JP2009161469A - 芳香族化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子 - Google Patents

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Yumiko Mizuki
由美子 水木
Masakazu Funahashi
正和 舟橋
Mitsunori Ito
光則 伊藤
Masahiro Kawamura
昌宏 河村
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Abstract

【課題】寿命が長く、高発光効率で、色純度の高い青色発光が得られる有機EL素子及びそれを実現する芳香族化合物の提供。
【解決手段】下記一般式(I)
Figure 2009161469

〔A1〜A4およびR1〜R10は、H、置換又は無置換のC1〜50のアルキル基、アルコキシ基、ハロゲン原子等を表し、mは0〜5の整数を表す。X1およびX2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のC6〜20のアリーレン基等を表し、aは0または1を表す。aが1の場合、X1およびX2は同一にはならない〕で表される芳香族化合物。該化合物は有機EL素子の青色発光ドーピング剤として用いられる。
【選択図】なし

Description

本発明は、特に有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料として有用な芳香族化合物および有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。さらに詳しくは、壁掛テレビの平面発光体やディスプレイのバックライト等の光源として使用され、寿命が長く、高発光効率で、色純度の高い青色発光が得られる有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料として有用な芳香族化合物及びそれを用いた有機エレクトロルミネッセンス素子に関するものである。
有機物質を使用した有機エレクトロルミネッセンス(EL)素子は、固体発光型の安価な大面積フルカラー表示素子としての用途が有望視され、多くの開発が行われている。一般にEL素子は、発光層及び該層をはさんだ一対の対向電極から構成されている。発光は、両電極間に電界が印加されると、陰極側から電子が注入され、陽極側から正孔が注入される。さらに、この電子が発光層において正孔と再結合し、励起状態を生成し、励起状態が基底状態に戻る際にエネルギーを光として放出する現象である。
従来の有機EL素子は、無機発光ダイオードに比べて駆動電圧が高く、発光輝度や発光効率も低かった。また、特性劣化も著しく実用化には至っていなかった。最近の有機EL素子は徐々に改良されているものの、さらになる高発光効率、長寿命が要求されている。
例えば、単一のモノアントラセン化合物を有機発光材料として用いる技術が開示されている(特許文献1)。しかしながら、この技術においては、例えば電流密度165mA/cm2において、1650cd/m2の輝度しか得られておらず、効率は1cd/Aであって極めて低く実用的ではない。また、単一のビスアントラセン化合物を有機発光材料として用いる技術が開示されている(特許文献2)。しかしながら、この技術においても、効率は1〜3cd/A程度で低く、実用化のための改良が求められていた。一方、有機発光材料として、ジスチリル化合物を用い、これにスチリルアミンなどを添加したものを用いた長寿命の有機EL素子が提案されている(特許文献3)。しかしながら、この素子は、半減寿命が十分長くなく、さらなる改良が求められていた。
また、モノもしくはビスアントラセン化合物とジスチリル化合物を有機発光媒体層として用いた技術が開示されている(特許文献4)。しかしながら、これらの技術においては、スチリル化合物の共役構造により発光スペクトルが長波長化して色純度を悪化させていた。
上記のような問題を解決するために、例えば、クリセン構造とアミン構造が連結している特定構造の芳香族アミン誘導体からなる有機エレクトロルミネッセンス素子用材料が提案されている(特許文献5)。
特開平11−3782号公報 特開平8−12600号公報 国際公開WO94/006157号公報 特開2001−284050号公報 国際公開WO04/044088号公報
本発明は、前記の課題を解決するためになされたもので、特に有機エレクトロルミネッセンス素子(以下、有機EL素子と略称する)用発光材料として有用な高発光効率で色純度の高い青色発光が得られる有機EL素子を提供することを目的とするものである。
本発明者らは、前記の好ましい性質を有する芳香族化合物及びそれを用いた有機EL素子を開発すべく鋭意研究を重ねた結果、特許文献5で提案されている化合物に類似しているが、クリセン構造とアミン構造を連結する連結基がクリセン構造を中心として非対象である構造を有する化合物を使用することにより、その目的を達成し得ることを見出した。本発明は、かかる知見に基づいて完成したものである。
すなわち、本発明は、下記
(1)下記一般式(1)
Figure 2009161469
〔式中、A1〜A4およびR1〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換の核炭素数6〜60のアリール基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基、アミノ基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換又は無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換又は無置換の核原子数6〜50のアリールチオ基、置換又は無置換の核炭素数6〜50のアリールアミノ基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シリル基又はカルボキシル基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の場合、A1〜A4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、A1同士、A2同士、A3同士、A4同士またはA1とA2、A3とA4が互いに結合して飽和若しくは不飽和の置換されてもよい5員環または6員環の環状構造を形成してもよい。X1およびX2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリーレン基または置換もしくは無置換の核原子数5〜50の複素環基を表し、aは0または1を表す。aが1の場合、X1およびX2は同一にはならない〕
で表される芳香族化合物、
(2)有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料である上記(1)に記載の芳香族化合物、
(3)陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機薄膜層の少なくとも1層が、上記(1)に記載の芳香族化合物を単独又は混合物の成分として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子、
(4)陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該発光層が、上記(1)に記載の芳香族化合物を0.1〜20重量%含有する有機エレクトロルミネッセンス素子、
(5)芳香族三級アミン誘導体及び/又はフタロシアニン誘導体を含有する層を、発光層と陽極との間に形成してなる上記(3)または(4)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、
(6)青色系発光するものである上記(3)〜(5)のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、
