振込処理部85に通知して、周知の振込処理を実施させる(ステップS117)。周知の振込処理では、図26に模式的に示したように、ユーザ200の決済用口座から、引落テーブル75から特定される金額を出金して、為替で受取人の決済用口座(他行)へ送金する。
一方、自行内の送金である場合には、決済処理部83は、引落テーブル75から読み出された振込番号で受取人テーブル76を検索して決済用口座の口座番号を特定すると共に、取得レコードに含まれる引落番号で支払人テーブル77を検索して決済用口座の口座番号を特定し、それらを引落処理部84に通知し、周知の引落処理を実施させる(ステップS115)。周知の引落処理では、図27に模式的に示したように、ユーザ200の決済用口座から、引落テーブル75から特定される金額を出金して、受取人の決済用口座へ入金する。
ステップS115又はS117の後に、決済処理部83は、引落処理部84又は振込処理部85から処理結果を受け取り、引落承認テーブル79の処理対象レコードに対して、処理結果を登録する(ステップS118)。また、取得レコードに含まれる引落番号で支払人テーブル77を検索し、引落条件に含まれる引落通知の引落結果通知の要否を判断し、引落結果通知要であれば、連絡先(メールアドレスなど)に引落実施結果を通知する(ステップS119)。
その後、決済実施日が処理日である未処理のレコードが存在するか判断し(ステップS120)、未処理のレコードが存在している場合にはステップS111に戻り、未処理のレコードが存在しない場合には処理を終了させる。
以上のような処理を実施することによって、決済実施日に適切に送金処理が行われるようになる。
上で述べたように、支払人テーブル77において引落番号に対応して登録される引落条件の可否情報に、「無条件引落許可」が登録されている場合がある。従って、例えば各営業日に、図25の処理を実施する前に、無条件引落許可が引落条件として設定されている引落番号を特定すると共に、当該引落番号が登録されている振込依頼を特定して、自動承認処理を実施する。
具体的には、まず、銀行システム7の承認処理部78は、無条件引落許可が引落条件として登録されている引落番号を支払人テーブル77において特定し、当該引落番号から無条件引落許可に該当する振込依頼を引落テーブル75から抽出する(図28:ステップS121)。そして、抽出された振込依頼について、自動承認処理を実施する(ステップS123)。具体的には、図22のステップS91、S95及びS105を実施する。決済実施日については、図28の処理を実施した日とする。
このように図28の処理を実施すれば、自動承認の場合にも適切に送金を行うことができるようになる。
なお、銀行システム7の承認処理部78は、引落テーブル75を検索して結果が登録されていない振込依頼を特定し、当該振込依頼に係る振込番号を特定し、当該振込番号から受取人テーブル76を検索して該当する受取期間を特定する。そして、処理日及び振込依頼日から受取期間を経過しているか判断して、経過している場合には「拒否」と判断し、自動拒否処理として、図22のステップS93、S95及びS105を実施する。これによって、未承認で放置された振込依頼について処理を行うことができるようになる。
次に、ユーザ200と販売店100の評価のための処理について図29を用いて説明する。集計処理部81は、引落テーブル75において、引落番号毎に全振込依頼件数(結果が登録されている振込依頼の件数)及び拒否件数をカウントし、集計データ格納部82に格納する(ステップS131)。また、支払人テーブル77から同一支払人の引落番号を特定し、同一支払人について、全振込依頼件数及び拒否件数を集計して、集計データ格納部82に格納する(ステップS133)。そして、引落番号毎及び支払人毎の拒否割合(=拒否件数/全振込依頼件数)を算出し、集計データ格納部82に格納する(ステップS135)。また、振込テーブル74において、振込番号毎に全振込依頼件数(結果が登録されている振込依頼の件数)及び購入無しの件数をカウントし、集計データ格納部82に格納する(ステップS137)。そして、受取人テーブル76から同一受取人の振込番号を特定し、同一受取人について全振込依頼件数及び購入無し件数を集計し、集計データ格納部82に格納する(ステップS139)。その後、振込番号毎及び受取人毎に購入無し割合(=購入無し件数/全振込依頼件数)を算出し、集計データ格納部82に格納する(ステップS141)。そして、管理人などの要求に応じて、集計データ格納部82に格納されているデータを出力する(ステップS143)。
例えば管理人は、集計データ格納部82に格納されているデータを基に、拒否件数又は拒否割合が所定の閾値以上のユーザ200や、購入無し件数又は購入無し割合が所定の閾値以上の販売店100を特定して、警告を行ったり、契約を解除するようにする。
これによって、不適切なユーザや販売店に改善を促したり、それらを排除して、送金が適切に実施されるようにする。なお、件数や割合に応じて、ユーザ200や販売店100を格付けしても良い。
[実施の形態2]
上で述べた第1の実施の形態であっても、公共料金(例えば、水道料、給食費や、公立病院の医療費など)や税金の一括納付は可能である。しかしながら、第1の実施の形態では、分納を実施するには、受取人である自治体などが、分納回数だけ振込依頼を生成して、金融機関に送付しなければならない。また、延滞料をさらに徴収するような場合にも受取人である自治体などに手間がかかる。特に、近年未納者や延滞者が非常に増加しており、このような未納者や延滞者からの徴収業務の効率化が望まれている。なお、サービスや物品の購入代金の分割支払いについても同様である。
さらに、第1の実施の形態では、不正を行ったり問題のある受取人(販売店など)についても、自動的に取引を停止したり、入金・送金を停止したりすることはできなかった。
以上のような問題を解決すべく、分納(公共料金や税金の分納に限定せず、他の分割払いも含む)にも対応可能なシステムを提供する。
まず、本発明の第2の実施の形態に係る分納の処理概要を図30乃至図73を用いて説明する。但し、第1の実施の形態における図1及び図2の手続きは完了しているものとする。また、図1及び図2の販売店100は、第2の実施の形態における自治体600に相当し、図1及び図2のユーザ200は、第2の実施の形態における支払人700に相当する。なお、自治体600と銀行300との契約には、適用すべき延滞料(又は分割払いの手数料。但しこれらは0%の場合もある)の利率、納付間隔(例えば1月ごと)なども含まれる。
まず、自治体600と支払人700とは、税金や公共料金などの分納を合意し、支払人700は、決済に用いる引落番号を自治体700に通知する(ステップ(1))。なお、合意においては、1回の納付金額又は納付回数、延滞料の利率などの合意も含まれる。そうすると、自治体600は、振込依頼の代わりに、支払人700のデータ(氏名など)及び引落番号、自治体の振込番号、分納内容データ(例えば「自動車税」など)、分納総額、1回の納付金額及び納付開始日を含む分納徴収依頼を1回のみ銀行300に通知する(ステップ(2))。銀行300は、分納徴収依頼に応じて、振込テーブルに、支払人700のデータ、引落番号、初回分のデータ(請求開始日(納付開始日)、請求終了日(契約上の納付間隔後の日の前日)、請求額(1回の納付金額)、残額(分納総額))、依頼受領日、レシート印字内容(例えば「自動車税?円入金いただきました」。?は実際の承認金額。)、摘要文言(例えば自動車税分納)を登録し、引落テーブルに、自治体600のデータ、振込番号、初回分のデータ、(請求開始日(納付日)、請求終了日(契約上の納付間隔後の日の前日)、請求額(1回の納付金額)、残額(分納総額))、依頼受領日などを登録する(ステップ(3))。
