JP2009158138A - X線管及びx線ct装置 - Google Patents

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Abstract

【課題】X線の照射位置を精度よく制御することができるX線管及びX線CT装置を提供する。
【解決手段】X線管1において、通電によって電子を放出するコイルフィラメント15と、電子が入射することによりX線を出射するアノードとを設け、コイルフィラメント15からアノードに向かう経路Lに沿って、経路Lを挟んでX方向に配列された一対のXエレクトロード16a及び16bと、経路Lを挟んでY方向に配列された一対のYエレクトロード17a及び17bとをこの順に設ける。そして、各Xエレクトロード16a及び16b、各Yエレクトロード17a及び17bの電位は、相互に独立して制御可能とする。また、Xエレクトロード16における経路Lに面した端面Txは、アノード側が広がるように、Z方向に対して傾斜させる。
【選択図】図1

Description

本発明は、X線管及びX線CT装置に関し、特に、X線の光路を変更可能なX線管及びこのX線管を搭載したX線CT装置に関する。
X線CT(Computed Tomography:コンピュータ断層撮影)装置は、最先端の医療用機器として急速に普及し、医療現場ではなくてはならない診断装置として活躍している。また、X線CT装置は、工業用の検査装置としても製品化されている。X線CT装置の原理は、X線が被写体を透過する性質を利用し、被写体に対して多方面からX線を照射して、被写体の反対側に配置した検出器で被写体を透過したX線を検出し、この検出結果に基づいて断面画像を再構成するというものである。
医療用のX線CT装置は、患者をスライド移動させながら、相互に対向させたX線発生部及び検出器を患者の周囲で高速で回転させてスライス投影し、X線投影データを取得して断面像を合成する。一方、工業用のX線CT装置においては、一般に、X線発生部及び検出器を、被写体を挟む位置に固定し、被写体を回転させながら投影データを取得し、断面像を合成する。
X線CT装置のX線発生部には、X線管が設けられている。X線管においては、通電により熱電子を放出するコイル状のフィラメントと、このフィラメントから放出された電子が照射されることによりX線を出射するアノードとが設けられている。フィラメント及びアノードは真空容器内に密閉されており、通常、X線の光路は固定されている。
一方、X線CT装置においては、X線の照射位置を微小移動させながら投影データを取得することにより、より空間分解能が高い高解像度の画像を再構成できることが知られている(例えば、特許文献1参照。)。X線の照射位置を微小移動させる方法としては、電子ビームがアノードに照射される位置を移動させる方法がある。特許文献1においては、X線管に偏向コイルを設けることにより、アノードにおける電子ビームの照射位置を周期的に変化させ、X線の照射位置を周期的に変化させる技術が開示されている。
しかしながら、電子源としてコイル状のフィラメントを用いると、大きな電子ビームが得られる反面、形状がコイル状であるために、電子ビームの軌道を制御することが困難である。このため、X線管においては、電子銃の構成及びX線の光学系の構成をいかに最適化するかが、重要な課題となる。
上述の特許文献1に開示されている偏向コイルを使用する方法においては、偏向コイルを真空容器内に設置する方法と、真空容器外に設置する方法とが考えられる。偏向コイルを真空容器内に設置する方法では、偏向コイルを露出させることはできないため、真空容器内に偏向コイルを収納する収納容器を設ける必要がある。この場合、収納容器の存在により、電子光学系の電界が乱されると、電子ビームが正常な軌道に乗らなくなるため、収納容器の電位を電界ポテンシャルの電位に合わせる必要がある。
しかしながら、収納容器も一定の大きさを持つため、収納容器の電位を電界ポテンシャル電位と一致させるためには、収納容器の電位を傾斜させる必要がある。例えば、150kVの電圧で電子を加速する電子光学系の中央付近に収納容器を設置する場合、収納容器の電位は50〜100kV程度の範囲で傾斜した電位とする必要がある。しかし、これは現実的には極めて困難である。一方、偏向コイルを真空容器外に設置する場合には、収納容器に電位を印加する必要はないものの、偏向コイルの内径が大きくなり、必要な出力を確保できなくなる。このため、真空容器における偏向コイルを取り付ける部分を、ボトルネックのように細く絞ることが必要となり、構造が複雑になってしまう。
また、X線管に2本のフィラメントを設けることにより、X線の光路を2つ形成する技術も開示されている(例えば、特許文献2参照。)。しかしながら、この技術においては、電子ビームの軌道の制御が極めて困難であると共に、X線CT装置の空間分解能を向上させる目的のためには、光路間の距離が大きくなりすぎてしまうという問題がある。
更に、電子ビームの経路を囲むように4つの電極を設け、各電極の電位を制御することにより、電子ビームの軌道を2方向に変位させる技術も開示されている(例えば、特許文献3参照。)。しかしながら、この技術においても、電極とフィラメントとの間で放電が発生しないようにするためには、電極に印加できる電位範囲に限界があるため、電子ビームの軌道を効果的に制御することができない。