(7)前記発光層が、前記一般式(1)で表わされる芳香族化合物をドーピング材料として含有し、下記一般式(i)
Figure 2009161469
[式中、A5及びA6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基であり、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数4〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜50、アルキル部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換の炭素数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(アルキル部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれる基である]
で表される化合物をホスト材料として含有する上記(3)〜(6)のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子、および
(8)前記式(i)におけるA5とA6とが異なる基である上記(7)に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子および
(9)前記発光層が、前記一般式(1)で表わされる芳香族化合物をドーピング材料として含有し、下記一般式(ii)
Figure 2009161469
〔式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基である。L1及びL2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレン基である。sは0〜2の整数、pは1〜4の整数、qは0〜2の整数、rは0〜4の整数である。
また、L1又はAr1は、ピレンの1〜5位のいずれかに結合し、L2又はAr2は、ピレンの6〜10位のいずれかに結合する。
ただし、p+rが偶数の時、Ar1、Ar2、L1、L2は下記(a) 又は(b) を満たす。
(a)Ar1≠Ar2及び/又はL1≠L2(ここで≠は、異なる構造の基であることを示す)
(b) Ar1=Ar2かつL1=L2の時
(a-1)s≠q及び/又はp≠r、又は
(a-2)s=qかつp=rの時、
(a-2-1)L1及びL2、又はピレンが、それぞれAr1及びAr2上の異なる結合位置に結合しているか、(a-2-2)L1及びL2、又はピレンが、Ar1及びAr2上の同じ結合位置で結合している場合、L1及びL2又はAr1及びAr2のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2位と7位である場合はない〕
で表されるピレン誘導体をホスト材料として含有する上記(3)〜(6)のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子を提供する
本発明の芳香族化合物を用いた有機EL素子は、低い印加電圧で実用上十分な発光輝度が得られ、発光効率が高く、長時間使用しても劣化しにくく、さらに、青色純度が向上し、かつ、成膜性が向上する。
前記一般式(1)で表わされる本発明の芳香族化合物において、A1〜A4およびR1〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換の核炭素数6〜60、好ましくは6〜20のアリール基、置換又は無置換の炭素数1〜50、好ましくは1〜20のアルキル基、アミノ基、置換又は無置換の炭素数1〜50、好ましくは1〜6のアルコキシ基、置換又は無置換の核炭素数6〜50、好ましくは6〜18のアリールオキシ基、置換又は無置換の核原子数6〜50、好ましくは6〜18のアリールチオ基、置換又は無置換の核炭素数6〜50、好ましくは6〜18のアリールアミノ基、置換又は無置換の炭素数1〜50、好ましくは1〜20のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シリル基又はカルボキシル基を表し、mは0〜5、好ましくは0〜2の整数を表す。mが2以上の場合、A1〜A4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、A1同士、A2同士、A3同士、A4同士またはA1とA2、A3とA4が互いに結合して飽和若しくは不飽和の置換されてもよい5員環または6員環の環状構造を形成してもよい。X1およびX2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20、好ましくは6〜18のアリーレン基または置換もしくは無置換の核原子数5〜50、好ましくは1〜20の複素環基を表し、aは0または1を表す。aが1の場合、X1およびX2は同一にはならない。
前記一般式(1)におけるaが1の場合、X1およびX2は同一にはならず、結果としてクリセン構造とアミン構造を連結する部分がクリセン構造を中心として非対象の構造とすることにより青色純度が向上し、かつ、成膜性が向上する。
Ar1〜Ar4およびR1〜R10の具体的な基は以下の通りである。
置換又は無置換の核炭素数6〜60のアリール基としては、例えば、フェニル基、2−メチルフェニル基、3−メチルフェニル基、4−メチルフェニル基、4−エチルフェニル基、ビフェニル基、4−メチルビフェニル基、4−エチルビフェニル基、4−シクロヘキシルビフェニル基、ターフェニル基、3,5−ジクロロフェニル基、ナフチル基、5−メチルナフチル基、アントリル基、ピレニル基、クリセニル基、フルオランテニル基、ペリレニル基等が挙げられる。
置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、ブチル基、sec−ブチル基、tert−ブチル基、ペンチル基、ヘキシル基、ヘプチル基、オクチル基、ステアリル基、2−フェニルイソプロピル基、トリクロロメチル基、トリフルオロメチル基、ベンジル基、α−フェノキシベンジル基、α,α−ジメチルベンジル基、α,α−メチルフェニルベンジル基、α,α−ジトリフルオロメチルベンジル基、トリフェニルメチル基、α−ベンジルオキシベンジル基等が挙げられる。
置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基としては、例えば、メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、イソプロポキシ基、ブトキシ基、イソブトキシ基、sec−ブトキシ基、tert−ブトキシ基、各種ペンチルオキシ基、各種ヘキシルオキシ基等が挙げられる。
置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基としては、例えば、フェノキシ基、トリルオキシ基、ナフチルオキシ基等が挙げられる。
アリールチオ基は−SYと表され、Yとしては、上記アリール基と同様の例が挙げられる。
置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールアミノ基としては、例えば、ジフェニルアミノ基、ジトリルアミノ基、ジナフチルアミノ基、ナフチルフェニルアミノ基等が挙げられる。
置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分の炭素数1〜50)は−COOZと表され、Zとしては、前記置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基と同様の例が挙げられる。ハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素等が挙げられる。
1およびX2の基は以下の通りである。