その後、支払人700が、銀行300のATMに行き、認証を行った後、該当する振込依頼及び分納徴収依頼のうち、特定の分納徴収依頼について支払承認を与える(ステップ(4))。以下でも述べるが、分納の場合には、1回の支払金額を変更することができる。銀行300は、支払人700からの支払承認を受け受けると、振込テーブルのレシート印字内容(例えば「自動車税30000円入金いただきました」)を印字して、出力する(ステップ(5))。また、銀行300は、振込テーブル及び引落テーブルに、支払承認の結果を登録する(ステップ(6))。そして、銀行300は、以下で述べるような出金処理を実施する(ステップ(7))。自治体600への入金・送金処理は、後に述べるように承認日から所定の猶予日後に行われる。さらに、銀行300は、自治体600に、回収結果を通知する(ステップ(8))。回収結果は、支払承認が行われる毎、及び納付間隔内に納付が行われなかったことを確認した場合に行われる。また、銀行300は、完済するまで(残額が「0」での納付が行われるまで)、次回のための依頼内容データを自動的に生成し、振込テーブル及び引落テーブルに登録する(ステップ(9))。
このような処理を行うことによって、分納の場合でも、自治体600は、1回だけ銀行300に分納徴収依頼を送付することによって、適切に各回の分納の処理を銀行300に実施させることができる。なお、本実施の形態でも分納以外の1回払いも可能であり、その点については、以下で詳細に説明する。
本実施の形態に係る決済サービスにおいて用いられるコンピュータ・システムの概要は第1の実施の形態におけるコンピュータ・システム(図4)と同様である。但し、自治体600の場合には、販売店サーバ3の代わりに自治体サーバが用いられる。
このコンピュータ・システムに含まれる、本実施の形態に係る銀行システム7の機能ブロック図を図32に示す。銀行システム7は、販売店100又は自治体600からの利用申請についてのデータを登録する処理を実施する販売店登録部572と、販売店登録部572により登録されたデータを格納する受取人テーブル576と、ユーザ200又は支払人700からの利用申請についてのデータを登録する処理を実施するユーザ登録部573と、ユーザ登録部573により登録されたデータを格納する支払人テーブル577と、受取人テーブル576及び支払人テーブル577を参照し、販売店100又は自治体600から振込依頼又は分納徴収依頼を受け付け、受取人用のデータ及び支払人用のデータを生成する振込依頼受付部571と、振込依頼受付部571によって生成された受取人用のデータを格納する振込テーブル574と、振込依頼受付部571によって生成された支払人用のデータを格納する引落テーブル575と、格付毎に入金猶予日数が登録されている入金・送金猶予日数テーブル590と、振込テーブル574、引落テーブル575、受取人テーブル576、支払人テーブル577及び入金・送金猶予日数テーブル590を参照し、ATM9と連携して承認確認処理を実施する承認処理部578と、ユーザ200又は支払人700から承認を得られた場合に承認処理部578の処理結果を格納する承認テーブル579と、ユーザ200又は支払人700から承認を得られなかった場合に承認処理部578の処理結果を格納する承認拒否テーブル580と、受取人テーブル576、支払人テーブル577、引落テーブル575、承認テーブル579及び入金・送金猶予日数テーブル590を参照して出金のための処理を実施する出金処理部583と、出金処理部583によって実施された出金に対応して入金・送金を行うためのデータを格納する入金・送金予定テーブル584と、入金・送金予定テーブル584のデータに従って入金・送金処理を実施する入金・送金処理部585と、格付処理のためのデータを格納する格付処理用データ格納部582と、振込テーブル574と格付処理用データ格納部582と承認拒否テーブル580とを参照して受取人(販売店100及び自治体600)の格付を行うための処理を実施する格付処理部581と、格付処理部581又は管理者によって取引停止と判断された受取人についてのデータを格納する取引停止リスト588と、取引停止に係る依頼内容データ及び入金・送金予定データを登録する取引停止テーブル587と、受取人テーブル576のデータを用いて取引停止リスト588に登録されている受取人について引落テーブル575及び入金・送金予定テーブル584に登録されているデータを取引停止テーブル587に移動させる取引停止処理部586と、受取人テーブル576のデータを用いて分納の納付期間内における未納付を特定して必要な依頼内容データを生成して振込テーブル574及び引落テーブル575に登録する分納監視処理部589とを有する。
なお、格付処理部581によって決定された受取人の格付は、受取人テーブル576に登録される。
次に、図33乃至図73を用いて図4及び図32に示したシステムの処理内容を説明する。なお、ユーザ200又は支払人700から銀行300への利用申請の際の処理については、図6に示したとおりである。また、支払人テーブル577に登録されるデータの全体的なデータ構造は図7に示すとおりである。そして、図33に、各ユーザ/支払人についてのデータの詳細構造を示す。図33では利用者3のデータ構造の具体例を示しており、利用者3を特定する氏名及び連絡先のデータに対応して決済用口座の口座番号(ここでは2つ)が登録されており、さらに各決済用口座の口座番号に対応して引落番号及び引落条件が1又は複数セット(図33では、2セットずつ)登録される。引落条件については、有効期限(デフォルトのまま又は特に指定がある場合はその期限)、引落通知の有無及び事前/事後の別、引落通知の連絡先、引落可否情報といった条件が登録される。このように、引落番号毎に、引落条件を設定することができるので、ユーザ200/支払人700は、引落番号を、相手に応じて使い分けることができるようになる。なお、引落条件については、後に変更申請を行うことによって変更することができる。特に、後から販売店100とのトラブルが発生したなどの理由で引落を行わないように設定する場合には、引落可否情報において、無条件引落禁止に設定すればよい。また、販売店100が信頼できる場合には、引落可否情報において無条件引落許可に設定した引落番号を通知すれば、わざわざ承認手続きを実施することもなく、送金することができるようになる。
また、販売店100又は自治体600から銀行300への利用申請の際の処理については、図9に示したとおりである。また、受取人テーブル576に登録されるデータの全体的なデータ構造は図10に示すとおりである。本実施の形態では、自治体600も法人や販売店と同様に登録される。図34に、各法人ユーザ又は自治体についてのデータの詳細構造を示す。図34では販売店Aのデータ構造の具体例を示しており、販売店Aを特定する名称、連絡先のデータ、及び以下で述べる格付に対応して、決済用口座の口座番号(ここでは2つ)が登録されており、さらに各決済用口座の口座番号に対応して振込番号及び受取条件が1又は複数セット(図34では、2セットずつ)登録される。受取条件については、上で述べたように、有効期限(デフォルトのまま又は特に指定がある場合はその期限)、手数料(販売店又はユーザ)が登録される。このように、振込番号毎に、受取条件を設定することができるので、販売店100は、振込番号を、相手に応じて使い分けることができるようになる。なお、受取条件については、後に変更申請を行うことによって変更することができる。受取条件には他にも設定することができ、例えば分納の時の利率や納付間隔が含まれる場合もある。従って、以下で述べる分納に係る依頼内容データを生成する際には、受取条件を読み出して処理する場合もある。
