JP2009158397A - 燃料電池システム - Google Patents
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Abstract
【課題】冷却水の水温が上昇したことに起因して燃料電池の出力制限が行われていることを運転者に認識させる。
【解決手段】制御部6は、イグニッションON等の運転起動命令を受信すると、温度センサTにより検出された冷却水の水温に応じて水温計9の指針を制御する。そして、温度センサTにより検出された冷却水の水温が、燃料電池の出力制限が開始される温度以上であるか否かを判定し、YESである場合に、水温計9の指針をレッドゾーンに移行させる。
【選択図】図1
【解決手段】制御部6は、イグニッションON等の運転起動命令を受信すると、温度センサTにより検出された冷却水の水温に応じて水温計9の指針を制御する。そして、温度センサTにより検出された冷却水の水温が、燃料電池の出力制限が開始される温度以上であるか否かを判定し、YESである場合に、水温計9の指針をレッドゾーンに移行させる。
【選択図】図1
Description
本発明は、燃料電池システムに関する。
燃料電池システムを搭載する燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)には、ガソリン車と同様に、メータパネル内に冷却水の水温状況を表示するための水温計が設けられている。冷却水の水温は、燃料電池の温度上昇に合わせて上昇する。したがって、水温計の表示は、運転者にとってオーバーヒートを起こすかどうかを判断する際の目安になる。また、燃料電池車両は、燃料電池のスタックを熱から保護する必要があるため、冷却水の水温が所定の閾値以上に上昇すると、燃料電池の出力制限を行う(下記特許文献1および2参照)。
特開2001−095107号公報
特開2003−068342号公報
ところで、燃料電池車両では、スタックを熱から保護するために、燃料電池の出力制限を開始させる上記所定閾値が、オーバーヒートであると判定されるときの温度よりも低い温度に設定されている。したがって、冷却水の水温が所定閾値からオーバーヒート時の温度までの間である場合に、燃料電池車両の運転者は、冷却水の水温が正常であるにもかかわらず、踏み込んだアクセル量に応じたパワーを出せないことに違和感を覚えることになる。
本発明は、上述した従来技術による問題点を解消するためになされたものであり、冷却水の水温が上昇したことに起因して燃料電池の出力制限が行われていることを使用者に認識させることができる燃料電池システムを提供することを目的とする。
上述した課題を解決するため、本発明に係る燃料電池システムは、反応ガスの供給を受けて当該反応ガスの電気化学反応により電力を発生する燃料電池と、燃料電池に冷却水を循環供給する冷却水循環機構と、冷却水循環機構における冷却水の水温を検出する温度センサと、温度センサにより検出される温度が、冷却水の水温に応じて燃料電池の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温以上である場合に、冷却水の水温状況を表示する水温状況表示部における表示を、冷却水の水温が異常であることを示す状態に移行させる制御手段と、を備えることを特徴とする。
この発明によれば、冷却水の水温を検出する温度センサにより検出される温度が、冷却水の水温に応じて燃料電池の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温以上である場合に、水温状況表示部における表示を、冷却水の水温が異常であることを示す水温異常状態に移行させることができる。したがって、使用者は、水温状況表示部の表示が水温異常状態に移行したときに、冷却水の水温が異常であることを認識するとともに、燃料電池の出力制限が開始されたことを認識することができる。
上記燃料電池システムにおいて、上記制御手段は、温度センサにより検出される温度が、冷却水の水温に応じて燃料電池の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温以上であり、かつ冷却水の水温に応じて燃料電池の出力が停止させられるときの当該冷却水の水温以下である場合に、水温状況表示部における表示を上記水温異常状態に移行させることができる。
これにより、冷却水の水温上昇に起因して燃料電池の出力制限が開始されてから燃料電池の運転が停止するまでの間に、水温異常および出力制限の事実を使用者に認識させることができる。
上記燃料電池システムにおいて、上記制御手段は、温度センサにより検出される温度が、冷却水の水温に応じて燃料電池の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温に到達したときに、水温状況表示部における表示を上記水温異常状態に移行させることができる。
これにより、冷却水の水温上昇に起因して燃料電池の出力制限が開始されたことを使用者に認識させることができる。
