JP2009162198A - 内燃機関の制御装置 - Google Patents

内燃機関の制御装置 Download PDF

Info

Publication number
JP2009162198A
JP2009162198A JP2008003000A JP2008003000A JP2009162198A JP 2009162198 A JP2009162198 A JP 2009162198A JP 2008003000 A JP2008003000 A JP 2008003000A JP 2008003000 A JP2008003000 A JP 2008003000A JP 2009162198 A JP2009162198 A JP 2009162198A
Authority
JP
Japan
Prior art keywords
request
value
arbitration
efficiency
internal combustion
Prior art date
Legal status (The legal status is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the status listed.)
Pending
Application number
JP2008003000A
Other languages
English (en)
Inventor
Iku Otsuka
郁 大塚
Current Assignee (The listed assignees may be inaccurate. Google has not performed a legal analysis and makes no representation or warranty as to the accuracy of the list.)
Toyota Motor Corp
Original Assignee
Toyota Motor Corp
Priority date (The priority date is an assumption and is not a legal conclusion. Google has not performed a legal analysis and makes no representation as to the accuracy of the date listed.)
Filing date
Publication date
Application filed by Toyota Motor Corp filed Critical Toyota Motor Corp
Priority to JP2008003000A priority Critical patent/JP2009162198A/ja
Priority to EP08870091A priority patent/EP2227626A2/en
Priority to CN2008801245117A priority patent/CN101910592A/zh
Priority to PCT/JP2008/072214 priority patent/WO2009087844A2/en
Priority to US12/738,933 priority patent/US20100211287A1/en
Priority to KR1020107011409A priority patent/KR20100085134A/ko
Publication of JP2009162198A publication Critical patent/JP2009162198A/ja
Pending legal-status Critical Current

Links

Images

Landscapes

  • Combined Controls Of Internal Combustion Engines (AREA)

Abstract

【課題】比較的重要度(優先順位)の低い要求値を適宜調停に反映させることが可能な内燃機関の制御装置を提供する。
【解決手段】内燃機関の制御装置は、要求出力部と、調停部とを備える。要求出力部は、内燃機関の機能(ドラビリ,排気ガス,アイドル)に関する複数の要求を物理量(トルク,効率,空燃比)で表現して出力する。調停部は、同じ物理量で表現された複数の要求A〜Cを集約して、予め定められた規則に従って1つの要求値Eに調停する。要求出力部から出力された各要求A〜Cは、要求値の範囲と、該範囲内の各要求値の期待度を表す期待値の分布とで規定されている。調停部は、複数の要求A〜Cの期待値の加算和Dを算出し、該加算和が最大となるときの要求値Eに調停する。
【選択図】図2

