JP2009161839A - 電気透析装置の運転方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】電気透析装置において金属含有液(めっき液等)の処理を行った後、電気透析装置の運転を所定期間停止した場合であっても、電気透析装置のバイポーラ膜が破壊されることなく、その後問題なく電気透析装置の運転を再開することのできる電気透析装置の運転方法を提供することを目的とする。
【解決手段】本発明の電気透析装置1の運転方法は、陰極2と陽極3との間にアニオン交換膜4とバイポーラ膜5とにより区画されてなる脱塩室6と濃縮室7とを有し、当該脱塩室6に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置1の運転方法であって、脱塩室6への金属含有液の供給を停止した後に脱塩室6に通水し、所定期間経過後に脱塩室6への通水を停止する。
【選択図】図1
【解決手段】本発明の電気透析装置1の運転方法は、陰極2と陽極3との間にアニオン交換膜4とバイポーラ膜5とにより区画されてなる脱塩室6と濃縮室7とを有し、当該脱塩室6に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置1の運転方法であって、脱塩室6への金属含有液の供給を停止した後に脱塩室6に通水し、所定期間経過後に脱塩室6への通水を停止する。
【選択図】図1
Description
本発明は、陰極と陽極との間に、アニオン交換膜とバイポーラ膜とによって区画された脱塩室と濃縮室とを有する電気透析装置の運転方法に関する。
銅イオン、必要に応じコバルトイオン等を含有する銅めっき液は、長時間めっき処理に使用されると、銅めっき液中にめっき反応を阻害する成分が蓄積される。めっき処理を行うと、めっき反応によって銅めっき液中の銅イオンが消費されることから、銅イオンの最適濃度を維持するために、不足分の銅イオンを銅めっき液中に供給しなければならない。しかし、銅イオンは、めっき液中に銅化合物の水溶液として供給されるため、この供給が繰り返されると、銅化合物における銅イオンの対イオンである陰イオンが徐々にめっき液中に蓄積されていく。
銅めっき液中に供給される銅化合物としては、主に硫酸銅が用いられるので、銅めっき液中には硫酸イオン(SO4 2−)が蓄積されることになる。この硫酸イオンは、銅めっき液中においてH2SO4として存在し、銅めっき液のpHを低下させてしまう。したがって、銅めっき液を再利用する場合、銅めっき液のpHを調整するために、アンモニアを大量に添加しなければならないが、アンモニアの添加量が増大すると、銅とアンモニアとの錯体の構成比が変化してしまい、数回めっき処理に使用した後には、使用済み銅めっき液を廃棄し、新しい銅めっき液に更新する必要がある。
しかしながら、めっき処理を数回行っただけで銅めっき液を定期的に更新していたのでは、めっき処理にかかるコストが高くなってしまい、また、廃液から銅イオン等の重金属化合物を除去するための廃液処理も煩雑なものとなる。
そこで、従来、陰極と陽極との間にアニオン交換膜とバイポーラ膜とによって区画された脱塩室と濃縮室とを有する電気透析装置と、電気透析装置の脱塩室に連通しためっき液循環機構と、濃縮室に連通した硫酸イオン回収機構とを備える硫酸イオンを含むめっき液の再生装置が提案されている(特許文献1参照)。
特開2007−63617号公報
このような従来のめっき液再生装置は、めっき液の更新頻度を低減することができ、これによりめっき液にかかるコストを低減することができるものである。しかしながら、かかるめっき液再生装置においてめっき液の再生処理を行った後、めっき液再生装置の運転を所定期間(例えば、3日間以上)停止すると、電気透析装置の脱塩室に残存する金属(銅、コバルト等)がバイポーラ膜の界面において徐々に拘束されて析出し、バイポーラ膜のアニオン交換膜層とカチオン交換膜層とが剥離してしまい、これにより電気抵抗が増大して電気透析装置に電流が流れ難くなるという問題があった。
本発明は、上記課題に鑑みてなされたものであり、電気透析装置において金属含有液(めっき液等)の処理を行った後、電気透析装置の運転を所定期間停止した場合であっても、電気透析装置のバイポーラ膜が破壊されることなく、その後問題なく電気透析装置の運転を再開することのできる電気透析装置の運転方法を提供することを目的とする。