特開平5−269122号公報 特表2004−528682号公報(図2) 特開2005−56843号公報(図5)
本発明の目的は、X線の照射位置を精度よく制御することができるX線管及びX線CT装置を提供することである。
本発明の一態様によれば、通電によって電子を放出するフィラメントと、前記電子が入射することによりX線を出射するアノードと、前記フィラメントから前記アノードに向かう経路を挟んで相互に対向した一対の第1電極部材と、前記第1電極部材と前記アノードとの間に設けられ、前記第1電極部材が配列された方向及び前記経路が延びる方向の双方に対して交差した方向に配列され、前記経路を挟んで相互に対向した一対の第2電極部材と、を備え、各前記第1電極部材及び各前記第2電極部材の電位は、相互に独立して制御可能であることを特徴とするX線管が提供される。
本発明の他の一態様によれば、前記X線管と、検査対象物を挟んで前記X線管に対向する位置に配置されたX線検出手段と、前記X線管及び前記X線検出手段に前記検査対象物の周囲を回転させる駆動手段と、前記X線管の各前記第1電極部材及び各前記第2電極部材の電位を制御する制御手段と、前記X線検出手段の検出結果に基づいて画像を構成する画像構成手段と、を備えたことを特徴とするX線CT装置が提供される。
本発明によれば、X線の照射位置を精度よく制御することができるX線管及びX線CT装置を実現することができる。
以下、図面を参照しつつ、本発明の実施形態について説明する。
先ず、本発明の第1の実施形態について説明する。
図1は、本実施形態に係るX線管の電子銃を模式的に例示する斜視断面図であり、
図2乃至図4は、本実施形態に係るX線管を例示する断面図であり、図2は図1に示すA−A’線による断面図であり、図3はB−B’線による断面図であり、図4はC−C’線による断面図である。
なお、図1においては、本実施形態の特徴を強調して示すために、各部の寸法比を、図2〜図4に示すものとは異ならせている。また、後述する絶縁ブロック13a、13b、13cを破線で示している。
先ず、本実施形態に係るX線管1(図2参照)の電子銃11の構成について説明する。
図1に示すように、電子銃11においては、一方の端部が開口された円筒状のシールド12が設けられている。シールド12内には、底面側から開口部側に向かって、絶縁ブロック13a、ウエネルト14、コイルフィラメント15、絶縁ブロック13b、一対のXエレクトロード(第1電極部材)16a及び16b(以下、総称して「Xエレクトロード16」ともいう)、絶縁ブロック13c、一対のYエレクトロード(第2電極部材)17a及び17b(以下、総称して「Yエレクトロード17」ともいう)が、この順に配列されて収納されている。
シールド12は、金属又は合金等の導電性材料により形成されている。絶縁ブロック13aは、絶縁材料からなる円板状の部材であり、その中心軸はシールド12の中心軸と一致している。絶縁ブロック13aは、ウエネルト14を保持すると共に、ウエネルト14をシールド12から絶縁している。
ウエネルト14は、ステンレス等の非磁性金属からなる円板状の部材であり、ウエネルト14におけるシールド12の開口部側の面には、シールド12の軸方向に対して直交する方向に延びる溝14aが形成されている。ウエネルト14の中心軸は、シールド12の中心軸と一致している。
コイルフィラメント15は、螺旋状に巻回しつつ溝14aと同じ方向に延びるフィラメントである。コイルフィラメント15は、例えばタングステンによって形成されており、通電されることによって熱電子を放出する。コイルフィラメント15は、溝14a内に半ば収納されているが、ウエネルト14に接触はしていない。
以下、本明細書においては、説明の便宜上、コイルフィラメント15及び溝14aが延びる方向をX方向とし、シールド12の軸方向をZ方向とし、X方向及びZ方向の双方に対して直交する方向をY方向とする。また、X方向のうち、Xエレクトロード16aが配置されている側を+X方向とし、Xエレクトロード16bが配置されている側を−X方向とし、Y方向のうち、Yエレクトロード17aが配置されている側を+Y方向とし、Yエレクトロード17bが配置されている側を−Y方向とし、Z方向のうち、ウエネルト14からコイルフィラメント15に向かう方向を+Z方向とし、その反対方向を−Z方向とする。
絶縁ブロック13b及び13cは、絶縁材料からなる円環状の部材であり、その中心軸はシールド12の中心軸と一致している。絶縁ブロック13b及び13cの厚さは、例えばそれぞれ1ミリメートル以下である。なお、図1においては、図示の便宜上、絶縁ブロック13b及び13cは実際よりも厚く描かれている。絶縁ブロック13bは、Xエレクトロード16を保持すると共に、Xエレクトロード16をウエネルト14から絶縁する。絶縁ブロック13cは、Yエレクトロード17を保持すると共に、Yエレクトロード17をXエレクトロード16から絶縁する。
後述するように、コイルフィラメント15から見て+Z方向にあたる位置には、アノード22(図2参照)が設けられている。このため、コイルフィラメント15からアノードに向かう経路Lは、+Z方向に延び、シールド12の中心軸と一致している。そして、一対のXエレクトロード16a及び16bは、経路Lを挟んで相互に対向するように設けられており、X方向に配列されている。Xエレクトロード16a及び16b間の距離は、コイルフィラメント15の長手方向の長さよりも長い。