Description

本発明は、内燃機関の制御装置に係り、特に内燃機関の機能に関する複数の要求を調停する調停処理に関する。
駆動滑り制御や走行動特性制御のような要求発生源から出力された複数の要求(トルク要求)から、車両駆動ユニットの目標値(目標トルク)を生成する装置が知られている(例えば、特許文献1参照。)。この装置では、複数の要求に優先順位が予め割り当てられる。そして、目標値を生成する際に、優先順位の順序にしたがって要求が考慮される。これにより、全ての要求を考慮することができる。
特開2004−52769号公報
しかしながら、上記特許文献1の装置のように優先順位を考慮する場合、比較的優先順位の低い要求が反映されずに、比較的優先順位の高い要求のみが反映される可能性が高くなってしまう。適切な目標値を生成するためには、比較的優先順位の高い要求だけでなく、比較的優先順位の低い要求を適宜反映させる必要がある。
また、上記特許文献1の装置では、各要求に対して優先順位がそれぞれ設定されているだけである。要求の範囲内であっても、重要(効果的)な要求値と、あまり重要でない(あまり効果的でない)要求値とが存在し得る。しかし、上記特許文献1の装置によれば、1つの要求における要求値の重要度(優先順位)については何ら考慮されない。
従って、要求の調停を適正に行うにあたり、上記特許文献1の装置は未だ改善の余地がある。
本発明は、上述のような課題を解決するためになされたもので、比較的重要度(優先順位)の低い要求値を適宜調停に反映させることが可能な内燃機関の制御装置を提供することを目的とする。
第1の発明は、上記の目的を達成するため、内燃機関の制御装置であって、
内燃機関の機能に関する複数の要求を物理量で表現して出力する要求出力部と、
前記要求出力部から出力された要求のうち同じ物理量で表現された複数の要求を集約して、予め定められた規則に従って1つの要求値に調停する調停部とを備え、
前記要求出力部から出力される各要求は、要求値の範囲と、該範囲内の各要求値の期待度を表す期待値の分布とで規定されており、
前記調停部は、同じ物理量で表現された複数の要求の期待値の加算和を算出し、該加算和が最大となるときの要求値に調停することを特徴とする。
また、第2の発明は、第1の発明において、
前記要求出力部は、出力する各要求に、前記調停部により調停される際に考慮される重みを設定し、
前記調停部は、前記重みを反映した期待値の加算和を算出することを特徴とする。
また、第3の発明は、第2の発明において、
前記要求出力部から出力される各要求は、前記要求値の範囲内の前記期待値の合計が同一であることを特徴とする。
また、第4の発明は、第2又は第3の発明において、
前記調停部は、前記要求出力部から出力された要求の期待値が所定の上限値を超える場合には、該期待値の代わりに該上限値を加算することを特徴とする。
第1の発明では、要求出力部から出力される各要求が、要求値の範囲と、該範囲内の各要求値の期待度を表す期待値の分布とによって規定されている。要求値の範囲内の期待値の分布によって各要求値の重要度を表すことができる。そして、同じ物理量で表現された複数の要求の期待値の加算和が算出され、該加算和が最大となるときの要求値に調停される。よって、要求のうちの比較的重要度の高い要求値だけでなく比較的重要度の低い要求値も加算和に反映することができる。従って、比較的重要度の低い要求値を調停部の調停に適宜反映させることができ、調停を適正に行うことができる。
第2の発明では、要求出力部から出力される各要求には調停時に考慮される重みが設定されており、この重みを反映した期待値の加算和が調停部により算出される。よって、同じ物理量で表現された複数の要求の期待値を適正に加算することができる。
第3の発明では、要求出力部から出力される各要求は、要求値の範囲内の期待値の合計が同一にされる。よって、重みを考慮する前は、同じ物理量で表現された複数の要求が同等に扱われる。これにより、加算和を算出する際に重みを適正に反映させることができるため、調停を適正に行うことができる。
第4の発明では、要求出力部から出力された要求の期待値が所定の上限値を超える場合には、該期待値の代わりに該上限値を用いて加算和が算出される。ここで、例えば、内燃機関の運転状態により要求値の範囲が狭くなった場合には、期待値が所定の上限値を超えることがあり得る。その結果、各要求の要求値の範囲内の期待値の合計が同一にされたにも関わらず、要求に設定された重みが意味をなさなくなる可能性がある。第4の発明によれば、期待値が上限値を超えることが防止されるため、加算和を算出する際に重みを確実に反映させることができる。
以下、図面を参照して本発明の実施の形態について説明する。尚、各図において共通する要素には、同一の符号を付して重複する説明を省略する。
実施の形態1.