決済用口座は、例えば、現実の店舗毎、インターネット上のショッピングサイト毎などに設定する。さらに、各決済用口座について複数の振込番号を設定できるが、例えば、商品保存が容易なもの(例えば衣類、家具等)については長めの有効期限を設定した振込番号を、生鮮食品などの商品保存が難しいものについては短めの有効期限を設定した振込番号を用意しておき、使い分けることも可能である。
このような前処理の後に、実際の販売及び振込依頼の銀行システム7への送信が、図12を用いて説明したようにオンラインで実施される。また、第1の実施の形態と同様に、FAXや電子メールの形で振込依頼又は分納徴収依頼を銀行システム7に送信するようにしても良いし、紙の形態で銀行に送付するようにしても良い。自治体600についても、例えば支払人700との分納の契約(支払条件を含む)の写しなど銀行に送付するようにしても良い。また、別途自治体600において分納徴収依頼のデータを作成して送信するようにしても良い。
なお、振込依頼は、今回の決済で用いる振込番号、ユーザ200又は支払人700から取得した引落番号、ユーザ200又は支払人700の氏名及び連絡先、請求期間を特定するためのデータ(請求開始日及び請求終了日。但し、空でも良いし、請求開始日のみを含むようにしても良い)、金額、レシート印字内容(購入商品データなどを含む)、通帳に印字する摘要文言等を含む。
分納徴収依頼は、今回の決済で用いる振込番号、ユーザ200又は支払人700から取得した引落番号、ユーザ200又は支払人700の氏名及び連絡先、1回目の請求期間を特定するためのデータ(1回目の納付の納付開始日及び納付終了日。但し、納付開始日だけでもよい)、1回目の支払金額、全納付金額、レシート印字内容(購入商品データ又は支払対象公共料金若しくは税金などを含む)、通帳に印字する摘要文言等を含む。
次に、図35乃至図59を用いて振込依頼及び分納徴収依頼に対して実施される処理について説明する。銀行システム7の振込依頼受付部571は、振込依頼又は分納徴収依頼を、販売店サーバ3等から受信する(ステップS201)。例えば、FAXや電子メールの形式で送信されてきた場合には、それらから必要なデータを抽出する。また、銀行に紙の形式で振込依頼又は分納徴収依頼が送付された場合には、オペレータなどによって入力される振込依頼又は分納徴収依頼を取得する。
そして、振込依頼受付部571は、振込依頼又は分納徴収依頼に含まれるデータを支払人テーブル577と照合する(ステップS203)。具体的には、例えば振込依頼又は分納徴収依頼に含まれる今回の決済で用いる引落番号で支払人テーブル577を検索し、該当するユーザ200等の氏名及び連絡先と、振込依頼又は分納徴収依頼に含まれるユーザ200等の氏名及び連絡先とを照合する。なお、一致しない場合には、これ以降の処理は行わない。振込依頼又は分納徴収依頼の送信元などにエラーを通知するようにしても良い。さらに、本実施の形態では、振込番号で受取人テーブル576を検索し、該当する販売店100等の格付が、取引停止に該当するような格付であるか確認する。取引停止に該当するような格付である場合には、振込依頼又は分納徴収依頼の送信元などに取引停止を通知するようにしても良い。
また、振込依頼又は分納徴収依頼に含まれる今回の決済で用いる振込番号が、他の提携銀行の振込番号である場合には、例えばネットワーク1を介して接続されている他の提携銀行の銀行システムに決済用口座の口座番号等のデータ要求を送信し、振込番号を他の提携銀行の銀行システムで確認してもらった上で、販売店名、連絡先、決済用口座の口座番号等を取得するようにする。
次に、振込依頼受付部571は、この振込依頼又は分納徴収依頼に対して依頼番号を生成する(ステップS204)。振込番号と引落番号の同一組み合わせの振込依頼が複数ある場合には、容易に振込依頼を識別できないので、依頼番号を導入する。なお、依頼番号は、システム通番と、分納徴収依頼の場合の各分納を区別するための追番との組み合わせで構成される。
そして、振込依頼受付部571は、振込依頼又は分納徴収依頼を用いて振込テーブル574にレコードを登録する(ステップS205)。振込テーブル574では、例えば図36に示すようなデータ構造でデータを管理する。すなわち、振込番号毎に、依頼内容を登録するようになっており、ユーザ200が承認等を行った場合には、その結果を依頼内容に対応して登録するようになっている。図36にも示すように、追番無しの依頼番号(例えば「00001」)の依頼内容データは、振込依頼に応じて生成され、追番ありの依頼番号(例えば「00002−1」及び「00002−2」)の依頼内容データは、分納徴収依頼に応じて生成される。
図37に依頼内容と結果の詳細なデータ構造例を示す。依頼内容データは、依頼番号と、購入者であるユーザ200等の氏名及び連絡先、引落番号、請求開始日及び請求終了日、請求金額、残額、振込依頼受領日、レシート印字データ、通帳記入の摘要文言を含む。さらに、依頼内容データには、結果のデータも対応付けられており、結果には、承認日、承認内容(承認、拒否)及び承認金額が対応付けられている。
例えば、振込依頼に対応して生成される振込テーブル574の依頼内容データの一例を図38に示す。購入者の氏名及び連絡先、引落番号、請求終了日及び請求終了日、請求金額、レシート印字内容及び通帳記入の摘要文言については、振込依頼に含まれるデータのままである。残額については、分納でない場合には必ず「0」に設定される。振込依頼受領日については、振込依頼を受信又は受け付けた日である。
また、分納徴収依頼に対応して生成される振込テーブル574の依頼内容データの一例を図39に示す。購入者の氏名及び連絡先、引落番号、レシート印字内容及び通帳記入の摘要文言については、分納徴収依頼に含まれるデータそのままである。請求開始日及び請求終了日は、分納徴収依頼に含まれる1回目の請求開始日及び請求終了日であり、請求金額は、1回目の支払金額であり、残額は、全支払金額である。振込依頼受領日は、分割徴収依頼を受信若しくは受け付けた日である。これは延滞料を算出する際に用いる。
さらに、振込依頼受付部571は、受取人テーブル576の該当データ(振込番号に対応する販売店名、連絡先など)及び振込依頼又は分納徴収依頼を用いて引落テーブル575にレコードを登録する(ステップS207)。引落テーブル575では、例えば図41に示すようなデータ構造でデータを管理する。すなわち、引落番号毎に、依頼内容データを登録するようになっており、ユーザ200等が承認などを行った場合には、その結果を依頼内容データに対応して登録するようになっている。依頼番号の付与の仕方は上で述べたとおりである。
図42に依頼内容データと結果の詳細なデータ構造例を示す。依頼内容データは、依頼番号販売店名、販売店の連絡先、振込番号、請求開始日及び請求終了日、請求金額、残額、振込依頼受領日、他の提携銀行の振込番号の場合には販売店の決済用口座の口座番号が対応付けられている。さらに、依頼内容データには、結果のデータも対応付けられており、結果には、承認日、承認内容(承認、拒否)、承認金額が対応付けられている。
図39に対応する引落テーブル575の依頼内容データの一例を図40に示す。販売店名並びに連絡先、及び決済口座情報を除けば、図39に示した依頼内容データと同様のデータが保持される。
ここまでで、ユーザ200等が振込依頼又は分割徴収依頼の承認を行う前の処理が完了する。
次に、図43乃至図59を用いて、ユーザ200等が、振込依頼又は分納徴収依頼について、承認等を実施する際の処理について説明する。ここでは、ユーザ200等は、銀行システム7に接続されているATM9に出向いて、ATM9を操作するものとする。