Xエレクトロード16は、ステンレス等の非磁性金属により形成されている。また、一対のXエレクトロード16の形状は相互に同一である。各Xエレクトロード16の形状は、経路L上の1点を中心とする円板の一部であり、その弦はY方向に延びている。また、Xエレクトロード16における経路Lに面した端面Txは、+Z方向側が開くように、Z方向に対して傾斜している。すなわち、一対のXエレクトロード16におけるアノード22側の部分間の距離が、コイルフィラメント15側の部分間の距離よりも大きくなるように、経路Lが延びる方向に対して傾斜している。端面TxのX方向に対する傾斜角θ(図2参照)は、例えば50〜80度であり、例えば70度である。
一対のYエレクトロード17a及び17bも、経路Lを挟んで相互に対向するように設けられており、Y方向に配列されている。Yエレクトロード17は、ステンレス等の非磁性金属により形成されている。一対のYエレクトロード17の形状は相互に同一であり、経路L上の1点を中心とする円板の一部であり、その弦はX方向に延びている。Yエレクトロード17の厚さは、Xエレクトロード16の厚さよりも薄く、Yエレクトロード17における経路Lに面した端面Tyは、Z方向に対して平行である。また、一対のYエレクトロード17a及び17b間の距離は、例えば、コイルフィラメント15の直径の10倍程度である。
このように、電子銃11の構成は、概ね、経路Lに対して回転対称である。そして、Xエレクトロード16a及び16b並びにYエレクトロード17a及び17bは相互に絶縁されており、これらの電位は相互に独立して制御可能である。ウエネルト14、Xエレクトロード16a及び16b、Yエレクトロード17a及び17bには、X線管1の外部から電位が印加される。また、コイルフィラメント15には、X線管1の外部から電力が供給される。
次に、図2〜図4を参照して、X線管1における電子銃11以外の部分について説明する。図2〜図4においては、図を簡略化するために、シールド12、絶縁ブロック13a〜13cは、図示が省略されている。
図2〜図4に示すように、X線管1においては、真空シールドチャンバ21が設けられており、上述の電子銃11もこのチャンバ21内に収納されている。また、真空シールドチャンバ21内におけるコイルフィラメント15から見て+Z方向にあたる位置には、アノード22が設けられている。アノード22の形状は、その頂面が−Z方向に向いた円錐台形状であり、アノード22の側面22aの法線は、Z方向に対して例えば6〜8度程度傾斜している。アノード22は、側面22aにコイルフィラメント15から放出された電子が入射することにより、+X方向にX線を出射するものである。このため、アノード22における少なくとも電子が照射される部分は、例えばタングステンにより形成されている。
アノード22は、回転軸23と一体化されており、回転軸23によって回転可能とされている。回転軸23はZ方向に延び、その中心軸は経路Lから見て−X方向にシフトしている。回転軸23は、真空シールドチャンバ21の外部に引き出されており、外部駆動機構(図示せず)によって回転する。真空シールドチャンバ21における回転軸23が挿通している部分には、円環状のシーリングユニット24が設けられており、真空シールドチャンバ21の外部から内部に回転軸23を介して回転運動を導入しつつ、チャンバ21内の気密を担保する。
また、真空シールドチャンバ21におけるアノード22から出射したX線が到達する位置には、ベリリウム膜からなる窓25が設けられている。窓25を介して、X線はX線管1の外部に取り出される。
次に、上述の如く構成された本実施形態に係るX線管1の動作について説明する。
図5は、本実施形態に係るX線管の動作を例示する図である。
以下、図1〜図5を参照して説明する。
先ず、真空シールドチャンバ21内を真空とする。次に、アノード22とウエネルト14との間に、ウエネルト14を負極としアノード22を正極とする電圧を印加する。例えば、アノード22に接地電位を印加し、ウエネルト14に−150kVの電位を印加する。また、シールド12に接地電位を印加する。これにより、真空シールドチャンバ21内に、ウエネルト14からアノード22に向かう電界が形成される。また、コイルフィラメント15の電位は、ウエネルト14の電位よりもやや正極側の電位、例えば、−140kVとする。一方、X線管1の外部から回転軸23を回転させ、アノード22を回転させる。
この状態で、コイルフィラメント15に、X線管1の外部から電力を供給して通電させる。これにより、コイルフィラメント15が加熱され、熱電子を放出する。放出された電子は、ウエネルト14によるレンズ効果によって収縮し、経路Lに沿って電子ビームEBを形成し、アノード22の側面22aに対して照射される。側面22aにおける電子ビームEBが照射される領域を実焦点FEBとする。実焦点FEBの形状は、コイルフィラメント15の形状が縮小された形状である。なお、このとき、アノード22を回転させることにより、アノード22の焦点焼けを防止している。
