JP2009158618A - 半導体装置及びその製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】 過熱によるSiの溶融や急冷による熱応力の発生を抑制した半導体装置及びその製造方法を提供すること。
【解決手段】 基板上に形成され、所定の間隔を隔てて第1の不純物領域及び第2の不純物領域を有する島状半導体層、前記島状半導体層上に形成されたゲート絶縁膜、前記第1の不純物領域及び第2の不純物領域の間の領域に対応する前記ゲート絶縁膜上の領域に形成されたゲート電極、及び前記島状半導体層の周辺に配置された熱緩衝パターンを具備し、前記熱緩衝パターンは、前記基板よりも熱伝導率が大きく、前記島状半導体層よりも融点が高い材料からなることを特徴とする。
【選択図】図1
【解決手段】 基板上に形成され、所定の間隔を隔てて第1の不純物領域及び第2の不純物領域を有する島状半導体層、前記島状半導体層上に形成されたゲート絶縁膜、前記第1の不純物領域及び第2の不純物領域の間の領域に対応する前記ゲート絶縁膜上の領域に形成されたゲート電極、及び前記島状半導体層の周辺に配置された熱緩衝パターンを具備し、前記熱緩衝パターンは、前記基板よりも熱伝導率が大きく、前記島状半導体層よりも融点が高い材料からなることを特徴とする。
【選択図】図1
Description
本発明は、半導体装置及びその製造方法に係り、特に、液晶表示装置のような表示装置に用いる薄膜半導体装置及びその製造方法に関する。
トランジスタの製造においては、ドナー,アクセプタ等の不純物原子をシリコン中に添加し、p型、n型領域を形成する不純物ドーピングと呼ばれる工程がある。この不純物ドーピングは、熱拡散やイオン注入により行なわれる。
特に、イオン注入は、濃度分布及びドープ量が、加速電圧及びイオンビーム電流の電気的測定により容易にモニターし、制御することができるため、多用されている。また、イオン注入は、低濃度の浅いドーピングにも適するので、ソース・ドレイン領域の形成以外に、チャネル領域のドーピングによるスレッシュフォールド電圧(Vth)の制御等にも用いられる。
しかし、一方で、イオン注入は、原理上、打ち込まれたイオンがシリコン原子と衝突し、エネルギーをシリコン原子と交換するため、衝突時に格子原子を変位させ、シリコンに結晶欠陥を引き起こす。
イオン注入されたシリコンは、この欠陥の存在と、注入されたイオンのほとんどが、結晶格子中で置換位置になく、キャリアになっていないことにより、非常に高い電気抵抗を示す。
そこで、結晶欠陥とキャリアの回復のため、イオン注入後に、800〜1000℃程度のアニール処理が行われる。このアニール処理は、通常、活性化処理と呼ばれる。活性化処理が不十分な場合、抵抗が下がらないこと以外に、欠陥が接合部等に残留すると、逆方向リーク電流や雑音の増加を引き起こしてしまう。
トランジスタには、LSI等の結晶質シリコン基板に作製されるものと、石英基板やガラス基板上にシリコン薄膜を堆積し、このシリコン薄膜に作製されるものがあり、後者は薄膜トランジスタ(TFT)と呼ばれている。
液晶ディスプレイ等の大型基板に用いられる薄膜トランジスタは、通常、安価なガラス基板上に作製される。しかし、ガラス基板は、シリコン基板や石英基板と比較して、耐熱性が低く、結晶質シリコンにトランジスタを作製する際の活性化処理に用いる800〜1000℃程度のアニール処理を行うことができないため、通常の炉内処理等によるアニール処理温度は、600℃以下の程度に制約されている。
しかし、現在、TFTにおいても、LSIと同様に、微細化、高速動作の要求が高まってきており、より高温での活性化処理により高い活性化率を得ることが望まれている。そこで、ガラス基板の損傷を伴うことなく、より高い活性化率を達成する手法が求められている。
その手法として、非定常加熱による瞬間アニール技術が注目されている。これについては、半導体プロセス関連の書籍、例えば、非特許文献1に記載されている。