まず、ユーザ200等は、ATM9の表示装置に表示されているメインメニュー(例えば図19)のうち引落承認を選択する。ATM9は、ユーザ200等から引落承認の選択入力を受け付け(ステップS211)、キャッシュカードや通帳の挿入を促して、その後周知の認証処理を実施する(ステップS213)。この際図示しない認証サーバにアクセスする場合もあるが、ここでは説明は省略する。また、認証は問題なく成功したものとする。
その後、ATM9は、キャッシュカード等から読み取った口座番号を含む承認検索要求を生成して、銀行システム7に送信する(ステップS215)。なお、ステップS215より前に、承認を行う予定の引落番号の入力をユーザ200等に対して求め、口座番号と共に引落番号をも送信するようにしてもよい。
銀行システム7の承認処理部578は、ATM9から口座番号を含む承認検索要求を受信し、口座番号を例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS217)。そして、口座番号で支払人テーブル577を検索し、ユーザ200等に発行されている引落番号を特定する(ステップS218)。承認検索要求に引落番号が含まれる場合には、ステップS218はスキップされる。そして、引落テーブル575から、ステップS218で特定された引落番号に対応する依頼内容データであって結果が登録されていない依頼内容データを抽出し、現在日が、抽出された依頼内容データに含まれる請求開始日から請求終了日で規定される請求期間内の依頼内容データを特定することによって、未承認且つ請求期間内の依頼内容データを抽出する(ステップS219)。
承認処理部578は、抽出された依頼内容データから、該当する依頼内容データの案件毎に、販売店、請求金額(1回分の請求金額)及び納入期限(請求終了日又は請求終了日−現在日で算出される残日数)を含む未承認リストを生成し、ATM9に送信する(ステップS221)。ATM9は、銀行システム7から未承認リストを受信し、表示装置に表示する(ステップS223)。例えば図44のような表示画面が表示される。すなわち、抽出された依頼内容データの案件につき、販売店、金額及び納入期限(ここでは残日数)が列挙されており、内容照会ボタンも表示されている。このように納入期限を表示することによって督促効果が出る。なお、ユーザ200等は、承認等を登録する対象となる依頼内容データに対応する内容照会ボタンを押す。
ATM9は、ユーザ200等からの承認対象の選択を受け付け、承認対象である依頼内容データを特定するデータ(依頼番号又は依頼番号を特定するための識別子)を銀行システム7に送信する(ステップS225)。銀行システム7の承認処理部578は、ATM9から、承認対象である依頼内容データを特定するデータを受信し(ステップS227)、承認対象の依頼内容データの依頼番号を特定し、振込テーブル574から当該依頼番号に対応する詳細データ(購入商品(レシート印字データに含まれるデータ)、購入日(振込依頼日)、金額など)を抽出する(ステップS229)。そして、販売店名などを含む、承認対象の依頼内容データの詳細データをATM9に送信する(ステップS231)。ATM9は、銀行システム7から承認対象の依頼内容データの詳細データを受信し、表示装置に表示する(ステップS233)。そして処理は端子C及びDを介して図46の処理に移行する。
ステップS233では、例えば図45に示すような画面が表示される。図45の画面例では、支払先(販売店名又は自治体名)、ご購入品(レシート印字データに含まれるデータ)、ご購入日(振込依頼日)、金額(請求金額)が表示されるようになっており、分納ボタンと、戻るボタンとが選択可能となっている。図45の例では、分納徴収依頼に係る依頼内容データを表示するものであって、分納徴収依頼の場合には、分納又は戻るしか選択できない。振込依頼の場合には、承認ボタンと、拒否ボタンと、戻るボタンとが選択可能になっており、いずれかを選択できる。
図46の処理の説明に移行して、ATM9は、ユーザ200等からの指示入力を受け付け、銀行システム7に送信する(ステップS235)。本実施の形態では、指示入力は、承認、拒否、分納、戻るのいずれかになる。銀行システム7の承認処理部578は、ATM9から指示入力を受信し(ステップS237)、分納が指示されたか判断する(ステップS239)。分納以外が指示された場合には、端子Eを介して図56の処理に移行する。
一方、分納が指示された場合には、承認処理部578は、承認対象である依頼内容データに含まれる請求金額とレシート印字内容(購入商品。例えば「自動車税」)とから、規定通りの納付データを生成すると共に、金額変更範囲(所定の最低納入金額から残額まで)のデータを生成し、当該納付データ及び金額変更範囲データを含む分納金額指定データを生成し、ATM9に送信する(ステップS241)。ATM9は、分納金額指定データを受信し、表示装置に表示する(ステップS243)。例えば、図47に示すような画面が表示される。具体的には、上段には、購入商品(自動車税)と、規定通りの請求金額と、その請求金額をそのまま支払う場合の承認ボタンとが表示され、下段には、上記金額変更範囲で金額を変更して支払承認を行うための金額入力欄及び承認ボタンが表示されている。ユーザ200等は、上段の承認ボタンを押すか、下段の金額入力欄に金額を入力して承認ボタンを押す。
ATM9は、ユーザ200等からの指示に従って、金額及び承認指示を銀行システム7に送信する(ステップS245)。銀行システム7は、ATM9から金額及び承認指示を受信し(ステップS247)、当該金額及び承認対象である依頼内容データ(引落テーブル575及び振込テーブル574の該当データ)並びに受取人テーブル576から、出金及び入金のためのデータを生成して承認テーブル579に登録する(ステップS249)。承認テーブル579のデータ構造の一例を図48に示す。図48の例では、承認日毎に、引落番号(振込テーブル574)に対応して、依頼番号(振込テーブル574又は引落テーブル575)、承認日時、指定された金額、受取人情報(受取人テーブル576からの、振込番号に対応する入金先口座情報及び受取人名(引落テーブル575))が登録されるようになっている。
そして、銀行システム7の承認処理部578は、受け付け完了通知をATM9に送信する(ステップS251)。ATM9は、銀行システム7から受け付け完了通知を受信し、表示装置に表示する(ステップS253)。すなわち、承認の処理が完了した旨を表示する。さらに、承認処理部578は、該当する依頼内容データに係る振込番号及び依頼番号に対応して振込テーブル574に登録されているレシート印字内容データ及び摘要文言データ(通帳がある場合)を抽出し、ATM9に送信する(ステップS255)。ATM9は、銀行システム7からレシート印字内容データ及び摘要文言データを受信し、レシート印字内容データについてはレシートに印刷して出力し、摘要文言については通帳に記帳して通帳を出力する(ステップS257)。処理はさらに端子Fを介して図49の処理に移行する。
図49の処理の説明に移行して、承認処理部578は、振込テーブル574及び引落テーブル575において、承認対象の依頼内容データに対応して、承認日、承認内容(承認)及び金額を含む結果を登録する(ステップS258)。さらに、承認処理部578は、承認対象の依頼内容データに対応して、現在の残額が0でなければ、次回分納のための依頼内容データを自動生成し、振込テーブル574及び引落テーブル575に登録する(ステップS259)。
例えば、図39に示すような振込テーブル574の依頼内容データに対して、ユーザ200等が請求金額通りの40000円の支払いを承認した場合、ステップS257では図39の結果データが登録される。図39の例では、承認内容には「分納承認」、承認金額には「40000円」が登録される。図40の引落テーブル575についても同様のデータが結果データとして登録される。