これにより、アノード22の実焦点FEBに相当する部分がX線を出射する。このX線の強度分布は、側面22aに対して6〜8度傾斜した方向にピークを持つため、X方向に向かう成分が最も強くなる。以下、X方向に向かうX線の成分をX線ビームXBという。X線ビームXBは窓25に到達し、窓25を透過してX線管1の外部に出射する。このようにして、X線管1はX線源として機能する。例えば、後述の第3の実施形態において説明するように、X線管1は、X線CT装置のX線源として使用することができる。以下、X線管1の外部においてX線ビームXBが照射される領域を、実効焦点FXBという。実効焦点FXBの形状は、例えば、一辺の長さが1ミリメートルの正方形である。
そして、このとき、本実施形態においては、Xエレクトロード16a及び16b、Yエレクトロード17a及び17bにそれぞれ電位を印加することにより、静電場を形成し、電子ビームEBの軌道を制御することができる。これにより、実焦点FEBの位置及び大きさを制御することができる。この結果、X線ビームXBの軌道を制御し、実効焦点FXBの位置及び大きさを制御することができる。
具体的には、Xエレクトロード16a及び16b、Yエレクトロード17a及び17bの基準電位をウエネルト14の電位とした上で、これに数kV程度以内の電位を重畳する。例えば、上述の如く、アノード22に接地電位を印加し、ウエネルト14に−150kVの電位を印加した場合において、+X方向側に配置されたXエレクトロード16aに、ウエネルト14に対して+2kV、すなわち、−148kVの電位を印加し、−X方向側に配置されたXエレクトロード16bに、ウエネルト14に対して−2kV、すなわち、−152kVの電位を印加する。これにより、電子ビームEBが+X方向に偏向し、実焦点FEBの位置が相対的に+X方向側の位置となる。
一方、+X方向側に配置されたXエレクトロード16aに、ウエネルト14に対して−2kVの電位を印加し、−X方向側に配置されたXエレクトロード16bに、ウエネルト14に対して+2kVの電位を印加すれば、電子ビームEBが−X方向に偏向し、実焦点FEBの位置が相対的に−X方向側の位置となる。このように、Xエレクトロード16の電位を制御することにより、実焦点FEBのX方向の位置を制御することができる。これにより、実効焦点FXBのZ方向における位置を制御することができる。
同様に、Yエレクトロード17a及び17bの電位をそれぞれ制御することにより、電子ビームEBをY方向に偏向させ、実焦点FEBのY方向の位置を制御することができる。これにより、実効焦点FXBのY方向における位置を制御することができる。
また、Xエレクトロード16a及び16bの双方に対して、同じ正の電位を重畳することにより、電子ビームEBのビーム径をX方向において拡大することができ、実焦点FEBのX方向における大きさを大きくすることができる。逆に、Xエレクトロード16a及び16bの双方に対して、同じ負の電位を重畳することにより、電子ビームEBのビーム径をX方向に縮小することができ、実焦点FEBのX方向における大きさを小さくすることができる。同様に、Y方向についても、Yエレクトロード17の電位を制御することにより、実焦点FEBのY方向における大きさを制御することができる。
次に、本実施形態の効果について説明する。
本実施形態においては、電子銃11が可変焦点フィラメント式電子銃となっており、電子ビームの実焦点FEBの位置及び大きさを変化させることができる。このとき、各Xエレクトロード16の電位及び各Yエレクトロード17の電位を、相互に独立して制御できるため、実焦点FEBの位置及び大きさを、X方向及びY方向で相互に独立して制御することができる。これにより、実効焦点FXBの位置及び大きさを、相互に独立して制御することができる。
また、本実施形態においては、Yエレクトロード17はXエレクトロード16とアノード22との間に設けられており、Xエレクトロード16とはZ方向において離隔している。これにより、X方向の電界とY方向の電界を相互に独立して制御しやすくなり、実焦点FEBの位置及び大きさの制御性が向上する。この結果、実効焦点FXBの位置及び大きさの制御性が向上する。
更に、本実施形態においては、Xエレクトロード16の端面TxがZ方向に対して傾斜しているため、電子ビームEBをX方向に偏向させたときに、電子ビームEBとXエレクトロード16との間の距離を確保できる。これにより、電子ビームEBの形状に電場ポテンシャルが影響することを避けることができ、電子ビームEBが変形することを防止できる。
更にまた、本実施形態においては、電子銃11の構成がほぼ経路Lを中心とした回転対称となっているため、電子光学系の電界ポテンシャル分布もほぼ経路Lを中心とした回転対称となり、電子ビームEBの軌道が安定する。また、電子ビームEBの実焦点FEBの大きさを制御する際には、一対のXエレクトロード16にウエネルト14の電位から見て同極性の電位を印加し、一対のYエレクトロード17にもウエネルト14の電位から見て同極性の電位を印加するため、実焦点FEBは常に経路L上に形成され、焦点位置にオフセットが発生しない。
更にまた、本実施形態においては、絶縁ブロック13a、13b、13cの厚さを例えば1ミリメートル以下と薄くしているため、コイルフィラメント15とアノード22との間の距離を短くすることができ、電界を強くすることができる。これにより、X線管の効率を高めることができる。また、絶縁ブロックを薄くした分だけ、Xエレクトロード及びYエレクトロードを厚くすることができ、印加電圧を増加させることができる。これにより、電子ビームの制御性を向上させることができる。