この瞬間アニール技術は、高出力のレーザ光、電子ビーム、フラッシュ光等を半導体薄膜表面に照射し、瞬間的に表面層をアニールする技術であり、イオン注入で損傷を受けた半導体膜の結晶性を回復し、更に、注入された不純物を電気的に活性化する方法として開発された。
特に、レーザ光は、大気中での処理が可能であり、エネルギー制御による加熱量の制御や波長選択による加熱層の厚さ制御が容易であるため、研究開発が盛んに行われている。レーザ光は、照射時間により大別すると、連続波発振(CW)方式とQスイッチ等によるパルス方式とがある。
瞬間アニール技術の特徴としては、短時間の加熱であること(CW方式:〜ms、パルス方式:ns〜μs)、熱処理領域を制御する局部的加熱であること、表面層のみの加熱であること、半導体膜融点近くの高温加熱が可能であること、〜109℃/sの急速冷却が可能であること、〜m/sで液体から固体に変化する速い結晶成長速度が可能であること、等が挙げられる。
このような特徴により、例えば表面層のみの加熱が可能であるためガラス基板のような耐熱性の低い基板を用いることができるとともに、短時間の加熱であるため、熱拡散が起こらず、イオン注入で制御した不純物濃度分布を維持したままでの活性化が可能となる。
LOCOS(Local Oxidation of Silicon)により素子分離を行うLSI製造プロセスと異なり、TFT製造プロセスでは、ガラス基板上に半導体からなる島状半導体層を形成することにより素子分離を行う。島状半導体層の形成方法としては、例えば、半導体層にフォトレジストを塗布した後、露光・現像処理によりフォトレジストの微細パターンを形成する。このレジストパターンをマスクとして、異方性エッチングを行い、島状半導体層を形成する。加熱に用いる光の波長に対して、ガラス基板はほぼ透明であるため、島状半導体層のみの温度が上昇し、基板自体の温度は上がらない。そのため、島状半導体層と基板との間に極めて大きな温度差が生じる。
これに対し、絶縁膜の膜厚を厚くすることで、半導体膜の変形、凹凸の発生を防ぐことはできるが、応力によるクラックの発生,膜厚分布の絶対値が大きくなることにより、多重反射に起因する反射率の変動が大きくなる等の新たな問題が発生する。膜厚による多重反射の反射率の変動については、非特許文献2の記載を参考に計算した結果を図8に示す。図8は、Mo基板及びSi基板上に形成されたSiO2膜の膜厚を変化させた場合の多重反射による反射率の変動を示す。多重反射による反射率の変動は、膜厚分布の比率ではなく絶対値によるので、膜厚が厚いほど、面内の反射率の変動が大きくなる。
LSIプロセス工学(右高正俊編著)オーム社 光学薄膜の基礎理論(小檜山 光信著)オプトロニクス社
LSIプロセス工学(右高正俊編著)オーム社 光学薄膜の基礎理論(小檜山 光信著)オプトロニクス社
加熱に用いる光は面内に所定の強度分布を有しているため、照射条件によっては、一部の領域で過加熱状態となり、半導体が溶融状態になる場合もある。その際に、半導体上にゲート絶縁膜等の熱物性が異なる薄膜が存在すると、この温度差により発生する熱応力により、図7に示すような凹凸が発生する等の膜の変形が起こり、配線形成時に十分な導電パスが形成されないことがわかった。
また、絶縁膜の膜厚を厚くすることで、半導体膜の変形、凹凸発生を防ぐことはできるが、応力によるクラックの発生,膜厚分布の絶対値が大きくなることにより多重反射起因の反射率変動が大きくなる等の新たな問題が発生する。応力によるクラック発生例の光学顕微鏡写真を、図9に示す。また、膜厚による多重反射の反射率変動については、光学薄膜の基礎理論 小檜山 光信著 オプトロニクス社 を参考に計算した結果を図4に示す。多重反射による反射率の変動は、膜厚分布の比率ではなく絶対値によるので、膜厚が厚いほど、面内の反射率変動が大きくなる。
