JP2009161195A - 容器蓋巻締ヘッド - Google Patents
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Abstract
【解決手段】巻締装置の容器蓋巻締ヘッド21は、主軸5の下端部に固定される懸架手段22と懸架手段22に懸架されたチャック手段23とから構成され、該チャック手段23はスプライン28aとスプライン溝31aとのギャップを形成することによって懸架手段22に対して水平方向に変位自在である。また、該チャック手段23は懸架手段22の該懸架部材25に対して傾動自在である。
【選択図】図2
Description
例えば、PETボトルに飲料水などの液体を充填し、液体が充填されたボトルの口頸部に容器蓋を締結してボトル開口部を閉塞するボトルの液体充填及びキャッピングの処理ラインが広く知られ、実用化されている。
このような処理ラインには、ボトルに液体を充填する充填機、液体が充填されたボトルを受け取って円軌道に沿って搬送する回転式の中間ボトル搬送装置(搬送ターレット)、中間ボトル搬送装置によって搬送されてきたボトルを受け取ってボトルの口頸部に容器蓋を締結するキャッピング装置などが配列されている。
キャッピング装置に備えられた上記ボトル搬送装置には、回転体が備えられ、回転体の周縁部には周方向に間隔をおいて複数のグリップ機構が配設されている。グリップ機構の各々には一対の開閉式グリッパが備えられている。ボトルは、搬送装置において、そのネック部がグリップ機構のグリッパにグリップされて吊り下げられた状態で搬送円軌道に沿って搬送される。
従来では、このような容器蓋とボトルの口頸部とのキャッピングに関しては、機械精度として、キャッピング手段の容器蓋を収納する巻締ヘッドの中心軸に対する同軸度と巻締ヘッドと容器を保持するグリッパとの位置精度(センタリング精度)が重要とされている。そのため、現行の巻締ヘッドでは、機械剛性の高い構造を採用し、巻締め時の巻締めトルク、ボトルと容器蓋のネジ係合における抵抗などを受けても芯ブレの起きないヘッド構造としてきた。
下記の特許文献1には、容器蓋とボトル口頸部の中心軸線を一致させて巻締めを行っている従来の巻締ヘッド構造の一例が開示されている。
グリップ機構のグリッパによりボトルのネック部をグリップして吊り下げた状態で搬送円軌道に沿ってボトルを搬送すると、遠心力によってボトルの下部が振られて搬送姿勢が不安定となり、ボトルが傾斜した状態で巻締ヘッドの容器蓋に装着され、ボトルの口頸部が傾斜したまま容器蓋のキャッピングが行われることがある。
したがって、キャッピングが行われる際に、ボトルの開口中心と、グリップ機構に保持されている容器蓋の中心が、常に同軸上に位置するとは限らず、互いの中心がずれたままキャッピング処理が行われことがある。ボトルの口頸部のネジ部と容器蓋のネジ部との螺合がうまくいかないと、容器蓋は正規の状態で装着できなかったりすることがある。さらには、容器蓋にタンパーエビテントバンド(不正開封防止帯)が形成されているものなどは、タンパーエビデントバンドが切れて商品として使い物にならなくなる問題点がある。
上記容器蓋巻締ヘッドは、該懸架手段に対する該チャック手段の中心軸の変位長さは0.5乃至2.5mmであることが好ましい。
上記容器蓋巻締ヘッドの該懸架手段は外周面には周方向に等間隔をおいて軸線方向に延在する複数個のスプラインが配設されたスプライン部材を含み、該チャック手段は内周面に周方向に等間隔をおいて軸線方向に延在する複数個のスプライン溝が配設されたスプライン溝部材と、容器蓋を保持するためのチャック部材とを含み、該スプライン部材の該スプラインに該スプライン溝部材の該スプライン溝が係合されており、該スプラインのマタギ歯厚は該スプライン溝のマタギ溝幅よりも小さく、且つ該スプラインの外径は該スプライン溝の底面直径よりも小さくすることができる。
上記容器蓋巻締ヘッドの該懸架手段は該スプライン部材の下方に配置され且つ円錐台形状の懸架面を有する懸架部材を含み、該チャック手段は該スプライン溝部材に固定された被懸架部材を含み、該チャック部材は該懸架部材に固定されており、該被懸架部材は逆円錐台形状の被懸架面を有し、該懸架面上に該被懸架面を載置することによって該チャック手段が該懸架手段に懸架されており、該チャック手段は該懸架部材に対して傾動自在にすることができる。
上記容器蓋巻締ヘッドは、該懸架手段の中心軸に対する該チャック手段の中心軸の傾動角度は1乃至3度とすることができる。
上記容器蓋巻締ヘッドは、該懸架手段と該チャック手段との間には該懸架手段に対して該チャック手段を下方に弾性的に偏倚して該懸架面に該被懸架面を押圧する弾性偏倚手段が介在されていることが好ましい。