上記課題を解決するために、第1に本発明は、陰極と陽極との間にアニオン交換膜とバイポーラ膜とにより区画されてなる脱塩室と濃縮室とを有し、当該脱塩室に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置の運転方法であって、前記脱塩室への前記金属含有液の供給を停止した後に前記脱塩室に通水し、所定期間経過後に前記脱塩室への通水を停止することを特徴とする電気透析装置の運転方法を提供する(請求項1)。
第2に本発明は、陰極と陽極との間にアニオン交換膜とバイポーラ膜とにより区画されてなる脱塩室と濃縮室とを有し、当該脱塩室に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置の運転方法であって、前記金属含有液の前記脱塩室への供給を停止すると同時に、前記脱塩室に通水し、所定期間経過後に、前記脱塩室への通水を停止することを特徴とする電気透析装置の運転方法を提供する(請求項2)。
第3に本発明は、陰極と陽極との間にアニオン交換膜とバイポーラ膜とにより区画されてなる脱塩室と濃縮室とを有し、当該脱塩室に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置の運転方法であって、前記電気透析装置の脱塩室への通水を開始した後に前記脱塩室への前記金属含有液の供給を停止し、前記脱塩室への前記金属含有液の供給を停止してから所定期間経過後に前記脱塩室への通水を停止することを特徴とする電気透析装置の運転方法を提供する(請求項3)。
上記発明(請求項1〜3)によれば、電気透析装置の運転を停止する際に、脱塩室内に通水することで、脱塩室内に残存する金属イオンを除去することができるため、バイポーラ膜の界面における金属の析出によりバイポーラ膜が破壊されるのを効果的に防止することができる。特に、所定期間(例えば、3日間以上)電気透析装置の運転を停止する場合には、バイポーラ膜の界面に金属が析出しやすくなるため効果的である。
ここで、バイポーラ膜とは、カチオン交換膜とアニオン交換膜とが貼り合わさった構造を有する複合膜の一種のことを意味する。かかるバイポーラ膜は、水の電気分解に用いる隔膜として、又は酸とアルカリとの中和生成物である塩の水溶液から酸とアルカリとを再生する際の分離膜等として従来から広く使用されている公知のイオン交換膜であり、種々の製造方法が提案されている。
本発明においては、電気透析装置の陰極側にバイポーラ膜のカチオン交換膜層面が位置し、陽極側にバイポーラ膜のアニオン交換膜層面が位置するようにして、電気透析装置にバイポーラ膜を設置する。このようなバイポーラ膜内では、理論水電解電圧(0.83V)以上の電圧を印加することによって、水解離が発生するため電流が流れる。
上記発明(請求項1〜3)においては、前記脱塩室への通水量が、該脱塩室の空隙体積の1〜10倍であるのが好ましい(請求項4)。かかる発明(請求項4)のように脱塩室への通水量が上記範囲内であれば、脱塩室内に残存する金属イオンを効果的に除去することができ、バイポーラ膜のアニオン交換膜層面とカチオン交換膜層面との剥離が生じるのを防止することができる。
上記発明(請求項1〜4)においては、前記金属含有液が、硫酸イオンを含むめっき液であるのが好ましい(請求項5)。
本発明によれば、電気透析装置において金属含有液(めっき液等)の処理を行った後、所定期間電気透析装置の運転を停止した場合であっても、その後問題なく電気透析装置の運転を再開することができる。
以下、本発明の一実施形態を詳細に説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る電気透析装置の運転方法を使用可能な電気透析装置を示す概略構成図であり、図2は、本発明の一実施形態における電気透析装置におけるイオンの流れを示す概略図である。
図1は、本発明の一実施形態に係る電気透析装置の運転方法を使用可能な電気透析装置を示す概略構成図であり、図2は、本発明の一実施形態における電気透析装置におけるイオンの流れを示す概略図である。
図1に示すように、本実施形態における電気透析装置1は、陰極2と、陽極3と、陰極2と陽極3との間に交互に設けられた複数のアニオン交換膜4及びバイポーラ膜5と、アニオン交換膜4とバイポーラ膜5とにより区画され交互に形成されてなる脱塩室6及び濃縮室7とを備えるものであり、めっき反応に用いられた後の使用済みのめっき液(例えば、銅めっき液、コバルトめっき液等)を再生するために用いられるものである。なお、本実施形態において、電気透析装置1は、めっき液の再生に用いられるものとして説明するが、本発明における電気透析装置は、金属を含有する液体(例えば、金属含有廃水等の金属含有液等)を処理するために用いられるものであれば、特に限定されるものではない。
バイポーラ膜5は、アニオン交換膜層51とカチオン交換膜層52とが貼接された構成を有している。バイポーラ膜5は、そのアニオン交換膜層51が陰極2側に位置し、カチオン交換膜層52が陽極3側に位置するようにして設けられている。すなわち、アニオン交換膜層51は濃縮室7に面して位置しており、カチオン交換膜層52は脱塩室6に面して位置している。なお、電気透析装置2の両側端には、図示しない陽極室及び陰極室が備えられている。
電気透析装置1におけるアニオン交換膜4及びバイポーラ膜5としては、公知のものを適宜使用することができ、それぞれ塩の分離、水解離等に有効な膜を選択すればよい。アニオン交換膜4としては、特に限定されるものではなく、従来のいかなる膜であっても用いることができる。また、バイポーラ膜5としては、アニオン交換膜層51とカチオン交換膜層52とを有しており、水解離効率が高いものであればよい。
脱塩室6及び濃縮室7には、メッシュスペーサーを挿入するか、イオン交換体を充填するのが好ましい。これらのうち、イオン交換体を充填した方が、電圧が低くなり、また濃度分極が緩和されて水酸化銅、水酸化コバルト等の生成を防止することができるため好ましい。
脱塩室6及び濃縮室7に充填されるイオン交換体としては、公知のものを用いることができ、例えば、イオン交換樹脂、イオン交換繊維、又は放射線・電子線グラフト重合によりグラフト鎖を任意の基材に導入した後、イオン交換基を導入することにより製造したイオン交換体等を用いることができる。これらの中では、比較的安価なコストで入手可能なイオン交換樹脂を用いるのが好ましい。
具体的には、脱塩室6にはアニオン交換体が充填されているのが好ましい。これにより、電気透析装置1に印加される電圧が低く済み、しかも濃度分極が抑制されるので、水酸化銅、水酸化コバルト等の金属水酸化物の生成を防止することができるとともに、硫酸イオンをさらに効率的に除去することができる。また、濃縮室7には、カチオン交換体、又はアニオン交換体とカチオン交換体との混合物が充填されているのが好ましい。
電気透析装置2の脱塩室6の入口側には、めっき液を脱塩室7に供給するための第1の送液管81が接続されており、脱塩室7の出口側には、処理液を排出するための第2の送液管82が接続されている。
第1の送液管91の途中には、純水を脱塩室6に通水するための第1の通水管91が接続されており、第2の送液管82には、脱塩室6に通水された純水を排出するための第2の通水管92が接続されている。
第1及び第2の送液管81,82並びに第1及び第2の通水管91,92には、それぞれ第1〜第4の開閉弁101〜104が設けられており、これらの開閉弁101〜104のそれぞれは、制御部11と電気的に接続されている。
制御部11は、第1〜第4の開閉弁101〜104への制御信号の送信を指示するCPUと、第1〜第4の開閉弁101〜104に送信される制御信号を生成したり、制御信号を送信したりするためのプログラム等を記憶するメモリと、脱塩室6への純水の通水時間を計時するタイマーとを少なくとも備える。これにより、制御部11から送信される制御信号に基づいて、第1〜第4の開閉弁101〜104の開閉操作が可能となるとともに、タイマーにより脱塩室6への純水の通水時間を計時し、所定時間後に、第2及び第4の開閉弁102,104に制御信号を送信することができる。これにより、第2及び第4の開閉弁102,104が閉状態となり、脱塩室6への純水の通水を停止することができる。
なお、本実施形態においては、電気透析装置1の脱塩室6の上流側(第1の送液管81の途中)に保護フィルタ(図示せず)が設置されていてもよい。めっき液の状態の急激な変化等により、万一めっき液がアルカリ性になると、下記式(1),(2)に示すように、銅やコバルトの水酸化物が析出するおそれがあり、これらの水酸化物の析出物が電気透析装置1に混入すると、電気透析装置1の運転に支障を来たすおそれがある。しかしながら、かかる保護フィルタが設置されていることで、電気透析装置1に銅やコバルトの水酸化物の析出物が混入することなく、電気透析装置1を安定的に運転することができる。かかる保護フィルタの孔径は、0.05μm〜100μmであるのが好ましく、特に0.2μm〜50μmが好ましい。