ステップS259では、追番を1インクリメントした依頼番号00002−2の依頼内容データを生成する。具体的には、請求開始日及び請求終了日を、設定されている納付間隔(例えば1月。振込番号に対応する受取条件の1つの場合もある。)だけずらす。さらに、新たな残額=旧残額−承認金額に設定する。具体的には、図50Aに示すように、依頼番号が「00002−2」となっており、請求開始日及び請求終了日は、図39の請求開始日及び請求終了日から1月ずらされており、残額は80000円(=120000−40000)と変更されている。引落テーブル575についても、同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−2」が登録される。引落テーブル575についても図50Bに示すように、上で述べたのと同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−2」が登録される。
次に、図50Aに示すような振込テーブル574の依頼内容データに対して、ユーザ200等が請求金額通りではなく30000円の支払いを承認した場合、ステップS257では図50Aの結果データが登録される。図50Aの例では、承認内容には「分納承認」、承認金額には「30000円」が登録される。図50Bの引落テーブル575についても同様のデータが結果データとして登録される。
ステップS259では、さらに追番を1インクリメントした依頼番号00002−3の依頼内容データを生成する。具体的には、請求開始日及び請求終了日を、設定されている納付間隔(例えば1月)だけずらす。さらに、新たな残額=旧残額−承認金額に設定する。具体的には、図51Aに示すように、依頼番号が「00002−3」となっており、請求開始日及び請求終了日は、図50Aの請求開始日及び請求終了日から1月ずらされており、残額は50000円(=80000−30000)と変更されている。引落テーブル575についても、同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−3」が登録される。引落テーブル575についても図51Bに示すように、上で述べたのと同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−3」が登録される。
ここで、図51Aに示すような振込テーブル574の依頼内容データに対して、ユーザ200等が支払承認を行わなかったとする。そうすると、ステップS257及びS259は実施されない。以下で述べる分納監視処理部589による処理が実施され、請求開始日から請求終了日までに支払承認が実施されなかった分納に係る依頼内容データを探索して、図51Aに示すような結果データを生成して登録する。すなわち、承認日は「−」であり、承認内容は「未納」であり、承認金額が「0」である。引落テーブル575についても、図51Bに示すように、同様の結果データが登録される。
そして、さらに追番を1インクリメントした依頼番号00002−4の依頼内容データを生成する。具体的には、請求開始日及び請求終了日を、設定されている納付間隔(例えば1月)だけずらす。さらに、新たな残額=旧残額−承認金額に設定する。但し、承認金額が0なので残額=旧残額となる。具体的には、図52Aに示すように、依頼番号が「00002−4」となっており、請求開始日及び請求終了日は、図51Aの請求開始日及び請求終了日から1月ずらされており、残額は50000円のままである。引落テーブル575についても、同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−4」が登録される。引落テーブル575についても図52Bに示すように、上で述べたのと同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−4」が登録される。
その後、図52Aに示すような振込テーブル574の依頼内容データに対して、ユーザ200等が請求金額通り40000円の支払いを承認した場合、ステップS257では図52Aの結果データが登録される。図52Aの例では、承認内容には「分納承認」、承認金額には「40000円」が登録される。図52Bの引落テーブル575についても同様のデータが結果データとして登録される。
ステップS259では、さらに追番を1インクリメントした依頼番号00002−5の依頼内容データを生成する。具体的には、請求開始日及び請求終了日を、設定されている納付間隔(例えば1月)だけずらす。さらに、新たな残額=旧残額−承認金額に設定する。具体的には、図53Aに示すように、依頼番号が「00002−5」となっており、請求開始日及び請求終了日は、図52Aの請求開始日及び請求終了日から1月ずらされており、残額は10000円(=50000−40000)と変更されている。残額≧1回あたりの請求金額であれば、請求金額を変更する必要はないが、今回残額10000円で1回あたりの請求金額40000円を下回る。従って、請求金額も10000円に変更する必要がある。引落テーブル575についても、同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−5」が登録される。引落テーブル575についても図53Bに示すように、上で述べたのと同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−5」が登録される。
その後、図53Aに示すような振込テーブル574の依頼内容データに対して、ユーザ200が請求金額通り10000円の支払いを承認した場合、ステップS257では図53Aの結果データが登録される。図53Aの例では、承認内容には「分納承認」、承認金額には「10000円」が登録される。図53Bの引落テーブル575についても同様のデータが結果データとして登録される。
ステップS259では、さらに追番を1インクリメントした依頼番号00002−6の依頼内容データを生成する。なお、残額=旧残額−承認金額=0となる場合には、上で述べたような変更とは異なる変更を行って依頼内容データを生成する。具体的には、図54Aに示すように、請求開始日は、設定されている納付間隔だけずらすが、請求終了日については設定しない。また、残額は0に設定される。さらに、請求金額は、延滞料を算出して設定することになる。延滞料は、金額×利率×(延滞日数/365)で計算されるが、実際には納付毎に金額を変更して算出する。図39のデータからは、延滞日数=承認日(2008/06/10)−請求開始日(2008/05/25)=16であり、金額はその間の残高120000円となる。さらに、図50Aのデータからは、延滞日数=承認日(2008/07/07)−請求開始日(2008/06/25)=12であり、金額はその間の残高80000円となる。また、図51Aのデータからは、承認日がないので延滞日数=31日であり、金額はその間の残高50000円である。さらに、図52Aのデータからは、延滞日数=承認日(2008/08/26)−請求開始日(2008/08/25)=1であり、金額はその間の残高50000円である。また、図53Aのデータからは、延滞日数=承認日(2008/10/23)−請求開始日(2008/09/25)=28であり、金額はその間の残高10000円である。このように通番を共通とする依頼番号の全ての追番について延滞料を算出して合計した金額が合計の延滞料となり、これが最後の請求金額となる。引落テーブル575についても、同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−6」が登録される。引落テーブル575についても図54Bに示すように、上で述べたのと同様の変更が加えられた依頼内容データ「00002−6」が登録される。