また、本発明の容器蓋巻締ヘッドの該懸架手段は、該スプライン部材の下方に配置され且つ円錐台形状の懸架面を有する懸架部材を含み、該チャック手段は該スプライン溝部材に固定された被懸架部材を含み、該チャック部材は該懸架部材に固定されており、該被懸架部材は逆円錐台形状の被懸架面を有し、該懸架面上に該被懸架面を載置することによって該チャック手段が該懸架手段に懸架されており、該チャック手段は該懸架部材に対して傾動自在であるので、ボトルの軸がチャック手段の軸に対して傾斜したままの状態で、ボトルの口頸部に容器蓋が装着されても、チャック手段が傾動することによって、両者の軸線を一致させたかつその軸線が傾斜した状態で容器蓋の巻締めができる。
さらに、本発明の容器蓋巻締ヘッドの該懸架手段と該チャック手段との間には該懸架手段に対して該チャック手段を下方に弾性的に偏倚して該懸架面に該被懸架面を押圧する弾性偏倚手段が介在されているので、チャック手段が傾動した状態にあっても、弾性偏倚手段の付勢力によって、チャック手段の被懸架面が懸架面に案内されて初期位置に戻ることができる。
図1は、本発明に係わる容器蓋の巻締装置を示し、図2はその巻締装置の下端部に設けられている容器蓋の巻締ヘッドを示す。
巻締装置1は、軸を上下方向へ向けて配設した筒状のハウジング3が基台2によって支持されている。ハウジング3の内部には、ハウジング3の中心軸を通る回転体としての主軸5が配設され、主軸5はハウジング3に対して軸廻りに回転可能であり、またハウジング3の軸方向へ上下動することが可能に構成されている。
ハウジング3の上端部には、変速機6及び変速機6の上部に取付けられている駆動モータ7が配設されている。変速機6は、下端側の回転部6aが軸方向に延びる筒状の連結部材8と連結され、連結部材8の下端側内周部と主軸5の外周部とはスプライン結合部9によって連結され、駆動モータ7の回転力が、変速機6、連結部材8、スプライン結合部9を介して主軸5に伝達される。
主軸5の下端部には、巻締ヘッド21が取付けられており、巻締ヘッド21の上部には、ヘッド受け部材14が配設されている。ヘッド受け部材14は主軸5を貫通するとともに、ヘッド受け部材14の内周にて、主軸5を相対的に回転可能とし、軸方向への移動に対しては主軸5と共に移動するように規制されている。ヘッド受け部材14の下部に形成しているフランジ部14aとハウジング3の下端部との間には蛇腹が配設され、ハウジング3にはガイド孔3aが形成され、ヘッド受け部材14にはガイドピン14bが取付けられている。ハウジング5の下端部とヘッド受け部材14との間には、蛇腹15が設けられ、ヘッド受け部材14が主軸5とともに上下動する際には、ガイドピン14bがガイド孔3aに案内されて、蛇腹15も同時に伸縮するようにしている。こうした構成によって、主軸5がハウジング3に対して上下方向への進退が可能になり、軸廻りに回転が可能になる。
なお、巻締装置1には、該巻締装置1を昇降可能にする図示しない支持部が設けられている。
懸架手段22は、スプライン部材24と懸架部材25とを備え、スプライン部材24は、内周部の円形状の内孔24aが主軸5を貫通し、内周面に形成されたキー溝24bによって、主軸5に対して相対的な回転止めがなされている。そして、このスプライン部材24は、上部に形成されている上部筒状部27と下部に形成されている下部筒状部28とからなっている。
図4に示すように、スプライン28aのマタギ歯厚L1は、スプライン溝31aのマタギ溝幅L2よりも小さく形成し、スプライン28aの外径は、スプライン溝31aの先端直径よりも大きく形成し、スプライン28aの外径はスプライン溝31aの底面直径(即ち、各スプライン溝31aの底面のなす仮想直径)よりも小さく形成されている。
このように、スプライン28a及びスプライン溝31aは、スプライン結合としての本来の作用が及ぼすように、スプライン結合が空回りすることのない大きさにする。本実施形態では、これに加えて、スプライン28aとスプライン溝31aのクリアランスが、通常のスプライン結合よりも大きく形成されている。
また、環状フランジ32aの内周側フランジは、スプライン部材24の底面と懸架部材25の懸架面25aとの間に遊嵌状態で支持され、該スプライン部材24の底面とチャックホルダー32の上端面との間には上下(軸)方向にギャップG2が形成されている。ギャップG2は、チャック手段23の傾動を許容する役割を果たす。
チャック本体33の内孔における上下方向の中間位置には、小径部33bを形成し、小径部33bによって形成された、小径部33bの上部に形成された段部には、ばね座33cが形成されている。上述した懸架部材25の下端面に形成したばね座25cとの間に圧縮状態で、弾性偏倚手段としてのスプリングばね37が配設されている。スプリングばね37は、チャック部23が下方位置になるようにばね座33cを下方へ付勢し、通常(無付加)時においてスプライン溝部31の上端面とハウジング3の下端面に対してギャップG1を形成している。