上記課題を解決するため、本発明の第1の態様は、基板上に形成され、所定の間隔を隔てて第1の不純物領域及び第2の不純物領域を有する島状半導体層、前記島状半導体層上に形成されたゲート絶縁膜、前記第1の不純物領域及び第2の不純物領域の間の領域に対応する前記ゲート絶縁膜上の領域に形成されたゲート電極、及び前記島状半導体層の周辺に配置された熱緩衝パターンを具備し、前記熱緩衝パターンは、前記基板よりも熱伝導率が大きく、前記島状半導体層よりも融点が高い材料からなることを特徴とする半導体装置を提供する。
本発明の第2の態様は、基板上に島状半導体層を形成する工程、前記島状半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程、前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、前記前記島状半導体層の周辺に熱緩衝パターンを形成する工程、前記ゲート電極をマスクとして前記島状半導体層に不純物を注入する工程、及び前記島状半導体層に光を照射し、前記島状半導体層中の不純物を活性化する工程を具備し、前記熱緩衝パターンは、前記島状半導体層中の不純物の活性化のために照射される光の波長に吸収を有し、前記基板よりも熱伝導率が大きく、前記島状半導体層よりも融点が高い材料からなることを特徴とする半導体装置の製造方法を提供する。
以上の本発明の第1及び第2の態様において、前記熱緩衝パターンとして、前記ゲート電極と同一の材料を用いことができる。この場合、前記ゲート電極の形成と前記熱緩衝パターンの形成とを同時に行なうことができる。
また、前記島状半導体層と熱緩衝パターンとの距離を、0.5μm以下とすることができる。
なお、前記熱緩衝パターンの厚さ及び/又は面積を調整することにより、前記光の照射により加熱された前記島状半導体層の温度分布を制御することができる。
本発明によれば、島状半導体層が光の照射により加熱される際に、熱緩衝パターンも同時に加熱されるため、面内の温度勾配を小さくすることができ、また、熱緩衝パターンの蓄熱効果により、島状半導体層の冷却速度を小さくすることができる。更に、この熱緩衝パターンの厚さ及び面積を調整することで、面内の光強度分布等が変動した場合でも、余剰な熱が熱緩衝パターンに蓄積され、過加熱状態を抑制することができる。これらの効果により、島状半導体層の表面の凹凸の発生を防止することができる。
特に、熱緩衝パターンをゲート電極と同時に形成した場合には、製造プロセスの工程数を減少させて、上記効果を得ることができる。
以下、本発明の実施形態について、図面を参照して説明する。
図1は、本発明の一実施形態に係る薄膜半導体素子を示す断面図(a)及び平面図(b)である。図1において、ガラス基板1上に、アンダーコート膜(SiO2/SiN)2を介して、100nmの膜厚のポリシリコンの島状半導体層3が形成されている。このポリシリコンの島状半導体層3上に、30nmの膜厚のSiO2からなるゲート絶縁膜4が形成され、更にその上に、膜厚200nmのMoWからなるゲート電極5が形成されている。また、ポリシリコンの島状半導体層3の周囲には、熱緩衝パターン6が形成されて。そして、このような構造を覆って、層間絶縁膜7が形成されている。
熱緩衝パターン6は、ポリシリコンの島状半導体層3中の不純物の活性化のために照射される光の波長に吸収を有し、熱伝導率が基板材料より大きく、融点が島状半導体層を構成する半導体よりも高い材料により形成される。そのような材料としては、Mo、W、Ti等の高融点金属を挙げることができる。また、これらの高融点金属の合金、例えばMoWや、これらの高融点金属のシリサイド(MoSi2、WSi2、TiSi2)を用いることもできる。