Cu2+ + 2OH− → Cu(OH)2↓ …(1)
Co2+ + 2OH− → Co(OH)2↓ …(2)
Cu2+ + 2OH− → Cu(OH)2↓ …(1)
Co2+ + 2OH− → Co(OH)2↓ …(2)
このような構成を有する電気透析装置1において、使用済みめっき液の再生処理を行う。電気透析装置1においてめっき液再生処理を行うときには、第1及び第3の開閉弁101,103が開状態である一方、第2及び第4の開閉弁102,104が閉状態であるため、第1の送液管81を通じて使用済みめっき液が脱塩室6に供給される。
めっき反応に用いられた後の使用済みめっき液は、めっき処理に使用されたことにより、めっき液中の銅イオン(Cu2+)、コバルトイオン(Co2+)等の金属イオンが消費されているため、これらの金属陽イオンの対陰イオンである硫酸イオン(SO4 2−)を余剰に含んでいる。
そして、図2に示すように、電気透析装置1に直流電圧を印加して電流を流すと、脱塩室6内では硫酸イオンが陽極3側に移動し、アニオン交換膜4を通過して濃縮室7に排出される。また、バイポーラ膜5内では、下記式(3)に示す水解離によって生じた水酸イオン(OH−)が脱塩室6内に供給されて、脱塩室6内のイオンバランスが保たれる。
H2O → H+ + OH− …(3)
H2O → H+ + OH− …(3)
金属イオン(銅イオン、コバルトイオン等)は、陰極2側のバイポーラ膜5のアニオン交換膜層51を通過できないため、脱塩室6に残存し、脱塩室6から排出される。そして、脱塩室6から排出された金属イオンを含む処理水は、必要に応じて所定の添加剤(例えば、アンモニア、ホウ酸等)等を添加した上で、めっき液として再利用される。
電気透析装置1を用いてめっき液再生処理を連続的に行った後、電気透析装置2の運転を停止する際には、オペレータが制御部11を操作することにより、制御部11にて生成された制御信号が、制御部11から第1〜第4の開閉弁101〜104のそれぞれに送信される。
この制御部11からの制御信号に基づいて、第1及び第2の送液管81,82に設けられている第1及び第3の開閉弁101,103は閉状態となるとともに、第1及び第2の通水管91,92に設けられている第2及び第4の開閉弁102,104は開状態となる。これにより、脱塩室6へのめっき液の供給が停止されるとともに、第1の通水管91を通じて脱塩室6に純水が通水され、第2の通水管92を通じて排出される。このようにして、脱塩室6に純水が通水されることで、脱塩室6に残留する金属イオンが脱塩室6から排出される。
脱塩室6への純水の通水量は、脱塩室6の空隙体積の1〜10倍であるのが好ましく、2〜5倍であるのがより好ましい。脱塩室6の通水量が、脱塩室6の空隙体積の1倍未満であると、脱塩室6からの金属イオンの除去効率が低下するおそれがあり、10倍を超えても、それ以上の効果の向上が得られないばかりか、かえって処理効率が低下するおそれがある。
また、脱塩室6への純水の通水時間は、5〜60分程度であるのが好ましく、10〜30分程度であるのがより好ましい。脱塩室6への純水の通水時間が5分未満であると、脱塩室6からの金属イオンの除去効率が低下するおそれがあり、通水時間が60分を超えても、それ以上の金属イオンの除去効率の向上が見込めない。
脱塩室6への純水の通水を開始してから所定の時間(5〜60分間程度)が経過したことを制御部11のタイマーが計時すると、制御部11は、第2及び第4の開閉弁102,104に制御信号を送信し、第2及び第4の開閉弁102,104を閉状態にする。これにより、脱塩室6への純水の供給が停止される。その後、電気透析装置1への電力の供給を停止して、電気透析装置1の運転を停止する。
このように、電気透析装置1の運転を停止する際に電気透析装置1の脱塩室6に純水を通水することで、電気透析装置1の脱塩室6内から金属イオンが効果的に除去されるため、電気透析装置1の運転を所定期間(例えば、3日間以上)停止したとしても、バイポーラ膜5の界面に金属が拘束されて析出することがなく、電気透析装置1のバイポーラ膜5のアニオン交換膜層51とカチオン交換膜層52とが剥離してバイポーラ膜5が破壊され、電気抵抗の増大により電気透析装置1に電流が流れなくなるのを防止することができる。