巻締装置1には、このような巻締ヘッド21が複数設けられ、各々が同一回転軌道を回転するように構成されている。
グリッパ支持軸45は、ボトル搬送装置40に複数設けられ、各々が同一円軌道を回転し、一方、巻締ヘッドは同軸上の円軌道に沿って各グリッパの上部に対応して搬送され、巻締め位置で下降し、容器の口頸部に容器蓋の巻締めが行われる。
このチャックホルダー32の傾斜は、ハウジング3の下端とスプライン溝部31とのギャップの大きさで決定され、ハウジング3の下端がスプライン溝部31の規制部となる。本実施形態では、ハウジング3の軸線に対して3度までのズレを許容している。
上述したように、容器蓋34とボトル41の軸線が一致しないような場合では、巻締ヘッド21と容器蓋34とが分離した後に、スプライン28aとスプライン溝31aの軸線のズレが生じたり、懸架部材25の懸架面25bに対してチャックホルダー32の被懸架面32bとがずれたりしたままの状態がある。このように、懸架部材25に対してチャックホルダー32の軸が水平方向へズレたり、傾動したりした状態では、スプリングコイル37の引張り力によって、スプライン28aとスプライン溝31aとが、実質的にそれらの軸線を平行に戻すとともに、懸架面25bのテーパ面と被懸架面32bの逆テーパ面との位置を初期状態(同軸上)に戻すことができる。
例えば、上記実施形態では、懸架部22を主軸5に支持させて、該主軸5を回転させることによって、巻締ヘッド21を回転させるようにした。しかしながら、このような巻締装置1には、回転軸が中心側でなく巻締ヘッド21の外周部を支持し外筒側が回転するタイプのものがある。すなわち、駆動源に連結されたハウジングの内孔に、スプライン溝巻締ヘッド21の支持について、スプライン部材24の内孔に巻締ヘッド21の上端部を、駆動源によって駆動される回転可能な外筒47の下端部に挿入させて取付けてもよい。このように、構成しても上記実施形態と同様の効果を得ることができる。
また、同様に、スプライン溝部材31、チャックホルダー32及びチャック部材33を3部品としたが、これを2部品や、1部品にして成形してもよい。
5 主軸
21 巻締ヘッド
22 懸架手段
23 チャック手段
24 スプライン部材
25 懸架部材
25b 懸架面
28a スプライン
31 スプライン溝部材
31a スプライン溝
32 チャックホルダー
32 被懸架面
33 チャック部材
34 容器蓋
37 スプリングコイル
41 ボトル
41a 口頸部
41b ネックリング
Claims (6)
- 鉛直に延在する回転軸線を中心として回転自在に且つ昇降自在に装着された回転体に装着される容器蓋巻締ヘッドにおいて、
該回転体の下端部に固定される懸架手段と該懸架手段に懸架されたチャック手段とから構成され、該チャック手段は該懸架手段に対して水平方向に変位自在である、ことを特徴とする容器蓋巻締ヘッド。 - 該懸架手段に対する該チャック手段の中心軸の変位長さは0.5乃至2.5mmである、請求項1記載の容器蓋巻締ヘッド。
- 該懸架手段は外周面には周方向に等間隔をおいて軸線方向に延在する複数個のスプラインが配設されたスプライン部材を含み、該チャック手段は内周面に周方向に等間隔をおいて軸線方向に延在する複数個のスプライン溝が配設されたスプライン溝部材と、容器蓋を保持するためのチャック部材とを含み、該スプライン部材の該スプラインに該スプライン溝部材の該スプライン溝が係合されており、該スプラインのマタギ歯厚は該スプライン溝のマタギ溝幅よりも小さく、且つ該スプラインの外径は該スプライン溝の底面直径よりも小さい、請求項1又は2記載の容器蓋巻締ヘッド。
- 該懸架手段は該スプライン部材の下方に配置され且つ円錐台形状の懸架面を有する懸架部材を含み、該チャック手段は該スプライン溝部材に固定された被懸架部材を含み、該チャック部材は該懸架部材に固定されており、該被懸架部材は逆円錐台形状の被懸架面を有し、該懸架面上に該被懸架面を載置することによって該チャック手段が該懸架手段に懸架されており、該チャック手段は該懸架部材に対して傾動自在である、請求項3記載の容器蓋巻締ヘッド。
- 該懸架手段の中心軸に対する該チャック手段の中心軸の傾動角度は1乃至3度である、請求項4記載の容器蓋巻締ヘッド。
- 該懸架手段と該チャック手段との間には該懸架手段に対して該チャック手段を下方に弾性的に偏倚して該懸架面に該被懸架面を押圧する弾性偏倚手段が介在されている、請求項4又は5記載の容器蓋巻締ヘッド。
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