JP2009160301A

JP2009160301A - 人工大理石カウンター

Info

Publication number: JP2009160301A
Application number: JP2008002266A
Authority: JP
Inventors: Taro Takeda; 太郎武田; Masaaki Shibazaki; 正明柴崎
Original assignee: Du Pont MRC Co Ltd
Current assignee: Du Pont MRC Co Ltd
Priority date: 2008-01-09
Filing date: 2008-01-09
Publication date: 2009-07-23

Abstract

【課題】部材コストや加工・補修コストが安く、かつ人工大理石と支持体との着脱が容易な人工大理石カウンターを提供する。
【解決手段】人工大理石天板１と、これを支持する支持体２とを有し、人工大理石天板１の板厚が５ｍｍ以上で、かつ曲げ弾性率が３ＧＰａ以上であり、人工大理石天板１と支持体２とは面ファスナー３によって着脱可能に接合されており、面ファスナー３の引張ファスニング強度が１６Ｎ／ｃｍ²以上である人工大理石カウンター。
【選択図】図１

Description

本発明は、コンビニエンスストアー、スーパーマーケット、百貨店等の店舗内に設置される意匠性を有するカウンター、および洗面カウンター、キッチンカウンター等の人工大理石カウンターに関する。

人工大理石カウンターとは、人工大理石からなる天板をフレーム等の支持体に固定したカウンターである。人工大理石天板の支持体への固定は、天板の裏面に接着剤で裏貼材（木材合板）を貼り合わせた後、固定用金具を介してビス等で行なうのが一般的である。その他、例えば工具を使用せずに、止め具と固定ピンの組み合わせにより任意の位置に精度良く固定する方法も提案されている（特許文献１参照）。また、着脱を容易にする為に金属製の裏貼材を使用し、これと固定用金具をシアノアクリレート系接着剤等の衝撃強度が比較的小さい接着剤で固定する方法も提案されている（特許文献２参照）。また、天板の上にさらに保護化粧板（人工大理石等）を面ファスナーにて重ねて固定する方法も提案されている（特許文献３参照）。
特開２０００−１３９７３８号公報特開２００２−３８３号公報特開平１１−１０３９８７号公報

以上説明した従来法では、裏貼材、止め金具等の部品、あるいは事前に支持体に固定された天板が必要となるので、部材コストが掛かる。さらに、天板の固定に手間が掛かるので、加工コストが高くなる。また、固定後の強度が弱かったり、あるいは強度は強いが取り外す際に労力が掛かるという問題がある。また、人工大理石天板に裏貼材が強固に接着されている場合は、カウンターを廃棄する際に人工大理石がリサイクルができないという問題もある。

本発明は、このような従来技術の課題を解決すべくなされたものである。すなわち、本発明の目的は、部材コストや加工・補修コストが安く、かつ人工大理石と支持体（フレーム等）との着脱が容易な人工大理石カウンターを提供することにある。

本発明は、人工大理石天板と、これを支持する支持体とを有し、該人工大理石天板の板厚が５ｍｍ以上で、かつ曲げ弾性率が３ＧＰａ以上であり、該人工大理石天板と該支持体とは面ファスナーによって着脱可能に接合されており、該面ファスナーの引張ファスニング強度が１６Ｎ／ｃｍ²以上である人工大理石カウンターである。

本発明の人工大理石カウンターは、人工大理石天板と支持体が容易に着脱可能なので、例えば人工大理石天板の表面に傷や汚れが付いた場合は、天板を取り外して別の場所で補修できる。また、使用できなくなった人工大理石天板や支持体を個別に交換することができる。また、カウンターを移設する際に、分解、運搬、再組み立てを容易に行なえるので、これらの作業の効率化を図ることができる。また、面ファスナーの接触面の範囲内において、人工大理石天板と支持体との相対位置を容易に調整できる。しかも、裏貼材、止め金具等の部品が不要である。したがって、部材コストや加工・補修コストが安くなる。

さらに、本発明の人工大理石カウンターは、裏貼材が不要であり、かつ人工大理石天板を容易に取り外せるので、リサイクルが容易である。

さらに、本発明の人工大理石カウンターは、人工大理石天板に裏貼材を設けなくても、天板の撓みや割れ等の実用上の問題が発生し難い。

図１〜図３に本発明の一実施形態を示す。図１は、本発明の人工大理石カウンターの人工大理石天板と支持体を接合する前の状態を示す斜視図である。図２は、人工大理石天板と支持体を接合した後の図１のＡ部の状態を示す部分正面図である。図３は、人工大理石天板と支持体を接合した後の図１のＢ部の状態を示す部分側面図である。