図1は、本発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置1の構成を説明するためのブロック図である。図1に示すように、制御装置1は、3つの階層10,20,30を有している。最上位の階層には要求出力部10が設けられ、その下位の階層には調停部20が設けられ、更にその下位の階層には制御量設定部30が設けられている。また、制御量設定部30には、各種のアクチュエータ42,44,46が接続されている。
図1において矢印で示すように、制御装置1の要求出力部10、調停部20及び制御量設定部30の間では、信号の流れは一方向である。詳細には、要求出力部10から調停部20へと信号が伝達され、調停部20から制御量設定部30へと信号が伝達される。また、これらの階層(要求出力部10、調停部20及び制御量設定部30)とは独立して、共通信号配信部50が設けられている。共通信号配信部50は、要求出力部10、調停部20及び制御量設定部30に共通の信号を並列に配信するように構成されている。
ここで、制御装置1において伝達又は配信される信号について説明する。
先ず、要求出力部10、調停部20及び制御量設定部30の間を伝達される信号は、エンジンの機能に関する要求を信号化したものであり、最終的にはアクチュエータ42,44,46の制御量に変換される信号である。
これに対して、共通信号配信部50によって配信される信号は、要求出力部10において要求を発生させたり、制御量設定部30において制御量を演算したりする上で必要な情報を含む信号である。具体的には、エンジンの運転条件や運転状態に関する情報(エンジン回転数、吸入空気量、推定トルク、現時点の実点火時期、冷却水温、バルブタイミング、運転モード等)を含む信号である。これらの情報の情報源は、エンジンに設けられた各種のセンサや、制御装置1内部の推定機能等である。これらの情報は、各部10,20,30で共通に利用される共通エンジン情報であり、共通エンジン情報配信部52から配信される。
図1に示す要求出力部10は、エンジンの機能に関する要求を数値化して出力するものである。要求出力部10は、複数の要求出力要素12,14,16を有している。これらの要求出力要素12,14,16は、エンジンの機能毎に設けられている。エンジンの機能としては、ドライバビリティ(以下「ドラビリ」という。)、排気ガス、アイドリング(以下「アイドル」という。)、燃費、騒音、振動等が挙げられる。図1に示すように、ドラビリに関する機能に対応して要求出力要素(以下「ドラビリ要求出力要素」ともいう。)12が設けられ、排気ガスに関する機能に対応して要求出力要素(以下「排気ガス要求出力要素」ともいう。)14が設けられ、アイドルに関する機能に対応して要求出力要素(以下「アイドル要求出力要素」ともいう。)16が設けられている。
ここで、エンジンの出力には、トルク以外にも熱と排気ガスが含まれる。これらの全体によって、前述のドラビリ、排気ガス、アイドルといったエンジンの各種の機能が決定される。よって、エンジンの出力を制御するためのパラメータは、トルク、効率及び空燃比の3種の物理量に集約することができる。効率の詳細については、後述する。かかる3種の物理量を用いて要求を表現し、アクチュエータ42,44,46の動作を制御することで、エンジンの出力に要求を確実に反映させることが可能である。そこで、本実施の形態1では、要求の表現に使用する物理量として、トルク、効率及び空燃比(A/F)の3種が用いられる。
ドラビリ要求出力要素12は、ドラビリに関する要求を、トルクで表現された要求(以下「トルク要求」という。)や効率で表現された要求(以下「効率要求」という。)として出力する。排気ガス要求出力要素14は、排気ガスに関する要求を、効率要求や空燃比で表現された要求(以下「空燃比要求」という。)として出力する。アイドル要求出力要素16は、アイドルに関する要求を、効率要求や空燃比要求として出力する。
要求出力部10には共通エンジン情報配信部52から共通エンジン情報が配信されている。各要求出力要素12,14,16では、この共通エンジン情報を参照して出力すべき要求を決定(発生)している。要求の内容が、エンジンの運転条件や運転状態によって変わるからである。例えば、図示しない触媒温度センサにより触媒温度が測定されている場合、触媒温度の情報が共通エンジン情報52に含まれる。そして、要求出力要素14では、その温度情報に基づいて触媒の暖機の必要性を判定し、その判定結果に応じて効率要求や空燃比要求を出力する。
上述したように、要求出力部10から、複数のトルク要求、効率要求及び空燃比要求が出力される。しかし、それらの要求を全て同時に完全に実現することはできない。複数のトルク要求があったとしても実現できるトルクは1つだからである。同様に、複数の効率要求に対して実現できる効率は1つであり、複数の空燃比要求に対して実現できる空燃比は1つである。このため、要求の調停という処理が必要となる。すなわち、複数の要求を集約して、1つの要求値に調停する必要がある。