以上説明した実施形態は、本発明の理解を容易にするために記載されたものであって、本発明を限定するために記載されたものではない。したがって、上記実施形態に開示された各要素は、本発明の技術的範囲に属する全ての設計変更や均等物をも含む趣旨である。
例えば、上記実施形態において、電気透析装置1の運転を停止する際に、制御部11からの制御信号に基づいて、第1及び第3の開閉弁101,103を閉状態として脱塩室6へのめっき液の供給を停止するとともに、第2及び第4の開閉弁102,104を開状態として脱塩室6への純水の供給を開始しているが、これに限定されるものではなく、例えば、まず、第2及び第4の開閉弁102,104を開状態として脱塩室6への純水の供給を開始し、その後第1及び第3の開閉弁101,103を閉状態として脱塩室6へのめっき液の供給を停止するようにしてもよいし、第1及び第3の開閉弁101,103を閉状態として脱塩室6へのめっき液の供給を停止した後に、第2及び第4の開閉弁102,104を開状態として脱塩室6への純水の供給を開始してもよい。
上記のようにして第2及び第4の開閉弁102,104を開状態として脱塩室6への純水の供給を開始した後に第1及び第3の開閉弁101,103を閉状態として脱塩室6へのめっき液の供給を停止する場合、脱塩室6への純水の供給開始から徐々に純水の供給量を増加させるとともに、脱塩室6へのめっき液の供給量を徐々に減少させるようにしてもよい。
また、上記実施形態において、第2の開閉弁102を閉状態としてから所定時間経過後(例えば、15分後)に第4の開閉弁104を閉状態としてもよい。
以下、実施例によって本発明を具体的に説明するが、本発明は、下記の実施例に何ら限定されるものではない。
〔実施例1〕
[1]電気透析装置
図1に示すような構成を有する電気透析装置1を準備した。かかる電気透析装置1のイオン交換膜及びイオン交換体として、下記のものを使用した。
(1)アニオン交換膜…商品名:ネオセプタ(登録商標)AHA,アストム社製
(2)バイポーラ膜…商品名:ネオセプタ(登録商標)BP−1E,アストム社製
(3)脱塩室に充填したアニオン交換樹脂…商品名:SA10A,三菱化学社製
(4)濃縮室に充填したイオン交換樹脂…「商品名:SA10A(アニオン交換樹脂),三菱化学社製」と「商品名:SK1B(カチオン交換樹脂),三菱化学社製」との混合樹脂(混合比=6:4)
[1]電気透析装置
図1に示すような構成を有する電気透析装置1を準備した。かかる電気透析装置1のイオン交換膜及びイオン交換体として、下記のものを使用した。
(1)アニオン交換膜…商品名:ネオセプタ(登録商標)AHA,アストム社製
(2)バイポーラ膜…商品名:ネオセプタ(登録商標)BP−1E,アストム社製
(3)脱塩室に充填したアニオン交換樹脂…商品名:SA10A,三菱化学社製
(4)濃縮室に充填したイオン交換樹脂…「商品名:SA10A(アニオン交換樹脂),三菱化学社製」と「商品名:SK1B(カチオン交換樹脂),三菱化学社製」との混合樹脂(混合比=6:4)
[2]めっき液の調製
被処理液であるめっき液として、以下に示すめっき液を調製した。
(1)銅濃度=1000ppm
(2)コバルト濃度=1000ppm
(3)硫酸濃度=1%
(4)アンモニア濃度=0.5%
(5)pH=3.5
被処理液であるめっき液として、以下に示すめっき液を調製した。
(1)銅濃度=1000ppm
(2)コバルト濃度=1000ppm
(3)硫酸濃度=1%
(4)アンモニア濃度=0.5%
(5)pH=3.5
[3]試験方法及び結果
図1に示す電気透析装置1において、めっき液を電気透析装置1の脱塩室6に6L/hの流量で供給し、この電気透析装置1の陽極3と陰極2との間に1.5A、20Vの電流・電圧で電気を供給して、30分間めっき液を処理した。
図1に示す電気透析装置1において、めっき液を電気透析装置1の脱塩室6に6L/hの流量で供給し、この電気透析装置1の陽極3と陰極2との間に1.5A、20Vの電流・電圧で電気を供給して、30分間めっき液を処理した。
めっき液の処理後、第1及び第3の開閉弁101,103を閉状態にするとともに、第2及び第4の開閉弁102,104を開状態にし、電気透析装置1の脱塩室6に6L/hの流量で5分間純水を供給し、その後電気透析装置1の運転を停止した。