なお、本実施の形態では、分納に係る依頼内容データであっても、残額が「0」の場合には、分納として取り扱わない。これは、延滞料については金額を調整して納付できないようにするためであって、図43のステップS231で、依頼番号が追番を含んでおり分納に係る依頼内容データについて詳細データを送信する場合であっても、ステップS233では、「分納」ボタンを選択できないようにして、「承認」ボタン及び「戻る」ボタンのみを選択できるようにする。そうすると、図46のステップS239では、Noルートで端子E以降の処理を実施することになる。
図49の処理の説明に戻って、承認処理部578は、回収結果を受取人(例えば自治体600)に通知する(ステップS261)。例えば、ネットワークを介してデータを送信することもあれば、メールを送信しても良いし、データを印字して書類として送付してもよい。なお、回収結果は、例えば依頼内容データに対応して登録される結果データの内容を含む。但し、例えば承認金額が入金される日を算出して当該回収結果に含めるようにしても良い。
本実施の形態では、受取人に設定されている格付に応じて、承認日からの入金猶予日数が設定されている。これは、問題のある販売店などに早期に入金・送金することによる問題を回避することが目的であって、場合によっては送金を停止してユーザ200等が回収できるようにするためである。入金・送金猶予日数テーブル590には、例えば図55に示すようなデータが保持されている。図55の例では、各格付に対して、銀行300等が設定した猶予日数が登録されるようになっている。従って、受取人テーブル576から、承認対象の依頼内容データに係る振込番号に対応する受取人(販売店)の格付を読み出し、さらに入金・送金猶予日数テーブル590から当該格付に対応する猶予日数を読み出す。そして、承認日+猶予日数によって、入金・送金日を算出する。
このような処理を実施することによって、本実施の形態では、自治体などの手間を削減して分納を取り扱うことができるようになる。
次に、図46のステップS239で分納が選択されなかった場合の処理を図56を用いて説明する。次に、承認処理部578は、ATM9から受信した指示入力が「戻る」の指示であったか判断する(ステップS271)。「戻る」の指示であった場合には端子Gを介して図43のステップS221に戻る。すなわち抽出依頼内容データの未承認リストを提示するようにする。
一方、「戻る」指示でない場合には、承認処理部578は、「承認」指示であるか判断する(ステップS273)。承認が指示されている場合には、承認対象の依頼内容データ(引落テーブル575及び振込テーブル574の該当データ)並びに受取人テーブル576から、出金及び入金のためのデータを生成して承認テーブル579に登録する(ステップS275)。承認テーブル579のデータ構造は、例えば図48に示したとおりである。なお、承認でない場合には、端子Hを介して図57の処理に移行する。
また、承認処理部578は、振込テーブル574及び引落テーブル575において、承認対象の依頼内容データに対応して、承認日、承認内容(承認)及び金額を含む結果を登録する(ステップS277)。
そして、承認処理部578は、受け付け完了通知をATM9に送信する(ステップS279)。ATM9は、銀行システム7から受け付け完了通知を受信し、表示装置に表示する(ステップS281)。すなわち、承認の処理が完了した旨を表示する。さらに、承認処理部578は、該当する依頼内容データに係る振込番号及び依頼番号に対応して振込テーブル574に登録されているレシート印字内容データ及び摘要文言データ(通帳がある場合)を抽出し、ATM9に送信する(ステップS283)。ATM9は、銀行システム7からレシート印字内容データ及び摘要文言データを受信し、レシート印字内容データについてはレシートに印刷して出力し、摘要文言については通帳に記帳して通帳を出力する(ステップS285)。
さらに、承認処理部578は、回収結果を受取人(例えば販売店)に通知する(ステップS287)。例えば、ネットワークを介してデータを送信することもあれば、メールを送信しても良いし、データを印字して書類として送付してもよい。例えば受取人テーブル576を、該当する依頼内容データの振込番号で検索して連絡先データ(メールアドレスやIPアドレス、郵送先など)を取得して行う。なお、回収結果は、例えば依頼内容データに対応して登録される結果データの内容を含む。但し、例えば承認金額が入金される日を算出して当該回収結果に含めるようにしても良い。入金される日の算出方法については、ステップS261で述べたとおりである。
さらに、承認処理部578は、該当する依頼内容データの引落番号で支払人テーブル577を検索し、引落条件の引落通知の引落前連絡要否が要となっているか判断し、要であれば、連絡先(メールアドレスなど)に決済実施日(承認日)などを通知する。
このような処理を実施することで、ユーザ200等は、銀行300に通知されている各振込依頼について、引落の承認を行うか否かを判断することができるようになる。すなわち、自らの意思で、自らの決済用口座から資金を引き落とすか否かを指示することができる。さらに、通常の振込をするような手間は必要ない。
また、レシート印字データをチケットデータ(座席情報など)とすることによって、レシートをそのままチケット代わりにすることができるようになる。また、予約販売の引換券、クーポンなどとして用いることもできるようになる。
一方、承認が指示されておらず拒否が指示されていると判断された場合の処理を図57を用いて説明する。承認処理部578は、拒否事由選択データ(購入実績無し、金額相違、購入品相違、支払先相違)をATM9に送信する(ステップS291)。ATM9は、銀行システム7から拒否事由選択データを受信し、表示装置に表示する(ステップS293)。例えば図58に示すような画面が表示される。図58の画面例では、「購入実績無し」「金額相違」「購入品相違」「支払先相違」のいずれかの拒否事由を選択できるようになっている。ユーザ200等は拒否事由ボタンのいずれかをクリックする。
ATM9は、ユーザからの選択指示を受け付け、該当する選択拒否事由を銀行システム7に送信する(ステップS295)。銀行システム7の承認処理部578は、ATM9から選択拒否事由を受信する(ステップS297)。そして、承認処理部578は、承認対象の依頼内容データに対応して、結果データを登録する(ステップS299)。結果データは、承認日として拒否指示日を、承認内容に拒否を、承認金額に0を含む。
さらに、承認処理部578は、承認拒否テーブル580に、操作日に対応して、承認拒否対象の依頼内容データに係る引落番号及び選択拒否事由を登録する(ステップS301)。承認拒否テーブル580は、例えば図59に示すようなデータ構造を有する。具体的には、操作日毎に、引落番号が対応付けられ、さらに引落番号に対応して、依頼番号及び拒否事由が対応付けられる。
その後、承認処理部578は、受け付け完了通知をATM9に送信する(ステップS303)。ATM9は、銀行システム7から受け付け完了通知を受信し、表示装置に表示する(ステップS305)。すなわち、処理が完了した旨を表示する。
また、承認処理部578は、拒否通知を受取人(例えば販売店)に送付する(ステップS307)。例えば、ネットワークを介してデータを送信することもあれば、メールを送信しても良いし、データを印字して書類として送付してもよい。例えば受取人テーブル576を、該当する依頼内容データの振込番号で検索して連絡先データ(メールアドレスやIPアドレス、郵送先など)を取得して行う。なお、拒否通知は、例えば依頼内容データに対応して登録される結果データの内容及び選択拒否事由を含む。
このように、ユーザ200等は問題のある振込依頼については、拒否事由を指摘して拒否することによって、不適切な出金を停止させることができる。