要求出力部10から出力される要求の調停は、要求出力部10よりも下位階層の調停部20で行なわれる。調停部20は、図1に示すように、要求の分類である3種の物理量(トルク、効率及び空燃比)にそれぞれ対応する調停要素22,24,26を有している。トルク調停要素22は、複数のトルク要求を集約し、予め定められた規則に従って1つのトルク要求値に調停するものである。また、効率調停要素24は、複数の効率要求を集約し、予め定められた規則に従って1つの効率要求値に調停するものである。そして、空燃比調停要素26は、複数の空燃比要求を集約し、予め定められた規則に従って1つの空燃比要求値に調停するものである。
以下、図2を参照して、調停部20の効率調停要素24で行われる効率要求の調停処理の例について説明する。
図2は、本実施の形態1において、調停部20の効率調停要素24による効率要求の調停処理を説明するための図である。詳細には、図2(A)は、アイドル要求出力要素16から出力された効率要求(以下「アイドル効率要求」という。)Aを、図2(B)は、排気ガス要求出力要素14から出力された効率要求(以下「排気ガス効率要求」という。)Bを、それぞれ示している。図2(C)は、ドラビリ要求出力要素12から出力された効率要求(以下「ドラビリ効率要求」という。)Cを、図2(D)は、効率要求A,B,Cの加算和(すなわち、調停結果)Dを、それぞれ示している。
図2に示された各効率要求A〜Cは、要求値の範囲と、該範囲内の要求値の期待度を表す期待値の分布とによって規定されている。各効率要求A〜Cにつき、期待値が大きい要求値は、期待値が小さい要求値に比して重要である。ここで、「要求値の範囲」とは、期待値がゼロよりも大きい要求値の範囲を意味し、内燃機関の機能(ドラビリ、排気ガス、アイドル)について何らかのメリットが得られる範囲である。よって、期待値が大きい要求値ほど、内燃機関の機能について大きなメリットを得ることができる。
ここで、「効率」とは、点火時期をMBTとした場合に出力されるトルクに対する現在のトルクの比率である。効率は0以上1以下の値をとるため、効率要求値も0以上1以下の値をとる。効率を1未満にしておくことで、点火時期の進角制御によりトルクアップ要求に対して瞬時に対応することができると共に、点火時期の遅角制御によりトルクダウン要求に対して瞬時に対応することができる。
(アイドル効率要求)
また、アイドル時には、点火時期をMBTよりも遅角側に設定することで、燃焼を安定化することができる。このため、効率を低下させておくことが好ましい。また、アイドル時には、外乱によりエンジン回転数が急激に低下した場合に、エンストを回避すべく急速にトルクアップできるように、効率を低下させておくことが好ましい。一方、効率を低下させすぎると、燃焼が悪化する可能性がある。これらを考慮して、図2(A)に示すようなアイドル効率要求Aが、アイドル要求出力要素16から出力される。
(排気ガス効率要求)
また、触媒暖機のためには、燃料を後燃えさせて排気温度を上昇させるべく、点火時期を遅角させておくことが好ましい。一方、効率を低下させすぎると、触媒温度が過上昇(OT)する可能性がある。また、シリンダ内での燃焼を抑えることでNOxを低減するため、効率を低下させておく要求もある。これらを考慮して、図2(B)に示すような排気ガス効率要求Bが、排気ガス要求出力要素14から出力される。
(ドラビリ効率要求)
また、ドラビリに関して、トルクアップ要求に瞬時に対応することはさほど要求されない。よって、図2(C)に示すように、ドラビリ要求出力要素12から出力されるドラビリ効率要求Cは、図2(A),(B)に示す効率要求A,Bに比して全体的に要求値が高くされている。
これらの効率要求A〜Cは、図1に示すように、調停部20の効率調停要素24に集約される。この効率調停要素24において、効率要求A〜Cが加算される。すなわち、要求値が0〜1の範囲において、効率要求A〜Cの期待値が加算される。この期待値の加算に際し、効率要求A〜Cに予め設定された重み係数が反映される。図2に示すように、アイドル効率要求Aに設定された重み係数は0.3であり、排気ガス効率要求Bに設定された重み係数は0.5であり、ドラビリ効率要求Cに設定された重み係数は1.0である。各効率要求A〜Cの期待値に重み係数を乗算した値を加算すると、図2(D)に示すような期待値の加算和Dが得られる。そして、期待値の加算和Dが最大となるときの要求値Eに調停される。すなわち、期待値の加算和Dが最大となるときの効率要求値Eが調停結果として選択され、効率調停要素24から出力される。
上述したような詳細な具体例は省略するが、トルク調停要素22及び空燃比調停要素26においても同様の処理が行なわれる。
例えば、トルク調停要素22は、ドラビリ要求出力要素12から出力されたドラビリトルク要求と、図示しないその他のトルク要求(フューエルカット前トルク要求、フューエルカット復帰時トルク要求等)とを集約し、重み係数が反映された各要求の期待値の加算和を算出し、その加算和が最大となるときのトルク要求値を調停結果として選択する。
例えば、空燃比調停要素26は、ドラビリ空燃比要求と燃費空燃比要求とを集約し、重み係数が反映された各要求の期待値の加算和を算出し、その加算和が最大となるときの空燃比要求値を調停結果として選択する。