置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリーレン基としては、前記アリール基の具体例を2価の基としたものが挙げられるが、フェニレン、ナフタレン、アントラセン、フェナントレン、フルオレン、ピレン、クリセン、ナフタセン、ペリレンの2価の残基が好ましい。
置換もしくは無置換の核炭素数5〜50の複素環基としては、例えば、イミダゾール、ベンゾイミダゾール、ピロール、フラン、チオフェン、ベンゾチオフェン、オキサジアゾリン、インドリン、カルバゾール、ピリジン、キノリン、イソキノリン、ベンゾキノン、ピラロジン、イミダゾリジン、ピペリジン等の残基が挙げられる。
本発明の一般式(1)で表される芳香族化合物の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2009161469
本発明の一般式(1)で表される化合物は、クリセン構造と置換基を有するフェニル基で置換されたアミン構造がアリーレン基または複素環基である連結基を介して連結し、かつ、クリセン構造の両側の連結基が非対称であるか、または連結基が一方の側にだけ存在することにより、分子の極性が大きくなり、化合物同士の会合が防止されるため、有機EL素子用発光材料として用いた場合、寿命が長くなるだけでなく、発光効率が高く、色純度の高い青色発光が得られ、かつ、成膜性に優れている。また、固体状態で強い蛍光性を持ち、電場発光性にも優れ、蛍光量子効率が0.3以上である。
さらに、金属電極又は有機薄膜層からの優れた正孔注入性及び正孔輸送性、金属電極又は有機薄膜層からの優れた電子注入性及び電子輸送性を併せて持ち合わせているので、有機EL素子用発光材料として有効に用いられ、さらに、他の正孔輸送性材料、電子輸送性材料又はドーピング材料を使用してもさしつかえない。
本発明の一般式(1)で表される化合物を有機EL素子用発光材料中のドーピング材料として用いる場合、各種のホスト材料を用いることができるが、前記一般式(i)で表わされるアントラセン誘導体または(ii)で表わされるピレン誘導体が好ましい。
前記一般式(i)において、A5及びA6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基である。前記芳香族環は1又は2以上の置換基で置換されていてもよい。前記芳香族環の置換基は、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜50、アルキル部分は炭素数1〜5)、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(アルコキシ部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれ、R11〜R18の具体例として下記に記載する基から選択される。前記芳香族環が2以上の置換基で置換されている場合、前記置換基は同一であっても異なっていてもよく、隣接する置換基同士は互いに結合して飽和又は不飽和の環状構造を形成していてもよい。A5とA6は、異なっていることが好ましく、A5とA6の少なくとも一方は、置換もしくは無置換の炭素数10〜30の縮合環基を有する置換基であることが好ましく、置換もしくは無置換のナフチル基を有する置換基であることがより好ましい。
5およびA6の置換もしくは無置換の炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基などが挙げられる。好ましくは、置換もしくは無置換の核炭素数10〜14の芳香族環から誘導される基であり、特に1−ナフチル基、2−ナフチル基、9−フェナントリル基が好ましい。
11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数4〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜50、アルキル部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換の炭素数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(アルキル部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリール基としては、フェニル基、1−ナフチル基、2−ナフチル基、1−アントリル基、2−アントリル基、9−アントリル基、1−フェナントリル基、2−フェナントリル基、3−フェナントリル基、4−フェナントリル基、9−フェナントリル基、1−ナフタセニル基、2−ナフタセニル基、9−ナフタセニル基、1−ピレニル基、2−ピレニル基、4−ピレニル基、2−ビフェニルイル基、3−ビフェニルイル基、4−ビフェニルイル基、p−ターフェニル−4−イル基、p−ターフェニル−3−イル基、p−ターフェニル−2−イル基、m−ターフェニル−4−イル基、m−ターフェニル−3−イル基、m−ターフェニル−2−イル基、o−トリル基、m−トリル基、p−トリル基、p−t−ブチルフェニル基、p−(2−フェニルプロピル)フェニル基、3−メチル−2−ナフチル基、4−メチル−1−ナフチル基、4−メチル−1−アントリル基、4’−メチルビフェニルイル基、4”−t−ブチル−p−ターフェニル−4−イル基などが挙げられる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換もしくは無置換の炭素数4〜50のヘテロアリール基としては、1−ピロリル基、2−ピロリル基、3−ピロリル基、ピラジニル基、2−ピリジニル基、3−ピリジニル基、4−ピリジニル基、1−インドリル基、2−インドリル基、3−インドリル基、4−インドリル基、5−インドリル基、6−インドリル基、7−インドリル基、1−イソインドリル基、2−イソインドリル基、3−イソインドリル基、4−イソインドリル基、5−イソインドリル基、6−イソインドリル基、7−イソインドリル基、2−フリル基、3−フリル基、2−ベンゾフラニル基、3−ベンゾフラニル基、4−ベンゾフラニル基、5−ベンゾフラニル基、6−ベンゾフラニル基、7−ベンゾフラニル基、1−イソベンゾフラニル基、3−イソベンゾフラニル基、4−イソベンゾフラニル基、5−イソベンゾフラニル基、6−イソベンゾフラニル基、7−イソベンゾフラニル基、キノリル基、3−キノリル基、4−キノリル基、5−キノリル基、6−キノリル基、7−キノリル基、8−キノリル基、1−イソキノリル基、3−イソキノリル基、4−イソキノリル基、5−イソキノリル基、6−イソキノリル基、7−イソキノリル基、8−イソキノリル基、2−キノキサリニル基、5−キノキサリニル基、6−キノキサリニル基、1−カルバゾリル基、2−カルバゾリル基、3−カルバゾリル基、4−カルバゾリル基、9−カルバゾリル基、1−フェナントリジニル基、2−フェナントリジニル基、3−フェナントリジニル基、4−フェナントリジニル基、6−フェナントリジニル基、7−フェナントリジニル基、8−フェナントリジニル基、9−フェナントリジニル基、10−フェナントリジニル基、1−アクリジニル基、2−アクリジニル基、3−アクリジニル基、4−アクリジニル基、9−アクリジニル基、1,7−フェナントロリン−2−イル基、1,7−フェナントロリン−3−イル基、1,7−フェナントロリン−4−イル基、1,7−フェナントロリン−5−イル基、1,7−フェナントロリン−6−イル基、1,7−フェナントロリン−8−イル基、1,7−フェナントロリン−9−イル基、1,7−フェナントロリン−10−イル基、1,8−フェナントロリン−2−イル基、1,8−フェナントロリン−3−イル基、1,8−フェナントロリン−4−イル基、1,8−フェナントロリン−5−イル基、1,8−フェナントロリン−6−イル基、1,8−フェナントロリン−7−イル基、1,8−フェナントロリン−9−イル基、1,8−フェナントロリン−10−イル基、1,9−フェナントロリン−2−イル基、1,9−フェナントロリン−3−イル基、1,9−フェナントロリン−4−イル基、1,9−フェナントロリン−5−イル基、1,9−フェナントロリン−6−イル基、1,9−フェナントロリン−7−イル基、1,9−フェナントロリン−8−イル基、1,9−フェナントロリン−10−イル基、1,10−フェナントロリン−2−イル基、1,10−フェナントロリン−3−イル基、1,10−フェナントロリン−4−イル基、1,10−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−1−イル基、2,9−フェナントロリン−3−イル基、2,9−フェナントロリン−4−イル基、2,9−フェナントロリン−5−イル基、2,9−フェナントロリン−6−イル基、2,9−フェナントロリン−7−イル基、2,9−フェナントロリン−8−イル基、2,9−フェナントロリン−10−イル基、2,8−フェナントロリン−1−イル基、2,8−フェナントロリン−3−イル基、2,8−フェナントロリン−4−イル基、2,8−フェナントロリン−5−イル基、2,8−フェナントロリン−6−イル基、2,8−フェナントロリン−7−イル基、2,8−フェナントロリン−9−イル基、2,8−フェナントロリン−10−イル基、2,7−フェナントロリン−1−イル基、2,7−フェナントロリン−3−イル基、2,7−フェナントロリン−4−イル基、2,7−フェナントロリン−5−イル基、2,7−フェナントロリン−6−イル基、2,7−フェナントロリン−8−イル基、2,7−フェナントロリン−9−イル基、2,7−フェナントロリン−10−イル基、1−フェナジニル基、2−フェナジニル基、1−フェノチアジニル基、2−フェノチアジニル基、3−フェノチアジニル基、4−フェノチアジニル基、10−フェノチアジニル基、1−フェノキサジニル基、2−フェノキサジニル基、3−フェノキサジニル基、4−フェノキサジニル基、10−フェノキサジニル基、2−オキサゾリル基、4−オキサゾリル基、5−オキサゾリル基、2−オキサジアゾリル基、5−オキサジアゾリル基、3−フラザニル基、2−チエニル基、3−チエニル基、2−メチルピロール−1−イル基、2−メチルピロール−3−イル基、2−メチルピロール−4−イル基、2−メチルピロール−5−イル基、3−メチルピロール−1−イル基、3−メチルピロール−2−イル基、3−メチルピロール−4−イル基、3−メチルピロール−5−イル基、2−t−ブチルピロール−4−イル基、3−(2−フェニルプロピル)ピロール−1−イル基、2−メチル−1−インドリル基、4−メチル−1−インドリル基、2−メチル−3−インドリル基、4−メチル−3−インドリル基、2−t−ブチル1−インドリル基、4−t−ブチル1−インドリル基、2−t−ブチル3−インドリル基、4−t−ブチル3−インドリル基などが挙げられる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基としては、メチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、n−ブチル基、s−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基、n−ペンチル基、n−ヘキシル基、n−ヘプチル基、n−オクチル基、ヒドロキシメチル基、1−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシエチル基、2−ヒドロキシイソブチル基、1,2−ジヒドロキシエチル基、1,3−ジヒドロキシイソプロピル基、2,3−ジヒドロキシ−t−ブチル基、1,2,3−トリヒドロキシプロピル基、クロロメチル基、1−クロロエチル基、2−クロロエチル基、2−クロロイソブチル基、1,2−ジクロロエチル基、1,3−ジクロロイソプロピル基、2,3−ジクロロ−t−ブチル基、1,2,3−トリクロロプロピル基、ブロモメチル基、1−ブロモエチル基、2−ブロモエチル基、2−ブロモイソブチル基、1,2−ジブロモエチル基、1,3−ジブロモイソプロピル基、2,3−ジブロモ−t−ブチル基、1,2,3−トリブロモプロピル基、ヨードメチル基、1−ヨードエチル基、2−ヨードエチル基、2−ヨードイソブチル基、1,2−ジヨードエチル基、1,3−ジヨードイソプロピル基、2,3−ジヨード−t−ブチル基、1,2,3−トリヨードプロピル基、アミノメチル基、1−アミノエチル基、2−アミノエチル基、2−アミノイソブチル基、1,2−ジアミノエチル基、1,3−ジアミノイソプロピル基、2,3−ジアミノ−t−ブチル基、1,2,3−トリアミノプロピル基、シアノメチル基、1−シアノエチル基、2−シアノエチル基、2−シアノイソブチル基、1,2−ジシアノエチル基、1,3−ジシアノイソプロピル基、2,3−ジシアノ−t−ブチル基、1,2,3−トリシアノプロピル基、ニトロメチル基、1−ニトロエチル基、2−ニトロエチル基、2−ニトロイソブチル基、1,2−ジニトロエチル基、1,3−ジニトロイソプロピル基、2,3−ジニトロ−t−ブチル基、1,2,3−トリニトロプロピル基などが挙げられる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18及び前記芳香族環の置換基の置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基としては、シクロプロピル基、シクロブチル基、シクロペンチル基、シクロヘキシル基、4−メチルシクロヘキシル基、1−アダマンチル基、2−アダマンチル基、1−ノルボルニル基、2−ノルボルニル基などが挙げられる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基は−OYで表される基であり、Yは、前記Ar1〜Ar4およびR1〜R10で説明した置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基から選択される。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換基の置換もしくは無置換のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜50、アルキル部分は炭素数1〜50)としては、ベンジル基、1−フェニルエチル基、2−フェニルエチル基、1−フェニルイソプロピル基、2−フェニルイソプロピル基、フェニル−t−ブチル基、α−ナフチルメチル基、1−α−ナフチルエチル基、2−α−ナフチルエチル基、1−α−ナフチルイソプロピル基、2−α−ナフチルイソプロピル基、β−ナフチルメチル基、1−β−ナフチルエチル基、2−β−ナフチルエチル基、1−β−ナフチルイソプロピル基、2−β−ナフチルイソプロピル基、1−ピロリルメチル基、2−(1−ピロリル)エチル基、p−メチルベンジル基、m−メチルベンジル基、o−メチルベンジル基、p−クロロベンジル基、m−クロロベンジル基、o−クロロベンジル基、p−ブロモベンジル基、m−ブロモベンジル基、o−ブロモベンジル基、p−ヨードベンジル基、m−ヨードベンジル基、o−ヨードベンジル基、p−ヒドロキシベンジル基、m−ヒドロキシベンジル基、o−ヒドロキシベンジル基、p−アミノベンジル基、m−アミノベンジル基、o−アミノベンジル基、p−ニトロベンジル基、m−ニトロベンジル基、o−ニトロベンジル基、p−シアノベンジル基、m−シアノベンジル基、o−シアノベンジル基、1−ヒドロキシ−2−フェニルイソプロピル基、1−クロロ−2−フェニルイソプロピル基などが挙げられる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換もしくは無置換の原子数6〜50のアリールオキシ基及びアリールチオ基は、それぞれ−OY’及び−SY”と表され、Y’及びY”は、前記Ar1〜Ar4およびR1〜R10で説明した置換もしくは無置換の原子数6〜50のアリール基から選ばれる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(アルキル部分は炭素数1〜50)は−COOZと表され、Zは、前記Ar1〜Ar4およびR1〜R10で説明した置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基から選ばれる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18の置換シリル基としては、トリメチルシリル基、トリエチルシリル基、t−ブチルジメチルシリル基、ビニルジメチルシリル基、プロピルジメチルシリル基、トリフェニルシリル基等が挙げられる。