図１〜図３に示す人工大理石カウンターは、人工大理石天板１と支持体（フレーム）２からなり、両者は面ファスナー３によって着脱可能に接合されている。

図１に示すように、本実施形態においては、人工大理石天板１の裏面に、複数の面ファスナー３が貼着されている。また、支持体２は、上部アーム、下部アームおよび側部アームにより構成される枠組み、いわゆるフレームからなる。支持体２の人工大理石天板１と接合する面、すなわち支持体２の上部アームの上面には、複数の面ファスナー３が貼着されている。

そして図２および図３に示すように、人工大理石天板１の裏面の面ファスナー３と、支持体２の上面の面ファスナー３とが接合する。これにより、人工大理石天板１と支持体２が着脱可能に接合されることになる。ここでは、面ファスナー３の接触面の範囲内において、人工大理石天板と支持体との相対位置を容易に調整できる。また面ファスナー３により接合できるので、裏貼材、止め金具等の部品は不要である。

人工大理石天板１とは、人工大理石からなる天板である。人工大理石の具体例としては表面のみ模様出しを施したゲルコート人工大理石、ポリエステル系人工大理石、アクリル系人工大理石等が挙げられる。特に、優美な質感、容易な加工性、強度、耐衝撃性、耐候性に優れているという点で、アクリル系人工大理石が好ましい。人工大理石中の無機フィラーの含有量は、曲げ弾性率等の特性の点から、好ましくは３５〜６５質量％である。

人工大理石天板１の板厚は、５ｍｍ以上、好ましくは７ｍｍ以上である。また、曲げ弾性率は、３ＧＰａ以上、好ましくは６ＧＰａ以上である。曲げ弾性率は、ＪＩＳＫ７１７１に準じて測定される。人工大理石天板１がこのような板厚および曲げ弾性率を有することにより、裏貼材が無くても、撓んだり割れたりし難くなる。なお、人工大理石天板１の板厚の上限については、好ましくは２５ｍｍ以下であり、曲げ弾性率の上限については、好ましくは２０ＧＰａ以下である。

支持体２は、少なくとも人工大理石天板１を所望の位置に支持できるものであれば、どのような構成でもよい。例えば、図１に示すようなフレームからなるものが好ましい。また、フレームに対して側板、底板およびその他所望の板材を固定して、箱状や棚状の支持台にしてもよい。また、フレームについては、基本構成フレームに加えて、上部、側部、下部に補強用のフレームを設けてもよい。

支持体２の素材は特に限定されず、例えば、スチールやアルミニウム等の金属、木材等が挙げられる。

面ファスナー３は、布製または樹脂製テープの片面（接合面）に接合用エレメントを有するファスナーであり、二枚の面ファスナー３の接合面同士を重ねることにより着脱可能に接合される。面ファスナー３の具体例としては、片方の面ファスナーの接合用エレメントがフック状の繊維で他方の接合用エレメントがループ状の繊維であるフックループ型面ファスナー、あるいは両方の面ファスナーの接合用エレメントとしてフック状とループ状の繊維が併存するフックループ型面ファスナー、接合用エレメントがマッシュルーム形状であるマッシュルーム型面ファスナー、接合用エレメントが鋸歯状の形状であるシャークバイト型面ファスナー等が挙げられる。

特に、マッシュルーム型面ファスナーは接合力が強いので好ましい。また、本発明にマッシュルーム型面ファスナーを使用した場合は、以下の利点がある。まず人工大理石天板１を支持体２の上に載せる。この状態では面ファスナー３同士はまだ接合せず、かつ面ファスナー３同士の摩擦抵抗が小さいので、人工大理石天板１を支持体２上で水平方向に滑らせることで容易に位置調整ができる。そして、所望の位置になった時点で、人工大理石天板１を軽く押圧すれば、上下の面ファスナー３のマッシュルーム形状の接合用エレメントが強固にかつ着脱可能に接合し、人工大理石天板１と支持体２が所望の位置に接合する。すなわち、マッシュルーム型面ファスナーは、容易に位置調整ができ、かつ接合力が強い点で好ましい面ファスナーである。