ところで、調停部20にも共通エンジン情報配信部52から共通エンジン情報が配信されている。上述した効率調停要素24における調停処理では共通エンジン情報は利用されていないが、各調停要素22,24,26において共通エンジン情報を利用することは可能である。例えば、エンジンの運転条件や運転状態によって調停の規則を変更することができる。ただし、本実施の形態1では、エンジンの実現可能範囲を考慮して規則を変更することは行なわない。
上述の具体例からも明らかなように、効率調停要素24では、エンジンの実現可能範囲の上下限や、他の調停要素22,26による調停結果は加味せずに調停が行われている。エンジンの実現可能範囲の上下限はエンジンの運転条件によって変わり、また、トルク、効率及び空燃比間の関係によっても変化する。このため、エンジンの実現可能範囲に各要求値を調停しようとすると、計算機の演算負荷の増大を招いてしまう。そこで、各調停要素22,24,26では、要求出力部10から出力される要求のみを集約して調停しているのである。
上述の調停処理が各調停要素22,24,26において行なわれることで、調停部20からは1つのトルク要求値と、1つの効率要求値と、1つの空燃比要求値とが出力される。調停部20よりも下位階層の制御量設定部30では、調停結果であるトルク要求値、効率要求値及び空燃比要求値に基づいて、各アクチュエータ42,44,46の制御量が設定される。
制御量設定部30は、1つの調整部32と、複数の制御量演算要素34,36,38とを有している。これらの制御量演算要素34,36,38はアクチュエータ42,44,46に対応して設けられている。
図1に示すように、アクチュエータ42はスロットルであり、制御量演算要素34に接続されている。この制御量演算要素34では、制御量としてスロットル開度TAが演算される。また、アクチュエータ44は点火装置であり、制御量演算要素36に接続されている。この制御量演算要素36では、制御量として点火時期が演算される。また、アクチュエータ46は燃料噴射装置であり、制御量演算要素38に接続されている。この制御量演算要素38では、制御量として燃料噴射量が演算される。
各制御量演算要素34,36,38にて制御量の演算に使用される数値は、調整部32から供給される。調停部20から出力されたトルク要求値、効率要求値及び空燃比要求値は、まず、調整部32にて大きさを調整される。前述のように要求出力部10や調停部20ではエンジンの実現可能範囲は調停に加味されていないため、各要求値の大きさによっては、エンジンを適正に運転できない可能性があるからである。
調整部32は、エンジンの適正運転が可能になるように各要求値を相互の関係に基づいて調整するものである。制御量設定部30よりも上位階層の要求出力部10や調停部20では、トルク要求値、効率要求値及び空燃比要求値は夫々が独立に演算され、演算に係る要素間で演算値が相互に使用されたり参照されたりすることはなかった。つまり、調整部32において初めてトルク要求値、効率要求値、空燃比要求値が相互に参照されることになる。制御量設定部30にて調整を行なう場合には、調整対象がトルク要求値、効率要求値及び空燃比要求値の三つに限定される。よって、かかる調整部32による調整に要する演算負荷を小さくすることができる。
調整をどのように行なうかは設計に委ねられるものであって、本発明に関しては調整の内容に限定はない。ただし、トルク要求値、効率要求値及び空燃比要求値の間に優先順序がある場合には、より優先順位の低い要求値を調整(修正)するのが好ましい。つまり、優先順位が高い要求値はそのままアクチュエータ42,44,46の制御量に反映し、優先順位が低い要求値は調整した上でアクチュエータの制御量42,44,46に反映する。これによれば、エンジンの適正運転が可能な範囲内で、優先順位が高い要求は確実に実現しつつ、優先順位が低い要求も可能な限り実現することができる。例えば、トルク要求値が最も優先順位が高い場合には、効率要求値と空燃比要求値とを修正し、そのうちより優先順位が低いほうの修正を大きくする。エンジンの運転条件等によって優先順序が変わるのであれば、共通信号配信部50から配信される共通エンジン情報に基づいて優先順序を判定し、どの要求値を修正するのか決定すればよい。
以上説明したように、本実施の形態1では、エンジンの機能であるドライバビリティ、排気ガス及びアイドルに関する要求が、トルク、効率及び空燃比のうちの少なくとも何れかの物理量で表現され、要求出力部10から出力される。各要求は、要求値の範囲と、該範囲内の各要求値の期待度を表す期待値の分布とによって規定される。1つの要求のうちの各要求値の重要度を、期待値の分布によって表すことができる。
そして、調停部20において、同じ物理量で表現された複数の要求を集約し、複数の要求の期待値の加算和を算出し、加算和が最大となるときの1つの要求値に調停される。よって、要求のうちの比較的重要度の高い要求値だけでなく比較的重要度の低い要求値も加算和に反映することができる。従って、比較的重要度の低い要求値を適宜調停処理に反映させることができるため、調停処理を適正に行うことができる。