なお、熱緩衝パターン6を構成する材料は、ゲート電極と同一の材料でもよく、そのような材料を用いた場合には、ゲート電極のパターニングの際に、熱緩衝パターン6を同時にパターニングすることが可能である。そうした場合、熱緩衝パターン6を形成するためのマスクの作成、熱緩衝パターン6を形成するための露光、現像工程が不要となり、製造工程を簡略化することができる。ただし、ゲート電極のパターニングの際に熱緩衝パターン6を同時にパターニングするためには、熱緩衝パターン6の膜厚をゲート電極の膜厚と同一とする必要がある。
図1に示すように、ポリシリコン島状半導体層3の周囲に熱緩衝パターン6が形成された構造では、ポリシリコン島状半導体層3にイオン注入された不純物を活性化するために、光照射によりポリシリコン島状半導体層3を加熱すると、隣接する熱緩衝パターン6も加熱されるため、面内の温度勾配を小さくすることができる。また、熱緩衝パターン6の蓄熱効果により、冷却速度を小さくすることができる。
図2は、非定常熱解析モデルとして、ポリシリコン島状半導体層3のコンタクトホール形成部を示し、図3は、図2の一点鎖線の部分の温度分布をグラフで示したものである。図3において、曲線Aは熱緩衝パターン6を形成した場合、曲線Bは熱緩衝パターン6を形成しない場合の温度分布をそれぞれ示す。
図2に示す解析モデルでは、10μm角のSi島状半導体層の3方が幅2μmの熱緩衝パターンで囲まれている。基板として石英(SiO2)、ゲート電極及び熱緩衝パターン6として膜厚200nmのMoを用い、ポリシリコン島状半導体層3の膜厚を100nmとした。ポリシリコン島状半導体層3に照射するレーザ光のレーザパルス幅は30ns,タイムステップは、5nsとした。熱流束は、2×1010W/m2で、Mo及びSiの面のみに流入するものとした。
SiよりもMoのほうが熱容量が大きいため、Mo膜の温度がSi膜より低いが、図3のグラフから、ポリシリコン島状半導体層3のエッジ部における温度勾配が、熱緩衝パターン6が無い場合の−2200℃/μmから、熱緩衝パターン6を設けた場合に−180℃/μmになり、急激な温度勾配が解消されている。これにより、Si膜への熱応力が軽減される。
なお、熱容量Vの大きさは、密度をd,比熱をc,光の入射面積をS,膜厚をtとした場合、V=c×(S×t)×dとなる。c,dは材料に依存する数値なので、熱緩衝パターン6のS,tを適宜調整することにより熱容量を制御することができる。ただし、上述したように、ゲート電極のパターニングの際に熱緩衝パターン6を同時にパターニングするために熱緩衝パターン6の膜厚をゲート電極の膜厚と同一とした場合には、熱緩衝パターン6の膜厚tを調整することはできないので、面積Sのみを調整することとなる。レイアウト上、面積Sのみの調整によって、熱容量を所望の値に制御することが困難な場合には、熱緩衝パターン6のパターニングをゲート電極のパターニングとは別の工程で行う必要がある。
一方、入熱量は、入射面積Sで決まるため、基板の熱伝導率が小さい場合、熱緩衝パターン6の入射面積を大きくすることで、ポリシリコン島状半導体層3との温度差を小さくし、蓄熱効果を持たせることができる。
また、図1に示す例では、ポリシリコン島状半導体層3と熱緩衝パターン6とは接触しているが、これに限定されるものではなく、両者の間で加熱時間中に十分な熱の移動を行えることができる距離であれば、接触させる必要は無い。
図4は、非定常加熱におけるポリシリコン島状半導体層3周辺への熱の移動を計算した結果を示す。加熱時間は、ロングパルスレーザを想定し、200nsとしている。図4から、ポリシリコン島状半導体層3の周辺0.5μm付近まで熱の拡散があることがわかる。そのため、ポリシリコン島状半導体層3と熱緩衝パターン6との距離が0.5μm以下であれば、熱緩衝パターン6をポリシリコン島状半導体層3に接触させて設ける必要は無い。
以下、以上説明した本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタの製造プロセスについて説明する。
図5及び図6は、本発明の一実施形態に係る薄膜トランジスタの製造プロセスを工程順に示す断面図である。