次に、図51A及び図51Bの説明で触れた、分納監視処理部589の処理について図60を用いて説明する。分納監視処理部589は、例えば毎日定期的に、振込テーブル574又は引落テーブル575から、分納に係る依頼内容データであって請求終了日までに支払承認を含む結果データが登録されていない依頼内容データを抽出する(ステップS311)。図51Aに示すような依頼内容データが抽出される。そして、支払い承認無しを表す結果データ(承認日「なし」、承認内容「未納」及び承認金額「0」)を、振込テーブル574及び引落テーブル575の該当する依頼内容データに対応して登録する(ステップS313)。図51A及び図51Bに示す状態となる。
さらに、分納監視処理部589は、ステップS311で抽出された依頼内容データに含まれる振込番号で受取人テーブル576を検索し、該当する受取人の連絡先データ(例えば電子メールアドレス、IPアドレス、郵送先など)を取得して、入金無しを表す回収結果を通知する(ステップS315)。ネットワークを介してデータを送信することもあれば、メールを送信しても良いし、データを印字して書類として送付してもよい。
また、分納監視処理部589は、依頼番号の追番を1インクリメントした同一内容の依頼内容データ(但し、上で述べたように請求開始日及び請求終了日については分納間隔だけずらす)を、振込テーブル574及び引落テーブル575に登録する(ステップS317)。
このような処理を実施することによって、分納について未納が発生しても必要となる依頼内容データを自動生成して、次の納付に備えることができる。
次に、図61乃至図66を用いて、決済についての処理について説明する。本実施の形態では、図61に示すように、自行内送金の場合には、承認テーブル579に従ってユーザ決済口座から出金を行うが、直ぐに自行内の販売店決済口座に入金することなく、一旦入金・送金予定テーブル584に登録する。それから、販売店100等の格付に応じて決定される入金日に、入金・送金予定テーブル584に従って販売店決済口座に入金する。一方、図62に示すように、他行送金の場合には、承認テーブル579に従ってユーザ決済口座から出金を行うが、直ぐに他行における販売店決済口座に送金(為替)することなく、一旦入金・送金予定テーブル584に登録する。それから、販売店100等の格付に応じて決定される入金日に、入金・送金予定テーブル584に従って他行の販売店決済口座に送金する。
まず、出金時の処理を図63及び図64を用いて説明する。なお、図63の処理は、例えば定期的に実施するようにしても良いし、承認テーブル579にデータが追加される毎に実施するようにしても良い。出金処理部583は、承認テーブル579から未処理のレコード(図48)を1つ抽出する(ステップS321)。そして、抽出レコード及び引落テーブル575に基づき支払人の決済用口座から出金処理を実施し、抽出レコードの依頼番号によって引落テーブル575から特定される振込番号で受取人テーブル576を検索して受取人の格付を特定し、当該受取人の格付に応じた猶予日数を入金・送金猶予日数テーブル590から抽出し、抽出レコード及び入金予定日(承認日+猶予日数)を含むレコードを、入金・送金予定テーブル584に登録する(ステップS323)。出金処理(引落処理とも呼ぶ)では、抽出レコードに含まれる引落番号で支払人テーブル577を検索して、引落番号に対応する口座番号を抽出し、当該口座番号から抽出レコードに含まれる金額を出金する。
図64に、入金・送金予定テーブル584のデータ構造例を示す。図64の例では、出金が行われた案件毎に、引落番号を含む引落済データに対応して、入金予定日、受取人情報(入金先口座情報及び受取人名)及び金額が登録されるようになっている。
そして、出金処理部585は、未処理のレコードが存在するか判断し(ステップS325)、未処理のレコードが存在する場合にはステップS321に戻り、未処理のレコードが存在しない場合には、処理を終了する。
以上のような処理を実施することによって、入金・送金のスケジューリングが完了する。すなわち、受取人側の格付に応じて、入金予定日が設定されたレコードが入金・送金予定テーブル584に生成される。
上で述べたように、支払人テーブル577において引落番号に対応して登録される引落条件の可否情報に、「無条件引落許可」が登録されている場合がある。従って、例えば各営業日に、無条件引落許可が引落条件として設定されている引落番号を特定すると共に、当該引落番号が登録されている依頼内容データを特定して、自動承認処理を実施する。
具体的には、まず、銀行システム7の承認処理部578は、無条件引落許可が引落条件として登録されている引落番号を支払人テーブル577において特定し、当該引落番号から無条件引落許可に該当する依頼内容データを引落テーブル575から抽出する(図65:ステップS331)。そして、抽出された依頼内容データについて、自動承認処理を実施する(ステップS333)。具体的には、図56のステップS275、S277及びS287を実施する。
このような処理を実施すれば、自動承認の場合にも適切に承認テーブル579に登録されて、適切に送金を行うことができるようになる。
なお、銀行システム7の承認処理部578等は、引落テーブル575を検索して結果が登録されておらず、分納でない依頼内容データを特定し、当該依頼内容データに含まれる請求終了日を経過しているか判断する。経過している場合には「拒否」と判断し、自動拒否処理として、図57のステップS299、S301及びS307を実施する。これによって、未承認で請求期間を経過しても放置された振込依頼についても放置することなく処理できるようになる。
次に、入金・送金についての処理について図66を用いて説明する。入金・送金処理部585は、入金予定日が処理日(現在日)となっているレコードを入金・送金予定テーブル584から抽出する(ステップS341)。そして、未処理の抽出レコードを1つ特定する(ステップS343)。当該抽出レコードに含まれる受取人情報を、取引停止リスト588と照合する(ステップS345)。取引停止リスト588には、以下で示す処理において又は管理人によって取引停止と判断された受取人(すなわち販売店など)の情報が登録されており、例えば図67に示すようなデータである。すなわち、取引停止受取人名と、決済口座番号の情報(振込番号を含むようにしても良い)とが対応して登録されている。
照合の結果、取引停止リスト588に抽出レコードの受取人情報と一致する情報が登録されているか判断し(ステップS347)、一致した情報が登録されている場合にはステップS351に移行する。一方、取引停止リスト588に抽出レコードの受取人情報と一致する情報が登録されていない場合には、入金・送金処理部85は、抽出レコードに従って周知の入金・送金処理を実施する(ステップS349)。図61及び図62に模式的に示したように、受取人情報に含まれる口座に、承認金額の入金又は送金(為替)を行う。
そして、入金・送金処理部585は、全ての抽出レコードについて処理したか判断し(ステップS351)、未処理の抽出レコードが存在していればステップS343に戻る。一方、全ての抽出レコードについて処理した場合には、処理を終了する。
次に、取引停止リスト588に関係する取引停止処理について図68及び図69を用いて説明する。この処理は、取引停止となった受取人への入金又は送金を停止することによって、問題を未然に防止するための処理である。
まず、取引停止処理部586は、取引停止リスト588において新規取引停止受取人を特定する(ステップS361)。図35の処理でも振込依頼又は分納徴収依頼を受信したした場合に、送信元の格付が取引停止格付でないかどうかを確認しているので、ここでは新規の取引停止受取人に限定している。新規か否かについては、例えば図67に示すようなデータに加え、取引停止リスト588に加えた日時を登録することによって、前回処理実施日時より後に登録された受取人を特定できる。