面ファスナー３の引張ファスニング強度は、１６Ｎ／ｃｍ²以上、好ましくは２０Ｎ／ｃｍ²以上である。面ファスナー３がこのような引張ファスニング強度を有することにより、カウンターの使用中のズレや脱落を防止できる。また、引張ファスニング強度の上限については、好ましくは５０Ｎ／ｃｍ²以下である。引張ファスニング強度は、３０ｍｍ角の面ファスナーを一対噛み合わせて、３００ｍｍ／分の速度で引張（面直）方向に引き剥がすことによって測定される。このような引張ファスニング強度を有するマッシュルーム型面ファスナーの市販品としては、例えば、住友３Ｍ社のデュアルロック（登録商標）ＳＪ−４５７０、ＳＪ−３５５０Ｊ、および、ＳＪ−３５５１Ｊ等がある。

以下に実施例を記載する。ただし、本発明は、以下の実施例により限定されるものではない。

＜実施例１＞
厚さ８ｍｍ、曲げ弾性率８ＧＰａの板状の人工大理石（エムアールシー・デュポン(株)製）の裏面に、面ファスナー３として引張ファスニング強度３９Ｎ／ｃｍ²のマッシュルーム型面ファスナー（住友スリーエム(株)製、デュアルロック（登録商標）ＳＪ−３５５１Ｊ）を、図１に示すように合計６枚、総面積が４５００ｍｍ²となるように貼り付け、これを人工大理石天板１とした。

また、図１に示す構成のフレームの上部アームの上面の人工大理石天板１の面ファスナーと対応する位置に、同じ面ファスナー３を６枚貼り付け、これを支持体２とした。

そして、人工大理石天板１を支持体２の上に載せ、人工大理石天板１を支持体２上で水平方向に滑らせることで位置を調整した。所望の位置になった時点で、人工大理石天板１を軽く押圧することにより、人工大理石天板１と支持体２を接合し、人工大理石カウンターを完成した。

この人工大理石カウンターの天板１の両端を持って垂直に持ち上げ、支持体２の下部に１００ｋｇの荷重をかけたが、支持体２が脱落することはなかった。また、この人工大理石カウンターを静置した状態で、天板１の上部に８０ｋｇの荷重をかけたが、目視では実用上問題となるような撓みは殆ど認められなかった。

さらに、この人工大理石カウンターの天板１を斜め上方に、少し勢いをつけて持ち上げたところ、天板１が支持体２から外れ、接合する前と同様の状態になった。その後、上記手順に従い、再び接合することができた。

すなわち、この人工大理石カウンターは、意匠性に富むと共に、天板１支持体２が着脱可能であり、かつ強度のある実用的なカウンターであった。

＜比較例１＞
面ファスナー３として、引張ファスニング強度が１０Ｎ／ｃｍ²の面ファスナーを使用したこと以外は、実施例１と同様にして人工大理石カウンターを作製した。この人工大理石カウンターの天板１の両端を持って垂直に持ち上げたところ、支持体２が脱落してしまって。

＜比較例２＞
人工大理石天板１として、曲げ弾性率が２.８ＧＰａの板状の人工大理石を使用したこと以外は、実施例１と同様にして人工大理石カウンターを作製した。この人工大理石カウンターを静置した状態で、天板１の上部に８０ｋｇの荷重をかけたところ、目視で若干の撓みが認められた。

本発明の人工大理石カウンターの人工大理石天板と支持体を接合する前の状態を示す斜視図である。人工大理石天板と支持体を接合した後の図１のＡ部の状態を示す部分正面図である。人工大理石天板と支持体を接合した後の図１のＢ部の状態を示す部分側面図である。

符号の説明

１人工大理石天板
２支持体（フレーム）
３面ファスナー

Claims

人工大理石天板と、これを支持する支持体とを有し、該人工大理石天板の板厚が５ｍｍ以上で、かつ曲げ弾性率が３ＧＰａ以上であり、該人工大理石天板と該支持体とは面ファスナーによって着脱可能に接合されており、該面ファスナーの引張ファスニング強度が１６Ｎ／ｃｍ²以上である人工大理石カウンター。
支持体が、フレームからなるものである請求項１記載の人工大理石カウンター。