また、要求出力部10から出力される各要求には調停時に考慮される重み係数が設定されており、この重み係数を乗算した期待値の加算和が調停要素22,24,26により算出される。よって、同じ物理量で表現された複数の要求の期待値を適正に加算することができる。
さらに、調停部20で調停されたトルク要求値、効率要求値及び空燃比要求値に基づいて各アクチュエータ42,44,46の制御量を演算することで、エンジンの出力に要求が反映されるよう各アクチュエータ42,44,46の動作を適切に制御することができる。
実施の形態2.
次に、図3を参照して、本発明の実施の形態2について説明する。
上記実施の形態1では、要求出力部10から出力される各要求に重み係数が設定されている。
この重み係数を調停処理で適正に反映させるためには、重み係数を反映させる前の各要求が同等に扱われる必要がある。
そこで、本実施の形態2では、図3に示すような複数の要求A〜Cを出力する。図3は、本実施の形態2において、調停部20の効率調停要素24による効率要求の調停処理を説明するための図である。詳細には、図3(A)はアイドル効率要求Aを、図3(B)は排気ガス効率要求Bを、図3(C)はドラビリ効率要求Cを、図3(D)は効率要求A,B,Cの加算和(すなわち、調停結果)Dを、それぞれ示している。
図3に示された各効率要求A〜Cは、要求値の範囲と、該範囲内の要求値の期待度を表す期待値の分布とによって規定されている。さらに、各効率要求A〜Cの面積が同一にされている。本実施の形態2では、各効率要求A,B,Cの期待値の積算値、すなわち、各効率要求A,B,Cの要求値の範囲内の期待値の合計が、同一にされている。よって、重み係数が乗算される前は、複数の効率要求A,B,Cは同等に扱われる。これにより、加算和を算出する際に、重み係数を適正に反映させることができるため、調停処理を適正に行うことができる。
実施の形態3.
次に、図4を参照して、本発明の実施の形態3について説明する。
上記実施の形態2では、各効率要求A,B,Cの面積が同一にされている。
ところで、運転状態によっては、要求値の範囲が著しく狭くなる場合がある。そうすると、かかる要求値の範囲での期待値が著しく大きくなってしまい、この大きくなった期待値を加算した加算和が最大となってしまう事態が生じ得る。この場合、要求に設定された重み係数が無意味になってしまう可能性がある。
そこで、本実施の形態3では、図4に示すように、期待値が所定の上限値を超える場合には、該期待値に代えて上限値を加算するようにする。図4は、本実施の形態3において、調停部20の効率調停要素24による効率要求の調停処理を説明するための図である。詳細には、図4(A)はアイドル効率要求Aを、図4(B)は排気ガス効率要求Bを、図4(C)はドラビリ効率要求Cを、図4(D)は効率要求A,B,Cの加算和(すなわち、調停結果)Dを、それぞれ示している。
図4(A)に示すように、アイドル効率要求Aの要求値の範囲が著しく狭くなった場合には、図2(A),図3(A)に示す場合に比して、期待値が著しく大きくなってしまう。この期待値に重み係数を乗算して加算和を算出すると、図4(D)において符号D1で示すように、加算和の急なピークが形成されてしまう。この場合、期待値に乗算される重み係数が小さい場合であっても、このピークに対応する要求値が調停結果として選択される可能性があり。かかる場合には、適正に調停が行われたとは言えない。
本実施の形態3では、図4(A)に示すように、期待値が所定の上限値Maxを超える場合には、その期待値に代えて上限値Maxを用いる。すなわち、この上限値Maxに重み係数を乗算して加算和を算出する。よって、期待値が上限値Maxを超えることが防止されるため、期待値に重み係数を適正に反映させることができる。
なお、各要求の面積は同一にされるため、要求値の範囲が分かれば、期待値が上限値Maxを超えるか否かを容易に把握することができる。従って、各調停要素22,24,26において、調停要求値の範囲が基準値よりも狭い場合には、期待値に代えて上限値Maxを用いるようにしてもよい。
本発明の実施の形態1による内燃機関の制御装置1の構成を説明するためのブロック図である。 本発明の実施の形態1において、調停部20の効率調停要素24による効率要求の調停処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態2において、調停部20の効率調停要素24による効率要求の調停処理を説明するための図である。 本発明の実施の形態3において、調停部20の効率調停要素24による効率要求の調停処理を説明するための図である。
符号の説明
1 制御装置
10 要求出力部
12 アイドル要求出力要素
14 排気ガス要求出力要素
16 ドラビリ要求出力要素
20 調停部
22 トルク調停要素
24 効率調停要素
26 空燃比調停要素
30 制御量設定部
42,44,46 アクチュエータ