そして、取引停止処理部586は、受取人テーブル576から、新規取引停止受取人の振込番号を全て特定する(ステップS363)。そして、引落テーブル575から、結果データが登録されておらず且つ特定された振込番号を含む依頼内容データを全て取引停止テーブル587に移動させる(ステップS365)。
さらに、取引停止処理部586は、受取人テーブル576から、新規取引停止受取人の決済口座を全て特定する(ステップS367)。そして、入金・送金予定テーブル584から、入金予定日が処理日(現在日)以降であって且つ特定された決済口座を含むデータを全て取引停止テーブル587に移動させる(ステップS369)。
取引停止テーブル587には、例えば図69に示すようなデータが登録される。すなわち、引落テーブル575からのデータとして、上で述べた条件を満たす依頼内容データが登録され、入金・送金予定テーブル584からのデータとして、上で述べた条件を満たすデータが登録される。
このように取引停止になると、ステップS219で抽出されないのでユーザ200等が承認を行ったり、ステップS341で抽出されないので入金・送金処理部585が入金・送金を行ったりできないようになる。すなわち、問題を発生させるおそれのある入金・送金を未然に防止できる。なお、取引停止テーブル587において入金・送金予定テーブル584から移動させたデータについての資金は、法的な手続きの中でユーザ200等に返金する。
次に、受取人(販売店等)の格付処理について図70乃至図72を用いて説明する。格付は、入金・送金の猶予日数や取引停止を決定するために用いられる。
まず、格付処理部581は、受取人テーブル576において未処理の受取人を1人特定する(ステップS371)。また、受取人テーブル576において、特定された受取人の振込番号を全て特定する(ステップS373)。そして、振込テーブル574から、特定振込番号を含み且つ結果データにおける承認日が一定期間内(例えば直近1ヶ月など)である依頼番号をカウントすると共に、該当依頼番号について承認結果が「拒否」である依頼番号を抽出して、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納する(ステップS375)。
さらに、格付処理部581は、未処理の抽出依頼番号を特定する(ステップS377)。そして、承認拒否テーブル580から、特定された抽出依頼番号に該当するレコードに含まれる拒否事由を特定し、該当拒否事由についてのカウンタの値を1インクリメントする(ステップS379)。上で述べた例では、拒否事由は、「購入実績無し」「金額相違」「購入品相違」「支払先相違」のいずれかであるので、それぞれについてカウンタを用意して、該当するカウンタの値を1インクリメントする。
そして、格付処理部581は、全ての抽出依頼番号について処理したか判断し(ステップS381)、未処理の抽出依頼番号が存在する場合にはステップS377に戻る。一方、全ての抽出依頼番号について処理した場合には、各拒否事由の事由点とカウント値の乗算結果を加算し、依頼番号の総件数で除することによって、トラブル指数を算出する(ステップS383)。例えば、格付処理用データ格納部582には、図71に示すようなデータが登録されており、このデータから事由点を特定する。すなわち、各拒否事由について、事由点が設定されている。従って、「購入実績無し」の件数×r1+「金額相違」の件数×r2+「購入品相違」×r3+「支払先相違」×r4を算出して、さらに依頼番号の総件数Dで除することによってトラブル指数が算出される。トラブル指数は、例えばメインメモリなどの記憶装置に格納される。処理は端子Jを介して図72の処理に移行する。
そして、格付処理部581は、格付処理用データ格納部582に格納されているテーブル(図73)から、トラブル指数に対応する格付を特定し(ステップS385)、受取人テーブル576に登録する(ステップS387)。例えば、図73に示すような格付用のテーブルを用いる。図73の例では、格付AからZまで、そのトラブル指数の範囲が規定されている。範囲については、金融機関毎に設定可能である。なお、この例では格付Zが取引停止と規定されているが、他の格付でも取引停止にしてもよい。
そして、格付処理部581は、特定された格付が取引停止の格付であるか判断し(ステップS389)、該当する場合には、取引停止リスト588に登録する(ステップS391)。一方、該当しない場合にはステップS393に移行する。
その後、格付処理部581は、全ての受取人について処理したか判断する(ステップS393)。未処理の受取人が存在する場合には端子Kを介して図70のステップS371に戻る。一方、全ての受取人について処理した場合には、処理を終了する。
以上述べたような処理を実施することによって、優良な販売店については入金が早く行われ資金効率が向上し、問題のある販売店については入金に猶予が与えられ、問題(あっ問えば倒産や犯罪)の発生を未然に防止することができるようになる。なお、格付は変更されたり、取引停止になったりした場合には、受取人に通知する。
このようにすれば、分納徴収依頼についても振込依頼についても取り扱うことができ、販売店100や自治体600、ユーザ200や支払人700の手間を削減することができるようになる。
なお、第2の実施の形態において、振込テーブル574及び引落テーブル575において、請求開始日及び請求終了日の設定を行っているが、例えば請求開始日だけを設定して、請求終了日については、請求開始日からの期間を設定したり、デフォルトの納付期間から得られる請求終了日を設定するようにしても良い。
さらに、第2の実施の形態において、分納の場合支払金額を変更できるような態様を示したが、変更できないようにすることも可能である。その場合、表示画面については図47は不要となる。
以上本発明の実施の形態を説明したが、本発明はこれに限定されるものではない。例えば、処理フローについては結果が変わらなければ処理の順番を入れ替えたり並列実行させるようにしても良い。また、図5及び図32の機能ブロック図は一例であって、必ずしも実際のプログラムモジュール構成とは対応しない場合もある。
さらに、上では述べていないが、銀行システム7には、支払人データや受取人データを後から修正したり、振込依頼を後から修正したりする機能も設けられる。
また、販売店という文言を用いたが、個人であっても良い。すなわち、個人のオークションでも利用可能である。
なお、ユーザ端末5、販売店サーバ3、銀行システム7は、コンピュータ装置であって、図74に示すように当該コンピュータ装置においては、メモリ2501(記憶部)とCPU2503(処理部)とハードディスク・ドライブ(HDD)2505と表示装置2509に接続される表示制御部2507とリムーバブル・ディスク2511用のドライブ装置2513と入力装置2515とネットワークに接続するための通信制御部2517とがバス2519で接続されている。オペレーティング・システム(OS)及びWebブラウザを含むアプリケーション・プログラムは、HDD2505に格納されており、CPU2503により実行される際にはHDD2505からメモリ2501に読み出される。必要に応じてCPU2503は、表示制御部2507、通信制御部2517、ドライブ装置2513を制御して、必要な動作を行わせる。また、処理途中のデータについては、メモリ2501に格納され、必要があればHDD2505に格納される。このようなコンピュータは、上で述べたCPU2503、メモリ2501などのハードウエアとOS及び必要なアプリケーション・プログラムとが有機的に協働することにより、上で述べたような各種機能を実現する。