上記燃料電池システムにおいて、上記制御手段は、温度センサにより検出される温度が、冷却水の水温に応じて燃料電池の出力が停止させられるときの当該冷却水の水温に到達したときに、水温状況表示部における表示を上記水温異常状態に移行させることができる。
これにより、水温がオーバーヒートを引き起こす状態にまで高くなった時点で水温状況表示部の表示を水温異常状態に移行させることができる。また、出力制限によって燃料電池システムが停止する際に水温異常状態に移行させることができる。したがって、燃料電池システムの停止原因が冷却水の温度上昇であることを使用者に認識させることができる。
本発明によれば、冷却水の温度が上昇したことに起因して燃料電池の出力制限が行われていることを運転者に認識させることができる。
以下、添付図面を参照して、本発明に係る燃料電池システムの好適な実施形態について説明する。本実施形態では、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両(FCHV;Fuel Cell Hybrid Vehicle)の車載発電システムとして用いた場合について説明する。
本発明に係る燃料電池システムは、燃料電池を冷却させる冷却水の水温が、燃料電池の出力制限が開始されるときの温度以上に設定された所定温度に達した場合に、水温状況表示部の表示を水温異常状態に移行させることで、冷却水の水温上昇に起因して燃料電池の出力制限が開始されたことを使用者に認識させるものである。以下に、このような特徴を有する燃料電池システムの構成および動作について詳細に説明する。
まず、図1を参照して、本実施形態における燃料電池システムの構成について説明する。図1は、本実施形態における燃料電池システムを模式的に示した構成図である。
同図に示すように、燃料電池システム1は、反応ガスである酸化ガスおよび燃料ガスの供給を受けて電気化学反応により電力を発生する燃料電池2と、酸化ガスとしての空気を燃料電池2に供給する酸化ガス配管系3と、燃料ガスとしての水素を燃料電池2に供給する水素ガス配管系4と、燃料電池2に冷却水を循環供給する冷却系5(冷却水循環機構)と、システム全体を統括制御する制御部6(制御手段)とを有する。
燃料電池2は、例えば、高分子電解質型の燃料電池であり、多数の単セルを積層したスタック構造となっている。単セルは、イオン交換膜からなる電解質の一方の面にカソード極(空気極)を有し、他方の面にアノード極(燃料極)を有し、さらにカソード極およびアノード極を両側から挟み込むように一対のセパレータを有する構造となっている。この場合、一方のセパレータの水素ガス流路に水素ガスが供給され、他方のセパレータの酸化ガス流路に酸化ガスが供給され、これらの反応ガスが化学反応することで電力が発生する。燃料電池2には、燃料電池の出力電流を検出する電流センサAが設けられている。
酸化ガス配管系3は、フィルタ30を介して大気中の酸化ガスを取り込んで圧縮してから送出するコンプレッサ31と、酸化ガスを燃料電池2に供給するための空気供給流路32(酸化ガス供給流路)と、燃料電池2から排出された酸化オフガスを排出するための空気排出流路33とを有する。空気供給流路32および空気排出流路33には、コンプレッサ31から圧送された酸化ガスを燃料電池2から排出された酸化オフガスを用いて加湿する加湿器34が設けられている。この加湿器34で水分交換等された酸化オフガスは、最終的に排ガスとしてシステム外の大気中に排気される。
水素ガス配管系4は、高圧の水素ガスを貯留した燃料供給源としての水素タンク40と、水素タンク40の水素ガスを燃料電池2に供給するための燃料供給流路としての水素供給流路41と、燃料電池2から排出された水素オフガスを水素供給流路41に戻すための水素循環流路42とを有する。
水素供給流路41には、水素タンク40からの水素ガスの供給を遮断または許容する主止弁43と、水素ガスの圧力を予め設定した二次圧に調圧するレギュレータ44とが設けられている。
水素循環流路42には、水素循環流路42内の水素オフガスを加圧して水素供給流路41側へ送り出す水素ポンプ45が設けられている。また、水素循環流路42には、気液分離器46及び排気排水弁47を介して排出流路48が接続されている。気液分離器46は、水素オフガスから水分を回収する。排気排水弁47は、制御部6からの指令に従って、気液分離器46で回収された水分と水素循環流路42内の不純物を含む水素オフガスとを排出(パージ)する。排気排水弁47から排出された水素オフガスは、希釈器49によって希釈されて空気排出流路33内の酸化オフガスと合流する。
冷却系5は、冷却水を冷却するラジエータ51と、冷却水を燃料電池2およびラジエータ51に循環供給する冷却水循環流路52と、冷却水を冷却水循環流路52に循環させる冷却水循環ポンプ53とを有する。冷却水循環流路52のうち、燃料電池2の出口側には、冷却水の水温を検出する温度センサTが設けられている。なお、温度センサTを設ける位置は、燃料電池2の入口側であってもよい。