Claims (4)

  1. 内燃機関の機能に関する複数の要求を物理量で表現して出力する要求出力部と、
    前記要求出力部から出力された要求のうち同じ物理量で表現された複数の要求を集約して、予め定められた規則に従って1つの要求値に調停する調停部とを備え、
    前記要求出力部から出力される各要求は、要求値の範囲と、該範囲内の各要求値の期待度を表す期待値の分布とで規定されており、
    前記調停部は、同じ物理量で表現された複数の要求の期待値の加算和を算出し、該加算和が最大となるときの要求値に調停することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  2. 請求項1に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記要求出力部は、出力する各要求に、前記調停部により調停される際に考慮される重みを設定し、
    前記調停部は、前記重みを反映した期待値の加算和を算出することを特徴とする内燃機関の制御装置。
  3. 請求項2に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記要求出力部から出力される各要求は、前記要求値の範囲内の前記期待値の合計が同一であることを特徴とする内燃機関の制御装置。
  4. 請求項2又は3に記載の内燃機関の制御装置において、
    前記調停部は、前記要求出力部から出力された要求の期待値が所定の上限値を超える場合には、該期待値の代わりに該上限値を加算することを特徴とする内燃機関の制御装置。
JP2008003000A 2008-01-10 2008-01-10 内燃機関の制御装置 Pending JP2009162198A (ja)