前記一般式(i)におけるR11〜R18のハロゲン原子としては、フッ素、塩素、臭素、ヨウ素などが挙げられる。
前記R11〜R18及び/又は前記A5及びA6の芳香族環の置換基は、ハロゲン原子、ヒドロキシル基、ニトロ基、シアノ基、アルキル基、アリール基、シクロアルキル基、アルコキシ基、芳香族複素環基、アラルキル基、アリールオキシ基、アリールチオ基、アルコキシカルボニル基、カルボキシル基などでさらに置換されていてもよい。
前記一般式(i)で表されるアントラセン誘導体は下記式(i')に示す構造を有する化合物であると好ましい。
Figure 2009161469
上記一般式(i')中、A5、A6およびR11〜R18は、前記一般式(i)で定義したとおりである。ただし、アントラセン構造の9位及び10位の置換基A5とA6は、X−Y軸に対して非対称である。
本発明の有機EL素子に用いられる式(i)で表されるアントラセン誘導体の具体例としては、特開2004‐356033号公報[0043]〜[0063]に示されている分子中にアントラセン骨格を2個有するものや、国際公開第2005/061656号パンフレットの27〜28ページに示されているアントラセン骨格を1個有する化合物など公知の各種アントラセン誘導体を挙げることができる。前記一般式(i)で表わされるアントラセン誘導体の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2009161469

Figure 2009161469

Figure 2009161469

Figure 2009161469
Figure 2009161469

Figure 2009161469
Figure 2009161469

Figure 2009161469

Figure 2009161469
Figure 2009161469
前記一般式(ii)において、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50、好ましくは6〜20のアリール基である。L1及びL2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレン基である。sは0〜2の整数、pは1〜4の整数、qは0〜2の整数、rは0〜4の整数である。
また、L1又はAr1は、ピレンの1〜5位のいずれかに結合し、L2又はAr2は、ピレンの6〜10位のいずれかに結合する。
ただし、p+rが偶数の時、Ar1、Ar2、L1、L2は下記(a) 又は(b) を満たす。
(a)Ar1≠Ar2及び/又はL1≠L2(ここで≠は、異なる構造の基であることを示す)
(b) Ar1=Ar2かつL1=L2の時
(a-1)s≠q及び/又はp≠r、又は
(a-2)s=qかつp=rの時、
(a-2-1)L1及びL2、又はピレンが、それぞれAr1及びAr2上の異なる結合位置に結合しているか、(a-2-2)L1及びL2、又はピレンが、Ar1及びAr2上の同じ結合位置で結合している場合、L1及びL2又はAr1及びAr2のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2位と7位である場合はない。
一般式(ii)で表わされるピレン誘導体の具体例を以下に示すが、これら例示化合物に限定されるものではない。
Figure 2009161469
Figure 2009161469
なお、前記一般式(i)および(ii)の各基の炭素数、原子数は置換基のものを含まない数である。また、アラルキル基の炭素数はアリール部の炭素数である。
上記各一般式の「置換もしくは無置換の・・・基」において、任意の置換基としては、前記の置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアラルキル基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、アミノ基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、カルボキシル基等が挙げられる。
本発明の有機EL素子は、陽極と陰極間に一層又は多層の有機薄膜を形成した素子である。一層型の場合、陽極と陰極との間に発光層を設けている。発光層は、発光材料を含有し、それに加えて陽極から注入した正孔、又は陰極から注入した電子を発光材料まで輸送させるために、正孔注入材料又は電子注入材料を含有しても良い。本発明の前記一般式(1)で表わされる芳香族化合物は、有機EL素子用材料として用いた場合、高い発光特性を持ち、優れた正孔注入性、正孔輸送特性及び電子注入性、電子輸送特性を有しているので、発光材料として発光層中の、特にドーパントとして有用である。
本発明の有機EL素子においては、発光層が、本発明の有機EL素子用材料を0.1〜20重量%含有するのが好ましく、1〜10重量%含有するとさらに好ましい。また、本発明の有機EL素子用材料は、極めて高い蛍光量子効率、高い正孔輸送能力及び電子輸送能力を併せ持ち、均一な薄膜を形成することができるので、本発明の発光材料のみで発光層を形成することも可能である。
多層型の有機EL素子としては、(陽極/正孔注入層/発光層/陰極)、(陽極/発光層/電子注入層/陰極)、(陽極/正孔注入層/発光層/電子注入層/陰極)等の多層構成で積層したものが挙げられる。
発光層には、必要に応じて、本発明の一般式(1)で表わされる芳香族化合物に加えてさらなる公知の発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を使用することもできる。有機EL素子は、多層構造にすることにより、クエンチングによる輝度や寿命の低下を防ぐことができる。必要があれば、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料や電子注入材料を組み合わせて使用することができる。また、ドーピング材料により、発光輝度や発光効率の向上、赤色や青色の発光を得ることもできる。また、正孔注入層、発光層、電子注入層は、それぞれ二層以上の層構成により形成されても良い。その際には、正孔注入層の場合、電極から正孔を注入する層を正孔注入層、正孔注入層から正孔を受け取り発光層まで正孔を輸送する層を正孔輸送層と称する。同様に、電子注入層の場合、電極から電子を注入する層を電子注入層、電子注入層から電子を受け取り発光層まで電子を輸送する層を電子輸送層と称する。これらの各層は、材料のエネルギー準位、耐熱性、有機層又は金属電極との密着性等の各要因により選択されて使用される。
一般式(1)で表わされる本発明の芳香族化合物と共に発光層に使用できる発光材料又はドーピング材料としては、例えば、アントラセン、ナフタレン、フェナントレン、ピレン、テトラセン、コロネン、クリセン、フルオレセイン、ペリレン、フタロペリレン、ナフタロペリレン、ペリノン、フタロペリノン、ナフタロペリノン、ジフェニルブタジエン、テトラフェニルブタジエン、クマリン、オキサジアゾール、アルダジン、ビスベンゾキサゾリン、ビススチリル、ピラジン、シクロペンタジエン、キノリン金属錯体、アミノキノリン金属錯体、ベンゾキノリン金属錯体、イミン、ジフェニルエチレン、ビニルアントラセン、ジアミノカルバゾール、ピラン、チオピラン、ポリメチン、メロシアニン、イミダゾールキレート化オキシノイド化合物、キナクリドン、ルブレン及び蛍光色素等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