なお、本実施形態においては、Yエレクトロード17の端面TyはZ方向に対して平行である例を示したが、端面Tyは、Xエレクトロード16の端面Txと同様に、+Z方向側が開くようにZ方向に対して傾斜していてもよい。これにより、電子ビームEBをY方向に偏向させたときに、Yエレクトロード17からの距離を確保できるため、電場ポテンシャルの影響を避けられ、電子ビームが変形する問題が発生しない。
以下、本実施形態の効果を、シミュレーションによって検証する。
図6(a)〜(c)、図7(a)〜(c)、図8(a)〜(c)、図9(a)〜(c)、図10(a)及び(b)、図11(a)及び(b)は、電子ビームの軌道のシミュレーション結果を例示する図である。
図6〜図9における左側の図は、Y方向又はX方向から電子ビームを見た図であり、右側の図は、−Z方向から実焦点を見た図である。また、図10及び図11においては、電子ビームの他に、電界ポテンシャルの等電位面も示している。
先ず、各シミュレーションに共通する条件について説明する。図6〜図11に示すように、本シミュレーションにおいては、電子光学系としてウエネルト14、コイルフィラメント15、Xエレクトロード16a及び16b又はYエレクトロード17a及び17b、並びにアノード22のみを考慮した。各部材の相対的なサイズ、形状、位置関係は、図6〜図11に示すとおりとした。そして、電子の加速電圧、すなわち、ウエネルト14とアノード22との間の電圧を150kVとした。また、+X方向側のXエレクトロード16a、−X方向側のXエレクトロード16b、+Y方向側のYエレクトロード17a及び−Y方向側のYエレクトロード17bの各電位を、相互に独立して制御し、これらの電位を、ウエネルト14の電位に対して、+2kV、同電位又は−2kVとした。このような条件下において、電子光学系内の各位置の電界ポテンシャルを計算し、電子ビームの軌道をシミュレートした。
第1のシミュレーション結果について説明する。
本シミュレーションは、電子ビームの実焦点の位置をX方向において変化させたものである。
本シミュレーションの結果を図6(a)〜(c)に示す。
図6(a)に示すシミュレーションにおいては、Xエレクトロード16aの電位をウエネルト14の電位に対して+2kVとし、Xエレクトロード16bの電位をウエネルト14の電位に対して−2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの位置は、経路Lから+X方向に変位した。この変位量は、例えば2ミリメートルであった。
図6(b)に示すシミュレーションにおいては、Xエレクトロード16a及び16bの電位を、ウエネルト14の電位と等しくした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBは、経路L上に位置した。
図6(c)に示すシミュレーションにおいては、Xエレクトロード16aの電位をウエネルト14の電位に対して−2kVとし、Xエレクトロード16bの電位をウエネルト14の電位に対して+2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの位置は、経路Lから−X方向に変位した。この変位量は、例えば2ミリメートルであった。
このように、本シミュレーションによれば、Xエレクトロードの電位を±2kVの範囲で調節することにより、実焦点FEBのX方向の位置を±2ミリメートルの範囲で変位させることができた。
次に、第2のシミュレーション結果について説明する。
本シミュレーションは、電子ビームの実焦点の位置をY方向において変化させたものである。
本シミュレーションの結果を図7(a)〜(c)に示す。
図7(a)に示すシミュレーションにおいては、Yエレクトロード17aの電位をウエネルト14の電位に対して+2kVとし、Yエレクトロード17bの電位をウエネルト14の電位に対して−2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの位置は、経路Lから+Y方向に変位した。この変位量は、例えば1ミリメートルであった。
図7(b)に示すシミュレーションにおいては、Yエレクトロード17a及び17bの電位を、ウエネルト14の電位と等しくした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBは、経路L上に位置した。
図7(c)に示すシミュレーションにおいては、Yエレクトロード17aの電位をウエネルト14の電位に対して−2kVとし、Yエレクトロード17bの電位をウエネルト14の電位に対して+2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの位置は、経路Lから−Y方向に変位した。この変位量は、例えば1ミリメートルであった。
このように、本シミュレーションによれば、Yエレクトロードの電位を±2kVの範囲で調節することにより、実焦点FEBのY方向の位置を±1ミリメートルの範囲で変位させることができた。
次に、第3のシミュレーション結果について説明する。
本シミュレーションは、電子ビームの実焦点の大きさをX方向において変化させたものである。
本シミュレーションの結果を図8(a)〜(c)に示す。
図8(a)に示すシミュレーションにおいては、Xエレクトロード16a及び16bの電位を、いずれもウエネルト14の電位に対して+2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの大きさは、X方向において大きくなった。