まず、被処理基板31を用意する。この実施形態では、被処理基板31としてガラス基板32上にアンダーコート膜(SiO2/SiN)33が形成された基板を用いている。このガラス基板31上(アンダーコート膜33上)の略全面に層厚が例えば50nmとなるように、プラズマCVD等によりアモルファスシリコン層34を形成する。その後、温度500℃の雰囲気中でアニール処理を施し、このアモルファスシリコン層34中の水素を離脱させる(図5(a))。
次いで、例えばELA(Excimer Laser Anneal)法により、このアモルファスシリコン層34を結晶化して、ポリシリコン島状半導体層35とする(図5(b))。
次に、PEP(Photo Engraving Process、いわゆるフォトリソグラフィー)によりポリシリコンアイランド35上に所定の形状のレジストマスクを形成し、このレジストマスクをマスクとして、RIE(Reactive Ion Etching)法等のドライエッチングによりポリシリコン島状半導体層35を島形状に加工し、PMOS、NMOS領域を形成する(図5(c))。そして、閾値制御のため、PMOS領域にはP、NMOS領域にはBのチャネルドーピングを行う。
その後、PE−CVD(Plasma Enhanced Chemical Vapor Deposition)法を用いて、島形状に加工されたポリシリコン島状半導体層(島状多結晶半導体薄膜)35及びアンダーコート膜33を覆うように、SiO2からなるゲート絶縁膜36を形成する(図5(d))。そして、ポリシリコン島状半導体層35の周囲の熱緩衝パターン形成予定領域にあるゲート絶縁膜36を除去する(図5(e))。ゲート絶縁膜が十分薄い場合は、ゲート絶縁膜を介して、ポリシリコンの島状半導体層と熱緩衝パターンとの間で熱の移動が可能となるため、熱緩衝パターン形成予定領域のゲート絶縁膜を除去する工程を省いてもよい。
次に、例えば、スパッタ法によりゲート電極材料、例えばMo層37を成膜する(図6(a))。次いで、RIE等のドライエッチングによりMo層37をパターニングし、ゲート電極38及び熱緩衝パターン39を形成する。即ち、Mo層37上にPEPにより所定の形状のレジストマスクを形成した後、このレジストマスクをマスクとしてRIE法により、Mo層37の不要部分を除去し、ゲート電極38及び熱緩衝パターン39を形成する(図6(b))。
このように、ゲート電極38及び熱緩衝パターン39を同時に形成すれば、熱緩衝パターン形成のためのマスク及びパターニング工程が不要となり、工程を簡略化することができる。
但し、この場合はゲート電極38と熱緩衝パターン39の膜厚が等しくなる。この場合、熱容量を制御するためには、熱緩衝パターン39の面積のみによる調整となるため、レイアウト上、そのような調整が困難な場合は、別途、熱緩衝パターン用マスクを使用して、別工程で熱緩衝パターン39を形成してもよい。
その後、レジストによるマスキングを利用し、ゲート電極層38をマスクとして、ポリシリコン島状半導体層35に不純物領域、例えばソース領域及びドレイン領域形成のために、PMOS領域にはB,NMOS領域にはPを注入する(図6(c))。
そして、イオン注入で損傷を受けた半導体膜の結晶性を回復し、更に、注入された不純物を電気的に活性化するため、レーザ照射によるポリシリコン島状半導体層35中の不純物の活性化を行う。レーザ照射による活性化は、その後の工程である層間絶縁膜形成後でも可能であるが、クラック等が生じることがあるため、膜構成,膜材料,膜応力等を考慮して適宜選択することになる。
イオン注入後の図6(c)に示す構造に対し、ポリシリコン島状半導体層35中の不純物の活性化のために、レーザ照射を行うと、ポリシリコン島状半導体層35が加熱されるだけでなく、隣接する熱緩衝パターン39も加熱される。そのため、ポリシリコン島状半導体層35の端部における温度勾配は緩やかとなる。また、熱緩衝パターン39は熱容量が大きいため、その蓄熱効果により、レーザ照射後のポリシリコン島状半導体層35の冷却速度を小さくすることができる。その結果、ポリシリコン島状半導体層35の表面の凹凸の発生を防止することができる。