正孔注入材料としては、正孔を輸送する能力を持ち、陽極からの正孔注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた正孔注入効果を有し、発光層で生成した励起子の電子注入層又は電子注入材料への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フタロシアニン誘導体、ナフタロシアニン誘導体、ポルフィリン誘導体、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、イミダゾロン、イミダゾールチオン、ピラゾリン、ピラゾロン、テトラヒドロイミダゾール、オキサゾール、オキサジアゾール、ヒドラゾン、アシルヒドラゾン、ポリアリールアルカン、スチルベン、ブタジエン、ベンジジン型トリフェニルアミン、スチリルアミン型トリフェニルアミン、ジアミン型トリフェニルアミン等と、それらの誘導体、及びポリビニルカルバゾール、ポリシラン、導電性高分子等の高分子材料が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の有機EL素子において使用できる正孔注入材料の中で、さらに効果的な正孔注入材料は、芳香族三級アミン誘導体及びフタロシアニン誘導体である。
芳香族三級アミン誘導体としては、例えば、トリフェニルアミン、トリトリルアミン、トリルジフェニルアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−(3−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N,N',N'−(4−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N,N',N'−(4−メチルフェニル)−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−ジフェニル−N,N'−ジナフチル−1,1'−ビフェニル−4,4'−ジアミン、N,N'−(メチルフェニル)−N,N'−(4−n−ブチルフェニル)−フェナントレン−9,10−ジアミン、N,N−ビス(4−ジ−4−トリルアミノフェニル)−4−フェニル−シクロヘキサン等、又はこれらの芳香族三級アミン骨格を有したオリゴマーもしくはポリマーであるが、これらに限定されるものではない。
フタロシアニン(Pc)誘導体としては、例えば、H2Pc、CuPc、CoPc、NiPc、ZnPc、PdPc、FePc、MnPc、ClAlPc、ClGaPc、ClInPc、ClSnPc、Cl2SiPc、(HO)AlPc、(HO)GaPc、VOPc、TiOPc、MoOPc、GaPc−O−GaPc等のフタロシアニン誘導体及びナフタロシアニン誘導体でがあるが、これらに限定されるものではない。
また、本発明の有機EL素子は、発光層と陽極との間に、これらの芳香族三級アミン誘導体及び/又はフタロシアニン誘導体を含有する層、例えば、前記正孔輸送層又は正孔注入層を形成してなると好ましい。
電子注入材料としては、電子を輸送する能力を持ち、陰極からの電子注入効果、発光層又は発光材料に対して優れた電子注入効果を有し、発光層で生成した励起子の正孔注入層への移動を防止し、かつ薄膜形成能力の優れた化合物が好ましい。具体的には、フルオレノン、アントラキノジメタン、ジフェノキノン、チオピランジオキシド、オキサゾール、オキサジアゾール、トリアゾール、イミダゾール、ペリレンテトラカルボン酸、フレオレニリデンメタン、アントラキノジメタン、アントロン等とそれらの誘導体が挙げられるが、これらに限定されるものではない。また、正孔注入材料に電子受容物質を、電子注入材料に電子供与性物質を添加することにより増感させることもできる。
本発明の有機EL素子において、さらに効果的な電子注入材料は、金属錯体化合物及び含窒素五員環誘導体である。
金属錯体化合物としては、例えば、8−ヒドロキシキノリナートリチウム、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)亜鉛、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)銅、ビス(8−ヒドロキシキノリナート)マンガン、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(2−メチル−8−ヒドロキシキノリナート)アルミニウム、トリス(8−ヒドロキシキノリナート)ガリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)ベリリウム、ビス(10−ヒドロキシベンゾ[h]キノリナート)亜鉛、ビス(2−メチル−8−キノリナート)クロロガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(o−クレゾラート)ガリウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(1−ナフトラート)アルミニウム、ビス(2−メチル−8−キノリナート)(2−ナフトラート)ガリウム等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
また、含窒素五員環誘導体としては、例えば、オキサゾール、チアゾール、オキサジアゾール、チアジアゾール、トリアゾール誘導体が好ましい。具体的には、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサゾール、ジメチルPOPOP、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−チアゾール、2,5−ビス(1−フェニル)−1,3,4−オキサジアゾール、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)1,3,4−オキサジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−オキサジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)]ベンゼン、1,4−ビス[2−(5−フェニルオキサジアゾリル)−4−tert−ブチルベンゼン]、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)−1,3,4−チアジアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−チアジアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルチアジアゾリル)]ベンゼン、2−(4'−tert−ブチルフェニル)−5−(4"−ビフェニル)−1,3,4−トリアゾール、2,5−ビス(1−ナフチル)−1,3,4−トリアゾール、1,4−ビス[2−(5−フェニルトリアゾリル)]ベンゼン等が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
本発明の有機EL素子においては、発光層中に、一般式(1)で表わされる化合物の他に、発光材料、ドーピング材料、正孔注入材料及び電子注入材料の少なくとも1種が同一層に含有されてもよい。また、本発明により得られた有機EL素子の、温度、湿度、雰囲気等に対する安定性の向上のために、素子の表面に保護層を設けたり、シリコンオイル、樹脂等により素子全体を保護することも可能である。
本発明の有機EL素子の陽極に使用される導電性材料としては、4eVより大きな仕事関数を持つものが適しており、炭素、アルミニウム、バナジウム、鉄、コバルト、ニッケル、タングステン、銀、金、白金、パラジウム等及びそれらの合金、ITO基板、NESA基板に使用される酸化スズ、酸化インジウム等の酸化金属、さらにはポリチオフェンやポリピロール等の有機導電性樹脂が用いられる。陰極に使用される導電性物質としては、4eVより小さな仕事関数を持つものが適しており、マグネシウム、カルシウム、錫、鉛、チタニウム、イットリウム、リチウム、ルテニウム、マンガン、アルミニウム、フッ化リチウム等及びそれらの合金が用いられるが、これらに限定されるものではない。合金としては、マグネシウム/銀、マグネシウム/インジウム、リチウム/アルミニウム等が代表例として挙げられるが、これらに限定されるものではない。合金の比率は、蒸着源の温度、雰囲気、真空度等により制御され、適切な比率に選択される。陽極及び陰極は、必要があれば二層以上の層構成により形成されていても良い。