図8(b)に示すシミュレーションにおいては、Xエレクトロード16a及び16bの電位を、いずれもウエネルト14の電位と等しくした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBのX方向の大きさは、図8(a)に示す場合よりも小さくなった。
図8(c)に示すシミュレーションにおいては、Xエレクトロード16a及び16bの電位を、いずれもウエネルト14の電位に対して−2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの大きさは、X方向においてさらに縮小し、図8(b)に示す場合よりも小さくなった。
このように、本シミュレーションによれば、Xエレクトロードの電位を調節することにより、実焦点FEBのX方向の大きさを変化させることができた。図8(a)及び(c)に示す場合は、図8(b)に示す場合を基準として、例えば、±30%の範囲で実焦点の大きさを変化させることができた。
次に、第4のシミュレーション結果について説明する。
本シミュレーションは、電子ビームの実焦点の大きさをY方向において変化させたものである。
本シミュレーションの結果を図9(a)〜(c)に示す。
図9(a)に示すシミュレーションにおいては、Yエレクトロード17a及び17bの電位を、いずれもウエネルト14の電位に対して+2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの大きさは、Y方向において大きくなった。
図9(b)に示すシミュレーションにおいては、Yエレクトロード17a及び17bの電位を、いずれもウエネルト14の電位と等しくした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBのY方向の大きさは、図9(a)に示す場合よりも小さくなった。
図9(c)に示すシミュレーションにおいては、Yエレクトロード17a及び17bの電位を、いずれもウエネルト14の電位に対して−2kVとした。この結果、電子ビームEBの実焦点FEBの大きさは、Y方向においてさらに縮小し、図9(b)に示す場合よりも小さくなった。
このように、本シミュレーションによれば、Yエレクトロードの電位を±2kVの範囲で調節することにより、実焦点FEBのY方向の大きさを制御することができた。
次に、第5のシミュレーション結果について説明する。
本シミュレーションは、電子光学系の電界分布を変化させたものである。
本シミュレーションの結果を、図10(a)及び(b)並びに図11(a)及び(b)に示す。
図10(a)及び(b)に示すように、本実施形態においては、少なくともXエレクトロード16の端面Txがテーパ状となっているX方向において、等電位面Pが端面Txに沿ってなだらかに形成された。
これに対して、Xエレクトロード16の端面をテーパ状としない場合は、図11(a)に示すように、加速電圧が低い場合は問題がないが、図11(b)に示すように、加速電圧を高くすると、等電位面Pの形状が複雑に変化し、電子ビームEBの実焦点FEBの制御がやや困難になった。
次に、本発明の第2の実施形態について説明する。
図12は、本実施形態に係るX線管を例示する断面図であり、
図13は、本実施形態における電磁偏向器を例示する正面図である。
図12に示すように、本実施形態に係るX線管2においては、前述の第1の実施形態に係るX線管1の構成に加えて、真空シールドチャンバ21の外部に電磁偏向器30が設けられている。電磁偏向器30の形状は経路Lを囲むような円環状であり、そのZ方向における位置はYエレクトロード17とアノード22との間である。
図13に示すように、例えば、電磁偏向器30には、経路Lを囲むように設けられたトロイダルコイル31と、トロイダルコイル31を収納する収納容器(図示せず)とが設けられている。トロイダルコイル31の中心軸は、経路Lと一致している。これにより、大きな電磁場を発生させることができる。電磁偏向器30は、Xエレクトロード16及びYエレクトロード17とは独立して制御することができる。
本実施形態においては、電磁偏向器30が電磁場を形成することにより、電子ビームEBの軌道を制御することができる。これにより、電子ビームに対して、Xエレクトロード16及びYエレクトロード17による静電場を介した制御に、電磁偏向器30による電磁場を介した制御を重畳させることができる。この結果、実焦点FEBの位置をより大きく偏向させることができると共に、実焦点FEBの変形を防止することができる。
なお、電磁偏向器30を設ける場合には、トロイダルコイル31を収納する収納容器(図示せず)の電位を考慮する必要がある。経路Lに沿った電子ビームは、最適化した電場の中で形成されているため、収納容器の電位がこの電場に影響を与えないように制御する必要がある。本実施形態においては、電磁偏向器30は真空シールドチャンバ21の外部に配置されているため、真空シールドチャンバ21と同電位のものとして扱うことができ、電磁偏向器30の存在が経路Lの近傍の電界に影響を与えることがない。
以下、本実施形態の効果を、シミュレーションによって検証する。
図14(a)及び(b)並びに図15(a)及び(b)は、電子ビームの軌道のシミュレーション結果を例示する図であり、図14(a)及び(b)は、電子ビームをX方向に偏向させた結果を示し、図15(a)及び(b)は、電子ビームをY方向に偏向させた結果を示す。