レーザ照射によるポリシリコン島状半導体層35中の不純物の活性化の後、全面にSiO2からなる層間絶縁膜40を形成する(図6(d))。
その後は、通常の薄膜トランジスタの製造工程に従って、ソース領域の一部及びドレイン領域の一部を露出させるように、コンタクトホールを形成し、次いで、コンタクトホールを埋めるように金属の配線層を形成しパターニングすることにより、ソース電極及びドレイン電極を形成して、TFTが完成する。
なお、以上の実施形態では、ゲート電極と熱緩衝パターンとを同一の材料層のパターニングにより同時に形成したが、本発明はこれに限らず、別々の材料及び異なる膜厚の層を別々のマスクを用いてパターニングしてもよい。この場合、熱緩衝パターンは、ポリシリコン島状半導体層35を形成した後、ゲート絶縁膜形成前に形成してもよい。
1,32…ガラス基板、2,33…アンダーコート膜(SiO2/SiN)、3,35…ポリシリコン島状半導体層、4,36…ゲート絶縁膜、5,38…ゲート電極、6,39…熱緩衝パターン、7,40…層間絶縁膜、31…処理基板、34…アモルファスシリコン層、37…Mo層。
Claims (8)
- 基板上に形成され、所定の間隔を隔てて第1の不純物領域及び第2の不純物領域を有する島状半導体層、
前記島状半導体層上に形成されたゲート絶縁膜、
前記第1の不純物領域及び第2の不純物領域の間の領域に対応する前記ゲート絶縁膜上の領域に形成されたゲート電極、及び
前記島状半導体層の周辺に配置された熱緩衝パターン
を具備し、
前記熱緩衝パターンは、前記基板よりも熱伝導率が大きく、前記島状半導体層よりも融点が高い材料からなることを特徴とする半導体装置。 - 前記熱緩衝パターンは、前記第1の不純物領域及び第2の不純物領域の不純物の活性化のために照射される光の波長に吸収を有する材料からなることを特徴とする請求項1に記載の半導体装置。
- 前記熱緩衝パターンは、前記ゲート電極と同一の材料からなることを特徴とする請求項1又は2に記載の半導体装置。
- 前記島状半導体層と熱緩衝パターンとの距離は、0.5μm以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれかに記載の半導体装置。
- 基板上に島状半導体層を形成する工程、
前記島状半導体層上にゲート絶縁膜を形成する工程、
前記ゲート絶縁膜上にゲート電極を形成する工程、
前記前記島状半導体層の周辺に熱緩衝パターンを形成する工程、
前記ゲート電極をマスクとして前記島状半導体層に不純物を注入する工程、及び
前記島状半導体層に光を照射し、前記島状半導体層中の不純物を活性化する工程
を具備し、
前記熱緩衝パターンは、前記島状半導体層中の不純物の活性化のために照射される光の波長に吸収を有し、前記基板よりも熱伝導率が大きく、前記島状半導体層よりも融点が高い材料からなることを特徴とする半導体装置の製造方法。 - 前記熱緩衝パターンは、前記ゲート電極と同一の材料からなり、前記ゲート電極の形成と前記熱緩衝パターンの形成は、同時に行なわれることを特徴とする請求項5に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記島状半導体層と熱緩衝パターンとの距離は、0.5μm以下であることを特徴とする請求項5又は6に記載の半導体装置の製造方法。
- 前記熱緩衝パターンの厚さ及び/又は面積を調整することにより、前記光の照射により加熱された前記島状半導体層の温度分布を制御することを特徴とする請求項5〜7のいずれかに記載の半導体装置の製造方法。
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