本発明の有機EL素子においては、効率良く発光させるために、少なくとも一方の面は素子の発光波長領域において充分透明にすることが望ましい。また、基板も透明であることが望ましい。透明電極は、上記の導電性材料を使用して、蒸着やスパッタリング等の方法で所定の透光性が確保するように設定する。発光面の電極は、光透過率を10%以上にすることが望ましい。基板は、機械的、熱的強度を有し、透明性を有するものであれば限定されるものではないが、ガラス基板及び透明性樹脂フィルムがある。透明性樹脂フィルムとしては、ポリエチレン、エチレン−酢酸ビニル共重合体、エチレン−ビニルアルコール共重合体、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリメチルメタアクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ナイロン、ポリエーテルエーテルケトン、ポリサルホン、ポリエーテルサルフォン、テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体、ポリビニルフルオライド、テトラフルオロエチレン−エチレン共重合体、テトラフルオロエチレン−ヘキサフルオロプロピレン共重合体、ポリクロロトリフルオロエチレン、ポリビニリデンフルオライド、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリウレタン、ポリイミド、ポリエーテルイミド、ポリイミド、ポリプロピレン等が挙げられる。
本発明の有機EL素子の各層の形成は、真空蒸着、スパッタリング、プラズマ、イオンプレーティング等の乾式成膜法やスピンコーティング、ディッピング、フローコーティング等の湿式成膜法のいずれの方法を適用することができる。膜厚は特に限定されるものではないが、適切な膜厚に設定する必要がある。膜厚が厚すぎると、一定の光出力を得るために大きな印加電圧が必要になり効率が悪くなる。膜厚が薄すぎるとピンホール等が発生して、電界を印加しても充分な発光輝度が得られない。通常の膜厚は5nm〜10μmの範囲が適しているが、10nm〜0.2μmの範囲がさらに好ましい。
湿式成膜法の場合、各層を形成する材料を、エタノール、クロロホルム、テトラヒドロフラン、ジオキサン等の適切な溶媒に溶解又は分散させて薄膜を形成するが、その溶媒はいずれであっても良い。また、いずれの有機薄膜層においても、成膜性向上、膜のピンホール防止等のため適切な樹脂や添加剤を使用しても良い。使用の可能な樹脂としては、ポリスチレン、ポリカーボネート、ポリアリレート、ポリエステル、ポリアミド、ポリウレタン、ポリスルフォン、ポリメチルメタクリレート、ポリメチルアクリレート、セルロース等の絶縁性樹脂及びそれらの共重合体、ポリ−N−ビニルカルバゾール、ポリシラン等の光導電性樹脂、ポリチオフェン、ポリピロール等の導電性樹脂を挙げられる。
また、添加剤としては、酸化防止剤、紫外線吸収剤、可塑剤等を挙げられる。
以上のように、有機EL素子の有機薄膜層に本発明の有機EL素子用材料を用いることにより、寿命が長く、高発光効率で、色純度の高い青色発光が可能な有機EL素子を得ることができる。
本発明の有機EL素子は、壁掛けテレビのフラットパネルディスプレイ等の平面発光体、複写機、プリンター、液晶ディスプレイのバックライト又は計器類等の光源、表示板、標識灯等に利用できる。また、本発明の材料は、有機EL素子だけでなく、電子写真感光体、光電変換素子、太陽電池、イメージセンサー等の分野においても使用できる。
次に、本発明を実施例によりさらに詳細に説明するが、本発明は、これらの例によってなんら限定されるものではない。
<合成例1―「化合物(D1)」の合成>
「中間体1の合成」
アルゴン気流下、1−ブロモ−4−ヨードベンゼン7.0g、4−、4'−ジメチルジフェニルアミン5.4g、ヨウ化銅237mg、N,N'−ジメチルエチレンジアミン220mg、ターシャルブトキシナトリウム3.6g、キシレンを入れて、還流下、12時間反応した。冷却後、トルエンを加えてろ過した後、ろ液を濃縮し、シリカゲルクロマトグラフィー(ヘキサン:トルエン=10:1)で精製し、得られた個体を減圧乾燥したところ、白色固体6.6gを得た。FD-MSの分析により、中間体1と同定した。
「中間体2の合成」
アルゴン気流下、中間体1の6.6gを含むTHF溶液に、−78度にてn―ブチルリチウム(1.6 M)12.9mLを加え、30分間撹拌した後、B(OiPr)310.6gを加え、3時間かけて室温まで昇温した。室温で2時間反応した後、10%塩酸水溶液を加え、1時間反応した。トルエンと重曹水を加え、分液した有機層を上水で3回洗浄し、減圧濃縮して得られた個体を、エーテル、ヘキサンで洗浄し、減圧乾燥することによって、白色固体5.1gを得た。FD-MSの分析により、中間体2と同定した。
「中間体3の合成」
アルゴン気流下、4、4'−ジメチルジフェニルアミン3.5g、6、12−ジブロモクリセン7.7g、Pd2(dba)3 230mg、P(Bu)3323mg、ターシャルブトキシナトリウム2.9g、トルエンを入れて、還流下、8時間反応した。冷却後、トルエンを加えてろ過をして得られた固体をシリカゲルクロマトグフラフィー(熱トルエン)によって精製し、得られた個体をトルエンで再結晶することによって黄白色固体7.2gを得た。FD-MSの分析により、中間体3と同定した。
「D1の合成」
アルゴン気流下、中間体2の5.1g、中間体3の7.2g、Pd(PPh3)4の333mg、炭酸ナトリウム水溶液(2M)21mL、トルエンを入れて、還流下、8時間反応した。冷却後、トルエンを加えてろ過をして、得られた個体をシリカゲルクロマトグラフィー(熱トルエン)によって精製し、得られた個体をトルエンで再結晶することによって薄黄色固体6.0gw得た。FD-MSの分析により、D1と同定した。
Figure 2009161469
〔実施例1〕
25×75×1.1mmサイズのガラス基板上に、膜厚120nmのインジウムスズ酸化物からなる透明電極を設けた。このガラス基板に紫外線及びオゾンを照射して洗浄した後、真空蒸着装置にこの基板を設置した。
まず、正孔注入層として、N’,N''−ビス[4−(ジフェニルアミノ)フェニル]−N',N''−ジフェニルビフェニル−4,4’−ジアミンを60nmの厚さに蒸着したのち、その上に正孔輸送層として、N,N,N',N’−テトラキス(4−ビフェニル)−4,4’−ベンジジンを20nmの厚さに蒸着した。次いで、ホスト材料として10,10’−ビス[1,1',4',1'']テルフェニル−2−イル−9,9’−ビアントラセニル(BTBAN)とドーピング材料として前記化合物(D1)とを、重量比40:2で同時蒸着し、厚さ40nmの発光層を形成した。
次に、電子注入層として、トリス(8−ヒドロキシキノリナト)アルミニウムを20nmの厚さに蒸着した。次に、弗化リチウムを1nmの厚さに蒸着し、次いでアルミニウムを150nmの厚さに蒸着した。このアルミニウム/弗化リチウムは陰極として機能する。このようにして有機EL素子を作製した。
得られた素子に対して通電試験を行ったところ、電圧6.0V、電流密度10mA/cm2 にて、発光効率3.9cd/A、発光輝度400cd/m2の青色発光(発光極大波長:450nm)が得られた。初期輝度500cd/m2で直流の連続通電試験を行ったところ、半減寿命は2000時間であった。
〔実施例2〕