本シミュレーションの方法は、前述の第1の実施形態における図6及び図7に示すシミュレーションの方法と同様である。
図14及び図15に示すように、本実施形態においても、電子ビームEBの実焦点FEBの位置を、効果的に制御することができた。
次に、本発明の第3の実施形態について説明する。
本実施形態に係るX線管おいては、前述の第1又は第2の実施形態に係るX線管の構成に加えて、ウエネルト14の電位を制御することができる。これにより、ウエネルト14に更に負の電位を重畳する。この結果、Y方向における実焦点FEBの大きさをより小さくすることができる。ウエネルト14に重畳的に印加する電位は、例えば、0〜−500V、例えば、−300Vとする。すなわち、ウエネルト14の電位を、−150.0kV〜−150.5kV程度の範囲で制御し、例えば、−150.3kVとする。
次に、本発明の第4の実施形態について説明する。
本実施形態は、前述の第1の実施形態に係るX線管を搭載したX線CT装置の実施形態である。
図16は、本実施形態に係るX線CT装置を例示する図である。
図16に示すように、本実施形態に係るX線CT装置61においては、検査対象物Tを保持する保持手段62が設けられている。X線CT装置61が例えば医療用の装置である場合には、検査対象物Tは患者であり、保持手段62は患者を寝かせた状態で身長方向に平行移動させるベッド状の搬送装置である。
また、X線CT装置61には、前述の第1の実施形態に係るX線管1と、X線検出手段63とが設けられている。X線管1とX線検出手段63とは検査対象物Tを挟み、相互に対向する位置に配置されている。
更に、X線CT装置61には、X線管1及びX線検出手段63に検査対象物Tの周囲を回転させる駆動手段64が設けられている。駆動手段64には、例えば、保持手段62を囲む円環状のリング部材と、このリング部材を自転させるモーターが設けられている。これにより、X線管1及びX線検出手段63は、検査対象物Tを囲む円軌道を描いて公転する。
更にまた、X線CT装置61には、X線管1のXエレクトロード16及びYエレクトロード17の電位を制御すると共に、ウエネルト14及びアノード22の電位を制御する制御手段65が設けられている。更にまた、X線CT装置61には、X線検出手段63の検出結果に基づいて画像を構成する画像構成手段66が設けられている。更にまた、X線CT装置61には、制御手段65及び画像構成手段66に対する命令が入力されると共に、画像構成手段66が構成した画像を出力する入出力手段67が設けられている。入出力手段67には、例えば、キーボード及びディスプレイが設けられている。
次に、上述の如く構成されたX線CT装置61の動作について説明する。
図17(a)〜(c)は、本実施形態に係るX線CT装置の動作を例示する図であり、(a)は斜視図であり、(b)はX線管の円軌道の半径方向から見た図であり、(c)は、この円軌道の中心軸方向から見た図である。
図16及び図17(a)〜(c)に示すように、先ず、保持手段62が検査対象物Tを保持する。次に、駆動手段64がX線管1及びX線検出手段63を、検査対象物Tを囲む円軌道に沿って公転させ、X線管1がX線ビームXBを出射する。この状態で、保持手段62が検査対象物Tを円軌道の軸方向に沿って移動させ、検査対象物Tに円軌道の内部を通過させる。これにより、X線管1から出射したX線が、検査対象物Tの種々の部分を種々の方向から透過し、X線検出手段63に到達して検出される。X線検出手段63はこの検出結果を画像構成手段66に対して出力し、画像構成手段66はこの検出結果に基づいて画像を構成する。そして、入出力手段67がこの画像を出力する。
このとき、制御手段65がX線管1のXエレクトロード及びYエレクトロードの電位を制御することにより、前述の第1の実施形態において説明したように、X線管1から出射されるX線ビームXBの軌道が、それぞれZ方向及びY方向に変位する。これにより、X線の焦点位置を微小移動させながら検出することができ、空間分解能が高い高解像度の画像を構成することができる。
このように、本実施形態によれば、X線源として前述の第1の実施形態に係るX線管を使用することにより、空間分解能が高いX線CT装置を実現することができる。また、擬似欠陥を低減することができる。この結果、検査対象物Tの検査精度が向上する。例えば、X線CT装置61が医療用の装置である場合には、患者に対する診断機能が向上する。また、検査を高速化することができ、検査時間の短縮及び患者のX線被爆量の低減を図ることができる。なお、X線源として、前述の第2又は第3の実施形態に係るX線管を使用してもよい。
以上、実施形態を参照して本発明を説明したが、本発明はこれらの実施形態に限定されるものではない。例えば、前述の各実施形態に対して、当業者が適宜、構成要素の追加、削除、設計変更を行ったものも、本発明の要旨を備えている限り、本発明の範囲に含有される。また、装置の駆動条件も前述の例には限定されない。例えば、前述の第1乃至第3の実施形態においては、ウエネルト14及びコイルフィラメント15をマイナス電位とし、アノード22を接地電位とする例を示したが、本発明はこれに限定されず、例えば、ウエネルト14及びコイルフィラメント15を接地電位とし、アノードをプラス電位としても、同様な効果を得ることができる。また、前述の各実施形態においては、Xエレクトロード16a及び16b、並びにYエレクトロード17a及び17bの電位制御範囲を±2kVとする例を示したが、本発明はこれに限定されず、これらのエレクトロードの寸法、形状等の機械的構成の選択によっては、これらのエレクトロードの電位を、例えば、0kVから+4kV、又は、−4kVから0kVのように、0kVからシフトした範囲で制御しても、同様な効果を得ることができる。