制御部6は、燃料電池車両に設けられた加速操作部材(アクセル等)の操作量を検出し、加速要求値(例えば、トラクションモータ等の電力消費装置からの要求発電量)等の制御情報を受けて、システム内の各種機器の動作を制御する。なお、電力消費装置には、トラクションモータの他に、例えば、燃料電池2を作動させるために必要な補機装置(例えばコンプレッサ31や水素ポンプ45、冷却水循環ポンプ53のモータ等)、車両の走行に関与する各種装置(変速機、車輪制御装置、操舵装置、懸架装置等)で使用されるアクチュエータ、乗員空間の空調装置(エアコン)、照明、オーディオ等が含まれる。
制御部6は、温度センサTにより検出される温度に応じて、燃料電池システム1の外部にあるメータパネル内に設けられた水温計9(水温状況表示部)の指針を制御する。具体的には、運転始動時には、冷却水の水温上昇に合わせて、水温計9の指針を低温領域から安定領域に移行させる。そして、冷却水の水温が所定の安定温度範囲内にある間は、針が安定領域内に留まるように制御する。さらに、冷却水の水温が所定の安定温度範囲を超えて上昇した場合には、指針を安定領域からレッドゾーンに移行させる。すなわち、水温計9の表示を、冷却水の水温が異常であることを示す水温異常状態に移行させる。
制御部6は、温度センサTにより検出される温度が、後述する所定の温度以上であるか否かを判定し、所定の温度以上である場合に、水温計9の指針をレッドゾーンに移行させる。
所定の温度としては、例えば、冷却水の水温に応じて燃料電池2の出力制限が開始されるときの冷却水の水温から、冷却水の水温に応じて燃料電池2の出力が停止させられるときの冷却水の水温までの間の温度が該当する。
ここで、燃料電池車両では、燃料電池2のスタックを熱から保護するために、冷却水の水温が所定の閾値以上に上昇すると、燃料電池2の出力を制限して燃料電池2における発熱を抑える。
出力を制限する方法としては、例えば、冷却水の水温と出力電流の上限値との関係を示すマップを予めメモリ等に登録しておき、このマップに従い燃料電池の出力を制限する方法がある。この方法を採用した場合に、制御部6は、温度センサTにより検出された温度に対応する出力電流の上限値をマップから抽出し、燃料電池2の出力電流を、この抽出した出力電流の上限値以下に抑える。
上述したレッドゾーンに移行させる際の所定の温度として、例えば、冷却水の水温に応じて燃料電池2の出力制限が開始されるときの冷却水の水温を採用した場合には、冷却水の水温上昇に起因して燃料電池2の出力制限が開始されたことを、運転者に認識させることができる。
一方、所定の温度として、例えば、冷却水の水温に応じて燃料電池2の出力が停止させられるときの冷却水の水温を採用した場合には、水温が、オーバーヒートを引き起こす状態にまで高くなった時点で水温計の表示をレッドゾーン表示に移行させることができる。また、出力制限によって燃料電池システムが停止する際にレッドゾーン表示に移行させることができるため、燃料電池システムの停止原因が冷却水の温度上昇であることを運転者に認識させることができる。
なお、水温計9は、水温の高/低を表示する一般のアナログ表示式の水温計に限定されることはない。例えば、水温の数値目盛を針で指示するアナログ表示式の水温計であってもよいし、水温を数値表示するデジタル表示式の水温計であってもよい。このような水温計を採用することで、現在の冷却水の水温を運転者に数値で具体的に確認させることができるため、冷却水の水温が上昇していく状況等を運転者に把握させることができる。これにより、運転者は、出力制限が開始されるタイミング等を事前に予測しながら運転することができるため、ユーザビリティがより向上する。
ここで、制御部6は、物理的には、例えば、CPUと、CPUで処理される制御プログラムや制御データを記憶するROMと、主として制御処理のための各種作業領域として使用されるRAMと、入出力インターフェースとを有する。これらの要素は、互いにバスを介して接続されている。入出力インターフェースには、温度センサTや電流センサA等の各種センサが接続されているとともに、コンプレッサ31、主止弁43、水素ポンプ45、排気排水弁47および冷却水循環ポンプ53等を駆動させるための各種ドライバが接続されている。
CPUは、ROMに記憶された制御プログラムに従って、入出力インターフェースを介して温度センサTでの検出結果を受信し、RAM内の各種データ等を用いて処理することで、燃料電池システムの水温計表示制御処理等を制御する。また、CPUは、入出力インターフェースを介して各種ドライバに制御信号を出力することにより、燃料電池システム1全体を制御する。
次に、図2に示すフローチャートを用いて、本実施形態における燃料電池システムの水温計表示制御処理について説明する。
まず、制御部6は、イグニッションON等の運転起動命令を受信すると、温度センサTにより検出された冷却水の水温に応じて水温計9の指針を制御する(ステップS1)。
続いて、制御部6は、温度センサTにより検出された冷却水の水温が、燃料電池の出力制限が開始される温度以上であるか否かを判定する(ステップS2)。この判定がNOである場合(ステップS2;NO)には、処理を上記ステップS1に移行する。