電気透析装置1の運転を3日間停止した後に、電気透析装置1のバイポーラ膜5を視認したところ、バイポーラ膜5のアニオン交換膜層51とカチオン交換膜層53との剥離現象は確認されなかった。
〔比較例1〕
めっき液処理後に電気透析装置1の脱塩室6に純水を通水しない以外は、実施例1と同様にして、めっき液の処理を行い、その後電気透析装置1の運転を停止した。
めっき液処理後に電気透析装置1の脱塩室6に純水を通水しない以外は、実施例1と同様にして、めっき液の処理を行い、その後電気透析装置1の運転を停止した。
電気透析装置1の運転を3日間停止した後に、電気透析装置1のバイポーラ膜5を視認したところ、バイポーラ膜5のアニオン交換膜層51とカチオン交換膜層53との界面に金属が析出し、アニオン交換膜層51とカチオン交換膜層52との剥離現象が確認された。このことから、めっき液の処理に用いた電気透析装置1の運転を停止する際に、脱塩室6に純水を通水してから電気透析装置1の運転を停止することで、電気透析装置1のバイポーラ膜5が破壊されることなく運転を再開することができることが確認された。
本発明の電気透析装置の運転方法は、例えば、プラズマディスプレイ用の銅箔製造ラインで使用する銅/コバルトメッキ液等の再生に用いられる電気透析装置の運転を停止し、その後運転を再開する場合に有用である。
1…電気透析装置
2…陰極
3…陽極
4…アニオン交換膜
5…バイポーラ膜
6…脱塩室
7…濃縮室
2…陰極
3…陽極
4…アニオン交換膜
5…バイポーラ膜
6…脱塩室
7…濃縮室
Claims (5)
- 陰極と陽極との間にアニオン交換膜とバイポーラ膜とにより区画されてなる脱塩室と濃縮室とを有し、当該脱塩室に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置の運転方法であって、
前記脱塩室への前記金属含有液の供給を停止した後に前記脱塩室に通水し、所定期間経過後に前記脱塩室への通水を停止することを特徴とする電気透析装置の運転方法。 - 陰極と陽極との間にアニオン交換膜とバイポーラ膜とにより区画されてなる脱塩室と濃縮室とを有し、当該脱塩室に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置の運転方法であって、
前記脱塩室への前記金属含有液の供給を停止すると同時に前記脱塩室に通水し、所定期間経過後に前記脱塩室への通水を停止することを特徴とする電気透析装置の運転方法。 - 陰極と陽極との間にアニオン交換膜とバイポーラ膜とにより区画されてなる脱塩室と濃縮室とを有し、当該脱塩室に金属含有液を供給することにより当該金属含有液を処理する電気透析装置の運転方法であって、
前記電気透析装置の脱塩室への通水を開始した後に前記脱塩室への前記金属含有液の供給を停止し、前記脱塩室への前記金属含有液の供給を停止してから所定期間経過後に前記脱塩室への通水を停止することを特徴とする電気透析装置の運転方法。 - 前記脱塩室への通水量が、該脱塩室の空隙体積の1〜10倍であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の電気透析装置の運転方法。
- 前記金属含有液が、硫酸イオンを含むめっき液であることを特徴とする請求項1〜4のいずれかに記載の電気透析装置の運転方法。
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JPH05163594A (ja) * | 1991-12-12 | 1993-06-29 | Tokuyama Soda Co Ltd | 電気透析方法 |
JPH10316602A (ja) * | 1997-05-21 | 1998-12-02 | Tokuyama Corp | フェノレート類からの水酸化アルカリ金属とフェノール類の回収方法 |
JP2007063617A (ja) * | 2005-08-31 | 2007-03-15 | Kurita Water Ind Ltd | 硫酸イオンを含むメッキ液の再生装置及び硫酸イオン除去方法 |
-
2008
- 2008-01-09 JP JP2008002546A patent/JP2009161839A/ja active Pending
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