本発明の第1の実施形態に係るX線管の電子銃を模式的に例示する斜視断面図である。 第1の実施形態に係るX線管を例示するA−A’線による断面図である。 第1の実施形態に係るX線管を例示するB−B’線による断面図である。 第1の実施形態に係るX線管を例示するC−C’線による断面図である。 第1の実施形態に係るX線管の動作を例示する図である。 (a)〜(c)は、電子ビームの軌道に関する第1のシミュレーション結果を例示する図である。 (a)〜(c)は、電子ビームの軌道に関する第2のシミュレーション結果を例示する図である。 (a)〜(c)は、電子ビームの軌道に関する第3のシミュレーション結果を例示する図である。 (a)〜(c)は、電子ビームの軌道に関する第4のシミュレーション結果を例示する図である。 (a)及び(b)は、電子ビームの軌道に関する第5のシミュレーション結果を例示する図である。 (a)及び(b)は、電子ビームの軌道に関する第5のシミュレーション結果を例示する図である。 本発明の第2の実施形態に係るX線管を例示する断面図である。 第2の実施形態における電磁偏向器を例示する正面図である。 (a)及び(b)は、電子ビームをX方向に偏向させたシミュレーション結果を例示する図である。 (a)及び(b)は、電子ビームをY方向に偏向させたシミュレーション結果を例示する図である。 本発明の第4の実施形態に係るX線CT装置を例示する図である。 (a)〜(c)は、第4の実施形態に係るX線CT装置の動作を例示する図であり、(a)は斜視図であり、(b)はX線管の円軌道の半径方向から見た図であり、(c)は、この円軌道の中心軸方向から見た図である。
符号の説明
1、2 X線管、11 電子銃、12 シールド、13a、13b、13c 絶縁ブロック、14 ウエネルト、14a 溝、15 コイルフィラメント、16a、16b Xエレクトロード、17a、17b Yエレクトロード、21 真空シールドチャンバ、22 アノード、22a 側面、23 回転軸、24 シーリングユニット、25 窓、30 電磁偏向器、31 トロイダルコイル、61 X線CT装置、62 保持手段、63 X線検出手段、64 駆動手段、65 制御手段、66 画像構成手段、67 入出力手段、EB 電子ビーム、FEB 実焦点、FXB 実効焦点、L 経路、T 検査対象物、Tx、Ty 端面、XB X線ビーム、θ 傾斜角

Claims (7)

  1. 通電によって電子を放出するフィラメントと、
    前記電子が入射することによりX線を出射するアノードと、
    前記フィラメントから前記アノードに向かう経路を挟んで相互に対向した一対の第1電極部材と、
    前記第1電極部材と前記アノードとの間に設けられ、前記第1電極部材が配列された方向及び前記経路が延びる方向の双方に対して交差した方向に配列され、前記経路を挟んで相互に対向した一対の第2電極部材と、
    を備え、
    各前記第1電極部材及び各前記第2電極部材の電位は、相互に独立して制御可能であることを特徴とするX線管。
  2. 前記第1電極部材における前記経路に面した端面は、一対の前記第1電極部材における前記アノード側の部分間の距離が前記フィラメント側の部分間の距離よりも大きくなるように、前記経路が延びる方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1記載のX線管。
  3. 前記一対の第1電極部材は、前記フィラメントが延びる方向に沿って配列されていることを特徴とする請求項1または2に記載のX線管。
  4. 前記一対の第2電極部材における前記経路に面した端面は、一対の前記第2電極部材における前記アノード側の部分間の距離が前記フィラメント側の部分間の距離よりも大きくなるように、前記経路が延びる方向に対して傾斜していることを特徴とする請求項1〜3のいずれか1つに記載のX線管。
  5. 前記第2電極部材と前記アノードとの間に設けられた電磁偏向器をさらに備えたことを特徴とする請求項1〜4のいずれか1つに記載のX線管。
  6. 前記フィラメントから見て前記アノードの反対側に設けられ、前記アノードの電位よりも負の電位が印加されるウエネルトをさらに備え、
    前記ウエネルトの電位は制御可能であることを特徴とする請求項1〜5のいずれか1つに記載のX線管。
  7. 請求項1〜6のいずれか1つに記載のX線管と、
    検査対象物を挟んで前記X線管に対向する位置に配置されたX線検出手段と、
    前記X線管及び前記X線検出手段に前記検査対象物の周囲を回転させる駆動手段と、
    前記X線管の各前記第1電極部材及び各前記第2電極部材の電位を制御する制御手段と、
    前記X線検出手段の検出結果に基づいて画像を構成する画像構成手段と、
    を備えたことを特徴とするX線CT装置。
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