一方、上記ステップS2の判定で冷却水の水温が燃料電池の出力制限が開始される温度以上であると判定された(ステップS2;YES)場合に、制御部6は、水温計9の指針をレッドゾーンに移行させる(ステップS3)。これにより、運転者は、冷却水の水温上昇に起因して燃料電池2の出力制限が開始されたことを認識することができる。
上述してきたように、実施形態における燃料電池システム1によれば、冷却水の水温を検出する温度センサTにより検出される温度が、冷却水の水温に応じて燃料電池2の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温以上である場合に、水温計9の指針をレッドゾーンに移行させることができる。したがって、水温計9を見た運転者は、冷却水の水温が異常であることを認識するとともに、冷却水の水温が上昇したことに起因して燃料電池2の出力制限が開始されたことを認識することができる。
なお、上述した実施形態においては、本発明に係る燃料電池システムを燃料電池車両に搭載した場合について説明しているが、燃料電池車両以外の各種移動体(ロボット、船舶、航空機等)にも本発明に係る燃料電池システムを適用することができる。また、本発明に係る燃料電池システムを、建物(住宅、ビル等)用の発電設備として用いられる定置用発電システムに適用することもできる。
1…燃料電池システム、2…燃料電池、3…酸化ガス配管系、4…水素ガス配管系、5…冷却系、6…制御部、9…水温計、51…ラジエータ、52…冷却水循環流路、53…冷却水循環ポンプ、A…電流センサ、T…温度センサ。
Claims (4)
- 反応ガスの供給を受けて当該反応ガスの電気化学反応により電力を発生する燃料電池と、
前記燃料電池に冷却水を循環供給する冷却水循環機構と、
前記冷却水循環機構における前記冷却水の水温を検出する温度センサと、
前記温度センサにより検出される温度が、前記冷却水の水温に応じて前記燃料電池の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温以上である場合に、前記冷却水の水温状況を表示する水温状況表示部における表示を、前記冷却水の水温が異常であることを示す水温異常状態に移行させる制御手段と、
を備えることを特徴とする燃料電池システム。 - 前記制御手段は、前記温度センサにより検出される温度が、前記冷却水の水温に応じて前記燃料電池の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温以上であり、かつ前記冷却水の水温に応じて前記燃料電池の出力が停止させられるときの当該冷却水の水温以下である場合に、前記水温状況表示部における表示を前記水温異常状態に移行させることを特徴とする請求項1に記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記温度センサにより検出される温度が、前記冷却水の水温に応じて前記燃料電池の出力制限が開始されるときの当該冷却水の水温に到達したときに、前記水温状況表示部における表示を前記水温異常状態に移行させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
- 前記制御手段は、前記温度センサにより検出される温度が、前記冷却水の水温に応じて前記燃料電池の出力が停止させられるときの当該冷却水の水温に到達したときに、前記水温状況表示部における表示を前記水温異常状態に移行させることを特徴とする請求項1記載の燃料電池システム。
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JP2007337820A JP2009158397A (ja) | 2007-12-27 | 2007-12-27 | 燃料電池システム |
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Cited By (1)
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2007
- 2007-12-27 JP JP2007337820A patent/JP2009158397A/ja active Pending
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DE102015119017A1 (de) | 2014-11-14 | 2016-05-19 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Brennstoffzellensystem |
US9692068B2 (en) | 2014-11-14 | 2017-06-27 | Toyota Jidosha Kabushiki Kaisha | Fuel cell system |
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