実施例1において、ドーピング材料として化合物(D1)の替わりに、前記化合物(D8)を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に対して通電試験を行ったところ、電圧6.1V、電流密度10A/cm2にて、発光効率3.8cd/A、発光輝度390cd/m2の青色発光(発光極大波長:445nm)が得られた。初期輝度500cd/m2で直流の連続通電試験を行ったところ、半減寿命は1900時間であった。
〔比較例1〕
実施例1において、ドーピング材料として化合物(D1)の替わりに、下記化合物H1を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に対して通電試験を行ったところ、電圧6.0V、電流密度10mA/cm2にて、発光効率4.1cd/A、発光輝度410cd/m2の青色発光(発光極大波長:457nm)が得られた。初期輝度500cd/m2で直流の連続通電試験を行ったところ、半減寿命は2160時間であった。
〔比較例2〕
実施例1において、ドーピング材料として化合物(D1)の替わりに、下記化合物H2を用いたこと以外は同様にして有機EL素子を作製した。
得られた素子に対して通電試験を行ったところ、電圧6.5V、電流密度10mA/cm2にて、発光効率5.9cd/A、発光輝度596cd/m2の青色発光(発光極大波長:463nm)が得られた。初期輝度500cd/m2で直流の連続通電試験を行ったところ、半減寿命は3880時間であった。
Figure 2009161469
以上詳細に説明したように、本発明の芳香族化合物を用いた有機EL素子は、発光効率が高く寿命が長い。さらに、高発光効率で、色純度の高い青色発光が得られ成膜性にも優れている。このため、壁掛テレビの平面発光体やディスプレイのバックライト等の光源として有用である。

Claims (9)

  1. 下記一般式(1)
    Figure 2009161469
    〔式中、A1〜A4およびR1〜R10は、それぞれ独立に、水素原子、置換又は無置換の核炭素数6〜60のアリール基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルキル基、アミノ基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換又は無置換の核炭素数6〜50のアリールオキシ基、置換又は無置換の核原子数6〜50のアリールチオ基、置換又は無置換の核炭素数6〜50のアリールアミノ基、置換又は無置換の炭素数1〜50のアルコキシカルボニル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基、ヒドロキシル基、シリル基又はカルボキシル基を表し、mは0〜5の整数を表す。mが2以上の場合、A1〜A4はそれぞれ同一でも異なっていてもよく、A1同士、A2同士、A3同士、A4同士またはA1とA2、A3とA4が互いに結合して飽和若しくは不飽和の置換されてもよい5員環または6員環の環状構造を形成してもよい。X1およびX2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜20のアリーレン基または置換もしくは無置換の核原子数5〜50の複素環基を表し、aは0または1を表す。aが1の場合、X1およびX2は同一にはならない〕
    で表される芳香族化合物。
  2. 有機エレクトロルミネッセンス素子用発光材料である請求項1に記載の芳香族化合物。
  3. 陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該有機薄膜層の少なくとも1層が、請求項1に記載の芳香族化合物を単独又は混合物の成分として含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  4. 陰極と陽極間に少なくとも発光層を含む一層又は複数層からなる有機薄膜層が挟持されている有機エレクトロルミネッセンス素子において、該発光層が、請求項1に記載の芳香族化合物を0.1〜20重量%含有する有機エレクトロルミネッセンス素子。
  5. 芳香族三級アミン誘導体及び/又はフタロシアニン誘導体を含有する層を、発光層と陽極との間に形成してなる請求項3または4に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  6. 青色系発光するものである請求項3〜5のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  7. 前記発光層が、前記一般式(1)で表わされる芳香族化合物をドーピング材料として含有し、下記一般式(i)
    Figure 2009161469
    [式中、A5及びA6は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の炭素数6〜20の芳香族環から誘導される基であり、R11〜R18は、それぞれ独立に、水素原子、置換もしくは無置換の炭素数6〜50のアリール基、置換もしくは無置換の炭素数4〜50のヘテロアリール基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数3〜50のシクロアルキル基、置換もしくは無置換の炭素数1〜50のアルコキシ基、置換もしくは無置換のアラルキル基(アリール部分は炭素数6〜50、アルキル部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換の炭素数5〜50のアリールオキシ基、置換もしくは無置換の炭素数5〜50のアリールチオ基、置換もしくは無置換のアルコキシカルボニル基(アルキル部分は炭素数1〜50)、置換もしくは無置換のシリル基、カルボキシル基、ハロゲン原子、シアノ基、ニトロ基及びヒドロキシル基から選ばれる基である]
    で表される化合物をホスト材料として含有する請求項3〜6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  8. 前記式(i)におけるA5とA6とが異なる基である請求項7に記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
  9. 前記発光層が、前記一般式(1)で表わされる芳香族化合物をドーピング材料として含有し、下記一般式(ii)
    Figure 2009161469
    〔式中、Ar1及びAr2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換の核炭素数6〜50のアリール基である。L1及びL2は、それぞれ独立に、置換もしくは無置換のフェニレン基、置換もしくは無置換のナフタレニレン基、置換もしくは無置換のフルオレニレン基又は置換もしくは無置換のジベンゾシロリレン基である。sは0〜2の整数、pは1〜4の整数、qは0〜2の整数、rは0〜4の整数である。
    また、L1又はAr1は、ピレンの1〜5位のいずれかに結合し、L2又はAr2は、ピレンの6〜10位のいずれかに結合する。
    ただし、p+rが偶数の時、Ar1、Ar2、L1、L2は下記(a) 又は(b) を満たす。
    (a)Ar1≠Ar2及び/又はL1≠L2(ここで≠は、異なる構造の基であることを示す)
    (b) Ar1=Ar2かつL1=L2の時
    (a-1)s≠q及び/又はp≠r、又は
    (a-2)s=qかつp=rの時、
    (a-2-1)L1及びL2、又はピレンが、それぞれAr1及びAr2上の異なる結合位置に結合しているか、(a-2-2)L1及びL2、又はピレンが、Ar1及びAr2上の同じ結合位置で結合している場合、L1及びL2又はAr1及びAr2のピレンにおける置換位置が1位と6位、又は2位と7位である場合はない〕
    で表されるピレン誘導体をホスト材料として含有する請求項3〜6のいずれかに記載の有機エレクトロルミネッセンス素子。
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