Priority Applications (6)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008003000A JP2009162198A (ja) 2008-01-10 2008-01-10 内燃機関の制御装置
EP08870091A EP2227626A2 (en) 2008-01-10 2008-12-01 Internal combustion engine control device
CN2008801245117A CN101910592A (zh) 2008-01-10 2008-12-01 内燃发动机控制装置
PCT/JP2008/072214 WO2009087844A2 (en) 2008-01-10 2008-12-01 Internal combustion engine control device
US12/738,933 US20100211287A1 (en) 2008-01-10 2008-12-01 Internal combustion engine control device
KR1020107011409A KR20100085134A (ko) 2008-01-10 2008-12-01 내연기관의 제어 디바이스

Applications Claiming Priority (1)

Application Number Priority Date Filing Date Title
JP2008003000A JP2009162198A (ja) 2008-01-10 2008-01-10 内燃機関の制御装置

Publications (1)

Publication Number Publication Date
JP2009162198A true JP2009162198A (ja) 2009-07-23

Family

ID=40965068

Family Applications (1)

Application Number Title Priority Date Filing Date
JP2008003000A Pending JP2009162198A (ja) 2008-01-10 2008-01-10 内燃機関の制御装置

Country Status (1)

Country Link
JP (1) JP2009162198A (ja)

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5344049B2 (ja) * 2010-01-14 2013-11-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004052769A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 Robert Bosch Gmbh 車両駆動ユニットの制御方法

Patent Citations (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2004052769A (ja) * 2002-07-19 2004-02-19 Robert Bosch Gmbh 車両駆動ユニットの制御方法

Cited By (1)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP5344049B2 (ja) * 2010-01-14 2013-11-20 トヨタ自動車株式会社 内燃機関の制御装置

Similar Documents

Publication Publication Date Title
KR101125489B1 (ko) 내연 기관의 제어 장치
JP4241864B2 (ja) 車両駆動ユニットの制御装置
KR20100085134A (ko) 내연기관의 제어 디바이스
JP5126425B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009068403A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009068430A (ja) 内燃機関の制御装置
JP4816813B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009299667A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5534098B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010190196A (ja) 車両駆動ユニットの制御装置
JP2009162199A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009281239A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2009162198A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5891797B2 (ja) エンジンの制御装置
JP2009162200A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5169934B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP2010090813A (ja) 内燃機関の制御装置
JP5708812B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5751344B2 (ja) 内燃機関の制御装置
JP5257624B2 (ja) 車両の出力制御装置
JP5246451B2 (ja) 車両の出力制御装置
JP2010019136A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2015086780A (ja) 内燃機関の制御装置
JP2013204553A (ja) 内燃機関の統合制御装置
JP2010038151A (ja) 内燃機関の制御装置

Legal Events

Date Code Title Description
A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20100706

A521 Written amendment

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A523

Effective date: 20100820

A131 Notification of reasons for refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A131

Effective date: 20110201

A02 Decision of refusal

Free format text: JAPANESE INTERMEDIATE CODE: A02

Effective date: 20110628